(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 47/04 20060101AFI20221130BHJP
H01H 47/00 20060101ALI20221130BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01H47/04
H01H47/00 K
H01H9/54 H
(21)【出願番号】P 2021508287
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019072689
(87)【国際公開番号】W WO2020052945
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】102018122265.3
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンク ステファン
(72)【発明者】
【氏名】アダム クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ラルフ
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02480239(GB,A)
【文献】登録実用新案第3163693(JP,U)
【文献】特開2016-157524(JP,A)
【文献】特開2009-232653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/54-9/56
H01H 47/00-47/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁リレー(100)であり、ヨーク(601)及び接極子(602)を備え、その接極子が、当該ヨーク(601)上に可旋回配置されており、当該ヨーク(601)との関わりで開放ポジション及び接触ポジションを有し、且つ磁界により開放ポジションから接触ポジションへと吸引されその接触ポジションにて保持されるよう設計されている、リレー(100)であって、
第1コンデンサ(101-2)及びそれに直列接続された第1励磁コイル(101-1)を有する第1回路枝(101)を備え、
第2コンデンサ(102-2)及びそれに直列接続された第2励磁コイル(102-1)を有する第2回路枝(102)を備え、
上記接極子(602)を吸引及び保持するための磁界を供給するよう第1励磁コイル(101-1)及び第2励磁コイル(102-1)が設計されており、
第1回路枝(101)・第2回路枝(102)間に配置されており第1スイッチ状態及び第2スイッチ状態を呈するスイッチ素子(103)を備え、
上記スイッチ素子(103)が第1スイッチ状態であるときに第1回路枝(101)及び第2回路枝(102)が並列接続配置となり、当該スイッチ素子(103)が第2スイッチ状態であるときに第1励磁コイル(101-1)及び第2励磁コイル(102-1)が直列接続配置となり、上記スイッチ素子(103)がリードスイッチ(201)を備え、
上記第1及び第2コイルの磁界によって上記接極子(602)が接触ポジションへと吸引されたときに第1スイッチ状態から第2スイッチ状態へと切り換わるよう上記スイッチ素子(103)が設計されている電磁リレー。
【請求項2】
請求項1に係る電磁リレー(100)であって、上記スイッチ素子(103)が第1スイッチ状態であるときに、第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)の磁界により上記接極子(602)を吸引及び保持するのに適した充電電流を第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)に供給するよう、第1及び第2コンデンサ(101-2,102-2)が設計されている電磁リレー。
【請求項3】
請求項1又は2に係る電磁リレー(100)であって、上記第1及び第2コンデンサ(101-2,102-2)が第2スイッチ状態にて高い抵抗値を呈する電磁リレー。
【請求項4】
請求項1に係る電磁リレー(100)であって、第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)の磁界が上記リードスイッチ(201)内を流れる電磁リレー。
【請求項5】
請求項1に係る電磁リレー(100)であって、上記スイッチ素子(103)がリードリレー(301)を備える電磁リレー。
【請求項6】
請求項5に係る電磁リレー(100)であって、ある時定数を有するRC素子(302)が上記リードリレー(301)に前置されている電磁リレー。
【請求項7】
請求項1~
6のうち何れか一項に係る電磁リレー(100)であって、更に、電源電圧を第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)に印加する役目を負った第1接続接点(604)、第2接続接点(605)、第3接続接点(606)及び第4接続接点(607)を備え、第1接続接点(604)が第1励磁コイル(101-1)の巻始めに電気的に接続されており、第2接続接点(605)が第1励磁コイル(101-1)の巻終りに接続されており、第3接続接点(606)が第2励磁コイル(102-1)の巻始めに電気的に接続されており、第4接続接点(607)が第2励磁コイル(102-1)の巻終りに接続されている電磁リレー。
【請求項8】
請求項
7に係る電磁リレー(100)であって、更に、第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)に対し隣接配置され且つ第1、第2、第3及び第4接続接点(604,605,606,607)に電気的に接続されている、回路基板(701)を備える電磁リレー。
