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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】貯湯給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20221201BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20221201BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F24H9/02 301A
F24H1/18 A
H05K5/02 A
H05K5/02 N
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018241345
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020101348
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 向生
(72)【発明者】
【氏名】中野 晶夫
(72)【発明者】
【氏名】片山 真吾
(72)【発明者】
【氏名】金城 貴信
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228249(JP,A)
【文献】実開昭54-074964(JP,U)
【文献】実開昭59-161452(JP,U)
【文献】特開2017-026245(JP,A)
【文献】実開昭59-116723(JP,U)
【文献】特開2014-216216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱と複数の桟を組み合わせて構成されたフレーム部材に複数の外装板を固定した外装ケースと、前記外装ケース内に貯湯タンクと、補機類と、配管類を備えた貯湯給湯装置において、
少なくとも1つの前記外装板は前記外装ケース内方に突出する凸部を備え、
複数の前記支柱又は前記桟は、前記凸部に対応する部位において前記外装ケース内方に凹入させた凹部を備えたことを特徴とする貯湯給湯装置。
【請求項2】
前記支柱又は前記桟は、前記凸部を備えた前記外装板が当接する主壁部と、前記主壁部の短手方向一端部にその長手方向にわたって前記外装ケース内方に向かって延びる側壁部を有し、
前記凹部は、前記主壁部と前記側壁部が形成する角部の前記凸部に対応する部位に前記長手方向に延びるスリットを有し、前記主壁部の前記スリットがある部分を前記外装ケース内方に凹入させたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯装置。
【請求項3】
前記支柱又は前記桟は、前記主壁部の短手方向他端部にもその長手方向にわたって前記外装ケース内方に向かって延びるもう1つの側壁部を有し、
前記凹部は、前記主壁部とその短手方向両端部の1対の前記側壁部が形成する1対の角部の前記凸部に対応する部位に前記長手方向に延びる1対のスリットを有し、前記主壁部の前記1対のスリットの間の部分を前記外装ケース内方に凹入させたことを特徴とする請求項2に記載の貯湯給湯装置。
【請求項4】
前記スリットは、台形状に形成されて前記長手方向に夫々平行な1対の底を有し、前記主壁部側の底が前記側壁部側の底よりも長いことを特徴とする請求項2又は3に記載の貯湯給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機と貯湯タンクを備えた貯湯給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、屋外に設置されることが多い貯湯給湯装置は、外装ケースによって内部の機器類に雨水がかからないように保護されている。外装ケースは、例えば特許文献1のように、複数の支柱と複数の桟を組み合わせて構成された略直方体形状のフレーム部材の天面部及び4つの側面部に夫々平坦な外装板を固定して形成される。このような外装ケースは、フレーム部材に密着させた外装板をビス等で締結固定することによって、平坦な外装板の強度を補っている。
【0003】
