(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A47G9/10 Q
(21)【出願番号】P 2021212717
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】202111299732.1
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521568096
【氏名又は名称】▲ク▼州市華傲戸外用品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 修亜
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-26553(JP,A)
【文献】特表2007-514910(JP,A)
【文献】実開昭53-128111(JP,U)
【文献】特開平10-43253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00-27/10
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル(24)付きのスリーピングマット(1)を含む急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットであって、
前記スリーピングマット(1)の内部には3層のスポンジマット(11)構造が設けられ、中間層スポンジマット(11)には複数群の孔(111)が形成され、前記ノズル(24)は、ベース(2)と、充排気路(3)と、密閉蓋(4)とを含み、前記密閉蓋(4)は、充排気路(3)取り外し可能に密閉挿着され、前記充排気路(3)は、ベース(2)に取り外し可能に密閉挿着され、
前記充排気路(3)の内部には内部ブラケット(6)が一体成形され、前記内部ブラケット(6)の一方側の頂部には第1スペーサ溝(71)が形成され、前記内部ブラケット(6)の他方側の底部には第2スペーサ溝(72)が形成され、前記第1スペーサ溝(71)の底部には前記内部ブラケット(6)を貫通する第1通気孔(81)が形成され、前記第1スペーサ溝(71)には排気スペーサ(11)が固定して設けられ、前記排気スペーサ(11)は前記第1スペーサ溝(71)の前記第1通気孔(81)に密接し、前記第2スペーサ溝(72)の頂部には前記内部ブラケット(6)を貫通する第2通気孔(82)が形成され、前記第2スペーサ溝(72)には充気スペーサ(16)が固定して設けられ、前記充気スペーサ(16)は前記第2スペーサ溝(72)の前記第2通気孔(82)に密接し、前記排気スペーサ(11)及び前記充気スペーサ(16)はいずれもシリコーン材料で作製され、
前記内部ブラケット(6)には切替バリア(13)が回転可能に取り付けられ、前記切替バリア(13)は、互いに接続される第1バリア(18)と第2バリア(19)とを含み、前記第1バリア(18)は排気スペーサ(11)の上方に位置し、前記第2バリア(19)は充気スペーサ(16)の下方に位置し、前記切替バリア(13)を前記内部ブラケット(6)に対して回転させることで前記切替バリア(13)は充気モードと排気モードとの間で切り替えられ、前記切替バリア(13)が充気モードにある場合、前記第1バリア(18)は前記排気スペーサ(11)の真上に位置しかつ前記排気スペーサ(11)を押圧し、前記第2バリア(19)と前記充気スペーサ(16)とがずれており、外部ガスが前記充気スペーサ(16)に吹き付けられて前記充気スペーサ(16)が変形して前記第2通気孔(82)を露出させ、外部ガスが前記第2通気孔(82)から前記スポンジマット(1)内に入り、前記切替バリア(13)が排気モードにある場合、前記第1バリア(18)と前記排気スペーサ(11)とがずれており、前記第2バリア(19)は前記充気スペーサ(16)の真下に位置しかつ前記排気スペーサ(11)に当接し、前記スリーピングマット(1)内のガスが前記排気スペーサ(11)に吹き付けられて前記排気スペーサ(11)が変形して前記第1通気孔(81)を露出させ、前記スポンジマット(1)内のガスが前記第1通気孔(81)から外部に排出されることを特徴とする、急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項2】
前記ベース(2)、充排気路(3)及び密閉蓋(4)の側部にはいずれも軟質接続部(5)が一体成形され、前記ベース(2)、充排気路(3)及び密閉蓋(4)は軟質接続部(5)を介して順に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項3】
