IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンカの特許一覧

<>
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図1
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図2
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図3
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図4
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図5
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図6
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図7
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図8
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図9
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図10
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図11
  • 特許-スタッキング可能なコンテナ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】スタッキング可能なコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/032 20060101AFI20221201BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20221201BHJP
   B65D 90/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D88/12 D
B65D90/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020094162
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021187494
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-032182(JP,A)
【文献】特開2005-213022(JP,A)
【文献】実開昭54-58915(JP,U)
【文献】特開2002-308277(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131622(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/032
B65D 88/12
B65D 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口形の方形収納体の上部に載置受部が設けられているとともに、積み重ねる別のコンテナの前記方形収納体の前記載置受部に載置させる載置部が設けられているスタッキング可能なコンテナであって、
前記方形収納体は、少なくとも前記方形収納体の上部に前記別のコンテナの方形収納体をスタッキングした際に不動に構成されている不動基体部に、前記方形収納体の側壁を構成する傾動側壁部が外側へ傾動自在に設けられた構成とされ、
前記傾動側壁部には、立設側壁構成時に水平底板となる傾動底板部が内側に水平突設されていて、傾斜側壁構成時はこの傾動底板部も外側下がり傾斜底板となるように構成され、
前記傾動側壁部と前記不動基体部とには、前記傾動側壁部の傾動がガイドされ所定傾動位置に保持させる傾動ガイド機構が設けられ、
この傾動ガイド機構により、スタッキング状態のままで所定傾動位置まで前記傾動側壁部および前記傾動底板部が傾動自在に構成されていて、
このスタッキング状態で前記傾動側壁部を外側に傾動させることで前記方形収納体の上部に、この方形収納体の上部開口部と連設され前記傾動底板部上へ収納物を出し入れできる取り出し用開口部が設けられるように構成されており、
前記方形収納体の対向する一対の側壁部および底部が前記不動基体部として構成され、この不動基体部の側壁部の上部に前記載置受部が設けられているとともに、前記不動基体部の前記底部に前記載置部が設けられ、
前記方形収納体の他の一対の側壁部の双方が前記傾動側壁部に構成されていることを特徴とするスタッキング可能なコンテナ。
【請求項2】
