(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221130BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20221130BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q50/18
(21)【出願番号】P 2022014690
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2022-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松浦 啓太
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-006534(JP,A)
【文献】特開2020-126574(JP,A)
【文献】特開2017-146900(JP,A)
【文献】特開2009-237956(JP,A)
【文献】特開2018-045570(JP,A)
【文献】特開2021-174039(JP,A)
【文献】特開2021-140212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップと、
第1ユーザから、前記契約受付ステップにおいて受け付けた前記契約情報の受信者として第2ユーザ
の指定を受け付ける受信者受付ステップと、
第1ユーザから受け付けた前記契約情報を第1ユーザへ返送して第1ユーザが確認する操作を要さずとも、第1ユーザからの第2ユーザの指定と、前記契約情報を受け付けることとに応答して、第2ユーザに前記契約情報を提示する契約提示ステップと、
前記受信者受付ステップにおいて受け付けた第2ユーザから、前記契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける承認ステップと、
少なくとも第1ユーザまたは第2ユーザの一方に対して、他方のユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得した、前記他方のユーザ情報を、前記少なくとも一方のユーザに対して提示する情報提示ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記情報提示ステップは、前記情報取得ステップにおいて取得した、前記他方のユーザ情報に含まれる所属組織および役職情報を、前記受信者受付ステップにおいて第2ユーザを受け付ける画面、または、前記承認ステップにおいて前記契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける画面と、共に、前記少なくとも一方のユーザに対して提示するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記情報取得ステップは、前記他方のユーザのプロフィール情報を含むユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップである、
請求項1または2記載のプログラム。
【請求項4】
前記情報取得ステップは、前記他方のユーザの信用情報を含むユーザ情報を取得するステップである、
請求項1から3のいずれか記載のプログラム。
【請求項5】
前記情報取得ステップは、前記他方のユーザの信用スコアを含むユーザ情報を取得するステップである、
請求項1から4のいずれか記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報取得ステップは、役職、職歴、および、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを介して前記他方のユーザと繋がっている他のユーザの役職、職歴、並びに、前記他のユーザの信用情報に基づき算定される、前記他方のユーザの信用スコアを含むユーザ情報を取得するステップである、
請求項1から5のいずれか記載のプログラム。
【請求項7】
プロセッサと、記憶部とを備えコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップと、
第1ユーザから、前記契約受付ステップにおいて受け付けた前記契約情報の受信者として第2ユーザを受け付ける受信者受付ステップと、
前記受信者受付ステップにおいて受け付けた第2ユーザから、前記契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける承認ステップと、
少なくとも第1ユーザまたは第2ユーザの一方に対して、他方のユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得した、前記他方のユーザ情報を、前記少なくとも一方のユーザに対して提示する情報提示ステップと、
を実行させ、
前記ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、ユーザの保有する名刺を読取ることにより、前記名刺に記載された前記ユーザの氏名および所属情報に基づき、複数のユーザ間の社会的ネットワークを構築するサービスであり、
前記情報取得ステップは、前記他方のユーザの氏名および所属情報を含む、前記ユーザ情報を取得するステップである、
プログラム。
【請求項8】
前記情報取得ステップは、前記他方のユーザが前記ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて、前記名刺を読取ることによるユーザの氏名および所属情報の更新頻度に関する情報を含む、前記ユーザ情報を取得するステップである、
請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、ユーザ候補を取得する候補取得ステップと、
を実行させ、
前記受信者受付ステップは、前記候補取得ステップにおいて取得した前記ユーザ候補から、前記契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けるステップである、
請求項
1から8のいずれか記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、第2ユーザに基づき、第2ユーザの所属グループにおいて前記契約情報の承認権限を有するユーザ候補を取得する候補取得ステップと、
を実行させ、
前記受信者受付ステップは、前記候補取得ステップにおいて取得した前記ユーザ候補から、前記契約情報の受信者として第3ユーザを受け付けるステップである、
請求項1から9のいずれか記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記情報取得ステップにおいて取得した前記他方のユーザの信用情報に基づき、前記他方のユーザとの契約手続き可否を判定する判定ステップと、
を実行させる、
請求項1から10のいずれか記載のプログラム。
【請求項12】
前記判定ステップは、前記一方のユーザの承認権限情報、および、前記他方のユーザの信用情報に基づき、前記他方のユーザとの契約手続き可否を判定するステップである、
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記判定ステップは、前記一方のユーザの承認権限情報に応じたスコア閾値と、前記他方のユーザの信用スコアとを比較することにより、前記他方のユーザとの契約手続き可否を判定するステップである、
請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
前記情報取得ステップは、第2ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップであり、
前記判定ステップは、前記情報取得ステップにおいて取得した第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定するステップであり、
前記受信者受付ステップは、前記判定ステップにおいて第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、前記契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けない、
請求項12または13記載のプログラム。
【請求項15】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記判定ステップにおいて、第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第1ユーザに対して、第2ユーザと契約手続きを行うための第1案内情報を提示する第1提示ステップと、
を実行させる
請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
前記情報取得ステップは、第1ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップであり、
前記判定ステップは、前記情報取得ステップにおいて取得した第1ユーザの信用情報に基づき、第1ユーザとの契約手続き可否を判定するステップであり、
前記承認ステップは、前記判定ステップにおいて第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、前記契約情報の契約締結を承認する指示を受け付けない、
請求項11から15のいずれか記載のプログラム。
【請求項17】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記判定ステップにおいて、前記判定ステップにおいて第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第2ユーザに対して、第1ユーザと契約手続きを行うための第2案内情報を提示する第2提示ステップと、
を実行させる
請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサに、
請求項1から17のいずれか記載のプログラムを実行させる、
情報処理装置。
【請求項19】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記プロセッサに、
請求項1から17のいずれか記載のプログラムを実行させる、
情報処理方法。
【請求項20】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータを含む情報処理システムであって、
前記プロセッサに、
請求項1から17のいずれか記載のプログラムを実行させる、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達および普及に伴い、これまでは紙媒体が利用されていた書類が電子化されつつある。例えば、当事者の署名および押印が必要となる契約書といった書類も、電子データで管理することが考えられている。
特許文献1には、社内においてユーザグループ単位でデータ保存先を制限できるデータ保存先制限装置が開示されている。
特許文献2には、作成者端末、確認社端末および契約書管理サーバからなるデジタル契約に関する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021ー51345号
【文献】特開2017ー10096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子契約に関する情報(契約情報)の作成者(送信者)、および契約情報の確認者(受信者)との間で、電子的な契約手続きを実行させる電子契約システムにおいて、契約締結の当事者となる相手方ユーザが、相手方組織において適切な承認権限を有するユーザであるか否かを判断することが難しい場合が多かった。
