(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】バンク割り当てを備えたマルチポート不揮発性メモリデバイスおよび関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 12/04 20060101AFI20221130BHJP
G11C 7/10 20060101ALI20221130BHJP
G06F 12/06 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
G06F12/04 510F
G11C7/10 480
G06F12/06 525B
G06F12/06 570G
G06F12/06 540E
(21)【出願番号】P 2022507415
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(86)【国際出願番号】 US2020042808
(87)【国際公開番号】W WO2021025853
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-03-04
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Cypress Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨーラム ベッツァー
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード ズィットロー
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ロスナー
(72)【発明者】
【氏名】コービ ダノン
(72)【発明者】
【氏名】アミール ロッチマン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-171561(JP,A)
【文献】特開平05-274864(JP,A)
【文献】特表2010-512588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0317277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0017035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/10
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリデバイスであって、前記不揮発性メモリデバイスは、
シリアルポートと、
少なくとも1つのパラレルポートと、
複数のバンクと、
バンクアクセスレジスタと、
を有しており、
前記シリアルポートは、
少なくとも1つのシリアルクロック入力部と、
前記少なくとも1つのシリアルクロック入力部に同期してコマンド、アドレスおよび書き込みデータを受信するように構成された少なくとも1つのシリアルデータ入出力(I/O)部と、
を含んでおり、
前記パラレルポートは、
パラレルビットのグループでコマンドおよびアドレスデータを受信するように構成された複数のコマンドアドレス入力部と、
データクロック信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに並列に、読み出しデータを出力するように構成された複数の単方向データ出力部と、
を含んでおり、
各バンクは、複数の不揮発性メモリセルを含んでおりかつ前記少なくとも1つのシリアルポートまたは前記少なくとも1つのパラレルポートによってアクセスされるように構成可能であり、バンクが、前記少なくとも1つのシリアルポートによってアクセスされるように構成される場合、前記バンクは、前記少なくとも1つのパラレルポートによってアクセスすることができず、
前記バンクアクセスレジスタは、各バンクについてのアクセス値を記憶するように構成されており、各バンクは、前記バンクアクセスレジスタに記憶されている前記バンクについての前記アクセス値に基づき、前記シリアルポートまたは前記パラレルポートによってアクセス可能である、
不揮発性メモリデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシリアルデータI/O部は、複数の双方向性シリアルデータI/O部を有する、
請求項1記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項3】
前記シリアルポートは、シリアルペリフェラルインターコネクト(SPI:Serial Peripheral Interconnect)標準と互換性を有する、
請求項1記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパラレルポートは、一部のLPDDR4標準動作と互換性を有するが、LPDDR4書き込み動作とは互換性を有しない、
請求項1記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項5】
前記不揮発性メモリデバイスは、2つ以下のコマンドに応じてアドレスバンクへの読み出しアクセスを可能にするために、複数の前記コマンドアドレス入力部からコマンドおよびアドレスデータを受信するように構成されたコマンドデコーダをさらに含む、
請求項1記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのパラレルポートにおいて受信される各コマンドは、入力クロックの立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第1の集合と、前記入力クロックの直接後続する立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第2の集合と、を含む、
請求項5記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項7】
不揮発性メモリ(NVM)デバイスを動作させる方法であって、前記方法は、
パラレルポートにおいて受信されるアドレス指定されたNVMバンクへの読み出しアクセスに応じて、前記アドレス指定されたNVMバンクについてのアクセス値にしたがい、前記パラレルポートを介する前記読み出しアクセスを可能にするステップかまたは可能にしないステップと、
シリアルポートにおいて受信されるアドレス指定されたNVMバンクへの読み出しまたは書き込みアクセスに応じて、前記アドレス指定されたNVMバンクについての前記アクセス値にしたがい、前記シリアルポートを介する前記読み出しまたは書き込みアクセスを可能にするステップかまたは可能にしないステップと、
を有し、
NVMバンクアクセス値により、前記シリアルポートを介するアクセスが可能にされる場合、前記NVMバンクアクセス値により、前記パラレルポートを介するアクセスが可能にされず、
前記シリアルポートは、少なくとも1つのシリアルクロック入力部と、前記少なくとも1つのシリアルクロック入力部に同期してコマンド、アドレスおよび書き込みデータを受信するように構成された少なくとも1つのシリアルデータ入出力部と、を含んでおり、
前記パラレルポートは、コマンドおよびアドレスデータを並列に受信するように構成された複数のコマンドアドレス入力部と、データクロック信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジと並列に読み出しデータを出力するように構成された複数の単方向データ出力部と、を含む、
方法。
【請求項8】
前記パラレルポートにおいて受信される前記読み出しアクセスは、2つ以下のコマンドから形成される読み出しアクセスを含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
異なる2つのNMVバンクを対象とした、前記パラレルポートにおける順次の連続する2つの第2の読み出しアクセスを受信するのに応じて、連続するデータクロック遷移において、前記異なるNVMバンクについての前記データを中断なしに出力することを可能にする、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
