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特許7185801マンホールポンプシステム、可搬式電力制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】マンホールポンプシステム、可搬式電力制御装置
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/22 20060101AFI20221130BHJP
   E02D 29/14 20060101ALI20221130BHJP
   F04D 15/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
E03F5/22
E02D29/14 Z
F04D15/00 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022121055
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000120401
【氏名又は名称】荏原実業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱野 博光
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰治
(72)【発明者】
【氏名】中山 泰
(72)【発明者】
【氏名】大越 尋史
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-119310(JP,A)
【文献】特開2015-034513(JP,A)
【文献】特開2017-137801(JP,A)
【文献】特許第7047160(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/029387(WO,A1)
【文献】特開2004-150221(JP,A)
【文献】特表2021-512573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/22
E02D 29/14
F04D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽の内部の液体の吸い込み及び吐出を行うポンプと、
前記ポンプに対する電力の供給を制御する固定式電力制御装置が故障した際に、前記固定式電力制御装置の代わりに前記ポンプと接続して用いられる可搬式電力制御装置と、
前記可搬式電力制御装置によって制御された電力の供給を受ける第1の水位計と、
前記固定式電力制御装置の故障時に前記固定式電力制御装置から切り離された電線と接続され、前記電線との接点から前記ポンプに浸水することを防ぐ防水機能を有し、前記可搬式電力制御装置によって制御された電力を前記ポンプに供給する電力線と、を含み、
前記可搬式電力制御装置は、前記第1の水位計の検出信号に基づいて、前記ポンプへの電力供給を制御する、マンホールポンプシステム。
【請求項2】
前記可搬式電力制御装置は、固着された、または着脱可能な車輪を備える、請求項1に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項3】
前記電力線を、前記可搬式電力制御装置と前記ポンプとの間で前記可搬式電力制御装置の最上位以上の位置に固定する電力線固定部をさらに含む、請求項1に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項4】
搬送可能であって、かつ、蓄電機能を有する可搬式蓄電池をさらに含み、前記可搬式電力制御装置は、前記可搬式蓄電池から前記ポンプに電力を供給する、請求項1に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項5】
前記可搬式蓄電池は、電力を貯蓄する蓄電池と、前記蓄電池を搬送するための車輪と、を含む、請求項4に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項6】
記固定式電力制御装置は、前記第1の水位計と異なる第2の水位計の検出信号に基づいて前記ポンプへの電力供給を制御する、請求項1に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項7】
前記電力線固定部は、前記可搬式電力制御装置の上面または前記可搬式電力制御装置の最上位以上の位置に設けられた筐体に前記電力線を固定する、請求項3に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項8】
前記電力線固定部は、前記固定式電力制御装置の最上位位置以上の位置に前記電力線を固定する、請求項3に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項9】