また、契約締結の当事者となる相手方ユーザが、契約締結を行うにあたり信頼できる人物か否か、反社会的勢力・犯罪・不祥事などに関与しているか否かを確認することが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備えコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップと、第1ユーザから、契約受付ステップにおいて受け付けた契約情報の受信者として第2ユーザを受け付ける受信者受付ステップと、受信者受付ステップにおいて受け付けた第2ユーザから、契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける承認ステップと、少なくとも第1ユーザまたは第2ユーザの一方に対して、他方のユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップと、情報取得ステップにおいて取得した、他方のユーザ情報を、少なくとも一方のユーザに対して提示する情報提示ステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの信用情報を考慮して安全に契約手続きを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】SNSサーバ40の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図7】グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図8】書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【
図9】確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図10】入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【
図11】承認権限マスタ1017のデータ構造を示す図である。
【
図12】SNSユーザテーブル4012のデータ構造を示す図である。
【
図13】SNSグループテーブル4013のデータ構造を示す図である。
【
図14】契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
【
図15】契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
【
図16】契約書作成処理の動作を示す画面例である。
【
図17】契約書作成処理の動作を示す画面例である。
【
図18】契約書作成処理の動作を示す画面例である。
【
図19】第2ユーザ端末30に通知されるメッセージを示す画面例である。
【
図20】契約書確認処理の動作を示す画面例である。
【
図21】契約書確認処理の動作を示す画面例である。
【
図22】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、複数のユーザ間において電子的な契約締結サービスを実現するための情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30、SNSサーバ40の情報処理装置を備える。
図1は、情報処理システム1の全体の構成を示す図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5は、SNSサーバ40の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30、SNSサーバ40のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、複数のユーザ間において電子的な契約締結サービスを提供する情報処理装置である。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、グループテーブル1013、書類テーブル1014、確認テーブル1015、入力項目テーブル1016、承認権限マスタ1017を備える。
【0013】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、グループID、承認権限、SNSユーザデータのカラムを有するテーブルである。
図6は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0014】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
メールアドレスは、ユーザのメールアドレスを記憶する項目である。
グループIDは、ユーザが所属するグループのグループ識別情報を記憶する項目である。ユーザは、複数のグループに所属するものとしても構わない。
承認権限は、ユーザの承認締結に関する権限情報を記憶する項目である。契約締結を承認する権限(承認権限)を有するユーザには、Trueなど契約締結を承認する権限を有する情報が記憶される。一方、契約締結を承認する権限を有さないユーザには、False、ブランク、ヌル値など契約締結を承認する権限を有さない情報が記憶される。
契約情報に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、特定の契約情報Aに対して承認権限を有するが、特定の契約情報Bに対して承認権限を有さない構成としても良い。
秘密保持契約、共同研究契約、請負契約などの契約情報の種別(契約情報種別)に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、秘密保持契約に対して承認権限を有するが、請負契約に対しては承認権限を有さない構成としても良い。
その他、ユーザの所属部署、役職などに応じて複数段階(レベル、ランク)の権限情報を記憶する構成としても良い。例えば、派遣社員などはC、一般社員はB、管理職はA、役員はSという情報を承認権限の項目に記憶し、契約情報の契約種別情報、契約金額などに応じて、所定のランク以上(例えば、秘密保持契約はA以上など)の承認権限を有するユーザのみ契約締結を承認することができる構成としても良い。
SNSユーザデータは、本開示にかかるサービスを利用するユーザのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNSサービス)におけるユーザに関する情報(SNSユーザ情報)を記憶する項目である。
SNSユーザ情報は、本開示にかかるサービスを利用するユーザについて後述するSNSユーザテーブル5012、SNSグループテーブル5013に記憶された、ユーザの氏名、所属情報、役職、職歴などを含む。
SNSユーザ情報は、本開示にかかるサービスを利用するユーザのSNSサービスにおけるユーザの情報に加えて、ユーザがSNSサービスにおいて繋がっている他のユーザの役職、職歴などの情報を含んでも良い。
SNSユーザ情報は、ユーザの所属情報、役職、職歴などにを含む、取引におけるユーザの信用度を示す情報である信用情報を含む。信用情報は、役職、職歴、および、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを介してユーザと繋がっている他のユーザの役職、職歴、並びに、他のユーザの信用情報に基づき算定される信用スコアを含む。
【0015】
グループテーブル1013は、ユーザが所属するグループに関する情報(グループ情報)を記憶し、管理するテーブルである。グループは、法人、会社、サークル、団体、会社内の部署など、ユーザが所属する任意のグループを定義することができる。
グループテーブル1013は、グループIDを主キーとして、グループID、グループ名、管理者IDのカラムを有するテーブルである。
図7は、グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0016】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループ名は、グループの名称を記憶する項目である。グループ名は、任意の文字列を設定することができる。
管理者IDは、グループにおいて管理者権限を有するユーザのユーザ識別情報を記憶する項目である。管理者権限を有するユーザは、組織などのグループにおいて所定以上の地位や権限などを有するユーザを任意に定めて設定することができる。
【0017】
書類テーブル1014は、作成者と受信者との間で取り交わされる電子契約に関する情報(電子契約情報)を記憶し、管理するためのテーブルである。
書類テーブル1014は、書類IDを主キーとして、書類ID、書類データ、作成者IDのカラムを有するテーブルである。
図8は、書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0018】
書類IDは、電子契約情報を識別するための書類識別情報を記憶する項目である。書類識別情報は、電子契約情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
書類データは、電子契約情報(バイナリまたはテキストデータ)を記憶する項目である。
作成者ID、電子契約情報の作成者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。
【0019】
確認テーブル1015は、電子契約情報の確認者となるユーザのメールアドレスを含む情報(確認者情報)を記憶し、管理するテーブルである。
確認テーブル1015は、書類ID、確認順序、確認者メールアドレス、確認フラグ、日時、言語データ、アクセスコード、日時のカラムを有するテーブルである。
図9は、確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0020】
書類IDは、確認者により確認対象となる電子契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
確認順序は、確認者により電子契約情報が確認される際の確認順序に関する情報を記憶する項目である。作成者により記憶された電子契約情報は、確認順序の順番に確認者に回覧され、確認が行われる。
確認者メールアドレスは、電子契約情報の確認者のメールアドレスを記憶する項目である。確認者のメールアドレスは、本開示にかかるサービスの利用にあたり予めユーザ登録を行う必要はない。つまり、確認者メールアドレスは、ユーザテーブル1012に含まれている必要はない。
確認フラグは、確認者による電子契約情報の確認手続きの完了有無を識別するための確認識別情報を記憶する項目である。確認者により電子契約情報の確認が完了すると、確認フラグの項目にTrueの値などの確認が完了したことを示す情報が記憶される。
日時は、確認者による電子契約情報の確認手続きが行われた日時を記憶する項目である。具体的には、確認識別情報が確認フラグの項目に記憶された日時が記憶される。
言語データは、確認者の言語に関する情報(言語情報)を記憶する項目である。
アクセスコードは、確認者に対して設定されたアクセスコードを記憶する項目である。
日時は、確認者による契約情報の確認手続きが行われた日時を記憶する項目である。具体的には、確認識別情報が確認フラグの項目に記憶された日時が記憶される。
【0021】
入力項目テーブル1016は、電子契約情報に関連付けられた入力項目に関する情報(入力項目情報)を記憶し、管理するテーブルである。
入力項目テーブル1016は、入力項目ID、書類ID、入力者ID、入力データ、入力規則、日時のカラムを有するテーブルである。
図10は、入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0022】
入力項目IDは、入力項目を識別するための入力項目識別情報を記憶する項目である。
書類IDは、入力項目が関連付けられる電子契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
入力者IDは、入力項目に対して入力データを入力した入力者のユーザ識別情報またはメールアドレスを記憶する項目である。具体的に、入力者IDには、作成者ID、作成者IDにより特定されるユーザのメールアドレス、確認者メールアドレスなどが記憶される。
入力データは、入力者により入力項目に入力された入力データを記憶する項目である。
入力規則は、入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶する項目である。入力規則としては、日付(date)、日時(datetime)、文字列(text)、数値(integer)などのデータ型のほか、文字列であれば文字数、文字列の正規表現など任意の入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶することができる。
日時は、入力者により入力項目に入力データが入力された日時を記憶する項目である。
【0023】
承認権限マスタ1017は、ユーザが所属するグループにおいて契約情報を承認するための承認権限のルール情報を記憶するテーブルである。
承認権限マスタ1017は、グループID、承認権限、スコア閾値のカラムを有するテーブルである。
図11は、承認権限マスタ1017のデータ構造を示す図である。
【0024】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。