【請求項9】
請求項
8に係る電磁リレー(100)であって、上記スイッチ素子(103)が、上記回路基板(701)上に形成され、第2及び第3接続接点(605,606)に電気的に接続され、且つ第1及び第2励磁コイル(101-1,102-1)に対し隣接配置されている電磁リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリレー、とりわけ電磁リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁リレーの場合には、接極子を開放ポジションから接触ポジションへと吸引して自リレーを閉じるのに必要なコイル電流が大きいことによる発熱問題がある。とはいえ、吸引のためには、接触ポジションにて接極子を保持するのに必要なそれより強い磁界、ひいては大きな励磁コイル内磁気流が必要なことから、接極子が接触ポジションへと吸引され終えた後及び接極子が接触ポジションにて保持されている期間における励磁コイルの磁気流を減らすことで、リレーが閉止保持される期間におけるリレーの出力ひいては発熱を減らす様々な策が、従来技術により知らしめられている。既知策の一つは、電源電圧に対しパルス幅変調(PWM)を適用し、所望期間におけるコイル電流を上々な値まで減らすことである。しかしながら、PWM制御には複雑な微細電子部品及びそれに相応する複雑なスイッチアーキテクチャが必要であるので、PWM制御は多くの用途にそぐわない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的はリレーの改良、とりわけ電磁リレーの改良にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は独立形式請求項1の主題により達成される。本発明の上首尾実施形態が従属形式請求項、明細書及び添付図面の主題である。
【0005】
本件開示が根差す知識によれば、上掲の目的は、電源電圧を不変保持しつつ励磁コイル又は励磁コイル群の合計抵抗値を増加させることでコイル電流を減らすことができ、従ってそのリレー出力又は電気出力ひいては熱損失を減らせるリレーによって、達成される。
【0006】
本件開示の一態様に係る電磁リレーは、ヨークと、そのヨーク上に可旋回配置されており、そのヨークとの関わりで開放ポジション及び接触ポジションを有し、且つ磁界により開放ポジションから接触ポジションへと吸引されその接触ポジションにて保持されるよう設計されている接極子と、第1コンデンサ及びそれに直列接続された第1励磁コイルを有する第1回路枝と、第2コンデンサ及びそれに直列接続された第2励磁コイルを有する第2回路枝と、を備え、接極子を吸引及び保持するための磁界を供給するよう第1励磁コイル及び第2励磁コイルが設計されており、第1回路枝・第2回路枝間に配置されており第1スイッチ状態及び第2スイッチ状態を呈するスイッチ素子を備え、そのスイッチ素子が第1スイッチ状態であるときには第1回路枝及び第2回路枝が並列接続配置となり、当該スイッチ素子が第2スイッチ状態であるときには第1励磁コイル及び第2励磁コイルが直列接続配置となり、それら第1及び第2コイルの磁界によって接極子が接触ポジションへと吸引されると第1スイッチ状態から第2スイッチ状態へと切り換わるよう当該スイッチ素子が設計されたものである。
【0007】
これによる技術的利点は、接極子が接触ポジションへと全面吸引された直後に、第1及び第2励磁コイルのコイル電力が、接極子を開放ポジションから接触ポジションへと吸引する際供給しなければならない吸引電力から、接極子を接触ポジションにて保持する上で印加しなければならない低めの保持電力へと、自動低減されるリレーが提供されることである。接極子の接触ポジションとは、接極子のポジションのうち、接極子・ヨーク間接触が形成されリレーが閉じるポジション、即ちリレーが完全に引かれ終えたポジションのことである。
【0008】
本リレーは2個の励磁コイルが相互接続された設計であるので、それら2個の励磁コイルの回路配置を同励磁コイルの並列接続から直列接続へと移行させることで、個別抵抗値R1,R2を有する第1,第2励磁コイルの合計抵抗値Rgesを変化させることができる。
【0009】
第1及び第2励磁コイルの並列接続体に関しては、合計抵抗値が
1/Rges=1/R1+1/R2
の如く求まる。
【0010】
他方、第1及び第2励磁コイルの直列接続体に関しては、合計抵抗値が
Rges=R1+R2
から求まる。
【0011】
第1及び第2回路枝の並列接続を第1及び第2励磁コイルの直列接続へと切り換えると第1及び第2励磁コイルの合計抵抗値が増大する。電源電圧が不変であるので、第1及び第2励磁コイルの直列接続による合計抵抗値の増大が、翻って第1及び第2励磁コイルに流れるコイル電流の減少につながる。コイル電流の減少が翻って第1及び第2励磁コイル内磁気流の減少につながり、それとの関わりで第1及び第2励磁コイルの磁界の減少につながる。
【0012】
上記スイッチ素子が第1スイッチ状態、第1及び第2回路枝が並列配置であり第1及び第2コンデンサが充電される時間セグメントでは、第1及び第2コンデンサが低抵抗となるので、その期間における合計抵抗値の計算に関しては、第1及び第2コンデンサの抵抗値を無視することができる。
【0013】
第1及び第2励磁コイルは、上記スイッチ素子が第2スイッチ状態である場合即ち第1及び第2励磁コイルが直列接続されている場合に、第1及び第2励磁コイルΘ=I・Nで形成されそれら第1,第2励磁コイルの磁束がΘ1,2=I・N1,2、Iがコイル電流、N1,2が第1,第2励磁コイルの巻数である磁気系での実現磁束Θges=I・Nが、