前記傾動側壁部の上部に、前記傾動底板部上に収納される前記収納物としてのボトルの上部を掴むためのボトル取り出し用切り欠き開口部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスタッキング可能なコンテナ。
【請求項3】
前記傾動側壁部に、この傾動側壁部と隣り合う前記不動基体部の側壁部に摺動自在に重合される重合ガイド板が設けられ、この側壁部と重合ガイド板とに設けられたガイド穴とガイドピンとで前記傾動ガイド機構が構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のスタッキング可能なコンテナ。
【請求項4】
前記方形収納体の中央に、この方形収納体内を分断して前記傾動底板部上に収納させる前記収納物としてのボトルを誘導載置収納させる仕切り部が設けられていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のスタッキング可能なコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ボックスとして使用し、積み重ねできる(スタッキング可能な)コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナなどの上部開口形の箱型の蓋あり・蓋なし収納体において、各部板部を展開できたり、折りたためたり、側壁部が外側に倒せたり、たとえば特許文献1に示すように変形自在に構成されているものなど、様々な構成のものが開発されている。
【0003】
しかし、スタッキング可能なコンテナにおいて、スタッキングして積み重ね収納した状態で、このスタッキング状態のまま側壁部を外側に傾動することで、この側壁部側の上部にスタッキング状態でも取り出しできる取り出し用開口部が開口するとともに、これに連動して底板部もスタッキング状態のまま外側下がり傾斜して、たとえばこの底板部上に収納したボトルがスタッキング状態のまま外側に傾動して前記上部の取り出し用開口部から出し入れできるコンテナは、提案されていない。
【0004】
すなわち、スタッキング可能なコンテナでありながら、必要に応じてスタッキング収納したままで、下のコンテナの一部の側壁部を外側に傾動させて、たとえば収納するボトルを取り出しできるように切り替え可能となるコンテナは、提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-32182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スタッキング可能なコンテナでありながら、必要に応じてスタッキング収納したままで、下のコンテナの一部の側壁部を外側に傾動させて、たとえば収納するボトルを取り出しできるように切り替えることが可能となる極めて実用性に優れたスタッキング可能なコンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
上部開口形の方形収納体1の上部に載置受部2が設けられているとともに、積み重ねる別のコンテナの前記方形収納体1の前記載置受部2に載置させる載置部3が設けられているスタッキング可能なコンテナであって、前記方形収納体1は、少なくとも前記方形収納体1の上部に前記別のコンテナの方形収納体1をスタッキングした際に不動に構成されている不動基体部4に、前記方形収納体1の側壁を構成する傾動側壁部5が外側へ傾動自在に設けられた構成とされ、前記傾動側壁部5には、立設側壁構成時に水平底板となる傾動底板部6が内側に水平突設されていて、傾斜側壁構成時はこの傾動底板部6も外側下がり傾斜底板となるように構成され、前記傾動側壁部5と前記不動基体部4とには、前記傾動側壁部5の傾動がガイドされ所定傾動位置に保持させる傾動ガイド機構7が設けられ、この傾動ガイド機構7により、スタッキング状態のままで所定傾動位置まで前記傾動側壁部5および前記傾動底板部6が傾動自在に構成されていて、このスタッキング状態で前記傾動側壁部5を外側に傾動させることで前記方形収納体1の上部に、この方形収納体1の上部開口部16と連設され前記傾動底板部6上へ収納物15を出し入れできる取り出し用開口部17が設けられるように構成されており、前記方形収納体1の対向する一対の側壁部8および底部9が前記不動基体部4として構成され、この不動基体部4の側壁部8の上部に前記載置受部2が設けられているとともに、前記不動基体部4の前記底部9に前記載置部3が設けられ、前記方形収納体1の他の一対の側壁部10の双方が前記傾動側壁部5に構成されていることを特徴とするスタッキング可能なコンテナに係るものである。
【0009】
また前記傾動側壁部5の上部に、前記傾動底板部6上に収納される前記収納物15としてのボトル15の上部を掴むためのボトル取り出し用切り欠き開口部11が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスタッキング可能なコンテナに係るものである。
