IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トゥサシュ−テュルク・ハヴァジュルク・ヴェ・ウザイ・サナイー・アノニム・シルケティの特許一覧 ▶ ガジ・ウニヴェルシテシの特許一覧

<>
  • 特許-アンモニア充填システム 図1
  • 特許-アンモニア充填システム 図2
  • 特許-アンモニア充填システム 図3
  • 特許-アンモニア充填システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】アンモニア充填システム
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20221201BHJP
   B64G 1/50 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F28D15/02 106B
B64G1/50 600
F28D15/02 106C
F28D15/02 106D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020543854
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 TR2019050090
(87)【国際公開番号】W WO2019245499
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】2018/02067
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(73)【特許権者】
【識別番号】520307137
【氏名又は名称】トゥサシュ-テュルク・ハヴァジュルク・ヴェ・ウザイ・サナイー・アノニム・シルケティ
【氏名又は名称原語表記】TUSAS-TURK HAVACILIK VE UZAY SANAYII ANONIM SIRKETI
(73)【特許権者】
【識別番号】520307148
【氏名又は名称】ガジ・ウニヴェルシテシ
【氏名又は名称原語表記】GAZI UNIVERSITESI
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ジェム・オミュル
(72)【発明者】
【氏名】アフメト・ビルゲ・ウイグル
(72)【発明者】
【氏名】ハサン・ギュルギュチュ・イシク
(72)【発明者】
【氏名】イルハミ・ホルズ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0254668(US,A1)
【文献】特開2003-329380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0117557(US,A1)
【文献】特開昭52-121849(JP,A)
【文献】特開平07-218161(JP,A)
【文献】米国特許第05730211(US,A)
【文献】特開平02-265675(JP,A)
【文献】実開平02-069495(JP,U)
【文献】ソ連国特許発明第00885748(SU,A)
【文献】ソ連国特許発明第01138622(SU,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 15/02
B64G 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱移動のために使用される少なくとも1つのヒートパイプ(2)と、純粋なアンモニアを飽和蒸気として室温で貯蔵することができる少なくとも1つのアンモニア管(3)と、アンモニア管(3)からヒートパイプ(2)にアンモニアを供給することを可能にし、ヒートパイプ(2)が取り外し可能に係合される少なくとも1つの供給ライン(4)と、供給ライン(4)上に配置され、アンモニアの流れを制御する少なくとも1つの弁(5)と、供給ライン(4)上に配置され、真空引き及び/又は封止試験に使用される少なくとも1つの検出器(6)と、ヒートパイプ(2)を加熱する少なくとも1つの加熱器(7)と、基部(8)、及び基部(8)から表面上に延びる少なくとも2つの壁(9)を有する少なくとも1つのチャンバー(10)とを含み、ヒートパイプ(2)がチャンバー(10)内に置かれたときに、ヒートパイプ(2)が壁(9)の間にとどまり、加熱器(7)によりチャンバー(10)内に熱が放射されたときに、加熱器(7)により壁(9)の内側によってヒートパイプ(2)に放射された熱を反射する充填システム(1)であって、ヒートパイプ(2)を冷却したいときにチャンバー(10)内に位置し、ヒートパイプ(2)と接触してヒートパイプ(2)を冷却する少なくとも1つの冷却部材(12)を含むことを特徴とする、充填システム(1)。
【請求項2】