Θges=Θ1+Θ2=I・N1+I・N2=I(N1+N2)
となる要領にて、自身の巻回方向との関連で配置するのが望ましい。
【0014】
コイル電流を減少させること、ひいてはコイル電力を減少させることで、励磁コイルにて発生する熱が減少する。とりわけ諸部材の全体サイズが小さい場合、それら部材の熱容量が小さいことから熱発生低減は有益である。
【0015】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子が第1スイッチ状態であるときに、第1及び第2励磁コイルの磁界により接極子を吸引及び保持するのに適した充電電流を第1及び第2励磁コイルに供給するよう、第1及び第2コンデンサが設計される。
【0016】
これには、上記スイッチ素子が第1スイッチ状態であり第1及び第2回路枝が互いに並列配置されている時間セグメントにて、印加される動作電圧により第1及び第2コンデンサが充電されひいては第1及び第2回路枝に充電電流が流れる、という技術的利点がある。この段階では、第1及び第2コンデンサが低い抵抗値を呈しており且つ大充電電流が流れる大きさに設定されていることから、第1及び第2励磁コイルには第1及び第2励磁コイル内磁束及び磁界誘起に適したコイル電流が供給されるので、それにより接極子を接触ポジションへと吸引させることができる。
【0017】
ある実施形態によれば、第1及び第2コンデンサの抵抗値が第2スイッチ状態にて高い抵抗値となる。
【0018】
これには、上記スイッチ素子が第1スイッチ状態であり第1及び第2励磁コイルが並列接続配置されている期間に、第1及び第2コンデンサが高抵抗値の抵抗器として振る舞うので、接極子を接触ポジションに保持するのに十分な磁界を第1及び第2励磁コイルにて誘起させるのに適したコイル電流が、第1及び第2励磁コイルに確と供給される、という技術的利点がある。
【0019】
ある実施形態によれば、第3ダイオード及び/又は第3ダイオード複数個の直列接続体の上流側に接続されたコイルのオーミック抵抗が、第1オーミック直列抵抗器とされる。
【0020】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子にリードスイッチが備わる。
【0021】
これには、上記スイッチ素子を磁気的に扱えるという技術的利点がある。従って、そのスイッチ素子の切換プロセスを接極子の吸引に直結させうるので、同スイッチ素子の切換プロセス及び接極子の吸引が、共に第1及び第2励磁コイルの磁界に影響されることとなる。これにより、接極子が前以て接触ポジションへと全面吸引されないままそのスイッチ素子の切換プロセスが生起することを、防ぐこともできる。
【0022】
ある実施形態によれば、第1及び第2励磁コイルの磁界が上記リードスイッチ内に流される。
【0023】
これには、接極子が接触ポジションへと全面吸引される時点に対して、上記スイッチ素子の切換時点を極力精密に整合させることができる、という技術的利点がある。その際、リードスイッチ所在個所における磁界が、接極子を吸引しその個所にて接極子を保持するのに必要な磁界に相当する磁界強度に到達したら直ちに切り換わり、接極子を吸引させるように上記リードスイッチを設計することで、当該スイッチ素子のスイッチ動作が、接極子が以前に接触ポジションへと全面吸引された時刻の影響を受けることになる。このリードスイッチは、好ましくは第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置し、第1及び第2励磁コイルの漏れ磁束が生じるエリア内に位置決めする。
【0024】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子にリードリレーが備わる。
【0025】
これには、切換正確性及び切換信頼性が高い頑健(ロバスト)部材として上記スイッチ素子が設計される、という技術的利点がある。
【0026】
ある実施形態によれば、ある時定数を有するRC素子が上記リードリレーに前置される。
【0027】
これには、上記RC素子の時定数によって、上記スイッチ素子の切換時点を、接極子が接触ポジションへと全面吸引される時点に対し整合させることができる、という技術的利点がある。これを目的とし、そのRC素子を、第3オーミック抵抗器及び第3コンデンサを有するものとする。第3オーミック抵抗器及び第3コンデンサの大きさを、第1及び第2コンデンサに対し整合させる。更に、その第1及び第2コンデンサの大きさを、第1及び第2コンデンサの完全充電が接触ポジションへの接極子の完全吸引に相当することとなるよう、設定する。従って、接極子が接触ポジションへと全面吸引される時点を、第1及び第2コンデンサ充電の持続時間によって決定することができる。第1及び第2コンデンサの充電持続時間に対する同RC素子の時定数の比率との関連でそのRC素子の大きさを調和させることで、接触ポジションへと接極子が完全吸引される時点に対する当該スイッチ素子の切換時点の調和を果たすことができる。加えて、そのRC素子の時定数は、当該スイッチ素子又は上記リードリレーが切り換わる時点で、そのスイッチ素子にかかる電圧がほぼ0に降下し、ほぼ同一の電圧降下が第1第2励磁コイルにて生じることとなるよう、選定するのが望ましい。こうすることで、さもなくばそのスイッチ素子の切換プロセス中に第1及び第2コンデンサ上で生じていたかもしれない大きな電流ピークを、回避することができる。
【0028】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子にトランジスタが備わる。
