(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20221130BHJP
F25B 41/35 20210101ALI20221130BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F25B41/35
(21)【出願番号】P 2021549657
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2020090039
(87)【国際公開番号】W WO2020248759
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】201920903057.0
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】馮 貴剛
(72)【発明者】
【氏名】何 秋波
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109323006(CN,A)
【文献】特開2016-065595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
F25B 41/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁口を有する弁体(10)と、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられる、前記弁口を閉鎖するための弁ヘッド(20)と、
対向する第1端及び第2端を有するロッド状部材(30)であって、前記第1端は前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記第2端は、前記ロッド状部材(30)の周方向を位置決めするための位置決め構造(31)を有し、前記位置決め構造(31)は位置決め平面であり、前記位置決め平面は前記ロッド状部材(30)の軸線に平行である、ロッド状部材(30)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記ロッド状部材(30)の第1端と固定的に接続され、前記弁ヘッド(20)に対する位置が制限されて係合される弁スリーブ(41)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、一端が前記弁ヘッド(20)に係合され、他端が前記ロッド状部材(30)によって圧縮可能である弾性部材(42)と、
を
含み、
前記ロッド状部材(30)と前記弁スリーブ(41)との間に第1通路(51)を有し、前記第1通路(51)及び前記弁ヘッド(20)のチャンバが、前記弁ヘッド(20)を貫通する均等化通路を共に形成する、電子膨張弁。
【請求項2】
弁口を有する弁体(10)と、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられる、前記弁口を閉鎖するための弁ヘッド(20)と、
対向する第1端及び第2端を有するロッド状部材(30)であって、前記第1端は前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記第2端は、前記ロッド状部材(30)の周方向を位置決めするための位置決め構造(31)を有し、前記位置決め構造(31)は位置決め平面であり、前記位置決め平面は前記ロッド状部材(30)の軸線に平行である、ロッド状部材(30)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記ロッド状部材(30)の第1端と固定的に接続され、前記弁ヘッド(20)に対する位置が制限されて係合される弁スリーブ(41)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、一端が前記弁ヘッド(20)に係合され、他端が前記ロッド状部材(30)によって圧縮可能である弾性部材(42)と、
を含み、
前記ロッド状部材(30)の側壁に第1制限段差を有し、前記弁スリーブ(41)の端面と前記第1制限段差とが当接する、電子膨張弁。
【請求項3】
弁口を有する弁体(10)と、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられる、前記弁口を閉鎖するための弁ヘッド(20)と、
対向する第1端及び第2端を有するロッド状部材(30)であって、前記第1端は前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記第2端は、前記ロッド状部材(30)の周方向を位置決めするための位置決め構造(31)を有し、前記位置決め構造(31)は位置決め平面であり、前記位置決め平面は前記ロッド状部材(30)の軸線に平行である、ロッド状部材(30)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、前記ロッド状部材(30)の第1端と固定的に接続され、前記弁ヘッド(20)に対する位置が制限されて係合される弁スリーブ(41)と、
前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に設けられ、一端が前記弁ヘッド(20)に係合され、他端が前記ロッド状部材(30)によって圧縮可能である弾性部材(42)と、
を含み、
前記ロッド状部材(30)の側壁に第2制限段差を有し、