前記充填システム(1)が、前記チャンバー(10)内に配置され、熱を反射することができる少なくとも1つの反射部材(11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の充填システム(1)。
【請求項3】
前記加熱器(7)が赤外線加熱器であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の充填システム(1)。
【請求項4】
前記冷却部材(12)がドライアイスであることを特徴とする、請求項1に記載の充填システム(1)。
【請求項5】
前記充填システム(1)が、前記ヒートパイプ(2)が置かれる基部(8)上に配置される、前記ヒートパイプ(2)を前記供給ライン(4)と同一直線上にすることを可能にする少なくとも1つの支持部材(13)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項6】
前記充填システム(1)が、断熱性の支持部材(13)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の充填システム(1)。
【請求項7】
前記反射部材(11)が、前記チャンバー(10)内に取り外せる方式で装着されることを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項8】
前記反射部材(11)が、チャンバー(10)内に接着されて装着されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項9】
前記充填システム(1)が、前記ヒートパイプ(2)及び前記供給ライン(4)を接続可能な管継手接続特性を有する接続部材(14)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項10】
前記加熱器(7)が、前記ヒートパイプ(2)が前記チャンバー(10)の基部(8)上に置かれたときに、前記ヒートパイプ(2)に対向するように配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項11】
前記充填システム(1)が、前記供給ライン(4)又は前記ヒートパイプ(2)上に配置され、温度を測定する少なくとも1つの熱計(15)と、該熱計(15)から得られる温度情報に応じて前記加熱器(7)の温度を調整する少なくとも1つの制御部(16)と、を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項12】
前記チャンバー(10)が、U字形のチャンバー(10)であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の充填システム(1)。
【請求項13】
熱移動のために宇宙機及び/又は航空機で使用されるように適合したヒートパイプ(2)を充填するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の充填システム(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宇宙機及び/又は航空機に提供されたヒートパイプにアンモニアを充填することを可能にする充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートパイプは、生じた熱を移動するために宇宙機及び/又は航空機で利用される。これらのヒートパイプでは、流体を用いて熱供給が行われる、ここで、アンモニアは、これらの流体の中で主流の流体である。宇宙機及び/又は航空機での熱移動のために利用されるヒートパイプにアンモニアを充填する動作は、高精度に行われる。ヒートパイプ内のアンモニアの量は、ヒートパイプにより可能になる熱移動に影響を与える。したがって、ヒートパイプにアンモニアを充填する動作を正確及び省エネルギー方式の両方で行うことは重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような典型的な充填システムは、公表された特許出願US 4881580 A号に開示されており、ここで、該文書は、ヒートパイプ及び同様の密閉キャリア(closed carrier)のための充填及び排出の両方の動作を行うシステムに言及している。ここで、純粋な流体として、水、アンモニア、アルコール、及びハロゲン系炭化水素がヒートパイプ内で使用されてもよい。適切な量で選択された純粋な流体は、弁を介してヒートパイプに制御可能に充填される。しかしながら、宇宙機及び/又は航空機のために要求される高精度の充填動作を提供すること及び充填動作中に所望のエネルギー効率を得ることは可能ではない。
【0004】