【0029】
これには、切換正確性及び切換信頼性が高い頑健部材として上記スイッチ素子が設計される、という技術的利点がある。
【0030】
ある実施形態によれば、上記トランジスタがバイポーラトランジスタとされる。
【0031】
ある実施形態によれば、上記トランジスタがpnp型バイポーラトランジスタとされる。
【0032】
ある実施形態によれば、上記トランジスタがnpn型バイポーラトランジスタとされる。
【0033】
これには、第1及び第2励磁コイルが直列接続されている状態で切換プロセスが完遂された後に、少ししか励磁電流が流れない、という技術的利点がある。
【0034】
ある実施形態によれば上記トランジスタがMOSFETトランジスタとされる。
【0035】
これには、第2励磁コイルでの電圧ピークが回避される、という技術的利点がある。加えて、上記トランジスタが切換プロセス中に消勢されるので、上記スイッチ素子に対する切換プロセス中の電力損失発生が回避される。
【0036】
ある実施形態によれば、上記トランジスタの上流側にRC素子及び分圧器が接続され、時定数がそれらRC素子及び分圧器の働きで決定される。
【0037】
これには、それらRC素子及び分圧器の大きさ設定を通じ上記スイッチ素子の切換時点を設定できる、という技術的利点がある。これを目的とし、そのRC素子を、第3オーミック抵抗器及び第3コンデンサを有するものとする。更に、その分圧器を、第4オーミック抵抗器及び第5オーミック抵抗器が備わるものとする。時定数に係るRC素子及び分圧器の大きさを、充電持続時間に係る第1及び第2コンデンサの大きさ設定に対しても整合させることで、上記トランジスタの切換時点を、接極子が接触ポジションへと全面吸引される時点に対し整合させることができる。当該分圧器を介しそのトランジスタのベース接続点に当該RC素子を接続することで、そのトランジスタが導通状態へと移行し切り換わる時点を、それらRC素子及び分圧器の時定数を用い規制することができる。当該RC素子及び分圧器の時定数を適宜選定することで、スイッチオフ転時に同トランジスタのコレクタエミッタ間電流に電流ピークを発生させることや、スイッチオン転及びオフ転時における電流のスティープネスを達成することができる。更に、それらRC素子及び分圧器を構成する抵抗器群の抵抗値比の選定次第では、そのトランジスタのコレクタエミッタ間電流の電圧勾配及び電流ピークを低減することができる。
【0038】
ある実施形態によれば、第1回路枝に更に第1ダイオードが備わり、第2回路枝に更に第2ダイオードが備わり、第1ダイオードが第1回路枝側、第1励磁コイル・第1コンデンサ間に配置され、第2ダイオードが第2回路枝側、第2コンデンサ・第2励磁コイル間に配置される。
【0039】
これには、第1及び第2回路枝上で電流方向が固定される、という技術的利点がある。これは、切換プロセス中に生じることがあり第1及び第2励磁コイル直列接続体の想定電流方向に対し逆走する不要な逆方向電流を、上記トランジスタの切換プロセスにて防ぐうえでひときわ有益である。
【0040】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子にダイオードが備わる。
【0041】
ここでは上記スイッチ素子をダイオード、とりわけ上記2個のコイルが直列接続されている際にその通流方向に沿い動作する第3ダイオードとして設計する。並列接続から直列接続への切換は第1回路枝・第2回路枝間電圧差により引き起こせる。これはそのダイオードの絶縁破壊電圧以上であり、そのことは、絶縁破壊電圧未満の電圧が第1スイッチ状態、絶縁破壊電圧以上の電圧が第2スイッチ状態に相当することを意味している。加えて、第1回路枝・第2回路枝間にて、幾つかのダイオードを直列配置すること及び/又はダイオードに対し直列抵抗器を配置することで、切換時点を可変とすることができる。付加的な電圧降下がそれらダイオード及び抵抗器にて生じるため、コイルの直列接続体における電流を更に減らすことができる。熱損失を減らすことができる。
【0042】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子に、第3ダイオードと、その第3ダイオードに直列接続された第1オーミック直列抵抗器とが備わる。
【0043】
これには、上記スイッチ素子を容易に製造でき、またその切換プロセスが自動的に生起する、という技術的利点がある。そのスイッチ素子の切換プロセスのうち、第1及び第2回路枝の並列接続を第1及び第2励磁コイルの直列接続へと移行させるそれが、第1・第2回路枝間電圧差が第3ダイオードの絶縁破壊電圧以上相当になると直ちに始まる。加えて、付加的な電圧降下が、第1・第2回路枝間回路枝内で同スイッチ素子を構成している第3ダイオード及び第1オーミック直列抵抗器にて生じるので、第1及び第2励磁コイルの直列接続体における電流を更に減らすことができ、ひいては第1及び第2励磁コイルにおける熱損失をも減らすことができる。
【0044】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子に、直列接続された複数個の第3ダイオードと、直列接続された第1オーミック直列抵抗器とが備わる。
【0045】
これにより、上記複数個の第3ダイオード及び第1オーミック直列抵抗器により上記スイッチ素子の切換時点を変化させることができ、それが当該複数個の第3ダイオードの抵抗値に対し適合する、という技術的長所が実現される。
【0046】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子にトランジスタ及びホールセンサが備わる。