【0010】
また前記傾動側壁部5に、この傾動側壁部5と隣り合う前記不動基体部4の側壁部8に摺動自在に重合される重合ガイド板12が設けられ、この側壁部8と重合ガイド板12とに設けられたガイド穴13とガイドピン14とで前記傾動ガイド機構7が構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のスタッキング可能なコンテナに係るものである。
【0011】
また前記方形収納体1の中央に、この方形収納体1内を分断して前記傾動底板部6上に収納させる前記収納物15としてのボトル15を誘導載置収納させる仕切り部28が設けられていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のスタッキング可能なコンテナに係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、スタッキング可能なコンテナでありながら、必要に応じてスタッキング状態のままでも、下のコンテナの一部の側壁部を外側に傾動させて、収納物を容易に取り出しできるように切り替え可能な構成となり、スタッキング状態でも収納物の出し入れが容易となる極めて実用性に優れたスタッキング可能なコンテナとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施例の斜視図である。
図2】本実施例の片側の傾動側壁部を傾動した状態の斜視図である。
図3】本実施例の両側の傾動側壁部を傾動した状態の斜視図である。
図4】本実施例の(傾動側壁部側)正面図である。
図5】本実施例の(不動の側壁部側)側面図である。
図6】本実施例の傾動側壁部を傾動した状態の(不動の側壁部側)側面図である。
図7】本実施例の平面図である。
図8】本実施例の底面図である。
図9】本実施例のスタッキング状態で下側の方形収納体の傾動側壁部を傾動した状態の説明斜視図である。
図10】本実施例のスタッキング状態で下側の方形収納体の傾動側壁部を傾動した状態の(不動の側壁部側)側面図である。
図11】本実施例のスタッキング状態で下側の方形収納体の傾動側壁部を傾動した状態のペットボトル収納状態での説明斜視図である。
図12】本実施例のネスティング状態の(不動の側壁部側)説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0015】
上部開口形の方形収納体1の上部の載置受部2に、積み重ねる別のコンテナの前記方形収納体1の下部の載置部3を載置して、この方形収納体1の上部に前記別のコンテナの方形収納体1をスタッキングした際に、この方形収納体1の少なくともスタッキング時には不動に構成されている不動基体部4に対して、この方形収納体1の一部の側壁部10を構成する(外側に傾動自在に構成された)傾動側壁部5を外側に傾動させる。
【0016】
具体的には、方形収納体1の一対の対向する側壁部8を不動基体部4に構成し、且つこの他の一対の側壁部10を外側へ傾動自在な傾動側壁部5に構成し、この傾動側壁部5を必要に応じて、たとえば傾動ロック機構25を解除して、傾動ガイド機構7により所定傾動位置に傾動させる。
【0017】
この際、たとえこのようにスタッキング状態のままでも、傾動側壁部5を外側に傾動させることで方形収納体1の上部に、この方形収納体1の上部開口部16と連設され前記傾動底板部6上へ収納物15を出し入れできる取り出し用開口部17が設けられることとなる。
【0018】
すなわち、この傾動側壁部5には、立設側壁構成時に水平底板となる傾動底板部6が内側に水平突設されていて、傾動ガイド機構7にガイドされて、傾動側壁部5を前記不動基体部4に対して外側に傾動させて所定傾動位置に保持させると、傾動底板部6も傾動して外側下がり傾斜し、たとえばこの傾動底板部6上の収納物15(たとえば縦置き状態に並設収納したボトル15)の上部が、開放した前記取り出し用開口部17から臨み、たとえスタッキング状態でも取り出しが容易となる。
【0019】
また、たとえば、傾動側壁部5の上部に、前記傾動底板部6上に収納される前記収納物15としてのボトル15の上部を掴むためのボトル取り出し用切り欠き開口部11を設ければ、一層傾動側壁部5の上部の取り出し用開口部17からこのボトル15を掴み引き出し易くなるとともに、傾動角度を小さく設計することも可能となる。
【実施例
