(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018162939
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】奥村 絵里
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 忠
(72)【発明者】
【氏名】平野 泰弘
【審査官】大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-212302(JP,A)
【文献】特開2018-134562(JP,A)
【文献】特開2012-105873(JP,A)
【文献】特開2015-165862(JP,A)
【文献】特開2011-030859(JP,A)
【文献】特開2010-119668(JP,A)
【文献】特開2007-313026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に視認困難な待機位置と視認容易な演出位置との間を移動する装飾部と、
前記装飾部に回転可能に支持されて前記装飾部の前方に配置され、前記装飾部を拡大又は縮小するレンズと、
前記装飾部が前記待機位置に移動したときに
前記レンズに近接し、
前記装飾部に対する前記レンズの回転を規制する回動規制部と、を備える遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の遊技機では、遊技盤の前面に化粧板を貼り付け、その化粧板にシール等を貼り付けることで装飾部が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-95986号(段落[0074])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、装飾部の装飾が単調で、装飾部による装飾の興趣向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、遊技者に視認困難な待機位置と視認容易な演出位置との間を移動する装飾部と、前記装飾部に回転可能に支持されて前記装飾部の前方に配置され、前記装飾部を拡大又は縮小するレンズと、前記装飾部が前記待機位置に移動したときに前記レンズに近接し、前記装飾部に対する前記レンズの回転を規制する回動規制部と、を備える遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
装飾部による装飾の興趣向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】可動演出部材が分離状態に配置された状態の遊技盤の正面図
【
図3】可動役物装置が組み付けられた機構枠の正面図
【
図4】可動役物装置が組み付けられた機構枠の斜視図
【
図5】装飾部が合体状態のときの可動役物装置の正面図
【
図6】装飾部が合体状態のときの可動役物装置と機構枠の斜視図
【
図10】プロペラの(A)A-A断面図、(B)後方斜視図
【
図11】上側装飾部が待機位置に配置されたときのプロペラ周辺の斜視図
【
図13】(A)プロペラが停止しているときの装飾部の正面図、(B)プロペラが回転したときの装飾部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、
図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1の全体が視認可能となっている。遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている(
図2参照)。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0009】
図1に示されるように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
【0011】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
【0012】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側部分には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下側部分における横方向の中央部には、第1始動入賞口14Aが設けられている。第1始動入賞口14Aは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなして、常時開放している。
【0014】
第1始動入賞口14Aの下方には、第2始動入賞口14Bが設けられている。第2始動入賞口14Bは、前側に開放し、回動扉14Tによって開閉される。具体的には、回動扉14Tは、通常は、鉛直に起立した閉位置に配置され、上述の普通図柄当否判定で当りになると、下端部を中心に回動し、前倒しとなった開位置に配置される。開位置に配置された回動扉14Tは、上方から流下する遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと案内する。
【0015】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示画面13Gに表示される。特別図柄当否判定で当りになると、遊技状態が大当り遊技状態になって、大当り遊技が実行される。