前記電力線固定部は、前記電線を介する前記ポンプと前記固定式電力制御装置との接続を、前記電力線を介する前記ポンプと前記可搬式電力制御装置との接続に切り替える切替部を備える、請求項3に記載のマンホールポンプシステム。
【請求項10】
液体を貯留する貯留槽と、当該貯留槽の外部との間で液体の吸い込み及び吐出を行うポンプへの電力の供給を制御する固定式電力制御装置が故障した際に、前記固定式電力制御装置の代わりに前記ポンプと接続して用いられる可搬式電力制御装置であって、
前記ポンプへの電力供給を制御する制御部と、
前記固定式電力制御装置の故障時に、前記固定式電力制御装置から切り離された電線と接続され、前記電線との接点から前記ポンプに浸水することを防ぐ防水機能を有し、前記可搬式電力制御装置によって制御された電力を前記ポンプに供給する電力線と、
前記制御部によって制御された電力の供給を受ける第1の水位計と、を含み、
前記制御部は、前記第1の水位計の検出信号に基づいて、前記ポンプへの電力の供給を制御する、可搬式電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホールポンプシステム、可搬式電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水を下水処理施設等に送水するため、多数のマンホールが設けられている。このようなマンホールには、水が溜められる貯留槽内にポンプ(マンホールポンプとも呼ばれる)が設けられ、貯留槽内の水位に応じて起動、あるいは停止し、汚水を下流に送水し、貯留槽内の汚水がマンホールの外部に溢れることを防ぐものがある。このようなマンホールのシステムは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の災害対応型マンホールポンプ場バックアップシステムは、汚水槽(貯留槽)内に設置された汚水ポンプの他に、汚水槽の外部に予備ポンプを設置する。そして、汚水ポンプが災害等により停止した場合、予備ポンプから汚水槽内に吐出ホースを垂設して圧送管に連結し、汚水ポンプに吸込まれた汚水を吐出する。このような特許文献1に記載の構成によれば、マンホールポンプ場において汚水ポンプが停止した場合の復旧を迅速に行うことができる。
【0003】
上記の特許文献1には、予備ポンプは汚水ポンプが停止した場合に設置されること、予備ポンプとしてエンジンポンプが使用されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-75102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポンプを制御する制御盤は、地下に接地されているポンプの近くに設置されている。ポンプが停止するほどの災害が起こった場合、ポンプばかりでなく、制御盤も故障する場合がある。このような場合、制御盤は故障しても、ポンプは故障していない場合もある。すなわち、制御盤の機能を復活できれば、ポンプに電力を供給してポンプシステムを稼働することができる場合がある。また、制御盤が浸水するような場面では、ポンプと制御盤との接続部分を介してポンプ内部に浸水し、ポンプの稼働を困難にすることが考えられる。さらに、ポンプが接地される貯留槽の内部には水位計が設けられ、制御盤は、水位計が検知する水位に応じてポンプの起動、停止を制御する。制御盤が浸水により機能しなくなると、貯留槽の水位を検知することができなくなり、ポンプ自体は故障していないにも関わらず、ポンプの起動、停止を制御することができなくなる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、ポンプを制御する制御盤が正常に機能しなくなった場合であっても予備の制御盤によって既存のポンプを正常に動作させることが可能であり、ポンプへの浸水を防ぐことが可能な信頼性の高いマンホールポンプシステム及び可搬式電力制御装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一形態のマンホールポンプシステムは、液体を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の内部の液体の吸い込み及び吐出を行うポンプと、前記ポンプに対する電力の供給を制御する固定式電力制御装置が故障した際に、前記固定式電力制御装置の代わりに前記ポンプと接続して用いられる可搬式電力制御装置と、前記可搬式電力制御装置によって制御された電力の供給を受ける第1の水位計と、前記固定式電力制御装置の故障時に前記固定式電力制御装置から切り離された電線と接続され、前記電線との接点から前記ポンプに浸水することを防ぐ防水機能を有し、前記可搬式電力制御装置によって制御された電力を前記ポンプに供給する電力線と、を含み、前記可搬式電力制御装置は、前記第1の水位計の検出信号に基づいて、前記ポンプへの電力供給を制御する。
【0008】