【0020】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例では、上部開口形の方形収納体1の不動基体部4とする短辺の一対の対向側壁部8の上部に載置受部2が設けられているとともに、積み重ねる別のコンテナの前記方形収納体1の前記載置受部2に載置させる載置部3が底部9に設けられているスタッキング可能なコンテナで、スタッキングしなくても常に不動に構成されている不動基体部4である一対の側壁部8及び底部9に対して、前記方形収納体1の長辺の一対の対向側壁部10を構成する双方の側壁部10をその下縁部を底部9の外側縁部に回動自在に軸着してこのヒンジ部29を介して外側へ傾動自在に設けて、この対向側壁部10の双方を傾動側壁部5として構成している。
【0022】
また本実施例のこの傾動側壁部5には、立設側壁構成時に水平底板となる傾動底板部6を内側に水平突設し、傾斜側壁構成時はこの傾動底板部6も傾動側壁部5とのなす角を保持して傾動しこの傾動底板部6が外側下がり傾斜底板となるように構成している。
【0023】
具体的には対向するこの傾動側壁部5に、底部9上に重合し互いに内側縁が付き合うように傾動底板部6を直角にして内側に突設した構成としている。
【0024】
また前記傾動側壁部5と前記不動基体部4とには、前記傾動側壁部5の傾動がガイドされ所定傾動位置に保持させる傾動ガイド機構7を設け、この傾動ガイド機構7により、スタッキング状態で所定傾動位置まで前記傾動側壁部5および前記傾動底板部6が傾動できる構成としている。
【0025】
すなわち、本実施例では、このスタッキング状態であってもそれぞれ適宜前記傾動側壁部5を外側に傾動させることで、前記方形収納体1のこの傾動側の上部に、この方形収納体1の上部開口部16と連設され前記傾動底板部6上へ収納物15を出し入れできる取り出し用開口部17が設けられる構成としている。
【0026】
さらに説明すると、前記方形収納体1の短辺の一対の側壁部8および底部9を前記不動基体部4とし、この不動基体部4の各側壁部8の上部に前記載置受部2を設け、前記不動基体部4の前記底部9に前記載置部3を設けている。
【0027】
そして前記方形収納体1の他の長辺の一対の側壁部10の双方の側壁部10を前記傾動側壁部5に構成している。
【0028】
さらに、前記傾動側壁部5の上部に、前記傾動底板部6上に収納される前記収納物15としてのボトル15の上部を掴むためのボトル取り出し用切り欠き開口部11を設けている。
【0029】
したがって、たとえば、前記傾動底板部6上に前記収納物15としてのボトル15を並設収納した場合、このボトル取り出し用切り欠き開口部11を介して露出しているボトル15の頭部を掴み、傾動側壁部5の上部の取り出し用開口部17からこのボトル15を引き出し易くなる構成としている。また逆に収納するときもこのボトル取り出し用切り欠き開口部11から差し入れるようにして取り出し用開口部17から、傾動している傾動側壁部5の内側に沿わせて傾動底板部6上に差し込み投入でき、たとえスタッキング状態で上部が閉塞していても、またスタッキングでなく蓋部で上部開口部16が閉塞されている状態でも、容易にして瞬時に投入収納できる構成としている。
【0030】
しかも、本実施例では、前述のように傾動側壁部5は両側に設けたから、適宜必要に応じて出し入れしたい側の傾動側壁部5を外側に傾動して出し入れできるため、極めて実用性に優れる。
【0031】
また本実施例では、各傾動側壁部5の両側に、この傾動側壁部5と隣り合う前記不動基体部4の側壁部8に摺動自在に重合させた重合ガイド板12を設け、この側壁部8と重合ガイド板12とに設けられた弧状のガイド穴13とガイドピン14とで前記傾動ガイド機構7を構成して、この両側での摺動とガイド穴13とガイドピン14の係合によりスムーズに安定性よく傾動させることができ、ガイド穴13の長さの設定により所定傾動位置、すなわち傾動側壁部5の開放傾動時の停止保持角度を設定することができる構成としている。
【0032】
また方形収納体1の中央に、この方形収納体1内を分断して前記傾動底板部6上に収納させる前記収納物15としてのボトル15を誘導載置収納させる仕切り部28を設けている。
【0033】
この仕切り部28は、丁度双方の傾動底板部6が突き合う中央部を横断する位置(方形収納体1の長辺長さ方向に平行)に、底部9から立設状態に板材を仕切り部28として設けてもよいが、本実施例では、方形収納体1の長辺長さ方向に平行にして中央部所定高さに、仕切り部28としてベルト体を短辺の側壁部8間に着脱自在に張設した構成としている。
【0034】
また、本実施例の短辺の不動基体部4を構成する一対の側壁部8もスタッキングしていないときには傾動できるように設けてもよいし、また係止ロックして必要に応じて傾動自在となるようにしてもよいが、本実施例では、この短辺の一対の側壁部8は常時不動な不動基体部4とし、不動基体部4の底部9から立設した構成とし、この側壁部8の上部にも切り欠き開口部19を設けて、この切り欠き開口部19に架設するように革バンドを付設して持ち上げ用の把手部18を設けている。
【0035】