【0016】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右下部分には、可動扉15ATによって開閉される第1大入賞口15Aが設けられている。また、表示装飾枠23の右側部には、可動翼片15BHによって開閉される第2大入賞口15Bが設けられている。第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bは、大当り遊技中に開放される。第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bが開放されるラウンド遊技が、大当り遊技の種類に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bに入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了する。
【0017】
遊技領域R1には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B、第1大入賞口15A及び第2大入賞口15Bのほか複数の一般入賞口20が設けられている。一般入賞口20は、第1始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなして、常時開放している。一般入賞口20に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出される。また、遊技領域R1には、何れの入賞口14A,14B,15A,15B,20にも入球しなかった遊技球を外部に排出するためのアウト口16が備えられている。
【0018】
遊技盤11の後側には、
図3に示される機構枠17が備えられている。機構枠17は、遊技盤11と略平行に配置される矩形枠状の主盤17Aと、主盤17Aの外縁部から前方に突出する包囲壁17Hと、からなる。なお、上述した表示装置13(
図2参照)は機構枠17の後側に配置され、表示装置13の表示画面13Gは、主盤17Aの中央開口17Kと遊技盤11の表示開口11Hとを通して遊技者に視認可能となっている。
【0019】
機構枠17には、可動役物装置40が組み付けられている。可動役物装置40は、支持ベース41と、支持ベース41に支持された装飾部50と、を備えている。
【0020】
図5及び
図6に示されるように、支持ベース41は、上下方向に直線状に延在して機構枠17の主盤17Aの左辺部と右辺部に前側から重ねられる1対のサイドベース42,42と、1対のサイドベース42,42の上端部どうしを連絡して主盤17Aの上辺部に前側から重ねられる上部ベース43と、からなる門形形状に形成されている。そして、1対のサイドベース42,42の間に、装飾部50が差し渡されている。
【0021】
図6に示されるように、1対のサイドベース42,42の互いの対向部分には、サイドランプ44が組み付けられている(
図6には、一方のサイドランプ44のみが示されている。)。具体的には、サイドランプ44は、上下方向に長い帯状に形成され、サイドベース42の上端寄り部分に組み付けられている。詳細には、
図8に示されるように、サイドランプ44は、複数の発光素子45Aを片面に搭載した発光基板45と、その発光基板45の片面を覆うカバープレート46と、を備えている。発光基板45は、複数の発光素子45Aの発光面が機構枠17の中央開口17Kを向くように傾斜している。即ち、サイドランプ44は、中央開口17Kに向かって光を照射する。なお、カバープレート46のうち発光素子45Aの発光面と対向する部分には、発光素子45Aの光を絞るための凸レンズ46Lが形成されている。
【0022】
図6に示されるように、上部ベース43の下部には、上部ランプ47が組み付けられている。具体的には、上部ランプ47は、横方向に長い帯状に形成され、上部ベース43の両端寄り部分についをなして組み付けられている。上部ランプ47は、サイドランプ44と同様の構造になっていて、上部ランプ47の発光基板(図示略)は、発光素子(図示略)の発光面が機構枠17の中央開口17Kを向くように傾斜している。従って、上部ランプ47も中央開口17Kに向かって光を照射する。
【0023】
本実施形態では、装飾部50は、上下方向に対向する上側装飾部51と下側装飾部52で構成されている。上側装飾部51と下側装飾部52は、直動駆動機構60(
図7参照)によって上下に駆動され、互いに接近、離間する。
【0024】
図7に示されるように、直動駆動機構60は、1対のサイドベース42,42のそれぞれに組み付けられている。直動駆動機構60は、サイドベース42の上下方向の中間部に組み付けられたモータ61と、モータ61により駆動されるピニオン62と、を備えている。また、直動駆動機構60には、ピニオン62の上側と下側で略鉛直に延びる1対の直動シャフト63,63と、1対の直動シャフト63,63に組み付けられた1対のスライダ64,64と、を備えている。スライダ64は、スライダ本体64Aと、そのスライダ本体64Aから鉛直に延びてピニオン62に噛合するラック64Bと、を備えた構造になっていて、1対のスライダ64,64は、ピニオン62からの動力を受けて、互いに接近、離間する。そして、1対のスライダ64,64のうち上側のスライダ64に上側装飾部51が固定され、下側のスライダ64に下側装飾部52が固定されている。
【0025】