外装ケースは、外観デザインの要求や外装板の強度向上のために、外装板に凹凸を形成する場合がある。このとき、例えば特許文献1の外装ケースでは外装板の端部領域が外装板のフレーム部材に当接するので、この外装板がフレーム部材に当接する部分を外装ケース内方に突出させること、即ち外装板を凹入させることができない。外装板のフレーム部材に当接する部分も凹入させるためには、外装板の凹入させた部分を受け入れ可能なようにフレーム部材を切り欠く必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-185821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、外装板のフレーム部材に当接する部分を凹入させない場合は外観デザインが制約される。一方、フレーム部材を切り欠いた場合はフレーム部材の強度が低下するので外装ケースの強度が低下する。フレーム部材を切り欠かずに外装板の凹入部分をフレーム部材に当接させると、フレーム部材と外装板の凹入部分以外の部分との間に隙間ができて外装板の強度を補うことができない。
【0006】
本発明の目的は、外装板の凹入を許容すると共に外装ケースの強度低下を抑えることができるフレーム部材を備えた貯湯給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の貯湯給湯装置は、複数の支柱と複数の桟を組み合わせて構成されたフレーム部材に複数の外装板を固定した外装ケースと、前記外装ケース内に貯湯タンクと、補機類と、配管類を備えた貯湯給湯装置において、少なくとも1つの前記外装板は前記外装ケース内方に突出する凸部を備え、複数の前記支柱又は前記桟は、前記凸部に対応する部位において前記外装ケース内方に凹入させた凹部を備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、外装板の外装ケース内方に突出する凸部に対応するようにフレーム部材に外装ケース内方に凹入する凹部を備えたので、外装ケース内方に突出する外装板の凸部、即ち外装板の凹入を許容することができると共に、外装ケースの強度低下を抑えることができる。
【0009】
請求項2の発明の貯湯給湯装置は、請求項1の発明において、前記支柱又は前記桟は、前記凸部を備えた前記外装板が当接する主壁部と、前記主壁部の短手方向一端部にその長手方向にわたって前記外装ケース内方に向かって延びる側壁部を有し、前記凹部は、前記主壁部と前記側壁部が形成する角部の前記凸部に対応する部位に前記長手方向に延びるスリットを有し、前記主壁部の前記スリットがある部分を前記外装ケース内方に凹入させたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、フレーム部材を構成する支柱又は桟は、外装板が当接する主壁部と、その短手方向一端部から外装ケース内方に延びる側壁部を有する。フレーム部材の凹部は、主壁部と側壁部によって形成される角部の凸部に対応する部位にスリットを有し、主壁部のスリットがある部分を外装ケース内方に凹入させて形成されている。従って、凹部は支柱又は桟の長手方向に連なる主壁部及び側壁部で構成されて長手方向には分断されていないので、主壁部と側壁部により支柱又は桟の凹部における強度を確保して外装ケースの強度低下を抑えることができる。
【0011】
請求項3の発明の貯湯給湯装置は、請求項2の発明において、前記支柱又は前記桟は、前記主壁部の短手方向他端部にもその長手方向にわたって前記外装ケース内方に向かって延びるもう1つの側壁部を有し、前記凹部は、前記主壁部とその短手方向両端部の1対の前記側壁部が形成する1対の角部の前記凸部に対応する部位に前記長手方向に延びる1対のスリットを有し、前記主壁部の前記1対のスリットの間の部分を前記外装ケース内方に凹入させたことを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、フレーム部材を構成する支柱又は桟は、外装板が当接する主壁部と、その短手方向両端部から外装ケース内方に夫々延びる1対の側壁部を有する。フレーム部材の凹部は、主壁部と1対の側壁部によって形成される1対の角部の凸部に対応する部位に1対のスリットを有し、主壁部における1対のスリットの間の部分を外装ケース内方に凹入させて形成されている。従って、凹部は支柱又は桟の長手方向に連なる主壁部及び1対の側面部で構成されて長手方向には分断されていないので、主壁部と1対の側壁部により支柱又は桟の凹部における強度を確保して外装ケースの強度低下を抑えることができる。