また本実施例では、前述したように上部開口形の方形収納体1の上部に載置受部2が設けられているとともに、積み重ねる別のコンテナの前記方形収納体1の前記載置受部2に載置させる載置部3が下部に設けられていて、前記方形収納体1の上部の前記載置受部2に前記別のコンテナの方形収納体1の下部の前記載置部3を載置してスタッキング可能な構成とされているとともに、この載置部3に外側への突出長さが調整自在となる突出度切り替え機構20を設けた構成とし、この突出度切り替え機構20により突出長さが長いときこの載置部3は前記載置受部2に載置されスタッキング可能な構成となり、短いときまたは突出していないときこの載置部3は載置受部2には載置されず前記別のコンテナの方形収納体1内に入れ込まれ重ね収納されネスティング可能な構成となるように構成している。
【0036】
この突出度切り替え機構20は、前記方形収納体1の底部9に、この底面に沿ってスライドガイド機構21を介してスライド部22をスライド突出自在に設けた構成とし、この突出したスライド部22が前記載置受部2に載置される前記載置部3として構成し、このスライド部22は、前記底部9に設けられたスライドガイド機構21にガイドされ先端部がこの底部9から外側に所定突出長まで水平スライド突出するように構成している。
【0037】
具体的には、このスライド部22は、棒状部23を有する形状に設けられてスタッキング時上側に位置したときの物掛け部23となるように構成している。
【0038】
さらに説明すると、前記突出度切り替え機構20の前記方形収納体1の底部9底面に沿って水平スライド自在に設けられた前記スライド部22は、この方形収納体1の前記底部9の辺縁部幅いっぱいに設けられた前記棒状部23を有して、前記物掛け部23となるこの棒状部23は前記底部9の辺縁部に平行でこの辺縁部から外側に離間突出自在に構成している。
【0039】
また具体的には本実施例のこのスライド部22は、平面視コ字状体で構成され、このコ字状体の架設部および対向部が前記棒状部23として構成され、この対向部が前記スライドガイド機構21により前記方形収納体1の前記底部9底面に沿って水平スライドされ先端部が前記載置部3として構成されている。
【0040】
したがって、ネスティング時には、このスライド部22は底部9底面に沿わせて収納させておくことができ、またスタッキング時にはこれを引き出し、スライド部22の先端の架設部の棒状部23を辺縁部に平行にして離間するように引き出すと、このスライド部22の対向部が底部9の辺縁部から外側に突出し、これが載置受部2として設けた側壁部8の上縁の係止溝部に係止し安定性良く位置決め状態に載置できる載置部3として機能するように構成している。
【0041】
このスタッキング時に突出させた辺縁部と平行なスライド部22の棒状部23は、物掛け部として機能するが、上部の前記把手部18とは別の底部把手部としても機能する。
【0042】
またこのコ字状棒体で構成したスライド部22の対向部をスライドガイド機構21として設けた管状の挿通ガイド部26内をスライドするように構成し、この対向部の基部端部に折り曲げ部を設け、所定長以上突出しないように構成している。
【0043】
また本実施例では、不動基体部4として設けた底部9および短辺の側壁部8に外側から重合するように前記傾動ガイド機構7の重合ガイド板12を双方の傾動側壁部5の左右に連設し、この重合ガイド板12に設けたガイドピン14を前記短辺の側壁部8に設けた弧状のガイド穴13にスライド自在に係合し、この傾動側壁部5を下縁部のヒンジ部29を介して底部9および短辺の側壁部8に対して傾動自在に構成している。
【0044】
また前記短辺の側壁部8の上部には前記傾動側壁部5の上部内側に重合する重合突出部を連設し、この重合突出部に係合縁部を設け、この係合縁部に回動させて着脱自在に係合させる傾動ロック用の回動係合部を傾動側壁部5の上部に設けて傾動ロック機構25を構成している。
【0045】
また本実施例では、ネスティング時に深く入り込むことを防止するため、前記短辺の側壁部8に設けた切り欠き開口部19の上縁部に係止するネスティング時ストッパ片部24を、この短辺の側壁部8の下部に突出状態に設けている。
【0046】
また本実施例のスライドガイド機構21は、底部9の下面に前記管状の挿通ガイド部26を有するガイド形成板を付設した構成とし、このスライドガイド機構21を介して底部9の辺縁からスライドして突没する前記棒状のスライド部22は、底部9に設けた脚部27の接地により接地されることなく、スライド自在に底部9下面に沿設状態に隠れ収納されるように構成している。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0048】
1 方形収納体
2 載置受部
3 載置部
4 不動基体部
5 傾動側壁部
6 傾動底板部
7 傾動ガイド機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12