承認権限は、ユーザの承認締結に関する権限情報を記憶する項目である。ユーザの所属部署、役職などに応じて複数段階(レベル、ランク)の権限情報が記憶される。
スコア閾値は、ユーザの承認権限ごとに、契約締結を承認することが可能な取引相手の信用スコアの閾値(スコア閾値)を記憶する項目である。ユーザは、取引相手の信用スコアが、自身の承認権限により特定されるスコア閾値よりも大きい場合にのみ、取引相手との契約手続きを行うことができる。
【0025】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、契約作成部1042、契約確認部1043、契約判定部1044を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0026】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0027】
<第1ユーザ端末20の構成>
第1ユーザ端末20は、サービスを利用する第1ユーザが操作する情報処理装置である。第1ユーザ端末20は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCでもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末であってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第1ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0028】
<第1ユーザ端末20の記憶部201の構成>
第1ユーザ端末20の記憶部201は、第1ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0029】
第1ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第1ユーザ端末20から第1ユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第1ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第1ユーザID2011には、第1ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0030】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム2012は、第1ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0031】
<第1ユーザ端末20の制御部204の構成>
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶された第1ユーザID2011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0032】
<第1ユーザ端末20の入力装置206の構成>
第1ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、キーボード2065を備える。
【0033】
<第1ユーザ端末20の出力装置208の構成>
第1ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0034】
<第2ユーザ端末30の構成>
第2ユーザ端末30は、サービスを利用する第2ユーザが操作する情報処理装置である。第2ユーザ端末30は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCでもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末であってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第2ユーザ端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0035】
<第2ユーザ端末30の記憶部301の構成>
第2ユーザ端末30の記憶部301は、第2ユーザID3011、アプリケーションプログラム3012を備える。
【0036】
第2ユーザID3011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第2ユーザ端末30から第2ユーザID3011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第2ユーザID3011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第2ユーザID3011には、第2ユーザ端末30を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0037】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム3012は、第2ユーザ端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0038】
<第2ユーザ端末30の制御部304の構成>
第2ユーザ端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶された第2ユーザID3011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0039】
<第2ユーザ端末30の入力装置306の構成>
第2ユーザ端末30の入力装置306は、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、キーボード3065を備える。
【0040】
<第2ユーザ端末30の出力装置308の構成>
第2ユーザ端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082を備える。
【0041】
<SNSサーバ40の構成>
SNSサーバ40は、SNSサービスの提供を行う情報処理装置である。
本開示にかかるSNSサービスは、ビジネスSNSとよばれる、ユーザの所属組織、所属組織における役職、職歴、学歴などの情報が記憶し管理するものが好適である。ビジネスSNSとは、相互に連絡先を保有するユーザ、職歴、学歴などを共通とするユーザ相互の社会的ネットワークを構築し、相互にビジネス上のコミュニケーションを実現するSNSサービスを提供する。
本開示にかかるSNSサービスは、ユーザは自身が保有する名刺をSNSサーバ40に登録することにより、自身の所属組織、所属組織における役職、職歴、連絡先などの情報を煩雑な登録手続きなしにSNSサーバ40に記憶し管理することができる。
SNSサーバ40は、記憶部401、制御部404を備える。
【0042】
<SNSサーバ40の記憶部401の構成>
SNSサーバ40の記憶部401は、アプリケーションプログラム4011、SNSユーザテーブル4012、SNSグループテーブル4013を備える。
【0043】
SNSユーザテーブル4012は、SNSサービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がSNSユーザテーブル4012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるSNSサービスを利用できるようになる。本開示にかかる、SNSサービスにおいては、ユーザは自身が保有する名刺をスキャナなどの光学読取装置により読み取ることにより、名刺に記載された氏名および所属情報などの情報をユーザ情報として記憶することができる。
SNSユーザテーブル4012は、SNSユーザIDを主キーとして、SNSユーザID、SNSユーザ名、SNSメールアドレス、SNSグループID、職歴データ、学歴データのカラムを有するテーブルである。
図12は、SNSユーザテーブル4012のデータ構造を示す図である。
【0044】
SNSユーザIDは、SNSサービスを利用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
SNSユーザ名は、SNSサービスを利用するユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
SNSメールアドレスは、SNSサービスを利用するユーザのメールアドレスを記憶する項目である。
SNSグループIDは、SNSサービスを利用するユーザが所属するグループのグループ識別情報を記憶する項目である。ユーザは、複数のグループに所属するものとしても構わない。
職歴データは、SNSサービスを利用するユーザの現職および過去の職歴に関する情報(職歴情報)を記憶する項目である。職歴データには、ユーザの所属組織(法人、会社、サークル、団体、会社内の部署)、ユーザの役職、在職期間、受賞歴など、ユーザの過去の職歴に関する情報が記憶される。
学歴データは、SNSサービスを利用するユーザの現職および過去の学歴に関する情報(学歴情報)を記憶する項目である。学歴データには、ユーザの入学校、卒業校、在学期間、受賞歴など、ユーザの過去の職歴に関する情報が記憶される。
【0045】
SNSグループテーブル4013は、SNSサービスを利用するユーザが所属するグループに関する情報(グループ情報)を記憶し、管理するテーブルである。グループは、法人、会社、サークル、団体、会社内の部署など、ユーザが所属する任意のグループを定義することができる。
SNSグループテーブル4013は、SNSグループIDを主キーとして、SNSグループID、SNSグループ名、SNS管理者IDのカラムを有するテーブルである。
図13は、SNSグループテーブル4013のデータ構造を示す図である。
【0046】
SNSグループIDは、SNSサービスを利用するグループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループごとにユニークな値が設定されている項目である。
SNSグループ名は、SNSサービスを利用するグループの名称を記憶する項目である。グループ名は、任意の文字列を設定することができる。
SNS管理者IDは、SNSサービスを利用するグループにおいて管理者権限を有するユーザのユーザ識別情報を記憶する項目である。管理者権限を有するユーザは、組織などのグループにおいて所定以上の地位や権限などを有するユーザを任意に定めて設定することができる。
【0047】
<SNSサーバ40の制御部404の構成>
SNSサーバ40の制御部404は、SNSユーザ登録制御部4041を備える。制御部404は、記憶部401に記憶されたアプリケーションプログラム4011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0048】
SNSユーザ登録制御部4041は、本開示に係るSNSサービスの利用を希望するユーザの情報をSNSユーザテーブル4012に記憶する処理を行う。
SNSユーザテーブル4012に記憶される情報は、SNSサービスを利用するユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しSNSサーバ40へ送信する。SNSユーザ登録制御部4041は、受信した情報をSNSユーザテーブル4012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、SNSユーザテーブル4012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
SNSユーザ登録制御部4041によるユーザ情報のSNSユーザテーブル4012への登録に先立ち、SNSサービス提供者は所定の審査を行いユーザによるSNSサービス利用可否を制限しても良い。
SNSユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはSNSユーザ登録制御部4041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0049】
<情報処理システム1の動作>
以下、情報処理システム1の各処理について説明する。
図14は、契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
図15は、契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