【0013】
請求項4の発明の貯湯給湯装置は、請求項2又は3の発明において、前記スリットは、台形状に形成されて前記長手方向に夫々平行な1対の底を有し、前記主壁部側の底が前記側壁部側の底よりも長いことを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、凹入による屈曲を緩やかにした主壁部と側壁部により支柱又は桟の凹部における強度を確保して外装ケースの強度低下を抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の貯湯給湯装置によれば、外装板の凹入を許容すると共に外装ケースの強度低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る貯湯給湯装置の要部を示す斜視図である。
図2図1の貯湯給湯装置の外装ケースの左側の支柱を貯湯給湯装置の左側から見た側面図である。
図3図2の支柱のIII-III線断面図である。
図4図2の支柱の凹部のIV-IV線断面図である。
図5図2の支柱の凹部を貯湯給湯装置の前側から見た図である。
図6図5の支柱の凹部を含む領域の展開図である。
図7】凹部を備えた桟の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例
【0018】
最初に貯湯給湯装置1について説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、湯水を貯留する貯湯タンク2と、燃焼式の補助熱源機3等の補機類と、給水通路や給湯通路等の図示外の配管類を外装ケース4に収容して構成されている。図中の矢印Fは貯湯給湯装置1の前方を示し、矢印Lは貯湯給湯装置1の左方を示し、矢印Uは貯湯給湯装置1の上方を示す。この貯湯給湯装置1の外装ケース4内の前側部分に補助熱源機3が配設され、後側部分に貯湯タンク2が配設され、例えば建物Bの外壁に貯湯給湯装置1の右側面部が近接するように設置されて、外装ケース4の内部には前面側及び左側面側からアクセス可能である。
【0019】
次に外装ケース4について説明する。
外装ケース4は、複数の支柱と複数の桟を組み合わせて構成されたフレーム部材5と、フレーム部材5に密着させてビス等によって締結固定される複数の外装パネル部材(外装板)により構成されている。外装パネル部材として、外装ケース4の天面の天面パネル6と、前面上段の前上段パネル7aと、前面下段の前下段パネル7bと、左面上段の左上段パネル8aと、左面下段の左下段パネル8bと、後面の後パネル9と、右面上段の右上段パネル10aと、右面下段の右下段パネル10bがフレーム部材5に固定される。
【0020】
次に外装パネル部材について説明する。
外装パネル部材は、例えば変形や雨水の進入を防ぐために端部に屈曲加工等が夫々なされている。矩形状の天面パネル6は、その4つの端部が夫々下方に延びるように屈曲加工され、フレーム部材5に複数のビス等の締結部材によって固定される。前上段パネル7aには、外装ケース4に収容される燃焼式の補助熱源機3の排気口に対応する排気用の開口部7cが設けられている。前下段パネル7bには、貯湯タンク2の湯水を図示外の外部の熱源機との間で循環させるための配管等を通す切欠き部7dが形成されている。
【0021】
左上段パネル8aと左下段パネル8bは、他の外装パネル部材と比べて大きくて変形し易く、人の目に触れる機会も多い。それ故、左上段パネル8aと左下段パネル8bには、凹入させることにより外装ケース4の内方に突出させた複数の凸部20が貯湯給湯装置1の前後方向の略全幅にわたって水平方向に延びるように形成され、外観デザインにおける特徴になっていると共に外装パネル部材の強度向上を図っている。
【0022】
後パネル9には、貯湯給湯装置1を持ち上げるための把持部9aが設けられている。右下段パネル10bは、その幅が貯湯給湯装置1の前後方向幅より小さく形成されている。右下段パネル10bで覆われない貯湯給湯装置1の右面下段の前側部分の開口部5aには外装ケース4の外部に延びる図示外の配管等を通す。尚、右上段パネル10aと右下段パネル10bにも、左上段パネル8aと左下段パネル8bと同様の凸部が形成されてもよい。
