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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】移送ロボット及び清掃システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221201BHJP
   B08B 13/00 20060101ALI20221201BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20221201BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20221201BHJP
   H02S 40/10 20140101ALI20221201BHJP
【FI】
G05D1/02 Y
G05D1/02 P
B08B13/00
B60P3/00 Z
B61B13/00 A
H02S40/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021517566
(86)(22)【出願日】2019-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2019116912
(87)【国際公開番号】W WO2020094143
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201811333606.1
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811334457.0
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518015815
【氏名又は名称】蘇州瑞得恩光能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU RADIANT PHOTOVOLTAIC TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 636, Zixu Road, Xukou Township, Wuzhong Dist. Suzhou, Jiangsu 215101 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒋 昌勝
(72)【発明者】
【氏名】路 建郷
(72)【発明者】
【氏名】斉 献山
(72)【発明者】
【氏名】汪 志▲シャウ▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 建栄
(72)【発明者】
【氏名】徐 斐
(72)【発明者】
【氏名】劉 宇
(72)【発明者】
【氏名】▲ミュ▼ 暁麗
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107570439(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0021954(US,A1)
【文献】韓国特許第10-1624107(KR,B1)
【文献】特開2008-102939(JP,A)
【文献】特開2016-141324(JP,A)
【文献】特開平11-106007(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102485572(CN,A)
【文献】登録実用新案第3193459(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B08B 13/00
B60P 3/00
B61B 13/00
H02S 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
移送台と、壁板と、光電センサと、距離センサとを有する移送装置と、
前記車体と前記移送台との間に設けられ前記移送台の角度を調整する角度調整装置と、を備え、
前記壁板は、前記移送台の辺縁から突出し、順に接続される左側壁板、背側壁板及び右側壁板を有し、
前記左側壁板の開放端と前記右側壁板の開放端との間には、出入口が形成され、
前記光電センサは、前記出入口寄りに位置するように前記左側壁板の内側壁に設けられる発光素子と、前記出入口寄りに位置し前記発光素子と対向するように前記右側壁板の内側壁に設けられる受光素子と、を有し、
前記距離センサは、前記出入口と対向するように前記背側壁板の中央部の内側壁に設けられ、
前記光電センサ及び前記距離センサは、プロセッサに接続される、
移送ロボット。
【請求項2】
前記移送装置は、前記左側壁板及び/又は前記背側壁板及び/又は前記右側壁板の内側壁に設けられる緩衝部材を有する、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項3】