公知の技術では、アンモニア気体の流れの充填も圧縮機又は冷却タンクを使用することにより行われるが、これらの実施はコストを増加させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による充填システムは、熱移動のために使用される少なくとも1つのヒートパイプと、純粋なアンモニアを飽和蒸気として室温で貯蔵することができる少なくとも1つのアンモニア管と、アンモニア管からヒートパイプにアンモニアを移動することが可能で、ヒートパイプが取り外し可能に係合している少なくとも1つの供給ラインと、供給ライン上に配置され、アンモニアの流れを制御させる少なくとも1つの弁と、供給ライン上に配置され、真空引き及び/又は封止(sealing)試験に使用される少なくとも1つの検出器、及びヒートパイプの温度を上昇させる少なくとも1つの加熱器と、を含む。
【0006】
本発明の充填システムは、基部と、互いに対向して基部から表面上に延びる少なくとも2つの壁を有する少なくとも1つのチャンバーと、を含み、ヒートパイプがチャンバーに沿って延びるように、チャンバー内に置かれたとき、ヒートパイプは壁の間にとどまり、加熱器によりチャンバー内に熱が放射されたとき、加熱器により壁の内側によってヒートパイプに放射された熱を反射する。
【0007】
本発明の充填システムは、気相のアンモニアが存在するアンモニア管からアンモニアを供給ラインに供給する。アンモニアは、少なくとも1つの弁により、供給ラインからヒートパイプへ制御可能に移動される。ヒートパイプ内に気相で送り込まれ、ヒートパイプを冷却するとすぐに、ヒートパイプ内でアンモニアが液相に変化し、それによりヒートパイプにアンモニアを充填する動作を行う。該冷却動作はチャンバー内で処理される。
【0008】
本発明のある実施形態では、充填システムは、チャンバー内に配置され、熱を反射することができる少なくとも1つの反射部材を含む。好ましくは、熱反射性の明るい表面を有する反射部材の助けで加熱器により放射される熱が、効率的な方法でヒートパイプを加熱することを可能にすることができる。これは、エネルギー及び加熱時間を節約することを提供する。
【0009】
本発明の別の実施形態では、加熱器は、赤外線により加熱することができるようなタイプである。これのおかげで、より早く及び効果的な加熱が提供される。
【0010】
本発明のある実施形態では、充填システムは、ヒートパイプを冷却したいときに、チャンバー内に位置し、ヒートパイプを冷却するためにヒートパイプ上に置かれる少なくとも1つの冷却部材を含む。ヒートパイプへの充填動作中、アンモニアのための冷却部材を介してヒートパイプは冷却されて、液相に変えられる。冷却部材は、ヒートパイプを冷却するためにヒートパイプ上に置かれる。好ましくは、冷却部材は、冷却部材がアンモニア充填を行わない端部からアンモニア充填を行う端部に向かって冷却動作を行うようにヒートパイプ内に置かれる。これは、効率的な方法で、ヒートパイプにアンモニアを充填することを提供する。
【0011】
本発明の別の実施形態では、冷却部材は、二酸化炭素の固相であるドライアイスである。
【0012】
本発明のある実施形態では、チャンバーは、ヒートパイプが置かれる基部上に配置され、パイプが供給ラインと同じ方向に位置することを可能にする少なくとも1つの支持部材を含む。支持部材は、ヒートパイプ及び供給ラインを同一直線上に接続することを可能にする。好ましくは、支持部材は、位置調整可能な方式で基部上に提供されるか、固定及び基部と一体になる(single-piece)方法で基部上に提供される。
【0013】
本発明のさらなる実施形態では、支持部材は熱伝導性ではない。これは、効率的な方法でヒートパイプに熱を移動することを提供する。
【0014】
本発明の別の実施形態では、充填システムは、チャンバーに取り付けることができ、チャンバーから取り外せる、反射部材を有する。これは、望むときに反射部材をチャンバーに対して取り付け及びチャンバーから取り外すことを可能にする。
【0015】
本発明の別の実施形態では、充填システムは、チャンバーの内側に接着されることにより装着される反射部材を含む。これのおかげで、反射部材がチャンバー内に固定的に提供される。
【0016】
本発明のある実施形態では、充填システムは、ヒートパイプ及び管式の供給ラインを接続することを可能にする管継手接続特性(tube-fitting connection feature)を有する接続部材を含む。好ましくは、管状接続部は、ナットにより締め付けられた口輪(ferrule)を介して互いに堅固に接続される。これのおかげで、高圧値下の接続点で安全に封止が提供される。したがって、ヒートパイプにアンモニアを充填することがより効率的な方法で行われる。
【0017】
本発明の別の実施形態では、充填システムは、ヒートパイプがチャンバーの基部上に置かれたときにヒートパイプに対抗する加熱器を含む。これは、ヒートパイプへの熱移動のためのエネルギー効率を提供する。