【0023】
貯湯給湯装置1の左側面部が建物の外壁に面するように設置されて貯湯給湯装置1の左面下段の前側部分から配管等を外部に出す場合であって、右上段パネル10a及び右下段パネル10bに凸部がない場合には、左上段パネル8aと左下段パネル8bを右上段パネル10aと右下段パネル10bとを夫々入れ替えて固定する。
【0024】
前上段パネル7a、左上段パネル8a、後パネル9、右上段パネル10aは、それらの上端部が天面パネル6の下方に屈曲された端部とフレーム部材5の間に挿入されてフレーム部材5に固定される。また、フレーム部材5に固定された後パネル9の左側端部を覆うように左上段パネル8aと左下段パネル8bが取り付けられてフレーム部材5に固定される。同様に後パネル9の右側端部を覆うように右上段パネル10aと右下段パネル10bが取り付けられてフレーム部材5に固定される。そして、左上段パネル8aの屈曲された前側端部と右上段パネル10aの屈曲された前側端部の間に前上段パネル7aが取り付けられてフレーム部材5に固定される。このように外装パネル部材の端部を重ね合せたり、外装パネル部材間の隙間をフレーム部材5で遮ったりすることによって、外装ケース4内への雨水の進入を防いでいる。
【0025】
次にフレーム部材5について説明する。
フレーム部材5は、貯湯給湯装置1の左側部分及び右側部分で前後方向に延びる桟として第1ベース部材11及び第2ベース部材12と、第1ベース部材11の前端部及び中央部に夫々鉛直に立てて固定された第1支柱13及び第2支柱14と、第2ベース部材12の前端部及び中央部に夫々鉛直に立てて固定された第3支柱15及び第4支柱16を有する。そして、第1支柱13と第3支柱15を上端部、中段部、下段部において連結する桟17a~17cと、第1支柱13と第2支柱14を上端部と中段部において連結する桟17d,17eと、第3支柱15と第4支柱16を上端部と中段部において連結する桟17f,17gを有する。さらに、貯湯タンクを支持するプレート部材が第1ベース部材11と第2ベース部材12を連結している。
【0026】
フレーム部材5を構成する第1~第4支柱13~16は、補助熱源機3や貯湯タンク2を支持したときに折れ曲がらない強度を備えている。第1支柱13と第2支柱14は同等であり、第3,第4支柱15,16は第1,第2支柱13,14と左右対称に形成されているので、第1支柱について説明して第2~第4支柱14~16の説明を省略する。
【0027】
図2図3に示すように、第1支柱13は、左上段パネル8aと左下段パネル8bが当接する第1主壁部13aを有する。第1主壁部13aの短手方向両端部には、その長手方向にわたって左上段パネル8a及び左下段パネル8bと反対側の外装ケース4の内方に向かって夫々延びる第1側壁部13bと第2側壁部13c(1対の側壁部)を有する。
【0028】
さらに第1支柱13は、第1側壁部13bの第1主壁部13aと反対側端部にその長手方向にわたって第2側壁部13cと反対側に屈曲されて第1主壁部13aに略平行に延びる第2主壁部13dを有する。この第2主壁部13dの第1側壁部13bと反対側端部には、その長手方向にわたって第1主壁部13a側と反対側に屈曲されて第1,第2側壁部13b,13cと略平行に延びる第3側壁部13eを有する。また、第2側壁部13cの第1主壁部13aと反対側端部に、その長手方向にわたって第1側壁部13bと反対側に屈曲されて延びる壁部13fを有する。第1,第2主壁部13a,13dの短手方向両端部に長手方向に延びる角部と、第2側壁部13cと壁部13fとで長手方向に延びる角部を形成したことによって、第1支柱13を折れ曲がり難くしている。
【0029】
図1図2図4図6に示すように、第1支柱13は、左上段パネル8aと左下段パネル8bが有する複数の凸部20に対応する部位に、凸部20を受け入れ可能なように外装ケース4の内方に凹入させた複数の凹部21を有する。各凹部21は、第1主壁部13aと第1,第2側壁部13b,13cとで形成される1対の角部の凸部20に対応する部位に、長手方向に延びる1対のスリット13g,13hを有する。
【0030】