また、本発明の一形態の可搬式制御装置は、液体を貯留する貯留槽と、当該貯留槽の外部との間で液体の吸い込み及び吐出を行うポンプへの電力の供給を制御する固定式電力制御装置が故障した際に、前記固定式電力制御装置の代わりに前記ポンプと接続して用いられる可搬式電力制御装置であって、前記ポンプへの電力供給を制御する制御部と、前記固定式電力制御装置の故障時に前記固定式電力制御装置から切り離された電線と接続され、前記電線との接点から前記ポンプに浸水することを防ぐ防水機能を有し、前記可搬式電力制御装置によって制御された電力を前記ポンプに供給する電力線と、前記制御部によって制御された電力の供給を受ける第1の水位計と、を含み、前記制御部は、前記第1の水位計の検出信号に基づいて、前記ポンプへの電力の供給を制御する。
【発明の効果】
【0009】
以上の形態によれば、ポンプを制御する制御盤が正常に機能しなくなった場合であっても予備の制御盤によって既存のポンプを正常に動作させることが可能であり、ポンプへの浸水を防ぐことが可能な信頼性の高いマンホールポンプシステム及び可搬式電力制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態が適用されるマンホールポンプ場を説明するための模式図である。
図2】本発明の一実施形態のマンホールポンプシステムを説明するための模式図である。
図3】第1の実施形態のマンホールポンプ場を例示する切欠き斜視図である。
図4】第1の実施形態の可搬式制御盤の正面図である。
図5】第1の実施形態のマンホールポンプシステムを説明するための模式的な機能ブロック図である。
図6】第2の実施形態のマンホールポンプシステムを説明するための模式的な機能ブロック図である。
図7】第3の実施形態のマンホールポンプシステムを説明するための模式的な機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[概要]
本発明の実施形態に先立ち、その概要を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態、第2の実施形態(以下、まとめて「本実施形態」とも記す)が適用されるマンホールポンプ場2を説明するための模式図である。図1は、複数の建物1と、各建物1から排出される汚水を送出する汚水管12a、12bと、汚水管12a、12bの経路上に設けられたマンホールポンプ場2と、マンホールポンプ場2のポンプ23により圧送された汚水を処理して浄化する下水処理場6と、を示している。建物1から排出された汚水は、流入管11を通って汚水管12aに流れ込む。また、マンホール13から流れ込んだ汚水も汚水管12aに流れ込み、下水処理場6に送られる。なお、側溝14や建物1の雨どい等に流入した雨水は、不図示の雨水管を通って海や河川に送られる。なお、図1に示す構成は、分流式であるが、本実施形態のマンホールポンプシステムは、合流式の下水道システムにも適用することができる。
【0012】
マンホールポンプ場2のポンプ23は、マンホールポンプ場2の貯留槽20(図2図3)に汚水が予め設定された量以上貯留した場合に起動し、貯留槽20内の汚水を汚水管12bに向けて吐出する。吐出された汚水は、汚水管12bの勾配により自然流下し、下水処理場6に送られる。このような構成により、下水道システムは、汚水や雨水(以下、両者を合わせて「下水」とも記す)が地表に溢れることを防いでいる。
【0013】
上記構成のポンプ23は、通常時にはマンホールポンプ場2の付近に設置された固定式の制御盤によって制御されている。制御は、貯留槽20内の水位を検知する不図示のセンサから信号を取得し、水位に応じてポンプ23を起動、または停止するように行われる。しかし、制御盤は、例えば、台風の風雨により浸水し、機能しなくなることが考えられる。このような場合、マンホール13等からマンホールポンプ場2に汚水等が流れ込むにも関わらず、ポンプ23が起動せずに貯留槽20内の汚水の汲出しができなくなる虞がある。
【0014】
本発明者らは、上記の事態に備え、固定式の制御盤が機能しなくなった場合に可搬式の制御盤をマンホールポンプ場2の近くに搬送し、可搬式の制御盤を使ってポンプ23を制御することに想到した。可搬式の制御盤は、通常時にはマンホールポンプ場と異なる箇所に保管されているため、固定式の制御盤のように浸水を受けることがなく、正常に機能する。また、本発明者らは、可搬式の制御盤の使用に合せて可搬式の蓄電池を使用し、ポンプ23に供給されている商用電力の停電にも備えている。
【0015】
また、固定式の制御盤は、貯留槽20内の下水の水位を検出する不図示のセンサから検知信号を入力し、水位に応じてポンプ23を起動、または停止する制御を行っている。固定式の制御盤が機能しなくなると、センサから検知信号を取得することができなくなる。このため、本実施形態は、通常時に使用されるセンサとは別個のセンサを貯留槽20に入れ、可搬式の制御盤が別個のセンサの検知信号に基づいてポンプ23を制御するようにしている。なお、別個のセンサは、可搬式の制御盤と共に持ち込まれ、貯留槽20にセットされるものであってもよいし、予め貯留槽20に設けられる予備のセンサであってもよい。
【0016】