前記充排気路(3)における密閉蓋(4)の挿着箇所の内側壁には環状のシール溝(22)が一体成形され、前記密閉蓋(4)の外側壁には前記シール溝(22)と嵌合する環状突起(41)が一体成形され、前記環状突起(41)は前記シール溝(22)内に収容されることで前記密閉蓋(4)と前記充排気路(3)との密封が実現されることを特徴とする、請求項1に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項4】
前記内部ブラケット(6)の中心位置には、円柱状の取付孔(10)が一体成形され、前記切替バリア(13)の第1バリア(18)の底部には、円柱座(21)が一体成形され、前記円柱座(21)は取付孔(10)に回転可能に密封挿着され、前記第2バリア(19)は第1バリア(18)の円柱座(21)の底部に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項5】
前記第1バリア(18)と第2バリア(19)とは位置合わせして上下配置され、前記切替バリア(13)の第2バリア(19)の頂部には挿着柱(12)が一体成形され、前記挿着柱(12)は円柱座(21)の底部に固定して挿着され、前記第1バリア(18)の頂部には回転ノブ(14)が一体成形され、前記回転ノブ(14)を前記内部ブラケット(6)に対して回転させて前記第1バリア(18)、前記円柱座(21)、前記挿着柱(12)及び前記第2バリア(19)を同調回転させることで前記切替バリア(13)は充気モードと排気モードとの間で切り替えられることを特徴とする、請求項4に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項6】
前記内部ブラケット(6)の頂部には位置決め柱(9)が一体成形され、前記第1バリア(18)の円柱座(21)に近い側部には第1位置決め溝(151)及び第2位置決め溝(152)が形成され、前記第1位置決め溝(151)と前記第2位置決め溝(152)とは前記円柱座(21)に対して対称に設けられ、回転ノブ(14)を前記内部ブラケット(6)に対して回転させて前記第1バリア(18)を同調回転させることにより、前記第1バリア(18)の第1位置決め溝(151)又は第2位置決め溝(152)は前記位置決め柱(9)に接近してそれを収容することで前記位置決め柱(9)は前記第1バリア(18)に当接して前記第1バリア(18)の回転を遮断し、前記第1バリア(18)の第1位置決め溝(151)が前記位置決め柱(9)を収容している場合、前記切替バリア(13)は充気モードにあり、前記第1バリア(18)の第2位置決め溝(152)が前記位置決め柱(9)を収容している場合、前記切替バリア(13)は排気モードにあることを特徴とする、請求項5に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項7】
前記内部ブラケット(6)の第1スペーサ溝(71)には第1固定孔(231)が形成され、前記排気スペーサ(11)の底部には第1固定柱(171)が一体成形され、前記第1固定柱(171)は第1固定孔(231)に固定して密閉挿着されることで排気スペーサ(11)は第1スペーサ溝(71)に対して固定され、前記内部ブラケット(6)の第2スペーサ溝(72)には第2固定孔(232)が形成され、前記充気スペーサ(16)の頂部には第2固定柱(172)が一体成形され、前記第2固定柱(172)は前記第2固定孔(232)に固定して密閉挿着されることで前記充気スペーサ(16)は前記第2スペーサ溝(72)に対して固定され、前記第1固定柱(171)及び前記第2固定柱(172)はいずれも軟質シリコーン材料で作製されることを特徴とする、請求項1に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【請求項8】
前記ベース(2)及び内部ブラケット(6)はいずれもTPU材質で作製され、TPUは熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴムであることを特徴とする、請求項1に記載の急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーピングマットのノズルの技術分野に関し、具体的には、急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットに関する。