各コマンドは、入力クロックの立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第1の集合と、前記入力クロックの直接後続する立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第2の集合と、を含む、
請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、アドレス指定されたNVMバンクへの前記パラレルポートを介する読み出しアクセスを可能にするのに応じて、前記シリアルポートによる前記NVMへのアクセスを不能にする値に、前記NVMバンクについての前記NVMアクセス値を設定するステップをさらに含む、
請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記NVMバンクについての前記NVMアクセス値を設定するステップは、前記NVMデバイスの設定レジスタに値を書き込むステップを含む、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記パラレルポートにおいて受信される、アドレス指定された第1のNVMバンクへの読み出しアクセスと、前記シリアルポートにおいて受信される、アドレス指定された第2のNVMバンクへ読み出しまたは書き込みアクセスと、に応じて、アドレス指定された前記第1のNVMバンクおよび前記第2のNVMバンクの両方に対するアクセスを同時に可能にする、
請求項7記載の方法。
【請求項14】
システムであって、前記システムは、
処理装置と、
不揮発性メモリ(NVM)デバイスと、
第1のバスと、
パラレルバスと、
を有しており、
前記処理装置は、
少なくとも1つのプロセッシングコアと、
第1のインタフェースと、
第2のインタフェースと、
を有しており、
前記不揮発性メモリ(NVM)デバイスは、
コマンド、アドレスおよび書き込みデータを受信するように構成された読み出し/書き込みポートと、
コマンドおよびアドレスデータを並列に受信するように構成された複数のコマンドアドレス入力部と、データクロック信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに並列に読み出しデータを出力するように構成された複数の単方向データ出力部と、を含む読み出し専用パラレルポートと、
各バンクがNVMセルを有する複数のバンクと、
各バンクについてのアクセス値を記憶するように構成されたバンクアクセスレジスタと、
を含んでおり、
各バンクは、前記バンクアクセスレジスタに記憶されている前記バンクについての前記アクセス値に基づき、前記読み出し/書き込みポートまたは前記読み出し専用ポートによってアクセス可能であり、
前記第1のバスは、前記第1のインタフェースと前記読み出し/書き込みポートとの間に接続され、
前記パラレルバスは、前記第2のインタフェースと前記読み出し専用パラレルポートとの間に接続されている、
システム。
【請求項15】
前記処理装置は、自動車の異なる部分を制御するように構成された複数のコアを有する、
請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記NVMデバイスは、2つ以下の読み出しコマンドのシーケンスに応じて、前記読み出し専用パラレルポートを介する第1のアクセスを可能にするように構成されている、
請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記読み出し専用パラレルポートは、LPDDR4標準と互換性を有し、
前記読み出しコマンドは、前記LPDDR4標準の一部ではない、
請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記読み出し専用パラレルポートにおいて受信される各コマンドは、入力クロックの立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第1の集合と、前記入力クロックに直接後続する立ち上がりエッジにおいて入力されるパラレルビットの第2の集合と、を含む、
請求項14記載のシステム。
【請求項19】
前記
読み出し/書き込みポートは、シリアルペリフェラルインターコネクト(SPI)標準と互換性を有する、
請求項14記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年12月18日に出願された、シリアル番号16/719,493を有する米国非仮特許出願の国際出願であり、2019年8月5日に出願されたシリアル番号62/882,932を有する米国仮特許出願の利益を主張するものであり、そのすべては、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は一般に、不揮発性メモリデバイスに関し、より詳細には、複数の異種のポートによってアクセス可能な複数のバンクを有する不揮発性メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
不揮発性メモリ(NVM:nonvolatile memory)デバイスは有利には、電力が供給されないときにデータを記憶することができる。このため、NVMデバイスは、ポータブルデバイスおよび産業用装置において幅広い用途を得ている。このような用途の1つは、自動車または他の輸送装置におけるメモリであってよい。
【0004】
従来のNVMデバイスの欠点と考えられ得るのは、アクセス速度、特に読み出しデータレートである。従来のNVMデバイスは典型的には、シリアルデータインタフェースで作製されているが、このシリアルデータインタフェースにより、NVMデバイスからデータを読み出すことができる全体的な速度が制限されてしまうことがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】一実施形態による不揮発性メモリ(NVM)デバイスおよびデータアクセス動作を示す図である。
【
図1B】一実施形態による不揮発性メモリ(NVM)デバイスおよびデータアクセス動作を示すタイミング図である。
【
図1C】一実施形態による不揮発性メモリ(NVM)デバイスおよびデータアクセス動作を示す別のタイミング図である。
【
図2】一実施形態による、複数のダイを有するNVMデバイスを示す図である。
【
図3A】シリアルポートおよびパラレルポートを介して同時にアクセス可能な複数のバンクを有する、複数の実施形態によるNVMデバイスを示すブロック図である。
【
図3B】シリアルポートおよびパラレルポートを介して同時にアクセス可能な複数のバンクを有する、複数の実施形態によるNVMデバイスを示す別のブロック図である。
【
図3C】シリアルポートおよびパラレルポートを介して同時にアクセス可能な複数のバンクを有する、複数の実施形態によるNVMデバイスを示すさらに別のブロック図である。
【
図3D】さまざまなポート構成とバンクアクセス制御動作とを有するNVMデバイスを示すブロック図である。
【
図3E】さまざまなポート構成とバンクアクセス制御動作とを有するNVMデバイスを示す別のブロック図である。
【
図3F】さまざまなポート構成とバンクアクセス制御動作とを有するNVMデバイスを示すさらに別のブロック図である。
【
図4】LPDDR4互換ポートと、SPI(Serial Peripheral Interface)互換ポートと、別々にアクセス可能なバンクと、を有する、一実施形態によるNVMデバイスのブロック図である。
【
図5】従来のLPDDR4コマンドを示す表である。
【
図6A】一実施形態にしたがい、LPDDR4インタフェースを介し、NVMデバイスによって受信および処理可能なカスタム読み出しコマンドを示す表である。
【
図6B】一実施形態にしたがい、NVMデバイスによって受信および処理可能な従来のLPDDR4コマンドを示す表である。
【