さらに、本実施形態は、可搬式の制御盤からポンプ23に給電する電力線を、可搬式の制御盤の最も高い位置以上の位置に固定する。すなわち、固定式の制御盤が浸水するような状況においては、電力線が浸水し、電力線を介して貯留槽20内のポンプ23が浸水し、故障する虞がある。このような場合、電力線からポンプ23までの復旧及びチェックをしないまま可搬式の制御盤を介してポンプ23に給電することができない。電力線の復旧及びチェックは、可搬式の制御盤の使用開始を遅延させ、ひいてはポンプ23の復旧を遅らせることになる。この点に鑑み、本実施形態は、電力線における可搬式の制御盤とポンプ23との間にある部位を高所に固定し、電力線が浸水することを防いでいる。
【0017】
[第1の実施形態]
(マンホールポンプシステム及び電力制御装置)
図2は、マンホールポンプシステム100を説明するための模式図である。第1の実施形態でいうマンホールポンプシステム100は、マンホールの中にポンプ設備を組み込んで地下に埋設設置されるマンホールポンプ場2と、マンホールポンプ場2のポンプ23に対する電力供給を制御する可搬式電力制御装置である可搬式制御盤4と、を含む。マンホールポンプ場2は、液体を貯留する貯留槽20と、貯留槽20の内部の液体の吸い込み及び吐出を行うポンプ23a、23bと、可搬式制御盤4によって制御された電力の供給を受ける第1の水位計である水位計69(図5等)と、を含んでいる。なお、ここで、「電力の制御」は、電力の直流、交流、電圧、電流、周波数、位相等の特性を変更、調整することをいう。
【0018】
また、第1の実施形態のマンホールポンプシステム100は、通常時にポンプ23(23a、23b)への電力の供給を制御する固定式制御盤3を含んでいる。ここで、「通常時」は固定式制御盤3が正常に機能してポンプ23a、23bを制御している状態を指す。固定式制御盤3は自立式の構成を有し、電力会社から電力を受電する引込開閉器5から電線37により電力を受電する。引込開閉器5は、例えば電柱51に取り付けられて電力会社から電力の供給を受ける。固定式制御盤3が受電した電力を、以降「商用電力」とも記す。マンホールポンプ場2は、地盤Gの下に埋設されていて、固定式制御盤3、可搬式制御盤4は、いずれも地盤Gの上に設けられる。
【0019】
また、固定式制御盤3は、通常時には水位検出部29、またはフロートスイッチ211(いずれも図3)の検出信号に基づいてポンプ23a、23bを制御している。通常時に使用される水位検出部29はレギュラーの水位計であり、これに対してフロートスイッチ211は、通常時における予備用の水位計となる。
【0020】
図3は、第1の実施形態のマンホールポンプ場2を例示する切欠き斜視図である。マンホールポンプ場2は、底板26と、壁部25と、底板26と対向する面の一部を覆うマンホール蓋28とによって形成され、底板26、壁部25及びマンホール蓋28によって形成される閉空間が液体を貯留する貯留槽20となる。貯留槽20の内壁には、作業者がマンホール内に降りるためのステップ24が設けられる。なお、第1の実施形態において、以降、底板26からマンホール蓋28を見た方向を「上」、または「上方」と記す。また、マンホール蓋28から底板26を見た方向を「下」、または「下方」と記す。このようなマンホールの上下の関係は、重力方向に従っている。
【0021】
マンホールポンプ場2は、貯留槽の内部の液体の吸い込み及び吐出を行うポンプ23a、23bを備えている。ポンプ23a、23bは、通常時には商用電源から電力の供給を受けて稼働する水中ポンプである。複数のポンプ23a、23bを備えることにより、マンホールポンプ場2は、ポンプ23a、23bの単独交互運転、または並列運転を可能にし、ポンプ23a、23bの長寿命化を図っている。単独交互運転とは、ポンプ23a、ポンプ23bを一つずつ交互に運転する方式である。並列運転は、貯留槽20内の水位が予め定められた基準水位に達すると、ポンプ23a、23bを同時に起動して運転状態にする方式である。
【0022】
マンホールポンプ場2は、ポンプ23a、23bを吊り下げて支持する吊り上げチェーン232、ポンプ23a、23bが設置されるポンプ台版231、ポンプ23a、23bと吐出用の配管とを接続する着脱ベント233、貯留槽20内の水位を検出する水位検出部29、を含んでいる。さらに、マンホールポンプ場2は、貯留槽20内の下水を排出する槽内配管22、貯留槽20内に下水が流入する流入管21、水位検出部29及び水位検出部29の故障に備えるバックアップ用のフロートスイッチ211を含む。地上と貯留槽20との間には電線管38が設けられ、水中ケーブル234が電線管38を通り、ポンプ設備に必要な電力を供給する。
【0023】
ここで、固定式制御盤3と可搬式制御盤4とについて説明する。
固定式制御盤3は、正常に機能する場合にはポンプ23a、23bへの電力の供給を制御する構成である。引込開閉器5は、固定式制御盤3が商用電力の供給を受けるための商用電源の不図示の受電口を備えている。供給された商用電力は、マンホールポンプ場2のポンプ23a、23bの動力に使用される他、マンホールポンプ場2において水位を検出する水位検出部29等にも供給される。