【背景技術】
【0002】
スリーピングマットは、充気マット又は安全スポンジマットとも呼ばれている。スリーピングマットは、生産や生活において様々な戸外分野に使用されている。スリーピングマットには、ノズルなしのスリーピングマット及びノズル付きの充排気可能なスリーピングマットがある。充排気可能なスリーピングマットは、収納及び展開時にそれぞれノズルにより排気及び充気する必要がある。従来技術において最も一般的なノズルは、
図3に示すように、ノズル01と、気孔02と、スペーサ03とを含む。ノズル01のスペーサ03を有する端は、通常スリーピングマットの内部に位置し、スペーサ03がない端は、通常吸気端である。スペーサ03は、通常ノズル01の気孔02がある端の端面に固定して密接する。気孔02の端面に密接するスペーサ03により、ノズル01は吸気機能しか有しない。実際の使用過程において、スペーサ03は気孔02に密接しているが、完全な密閉を保証できず、必ずガス漏れが存在する。
【0003】
上記従来技術におけるノズルは以下の欠点を有する。通常の自動充気可能なスリーピングマットの内部には、一般的にスポンジマットが設けられるため、巻き取られた収納状態から展開状態に変換する際にある程度膨脹するが、最も快適な状態に達することができないため、ノズルからスリーピングマットの内部にガスを吹くことにより、スリーピングマットを最も快適な状態にする必要がある。また、自動充気可能なスリーピングマットを巻いて収納する際に、その内部にスポンジマットが存在するため、持続的に巻き取る必要がある。使用者が巻き取る最中に停止したら、ノズルの逆流によりガスがスリーピングマットの内部に戻ることにより、スリーピングマットの巻き取りに影響を与える恐れがある。上記問題を解決するために、本発明者らは急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットを提供する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記問題を解決するために、急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットを提供することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を提供する。
ノズル付きのスリーピングマットを含む急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットであって、
前記スリーピングマットの内部には3層のスポンジマット構造が設けられ、中間層スポンジマットには複数群の孔が形成され、前記ノズルは、ベースと、充排気路と、密閉蓋とを含み、前記密閉蓋は、充排気路取り外し可能に密閉挿着され、前記充排気路は、ベースに取り外し可能に密閉挿着され、
前記充排気路の内部には内部ブラケットが一体成形され、前記内部ブラケットの一方側の頂部には第1スペーサ溝が形成され、前記内部ブラケットの他方側の底部には第2スペーサ溝が形成され、前記第1スペーサ溝の底部には前記内部ブラケットを貫通する第1通気孔が形成され、前記第1スペーサ溝には排気スペーサが固定して設けられ、前記排気スペーサは前記第1スペーサ溝の前記第1通気孔に密接し、前記第2スペーサ溝の頂部には前記内部ブラケットを貫通する第2通気孔が形成され、前記第2スペーサ溝には充気スペーサが固定して設けられ、前記充気スペーサは前記第2スペーサ溝の前記第2通気孔に密接し、前記排気スペーサ及び前記充気スペーサはいずれもシリコーン材料で作製され、
前記内部ブラケットには切替バリアが回転可能に取り付けられ、前記切替バリアは、互いに接続される的第1バリアと第2バリアとを含み、前記第1バリアは排気スペーサの上方に位置し、前記第2バリアは充気スペーサの下方に位置し、前記切替バリアを前記内部ブラケットに対して回転させることで前記切替バリアは充気モードと排気モードとの間で切り替えられ、前記切替バリアが充気モードにある場合、前記第1バリアは前記排気スペーサの真上に位置しかつ前記排気スペーサを押圧し、前記第2バリアと前記充気スペーサとがずれており、外部ガスが前記充気スペーサに吹き付けられて前記充気スペーサが変形して前記第2通気孔を露出させ、外部ガスが前記第2通気孔から前記スポンジマット内に入り、前記切替バリアが排気モードにある場合、前記第1バリアと前記排気スペーサとがずれており、前記第2バリアは前記充気スペーサの真下に位置しかつ前記排気スペーサに当接し、前記スリーピングマット内のガスが前記排気スペーサに吹き付けられて前記排気スペーサが変形して前記第1通気孔を露出させ、前記スポンジマット内のガスが前記第1通気孔から外部に排出される急速充排気ノズルを備えるスリーピングマット。