図7】一実施形態によるバンクアクセスレジスタを示す表である。
【
図8】従来のLPDDR4読み出し動作を示すタイミング図である。
【
図9A】一実施形態によるNVMデバイスの、LPDDR4ポートを介する高速読み出し動作を示すタイミング図である。
【
図9B】、一実施形態にしたがい、中断のないデータバーストのための、NVMデバイスの異なるバンクに対する連続読み出し動作を示すタイミング図である。
【
図10A】複数の実施形態にしたがい、NVMデバイス用のSPIポートを介する動作のタイミング図である。
【
図10B】複数の実施形態にしたがい、NVMデバイス用のSPIポートを介する別の動作のタイミング図である。
【
図10C】複数の実施形態にしたがい、NVMデバイス用のSPIポートを介するさらに別の動作のタイミング図である。
【
図11】一実施形態にしたがい、NVMデバイスのパラレルポートおよびシリアルポートを介するバンクアクセス動作を示す状態遷移図である。
【
図12】一実施形態にしたがい、NVMデバイスのLPDDR4ポートおよびSPIポートを介するバンクアクセス動作を示す流れ図である。
【
図13】複数の実施形態に含まれ得るNVMセルアレイの概略図である。
【
図14】複数の実施形態に含まれ得るNVMセルの概略図である。
【
図15】一実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図16】一実施形態による自動車制御システムのブロック図である。
【
図17】一実施形態に集積回路デバイスのブロック図である。
【
図18】一実施形態による自動車システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
複数の実施形態によれば、不揮発性メモリ(NVM)デバイスは、異種のポートまたはインタフェース(I/F:interface)によってアクセス可能な、不揮発性メモリセルの複数のバンクを含むことができる。第1のポートは、第2のポートと比較して、比較的高いデータレートでデータスループットを提供可能である。一部の実施形態では、第1のポートは読み出し専用ポートであってよいのに対し、第2のポートは読み出し・書き込み(例えば、プログラミング)ポートであってよい。一部の実施形態では、1つのバンクには1つのポートを介してアクセスすることができるのに対し、別の1つのバンクには異なる1つのポートからアクセスすることができる。
【0007】
複数の実施形態によれば、NVMデバイスの第1のポートは、標準インタフェースと互換性を有するコマンドを処理できるダブルデータレート(DDR)インタフェースであってよい。さらに、DDRインタフェースは、高速NVMバンクアクセスを提供することができるカスタムコマンドを処理することができる。一部の実施形態では、DDRインタフェースは、JEDECによって公表された低電力DDR(LPDDR:low power DDRインタフェース)標準との互換性を有することができるが、LPDDR標準の一部ではないカスタムコマンドを介するアクセスも提供する。
【0008】
以下のさまざまな実施形態では、同様のアイテムは、同じ参照符号によって参照されるが、先頭の数字は、図番号に対応する。
【0009】
図1Aは、一実施形態によるNVMデバイス100のブロック図である。NVMデバイス100は、NVMセル102と、第1のポート104と、第2のポート106と、を含んでいてよい。NVMメモリセル102は、不揮発的にデータを記憶する、任意の適切なタイプの不揮発性メモリセルであってよい。一部の実施形態では、NVMメモリセルは、NOR型アーキテクチャを有する「フラッシュ」型メモリセルであってよい。
【0010】
第1のポート104は、コマンドおよびアドレスデータに応じて、データを並列に出力できるパラレルポートであってよい。第1のポート104は、コマンドアドレス(CA)入力部、パラレルデータ(DQ)出力部およびデータクロック(DQS)出力部を含んでいてよい。CA入力部は、パラレルビット値のシーケンスとして、コマンドおよびアドレスデータを受信するための複数の入力部を含んでいてよい。DQS出力部は、データクロックを供給することができる。DQ出力部は、並列に出力データ(例えば、バイト、ワード、ダブルワードなど)が供給可能な複数の単方向データ出力部を含む。
【0011】
一部の実施形態では、第1のポート104は、既存のダブルデータレート(DDR)標準の一部の動作と互換性を有し得るが、書き込み動作が処理または実行可能である。一部の実施形態では、第1のポート104は、JEDECによって公表されたLPDDR4標準の一部の動作と互換性を有し得るが、すべての動作が互換性を有する必要はない。例えば、一部の実施形態では、書き込み動作はサポートされない。しかしながら、択一的な実施形態では、第1のポート104は、読み出し/書き込みポートであってよく、書き込み動作および/またはレジスタセット動作をサポートすることができる。さらに、第1のポート104は、LPDDR4標準の一部ではないカスタム読み出しコマンドと互換性を有していてよい。
【0012】
第2のポート106は、1つまたは複数のシリアルデータ入力および/または出力部(I/O)にコマンド、アドレスおよびデータをシリアルに送信することができるシリアルポートであってよい。シリアルポート106は、シリアルクロック(S_CK)入力部と、1つまたは複数のシリアルデータI/O部(S_DQ)と、を含んでいてよい。一部の実施形態では、第2のポート106は、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)標準と互換性を有していてよい。
【0013】
第1のポート104は、第2のポート106よりも高いデータスループットが提供可能である。したがって、第2のポートを介し、比較的高いデータレートでNVMセル102からデータを読み出すことができるのに対し、第2のポート106を介し、データの読み出しおよび書き込みの両方を行う(例えば、データをプログラミングする、消去する)ことができる。
【0014】
一部の実施形態では、NVMデバイス100は、単一の集積回路パッケージに形成されていてよい。より具体的な複数の実施形態では、NVMデバイスは、単一の集積回路基板によって形成される回路を有する単一の集積回路デバイスであってよい。
【0015】
図1Bは、
図1Aに示されているNVMデバイス100の第1のポート104におけるアクセス動作を示すタイミング図である。コマンドおよびアドレスデータ(CMD/ADD)は、パラレルビットのシーケンスとしてCA入力部において受信可能である。一部の実施形態では、第1のポート104は、書き込み動作を提供せず、DQは、単方向ポートである(すなわち、読み出しデータを出力するが、書き込みデータを受信しない)。読み出しコマンドおよびアドレスデータに続いて、DQS出力部は、データクロック信号を供給することができる。DQは、DQSデータクロック信号の連続する立ち上がりおよび立ち下がりの遷移において、並列にデータを供給することができる。
【0016】
図1Cは、
図1Aに示されているNVMデバイス100の第2のポート106におけるアクセス動作を示すタイミング図である。コマンドおよびアドレスデータ(CMD/ADD)は、シリアルデータI/O(S_DQ)部において受信可能である。引き続き、同じまたは異なるシリアルデータI/O部において、読み出しデータを出力することができるか、または書き込みデータをドライブすることができる。シリアルデータI/O部では、シリアルクロックS_CKに同期してビット値が供給される。
図1Cでは1つのシリアルI/O部を示されているが、択一的な実施形態では、2つ以上のシリアルI/O部が含まれていてよい。
【0017】
複数の実施形態では、DDRタイプのパラレルポートが示されているが、択一的な実施形態では、SDR(single data rate)タイプのパラレルポートが含まれていてよい。さらに、NVMデバイスの一方または両方のポートは、SDRAM、DDR1、DDR2、DDR3およびDDR4の他の実装形態を含む任意の適切なDRAMインタフェースと互換性を有していてよいが、これらに限定されない。