【0024】
ここで、固定式制御盤3によって行われるポンプ23a、23bへの給電について説明する。電力会社から受電した電力は、引込開閉器5を介して固定式制御盤3に供給される(i)。固定式制御盤3からポンプ23a、23bに供給される電力は、電線31aを介して引込開閉器5に達し(ii)、引込開閉器5内の不図示のコネクタ等を介して電線管38を通る水中ケーブル234に電線31bを介して流れ込む(iii)。なお、電線31bは、直接、または間接的に水中ケーブル234に接続される電線、または水中ケーブル234の一部であってもよい。
【0025】
可搬式制御盤4は、固定式制御盤3が正常に機能しなくなった場合に使用される予備の電力制装置である。可搬式制御盤4は、後述する可搬式の蓄電池から電力の供給を受けて、この電力を制御すると共に、制御された電力をポンプ23a、23bに供給する。このため、可搬式制御盤4は、電力線39と、電力線39を固定するための固定部52とを有している。固定部52は、電力線39の不図示のコネクタを保護するケース体であって、内部に電力線39のコネクタと、電線31bのコネクタとを収容している。電線31bのコネクタは、通常時には引込開閉器5内で電線31aに接続されている。可搬式制御盤4を使用する場合、電線31bのコネクタは、電線31aのコネクタと切り離される。そして、固定部52の内部で電力線39の不図示のコネクタと接続される。このようにすれば、可搬式制御盤4が出力した電力は、通常時と同様に、電線31bを介して水中ケーブル234を通り、ポンプ23a、23bに供給される(iii)。電力線39の全体、あるいは少なくともコネクタ部分は防水機能を有し、内部への浸水を防ぐことができる。
【0026】
上述したように、マンホールポンプシステム100は、可搬式制御盤4とポンプ23a、23bとの間で電力線39を固定する電力線固定部を備えている。第1の実施形態は、電力線固定部としてケース体の固定部52を使用する。ここで、固定部52は、商用電力の受電口を収容する筐体を含む。筐体の内部に電力線39を固定することは、電力線を保護し、浸水等を防ぐことを可能に知る。
【0027】
第1の実施形態は、上記のように電力線39を電柱51に取り付けられた固定部52を使って固定するものに限定されるものではない。電力線39の不図示のコネクタの固定は、可搬式制御盤4の最も高い最上位の部分以上の高さにおいて行われるものであればよい。固定式制御盤3が正常に機能しなくなる原因は、停電の他、浸水等、水に関する事故が考えられる。このため、第1の実施形態は、電力線39に防水機能を付与すると共に、固定式制御盤3よりも高い位置に設けることが好ましい。電力線39は、第1の実施形態のように専用の固定部52を設けて固定してもよいし、可搬式制御盤4自身に固定してもよい。可搬式制御盤4に対する電力線39は、可搬式制御盤4の上面に取り付けてもよく、可搬式制御盤4に電力線39固定用の台や軸を設けて行ってもよい。
【0028】
さらに、第1の実施形態は、可搬式制御盤4と別体の電力線39を予めマンホールポンプシステム100の固定部52に備えておき、搬送されてきた可搬式制御盤4を固定部52内で電力線39に接続して使用するようにしてもよい。このようにした場合、電力線39を高所に設けておくことによって日常的に電力線39が浸水することを防ぐことができる。電力線39が浸水すると、電力線39、電線管38、水中ケーブル234を通ってポンプ23a、23bが浸水する虞がある。このような浸水が起こった場合、可搬式制御盤4を止めて電力線39から水中ケーブル234までを検査する必要が生じる。したがって、電力線39の浸水を防ぐことは、可搬式制御盤4によるポンプ23a、23bの復旧にかかる時間を短縮することができる。
【0029】
また、第1の実施形態のマンホールポンプシステム100は、可搬式蓄電池61、可搬式蓄電池としての電動車両65を含んでいる。可搬式蓄電池61、電動車両65は、いずれも搬送可能であって、かつ、蓄電機能を有している。可搬式蓄電池61は車輪611を備え、作業者が力を加えることによって力が加えられた方向に移動する。電動車両65は、蓄電池として機能するバッテリと、バッテリを搬送可能な車輪(タイヤ)を有することが明らかである。可搬式制御盤4は、可搬式蓄電池61や電動車両65から電力の供給を受けて、ポンプ23a、23bに電力を供給する。電動車両65は、走行に使用される電力の少なくとも一部を電動モータにより発生させる車両であればよく、動力の一部をガソリンエンジンにより発生するものであってもよい。なお、図2には、可搬式蓄電池61と電動車両65の両方を図示しているが、第1の実施形態は、可搬式蓄電池61と電動車両65の両方を含むことに限定されず、いずれか一方を含んでいればよい。
【0030】
可搬式制御盤4は、固定式制御盤3が機能しなくなった場合に保管場所から固定式制御盤3の近くに搬送されてくる。搬送のため、可搬式制御盤4は、固着、または着脱可能な車輪を備えている。
【0031】