【0018】
本発明のある実施形態では、充填システムは、供給ライン又はヒートパイプ上に配置され、温度を測定する少なくとも1つの熱計と、熱計から得られる温度情報に応じて加熱器の温度を制御する少なくとも1つの制御部と、を含む。これは、ヒートパイプの温度を所定の水準に保つことを可能にする。
【0019】
本発明の別の実施形態では、チャンバー部はU字形である。
【0020】
本発明の別の実施形態では、アンモニア充填システムは、宇宙機及び/又は航空機で利用されるヒートパイプにアンモニアを充填することを提供する。
【0021】
本発明による充填システムは、アンモニア気体の純度を乱すことなく、ヒートパイプにアンモニアを充填することを可能にする。そのうえ、単一のシステムは、充填及び気体排出の両方の動作を行うことができ、製造プロセス及びコストを削減する。加えて、本発明による発達したシステム及び方法は、ヒートパイプの熱移動容量に悪影響を与えることなく、室内条件で気相であるアンモニアを所望量ヒートパイプに充填することができる。
【0022】
<発明の目的>
本発明の目的は、ヒートパイプにアンモニアを充填することを可能にする充填システムを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、純粋なアンモニア気体を、それらの純度を乱すことなく、ヒートパイプに充填することを可能にする充填システムを提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、室内条件で気相であるアンモニア気体を所望量でヒートパイプに充填することを可能にする低コストの充填システムを提供することである。
【0025】
本発明の更に別の目的は、ヒートパイプの熱移動容量を所望の水準に維持する充填システムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の目的を達成するために実現される充填システムは添付図面に示される、図中:
図1図1-充填システムの透視図。
図2図2-チャンバー、充填システム及び冷却部材の断面図。
図3図3-充填システムの上面透視図。
図4図4-充填システムの側面透視図。
【0027】
図面に示されている全ての部品には個々に参照番号が付されていて、これらの番号の対応する用語は以下のように列挙される:
1. 充填システム
2. ヒートパイプ
3. アンモニア管
4. 供給ライン
5. 弁
6. 検出器
7. 加熱器
8. 基部
9. 壁
10. チャンバー
11. 反射部材
12. 冷却部材
13. 支持部材
14. 接続部材
15. 熱計
16. 制御部
【0028】
<発明の説明>
充填システム(1)は、熱移動のために使用される少なくとも1つのヒートパイプ(2)と、純粋なアンモニアを飽和蒸気として室温で貯蔵することができる少なくとも1つのアンモニア管(3)と、アンモニア管(3)からヒートパイプ(2)にアンモニアを供給することを可能にし、ヒートパイプ(2)が取り外し可能に係合される少なくとも1つの供給ライン(4)と、供給ライン(4)上に配置され、アンモニアの流れを制御させる少なくとも1つの弁(5)と、供給ライン(4)上に配置され、封止制御を提供する少なくとも1つの検出器(6)、及びヒートパイプ(2)を加熱する少なくとも1つの加熱器(7)と、を含む(図1)。
【0029】
本発明による充填システム(1)は、基部(8)と、基部(8)から表面上に延びる少なくとも2つの壁(9)を有する少なくとも1つのチャンバー(10)と、を含み、ヒートパイプ(2)がチャンバー(10)内に置かれたとき、ヒートパイプ(2)は壁(9)の間にとどまり、加熱器(7)によりチャンバー(10)内に熱が放射されたとき、加熱器(7)により壁(9)の内側によってヒートパイプ(2)に放射された熱を反射する(図2)。
【0030】
本発明の充填システム(1)は、ほぼ気相のアンモニアが存在するアンモニア管(3)から供給ライン(4)にアンモニアを供給する。アンモニアは、少なくとも1つの弁(5)により、供給ライン(4)からヒートパイプ(2)に制御可能に供給され得る。パイプ(2)にほぼ気相で供給され、ヒートパイプ(2)を冷却するとすぐに、ヒートパイプ(2)内でアンモニアが液化し、それによって、ヒートパイプ(2)にアンモニアを充填する動作を行う。充填システム(1)において、ヒートパイプ(2)は、チャンバー(10)にほとんど沿って延びるようにチャンバー内に置かれる。チャンバー(10)内で冷却動作が処理される。アンモニアが充填される前に、ヒートパイプ(2)は真空引きによる封止評価を受ける。検出器(6)を介して処理される封止評価中、ヒートパイプ(2)内の気体をほぼ完全に真空引きするために、加熱器(7)によりヒートパイプ(2)が加熱される。ヒートパイプ(2)が配置されたチャンバー(10)のおかげで、ヒートパイプ(2)の加熱及び冷却動作はより効率的な方法で行われ得る。