図16は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図17は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図18は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図19は、第2ユーザ端末30に通知されるメッセージを示す画面例である。
図20は、契約書確認処理の動作を示す画面例である。
図21は、契約書確認処理の動作を示す画面例である。
【0050】
<契約書作成処理>
契約書作成処理は、作成者が契約情報を作成し、確認者に対して送信する処理である。本開示において、第1ユーザが契約情報の作成者の立場のユーザであり、第2ユーザが契約情報の確認者の立場のユーザであるとする。なお、契約情報の作成にあたって、複数のユーザを確認者として設定することが可能である。
本開示において、第1ユーザは、第2ユーザとは異なる組織、会社などのグループに属するユーザである。
【0051】
図16は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、契約情報を作成するための作成画面50には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス510、入力項目を指定するためのボタン521、522、523、契約情報表示エリア530、書類データ531、入力項目532、533、534、送信ボタン540が表示される。
【0052】
<契約書作成処理の概要>
契約書作成処理は、作成者が契約情報を作成し、契約情報の宛先となる確認者を設定し、設定された確認者のソーシャル・ネットワーキング・サービスにおけるSNSユーザ情報を取得し作成者に提示するとともに、SNSユーザ情報に基づき契約手続き可否を判定する。契約手続きを行うことができないと判定された場合には、第1案内情報を提示する。契約手続きを行うことができると判定された場合には、契約情報に対する入力項目を設定し、入力項目に対する入力規則を設定し、作成者から入力項目に対する入力データを受け付け、確認者に対して契約情報を送付する一連の処理である。
【0053】
<契約書作成処理の詳細>
ステップS101において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約書に関する書類データを含む契約情報を作成する。書類データは、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(ExtenSible Markup Language)などの任意のデータ形式の書類データを契約情報に含めることができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、作成した書類データ、第1ユーザID2011をサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した第1ユーザID2011、書類データを受け付け、それぞれ、書類テーブル1014の新たなレコードの作成者ID、書類データの項目に記憶する。これにより、サーバ10の契約作成部1042は、新たな契約情報を書類テーブル1014に記憶する。
【0054】
契約情報を作成するための作成画面50には、書類テーブル1014に記憶された書類データ531が表示される。
【0055】
ステップS102において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから、契約受付ステップにおいて受け付けた契約情報の確認者(受信者)として第2ユーザを受け付ける受信者受付ステップを実行する。本開示において、第1ユーザは、受信者として第2ユーザを選択し特定するものとする。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、確認者となる第2ユーザのメールアドレス、ユーザ名を入力し、サーバ10へ送信する。
【0056】
ステップS102において、サーバ10の契約作成部1042は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、ユーザ候補を取得する候補取得ステップを実行しても良い。受信者受付ステップは、候補取得ステップにおいて取得したユーザ候補から、契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けるステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、サーバ10にユーザ候補を照会するリクエストを送信する。サーバ10に送信するリクエストには、契約情報の締結相手の所属組織に関する情報を含めても良い。
【0057】
サーバ10の契約作成部1042は、リクエストを受信すると、SNSサーバ40へユーザ候補を照会するリクエストを送信する。SNSサーバ40の制御部406は、リクエストを受信すると、SNSユーザテーブル4012、SNSグループテーブル4013などを検索し、ユーザ候補のSNSユーザID、SNSユーザ名、SNSメールアドレスを含むレスポンスをサーバ10へ送信する。例えば、SNSサーバ40の制御部406は、第1ユーザと繋がりのあるユーザをユーザ候補としても良い。SNSサーバ40の制御部406は、第1ユーザと繋がりのあるユーザのうち、締結相手の所属組織に属するユーザをユーザ候補としても良い。SNSサーバ40の制御部406は、第1ユーザと繋がりのあるユーザのうち、締結相手の所属組織に属し、かつ、対象となる契約情報に対する契約締結の承認権限があるユーザをユーザ候補としても良い。SNSサーバ40の制御部406は、第1ユーザと繋がりのあるユーザのうち、締結相手の所属組織に属し、かつ、所定の役職以上のユーザをユーザ候補としても良い。
【0058】
サーバ10の契約作成部1042は、受信したレスポンスに含まれるSNSユーザID、SNSユーザ名、SNSメールアドレスに基づき、ユーザ候補のユーザ名、メールアドレス、をユーザテーブル1012から特定し取得する。なお、サーバ10の契約作成部1042は、SNSメールアドレスに基づき、ユーザテーブル1012のメールアドレスの項目を検索し、ユーザID、ユーザ名を取得しても良い。その他、所属組織、役職などの情報を考慮して、SNSユーザIDに対応するユーザIDを特定し、ユーザ候補のメールアドレス、ユーザ名、をユーザテーブル1012から特定し取得しても良い。
サーバ10の契約作成部1042は、取得した候補ユーザのユーザ名、メールアドレスを第1ユーザ端末20に送信する。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、受信したユーザ候補のユーザ名、メールアドレスを第1ユーザに提示する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、提示された複数のユーザ候補から確認者となる第2ユーザを選択し、第2ユーザのユーザ名、メールアドレスなどをサーバ10へ送信する。
【0059】
これにより、第1ユーザは、確認者として第2ユーザを指定する際に、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得したユーザ候補に基づき、適切な承認権限を有する第2ユーザを確認者として選択することができる。
【0060】
ステップS102において、サーバ10の契約作成部1042は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、第2ユーザに基づき、第2ユーザの所属グループにおいて契約情報の承認権限を有するユーザ候補を取得する候補取得ステップを実行しても良い。受信者受付ステップは、候補取得ステップにおいて取得したユーザ候補から、契約情報の受信者として第3ユーザを受け付けるステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、サーバ10にユーザ候補を照会するリクエストを送信する。サーバ10に送信するリクエストには、契約情報の締結相手である第2ユーザのユーザ識別情報、メールアドレスなど第2ユーザに関する情報が含まれる。つまり、このとき、第1ユーザは既に確認者として第2ユーザを追加済みであるとする。
【0061】
サーバ10の契約作成部1042は、リクエストを受信すると、SNSサーバ40へユーザ候補を照会するリクエストを送信する。SNSサーバ40の制御部406は、リクエストを受信すると、第2ユーザに関する情報に基づき、SNSユーザテーブル4012、SNSグループテーブル4013などを検索し、ユーザ候補のSNSユーザID、SNSユーザ名、SNSメールアドレスを含むレスポンスをサーバ10へ送信する。例えば、SNSサーバ40の制御部406は、第2ユーザと同じ所属組織に属するユーザをユーザ候補としても良い。SNSサーバ40の制御部406は、第2ユーザと同じ所属組織に属するユーザのうち、対象となる契約情報に対する契約締結の承認権限があるユーザをユーザ候補としても良い。例えば、SNSサーバ40の制御部406は、第2ユーザと同じ所属組織に属するユーザのうち、SNSユーザテーブル4012の職歴データなどを参照し、所定の役職以上のユーザをユーザ候補としても良い。
【0062】
サーバ10の契約作成部1042は、受信したレスポンスに含まれるSNSユーザID、SNSユーザ名、SNSメールアドレスに基づき、ユーザ候補のユーザ名、メールアドレスをユーザテーブル1012から特定し取得する。なお、サーバ10の契約作成部1042は、SNSメールアドレスに基づき、ユーザテーブル1012のメールアドレスの項目を検索し、ユーザID、ユーザ名を取得しても良い。その他、所属組織、役職などの情報を考慮して、SNSユーザIDに対応するユーザIDを特定し、ユーザ候補のメールアドレス、ユーザ名、をユーザテーブル1012から特定し取得しても良い。
サーバ10の契約作成部1042は、取得した候補ユーザのユーザ名、メールアドレスを第1ユーザ端末20に送信する。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、受信したユーザ候補のユーザ名、メールアドレスを第1ユーザに提示する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、提示された複数のユーザ候補から確認者となる第3ユーザを選択し、第3ユーザのユーザ名、メールアドレスなどをサーバ10へ送信する。
【0063】
これにより、第1ユーザは、既に受け付けた第2ユーザに基づき、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから第2ユーザの所属グループにおいて契約情報の承認権限を有するユーザ候補に基づき、適切な承認権限を有する第3ユーザを契約情報の確認者として回覧先に含めることができる。
【0064】
ステップS103において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザに対して、第2ユーザのユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップを実行する。なお、第3ユーザについても同様である。
具体的に、情報取得ステップは、第2ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップを実行する。サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザのメールアドレス、ユーザ名を受信すると、第2ユーザのメールアドレス、ユーザ名を含むSNSユーザ情報を照会するリクエストをSNSサーバ40へ送信する。なお、リクエストには、第2ユーザの所属組織などの情報が含まれても良い。
SNSサーバ40は、受信したリクエストに含まれるメールアドレス、ユーザ名などに基づき、SNSユーザテーブル4012のSNSメールアドレス、SNSユーザ名などの項目を検索し、第2ユーザの氏名、所属組織、役職などのプロフィール情報を含む、第2ユーザのSNSユーザ情報を取得する。第2ユーザのSNSユーザ情報は、第2ユーザの信用情報、信用スコアなどの情報を含んでも構わない。SNSサーバ40の制御部406は、取得したSNSユーザ情報をサーバ10へ送信する。
サーバ10の契約作成部1042は、受信したSNSユーザ情報をユーザテーブル1012における、第2ユーザのレコードのSNSユーザデータの項目に記憶する。これにより、第2ユーザに関するSNSユーザ情報がサーバ10のユーザテーブル1012に、第2ユーザのユーザ識別情報と関連付けて記憶される。