上側装飾部51と下側装飾部52は、通常は、上下方向で最も離れる待機位置に配置される(
図3,4参照)。所定の演出条件が成立すると、上側装飾部51と下側装飾部52は、直動駆動機構60により駆動されて、上下方向で最も近接する演出位置に配置される(
図6,6参照)。そして、上側装飾部51と下側装飾部52が共に待機位置に配置されたときに、装飾部50は分離状態となり、上側装飾部51と下側装飾部52が共に演出位置に配置されたときに、装飾部50は合体状態となる。なお、装飾部50は、分離状態では、遊技盤11の後側に隠れて遊技者に視認困難となり(
図2参照)、合体状態では、機構枠17の中央開口17Kの中心部に前側から重なって(即ち、表示画面13Gに前側から重なって)、遊技者に視認可能となる。
【0026】
装飾部50が合体状態になると、上側装飾部51の前面51Mと下側装飾部52の前面52Mが一体となって、例えば、キャラクターの顔を模した装飾面50Mを構成する。このように、本実施形態では、通常は離れて配置されている上側装飾部51と下側装飾部52が合体したときに、1つの意匠を構成する装飾面50Mが完成するので、合体状態になったときの装飾部50にインパクトを持たせることが可能となる。なお、以下では、上側装飾部51の前面51Mと下側装飾部52の前面52Mを上側装飾面51Mと下側装飾面52Mと適宜呼ぶことにする。
【0027】
ところで、上述の如く、サイドベース42に組み付けられたサイドランプ44と、上部ベース43に組み付けられた上部ランプ47は、機構枠17の中央開口17Kに向かって光を照射するので、装飾面50Mは、サイドランプ44と上部ランプ47によって前側から照らされることになる。ここで、本実施形態では、装飾部50の装飾面50M(上側装飾面51Mと下側装飾面52M)は、金属調に装飾されている。これにより、サイドランプ44と上部ランプ47からの光を反射して、装飾部50を明るく見せることが可能となる。
【0028】
図5及び
図6に示されるように、可動役物装置40は、装飾部50の前側に、装飾面50Mを拡大するためのレンズ70を備えている。レンズ70は、装飾面50Mと略平行に配置され、装飾面50Mから起立した支柱71に支持されることで、装飾面50Mから一定の間隔をあけて保持されている。これにより、装飾面50Mの拡大の安定化が図られている。なお、装飾面50Mは、遊技盤11の前面と略平行になっていて、レンズ70は、遊技盤11の前面と略平行に配置される。
【0029】
本実施形態では、レンズ70は、支柱71の周りを回転可能に構成されている。具体的には、支柱71には、透明なプロペラ72が回転自在に取り付けられていて、レンズ70は、プロペラ72の羽根73の一部を構成している。
【0030】
詳細には、
図9及び
図10(B)に示されるように、羽根73は、レンズ70をフレーム74で縁取ってなり、フレーム74が、支柱71の前端部に取り付けられたハブ76と一体になっている。フレーム74は、レンズ70の外縁部に前側から重なり、レンズ70は、フレーム74と抜け止め片75との間に挟まれて、フレーム74に固定される。なお、レンズ70及び羽根73は、前方視略扇形状に形成され、ハブ76は、その扇形の中心に位置している。
【0031】
図8に示されるように、プロペラ72を回転駆動するプロペラ駆動モータ72Mは、支柱71の内部に組み付けられている。このように、本実施形態では、レンズ70を装飾面50Mから一定の間隔をあけて保持する支柱71が、レンズ70を回転させるプロペラ駆動モータ72Mの収容にも利用されている。
【0032】
図9及び
図10(A)に示されるように、レンズ70は、プロペラ72の回転軸(即ち、ハブ76の中心を通る軸)を中心とするフレネルレンズとなっている。本実施形態では、レンズ70の薄型化及び軽量化を図ることで、レンズ70の回転抵抗を抑制すると共に、プロペラ駆動モータ72M(
図8参照)にかかる負荷を低減可能となる。なお、フレネルレンズは、平凸レンズを同心円状の領域に分割して、厚みを減らしたものであり、本実施形態のレンズ70では、分割の間隔(ピッチ)が径方向で一定になっている。
【0033】
図5及び
図6に示されるように、本実施形態では、装飾面50Mは、略横長矩形状をなし、支柱71は、装飾面50Mの略中央から起立している。また、プロペラ72は、2枚の羽根73がハブ76から相反する方向に張り出した2枚羽根構造になっていて、プロペラ72の長手方向の長さは、装飾部50の横幅と略同じになっている。従って、プロペラ72が回転すると、レンズ70の移動範囲は装飾面50Mの略全体に重なる。なお、本実施形態では、上側装飾部51と下側装飾部52の上下の長さは略同じになっていて、支柱71は、上側装飾部51の下端部から起立している。
【0034】
本実施形態では、装飾部50が合体状態のときにプロペラ72が停止していると、2枚の羽根73が装飾面50Mの一部に重なり、レンズ70が装飾面50Mの一部を拡大する。そして、プロペラ72が回転すると、2枚の羽根73が支柱71を中心に回転し、装飾面50Mのうちレンズ70によって拡大される部分が支柱71を中心に回転する。このように、本実施形態では、装飾面50Mのうちレンズ70によって拡大される部分が移動するので、レンズ70によって拡大される部分が固定されている場合と比較して、装飾面50M(詳細には、装飾面50Mの一部)が動いているように見せることが可能となる。また、装飾面50Mにおいてレンズ70と重なる部分では、レンズ70によって拡大される瞬間とレンズ70によって拡大されない瞬間が交互に繰り返されるので、プロペラの回転速度を調整すれば、視覚の残像効果により、装飾面50Mが表す意匠(本実施形態では、キャラクターの顔)が近づいたり遠ざかったりする印象を遊技者に持たせることが可能となる。