【0047】
これには、切換正確性及び切換信頼性が高い頑健部材として上記スイッチ素子が設計される、という技術的利点がある。更に、ホールセンサを介し、上記トランジスタの切換プロセスが、接触ポジションへと接極子を吸引させる第1及び第2励磁コイルの磁界に結び付く、という技術的長所が実現される。
【0048】
ある実施形態によれば、上記ホールセンサが上記トランジスタに電気的に接続され、第1及び第2励磁コイルの磁界がそれに流される。
【0049】
これには、上記ホールセンサを介し第1及び第2励磁コイルの磁界に上記トランジスタの切換挙動を結び付けることができる、という技術的利点がある。こうすることで、接触ポジションへの接極子の事前完全吸引無しで上記スイッチ素子の切換プロセスが生起することを、避けることができる。当該ホールセンサは好ましくは第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置し、第1及び第2励磁コイルの漏れ磁束が生じるエリア内に位置決めする。
【0050】
ある実施形態によれば、上記ホールセンサと、上記トランジスタのベース接続点との間に、分圧器が配置される。
【0051】
これには、第1及び第2励磁コイルの磁界が上記ホールセンサ内を流れることで、その磁界に相応するホール電圧が生じ、そのホール電圧が上記トランジスタのベース端子に印加される、という技術的利点がある。第1及び第2励磁コイルの磁界が相応な限界値に達すると、同トランジスタのベース端子に相応なホール電圧が加わり、それによりそのトランジスタが導通状態へと切り換わる。同センサを適宜構成することで、或いは上記分圧器の大きさを適宜設定することによりベース端子への印加電圧を適切に適合させることで、第1及び第2励磁コイルの磁界値が接極子を接触ポジションへと完全吸引するのに十分な値であるときに当該トランジスタを導通状態にすることを、達成できる。
【0052】
ある実施形態によれば、上記ホールセンサがツェナーダイオードと並列配置される。
【0053】
これには、並列接続されたツェナーダイオードの働きで、印加電圧が上記ホールセンサの定格電源電圧に制限される、という技術的利点がある。
【0054】
ある実施形態に係る電磁リレーは、更に、電源電圧を第1及び第2励磁コイルに印加する役目を負った第1接続接点、第2接続接点、第3接続接点及び第4接続接点を備え、第1接続接点が第1励磁コイルの巻線の始まりに電気的に接続され、第2接続接点が第1励磁コイルの巻終りに接続され、第3接続接点が第2励磁コイルの巻始めに接続され、第4接続接点が第2励磁コイルの巻終りに接続されたものである。
【0055】
これには、狭設計のリレー、とりわけ全幅が小さいリレーとしてリレーを設計することができ、それを直列端子向け、とりわけ6.2mm直列端子又は3.5mm直列端子向けに用いることができる、という技術的利点がある。更に、第1及び第2励磁コイルを並列接続配置できる、という技術的長所が実現される。
【0056】
ある実施形態によれば、上記リードスイッチが第2及び第3接続接点に電気的に接続される。
【0057】
これにより、上記スイッチ素子がリレーの直上に形成される点で、極力空間節約的なリレーの構築という技術的長所が実現される。更に、コイル群の極力近くに上記リードスイッチを空間配置することで、第1及び第2励磁コイルの磁界で以てそのリードスイッチを確と最適充満させる、という技術的長所が実現される。これによりそのスイッチ素子の切換正確性が増し、精密に、接触ポジションへと接極子が全面吸引される時点での切換が可能となる。
【0058】
ある実施形態に係る電磁リレーは、更に、第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置され且つ第1、第2、第3及び第4接続接点に電気的に接続された回路基板を備える。
【0059】
これにより、ひいては、上記スイッチ素子向けに必要な電子部品群をリレーの直上に空間節約的要領で形成しうる点で、極力空間節約的なリレーの構築という技術的長所が実現される。
【0060】
ある実施形態によれば、上記スイッチ素子が上記印刷回路基板上に形成され、第2及び第3接続接点に電気的に接続され、且つ第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置される。
【0061】
これにより、ひいては、極力空間節約的なリレーの設計という技術的長所が実現される。更に、上記スイッチ素子の働きで第1及び第2励磁コイルの並列接続体をそれら第1及び第2励磁コイルの直列接続体に切り換えることができる、という技術的長所が実現される。
【0062】
ある実施形態によれば、上記リードリレーが上記印刷回路基板上に形成され、第2及び第3接続接点に電気的に接続され、且つ第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置される。
【0063】
これにより、ひいては、極力空間節約的なリレーの設計という技術的長所が実現される。更に、上記リードリレーの働きで第1及び第2励磁コイルの並列接続体をそれら第1及び第2励磁コイルの直列接続体に切り換えることができる、という技術的長所が実現される。
【0064】
ある実施形態によれば、上記トランジスタが上記印刷回路基板上に形成され、そのトランジスタのエミッタ接続点が第2接続接点に電気的に接続され、同トランジスタのコレクタ接続点が第3接続接点に電気的に接続される。
【0065】
これにより、ひいては、極力空間節約的なリレーの設計という技術的長所が実現される。更に、上記トランジスタの働きで第1及び第2励磁コイルの並列接続体をそれら第1及び第2励磁コイルの直列接続体に接続することができる、という技術的長所が実現される。