図4に示すように、可搬式制御盤4は、制御に使用される不図示の回路やスイッチ等を収容する筐体453を有し、筐体453は正面となる扉454を備えている。筐体453の上面452は、可搬式制御盤4において最も高い位置(最上位)である。扉454の開閉はドアストッパー455によって規制される。筐体453の上面と対向する下面457には車輪46が4つ取り付けられている。なお、車輪46の数は、4つに限定されるものでなく、可搬式制御盤4を安定して移動させることができる数であれば、任意の数でよく、その大きさや配置も任意である。
【0032】
車輪46は、下面457に固着されたものであってもよい。固着は、例えば、ねじ止めや溶接によって取り付けられるものを指す。また、車輪46は、着脱可能に構成されてもよい。着脱可能な車輪46は、例えば、下面457に向く不図示の板部材を有し、板部材の下面457に向く面に粘着層、または磁石を備えるものが考えられる。着脱可能な車輪46は、粘着層を下面457に圧接して取り付けられてもよく、また、磁石によって金属製の筐体453に取り付けられてもよい。さらに、着脱可能な車輪46は、例えば、可搬式制御盤4の寸法形状に合わせて設計された専用の台車に乗せられたものであってもよい。なお、「可搬式制御盤の寸法形状に合わせて設計された」は、1つの可搬式制御盤4に合せて設計されたものに限定されず、複数の可搬式制御盤4を乗せるように設計されたものであってもよい。
【0033】
図5は、第1の実施形態のマンホールポンプシステム100を説明するための模式的な機能ブロック図である。図5に示す制御部40の構成は、その少なくとも一部が図2に示す可搬式制御盤4の内部に格納されている。図5は、可搬式蓄電池61と、制御部40とを示している。可搬式蓄電池61は、搬送可能な機構、または重量の蓄電池であり、第1の実施形態では車輪611を有するものとした。可搬式蓄電池61は、作業者が可搬式蓄電池61に力を加えることにより容易に移動させることができる。可搬式蓄電池61は、蓄電された電力を単相200Vの交流(Alternating Current)により出力する。可搬式蓄電池61の出力電圧は、例えば、48Vである。
【0034】
制御部40は、電力変換部41と、切替スイッチ(SW)48と、水位計制御部49と、を備えている。電力変換部41は、インバータ(INV)411と、ソフトスタート機能付インバータ(INV(ST))412と、を有している。インバータ411は、電力の高出力化のため、可搬式蓄電池61から供給された交流の電力の特性をいったん直流に変換する。ソフトスタート機能付インバータ412は、直流の電力を再度交流に変換する。また、ソフトスタート機能付インバータ412は、ポンプ23a、23bの始動電流を抑える機能を有している。電力の変換は、ポンプ23a、23bが通常時に商用電力の交流電力によって稼働するため、商用電力の特性(電流、電圧、周波数、位相等)に合せて行われる。
【0035】
水位計制御部49は、貯留槽20の内部の水位系69による水位を検知する信号を入力する。水位計制御部49は、所定の水位以上の水位を検知して切替スイッチ43に信号を出力する。切替スイッチ43は、ポンプ23a、23bのうちの少なくとも一方に電力を供給し、ポンプ23a、23bを起動する。切替スイッチ43の切り替えは、手動、遠隔操作、自動のいずれで行ってもよい。水位計69は、例えば、可搬式制御盤4の使用時に貯留槽20の内部に入れられる投げ込み式の水位計であってもよい。
【0036】
なお、制御部40は、図5に示す構成に限定されるものではない。例えば、制御部40の機能は、以上説明した構成と異なる他の装置や部品により果たされるものであってもよい。また、制御部40を構成する各装置等は、それぞれ独立に、あるいは一体的に組み合わされて機能するものであってもよい。さらに、各装置等の配置は任意であり、どのような順序で以上説明した機能を果たすものであってもよい。また、第1の実施形態の制御部40は、二つのポンプ23a、23bを制御することに限定されず、さらに多数のポンプを制御するものであってもよい。
【0037】
以上説明した第1の実施形態は、可搬式の蓄電池から供給された電力を、通常時にポンプ23a、23bに供給される商用電力の特性に変換する可搬式制御盤4を備える。このため、浸水等によって固定式制御盤3が機能しなくなった場合にもポンプ23a、23bを稼働させて下水を汲み出すことができる。また、本実施形態は、可搬式制御盤4の電線39を防水性とすると共に、可搬式制御盤4の最も高い位置以上に高い位置に固定するため、可搬式制御盤4が固定式制御盤3と同様に浸水により機能しなくなる可能性を低減することができる。
【0038】