【0006】
好ましくは、前記ベース、充排気路及び密閉蓋の側部にはいずれも軟質接続部が一体成形され、前記ベース、充排気路及び密閉蓋は軟質接続部を介して順に接続される。
【0007】
好ましくは、前記充排気路における密閉蓋の挿着箇所の内側壁には環状のシール溝が一体成形され、前記密閉蓋の外側壁には前記シール溝と嵌合する環状突起が一体成形され、前記環状突起は前記シール溝内に収容されることで前記密閉蓋と前記充排気路との密封が実現される。
【0008】
好ましくは、前記内部ブラケットの中心位置には、円柱状の取付孔が一体成形され、前記切替バリアの第1バリアの底部には、円柱座が一体成形され、前記円柱座は取付孔に回転可能に密封挿着され、前記第2バリアは第1バリアの円柱座の底部に接続される。
【0009】
好ましくは、前記第1バリアと第2バリアとは位置合わせして上下配置され、前記切替バリアの第2バリアの頂部には挿着柱が一体成形され、前記挿着柱は円柱座の底部に固定して挿着され、前記第1バリアの頂部には回転ノブが一体成形され、前記回転ノブを前記内部ブラケットに対して回転させて前記第1バリア、前記円柱座、前記挿着柱及び前記第2バリアを同調回転させることで前記切替バリアは充気モードと排気モードとの間で切り替えられる。
【0010】
好ましくは、前記内部ブラケットの頂部には位置決め柱が一体成形され、前記第1バリアの円柱座に近い側部には第1位置決め溝及び第2位置決め溝が形成され、前記第1位置決め溝と前記第2位置決め溝とは前記円柱座に対して対称に設けられ、回転ノブを前記内部ブラケットに対して回転させて前記第1バリアを同調回転させることにより、前記第1バリアの第1位置決め溝又は第2位置決め溝は前記位置決め柱に接近してそれを収容することで前記位置決め柱は前記第1バリアに当接して前記第1バリアの回転を遮断し、前記第1バリアの第1位置決め溝が前記位置決め柱を収容している場合、前記切替バリアは充気モードにあり、前記第1バリアの第2位置決め溝が前記位置決め柱を収容している場合、前記切替バリアは排気モードにある。
【0011】
好ましくは、前記内部ブラケットの第1スペーサ溝には第1固定孔が形成され、前記排気スペーサの底部には第1固定柱が一体成形され、前記第1固定柱は第1固定孔に固定して密閉挿着されることで排気スペーサは第1スペーサ溝に対して固定され、前記内部ブラケットの第2スペーサ溝には第2固定孔が形成され、前記充気スペーサの頂部には第2固定柱が一体成形され、前記第2固定柱は前記第2固定孔に固定して密閉挿着されることで前記充気スペーサは前記第2スペーサ溝に対して固定され、前記第1固定柱及び前記第2固定柱はいずれも軟質シリコーン材料で作製される。
【0012】
好ましくは、前記ベース及び内部ブラケットはいずれもTPU材質で作製され、TPUは熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴムである。
【0013】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
ベース、充排気路及び密閉蓋の3段階ノズルなどの構造を設け、急速充排気機能を有する充排気路をベースに挿着し、密閉蓋を充排気路に密封挿着し、充排気路を膨脹により締め付けることにより、充排気路とベースとがより強く緊密に挿着され、従来のノズルよりも高い密閉性が得られる。
切替バリア、排気スペーサ及び充気スペーサなどの構造の設計により、使用過程において切替バリアを内部ブラケットに対して回転させることにより切替バリアを充気モードと排気モードとの間で切り替えることができる。第1バリアが排気スペーサの真上に位置しかつ排気スペーサを押圧する場合、第2バリアと充気スペーサとがずれており、シリコーン材料の充気スペーサは外部ガスにより吹き付けられて変形し、第2通気孔を露出させることにより、このノズルは第2通気孔を介して急速に充気することができる。第2バリアが充気スペーサの真下に位置しかつ充気スペーサに当接する場合、第1バリアと排気スペーサとがずれており、シリコーン材料の充気スペーサは外部ガスにより吹き付けられて変形し、第1通気孔を露出させることにより、このノズルは第1通気孔を介して急速に排気することができる。これによって、本発明のスリーピングマットは、充気モードと排気モードを切り替えることにより急速な充排気の機能を実現することができる。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は後述し、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本発明を実施することによって理解される。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び図面に示される構造を通じて実現及び得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のスリーピングマットの構造模式図である。