【0066】
ある実施形態によれば、上記ホールセンサが上記回路基板上に形成され、第1及び第2励磁コイルに対し隣接配置される。
【0067】
これにより、ひいては、極力空間節約的なリレーの設計という技術的長所が実現される。更に、コイルの極力近くに上記ホールセンサが空間配置されるため、第1及び第2励磁コイルの磁界によりそのホールセンサが確と最適充満される、という技術的長所が実現される。これにより上記スイッチ素子の切換正確性が増し、精密に、接触ポジションへと接極子が全面吸引される時点での切換が可能になる。
【0068】
ある実施形態によれば、互いに逆側に配置された2本の平行脚を有するU字状ヨークとして、上記ヨークが設計される。
【0069】
これにより、ひいては、極力空間節約的なリレーの設計という技術的長所が実現される。更に、上記ヨークにて2個の励磁コイルを受け入れることができる、という技術的長所が実現される。
【0070】
ある実施形態によれば、上記U字状ヨークの脚のうち1本の一端にて旋回させうるよう接極子が設計される。
【0071】
ある実施形態によれば、ヨークの脚上に第1及び第2励磁コイルがそれぞれ配置される。
【0072】
これにより、接極子を吸引及び保持するのに必要な巻線を2個の空間分離されたコイル間で分担できる点で、極力空間節約的なものとなるよう本リレーを設計できる、という技術的長所が実現される。
【0073】
添付図面を参照し更なる例示的諸実施形態を説明する。図面には以下のものが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図1A】本発明の更なる実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図2】本発明の更なる実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図3】本発明の更なる実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図4】本発明の更なる実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図5】本発明の更なる実施形態に係るリレーの等価回路図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るリレーの模式的前面図である。
【
図7a】本発明の更なる実施形態に係るリレーの模式的前面図である。
【
図8a】本発明の更なる実施形態に係るリレーの模式的前面図である。
【
図9】本発明の更なる実施形態に係るリレーの模式的前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1に、本発明の実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。本電磁リレー100はヨーク601並びにそのヨーク601上に可旋回配置された接極子602を備えており(共に
図1には示さず)、ヨーク601に対する接極子602のポジションには開放ポジション及び接触ポジションがあり、そして磁界により開放ポジションから接触ポジションへと吸引されその接触ポジションにて保持されるよう接極子602が形成されている。
【0076】
図1によれば、電磁リレー100は更に、第1コンデンサ101-2及びそれに直列接続された第1励磁コイル101-1を有する第1回路枝101を備えており、第2コンデンサ102-2及びそれに直列接続された第2励磁コイル102-1を有する第2回路枝102を備えており、接極子602を吸引及び保持するための磁界を供給するよう第1励磁コイル101-1及び第2励磁コイル102-1が設計されており、第1回路枝101・第2回路枝102間に配置されていて第1スイッチ状態及び第2スイッチ状態を呈するスイッチ素子103を備えており、スイッチ素子103が第1スイッチ状態であるときには第1回路枝101及び第2回路枝102が並列接続配置となり、スイッチ素子103が第2スイッチ状態であるときには第1励磁コイル101-1及び第2励磁コイル102-1が直列接続配置となり、そして上記第1及び第2コイルの磁界により接極子602が接触ポジションへと吸引されたときに第1スイッチ状態から第2スイッチ状態へと切り換わるようスイッチ素子103が設計されている。
【0077】
図1によれば、第1励磁コイル101-1は第1オーミック抵抗器101-11及び第1インダクタ101-12を有しており、第2励磁コイル102-1は第2オーミック抵抗器2-11及び第2インダクタ102-12を有している。
【0078】
スイッチ素子103は、第1励磁コイル101-1及び第1コンデンサ101-2と第2コンデンサ102-2及び第2励磁コイル102-1との間に自スイッチ素子103が配置される態で、第1回路枝101・第2回路枝102間に配置されている。
【0079】
スイッチ素子103が第1スイッチ状態であるとき、好ましくはそのスイッチ素子103が開スイッチ状態でありスイッチ素子103の抵抗値が高いときには、第1回路枝101及び第2回路枝102が互いに並列配置される。
【0080】