【0065】
サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザのSNSユーザ情報を第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、受信したSNSユーザ情報を第1ユーザに対して提示する。
【0066】
図17は、契約書作成処理において契約情報の確認者(受信者)を追加する追加画面55の画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、確認者を追加するための追加画面55には、確認者のメールアドレス551の入力欄、氏名552の入力欄、組織名553の入力欄、アクセスコード554の入力欄が表示される。SNS情報表示エリア561には、確認者として指定されたユーザのSNSユーザ情報が表示される。SNSユーザ情報は、確認者として指定されたユーザのSNSサービスにおける所属組織、信用スコア5612、信用情報5613、キャンセルボタン571、追加ボタン572が表示される。
具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、受信したSNSメールアドレス、SNSユーザ名、SNSユーザ情報をそれぞれ、追加画面55の、メールアドレス551、氏名552、SNS情報表示エリア561の項目に表示する。
【0067】
情報取得ステップは、第2ユーザがソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて、名刺を読取ることによるユーザの氏名および所属情報の更新頻度に関する情報を含む、ユーザ情報を取得するステップを実行する。
具体的に、SNS情報は、第2ユーザがソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて、自身の名刺を読取ることにより、自身の氏名、所属組織、役職などの第2ユーザのSNSユーザ情報の更新頻度に関する情報を含んでも良い。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザのソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける活動状況に基づき、当該相手方ユーザの信用情報を考慮してより安全に契約手続きを実行することができる。
そして、サーバ10の契約作成部1042は、取得した第2ユーザのSNSユーザ情報の更新頻度に関する情報を第1ユーザに対して提示しても良い。
【0068】
ステップS104において、サーバ10の契約判定部1044は、情報取得ステップにおいて取得した第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定する判定ステップを実行する。判定ステップは、第1ユーザの承認権限情報、および、第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定するステップを実行する。
判定ステップは、第1ユーザの承認権限情報に応じたスコア閾値と、第2ユーザの信用スコアとを比較することにより、第2ユーザとの契約手続き可否を判定するステップを実行する。なお、第3ユーザについても同様である。
【0069】
具体的に、判定ステップは、情報取得ステップにおいて取得した第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定するステップを実行する。
【0070】
具体的に、サーバ10の契約判定部1044は、第2ユーザのSNSユーザ情報に含まれる、第2ユーザの職歴などに、不適切な企業等への勤務歴がある場合に、契約手続きを行うことができないと判定する。その他、サーバ10の契約判定部1044は、SNSユーザ情報に含まれる、第2ユーザとソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて繋がりのある他のユーザのユーザ情報を含む任意の情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定しても良い。
【0071】
具体的に、サーバ10の契約判定部1044は、ユーザテーブル1012に記憶されている第1ユーザの承認権限情報に基づき、承認権限マスタ1017の承認権限の項目を検索し、スコア閾値を取得する。サーバ10の契約判定部1044は、第2ユーザの信用スコアと、取得したスコア閾値とを比較し、第2ユーザの信用スコアが、スコア閾値よりも大きい場合には、第2ユーザと契約手続きを行うことができると判定し、スコア閾値以下の場合には、第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定する。
なお、本開示においては承認権限がランクSのユーザは、スコア閾値が0であるので、第2ユーザの信用スコアの値に関わらず、すべてのユーザと契約手続きを行うことができる。
【0072】
そして、受信者受付ステップは、判定ステップにおいて第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けない。
具体的に、サーバ10の契約判定部1044は、第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定した場合は、第1ユーザは第2ユーザを確認者として追加することができない状態となり、ステップS109に進む。つまり、サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザを確認者として確認テーブル1015に記憶しない。
【0073】
一方、サーバ10の契約判定部1044は、第2ユーザと契約手続きを行うことができると判定した場合は、ステップS105に進み契約手続きを進めることができる。具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、ステップS102において受信したメールアドレス、ステップS101において作成し、記憶した契約情報の書類IDを、それぞれ確認テーブル1015の確認者メールアドレス、書類IDの項目に記憶し、契約情報と第2ユーザのメールアドレスとを関連付けて記憶する。なお、第1ユーザは、第2ユーザの言語、アクセスコードを設定し、第2ユーザのメールアドレスと関連付けて記憶しても良い。
このとき、確認テーブル1015の確認順序の項目には1の値を記憶する。ステップS102からS104において、第1ユーザは、複数の確認者となるユーザを選択し設定できるものとしても良い。この場合、選択順序に応じて、確認者となるユーザの確認順序の項目の値が1つずつインクリメントされ記憶される。これにより、後述する契約書確認処理における確認者の回覧順序が設定される。なお、回覧順序の設定は必須ではない。
【0074】
ステップS109において、サーバ10の契約判定部1044は、判定ステップにおいて第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第1ユーザに対して、第2ユーザと契約手続きを行うための第1案内情報を提示する第1提示ステップを実行する。
【0075】
図18は、契約書作成処理において、第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合の契約情報の確認者(受信者)を追加する追加画面55の画面例である。
図17と重複する構成については説明を省略する。
第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、確認者を追加するための追加画面55には、第1案内情報5614が表示される。第1案内情報5614は、第1ユーザの承認権限では、第2ユーザを確認者として契約締結を進めることができないことを示す情報が含まれる。また、第1案内情報5614は、第2ユーザを確認者として契約締結を進めることが可能な他のユーザまたは、他の部署などのグループに属するユーザを案内する表示を含めても良い。これにより、第1ユーザは、第2ユーザを確認者として契約締結を進めることが可能な他のユーザに、契約作成処理を依頼することができる。
また、追加画面55において、追加ボタン572は選択できない状態で、第1ユーザに対して提示される。つまり、第1ユーザは第2ユーザを確認者として追加することができない。
なお、追加画面55において第1案内情報5614を警告、アラートとして第1ユーザに提示するに留め、追加ボタン572は選択できる状態としても良い。この場合、第1案内情報5614の警告、アラート内容を考慮しつつ、第1ユーザは第2ユーザを確認者として追加することができる。
【0076】
ステップS105において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約情報に対する入力項目を設定する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、ステップS101において作成し、記憶した契約情報に対して複数の入力項目を設定する。入力項目は、印鑑データを押印する押印欄、署名データなどのテキストデータを入力する入力欄、チェック項目を選択できるチェックボックス欄、日付を入力する日付欄など任意の入力項目を設定することができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、入力項目を追加するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、リクエストを受信すると、契約情報の書類IDを、入力項目テーブル1016の新たなレコードの書類IDに記憶する。これにより、新たに追加された入力項目情報が、契約情報と関連付けられ記憶される。なお、第1ユーザは、複数の入力項目情報を、契約情報と関連づけ記憶することができる。
【0077】
ステップS106において、第1ユーザは、追加するそれぞれの入力項目に対して入力規則を設定する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS105において設定した入力項目情報ごとの入力規則を指定し、サーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力規則を、入力項目テーブル1016のそれぞれの入力項目情報のレコードの入力規則の項目に記憶する。これにより、入力項目ごとの入力規則を設定することができる。
【0078】
ステップS107において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザが入力した複数の入力項目に対する入力データを受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS106において設定した入力項目ごとに入力データを入力する。例えば、第1ユーザは、管理番号が設定された入力項目に、自身が所属するグループにおける整理番号などの契約情報を管理するための番号の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、契約締結日が設定された入力項目に、当該契約情報の契約締結日の日付の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、入力項目への入力データの入力が完了したら、サーバ10へ入力項目ごとの入力項目ID、入力データを送信する。
サーバ10の契約作成部1042は、入力項目ごとの入力項目ID、入力データを受信し、受け付ける。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力項目情報の入力データの項目に、受信した入力データを記憶する。これにより、第1ユーザが入力した入力データが、入力項目テーブル1016に記憶される。
【0079】
サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから、第2ユーザに対して契約情報に対する契約締結を依頼する指示を受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、契約情報を作成するための作成画面50に、表示された送信ボタン540を押下することにより、契約情報を送信するリクエストをサーバ10へ送信する。
【0080】