【
図2】本発明の
図1におけるA部分の拡大構造模式図である。
【
図6】本発明の切替バリア及び充排気スペーサの構造模式図である。
【
図7】本発明の切替バリア及び充排気路の構造模式図である。
【
図9】本発明の3段階ノズルの別の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、同じ符号で同じ又は類似の部品を示す。また、本明細書において、「第1」、「第2」、「第3」、「上」、「下」、「前」、「後」、「内」、「外」、「端」、「部」、「段階」、「幅」、「厚さ」、「領域」などの用語及び類似の用語は、図に示される構造を参照するのに便利であり、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を制限することを意図したものではない。
【0017】
以下、本発明の実施例に係る図面により本発明の実施例における技術案を明確で完全に説明する。これらの実施例は本発明の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は創造的努力なしに得られる全ての他の実施例はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0018】
【0019】
図1、
図2及び
図8に示すように、急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットは、ノズル24付きのスリーピングマット1を含む。ノズル24は、ベース2と、充排気路3と、密閉蓋4とを含む。密閉蓋4は、充排気路3に取り外し可能に密閉挿着される。充排気路3は、ベース2に取り外し可能に密閉挿着される。
【0020】
図4、
図5及び
図7に示すように、充排気路3の内部には、内部ブラケット6が一体成形される。内部ブラケット6の一方側の頂部には、第1スペーサ溝71が一体成形され、内部ブラケット6の他方側の底部には、第2スペーサ溝72が一体成形される。第1スペーサ溝71の底部には、内部ブラケット6を貫通する第1通気孔81が形成される。第1スペーサ溝71には、第1スペーサ溝71の第1通気孔81に密接する排気スペーサ11が固定して設けられる。第2スペーサ溝72の頂部には、内部ブラケット6を貫通する第2通気孔82が形成される。第2スペーサ溝72には、第2スペーサ溝72の第2通気孔82に密接する充気スペーサ16が固定して設けられる。排気スペーサ11及び充気スペーサ16はいずれもシリコーン材料で作製される。
【0021】
図1に示すように、スリーピングマット1は、内部が3層のスポンジマット11構造からなる自動充気可能なスリーピングマットである。中間層のスポンジマット11には、複数群の孔111が形成されることにより、スリーピングマット全体の重量が軽くなり、収納されやすくなる。スリーピングマット1は、内部にスポンジマット11を有することにより、巻いて収納された状態では、スポンジの自動膨張により吸気することで、充排気路3は吸気状態に調節される。これによって自動充気が可能になる。巻いて収納する際に、スリーピングマットを排気する必要があるため、充排気路3を排気状態に調節する。これによって、使用者がスリーピングマットを巻いてい収納する過程において、充排気路3における排気スペーサ11により、スリーピングマットは逆流現象が発生することがないため、スリーピングマットをスムーズに巻いて収納することができる。
【0022】
図5及び