【0018】
図2は、別の一実施形態によるNVMデバイス200のブロック図である。NVMデバイス200は、
図1Aに示したようなアイテムを含むことができる。NVMデバイス200は、
図1Aに示されたNVMデバイスの一実装形態であってよい。
図2は、NVMデバイス200が複数のダイを含むように示されている点で
図1Aとは異なる(2つのダイは、208-0および208-1として示されている。しかしながら、他の実施形態は、より少ない個数またはより多くの個数のダイを含んでいてよい)。各ダイ208-0/1には、第1のポート204および第2のポート206によってアクセスすることができる。
【0019】
第1のポート204はパラレルポートであってよく、第2のポート206はシリアルポートであってよい。アクセスは、
図1A~
図1Cの場合のように、チップセレクト入力の操作によって特定のダイが選択されることによって行うことが可能である。特に、第1のポート204を介するアクセスについては、チップセレクト信号CS_Aにより、行われ得るアクセスのためにダイ208-0を選択することができ、またチップセレクト信号CS_Bにより、行われ得るアクセスのためにダイ208-1を選択することができる。さらに、入力クロックCKに同期してCA入力を入力することができる。第2のポート206を介するアクセスについては、チップセレクト信号S_CSAおよびS_CSBにより、行われ得るアクセスのために、ダイ208-0とダイ208-1との間で選択を行うことができる。
【0020】
図3Aは、別の一実施形態によるNVMデバイス300のブロック図である。NVMデバイス300は、
図1Aに示されたNVMデバイスの一実装形態であってよい。NVMデバイス300は、第1のポート304と、第2のポート306と、第1のインタフェース(I/F)310と、第2のI/F312と、別々にアドレス指定可能な複数のバンク314-0~314-3と、を含んでいてよい。第1のI/F310は、データクロックDQSの立ち上がりエッジおよび立ち下りエッジに同期して、データ出力DQ部において並列出力データを供給可能である並列DDR I/Fであり得る。一部の実施形態では、第1のI/F310は、書き込み要求を処理することができない。第1のI/F310は、LPDDR4標準と互換性を有していてよい(ただし、LPDDR4書き込み要求が処理できないことがある)。第1のI/F310はまた、LPDDR4標準の一部ではないカスタム読み出しコマンドも処理可能である。
【0021】
第2のI/F312は、シリアルクロックS_CKに同期して、1つまたは複数のシリアルデータI/O(S_DQ)部においてシリアルデータトランザクションを可能にすることができるシリアルI/Fであってよい。一部の実施形態では、第2のI/F312は、順次読み出しおよび順次書き込み(例えば、プログラミング、消去)コマンドの処理を含む、SPI標準と互換性を有していてよい。
【0022】
バンク(314-0~314-3)はそれぞれ、複数のNVMセルを含んでいてよい。各バンク(314-0~314-3)内では、NVMセルは、1つまたは複数のアレイに配置可能であり、行アドレスおよび列アドレスによってアクセス可能である。NVMセルは、任意の適切な形態をとることができ、一部の実施形態では、「フラッシュ」タイプのNVMセルであってよい。バンク(314-0~314-3)は、別々にアドレス指定可能である。すなわち、デバイス300の物理的なアドレス指定は、各バンク(314-0~314-3)について別々のバンクアドレスを有していてよい。すべてのバンク(314-0~314-3)は、第1のバスシステム316および第2のバスシステム318に接続可能である。第1のバスシステム316は、第1のI/F310にバンク(314-0~314-3)を接続することができる。第2のバスシステム318は、バンク(314-0~314-3)を第2のI/F312に接続することができる。
図3Aには、4つのバンクを備えたデバイスが示されているが、複数の実施形態は、より多くの個数またはより少ない個数のバンクを含んでいてよい。
【0023】
図3Bおよび
図3Cは、別々にアドレス指定可能なバンク(314-0~314-3)が、どのようにして、異なるポートによって同時にアクセスすることができるかを示すブロック図である。
図3Bは、第2のポートトランザクション322-0と同時に行われる第1のポートトランザクション320-0を示している。第1のポートトランザクション320-0は、第1のポート304においてデータを並列に出力するためのバンク314-3からのデータの読み出しであってよい。第2のポートトランザクション322-0は、第2のポート306を介する、バンク314-1からのデータの読み出しまたはバンク314-1へのデータの書き込みであってよい。
図3Cには、異なるバンクを対象としており、したがって同時に行われ得る第1のポートトランザクション320-1および第2のポートトランザクション322-1の別の例が示されている。
【0024】
一部の実施形態では、両方のポート304/306による同じバンク(314-0~314-3)への同時アクセスは許可されない。一部の実施形態では、1つのポート(304または306)に各バンク(314-0~314-3)を動的に指定することができる。バンク(314-0~314-3)が、一方のポートに指定される場合、他方のポートによってそのバンクにアクセスすることはできない。
【0025】
複数の実施形態では、特定のポートタイプ(すなわち、シリアルポートおよびパラレルポート)を有するNVMデバイスが示されているが、択一的な実施形態では、任意の他の適切なポートタイプが含まれていてよい。しかしながら多くの択一的な実施形態の選択肢の1つとして、
図3Dには、第1のポート304’を書き込みポートとすることも可能なNVMデバイス300が示されている。
図3Dでは、
図3Aと同様のアイテムは、同じ参照符号で示されている。第1のインタフェース311は、第1のポート304’からの書き込み動作を可能にするために書き込み(プログラミングを含む)回路を含むことができる。第1のポートトランザクション320-0’は、バンク314-3における読み出しまたは書き込みであってよい。第2のポートトランザクション322-0は、第2のポート306を介する、バンク314-1における読み出しまたは書き込みであってよい。
図3Dには、異なるバンクを対象としており、したがって同時に行われ得る第1のポートトランザクション320-0’および第2のポートトランザクション322-0の別の例が示されている。引き続いて
図3Dを参照すると、第2のポート306は、読み出し専用ポートであってもよいし、または読み出し・書き込みポートであってもよい。
図3Dには、第1のポート304が並列であるように示されているが、択一的な実施形態では、第1のポート304は、一例ではあるがシリアルポートを含む異なるタイプのポートであってよい。
【0026】
図3Eには、複数の実施形態によるバンクアクセス設定動作が示されている。
図3Eでは、
図3Dと同様のアイテムは、同じ参照符号で示されている。
図3Eにはまた、バンクアクセス回路328も示されている。バンクアクセス回路328は、どのポート(304’または306)が、特定のバンク(314-0~314-3)にアクセスするかを制御することができる。複数の実施形態によれば、バンク(314-0~314-3)へのアクセスは、第2のポート306を介して行われるバンクアクセス設定動作323によって設定可能である。付加的または択一的には、バンク(314-0~314-3)へのアクセスは、第1のポート304を介して行われるバンクアクセス設定動作321によって設定可能である。一部の実施形態では、第1のI/F310/311および/または第2のI/F310/311は、バンクアクセスを設定するために、既存の標準と互換性を有するレジスタ書き込みコマンドを処理することができる。付加的または択一的には、第1のI/F310/311および/または第2のI/F310/311は、どの標準の一部でもないカスタムバンク設定コマンドを処理することができる。