前記移送装置は、
摺動可能に前記移送台の上面に装着されるブリッジ板と、
一端が前記移送台の下面に接続され、他端が前記ブリッジ板の下面に接続される第1伸縮ロッドと、を有する、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項4】
前記移送台は、回動可能に前記車体の頂部又は上部に接続される、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項5】
前記移送装置は、
前記移送台の底面の中央部から突出し対向するように設けられる二つの摺動軸ベースと、
それぞれ二つの前記摺動軸ベースの対向する二つの対向面に設けられる二つの第1摺動溝と、
前記移送台の底面から突出し前記移送台の一端辺縁寄りに位置し対向するように設けられる二つの回動軸ベースと、を有し、
前記角度調整装置は、
両端が摺動可能に二つの前記第1摺動溝に装着される摺動軸と、
一端が回動可能に前記摺動軸の中央部に接続され、他端が回動可能に前記車体に接続される第2伸縮ロッドと、
中央部が前記車体の頂部又は上部の一端に接続され、両端が回動可能に二つの前記回動軸ベースに接続される回動軸と、を有する、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項6】
前記車体の頂部又は上部に設けられる高さ調整装置をさらに備え、
前記移送台は、回動可能に前記高さ調整装置の頂部に接続される、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項7】
前記高さ調整装置は、
一端が回動可能に前記移送装置に接続されるフレームと、
上端が摺動可能に前記フレームに接続され、下端が回動可能に前記車体の頂部又は上半部に接続される第1ブラケットと、
上端が回動可能に前記フレームに接続され、下端が摺動可能に前記車体の頂部又は上半部に接続される第2ブラケットと、
前記第1ブラケットの中央部及び前記第2ブラケットの中央部を穿通するピン軸と、を有し、
前記第2ブラケットは、前記ピン軸を介して回動可能に前記第1ブラケットに接続される、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項8】
前記移送装置は、
前記移送台の底面の中央部から突出し対向するように設けられる二つの摺動軸ベースと、
それぞれ二つの前記摺動軸ベースの対向する二つの対向面に設けられる二つの第1摺動溝と、
前記移送台の底面から突出し前記移送台の一端辺縁寄りに位置し対向するように設けられる二つの回動軸ベースと、を有し、
前記角度調整装置は、
両端が摺動可能に二つの前記第1摺動溝に装着される摺動軸と、
前記フレームに接続されるように前記フレームの下方に設けられる伸縮ロッド装着ブラケットと、
一端が回動可能に前記摺動軸の中央部に接続され、他端が回動可能に前記伸縮ロッド装着ブラケットに接続される第2伸縮ロッドと、
中央部が前記フレームの頂部の一端に接続され、両端が回動可能に二つの前記回動軸ベースに接続される回動軸と、を有する、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項9】
前記高さ調整装置は、
対向するように前記フレームに装着される二つの第1レールと、
対向するように前記車体の頂部又は上半部に装着される二つの第2レールと、
それぞれ二つの前記第1レールの対向する二つの対向面に設けられる二つの第2摺動溝と、
それぞれ二つの前記第2レールの対向する二つの対向面に設けられる二つの第3摺動溝と、を有し、
前記第1ブラケットは、
平行に設けられる二つの第1接続ロッドと、
それぞれ二つの前記第1接続ロッドの一端に設けられ摺動可能に二つの前記第2摺動溝に装着される二つの第1摺動輪と、を有し、
前記第2ブラケットは、
平行に設けられる二つの第2接続ロッドと、
それぞれ二つの前記第2接続ロッドの一端に設けられ摺動可能に二つの前記第3摺動溝に装着される二つの第2摺動輪と、を有する、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項10】
前記高さ調整装置は、
一端が回動可能に前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットに接続され、他端が回動可能に前記車体に接続される第3伸縮ロッドをさらに有する、
請求項に記載の移送ロボット。
【請求項11】
前記移送台と水平面とをなす角を検出する傾斜角センサをさらに備え、
前記傾斜角センサは、前記プロセッサに接続されるように前記移送台の下面に設けられる、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項12】
前記車体のリアルタイム位置を取得するための位置特定装置をさらに備え、