図6に示すように、内部ブラケット6には、切替バリア13が回転可能に取り付けられる。切替バリア13は、互いに接続される第1バリア18と第2バリア19とを含む。第1バリア18は排気スペーサ11の上方に位置し、第2バリア19は充気スペーサ16の下方に位置する。内部ブラケット6に対する切替バリア13の回転を駆動して、切替バリア13を充気モードと排気モードの間で切り替える。切替バリア13が充気モードにある場合、第1バリア18は排気スペーサ11を押圧するように排気スペーサ11の真上に位置するため、第2バリア19及び充気スペーサ16はずれて配置され、外部ガスが充気スペーサ16に吹き付けられると、充気スペーサ16は変形して第2通気孔82を露出させることで、外部ガスは第2通気孔82を経てスリーピングマット1内に入る。切替バリア13が排気モードにある場合、第1バリア18と排気スペーサ11はずれており、第2バリア19は充気スペーサ16の真下に位置するとともに排気スペーサ11に当接する。スリーピングマット1内のガスが排気スペーサ11に吹き付けられると、排気スペーサ11は変形して第1通気孔81を露出させることで、スリーピングマット1内のガスは第1通気孔81を経て外部に排出される。
【0023】
図2、
図8及び
図9に示すように、ベース2、充排気路3及び密閉蓋4の側部には、軟質接続部5が一体成形される。ベース2、充排気路3及び密閉蓋4は、軟質接続部5を介して順に接続される。
図2に示すように、軟質接続部5、ベース2、充排気路3及び密閉蓋4は一体成形して配置される。具体的には、充排気路3の方向は一般にベース2及び密閉蓋4と反対に設けられるため、実際の使用中に
図2における2つの軟質接続部5を介して反転して互いに挿着することにより密封することができる。
【0024】
本実施例において、密閉蓋4の充排気路3から遠い端にも軟質接続部5が一体成形される。具体的には、密閉蓋4を充排気路3から抜き出す際に、手で密閉蓋4上の軟質接続部5をつかむことにより、密閉蓋4に力を加えやすくなり、密閉蓋4を充排気路3から容易に抜き出すことができる。
【0025】
図4、
図5及び
図7に示すように、充排気路3の外側部には、突縁20が一体成形され、軟質接続部5は、充排気路3の突縁20に接続される。
【0026】
図5及び
図8に示すように、充排気路3の密閉蓋4が挿着される位置における内側壁には、環状のシール溝22が一体成形される。密閉蓋4の外側壁には、シール溝22に嵌合される環状突起41が一体成形される。実際に使用する際に、環状突起41がシール溝22内に嵌合されることにより、密閉蓋4と充排気路3の間の密封が実現される。具体的には、密閉蓋4を充排気路3に挿着し、環状突起41をシール溝22内に収容すると、シール溝22と環状突起41の嵌合により、充排気路3と密閉蓋4がより緊密に密封される効果が得られる。
【0027】
図4及び
図5に示すように、内部ブラケット6の中心位置には円柱状の取付孔10が形成され、切替バリア13の第1バリア18の底部には円柱座21が一体成形され、円柱座21は取付孔10に回転可能に密閉挿着され、第2バリア19は第1バリア18の円柱座21の底部に接続される。
【0028】
図5及び
図6に示すように、第1バリア18と第2バリア19は、位置合わせして上下配置される。切替バリア13の第2バリア19の頂部には、挿着柱12が一体成形される。挿着柱12は、円柱座21の底部に固定して挿着される。第1バリア18の頂部には、回転ノブ14が一体成形される。回転ノブ14を内部ブラケット6に対して回転させることで第1バリア18、円柱座21、挿着柱12及び第2バリア19が同調回転させることにより、切替バリア13は充気モードと排気モードの間で切り替えられる。回転ノブ14を設けることにより、作業者は、充気モードと排気モードとの間でバリア13を容易に手で切り替えることができる。
【0029】
図4に示すように、内部ブラケット6の頂部には、位置決め柱9が一体成形される。第1バリア18の円柱座21に近い側には第1位置決め溝151及び第2位置決め溝152が形成される。第1位置決め溝151と第2位置決め溝152は円柱座21に対して対称に設けられる。回転ノブ14を内部ブラケット6に対して回転させて第1バリア18を同調回転させることにより、第1バリア18の第1位置決め溝151又は第2位置決め溝152は位置決め柱9に接近してそれを収容することで、位置決め柱9は前記第1バリア18に当接して前記第1バリア18の回転を遮断する。第1バリア18の第1位置決め溝151が位置決め柱9を収容している場合、切替バリア13は充気モードにある。第1バリア18の第2位置決め溝152が位置決め柱9が収容している場合、切替バリア13は排気モードにある。具体的には、充気しようとするときに、回転ノブ14を内部ブラケット6に対してある方向に沿って回転させて第1バリア18を同調回転させることで第1バリア18の第1位置決め溝151は位置決め柱9に接近してそれを収容し、位置決め柱9は第1バリア18の第1位置決め溝151に当接して第1バリア18が上記方向に沿って引き続き回転することを阻止し、切替バリア13は充気モードとなる。排気しようとするときに、回転ノブ14を内部ブラケット6に対して前記方向の反対方向に沿って回転させて第1バリア18を同調回転させることで第1バリア18の第2位置決め溝152は位置決め柱9に接近してそれを収納し、位置決め柱9は第1バリア18の第2位置決め溝152に当接し、第1バリア18が前記方向の反対方向に沿って引き続き回転することを阻止し、切替バリア13は排気モードとなる。