【0027】
図3Fには、さまざまな他の実施形態によるNVMデバイス300が示されている。
図3Fでは、
図3Aのアイテムと同様のアイテムは、同じ参照符号で示されている。図示された実施形態では、第1のポート304’および第2のポート304’’の両方ともパラレルポートであってよい。第1のポート304’は、読み出しポートまたは読み出し・書き込みポートであってよい。第2のポート304’’は、読み出しポートまたは読み出し・読み書きポートであってよい。
【0028】
図4は、別の一実施形態によるNVMデバイス400のブロック図である。NVMデバイス400は、
図1Aに示されたNVMデバイスの一実装形態であってよい。NVMデバイス400は、LPDDR4互換ポート404と、クワッドSPI(QSPI)互換ポート406と、LPDDR4互換物理層インタフェース(PHY)(LPDDR4 PHYと称される)410と、QSPI互換PHY(QSPI PHYと称される)412と、複数のバンク414-0~414-7と、各バンク(414-0~414-7)についての第1のアクセスパス424-0~424-7、各バンク(414-0~414-7)についての第2のアクセスパス426-0~426-7と、バンクアクセスレジスタ428と、組み込み動作部430と、を含んでいてよい。
【0029】
LPDDR4互換ポート404は、チップセレクト部CSと、クロック入力部CK_tと、コマンドアドレスCA入力部と、対応するデータクロック出力部DQS0_tを備えた第1データ出力部DQ[7:0]と、対応するデータクロック出力部DQS1_tを備えた第2データ出力部DQ[15:8]と、を含んでいてよい。
【0030】
LPDDR4 PHY410は、LPDDR4互換コマンドを含め、ポート404を介して受信したコマンドを処理することができる。一部の実施形態において、LPDDR4 PHY410は、一部のLPDDR4互換コマンドを処理することができるが、LPDDR4書き込みコマンドを処理することはできない。LPDDR4 PHY410は、第1のバスシステム418を介して、バンク(414-0~414-7)に接続可能である。LPDDR4 PHY410を介する読み出しデータ転送速度は、QSPI PHY412の読み出しデータ転送速度よりも高速であってよい。一部の実施形態では、LPDDR4 PHY410は、LPDDR4ポート404への、またはLPDDR4ポート404からのアクセス要求をシグナリングするために、組み込み動作部430と通信可能である。
【0031】
QSPI互換ポート406は、シリアルチップセレクト部SPI_CSと、シリアルクロック入力部SPI_CKと、4つのシリアルデータI/O部SPI_DQと、を含んでいてよい。QSPI PHY412は、QSPI互換コマンドを含め、ポート406を介して受信されるコマンドを処理することができる。このようなコマンドには、読み出しコマンドと書き込み(例えば、プログラミング)コマンドとの両方が含まれていてよい。
【0032】
バンクアクセスレジスタ428は、バンクへのポートアクセスを制御することができる、各バンク(414-0~414-7)についてバンクアクセスデータを記憶することができる。一部の実施形態では、バンク(414-0~414-7)についてのバンクアクセスデータが、1つの値を有する場合、そのバンクにはQSPIポート406によってアクセスすることができるが、LPDDR4ポート404によってアクセスすることができない。バンクアクセスデータが、別の1つの値を有する場合、そのバンクにはLPDDR4ポート404によってアクセスすることができるが、QSPIポート406によってアクセスすることはできない。
【0033】
各バンク(414-0~414-7)は、行および列に配置されたNVMセルを含むことができ、一意のバンクアドレスを介して別々にアクセス可能である。一部の実施形態では、NVMセルは、グループ消去可能であってよい(例えば、フラッシュ型セル)。読み出しパス(424-0~424-7)は、それらの対応するバンク(414-0~414-7)へのLPDDR4ポート404からの読み出しアクセスを、第1のバスシステム418を介して可能にすることができる。R/Wパス(426-0~426-7)は、それらの対応するバンク(414-0~414-7)への、QSPIポート406から読み出しアクセスまたは書き込みアクセスを、第2のバスシステム420を介して可能にすることができる。一部の実施形態では、バンクアクセス値にしたがって読み出しパス(424-0~424-7)およびR/Wパス(426-0~426-7)を可能または不能にすることができる。
【0034】
図3A~
図3Cの場合のように、異なるバンク(414-0~414-7)には、異なるポート404/406から同時にアクセス可能である。しかしながら、同じバンク(414-0~414-7)に両方のポート404/406から同時にアクセスすることはできない。
【0035】
組み込み動作部430は、書き込みバッファ430-0と、コマンドプロセッサ430-1と、プロセッサ部430-2と、を含んでいてよい。書き込みバッファ430-0は、アドレスバンク(414-0~414-7)への次のプログラミングのために、QSPIポート406からの書き込みデータを受信して記憶することができる。コマンドプロセッサ430-1は、QSPIポート406において受信したコマンドデータをデコードし、コマンドを実行するために、適切な制御信号を生成することができる。プロセッサ部430-2は、NVMデバイス400のためのさまざまな機能を実行するために、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)を含むことができる。このような機能には、第1のポート404および第2のポート406において受信されるコマンドに応じた、バンクアクセス値の設定が含まれていてよい。さらに、プロセッサ部430-2は、NVMセルのメンテナンス(例えば、ウェアレベリング)、セクタアクセス制御(ブートセクタ)、暗号化/復号化のいずれかを形成することができるが、これらは少数の例である。
【0036】
図5は、メモリデバイスからデータを読み出すための従来のLPDDR4コマンドを示す表550である。表550は、コマンドのタイプを識別する「コマンド」と、チップセレクト値を識別するCSと、コマンド/アドレスバス値(CA0~CA5)と、クロック値CKとの列を含んでいる。図示されているように、各コマンドは、最初のクロック遷移(CK=1)と、同じタイプ(例えば、立上りエッジ)の直後の次のクロック遷移(CK=2)とに適用されるビット値の集合を含んでいる。従来のLPDDR4読み出し動作には、垂直方向に順番に示された4つのコマンド(すなわち、アクティブ化-1 - アクティブ化-2 - 読み出し-1 - CAS-2)が含まれている。すなわち、従来のLPDDR4読み出しアクセスは、4つのコマンドを含んでおり、各コマンドは、2クロックサイクルを占有する。
【0037】
複数の実施形態によれば、NVMデバイスは、既存の標準と互換性を有するDDRインタフェースを使用することができる。しかしながら、このインタフェースは、読み出しアクセスを可能にするためにより高速なコマンドのシーケンスを処理することができる。すなわち、DDR標準が読み出しアクセスのためにN個のコマンドを指示する場合、一実施形態によるNVMデバイスは、M<NなるM個のコマンドで読み出しアクセスを可能にすることができる。
【0038】
図6Aに、そのような実施形態の特定の一例が示されている。
図6Aは、2つのコマンド、すなわちNVR-1およびNVR-2だけを含む、NVMセル(例えば、バンク)にアクセスするコマンドシーケンスを示す表650である。表650は、
図5に示したものと同じ列を含む。このようなコマンドは、LPDDR4互換ポートにおいて受信可能であり、LPDDR4コマンドの一般的な形態をとってよい。しかしながら、NVR-1およびNVR-2は、LPDDR4標準の一部ではない。このような読み出しアクセスは、4つのコマンドを必要とする
図5に示した従来の読み出しアクセスとは対照的である。
【0039】