第1支柱13は、図6のような凸部20に対応する部位に1対のスリット13g,13hが形成された長尺板状部材を、第1主壁部13aの1対のスリット13g,13hの間の部分を凹入させると共に柱状になるように屈曲させるプレス加工によって形成される。図中の1点鎖線及び破線は、夫々山状及び谷状に屈曲される折り曲げ線を示す。
【0031】
1対のスリット13g,13hは夫々台形状に形成されている。台形の平行な対辺を夫々底又は底辺と言い、他の平行でない対辺を夫々脚と言うが、スリット13gの第1主壁部13a側の底S1を第1側壁部13b側の底S2よりも長く、且つスリット13hの第1主壁部13a側の底S3を第2側壁部13c側の底S4よりも長くして等脚台形状にしている。
【0032】
各凹部21において、第1主壁部13aの短手方向両端の角部にスリットが形成されるので第1支柱13の強度は低下するが、第1主壁部13aが長手方向に連なり分断されていないので、凹部21に相当するように第1支柱13を切り欠いた場合よりも第1支柱13の強度低下が抑えられている。また、凹部が小さく少ない程第1支柱13の強度は低下しないので、第1支柱13の長手方向における複数の凹部21が占める割合は小さい程好ましく、本実施例ではその割合が25%未満である。第1支柱13と同様に、第2~第4支柱14~16も第1主壁部13aに相当する主壁部(第1主壁部14a等)と、第1,第2側壁部13b,13cに相当する1対の側壁部(第1,第2側壁部14b,14c等)と、1対のスリットを有する複数の凹部21を夫々備えている。
【0033】
第1支柱13は、貯湯給湯装置1の左側部分において第1、第2主壁部13a,13dが左方に面し、且つ第1、第3側壁部13b,13eが貯湯給湯装置1の前側に、第2側壁部が後側になるように第1ベース部材11に固定され、第2支柱14も同様に固定されている。貯湯給湯装置1の右側部分も同様に、第3支柱15と第4支柱16の第1、第2主壁部が右方に面し、且つ第1、第3側壁部を貯湯給湯装置1の前側に、第2側壁部を後側にして第2ベース部材12に固定されている。そして、これら第1~第4支柱13~16が桟17a~17g等によって連結されて、重量物である補助熱源機3や貯湯タンク2等を支える支持強度を備えたフレーム部材5が形成されている。
【0034】
左上段パネル8aと左下段パネル8bをフレーム部材5に固定すると、第1,第2支柱13、14の第1主壁部13a,14aが外装パネル部材の凸部20でない平坦な部分に当接し、各凹部21には対応する凸部20が受け入れられる。これにより外装パネル部材が凸部20を備えていても、フレーム部材5が外装パネル部材の平坦な部分に当接するので、外装パネル部材の強度を補うことができる。凹部21が凸部20に丁度よく嵌まるように形成されていれば、凹部21による支柱の強度低下を補って外装ケース4の強度低下を一層抑えることができる。尚、寸法や材質等によっては第2側壁部13cと壁部13fがない支柱でも必要な強度を確保できるが、この場合は第1主壁部13aと第1側壁部13bの角部に上記と同様の凸部20に対応する台形状のスリットを有し、第1主壁部13aのスリットがある部分が凹入されて凹部21が形成される。
【0035】
図7は、主壁部23aと1対の側壁部23b,23cを備えて凹部21と同様の複数の凹部24を備えた桟23を示している。このような複数の凹部24を備えた複数の桟と複数の支柱を有するフレーム部材に、外装ケース内方に突出した凸部を備えた外装パネル部材を固定して貯湯給湯装置の外装ケースを構成することもできる。さらに、複数の凹部21を備えた複数の支柱と複数の凹部24を備えた複数の桟を有するフレーム部材に、外装ケース内方に突出した凸部を備えた外装パネル部材を固定して貯湯給湯装置の外装ケースを構成することもできる。
【0036】
桟においても主壁部とその短手方向一端部の側壁部で必要な強度を確保することができる場合には、主壁部と側壁部の角部に上記と同様の凸部に対応する台形状のスリットを有し、主壁部のスリットがある部分が凹入されて凹部が形成されてもよい。また、外装パネル部材の凸部が延びる方向は水平方向に限定されるものではなく、凸部は折れ線状や曲線状に延びていてもよく、凸部がアイランド状に形成されていてもよく、支柱、桟にはそれら凸部に対応する部位に凹部が形成される。
【0037】
本発明の貯湯給湯装置1の作用、効果について説明する。