【0030】
実際に使用する際に、第1バリア18及び第2バリア19は一般に略半円状に形成される。
図4に示すように、第1位置決め溝151、第2位置決め溝152及び位置決め柱9の設置により、切替バリア13の回転角度は180度内に限定される。これによって、作業員は、切替バリア13を充気モードと排気モードとの間で正確に切り替えることができる。
【0031】
図5に示すように、内部ブラケット6の第1スペーサ溝71には第1固定孔231が形成され、排気スペーサ11の底部には第1固定柱171が一体成形され、第1固定柱171は第1固定孔231に密封固定して挿着されて排気スペーサ11の第1スペーサ溝71に対する固定を実現する。内部ブラケット6の第2スペーサ溝72には第2固定孔232が形成され、充気スペーサ16の頂部には第2固定柱172が一体成形され、第2固定柱172は第2固定孔232に密封固定して挿着されて充気スペーサ16の第2スペーサ溝72に対する固定が実現される。第1固定柱171及び第2固定柱172はいずれも軟質シリコーン材料で作製される。
図5、
図6に示すように、排気スペーサ11は、第1固定柱171の第1固定孔231への挿着により組立てられ、充気スペーサ16は、第2固定柱172の第2固定孔232への挿着により組立てられる。実際に使用する際に、第1固定柱171及び第2固定柱172は、
図5及び
図6に示される形状に形成される。軟質シリコーン材料の第1固定柱171及び第2固定柱172をそれぞれ第1固定孔231及び第2固定孔232に挿着してから締め付けることにより、第1スペーサ溝71からの排気スペーサ11脱落及び第2スペーサ溝72からの充気スペーサ16の脱落が防止される。
【0032】
本実施例において、充気しようとする場合、第1バリア18が排気スペーサ11の真上に位置しかつ排気スペーサ11を押圧し、排気スペーサ11が第1通気孔81を完全に遮蔽するように、切替バリア13を内部ブラケット6に対して回転させる。この場合、第2バリア19と充気スペーサ16はずれており、外部ガスは充気スペーサ16に吹き付けられて第2固定柱172は変形して伸びることで、充気スペーサ16は第2通気孔82を完全に遮蔽できないため、第2通気孔82は露出する。これによって、外部ガスは第2通気孔82からスリーピングマット1内に入ってスリーピングマット1に対する充気を実現することができる。排気しようとする場合、第2バリア19が充気スペーサ16の真下に位置し排気スペーサ11に当接し、充気スペーサ16が第1通気孔81を完全に遮蔽するように、切替バリア13を内部ブラケット6に対して反対方向に沿って回転させる。第1バリア18と排気スペーサ11とはずれており、スリーピングマット1内のガスは排気スペーサ11に吹き付けられて第1固定柱171が変形して伸びることで、排気スペーサ11は第1通気孔81を完全に遮蔽できないため、第1通気孔81は露出する。これによって、スリーピングマット1内のガスは第1通気孔81から外部に排出され、スリーピングマット1に対する排気が実現される。
【0033】
ベース2及び内部ブラケット6はいずれもTPU材質で作製される。TPUとは熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴムを指す。実際に使用する際に、ベース2及び内部ブラケット6は3Dプリントにより生産加工される。
【0034】
実際に使用する際に、ベース2、充排気路3及び密閉蓋4の3段階ノズル24などの構造を設け、急速充排気機能を有する充排気路3をベース2に挿着し、密閉蓋4を充排気路3に密封挿着し、充排気路3を膨脹により締め付けることにより、充排気路3とベース2とがより強く緊密に挿着され、従来のノズル24よりも高い密閉性が得られる。
【0035】