さらに、第1の実施形態は、可搬式制御盤4に水位計69を制御する水位計制御部49を備えている。このため、可搬式制御盤4を使っても貯留槽20内の水位を検出し、ポンプ23a、23bの起動、停止を制御することができる。このような第1の実施形態は、通常時にポンプ23a、23bを制御する固定式制御盤3が正常に機能しなくなった場合であっても、ポンプ23a、23bを正常に動作させることが可能であり、信頼性の高いマンホールポンプシステム及び可搬式制御盤を提供することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態のマンホールポンプシステム200を説明するための図である。第2の実施形態は、可搬式制御盤4が、可搬式蓄電池61と電動車両65の両方に対応可能な制御部90を備えている点で第1の実施形態と相違する。図6において、第1の実施形態で示した構成と同一の構成は同一の符号を付して説明し、その説明の一部を省く場合がある。
【0040】
マンホールポンプシステム200は、制御部90と、可搬式蓄電池61と共に、電動車両65を含んでいる。可搬式蓄電池61及び電動車両65から供給される単相、200Vの交流の電力は、第1の実施形態と同様に、電力変換部41によって直流に変換された後、再度交流の三相200Vに変換される。制御部90は、水位計制御部49を含み、水位計制御部49は、水位計69の検知信号に基づいて指令回路44に水位を示す信号を出力する。指令回路44は、水位計69によって検知された貯留槽20の水位に基づき、ポンプ23a、23bのいずれか、または両方に電力を供給するように切り替えスイッチ43を制御する。ポンプ23a、23bの制御は、水位計69の検知する水位が所定の水位以上になったことにより起動し、所定の水位以下になったことによって停止するように行われる。
【0041】
以上説明した第2の実施形態は、可搬式蓄電池61、電動車両65のいずれも対応することが可能であって、可搬式蓄電池61にのみ対応可能な構成よりも汎用的に使用することができる。また、本実施形態の可搬式制御盤は、可搬式蓄電池61のみ、可搬式蓄電池61、電動車両65の両方に対応することに限定されず、電動車両65にのみ対応する構成であってもよい。
【0042】
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態のマンホールポンプシステム300を説明するための図である。第3の実施形態は、可搬式制御盤4が、可搬式蓄電池61、電動車両65と共に商用電源から供給される商用電力に対応可能な制御部91を備えている点で第2の実施形態と相違する。図7において、第1の実施形態、第2の実施形態で示した構成と同一の構成は同一の符号を付して説明し、その説明の一部を省く場合がある。電動車両65、可搬式蓄電池61から供給された単相の交流電力は、電力変換部41によって交流、三相200Vの電力となる。指令回路44は、水位計69によって検知された貯留槽20内の水位に応じ、ポンプ23a、23bの少なくとも一方を起動、または停止する。
【0043】
なお、電力変換部41による変換後の交流電力の特性が商用電力の特性と同様の場合、切替スイッチ43はポンプ23a、23bの起動、停止を制御すればよい。ただし、電力変換部41による変換後の交流電力の特性が商用電力の特性と異なる場合、切替スイッチ43は、供給される電力が電力変換部41による変換後の交流電力であるか、商用電力であるかによって電力の供給路を切り替える制御をも行う構成であってもよい。第3の実施形態によれば、例えば、固定式制御盤3の復旧に先んじて商用電力の供給が可能になった場合、可搬式制御盤4を使ってポンプ23a、23bに商用電力を供給し、マンホールポンプシステムを復旧させることができる。このような構成は、固定式制御盤3の復旧を待たずに、電動車両65等の有限の蓄電池量を気にせずにポンプ23a、23bを稼働させることができる点で好ましい。
【0044】
さらに、本実施形態は、以上説明した第1の実施形態から第3の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態の可搬式制御盤は、貯留槽と、この貯留槽の外部との間で液体の吸い込み及び吐出を行うポンプを制御するものであればよく、第1の実施形態から第3の実施形態のように、貯留槽から水を汲み出す構成に限定されるものではない。外部の水を吸い込んで貯留槽の内部吐出するポンプとしては、例えば、高層階の屋上等に設けられる貯留槽に水を汲み上げるポンプが考えられる。このようなポンプの多くは下層階に設置され、その固定式の制御盤もポンプ近くに設置されるため、水害の発生時には浸水して機能しなくなる虞がある。本実施形態の可搬式制御盤は、このような場合にポンプの近くに搬送され、固定式の制御盤とポンプとをつなぐ電線に電力線をつなぎ替えることによってポンプを制御することが可能になる。
【0045】
以下、本発明の実施形態1から実施形態3の効果についてまとめて記す。第1の実施形態から第3の実施形態は、通常時に使用される固定式制御盤3が浸水等によって使用できなくなった場合にも、可搬式制御盤4を予備の制御盤として使用してポンプ23a、23bを正常に機能させることが可能になる。すなわち、第1の実施形態から第3の実施形態のマンホールポンプシステムは、固定式制御盤3の故障時に、ポンプから固定式制御盤3を切り離し、可搬式制御盤4を接続してポンプ23a、23bを制御できるようにした。このとき、固定式制御盤3には水位に応じてポンプを稼働するための水位検出部29を備えているため、可搬式制御盤4によって電力の供給を受ける水位計69をマンホールポンプシステムに備えた。