前記位置特定装置は、前記プロセッサに接続されるように前記車体の内部又は外部に設けられる、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項13】
前記車体のリアルタイム進行方向を取得するための電子コンパスをさらに備え、
前記電子コンパスは、前記プロセッサに接続されるように前記車体の内部又は外部に設けられる、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項14】
前記プロセッサに接続されるように前記車体の前端及び/又は後端及び/又は左側及び/又は右側に設けられる撮像センサと、
及び/又は、前記プロセッサに接続されるように前記車体の前端及び/又は後端及び/又は左側及び/又は右側に設けられる照明装置と、をさらに備える、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項15】
前記プロセッサに接続されるように前記車体の前端及び/又は後端及び/又は左側及び/又は右側に設けられる障害物回避センサをさらに備える、
請求項1に記載の移送ロボット。
【請求項16】
前記移送装置は、
摺動可能に前記移送台の上面に装着されるブリッジ板と、
一端が前記移送台の下面に接続され、他端が前記ブリッジ板の下面に接続される第1伸縮ロッドと、をさらに有し、
第1伸縮ロッドの長さを調整するための第1伸縮ロッド制御部と、
及び/又は、第2伸縮ロッドの長さを調整するための第2伸縮ロッド制御部と、
及び/又は、第3伸縮ロッドの長さを調整するための第3伸縮ロッド制御部と、
前記第1伸縮ロッド制御部及び/又は前記第2伸縮ロッド制御部及び/又は前記第3伸縮ロッド制御部に接続される前記プロセッサと、をさらに備える、
請求項10に記載の移送ロボット。
【請求項17】
清掃領域と、
前記清掃領域を清掃するための清掃ロボットと、
前記清掃ロボットを搬送するための請求項1に記載の移送ロボットと、を備える、
清掃システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送具に関し、特に移送ロボット及びこれを備える清掃システムに関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の減少が日々続くと、新たな再生可能エネルギーとしての太陽エネルギーは、人間が使用するエネルギーの重要な一部になっていた。過去10年間、太陽エネルギー応用技術は、世界の各国で急速に発展してきた。
【0003】
太陽光パネルの作業環境は、屋外に限られる。太陽光パネルの動作に影響を与える最大の問題は、風雨雷ではなく、長年蓄積してきた粉塵、積雪等である。太陽光パネルに付着した粉塵又はその他の付着物は、パネルの透過率に影響し、光電効率を妨げるため、パネルが太陽光を直接に取得する効率に深刻な影響を与え、パネルのエネルギー吸収及び変換効率を低下させ、発電効率を低下させる。
【0004】
よって、各太陽光発電所では、太陽光パネル表面の清掃作業を行う必要がある。明らかにユーザによる清掃の効率が低く、かつリスクが大きい。一方、業界では、太陽光パネルを清掃するための清掃ロボットは、清掃効率を有効に向上させることができるとともに、ユーザの安全性の問題をクリアすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽光パネル又は太陽光パネルアレイは、一体的に設けられるものではなく、所定領域に複数設けられるものであるため、所定領域の異なる位置に位置する太陽光パネル又は太陽光パネルアレイ間には、大きな空間間隔が存在する。よって、清掃ロボットが異なる太陽光パネル間に存在するこれらの空間間隔を直接跨ることはできない。また、それぞれの太陽光パネルに清掃ロボットを一台ずつ設けると、ハードウェアのコストが高すぎるだけではなく、各清掃ロボットの使用効率が低く、リソースが無駄になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題に鑑み、単一の太陽光パネル又は太陽光パネルアレイにおいて有効に清掃する清掃ロボットと、清掃ロボットを一つの太陽光パネルアレイから他の太陽光パネルアレイに移送し、サーバを用いて清掃ロボットを異なる太陽光パネルアレイに有効に清掃させるようにリモートに調整及び制御する移送ロボットと、を発明する必要がある。
【0007】
本発明は、清掃ロボットを複数の太陽光パネルアレイ間に移送させるように調整する技術問題を解決するための移送方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を実現するため、本発明のある態様によれば、車体と、回動可能に前記車体の頂部又は上部に接続される移送台を有する移送装置と、前記車体と前記移送台との間に設けられ前記移送台の角度を調整する角度調整装置と、を備える移送ロボットが提供される。
【0009】