電圧源104により電源電圧を印加すると第1コンデンサ101-2及び第2コンデンサ102-2が充電される。第1,第2コンデンサ101-2,102-2が充電される一方で、それに対応する充電電流が第1,第2回路枝101,102の第1,第2励磁コイル101-1,101-2に流れる。第1,第2コンデンサ101-2,102-2の大きさが適宜設定されているので、その充電電流が第1,第2励磁コイル101-1,102-1に流れることで好適にもその第1,第2励磁コイル101-1,102-1内に磁気流を発生させることができ、そのコイルから相応な磁界が作用するので好適にもリレー100の接極子602を接触ポジションへと全面吸引させることができる。第1及び第2コンデンサ101-2,102-2の大きさは、接極子602が接触ポジションへと全面吸引されたときに第1,第2コンデンサ101-2,102-2が満充電されて高い抵抗値を呈するようにも、設定されている。
【0081】
スイッチ素子103が第2スイッチ状態、好ましくはそのスイッチ素子103の抵抗値が低くなる閉状態へとスイッチ素子103が切り換わると、第1及び第2回路枝101,102の並列接続がそれら第2及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続へと切り換わる。
【0082】
第1,第2コンデンサ101-2,102-2が、スイッチ素子103の切換時点で高抵抗値であり、第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続体の一部分ではないため、主電流路は確と、第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続体沿いとなる。
【0083】
第1及び第2回路枝101,102の並列接続が第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続に切り換わると、それら第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の合計抵抗値が増加する。その結果、外部印加電圧が同じ値に保たれている許でコイル電流が減少し、その関連で第1,第2励磁コイル101-1,102-1の磁気流及び磁界が減少するため、電力損失を低減することができる。
【0084】
スイッチ素子103の切換プロセスのうち、第1スイッチ状態から第2スイッチ状態へと切り換わるそれは、接極子602が接触ポジションへと全面吸引された後に生起する。
【0085】
図1Aに、更なる実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。実施形態におけるスイッチ素子103は、第3ダイオード103-1と、その第3ダイオード103-1の上流側に直列接続された第1オーミック直列抵抗器103-3とを備えている。第3ダイオード103-1及びその上流に直列接続されている第1オーミック直列抵抗器103-3の働きによって、スイッチ素子103の切換プロセスにて第1及び第2回路枝101,102の並列接続が第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続へと移行する時刻を、第1回路枝101・第2回路枝102間電圧差に結び付けることができる。スイッチ素子103は、第1回路枝101・第2回路枝102間電圧差が第3ダイオード103-1の絶縁破壊電圧相当になると直ちに、然るべく切り換わる。
【0086】
実施形態によっては(
図1Aには示さず)、スイッチ素子103が、直列接続された複数個の第3ダイオード103-1と、直列接続された複数個の第1オーミック直列抵抗器103-3とを備える。こうすることで、スイッチ素子103の切換プロセスの時点を可変にすることができる。
【0087】
実施形態によっては(
図1Aには示さず)、第3ダイオード103-1及び/又は直列接続された複数個の第3ダイオード103-1の上流側にコイルを接続し、そのコイルのオーミック抵抗を以て第1オーミック直列抵抗器103-3とする。
【0088】
図2に、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。実施形態におけるスイッチ素子103はリードスイッチ201を備えている。接極子602を接触ポジションへと全面吸引させるのに十分な磁界に相当する所定の限界値を第1,第2励磁コイル101-1,102-1の磁界が上回ると、直ちにリードスイッチ201が切り換わるので、リードスイッチ201の働きで、第1,第2励磁コイルの磁界によりスイッチ素子103の切換プロセスをトリガすることができる。
【0089】
図3に、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。実施形態におけるスイッチ素子103はリードリレー301を備えている。そのリードリレー301が、更に、第3オーミック抵抗器302-1及び第3コンデンサ302-2を備えるRC素子302に接続されている。RC素子302の時定数を調整することでリードリレー301の切換時点を設定できるので、RC素子302の時定数を第1及び第2コンデンサ101-2,102-2の充電期間と調和させること、ひいては接極子602が接触ポジションへと全面吸引された後でしかリードリレー301の切換プロセスが生起しないようにすることができる。
【0090】
図4に、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。実施形態におけるスイッチ素子103はトランジスタ401を備えている。トランジスタ401は、ベース接続点を介し、第4オーミック抵抗器405-1及び第5オーミック抵抗器405-2を備える分圧器405と、1個の第3オーミック抵抗器302-1及び第3コンデンサ302-2を備えるRC素子302とに、接続されている。RC素子302の大きさと分圧器405に備わる第4,第5オーミック抵抗器405-1,405-2の大きさを設定することで、トランジスタ401の切換時点を、接極子602が接触ポジションへと全面吸引される時間に対し整合させることができる。