図示された特定の実施形態では、第1コマンドNVR-1が、より高位のアドレス値(例えば、バンクおよび行の値)を含んでいてよいのに対し、第2コマンドNVR-2は、より低位のアドレス値(例えば、行および列の値)を含んでいてよい。しかしながら、コマンドの特定のビット形式は、限定とみなされるべきではない。
【0040】
複数の実施形態によれば、NVMデバイスが、カスタムコマンド(すなわち、標準の一部ではないコマンド)を処理できるのに対し、このNVMデバイスはまた、既存の標準のものと同じまたは類似したコマンドも処理できる。
図6Bには、このようなコマンドの一例が示されている。
【0041】
図6Bは、NVMデバイスによって処理可能な付加的なコマンドを示す表652である。表652は、
図5に示したものと同じ列を含む。
図6Bのコマンドは、多目的コマンドならびにモードレジスタ書き込みおよび読み出しコマンドを含む。一部の実施形態では、パラレルポート(例えば、
図4の410)は、読み出し/書き込みポートであってよく、バンク(例えば、
図4の414-0~414-7)へのポートアクセスを設定するためにモードレジスタコマンドを使用することができる。付加的または択一的には、パラレルポートを介するバンクアクセスを確立するために、
図6Aのような1つまたは複数のカスタムコマンドを使用することができる。
【0042】
図7は、一実施形態によるバンクアクセス値レジスタを示すテーブル728である。バンクアクセスレジスタは、
図4に示したような、NVMデバイスにおけるバンクへのアクセスを制御することができる。表728は、バンクを識別する「フィールド」列と、アクセスのタイプを示す「タイプ」列と、デフォルト値を示す「デフォルト」列と、バンクアクセス値が何を意味するのかを示す「定義」列と、を含む。図示されているように、バンクアクセス値は、「0」のデフォルト値を有してよく、この値「0」により、シリアルインタフェース(例えばSPI)を介するアクセスは、可能にされるが、パラレルインタフェース(例えばLPDDR4)を介するアクセスは、不能にされない。このようなアクセスは、読み出しおよび書き込み(R/W)の両方を含んでいてよい。
【0043】
バンクアクセス値が「1」の場合、この値「1」により、パラレルインタフェースを介するアクセスは、可能にされるが、シリアルインタフェースを介するアクセスは、可能にされない。さらに、アクセスの「タイプ」を読み出し(R/WではなくR)に制限することができる。
【0044】
図8は、従来のLPDDR4読み出しアクセスを示すタイミング図である。
図8には、入力クロック(CK_t)と、チップセレクトCSと、コマンドアドレス値(CA)と、(CA値によって生成される)対応するコマンド(コマンド)と、データクロックDQ_tと、パラレルデータ値(例えば、バイト、ワード、ダブルワードなど)の集合であると理解されるデータ値DQとについての波形が含まれている。
【0045】
図示されているように、4つのコマンド(アクティブ化1 - アクティブ化2 - 読み出し-1 - CAS-2)は、時間t_CMDにわたり、LPDDR4インタフェースにおいて受信可能である。したがって、従来のLPDDR4コマンドシーケンスは、7つのCK_tサイクルを占有し得る。
【0046】
読み出し遅延およびクロックスキュー期間(RL+tskw)に続き、データクロック(DQS)に同期して、2倍のデータレートでデータ(DQ)が出力可能である。これらのデータは、16個から成るバーストシーケンスで出力可能である。
【0047】
複数の実施形態によれば、NVMセルのバンクへの読み出しアクセスは、2つのコマンドのみで、DDRインタフェースを介して行うことができる。
図9Aには、そのような実施形態の例が示されている。
【0048】
図9Aは、一実施形態にしたがい、LPDDR4ポートを介する読み出し動作を示すタイミング図である。
図9Aには、
図8に示されたものと同じタイプの波形が含まれている。しかしながら、カスタム読み出しコマンドは、標準LPDDR4シーケンスよりも高速なアクセスを行うことができる。図示されているように、LPDDR4インタフェースでは、CK_tの3つサイクルにわたって2つのコマンド(NVR-1~NVR-2)が受信可能である。読み出し遅延およびクロックスキュー期間(RL+tskw)に続き、データクロック(DQS)に同期して、2倍のデータレートでデータ(DQ)が出力可能である。図示された実施形態では、データは、8個以上(例えば、16個)のバーストシーケンスで出力可能である。
【0049】
一部の実施形態では、NVMセルへのアクセスについての読み出し遅延(RL)は、20ns未満または約17.5nsの極めて高い速度で実行可能である。tskw値は、4ns未満、または約2.5nsであってよい。したがって、800MHzのクロック(CK_t)速度については、第1のコマンド部分のラッチからデータの出力までが、19クロックサイクル(t_CMD=3サイクル、RL=14サイクル、tskw=2サイクル)まで短くなることが可能である。
【0050】
図9Aに示されているような高速コマンドシーケンスにより、高速アクセスが次々と実行可能である。一部の実施形態によれば、異なるバンクに対する連続的な読み出し動作は、途切れることのない出力データ値のシーケンスを可能にすることができる。このような実施形態は、
図9Bに示されている。
【0051】
図9Bは、一実施形態による連続的な読み出しアクセスを示すタイミング図である。2つのコマンドシーケンス(NVR-1~NVR-2)により、1つのバンク(バンク0)に第1の読み出しアクセスを行うことができる。別の2つのコマンドシーケンスにより、別のバンク(バンク1)に第2の読み出しアクセスを行うことができる。このような読み出しコマンドのシーケンスに応じて、データは、連続する2つのバースト932-0および932-1において出力可能である。このようなバーストは、中断されることなく行われてよく、従来のNVMデバイスと比較して、NVMデバイスからの極めて高速なデータの読み出しが可能になる。
【0052】
複数の実施形態によれば、NVMバンクへの高速のスループットアクセスは、パラレルインタフェースを介して行うことが可能であるが、NVMアクセスはシリアルインタフェースを介して行うことも可能である。さらに、このような2つのインタフェースから同時に、異なるバンクへのアクセスを行うことができる。
【0053】
図10A~
図10Cは、複数の実施形態に含まれていてよいシリアルポートアクセスを示すタイミング図である。
図10Aには、シリアルクロック(SPI_CK)と、チップセレクト(SPI_CS)と、第1シリアルI/O(SPI_DQ0)と、第2シリアルI/O(SPI_DQ1)とについての波形が含まれている。
図10Aには、シリアルデータ読み出し動作の一例が示されている。SPI_CSがアクティブ(この例ではlow)になるのに応じて、SPI_DQ0においてSPI_CKと同期し、ビット値のシーケンスとして、コマンド値(「コマンド」)が受信可能である。「コマンド」は読み出し動作を示すことができる。アドレスビット値(Amax~Amin)は、「コマンド」に続くことができ、NVMバンクと、NVMバンク内での位置とを示すことができる。出力データ(D7~D0)は、SPI_CKと同期してSP_DQ1において供給可能である。
【0054】
図10Aには、遅延のない読み出し動作の例が示されている。読み出しデータは、最後のアドレスビット値(Amin)に続く次のクロックサイクルにおいてSPI_DQ1に出力可能である。しかしながら、択一的な実施形態では、より長い読み出し遅延が含まれていてよい。さらに、
図10Aには8ビットの読み出しデータ出力が示されているが、択一的な実施形態は、格段に長い読み出しデータのシーケンスを有していてよい。
【0055】
図10Bには、シリアルデータ読み出し動作の別の例が示されている。
図10Bは、
図10Aと同様の動作を含むことができるが、データは、4倍のシリアルレートで出力可能である。
図10Aのようなコマンドおよびアドレスの値に応じ、読み出し遅延に続き、4つのシリアルI/O(SPI_DQ0~SPI_DQ3)においてシリアルデータが出力可能である。