【0035】
本実施形態では、装飾部50が合体状態から分離状態に変化するとき、プロペラ72は、停止して、長手方向が横向きとなるように配置される(
図3参照)。このとき、プロペラ72の羽根73は、その扇形において周方向に離れた2つの周方向端縁部73Aのうち一方の周方向端縁部73Aが上側を向き、他方の周方向端縁部73Aが下側を向く。
【0036】
上述の如く、支柱71は上側装飾部51から起立しているので、装飾部50が分離状態に変化すると、プロペラ72が上側装飾部51と一体に移動する。
図3及び
図4に示されるように、上側装飾部51は、待機位置に配置されると、門形ベース41の上部ベース43の裏側に隠れる。ここで、上部ベース43の下部中央には、切欠部43Kが形成されていて、支柱71は、切欠部43Kに受容される。なお、上部ベース43に組み付けられた上部ランプ47は、切欠部43Kの両側に配置されている。
【0037】
図3に示されるように、上側装飾部51が待機位置に配置されると、プロペラ72は、上部ベース43に前側から重なる。このとき、プロペラ72の2枚の羽根73は、上部ベース43の上端部に突設された1対の回転規制突部43T,43Tに下側から近接する。これにより、プロペラ72の回転が規制される。なお、回転規制突部43Tは、下方に向かうにつれて窄まる三角形状に形成され、その三角形のうち左右方向外側に臨む斜辺は、羽根73の周方向端縁部73A(詳細には、上側を向く周方向端縁部73A)に沿って配置される。
【0038】
ところで、
図3及び
図11に示されるように、上側装飾部51が待機位置に配置されたとき、羽根73の周方向端縁部73A(詳細には、上側を向く周方向端縁部73A)は、機構枠17の包囲壁17の上辺部に突き合わされる。このため、レンズ70の面積を大きくするために、羽根73の扇形の中心角を大きくしたり、該扇形の半径を大きくしたりすると、羽根73の周方向端縁部73Aが包囲壁17Hの上辺部と干渉するという問題が生じ得る。
【0039】
ここで、本実施形態では、
図9に示されるように、羽根73は、ハブ76を中心に有する扇形において、2つの周方向端縁部73Aのうちハブ76から離れた部位を切除した形状となっていて、レンズ70も羽根73と同形状に形成されている。具体的には、羽根73の周方向端縁部73Aにおける切除端73Eは、扇形の中心と円弧を2等分する点とを結ぶ直線に略平行となっていて、プロペラ72が停止しているとき、切除端73Eは、横方向に沿って配置される(
図3及び
図11参照)。本実施形態によれば、羽根73において、扇形の中心角を大きくしたり該扇形の半径を大きくしたりしたときに包囲壁17Hと干渉する部位が予め切除されているので、羽根73と包囲壁17Hとの干渉を避けつつ、レンズ70の面積を大きくすることが可能となる。
【0040】
ところで、
図5及び
図12に示されるように、装飾部50の装飾面50Mには、第1の模様からなる第1模様領域MR1と、第1の模様とは異なる第2の模様からなる第2模様領域MR2と、が設けられている。具体的には、第1の模様は、略ストライプ柄であって、第2の模様は、略ダイヤ柄となっている。なお、本実施形態では、第1模様領域MR1及び第2模様領域MR2が下側装飾部52の下側装飾面52Mに設けられているが、上側装飾部51の上側装飾面51Mに設けられてもよいし、上側装飾面51Mと下側装飾面52Mの両方に設けられてもよい。
【0041】
本実施形態では、下側装飾面52Mに格子状の土手部53が形成されている(
図6及び
図12参照)。そして、その土手部53に囲まれて該土手部53に対して後側に凹んだ窪み部54の奥面が、第1模様領域MR1又は第2模様領域MR2となっている。即ち、土手部53は、下側装飾面52Mを複数の領域に区画する仕切り部S1を構成している。
【0042】
図12に示されるように、土手部53は、下側装飾面52Mを上下に2分する横土手部53Aと、下側装飾面52Mを横方向に分割する複数の縦土手部53Bと、からなる。縦土手部53Bは、3つ以上である(即ち、下側装飾面52Mは、横方向で4以上に分割される。)ことが好ましく、本実施形態では、5つ(即ち、下側装飾面52Mは、横方向に6分割される。)となっている。なお、
図5に示されるように、隣り合う縦土手部53Bどうしの間隔は、プロペラ72の羽根73の扇形における弦の長さの略半分になっていて、下側装飾面52Mの前方をレンズ70が通過するとき、縦土手部53Bを挟んで隣り合う2つの窪み部54がレンズ70に重ねられる。
【0043】
図12に示されるように、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2は、横土手部53を挟むように上下に並べて配置される。また、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2は、縦土手部53Bを挟むように横方向に並べて配置される。具体的には、左から奇数番目の縦土手部53Bを第1縦土手部53B1と、左から偶数番目の縦土手部53Bを第2縦土手部53B2と、称することにすると、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2は、第2縦土手部53B2を挟むように配置され、第1縦土手部53B1を挟む2つの窪み部54には、同じ模様領域が形成されている。