ステップS108において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージを第2ユーザへ送信する。具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、確認テーブル1015の確認順序の項目を検索し、確認順序の項目に記憶された値が最も小さい最初の確認者となるユーザ(第1確認ユーザ)を特定する。本開示において第1確認ユーザは、一例として、第2ユーザとする。サーバ10の契約作成部1042は、第1確認ユーザのメールアドレスへ、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。
第1確認ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むURL(Uniform ReSource Locator)の情報を含める。URLは、書類IDを直接含んでも良いし、書類IDに対し任意の暗号化を行った文字列、その他、不図示のテーブルを参照して書類IDを特定可能な文字列などの情報を含んでも良い。また、URLには第1確認ユーザを特定するための情報を含めても良い。例えば、第1確認ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLに第1確認ユーザを特定するための情報を含める必要がある。
【0081】
第1ユーザは、第2ユーザに対してアクセスコードを設定した場合は、別途メールなどの手段によりアクセスコードを第1確認ユーザに対して伝える。これにより、第1確認ユーザへ通知されるメッセージが第三者に取得された場合においても、第三者はアクセスコードを入手しない限り契約書確認処理を実行することができない。
【0082】
図19は、第2ユーザ端末30に通知されるメッセージを示す画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、メッセージ画面60には、メッセージ61、契約情報を特定するための書類IDを含むURL62の情報が含まれる。
【0083】
<変形例>
第1ユーザは、ステップS102からS104の処理を、複数の確認者ごとに実行することにより、複数の確認者を選択し設定することができる。そして、複数の確認者を選択し設定する場合には、複数の確認者のそれぞれに対して、ステップS105において異なる入力項目情報をそれぞれに独立して設定できる構成としても構わない。例えば、第1ユーザが、確認者として第2ユーザ、第9ユーザの2人のユーザを設定する場合に、契約開始日、契約終了日の入力項目を第2ユーザに対して設定し、契約締結日の入力項目を第9ユーザに対して設定しても良い。この場合、後述する契約書確認処理において、第2ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できるが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができない。一方、第9ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できないが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができる。1つの入力項目情報に対して、複数の確認者を重複して選択し設定できる構成としても構わない。
【0084】
契約情報を作成するための作成画面50には、描画オブジェクトとして入力項目532、533、534が描画される。入力項目532、533には、割当として、入力項目を入力することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-B」、入力項目の種別として「テキスト」という項目が描画されている。押印に関する入力項目534には、割当として、押印することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-C」、入力項目の種別として「印」という項目が描画されている。
【0085】
<契約書確認処理>
契約書確認処理は、確認者が、作成者から受信した契約情報の内容を確認する処理である。
【0086】
<契約書確認処理の概要>
契約書確認処理は、確認者からのアクセスを受け付け、契約情報を表示する確認画面を確認者に対して提示し、契約情報の作成者のソーシャル・ネットワーキング・サービスにおけるSNSユーザ情報を取得し提示するとともに、SNSユーザ情報に基づき契約手続き可否を判定する。契約手続きを行うことができないと判定された場合には、第2案内情報を提示する。契約手続きを行うことができると判定された場合には、確認者から入力項目に対する入力データを受け付け、確認者から契約情報の確認に関するデータを受け付ける一連の処理である。
【0087】
<契約書確認処理の詳細>
ステップS301において、確認者となる第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作して受信したメッセージに記載されたURLを選択することにより、第2ユーザ端末30のブラウザアプリケーションにより当該URLにより指定されたウェブページを開くことができる。これにより、第2ユーザ端末30は、契約書確認処理を実行させるためのリクエストをサーバ10へ送信する。
【0088】
確認テーブル1015の第2ユーザのレコードにアクセスコードの項目が記憶されている場合には、第2ユーザに対してアクセスコードの入力を要求し、当該入力されたアクセスコードと確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとを照合することにより、第2ユーザに対する認証処理を実行することができる。
具体的に、サーバ10は、アクセスコードを認証するための入力画面を第2ユーザ端末30へ送信する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作し、アクセスコードを入力しサーバ10へ送信する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したアクセスコードと、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとが一致するか否かを判定し、一致する場合は契約書確認処理を継続する。一方、一致しない場合には、契約書確認処理を中止する。なお、アクセスコードによる認証処理は省略しても構わない。
【0089】
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、確認テーブル1015の書類IDの項目を検索し、確認者情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、入力項目テーブル1016の書類IDの項目を検索し、契約情報に関連づけられた入力項目情報を取得する。
【0090】
ステップS302において、サーバ10の契約確認部1043は、第2ユーザを特定し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30から受信したリクエストに含まれる第2ユーザID3011に基づき特定しても良いし、URLに含まれる第2ユーザを識別するための識別情報に基づき特定しても良い。第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLから第2ユーザを特定する必要がある。例えば、URLには第2ユーザを特定する情報として第2ユーザのメールアドレス、ユーザIDなどが含まれていても良い。
【0091】
サーバ10の契約確認部1043は、特定された第2ユーザのユーザ識別情報に基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索し、第2ユーザの承認権限の項目を取得する。なお、本開示において、第2ユーザの承認権限はユーザテーブル1012に記憶される構成としたが、第2ユーザの承認権限は第2ユーザが所属するグループごとに記憶されていても良いし、契約情報ごと、契約情報種別ごとに記憶されても構わない。サーバ10の契約確認部1043は、対象となる契約情報に対し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。
また、第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合は、第2ユーザを、承認権限を有さないユーザとみなして処理を実行しても良い。
【0092】
ステップS303において、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081は、第2ユーザに対して、契約情報を承認する操作を受け付ける確認画面を提示する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報を確認し承認する。
なお、第2ユーザに提示される確認画面は、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードの言語データの項目に記憶された言語情報に基づき、確認者に対して指定された言語表記で第2ユーザに対して提示する構成としても良い。
【0093】
ステップS304において、サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザに対して、第1ユーザのユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップを実行する。
具体的に、情報取得ステップは、第1ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップを実行する。
なお、情報取得ステップは、情報取得対象となるユーザが第2ユーザではなく第1ユーザとなるのみで、契約書作成処理のステップS103における情報取得ステップと同様の処理であるため、重複する説明は省略する。
【0094】
図20は、契約書確認処理の動作を示す確認画面の画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、契約情報を承認するための確認画面70には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス710、契約情報表示エリア730、書類データ731、入力項目732、733、734、735、736、同意ボタン740、SNS情報表示エリア761が表示される。SNS情報表示エリア761には、作成者のSNSユーザ情報が表示される。SNSユーザ情報は、作成者のSNSサービスにおける所属組織、信用スコア7612、信用情報7613が表示される。
【0095】
ステップS305において、サーバ10の契約確認部1043は、情報取得ステップにおいて取得した第2ユーザの信用情報に基づき、第1ユーザとの契約手続き可否を判定する判定ステップを実行する。判定ステップは、第2ユーザの承認権限情報、および、第1ユーザの信用情報に基づき、第1ユーザとの契約手続き可否を判定するステップを実行する。
なお、判定ステップは、情報取得対象となるユーザが第2ユーザではなく第1ユーザとなり、第1ユーザの承認権限情報の代わりに第2ユーザの承認権限情報が用いられるのみで、契約書作成処理のステップS104における判定ステップと同様の処理であるため、重複する説明は省略する。
【0096】
具体的に、サーバ10の契約判定部1044は、ユーザテーブル1012に記憶されている第2ユーザの承認権限情報に基づき、承認権限マスタ1017の承認権限の項目を検索し、スコア閾値を取得する。サーバ10の契約判定部1044は、第1ユーザの信用スコアと、取得したスコア閾値とを比較し、第1ユーザの信用スコアが、スコア閾値よりも大きい場合には、第1ユーザと契約手続きを行うことができると判定し、スコア閾値以下の場合には、第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定する。
【0097】
そして、承認ステップは、判定ステップにおいて第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、契約情報の契約締結を承認する指示を受け付けない。
具体的に、サーバ10の契約判定部1044は、第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定した場合は、第2ユーザは契約情報を承認できない状態となり、ステップS308に進む。
【0098】
ステップS308において、サーバ10の契約確認部1043は、判定ステップにおいて、第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第2ユーザに対して、第1ユーザと契約手続きを行うための第2案内情報を提示する第2提示ステップを実行する。