【0056】
図10Cには、シリアルデータ書き込み動作の一例が示されている。コマンド、アドレスおよび書き込みデータの値は、シリアルI/O SPI_DQ0において順次に受信可能である。
【0057】
本明細書で述べたように、
図10A~
図10Cのアクセス(および同等のアクセス)のいずれも、異なるNVMバンクに対するものであれば、(
図9Aおよび
図9Bに示されている)LPDDR4アクセスと同時に行うことができる。
【0058】
複数の実施形態は、上記の実施形態において明示的にかつ固有に開示される方法を含んでいてよいが、以下では付加的な方法を説明する。
【0059】
図11は、異なる2つのインタフェースからの、NVMデバイスのバンクアクセスを制御する方法1140の状態遷移図である。1140-0において、方法1140は、NVMデバイスにおけるアクセス要求の受信を含むことができる。アクセスタイプは、パラレルアクセス(例えば、パラレルポートまたはインタフェースにおいて受信されるアクセス)(「アクセス」=「パラレル」)であってよく、またはアクセスタイプは、シリアルアクセス(例えば、シリアルポートまたはインタフェースで受信されるアクセス)(「アクセス」=「シリアル」)であってよい。アクセスは、NVMデバイスにおける複数の異なるバンクのうちの1つを対象としていてよい。一部の実施形態では、パラレルアクセスは、読み出し専用であってよいのに対し、シリアルアクセスは、読み出しまたは書き込み(例えば、プログラミング)であってよい。
【0060】
アクセス要求のタイプにかかわらず、1140-1において、NVMバンクの状態を特定可能である。図示された実施形態では、アクセスがパラレルアクセスでありかつバンクの状態が未使用である(「アクセス」=「パラレル」かつ「バンク状態」=「未使用」)場合、1140-2において、バンクについてのバンク状態をパラレルに設定可能である。パラレルポート/インタフェースを介するアクセスは、1140-3において行われてよい。パラレルポートを介するアクセスが完了すると、1140-4において、アクセスバンクの状態を未使用に設定可能である。
【0061】
アクセスがシリアルアクセスでありかつバンク状態が未使用である(「アクセス」=「シリアル」かつ「バンク状態」=「未使用」)である場合、1140-5において、バンクについてのバンク状態はシリアルに設定可能である。シリアルポート/インタフェースを介するアクセスは、1140-6において行うことができる。シリアルポートを介するアクセスが完了すると、1140-4において、アクセスバンクの状態を未使用に設定可能である。
【0062】
アクセスがシリアルアクセスでありかつバンク状態がパラレルである(「アクセス」=「シリアル」かつ「バンク状態」=「パラレル」)か、またはアクセスがパラレルアクセスでありかつバンク状態がシリアル(「アクセス」=「パラレル」かつ「バンク状態」=「シリアル」)である場合、1140-7において、バンクはアクセスされない。
【0063】
図12は、SPIポートおよびLPPDR4ポートを有するNVMデバイスのバンクへのアクセスを制御する方法1240の流れ図である。ここで想定されるのは、NVMデバイスが、各バンクへのアクセスを可能にするまたは阻止するために、バンクアクセス値を設定することである。
【0064】
方法1240には、1240-0において、NVMデバイスについての電源オンまたはリセット条件(POR:power-on or reset condition)を特定することが含まれていてよい。PORの場合、1240-1において、NVMデバイスは、すべてのバンクアクセス値をデフォルト値に設定することができる。図示された実施形態では、デフォルト値は、SPIアクセスであってよい。しかしながら択一的な実施形態では、デフォルト値は、他の何らかの値であってよい。さらに、デフォルトのバンクアクセス値は、すべてのバンクについて同じである必要はない。
【0065】
バンクへのアクセスは、1240-2において受信可能である。アクセスが、LPDDR4ポートを介するものである場合(1240-2からのLPDDR4)、1240-3において、アドレス指定されたバンクを特定することができる。このようなアクションには、複数のコマンドアドレス入力部において、アクセス要求と共に受信されたアドレスをデコードすることが含まれていてよい。一部の実施形態では、LPDDR4ポートを読み出し専用ポートとすることができ、書き込みアクセスを無視することができる。アドレス指定されたバンクの状態は、1240-4において特定可能である。特に、アドレス指定されたバンクが、SPIポートを介してアクセスされるか(またはそうでなければ利用可能でないか)を特定することができる。バンクが利用可能と示されている(1240-4からのN)場合、1240-5において、バンクに対するバンクアクセス値は、LPDDR4に設定可能であり、このことは、バンクが、LPDDR4ポートによってアクセスされている(またはアクセスされるように予定されている)ことを示す。一部の実施形態では、このようなアクションは、バンクアクセスレジスタにレジスタ値を設定することを含んでいてよい。
【0066】
次に、1240-6において、LPDDR4ポートを介して、アドレス指定されたバンクにアクセス可能である。このようなアクセスが継続している間(1240-7からのN)、バンクアクセス値は、LPDDR4に設定されたままである。しかしながら、アクセスが完了すると(1240-7からのY)、1240-8において、アドレス指定されたバンクについてのバンクアクセス値をSPIに戻すことができる。
【0067】
1240-9において、LPDDR4ポートアクセス要求があり、かつバンクが利用できないことをバンクアクセス値が示す(例えば、SPIアクセスが行われている、またはこれが行われる)(1240-4からのY)場合、バンクにはアクセスすることができない。一部の実施形態では、そのようなアクションには、要求に応じて無効データ(例えば、すべてのビットが0)を返すこと、割り込みの生成および/または状態レジスタへの書き込みが含まれていてよい。しかしながら、応答を生成しない(例えば、要求を無視する)ことを含む、任意の他の適切な応答が生成可能である。
【0068】
アクセスがSPIポート(1240-2からのSPI)を介して行われる場合、1240-10において、アドレスバンクが特定可能である。このようなアクションには、1つまたは複数のシリアルI/Oラインにおいてビットのシーケンスとして、アクセス要求と共に受信されたアドレスをデコードすることが含まれていてよい。SPIポートは、データをアドレスブロックから読み出すか、またはアドレスブロックに書き込む(例えば、プログラミングする)ことを可能にする読み出し・書き込みポートであってよい。次いで、1240-11において、アドレス指定されたバンクの状態が特定可能である。バンクがSPIアクセスを有するように示されている場合(1240-11からのY)、1240-12において、SPIポートを介して、アドレス指定されたバンクにアクセスすることができる。バンクアクセス値が、SPIアクセスでないことを示す場合(例えば、バンクアクセス値がLPDDR4に設定されている)(1240-11からのN)、1240-13において、バンクにはアクセスすることができない。このようなアクションには、1240-9について上述した、要求の無視を含むさまざまな応答の生成が含まれてよい。
【0069】
複数の実施形態は、任意の適切なタイプおよび/または配置の、NVMセルのバンクを含んでいてよい。
図13には、複数の実施形態に含まれていてよい、バンクにおけるNVMセルの配置構成が示されている。このような配置構成は、限定とみなされるべきではない。
図13には、NVMセル1342が複数の行(1つの行が1344として示されている)と、複数の列(1つの列が1346として示されている)に配置されているNVMアレイ1302が示されている。同じ行1344の複数のNVMセル1342は、同じワードラインWL(1つのWLが1348として示されている)に共通に接続可能である。同じ列1346の複数のNVMセル1342は、同じビットラインBL(1つのBLが1354として示されている)に共通に接続可能である。