【0044】
このように、本実施形態では、第1模模領域MR1と第2模様領域MR2は、横土手部53Aを挟んで上下に並べられると共に、第2横土手部53B2を挟んで横方向に並べられる。ここで、下側装飾面52Mは、装飾面50Mの中央部から起立する支柱71よりも下側に配置されるので(
図6参照)、プロペラ72が回転すると、レンズ70は、下側装飾面52Mの前方を、支柱71を中心として下方に膨む半円を描くように移動する。従って、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2は、レンズ70の位置に拘わらずレンズ70の移動方向と交差する方向に並ぶことになり、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2の両方が同時にレンズ70によって拡大されることになる。
【0045】
本実施形態では、レンズ70によって拡大される装飾部50の装飾面50M(詳細には、下側装飾面52M)に、第1の模様からなる第1模様領域MR1と、第1の模様とは異なる第2の模様からなる第2模様領域MR2と、が設けられているので、レンズ70による拡大に伴って2つの模様領域MR1,MR2の境界が移動するように見せることが可能となり(
図13(A)から
図13(B)への変化を参照。
図13(B)では、レンズ70を介して見える模様領域及び土手部にも、レンズ70を介さずに見える模様領域MR1,MR2及び土手部53と同一の符号が付されている。)、装飾面50Mに単一の模様が付されている場合と比較して、レンズ70による装飾面50Mの拡大を遊技者に認識させ易くなる。しかも、本実施形態では、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2は、仕切り部S1によって区画されるので、2つの模様領域MR1,M2の境界が遊技者に認識され易くなる。また、仕切り部S1は、土手部54によって構成されるので、仕切り部S1を立体的に見せることができると共に、仕切り部S1を目立ち易くすることが可能となる。
【0046】
本実施形態では、第1の模様と第2の模様は、共に、下側装飾面52Mに設けられた凹凸パターンによって形成されている。具体的には、
図12に示されるように、第1の模様は、縦方向に延びる複数の突条が間隔をあけて横並びにされることで形成され、第2の模様は、ピラミッド状の突部を格子状に並べて形成されている。本実施形態では、第1の模様と第2の模様が凹凸パターンにより形成されることで、サイドランプ44及び上部ランプ47(
図6参照)からの光の反射態様を第1模様領域MR1と第2模様領域MR2で異ならせることが可能となる。また、上述の如く、仕切り部S1は土手部53によって構成されるので、第1模様領域MR1又は第2模様領域MR2が形成された窪み部54と仕切り部S1との間でも光の反射態様を異ならせることが可能となり、第1模様領域MR1及び第2模様領域MR2と仕切り部S1との相違を際立たせることが可能となる。
【0047】
ところで、本実施形態では、仕切り部S1には、第1の模様とも第2の模様とも異なる第3の模様が付されている。具体的には、第3の模様は、ドット柄になっていて、土手部53の前面に複数の円形凹部を設けることで形成される。このように、本実施形態では、下側装飾面52Mには、少なくとも3種類の模様領域が設けられることになり、下側装飾面52Mの装飾効果を高めると共に、レンズ70による各模様領域の拡大を認識させ易くすることが可能となる。
【0048】
[他の実施形態]
(1)下側装飾面52Mの構成において、土手部53の前面と窪み部54の奥面に単一の模様を付してもよいし、模様を付さずに無地にしてもよい。この構成であっても、下側装飾面52Mがレンズ70によって拡大されると、その拡大に伴って土手部5(仕切り部S1)3が移動するように見せることが可能となるので、レンズ70による拡大を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0049】
(2)上記実施形態では、装飾部50は、分離・合体する複数の部材(上側装飾部51と下側装飾部52)で構成されていたが、1つの部材で構成されてもよい。この場合、装飾部50は、遊技盤11の前面に沿って移動してもしなくてもよい。装飾部50が移動する場合には、上記実施形態と同様、機構枠17の包囲壁17Hとの干渉を避けるために、プロペラ72の羽根73に切除端73Eを形成すればよい。
【0050】
(3)上記実施形態において、プロペラ72を支持する支柱71は、装飾部50の前側を上下動する支持ベースに支持されてもよい。この場合であっても、支持ベースを、透明に形成すれば、装飾部50の装飾面50Mをレンズ70で拡大することが可能となる。さらに、この構成において、レンズ70は、支柱71に対して固定されてもよい。具体的には、プロペラ72が支柱71に対して回転不能に固定されてもよいし、レンズ70を横長な帯状に形成して、その中心が支柱の前面に固定される構成としてもよい。なお、支持ベースと装飾面50Mの間隔を一定に保つスペーサを備えれば、レンズ70の拡大の安定化が図られる。
【0051】
(4)上記(3)の構成において、支持ベースは、機構枠17に対して固定されてもよい。