【0046】
さらに、第1の実施形態から第3の実施形態は、ポンプ23a、23bの内部への浸水を防ぐため、電線39の少なくともコネクタ部分に防水機能を付与し、これを高所に固定するようにした。このような構成によれば、特許文献1に記載されたような大型かつ大重量の予備のエンジンポンプを移動し仮設するよりも、既存のポンプ23a、23bを使って簡単にマンホールポンプシステムを再稼働することができる。
【0047】
より詳細には、特許文献1に記載のように、予備ポンプを設けてマンホールポンプシステムを再稼働する技術においては、商用電源からの給電が停止する停電が発生し、予備ポンプにも商用電源が供給されない場合がある。特許文献1には、予備ポンプにソーラーバッテリを設けることが記載されているが、ソーラー発電は地域や状況により充分な発電量を確保できる保証がない。このため、停電時、確実に予備ポンプに電力を供給するためには、予備ポンプと共にガソリン式発電機を搬送することが考えられる。
【0048】
ガソリン式発電機は、大型かつ大重量であり、移動時には電動クレーンによってトラックに積み込まれる。例えば、発電容量が最も小さい10KVAのガソリン式発電機の重量は500kg、発電容量が30KVAのガソリン式発電機の重量は1t以上のものもある。このようなガソリン式発電機の確保、保管は、負担が大きく、自治体等が多数のガソリン式発電機を保有することは困難であった。また、災害時には、主となるポンプの停止が複数のマンホールポンプ場において広範囲に発生することが考えられる。このとき、公知の技術では、ガソリン式発電機をマンホールポンプ場に搬送し、エンジンポンプを順次起動させることになる。このような作業は、大型で大重量のガソリン式発電機を繰り返し積み込み、積み下ろす作業を伴い、複数のマンホールポンプ場のポンプの復旧に多くの時間と労力を費やすものであった。
【0049】
さらに、ガソリンエンジンにより駆動するエンジンポンプは、大きな駆動音を発生し、この駆動音が騒音となって近隣の住民に不快感を与えることがある。
【0050】
このような特許文献1に対し、可搬式の制御盤4を使用する第1の実施形態1から第3の実施形態は、固定式制御盤3が故障または停電により機能しなくなった場合にも既存のポンプ23a、23bを利用してマンホールポンプシステムを再稼働させることができる。また、第1の実施形態から第3の実施形態は、既存のポンプ23a、23bを使用するため、ガソリン式発電機を搬送してくることが不要である。さらに、第1の実施形態1から第3の実施形態は、ポンプへの給電に使用される蓄電池をも可搬式にし、蓄電池の搬送をいっそう容易にすることができる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・建物、2・・・マンホールポンプ場、3・・・固定式制御盤、4・・・可搬式制御盤、5・・・引込開閉器、6・・・下水処理場、11・・・流入管、12a、12b・・・汚水管、13・・・マンホール、14・・・側溝、20・・・貯留槽、21・・・流入管、22・・・槽内配管、23、23a、23b・・・ポンプ、25・・・壁部、26・・・底板、28・・・マンホール蓋、29・・・水位検出部、31a、31b、37・・・電線、38・・・電線管、39・・・電力線、40、90・・・制御部、41・・・電力変換部、43・・・切替スイッチ、44・・・指令回路、46・・・車輪、49・・・水位計制御部、51・・・電柱、52・・・固定部、61・・・可搬式蓄電池、65・・・電動車両、69・・・水位計、100,200,300・・・マンホールポンプシステム、211・・・フロートスイッチ、231・・・ポンプ台版、232・・・チェーン、233・・・着脱ベント、234・・・水中ケーブル、411・・・インバータ、412・・・ソフトスタート機能付インバータ、452・・・上面、453・・・筐体、454・・・扉、455・・・ドアストッパー、457・・・下面、611・・・車輪
【要約】
【課題】ポンプを制御する制御盤が正常に機能しなくなった場合であっても予備の制御盤によって既存のポンプを正常に動作させることが可能であり、ポンプへの浸水を防ぐことが可能な信頼性の高いマンホールポンプシステムを提供する。
【解決手段】液体を貯留する貯留槽20と、貯留槽20の内部の液体の吸い込み及び吐出を行うポンプ23a、23bと、ポンプ23a、23bに対する電力の供給を制御する可搬式制御盤4と、可搬式制御盤4によって制御された電力の供給を受ける水位計69と、防水機能を有し、可搬式制御盤4によって制御された電力をポンプ23a、23bに供給する電力線39と、を含み、可搬式制御盤4が、水位計69の検出信号に基づいて、ポンプ23a、23bへの電力の供給を制御するように、マンホールポンプシステムを構成する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7