【0091】
図4によれば、第1回路枝101が更に第1ダイオード402を有しており、第2回路枝102が第2ダイオード403を有している。第1ダイオード402は第1励磁コイル101-1・第1コンデンサ101-2間、第2ダイオード403は第2コンデンサ102-2・第2励磁コイル102-1間に配置されているので、トランジスタ401が導通状態であり従ってスイッチ素子103が第2スイッチ状態であるときには、第1及び第2ダイオード402,403が第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の直列接続体の構成部分となる。
【0092】
図5に、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の等価回路を示す。実施形態におけるスイッチ素子103はトランジスタ401及びホールセンサ501を備えている。ホールセンサ501が分圧器405を介しトランジスタ401のベース端子に接続されているので、そのトランジスタ401の切換プロセスを第1,第2励磁コイル101-1,102-1の磁界に結び付けることができる。第1,第2励磁コイル101-1,102-1の磁界が所定の限界値を上回ると、ホールセンサ501のホール電圧がトランジスタ401のベース接続点に印加されるため、トランジスタ401が非導通状態から導通状態へと切り換わり、ひいてはスイッチ素子103の切換プロセスのうち第1スイッチ状態から第2スイッチ状態へのものが行われる。従って、これにより、接極子601が接触ポジションへと全面吸引された後でしかトランジスタ401の切換プロセスが生起しないようにすることが、達成される。電圧源104の電源電圧をホールセンサ501の定格電源電圧に制限すべく、ツェナーダイオード502もそれに並列接続されている。
【0093】
図6に、本発明の実施形態に係るリレー100の模式的前面外観を示す。実施形態に係るリレー100は、ヨーク601及びそのヨーク601上に可旋回実装された接極子602を備えている。実施形態におけるヨーク601は、逆側に配置された2本の平行脚付のU字状ヨークとして設計されており、接極子602は、それら脚のうち1本の端部(
図6には示さず)にて旋回させうるよう設計されていて、ヨーク601の他方の脚の端部に接極子602が接触しているときに接触ポジションとなる。実施形態における第1,第2励磁コイル101-1,102-1は、ヨーク601に備わり互いに逆側に配置されている2本の脚上に、それぞれ配置されている。
【0094】
実施形態に係るリレー100は第1接続接点604、第2接続接点605、第3接続接点606及び第4接続接点607を備えている。更に、実施形態における第1接続接点604は第1励磁コイル101-1の巻始め、第2接続接点605は第1励磁コイル101-1の巻終りに接続されており、第3接続接点606は第2励磁コイル102-1の巻始め、第4接続接点607は第2励磁コイル102-1の巻終りに接続されている。更に、リレー100は、対応する直列端子による自リレー100の接続に適した接続ピン603を2本有している。
【0095】
実施形態では、第1励磁コイル101-1・第2励磁コイル102-1間にリードスイッチ201が配置され、第3及び第4接続接点606,607に接続されている。実施形態におけるリードスイッチ201は第1及び第2励磁コイル101-1,102-1に対し隣接配置されており、且つ第1及び第2励磁コイル101-1,102-1の漏れ磁束が生じるエリア内に位置決めされている。
【0096】
図7a及び
図7bに、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の模式的別角度外観を示す。実施形態では、ヨーク601に備わる2本の脚の接続セクションの前部領域内に、印刷回路基板701が形成されている。回路基板701は、第1、第2、第3及び第4接続接点604,605,606,607に電気的に接続されており、スイッチ素子103その他の電子部品を保持するのに用いられている。実施形態ではリードリレー301が回路基板701上に形成されている。
【0097】
図8a及び
図8bに、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の模式的別角度外観を示す。実施形態ではトランジスタ401が回路基板701上に形成されている。
【0098】
図9に、本発明の更なる実施形態に係るリレー100の更なる模式的概観を示す。実施形態ではホールセンサ501が回路基板701上に形成されている。
【符号の説明】
【0099】
100 リレー、101 第1回路枝、101-1 第1励磁コイル、101-11 第1オーミック抵抗器、101-12 第1インダクタ、101-2 第1コンデンサ、102 第2回路枝、102-1 第2励磁コイル、102-11 第2オーミック抵抗器、102-12 第2インダクタ、102-2 第2コンデンサ、103 スイッチ素子、103-1 第3ダイオード、103-3 第1オーミック直列抵抗器、104 電圧源、
201 リードスイッチ、
301 リードリレー、302 RC素子、302-1 第3オーミック抵抗器、302-2 第3コンデンサ、
401 トランジスタ、402 第1ダイオード、403 第2ダイオード、405 分圧器、405-1 第4オーミック抵抗器、405-2 第5オーミック抵抗器、
501 ホールセンサ、502 ツェナーダイオード、
601 ヨーク、602 アンカー、603 接続ピン、604 第1接続接点、605 第2接続接点、606 第3接続接点、607 第4接続接点、
701 回路基板。