【0052】
(5)上記実施形態において、仕切り部S1を設けずに、第1模様領域MR1と第2模様領域MR2が隣接する構成であってもよい。
【0053】
(6)上記実施形態において、レンズ70は、遊技盤11の前面に沿って移動すればよく、例えば、上下又は左右に直動する構成であってもよいし、円弧状に回動する構成であってもよい。このような構成であっても、レンズ70によって、装飾面50Mの一部を拡大し、その拡大される部分を移動させることができるので、装飾面50Mの一部が動くように見せることが可能となる。
【0054】
(7)上記実施形態において、レンズ70を備えない構成としてもよい。このようのあ構成であっても、装飾部50の装飾面50Mには、少なくとも2種類の模様領域が形成されるので、装飾面50Mが無地である場合や装飾面50Mに単一の模様が付されている場合と比較して、装飾部50による装飾の興趣向上が図られる。なお、装飾面50Mに設けられた模様領域が凹凸パターンで形成される場合には、上記実施形態の如く、装飾部50に光が照射されることで、光の反射態様を異ならせることが可能となる。
【0055】
(8)上記実施形態において、第1模様領域MR1及び第2模様領域MR2の一方又は両方が平坦面に形成されてもよい。また、装飾面52Mを平坦にして、第1模様領域MR1及び第2模様領域MR2と仕切り部S1とが同一平面に配置されてもよい。
【0056】
(9)土手部53の前面を平坦にして、仕切り部S1を無地にしてもよい。この場合、仕切り部S1には、第3の模様が付されないことになる。
【0057】
(10)上記実施形態では、レンズ70は、支柱71の周りに複数備えられていたが、1つのみ備えれてもよい。具体的には、レンズ70は、支柱71に中心が重ねられる円の一部が切除された形状に形成されてもよい。
【0058】
(11)上記実施形態において、レンズ70を構成するフレネルレンズの中心は、プロペラ72の回転軸からずれて配置されてもよい。この場合、2枚の羽根73に備えられた2つのレンズ70の間で、フレネルレンズの中心は一致してもよいし、一致しなくてもよい。なお、上記実施形態のように、フレネルレンズの中心がプロペラ72の回転軸に重ねられる構成であれば、レンズ70の回転によって、装飾面50Mの意匠を接近、離間するように見せる際に、その意匠の中心の位置がずれて見えることが抑制される。
【0059】
(12)上記実施形態において、拡大倍率又は縮小倍率の異なる複数種類のレンズ70を支柱71の周りに回転可能に備える構成としてもよい。具体的には、支柱71に中心が重なる円盤を周方向に複数分割して、それら分割領域を複数種類のレンズ70で構成してもよい。この場合、複数種類のレンズ70が支柱71の周りを回転することによって、装飾面50Mの拡大又は縮小の度合いを異ならせることが可能となる。
【0060】
以下、上述の各実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0061】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「特許文献A(特開2001-95986号(段落[0074]))に開示の遊技機では、遊技盤の前面に化粧板を貼り付け、その化粧板にシール等を貼り付けることで装飾部が構成されている。」という背景技術について、「従来の遊技機では、装飾部の装飾が単調で、装飾部による装飾の興趣向上が求められている。」という課題をもってなされたものである。
【0062】
[特徴A1]
遊技者に視認可能な装飾面(装飾面50M)を有する装飾部(装飾部50)と、
前記装飾面の少なくとも一部を拡大又は縮小するためのレンズ(レンズ70)と、を有する遊技機(遊技機10)。
【0063】
本特徴に示す構成では、装飾面の少なくとも一部が拡大又は縮小されることで、装飾部の興趣向上が図られる。
【0064】
[特徴A2]
前記レンズは、前記装飾面に対して前記装飾面と略平行な面に沿って相対移動可能に構成されている、特徴A1に記載の遊技機。
【0065】
本特徴に示す構成では、装飾面がレンズと重なったときに拡大又は縮小されるので、装飾部が近づいたり、遠ざかったりするように見せることができる。
【0066】
[特徴A3]
前記装飾面の中心部を通る軸を中心に回転可能な複数の突片(羽根73)を有し、
前記レンズは、前記複数の突片に備えられている、特徴A2に記載の遊技機。
【0067】
本特徴に示す構成では、装飾面のうちレンズによって拡大又は縮小される部分を装飾面の中心部を通る軸を中心に回転させることができる。そして、レンズの回転速度を調整することで、装飾面の全体が拡縮するように見せることが可能となる。
【0068】
[特徴A4]
前記レンズは、フレネルレンズである、特徴A3に記載の遊技機。
【0069】
本特徴に示す構成では、レンズを薄く軽くすることができるので、回転によってレンズにかかる負荷を抑えることが可能となる。
【0070】
[特徴A5]
前記装飾部の少なくとも一部は、遊技者に視認困難な原点位置(
図3及び
図4に示される上側装飾部51の待機位置)と遊技者に視認可能な演出位置との間を移動可能な移動装飾部(上側装飾部51)によって構成され、
前記レンズは、前記移動装飾部と一体に移動可能であって、少なくとも前記移動装飾部を拡大又は縮小するように構成されている、特徴A3又はA4に記載の遊技機。
【0071】