前記ロッド状部材(30)上に嵌合され、前記第2制限段差と当接するパッキン(43)を更に含み、
前記弾性部材(42)の他端と前記パッキン(43)とが当接する、電子膨張弁。
【請求項4】
前記弁ヘッド(20)は、筒体(21)、及び前記筒体(21)の内壁に設けられる制限リング(22)を含み、前記弾性部材(42)の一端と前記制限リング(22)の一方側とが当接し、前記弁スリーブ(41)と前記制限リング(22)の他方側とが位置が制限されて係合され、前記制限リング(22)と前記ロッド状部材(30)との間に第2通路(52)を有し、前記第1通路(51)は前記第2通路(52)に連通される、請求項
1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記ロッド状部材(30)は、順に接続される第1ロッドセグメント(32)、第2ロッドセグメント(33)、及び第3ロッドセグメント(34)を含み、前記第2端は前記第3ロッドセグメント(34)に位置し、前記第1端は前記第1ロッドセグメント(32)に位置し、前記第1ロッドセグメント(32)の断面積は前記第2ロッドセグメント(33)の断面積より小さく、前記第1ロッドセグメント(32)は前記制限リング(22)及び前記弁スリーブ(41)内に設けられ、前記弁スリーブ(41)の内壁と前記第1ロッドセグメント(32)との間に前記第1通路(51)を有し、前記制限リング(22)の内壁と前記第1ロッドセグメント(32)との間に前記第2通路(52)を有する、請求項
4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記第1ロッドセグメント(32)の径方向断面は弓状である、請求項
5に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記弁体(10)内に設けられ、前記弁ヘッド(20)が内部に設けられるガイドスリーブ(61)と、
前記弁ヘッド(20)と前記ガイドスリーブ(61)との間に設けられる密封部材(62)と、
を更に含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記ロッド状部材(30)と駆動接続されるロータアセンブリ(70)を更に含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記ロッド状部材(30)が雄ねじを有する電子膨張弁であって、
雌ねじを有し、前記雄ねじと前記雌ねじとが係合されるナットアセンブリ(80)を更に含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年6月14日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201920903057.0であり、発明創造の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、バルブの技術分野に関し、具体的には電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
電子膨張弁は、弁ヘッドの移動を駆動するためのロッド状部材、及び弁ヘッドとロッド状部材とを位置が制限されて係合させる弁スリーブを有し、製造時において、ロッド状部材の端部と弁スリーブとを固定接続する必要がある。操作する際に、ロッド状部材の円周方向は位置決めしにくく、ロッド状部材と弁スリーブとの接続不良を引き起こしやすく、製品の歩留まりに影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来技術における電子膨張弁の歩留まりが低いという問題を解決するための電子膨張弁を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本出願は、弁口を有する弁体と、弁体内に移動可能に設けられる、弁口を閉鎖するための弁ヘッドと、対向する第1端及び第2端を有するロッド状部材であって、第1端は弁ヘッドのチャンバ内に設けられ、第2端は、ロッド状部材の周方向を位置決めするための位置決め構造を有し、位置決め構造は位置決め平面であり、位置決め平面はロッド状部材の軸線に平行である、ロッド状部材と、弁ヘッドのチャンバ内に設けられ、ロッド状部材の第1端と固定的に接続され、弁ヘッドに対する位置が制限されて係合される弁スリーブと、弁ヘッドのチャンバ内に設けられ、一端が弁ヘッドに係合され、他端がロッド状部材によって圧縮可能である弾性部材と、を含む電子膨張弁を提供している。
【0006】
更に、ロッド状部材と弁スリーブとの間に第1通路を有し、第1通路及び弁ヘッドのチャンバが、弁ヘッドを貫通する均等化通路を共に形成する。
【0007】
更に、弁ヘッドは、筒体、及び筒体の内壁に設けられる制限リングを含み、弾性部材の一端と制限リングの一方側とが当接し、弁スリーブと制限リングの他方側とが位置が制限されて係合され、制限リングとロッド状部材との間に第2通路を有し、第1通路は第2通路に連通される。
【0008】
更に、ロッド状部材は、順に接続される第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント、及び第3ロッドセグメントを含み、第2端は第3ロッドセグメントに位置し、第1端は第1ロッドセグメントに位置し、第1ロッドセグメントの断面積は第2ロッドセグメントの断面積より小さく、第1ロッドセグメントは制限リング及び弁スリーブ内に設けられ、弁スリーブの内壁と第1ロッドセグメントとの間に第1通路を有し、制限リングの内壁と第1ロッドセグメントとの間に第2通路を有する。