【0070】
複数の実施形態は、より大きなグループに配置されたNVMアレイ1302を含んでいてよい。一例として、異なるアレイのWLは一緒にグローバルWLに接続可能であり、かつ/または異なるアレイのBLは一緒にグローバルBLに接続可能である。
【0071】
複数の実施形態は、任意の適切なタイプのNVMセルを含んでいてよい。
図14には、複数の実施形態に含まれていてよいNVMセルの例が示されている。このような例は、限定とみなされるべきではない。
図14には、ゲートがワードライン1448に接続され、ドレインがBL1454に接続され、かつソースがソースライン1456に接続された、1トランジスタ(1T)NVMセル1442が示されている。NVMセル1442は、対応するトランジスタの閾値電圧を制御するために電荷を蓄積することができる。一部の実施形態では、NVMセル1442は、制御ゲートとチャネルとの間に電荷蓄積層を含んでいてよい。このような電荷蓄積層は、誘電体、誘電体界面、または浮遊導体を含む任意の適切な形態をとることができるが、これらに限定されない。
【0072】
複数の実施形態は、さまざまなデバイスおよび方法を含むことができるが、複数の実施形態はまた、処理装置がNMVデバイスにアクセスするシステムも含んでいてよい。
図15は、一実施形態によるシステム1560のブロック図である。システム1560は、処理装置1562およびNVMデバイス1500を含んでいてよい。処理装置1562は、処理回路1564を含んでいてよく、パラレルポート1504およびシリアルポート1506を介してNVMデバイス1500にアクセス可能である。処理回路は、1つまたは複数のプロセッサコア、固定論理、プログラマブル論理およびこれらの組み合わせを含む、任意の適切な処理回路を含むことができるが、これらに限定されない。
【0073】
NVMデバイス1500は、複数のNVMバンク1514-0~1514-iと、パラレルポート1504に接続されるパラレルI/F1510と、シリアルポート1512に接続されるシリアルI/F1512と、を含んでいてよい。NVMデバイス1500は、本明細書で説明されるいずれかのNVMデバイスおよび等価物と同様の形態をとることができ、かつ/またこれらと同様に動作することができる。
【0074】
図16は、一実施形態による自動車制御システム1660のブロック図である。システム1660は、
図15に示したシステムの一例であってよい。システム1660は、プロセッシングコア1660-0~1660-3と、メモリコントローラ1670と、システムI/O1672と、を含んでいてよい。コア(1666-0~1666-3)は、プロセッサと、関連する回路(例えば、キャッシュメモリ、バスなど)と、を含んでいてよい。一部の実施形態では、一部のコア(1666-1~1666-3)は、自動車の1つまたは複数のシステムのための処理タスク(1668-1~1668-3)専用であってよいのに対し、1つまたは複数の他のコアは、システム1660のさまざまな動作を管理および/または監視する監視機能1668-0を実行することができる。
【0075】
メモリコントローラ1670は、SPIポート1606に接続されたSPI I/F1674と、単方向(例えば、読み出し専用)のLPDDR4ポート1604に接続されたコントローラ側LPDDR4 I/F1676と、を含んでいてよい。
【0076】
システムI/O1672は、さまざまな自動車システムに接続可能であり、このような他の自動車システムからデータを受信し、かつ/またはこのような他の自動車システムにデータを送信することができる。システムI/Oは、コントローラエリアネットワーク(CAN)タイプのバスを含む、任意の適切なバスシステムのためのインタフェースを含むことができるが、CANタイプのバスに限定されない。
【0077】
NVMデバイス1600は、SPI I/F1612と、LPDDR4 I/F1610と、制御回路1630と、別々にアクセス可能な複数のNVMバンク1614-0~1614-7と、バンクアクセスレジスタ1628と、を含んでいてよい。NVMデバイス1600は、本明細書で説明されるいずれかのNVMデバイスおよび等価物と同様の形態をとることができ、かつ/またこれらと同様に動作することができる。
【0078】
複数の実施形態は、相互接続されたさまざまなコンポーネントを有するシステムを含んでいてよく、複数の実施形態はまた、パラレルポートを介し、高速なダブルデータレート読み出しアクセスを備えた不揮発性記憶装置を提供することができる一方で、同時にシリアルポートを介する読み出しおよび書き込みアクセスを提供する単体構造デバイスを含んでいてもよい。このような単体構造デバイスは有利には、小型の単一集積回路デバイスであってよい。
図17には、パッケージングされたNVMデバイス1700の特定の一例が示されている。このようなNVMデバイス1700は、本明細書に開示される他のNVMデバイスまたは等価物のいずれかの特徴を含んでいてよい。しかしながら、複数の実施形態によるNVMデバイスは、任意の他の適切な集積回路パッケージングタイプを含んでいてよく、また回路基板または基板にNVMデバイスチップを直接にボンディングできることは明らかである。
【0079】
図18には、1つの実施形態による自動車システム1860が示されている。自動車1860は、メイン制御サブシステム1878-0、エンジン-パワートレーン制御システム1878-1、サスペンション-タイヤ制御システム1878-2、ボディ制御システム1878-3を含む、多数のサブシステムを有することができるが、これらには限定されない。メイン制御サブシステム1878-0は、本明細書に開示された実施形態によるNVMデバイス1800または等価物を含んでいてよい。メイン制御サブシステム1878-0は、インフォテインメント機能(ナビゲーション、通信、エンターテイメント装置、データ記憶装置、デジタルオーディオ放送)も、他のすべてのシステムの監視制御部も制御することができる。一部の実施形態では、メイン制御サブシステム1878-0は、
図16に示された一実装形態であってよい。このような構成において、処理装置は、DDRインタフェースを介して、NVMデバイス1800に記憶されているデータへの高速のスループットアクセスを有することができる一方で、同時に、より低速のデータスループットのシリアルインタフェースを介して、データ書き込みおよび読み出し機能を提供することができる。
【0080】
本明細書全体を通した「1つの実施形態」または「一実施形態」についての記載は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味していることを理解されるべきである。したがって、「一実施形態」または「1つの実施形態」または「択一的な一実施形態」についての、本明細書のさまざまな部分における2つ以上の記載は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではないことが強調されかつ理解されるべきである。さらに、特定の特徴、構造または特性は、本発明の1つまたは複数の実施形態において適宜に組み合わされてよい。
【0081】
同様に、本発明の例示的な実施形態の上述の説明においては、本発明のさまざまな態様のうちの1つまたは複数の理解を助ける開示を簡素化する目的で、本発明のさまざまな特徴が、一部において、単一の実施形態、図またはそれらの説明において一緒にグループ化されていることが理解されるべきである。しかしながら、本開示の方法は、各請求項に明示的に挙げられた特徴よりも多くの特徴を請求項が要求とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の態様の本質は、上で開示した単一の実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、詳細な説明に続く請求項は、各請求項が本発明の別の実施形態として成立しながら、詳細な説明に明確に組み込まれている。