本特徴に示す構成では、遊技者に視認困難な状態から遊技者に視認可能な状態に変化する移動装飾部がレンズによって拡大又は縮小されるので、移動装飾部が単に視認可能な状態になる場合と比較して、移動装飾部の興趣向上が図られる。
【0072】
[特徴A6]
前記複数の突片は、前記移動装飾部が前記原点位置に配置されるときには停止状態にされると共に、前記原点位置に配置された前記移動装飾部の周辺の部材(機構枠17の包囲壁17H)と干渉しない形状に形成されている、特徴A5に記載の遊技機。
【0073】
本特徴に示す構成では、複数の突片と移動装飾部の周辺の部材との干渉が抑制される。
【0074】
[特徴A7]
前記複数の突片は、前記停止状態において前記移動装飾部の移動方向と交差する方向に並べて配置され、
前記複数の突片のそれぞれは、前記装飾面の中心部を通る軸上に中心を有する扇形において周方向に離れた両端部のうち該中心から離れた部位を切除した形状に形成されている、特徴A6に記載の遊技機。
【0075】
本特徴に示す構成では、複数の突片と移動装飾部の周辺の部材との干渉を抑制しつつ、各突片における扇形の中心角と半径を大きくとることが可能となる。その結果、レンズの面積を大きくすることが可能となり、装飾部の拡縮効果の低減が抑制される。
【0076】
[特徴A8]
前記装飾面と平行な面に沿って移動して、遊技者に視認困難な原点位置と遊技者に視認可能な演出位置とに配置される移動ベース(上側装飾部51)を有し、
前記レンズは、前記移動ベースに支持されて、前記原点位置に配置された前記移動部材の周辺の部材と干渉しない形状に形成されている、特徴A2乃至A4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0077】
本特徴に示す構成では、レンズと移動部材の周辺の部材との干渉が抑制される。
【0078】
[特徴A9]
前記装飾面と前記レンズとの距離を一定に保持する保持手段(支柱71)と、を有する、特徴A1~A8のうち何れか1に記載の遊技機。
【0079】
本特徴に示す構成では、装飾面の拡縮の安定化が図られる。
【0080】
[特徴A10]
前記レンズは、前記装飾面に対して前記装飾面と略平行な面に沿って相対移動可能に構成され、
前記保持手段は、前記レンズが任意の位置に配置されても前記装飾部と前記レンズとの距離を一定に保持するように構成された、特徴A9に記載の遊技機。
【0081】
本特徴に示す構成では、装飾面がレンズと重なったときに拡大又は縮小されるので、装飾部が近づいたり、遠ざかったりするように見せることができる。また、レンズの位置によって、装飾面の拡縮度合が変化することが抑制される。
【0082】
[特徴A11]
前記レンズは、前記装飾面から起立した起立部(支柱71)に支持され、
前記保持手段は、前記起立部で構成されている、特徴A9又はA10に記載の遊技機。
【0083】
本特徴に示す構成では、起立部によってレンズを支持しつつ、装飾面とレンズとの間の距離を一定に保つことが可能となる。
【0084】
[特徴A12]
前記起立部に回転可能に支持された複数の突片を有し、
前記レンズは、前記複数の突片のそれぞれに備えられている、特徴A10に従属する特徴11に記載の遊技機。
【0085】
本特徴に示す構成では、装飾面のうちレンズによって拡大又は縮小される部分を、起立部を中心に回転させることができる。そして、複数の突片の回転速度を調整することで、装飾面の全体が拡縮するように見せることが可能となる。
【0086】
[特徴A13]
前記起立部には、前記複数の突片を回転駆動するモータ(プロペラ駆動モータ72M)が収容されている、特徴A12に記載の遊技機。
【0087】
本特徴に示す構成では、複数の突片を支持する起立部に複数の突片を回転駆動するモータが収容されているので、複数の突片の回転機構をコンパクトにすることが可能となる。
【0088】
[特徴A14]
前記レンズは、フレネルレンズである、特徴A12又はA13に記載の遊技機。
【0089】
本特徴に示す構成では、レンズを薄く軽くすることができるので、回転によってレンズにかかる負荷を抑えることが可能となる。
【0090】
[特徴A15]
遊技者に視認可能な装飾面(装飾面50M)を有する装飾部(装飾部50)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記装飾面の少なくとも一部の視認態様を変更可能な変更手段を有する、遊技機。
【0091】
本特徴に示す構成では、装飾面の少なくとも一部の視認態様が変更されることで、装飾部の興趣向上が図られる。
【0092】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、遊技機に関し、「特許文献B(特開2001-95986号(段落[0074]))に開示の遊技機では、遊技盤の前面に化粧板を貼り付け、その化粧板にシール等を貼り付けることで装飾部が構成されている。」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機では、装飾部の装飾が単調で、装飾部による装飾の興趣向上が求められている。」という課題をもってなされたものである。
【0093】
[特徴B1]
遊技者に視認可能な装飾面(装飾面50M)を有する装飾部(装飾部50)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記装飾面には、第1の模様からなる第1模様領域(第1模様領域MR1)と、前記第1の模様とは異なる第2の模様からなる第2模様領域(第2模様領域MR2)と、が設けられている、遊技機。