【0099】
図21は、契約書確認処理において、第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合の契約情報を承認する操作を受け付ける確認画面70の画面例である。
図20と重複する構成については説明を省略する。
第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、契約情報を承認する操作を受け付ける確認画面70には、第2案内情報7614が表示される。第2案内情報7614は、第2ユーザの承認権限では、第1ユーザにより作成された契約情報を承認することができないことを示す情報が含まれる。また、第2案内情報7614は、第1ユーザを作成者として契約締結を承認することが可能な他のユーザまたは、他の部署などのグループに属するユーザを案内する表示を含めても良い。これにより、第2ユーザは、第1ユーザを作成者として契約締結を進めることが可能な他のユーザに、契約手続きを依頼することができる。例えば、第2ユーザは、同じグループまたは所属組織に所属する、第1ユーザを作成者として契約締結を進めることが可能な他の第4ユーザに、契約情報を転送できる構成としても良い。この場合、転送された契約情報を受信した第4ユーザは第1ユーザにより作成された契約情報を承認することができる。
また、確認画面70において、同意ボタン740は選択できない状態で、第2ユーザに対して提示される。つまり、第2ユーザは第1ユーザを作成者として契約締結を承認することができない。
なお、確認画面70において第2案内情報7614を警告、アラートとして第2ユーザに提示するに留め、同意ボタン740は選択できる状態としても良い。この場合、第2案内情報7614の警告、アラート内容を考慮しつつ、第2ユーザは第1ユーザを作成者として契約締結を承認することができる。
【0100】
ステップS306において、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報の1または複数の入力項目に対する入力を受け付ける。
具体的に、第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報に設定された入力項目732、733、734、735に対し入力データを入力する。なお、本開示においては入力項目736に対しては、第2ユーザによる入力が割当られていないため、第2ユーザは入力データを入力できないことが視覚的に識別可能に表示される。
【0101】
ステップS307において、サーバ10の契約確認部1043は、受信者受付ステップにおいて受け付けた第2ユーザから、契約情報の契約締結に同意し承認する指示を受け付ける承認ステップを実行する。
第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報および入力データを確認し、内容に同意また承諾する場合には、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報を確認するための確認画面70に、表示された同意ボタン740を押下することにより、書類ID、第2ユーザを特定する情報、ステップS306において入力した入力項目ごとの入力データを含むリクエストをサーバ10へ送信する処理を実行させる。第2ユーザを特定する情報は、第2ユーザID3011でも構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき第2ユーザが契約情報を確認したことを示す情報を記憶する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信した書類ID、第2ユーザを特定する情報に基づき、確認テーブル1015を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。例えば、第2ユーザを特定する情報がメールアドレスである場合には、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。第2ユーザを特定する情報がユーザ識別情報である場合には、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索することにより特定される第2ユーザのメールアドレスに基づき、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。
サーバ10の契約確認部1043は、受信した入力データを、当該入力データと関連付けられた入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力データの項目に記憶する。これにより、ステップS306において、第2ユーザにより入力された入力データが、入力項目テーブル1016の入力項目情報として記憶される。
【0102】
サーバ10の契約確認部1043は、すべての確認者による契約書確認処理が実行されたことを判定する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、確認テーブル1015において、確認者のレコードの確認フラグにTrueの値が記憶されている場合に、すべての確認者による契約書確認処理が実行されたと判定する。
サーバ10の契約確認部1043は、すべての確認者による契約書確認処理が実行されると、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを第1ユーザへ送信する。
具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザのメールアドレスへ、第2ユーザが契約情報の確認を完了したことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。つまり、第1ユーザに対して、第2ユーザにより契約締結の承認がなされたことを通知する。これにより、第1ユーザは、第2ユーザとの間で契約締結が完了したことを知ることができる。
第1ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むURLの情報を含めても良い。
サーバ10の契約確認部1043は、複数のユーザが確認者として設定されている場合には、最後に契約書確認処理を実行したユーザ以外の確認者にかかるユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。これにより、確認者にかかるユーザも、すべての確認者により契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。
また、サーバ10の契約確認部1043は、複数の確認者が所属するグループにおいて管理者に相当する権限を有するユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。これにより、確認者にかかるユーザが所属するグループにおける管理者が、契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。サーバ10の契約確認部1043は、ユーザIDまたはメールアドレスに基づきユーザテーブル1012の、ユーザIDまたはメールアドレスの項目を検索することにより、グループIDの項目を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、取得したグループIDの項目に基づき、グループテーブル1013のグループIDの項目を検索し、管理者IDの項目を取得し、管理者IDに基づき、管理者に相当する権限を有するユーザをユーザテーブル1012のユーザIDを検索することにより特定し、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信する。
【0103】
<電子署名処理>
ステップS307に、電子署名処理を含めても良い。サーバ10の契約確認部1043は、ステップS307において第2ユーザから受け付けた契約締結を承認する指示に応じて、第1ユーザから受け付けた契約情報に、契約情報の契約締結が承認されたことを示す電子署名を付与して記憶する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき、契約情報に対し、電子署名を付与し記憶する。サーバ10の契約確認部1043は、書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。
サーバ10の契約確認部1043は、取得した契約情報に電子署名を付与し、書類テーブル1014の書類データの項目に記憶する。なお、サーバ10の契約確認部1043は、電子署名を付与した契約情報により書類データの項目を更新(上書き)しても良いし、電子署名付与前の契約情報を別途不図示の記憶装置に記憶しても構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、電子署名に、書類ID、第1ユーザのメールアドレス、第2ユーザのメールアドレス、承認日時、確認日時、承認日時の認証方法、確認日時の認証方法、入力項目ごとの入力データの値、第1ユーザ、第2ユーザの同意(承認)、タイムスタンプなどのいずれかの情報を含めても良い。
これにより、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報に第2ユーザが契約情報の契約締結を承認したことを示す電子署名を付与して記憶する。契約情報に対する第三者によるなりすましや改ざんを防ぐことができる。
【0104】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図22は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0105】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0106】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0107】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0108】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0109】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0110】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図22)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0111】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0112】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0113】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0114】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0115】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0116】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0117】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0118】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップ(S101)と、第1ユーザから、契約受付ステップにおいて受け付けた契約情報の受信者として第2ユーザを受け付ける受信者受付ステップ(S102)と、受信者受付ステップにおいて受け付けた第2ユーザから、契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける承認ステップ(S307)と、少なくとも第1ユーザまたは第2ユーザの一方に対して、他方のユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップ(S103、S304)と、情報取得ステップにおいて取得した、他方のユーザ情報を、少なくとも一方のユーザに対して提示する情報提示ステップ(S103,S304)と、を実行させるプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの情報を考慮して安心に契約手続きを実行することができる。