本発明では、切替バリア13、排気スペーサ11及び充気スペーサ16などの構造の設計により、使用過程において回転ノブ14を内部ブラケット6に対してある方向に沿って回転させて第1バリア18及び第2バリア19を同調回転させることにより、第1バリア18の第1位置決め溝151又は第2位置決め溝152は位置決め柱9に接近して収容し、切替バリア13の充気モードと排気モードとの間での切替が実現される。第1バリア18の第1位置決め溝151が位置決め柱9を収容している場合、第1バリア18は排気スペーサ11の真上に位置しかつ排気スペーサ11を押圧し、排気スペーサ11は第1通気孔81を完全に遮蔽する。この場合、第2バリア19と充気スペーサ16とはずれており、外部ガスは充気スペーサ16に吹き付けられて第2固定柱172は変形して伸びることで充気スペーサ16が第2通気孔82を露出させ、外部ガスは第2通気孔82からスリーピングマット1内に入り、このノズル24によりスリーピングマット1を急速に充気することができる。第1バリア18の第2位置決め溝152が位置決め柱9を収容している場合、第2バリア19は充気スペーサ16の真下に位置しかつ第2バリア19は充気スペーサ16に当接し、充気スペーサ16は第1通気孔81を完全に遮蔽する。この場合、第1バリア18と排気スペーサ11とはずれており、スリーピングマット1内のガスは排気スペーサ11に吹き付けられて第1固定柱171は変形して伸びることで、排気スペーサ11が第1通気孔81を露出させ、スリーピングマット1内のガスは第1通気孔81から外部に排出され、このノズル24によりスリーピングマット1を急速に排気することができる。このようなモードの切替により、本発明のノズル24を有するスリーピングマットは、充気モードと排気モードとを切り替えることにより、急速な充排気機能を実現することができる。
【0036】
以上より、本発明の切替バリア13を充排気路3に取り外し可能に密閉挿着し、充排気路3をベース2に挿着して取り付け、充排気路3の内部にそれぞれ排気及び充気のための第1通気孔81及び第2通気孔82が形成され、第1通気孔81に密封作用を発揮する排気スペーサ11が設けられ、第2通気孔82に密封作用を発揮する充気スペーサ16が設けられ、充排気路3の上下には同時回転可能な第1バリア18と第2バリア19とが設けられることにより、第1バリア18は排気スペーサ11を押圧するか又は第2バリア19が充気スペーサ16に当接することにより、ガスの逆流が防止される。第1バリア18の頂部に回転ノブ14が設けられる。回転ノブ14を左右回転させることにより充排気のモードを切り替えることができる。このモードの切替により、本発明のノズル24を有するスリーピングマットはモードを切り替えることにより急速に充気と排気を行うことができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を説明したが、当業者は、本発明の原理及び精神から逸脱しない限りこれらの実施例に種々の変形、修正、置換及び変更を行うことができる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその同等物により限定される。
【符号の説明】
【0038】
1、スリーピングマット;11、スポンジマット;111、孔;2、ベース;3、充排気路;4、密閉蓋;41、環状突起;5、軟質接続部;6、内部ブラケット;71、第1スペーサ溝;72、第2スペーサ溝;81、第1通気孔;82、第2通気孔;9、位置決め柱;10、取付孔;11、排気スペーサ;12、挿着柱;13、切替バリア;14、回転ノブ;151、第1位置決め溝;152、第2位置決め溝;16、充気スペーサ;171、第1固定柱;172、第2固定柱;18、第1バリア;19、第2バリア;20、突縁;21、円柱座;22、シール溝;231、第1固定孔;232、第2固定孔;24、ノズル;
01、ノズル;02、気孔;03スペーサ。
【要約】 (修正有)
【課題】本発明によれば、ノズル付きのスリーピングマットを含む急速充排気ノズルを備えるスリーピングマットが開示される。
【解決手段】ノズルは、ベースと、充排気路と、密閉蓋とを含み、密閉蓋は、充排気路に取り外し可能に密閉挿着され、充排気路は、ベースに取り外し可能に密閉挿着され、充排気路の内部ブラケットの頂部には排気スペーサが設けられ、内部ブラケットの底部には充気スペーサが設けられる。3段階ノズル構造の設置により、充排気路とベースとはより緊密に挿着され、従来ノズルよりも高い密封性が得られる。使用過程において切替バリアの第1バリアと第2バリアの位置を切り替えることにより、充気モードと排気モードを切り替えることができる。このモードの切替により、本発明のスリーピングマットはモードを切り替えることにより急速な充排気の機能を実現することができる。
【選択図】
図1