【0031】
本発明のある実施形態では、充填システム(1)は、チャンバー(10)内に配置され、熱を反射することができる少なくとも1つの反射部材(11)を含む。好ましくは、明るい表面を有する反射部材(11)の助けで、加熱器(7)により放射される熱が、効率的な方法でヒートパイプ(2)を加熱することを可能にする。これは、エネルギー及び加熱時間を節約することを提供する。
【0032】
本発明の別の実施形態では、充填システム(1)は、赤外線により加熱する加熱器(7)を含む。これは、加熱時間を短くする。
【0033】
本発明のある実施形態では、充填システム(1)は、ヒートパイプ(2)を冷却したいときに、チャンバー(10)の内部に位置し、ヒートパイプ(2)と接触してヒートパイプ(2)を冷却する少なくとも1つの冷却部材(12)を含む。ヒートパイプ(2)への充填動作中に、アンモニアのための冷却部材(12)を介してヒートパイプ(2)は冷却されて、液相に変えられる。冷却部材(12)は、ヒートパイプ(2)を冷却するためにチャンバー(10)内に置かれる。これは、効率的な方法でヒートパイプ(2)を冷却することを提供する。
【0034】
本発明の別の実施形態では、冷却部材(12)はドライアイスである。これは、ヒートパイプ(2)の所望の領域又は全領域を冷却することを可能にする。
【0035】
本発明のある実施形態では、チャンバー(10)は、ヒートパイプ(2)が置かれる基部(8)上に配置される、ヒートパイプ(2)を供給ライン(4)と同一直線上にすることを可能にする少なくとも1つの支持部材(13)を含む。支持部材(13)は、ヒートパイプ(2)及び供給ライン(4)と、を同一直線上で接続することを可能にする。好ましくは、支持部材(13)は、位置調整可能な方式又は固定及び基部(8)と一体になる方法で基部(8)上に提供される。
【0036】
本発明の別の実施形態では、支持部材(13)は断熱性である。これのおかげで、ヒートパイプ(2)に移動される熱効率が増加する。
【0037】
本発明の別の実施形態では、充填システム(1)は、チャンバー(10)内に取り外せる方式で装着される反射部材(11)を有する。これは、望むときに反射部材(11)をチャンバー(10)に対して取り付け及びチャンバー(10)から取り外すことを可能にする。
【0038】
本発明の別の実施形態では、充填システム(1)は、チャンバー(10)内に接着されて装着される反射部材(11)を含む。これにおかげで、反射部材(11)がチャンバー(10)内に固定的に提供される。
【0039】
本発明のある実施形態では、充填システム(1)は、ヒートパイプ(2)及び供給ライン(4)を接続することを可能にする管継手接続特性を有する接続部材(14)を含む。好ましくは、管式の接続部は、ナットにより締め付けられた口輪を介して互いに堅固に接続される。これのおかげで、高圧値下の接続点で安全に封止が提供される。したがって、より効率的な方法で、ヒートパイプ(2)にアンモニアを充填することが行われる。
【0040】
本発明の別の実施形態では、充填システム(1)は、ヒートパイプ(2)がチャンバー(10)の基部(8)上に置かれたときにヒートパイプ(2)に対向する加熱器(7)を含む。これは、ヒートパイプ(2)への熱移動のためのエネルギー効率を提供する。
【0041】
本発明のある実施形態では、充填システム(1)は、供給ライン(4)又はヒートパイプ(2)上に配置されて温度を測定する少なくとも1つの熱計(15)と、熱計(15)から得られる温度情報に応じて加熱器(7)の温度を調整する少なくとも1つの制御部(16)と、を含む(図3及び図4)。これは、ヒートパイプ(2)の温度を所望の水準で維持することを可能にする。
【0042】
本発明の別の実施形態では、チャンバー(10)はU字形である。これのおかげで、ヒートパイプ(2)がチャンバー内に容易な方式で置かれ、加熱器(7)がヒートパイプ(2)に対するより効果的な熱移動を行う。
【0043】
本発明の別の実施形態では、ヒートパイプ(2)は、熱移動のために宇宙機及び/又は航空機で利用される。充填システム(1)は高圧値に抵抗し、ヒートパイプ(2)にアンモニアを効果的な方法で充填することができる。したがって、ヒートパイプ(2)を介して宇宙機及び/又は航空機において効果的な方法で熱移動が行われる。
【0044】
本発明による充填システムは、アンモニア気体の純度を乱すことなく、ヒートパイプ(2)にアンモニアを充填することを可能にする。その上、単一のシステムは、充填及び気体排出の両方の動作を行うことができ、それによって、製造プロセス及びコストを削減する。加えて、本発明によるシステム(1)は、ヒートパイプ(2)の熱移動容量に悪影響を与えることなく、室内条件で気相であるアンモニアを所望量ヒートパイプ(2)に充填することができる。
図1
図2
図3
図4