【0009】
更に、第1ロッドセグメントの径方向断面は弓状である。
【0010】
更に、ロッド状部材の側壁に第1制限段差を有し、弁スリーブの端面と第1制限段差とが当接する。
【0011】
更に、ロッド状部材の側壁に第2制限段差を有し、電子膨張弁は、ロッド状部材上に嵌合され、第2制限段差と当接するパッキンを更に含み、弾性部材の他端とパッキンとが当接する。
【0012】
更に、電子膨張弁は、弁体内に設けられ、弁ヘッドが内部に設けられるガイドスリーブと、弁ヘッドとガイドスリーブとの間に設けられる密封部材と、を更に含む。
【0013】
更に、電子膨張弁は、ロッド状部材と駆動接続されるロータアセンブリを更に含む。
【0014】
更に、ロッド状部材が雄ねじを有し、電子膨張弁はナットアセンブリを更に含み、ナットアセンブリは雌ねじを有し、雄ねじと雌ねじとが係合される。
【0015】
本出願の技術態様を適用すると、ロッド状部材の第2端に位置決め構造を設けることで、ロッド状部材と弁スリーブとが接続される際に、位置決め構造によってロッド状部材の周方向を位置決めすることができ、これにより、必要な位置で、ロッド状部材と弁スリーブとの正確な接続を実現することができ、これにより、ロッド状部材と弁スリーブとの接続品質を高めることによって、電子膨張弁の歩留まりを高める。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0017】
【
図1】本出願の実施例によって提供される電子膨張弁の断面図を示す。
【
図3】
図1におけるロッド状部材と一部の部品との組立図を示す。
【
図4】
図1におけるロッド状部材の構成模式図を示す。
【0018】
ここで、上記図面は以下の符号を含む。
10 弁体、20 弁ヘッド、21 筒体、22 制限リング、30 ロッド状部材、31 位置決め構造、32 第1ロッドセグメント、33 第2ロッドセグメント、34 第3ロッドセグメント、41 弁スリーブ、42 弾性部材、43 パッキン、51 第1通路、52 第2通路、61 ガイドスリーブ、62 密封部材、70 ロータアセンブリ、80 ナットアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について、明確且つ完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際には例示にすぎず、本出願及びその適用又は使用に対する如何なる制限とされるものではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0020】
図1から
図4に示すように、本出願の実施例は、弁口を有する弁体10と、弁体10内に移動可能に設けられる、弁口を閉鎖するための弁ヘッド20と、対向する第1端及び第2端を有するロッド状部材30であって、第1端は弁ヘッド20のチャンバ内に穿設され(設けられ)、第2端は、ロッド状部材30の周方向を位置決めするための位置決め構造31を有し、位置決め構造31は位置決め平面であり、位置決め平面はロッド状部材30の軸線に平行である、ロッド状部材30と、弁ヘッド20のチャンバ内に設けられ、ロッド状部材30の第1端と固定的に接続され、弁ヘッド20に対する位置が制限されて係合される弁スリーブ41と、弁ヘッド20のチャンバ内に設けられ、一端が弁ヘッド20に係合され、他端がロッド状部材30によって圧縮可能である弾性部材42と、を含む電子膨張弁を提供している。
【0021】
本実施例の技術態様を適用すると、ロッド状部材30の第2端に位置決め構造31を設けることで、ロッド状部材30と弁スリーブ41とが接続される際に、位置決め構造31によってロッド状部材30の周方向を位置決めすることができ、これにより、必要な位置で、ロッド状部材30と弁スリーブ41との正確な接続を実現することができ、これにより、ロッド状部材30と弁スリーブ41との接続品質を高め、更に電子膨張弁の歩留まりを高める。本実施例において、ロッド状部材30の第1端は、溶接によって弁スリーブ41に接続される。
【0022】
そして、ロッド状部材30と弁スリーブ41との間に第1通路51を有し、第1通路51及び弁ヘッド20のチャンバが、弁ヘッド20を貫通する均等化通路を共に形成する。第1通路51及び弁ヘッド20のチャンバによって構成される弁ヘッド20を貫通する均等化通路によって、弁ヘッド20の両端の領域が圧力バランスを保つことができる。均等化通路を設けることによって、弁ヘッド20の両端の領域内の流体の圧力を一致させることができ、このようにすることで、弁ヘッド20が弁口を閉鎖した後、弁ヘッド20の両側に圧力差が存在することによって閉鎖が緩くなることを防ぐことができる。そして、このようにすることで、弁口の開放が容易となる。
【0023】
本実施例において、位置決め構造31は位置決め平面であり、位置決め平面はロッド状部材30の軸線に平行である。位置決め構造31を位置決め平面とすることは、加工が容易となるだけでなく、ロッド状部材30を位置決めすることも容易となる。位置決め構造31は、ロッド状部材30の第2端で材料の一部が切り取られることによって加工されたものであってもよい。製造時において、工具又は治具によって位置決め平面に合わせることによって、位置決めを実現することができる。位置決め平面は複数設けることができる。