【0094】
[特徴B2]
前記第1の模様と前記第2の模様は、前記装飾面に形成された凹凸パターンによって形成され、前記第1の模様を形成する凹凸パターンと前記第2の模様を形成する凹凸パターンとが異なっている、特徴B1に記載の遊技機。
【0095】
特徴B1に示す構成では、装飾部の装飾面に単一の模様が付されている場合と比較して、装飾部の趣向性向上が図られる。
【0096】
ここで、「模様」は、無地でないものを意味し、色彩によって形成されてもよいし、凹凸パターンにより形成されてもよいし、それらの組合せによって形成されてもよい。なお、第1の模様と第2の模様が凹凸パターンにより形成される場合、第1の模様と第2の模様を立体的に見せることが可能となる(特徴B2)。
【0097】
[特徴B3]
前記装飾面の少なくとも一部を拡大又は縮小するためのレンズ(レンズ70)を有する、特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0098】
本特徴に示す構成では、装飾部の装飾面の少なくとも一部が拡大又は縮小されることで趣向性の向上が図られる。
【0099】
[特徴B4]
前記レンズは、前記装飾面に沿って移動可能に構成され、
前記第1模様領域と前記第2模様領域が前記レンズの移動方向と交差する方向に沿って並べられている、特徴B3に記載の遊技機。
【0100】
本特徴に示す構成では、第1模様領域と第2模様領域の両方を拡大又は縮小することが可能となる。また、単一の模様が拡大又は縮小される場合と比較して、模様の拡大又は縮小を認識させ易くすることが可能となる。
【0101】
[特徴B5]
前記装飾面の中心部を通る軸を中心に回転可能な複数の突片(羽根73)を有し、
前記レンズは、前記複数の突片に備えられている、特徴B4に記載の遊技機。
【0102】
本特徴に示す構成では、装飾面のうちレンズによって拡大又は縮小される部分を装飾面の中心部を通る軸を中心に回転させることができる。そして、複数の突片の回転速度を調整することで、装飾面の全体が拡縮するように見せることが可能となる。
【0103】
[特徴B6]
前記レンズは、フレネルレンズである、特徴B5に記載の遊技機。
【0104】
本特徴に示す構成では、レンズを薄く軽くすることができるので、回転によってレンズにかかる負荷を抑えることが可能となる。
【0105】
[特徴B7]
前記装飾面に光を照射するための発光手段(サイドランプ44、上部ランプ47)を有する、特徴B1乃至B6のうち何れか1に記載の遊技機。
【0106】
本特徴に示す構成では、装飾面を目立たせることができ、第1模様領域と第2模様領域の相違を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。特に、特徴B2に示す構成のように、第1の模様と第2の模様とが装飾面の凹凸パターンで形成される場合には、第1模様領域と第2模様領域の間で光の反射態様を異ならせることが可能となり、第1模様領域と第2模様領域の相違を際立たせることが可能となる。
【0107】
[特徴B8]
前記装飾面には、前記第1模様領域と前記第2模様領域を区画する区画領域(仕切り部S1)が設けられている、特徴B1乃至B7のうち何れか1に記載の遊技機。
【0108】
本特徴に示す構成では、第1模様領域と第2模様領域の範囲を遊技者に認識し易くすることが可能となる。
【0109】
[特徴B9]
前記区画領域は、前記第1模様領域及び前記第2模様領域に対して突出する土手状に形成されている、特徴B8に記載の遊技機。
【0110】
本特徴に示す構成では、第1模様領域及び第2模様領域に対して区画領域が突出するので、装飾面を立体的に見せることが可能となる。特に、特徴B7に示す構成のように、装飾面に光を照射するための発光手段を有する場合には、第1模様領域及び第2模様領域と区画領域との間で光の反射態様を異ならせることが可能となり、第1模様領域及び第2模様領域と区画領域との相違を際立たせることが可能となる。
【0111】
[特徴B10]
前記区画領域には、前記第1の模様及び前記第2の模様とは異なる第3の模様が付されている、特徴B8又はB9に記載の遊技機。遊技機。
【0112】
本特徴に示す構成では、装飾面に少なくとも3種類の模様が付されることとなり、装飾部による装飾の興趣向上が図られる。
【0113】
[特徴B11]
遊技者に視認可能な装飾面(装飾面50M)を有する装飾部(装飾部50)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記装飾面を複数の領域に区画する仕切り部(仕切り部S1)を有する、遊技機。
【0114】
本特徴に示す構成では、装飾部の装飾面に単一の模様が付されている場合と比較して、装飾部の趣向性向上が図られる。
【0115】
なお、特徴A15に示される構成に特徴A1~A14に示される構成が適宜組み合わされてもよい。また、特徴B1~B10に示される構成と特徴B11に示される構成が適宜組み合わされてもよい。さらに、特徴A1~A14に示される構成と特徴B1~B11に示される構成は、適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 遊技機
17 機構枠
40 可動役物装置
50 装飾部
50M 装飾面
51 上側装飾部
52 下側装飾部
70 レンズ
71 支柱
73 羽根