貯湯給湯装置1は、第1~第4支柱13~16と複数の桟として第1,第2ベース部材11,12及び複数の桟17a~17gを組み合わせて構成されたフレーム部材5に、複数の外装パネル部材を固定して形成された外装ケース4を備えている。この外装ケース4に貯湯タンク2と、補助熱源機3等の補機類と配管類等を収容している。
【0038】
外装パネル部材のうちの左上段パネル8aと左下段パネル8bは外装ケース4の内方に突出する複数の凸部20を備え、これらが固定される第1,第2支柱13、14は、各凸部20に対応する部位において凸部20を受け入れ可能なように外装ケース4の内方に凹入させた凹部21を夫々備えている。従って、外装ケース4の内方に突出する凸部20、即ち外装パネル部材の凹入を許容することができると共に、外装ケース4の強度低下を抑えることができる。
【0039】
第1支柱13は、凸部20を備えた外装パネル部材が当接する第1主壁部13aと、第1主壁部13aの短手方向一端部にその長手方向にわたって外装ケース4の内方に向かって延びる第1側壁部13bを有する場合に、第1主壁部13aと第1側壁部13bが形成する角部において凸部20に対応する部位に長手方向に延びるスリット13gを有する。このとき凹部21は、第1主壁部13aのスリット13gがある部分を外装ケース4の内方に凹入させて形成されている。従って、凹部21は、支柱の長手方向に連なる第1主壁部13a及び第1側壁部13bで構成されて長手方向に分断されておらず、他の第2~第4支柱14~16も同様なので、主壁部と側壁部により各支柱の凹部における強度を確保して外装ケース4の強度低下を抑えることができる。
【0040】
第1支柱13は、さらに第1主壁部13aの短手方向他端部にもその長手方向にわたって外装ケース4の内方に向かって延びる第2側壁部13cを有する。凹部21は、第1主壁部13aと第1,第2側壁部13b,13cが形成する1対の角部において凸部20に対応する部位に長手方向に延びる1対のスリット13g,13hを有し、第1主壁部13aの1対のスリット13g,13hの間の部分を外装ケース4の内方に凹入させて形成されている。従って、凹部21は、支柱の長手方向に連なる第1主壁部13a及び第1,第2側壁部13b,13cで構成されて長手方向に分断されておらず、他の第2~第4支柱14~16も同様なので、主壁部と1対の側壁部により各支柱の凹部における強度を確保して外装ケース4の強度低下を抑えることができる。
【0041】
スリット13gは、台形状に形成されて長手方向に夫々平行な1対の底を夫々有し、第1主壁部13a側の底S1が第1側壁部13b側の底S2よりも長く形成されている。スリット13hも同様に台形状に形成されて、第1主壁部13a側の底S3が第2側壁部13c側の底S4よりも長く形成されている。従って、凹入による屈曲を緩やかにした第1主壁部13aとその短手方向一端部の第1側壁部13bにより、又は第1主壁部13aとその短手方向両端部の第1,第2側壁部13b,13cにより第1支柱13の各凹部21における強度を確保し、第2~第4支柱14~16も同様なので、外装ケース4の強度低下を抑えることができる。
【0042】
フレーム部材5を構成する複数の桟についても同様に、外装パネル部材が当接する主壁部とその短手方向一端部の側壁部又は短手方向両端部の1対の側壁部を有するように形成して凹部を設けることにより、外装パネル部材の凹入を許容することができると共に、外装ケースの強度低下を抑えることができる。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0043】
1 :貯湯給湯装置
2 :貯湯タンク
3 :補助熱源機(補機類)
4 :外装ケース
5 :フレーム部材
8a :左上段パネル(外装板)
8b :左下段パネル(外装板)
11,12 :第1,第2ベース部材(桟)
13~16 :第1~第4支柱(支柱)
13a,14a :第1主壁部(主壁部)
13b,13c,14b,14c :第2,第3側壁部(側壁部)
13f,13g :スリット
17a~17g :桟
20 :凸部
21 :凹部
23 :桟
23a :主壁部
23b,23c :側壁部(1対の側壁部)
24 :凹部
S1~S4 :底
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7