【0024】
図示しない態様において、位置決め構造31は、スプライン、溝、孔等の構造とすることもできる。
【0025】
本実施例において、弁ヘッド20は、筒体21、及び筒体21の内壁に設けられる制限リング22を含み、弾性部材42の一端と制限リング22の一方側とが当接し、弁スリーブ41と制限リング22の他方側とが位置が制限されて係合され、制限リング22とロッド状部材30との間に第2通路52を有し、第1通路51は第2通路52に連通される。制限リング22を設けることによって、弾性部材42が弁ヘッド20に弾力を与えるように、弾性部材42と制限リング22とを当接させることができる。制限リング22とロッド状部材30との間に第2通路52が設けられ、第2通路52は第1通路51に連通され、このようにすることで、弁ヘッド20の両端の領域が圧力バランスを保つことができる。第2通路52は、弁ヘッド20のチャンバの一部に属する。
【0026】
図4に示すように、ロッド状部材30は、順に接続される第1ロッドセグメント32、第2ロッドセグメント33、及び第3ロッドセグメント34を含み、第2端は第3ロッドセグメント34に位置し、第1端は第1ロッドセグメント32に位置し、第1ロッドセグメント32の断面積は第2ロッドセグメント33の断面積より小さく、第1ロッドセグメント32は制限リング22及び弁スリーブ41内に穿設され、弁スリーブ41の内壁と第1ロッドセグメント32との間に第1通路51を有し、制限リング22の内壁と第1ロッドセグメント32との間に第2通路52を有する。上記の設定によって、第1通路51及び第2通路52を形成することが容易となる。このような設定方法を採用すると、均等化通路を加工することが容易となる。
【0027】
具体的には、本実施例において、第1ロッドセグメント32の径方向断面は弓状である。加工する際に、ロッド状部材30として一体に成形された一本のロッドを採用して、ロッド状部材30の一端から軸方向に沿って一部を削り取って、第1ロッドセグメント32を作製することができ、このようにすることで、加工が容易となり、製造コストが低くなる。
【0028】
本実施例において、ロッド状部材30の側壁に第1制限段差を有し、弁スリーブ41の端面と第1制限段差とが当接する。第1制限段差を設けることによって、弁スリーブ41及びロッド状部材30を軸方向において制限することができる。
【0029】
本実施例において、ロッド状部材30の側壁に第2制限段差を有し、電子膨張弁は、ロッド状部材30上に嵌合され、第2制限段差と当接するパッキン43を更に含み、弾性部材42の他端とパッキン43とが当接する。第2制限段差によって、パッキン43の軸方向を制限することができる。パッキン43によって、弾性部材42の軸方向を制限することができるとともに、ロッド状部材30の摩耗を低減することができる。
【0030】
本実施例において、電子膨張弁は、弁体10内に設けられ、弁ヘッド20が内部に設けられるガイドスリーブ61と、弁ヘッド20とガイドスリーブ61との間に設けられる密封部材62と、を更に含む。
【0031】
ガイドスリーブ61によって、弁ヘッド20をガイドすることができる。密封部材62によって、密封性を高めて、内部漏れを防ぐことができる。具体的には、ガイドスリーブ61の内壁に環状溝を有し、環状溝内に環状の密封部材62を有し、環状の密封部材62によって、電子膨張弁の密封性を確保するように、弁ヘッド20の外壁を密封することができる。
【0032】
本実施例において、電子膨張弁は、ロッド状部材30と駆動接続されるロータアセンブリ70を更に含む。ロータアセンブリ70によって、ロッド状部材30を動かすことができる。ロータアセンブリ70はロッド状部材30の第2端に溶接される。
【0033】
本実施例において、ロッド状部材30が雄ねじを有し、電子膨張弁はナットアセンブリ80を更に含み、ナットアセンブリ80は雌ねじを有し、雄ねじと雌ねじとが係合される。ロータアセンブリ70、ナットアセンブリ80、及びロッド状部材30の係合によって、ロッド状部材30の回転及び上下移動を実現することができる。
【0034】
本出願の技術態様によると、ロッド状部材30の第2端に位置決め構造31を設けることで、ロッド状部材30と弁スリーブ41とが接続される際に、位置決め構造31によってロッド状部材30の周方向を位置決めすることができ、これにより、必要な位置で、ロッド状部材30と弁スリーブ41との正確な接続を実現することができ、これにより、ロッド状部材30と弁スリーブ41との接続品質を高め、更に電子膨張弁の歩留まりを高める。そして、第1通路51及び弁ヘッド20のチャンバによって構成される弁ヘッド20を貫通する均等化通路によって、弁ヘッド20の両端の領域が圧力バランスを保つことができる。均等化通路を設けることによって、弁ヘッド20の両端の領域内の流体の圧力を一致させることができ、このようにすることで、弁ヘッド20が弁口を閉鎖した後、弁ヘッド20の両側に圧力差が存在することによって閉鎖が緩くなることを防ぐことができる。そして、このようにすることで、弁口の開放が容易となる。本実施例において、ロッド状部材30の第1端は、溶接によって弁スリーブ41に接続される。
【0035】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされた如何なる修正、同等の置換、改善等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。