【0119】
(付記3)
情報取得ステップ(S103,S304)は、他方のユーザの信用情報を含むユーザ情報を取得するステップである、付記1または2記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの信用情報を考慮して安全に契約手続きを実行することができる。
【0120】
(付記4)
情報取得ステップ(S103,S304)は、他方のユーザの信用スコアを含むユーザ情報を取得するステップである、付記1から3のいずれか記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの信用スコアを考慮して安全に契約手続きを実行することができる。
【0121】
(付記5)
情報取得ステップ(S103,S304)は、役職、職歴、および、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを介して他方のユーザと繋がっている他のユーザの役職、職歴、並びに、他のユーザの信用情報に基づき算定される、他方のユーザの信用スコアを含むユーザ情報を取得するステップである、付記1から4のいずれか記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの信用スコアを考慮して安全に契約手続きを実行することができる。
【0122】
(付記6)
ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、ユーザの保有する名刺を読取ることにより、名刺に記載されたユーザの氏名および所属情報に基づき、複数のユーザ間の社会的ネットワークを構築するサービスであり、情報取得ステップ(S103,S304)は、他方のユーザの氏名および所属情報を含む、ユーザ情報を取得するステップである、付記1から5のいずれか記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの名刺情報に基づく信頼性の高い信用情報を考慮してより安全に契約手続きを実行することができる。
【0123】
(付記7)
情報取得ステップ(S103,S304)は、他方のユーザがソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて、名刺を読取ることによるユーザの氏名および所属情報の更新頻度に関する情報を含む、ユーザ情報を取得するステップである、付記6記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザのソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける活動状況に基づき、当該相手方ユーザの信用情報を考慮してより安全に契約手続きを実行することができる。
【0124】
(付記8)
プログラムは、プロセッサに、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、ユーザ候補を取得する候補取得ステップ(S102)と、を実行させ、受信者受付ステップ(S102)は、候補取得ステップにおいて取得したユーザ候補から、契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けるステップである、付記1から7のいずれか記載のプログラム。
これにより、第1ユーザは、確認者として第2ユーザを指定する際に、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得したユーザ候補に基づき、適切な承認権限を有する第2ユーザを確認者として選択することができる。
【0125】
(付記9)
プログラムは、プロセッサに、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから、第2ユーザに基づき、第2ユーザの所属グループにおいて契約情報の承認権限を有するユーザ候補を取得する候補取得ステップ(S102)と、を実行させ、受信者受付ステップ(S102)は、候補取得ステップにおいて取得したユーザ候補から、契約情報の受信者として第3ユーザを受け付けるステップである、付記1から8のいずれか記載のプログラム。
これにより、第1ユーザは、既に受け付けた第2ユーザに基づき、ソーシャル・ネットワーキング・サービスから第2ユーザの所属グループにおいて契約情報の承認権限を有するユーザ候補に基づき、適切な承認権限を有する第3ユーザを契約情報の確認者として回覧先に含めることができる。
【0126】
(付記10)
プログラムは、プロセッサに、情報取得ステップにおいて取得した他方のユーザの信用情報に基づき、他方のユーザとの契約手続き可否を判定する判定ステップ(S104,S305)と、を実行させる、付記1から9のいずれか記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの信用情報に基づき、契約手続きを停止することができる。これにより、ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0127】
(付記11)
判定ステップ(S104)は、一方のユーザの承認権限情報、および、他方のユーザの信用情報に基づき、他方のユーザとの契約手続き可否を判定するステップである、付記10記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、自身の承認権限に応じた相手方ユーザの信用情報に基づき、契約手続きを停止することができる。これにより、ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0128】
(付記12)
判定ステップ(S104)は、一方のユーザの承認権限情報に応じたスコア閾値と、他方のユーザの信用スコアとを比較することにより、他方のユーザとの契約手続き可否を判定するステップである、付記11記載のプログラム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、自身の承認権限に応じた相手方ユーザの信用スコアに基づき、契約手続きを停止することができる。これにより、ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0129】
(付記13)
情報取得ステップ(S103)は、第2ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップであり、判定ステップ(S104)は、情報取得ステップにおいて取得した第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザとの契約手続き可否を判定するステップであり、受信者受付ステップ(S102)は、判定ステップにおいて第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、契約情報の受信者として第2ユーザを受け付けない、付記11または12記載のプログラム。
これにより、第1ユーザは、第2ユーザの信用情報に基づき、第2ユーザを契約情報の受信者として設定することを停止することができる。これにより、第1ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0130】
(付記14)
プログラムは、プロセッサに、判定ステップにおいて、第2ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第1ユーザに対して、第2ユーザと契約手続きを行うための第1案内情報を提示する第1提示ステップ(S109)と、を実行させる付記13記載のプログラム。
これにより、第1ユーザは、第2ユーザの信用スコアに基づき、第2ユーザを契約情報の受信者として設定することを停止することができる。これにより、第1ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0131】
(付記15)
情報取得ステップ(S304)は、第1ユーザの信用情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得するステップであり、判定ステップ(S305)は、情報取得ステップにおいて取得した第1ユーザの信用情報に基づき、第1ユーザとの契約手続き可否を判定するステップであり、承認ステップ(S307)は、判定ステップにおいて第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、契約情報の契約締結を承認する指示を受け付けない、付記10から14のいずれか記載のプログラム。
これにより、第2ユーザは、第1ユーザの信用情報に基づき、第1ユーザから受信した契約情報の承認を停止することができる。これにより、第2ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0132】
(付記16)
プログラムは、プロセッサに、判定ステップにおいて、判定ステップにおいて第1ユーザと契約手続きを行うことができないと判定された場合に、第2ユーザに対して、第1ユーザと契約手続きを行うための第2案内情報を提示する第2提示ステップ(S308)と、を実行させる付記15記載のプログラム。
これにより、第2ユーザは、第1ユーザの信用スコアに基づき、第1ユーザから受信した契約情報の承認を停止することができる。これにより、第2ユーザは、安全性が低い相手方との契約締結を回避することができる。
【0133】
(付記17)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサに、付記1から16のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理装置。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの情報を考慮して安心に契約手続きを実行することができる。
【0134】
(付記18)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、プロセッサに、付記1から16のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理方法。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの情報を考慮して安心に契約手続きを実行することができる。
【0135】
(付記19)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータを含む情報処理システムであって、プロセッサに、付記1から16のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理システム。
これにより、電子的な契約手続きを実行するに当たり、契約締結の当事者は、相手方ユーザの情報を考慮して安心に契約手続きを実行することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 第1ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 第2ユーザ端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置、40 SNSサーバ、401 記憶部、404 制御部、406 入力装置、408 出力装置
【要約】 (修正有)
【課題】契約締結の当事者が相手方ユーザの信用情報を考慮して安全に契約手続きを実行できるプログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システムを提供する。
【解決手段】ネットワークを介して接続された、サーバと、複数のユーザ端末と、SNSサーバと、を備えるシステムにおいて、サーバのプログラムは、プロセッサに、第1ユーザから、契約締結の対象となる契約情報を受け付ける契約受付ステップと、受け付けた契約情報の受信者として第2ユーザを受け付ける受信者受付ステップと、第2ユーザから、契約情報の契約締結を承認する指示を受け付ける承認ステップと、少なくとも第1ユーザ又は第2ユーザの一方に対して、他方のユーザ情報を外部のソーシャル・ネットワーキング・サービスから取得する情報取得ステップと、取得した他方のユーザ情報を、少なくとも一方のユーザに対して提示する情報提示ステップと、を実行させる。
【選択図】
図14