上記目的を実現するため、本発明の他の態様によれば、車体と、前記車体の頂部又は上部に装着される高さ調整装置と、回動可能に前記高さ調整装置の頂部に接続される移送台を有する移送装置と、前記車体と前記移送台との間に設けられ前記移送台の角度を調整する角度調整装置と、を備える移送ロボットが提供される。また、上記目的を実現するため、本発明のある態様によれば、太陽光パネル又は太陽光パネルアレイを有する清掃領域と、前記清掃領域を清掃するための清掃ロボットと、前記清掃ロボットを搬送するための上述の移送ロボットと、を備える清掃システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
これらの態様によれば、移送ロボットは、清掃ロボットを移送するための搬送具として、複数の太陽光パネルアレイ間の通路領域において清掃ロボットを移送することで、清掃ロボットは異なる太陽光パネルアレイを清掃することができる。また、移送ロボットの移送台の傾斜角度を調整することで、移送台と太陽光パネルとの接続が行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態又は先行技術の態様をより明確に説明するために、以下実施形態に用いられる図面を簡単に説明する。明らかに図面は本発明の一部の実施形態に過ぎず、当業者にとって容易に想到し得るものであれば、これらの図面を用いて他の図面が得られる。
【0012】
図1】本発明の実施例1又は実施例2に係る作業領域を示す概略図である。
図2】本発明の実施例1又は実施例2に係る清掃システムの作業状態を示す概略図である。
図3】本発明の実施例1又は実施例2に係る清掃システムを示す構成概略図である。
図4】本発明の実施例1又は実施例2に係る清掃領域を示す構成概略図である。
図5】移送台が水平に位置する、本発明の実施例1に係る移送ロボットの状態を示す概略図である。
図6】移送台が傾斜する、本発明の実施例1に係る移送ロボットの状態を示す概略図である。
図7】本発明の実施例1に係る移送装置の頂部を示す構成概略図である。
図8】一方向から見た本発明の実施例1に係る移送装置の底部を示す構成概略図である。
図9】他方向から見た本発明の実施例1に係る移送装置の底部を示す構成概略図である。
図10】本発明の実施例1に係る車体を示す構成概略図である。
図11】本発明の実施例1に係る角度調整装置を示す構成概略図である。
図12】本発明の実施例1に係る清掃システムの電子機器の機能を示すブロック図である。
図13】移送台が水平に位置する、本発明の実施例2に係る移送ロボットの状態を示す概略図である。
図14】移送台が傾斜する、本発明の実施例2に係る移送ロボットの状態を示す概略図である。
図15】本発明の実施例2に係る高さ調整装置が展開された状態を示す構成概略図である。
図16】本発明の実施例2に係る高さ調整装置が展開された状態を示す分解構成概略図である。
図17】本発明の実施例2に係る高さ調整装置が折り畳まれた状態を示す構成概略図である。
図18】本発明の実施例2に係る清掃システムの電子機器の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施を立証するため、添付図面を参照しながら本発明の好適実施例について説明する。これらの実施例は、当業者に本発明の技術内容を詳細に説明することができるため、本発明の技術内容をより明確かつ理解しやすくすることができる。本発明は、異なる態様の実施例から表現されるが、権利範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0014】
図面において、構成が同じである部材に同じ符号を付し、各構成又は機能が類似する部材に類似する符号を付する。ある部材が他の部材に接続されるとは、ある部材が他の部材に直接接続されてもよく、ある部材が中間部材を介して他の部材に接続されてもよい。
【0015】
図1に示すように、太陽光発電所内には、作業領域100が設けられる。当該作業領域100は、複数の太陽光パネルアレイ101(以下、単にパネルアレイと称する。)を備える。各太陽光パネルアレイ101と水平面とをなす傾斜角は、なるべく多くの太陽光を太陽光パネルに直射させることが確保されるように15~45度である。大部分の太陽光発電所では、全ての太陽光パネルの水平面に対する傾斜角(以下、単にパネル傾斜角又は傾斜角と称する。)は同じである。また、ある太陽光発電所では、異なる太陽光パネルは、傾斜角が異なってもよく、調整可能又は変化可能に構成されてもよい。
【0016】
図1に示すように、各太陽光パネルアレイ101(以下、単にパネルアレイと称する。)は、組み合わされた複数の太陽光パネル102(以下、単にパネルと称する。)を備える。各太陽光パネルアレイ101及び/又は複数の太陽光パネル102は、マトリックスに配列される。隣接する如何なる太陽光パネルアレイ101及び/又は複数の太陽光パネル102の間には、通路領域103が形成される。本実施例では、互いに交差して連通する複数の通路領域103は、縦横を交差する通路ネットワークを構成する。
【0017】
図2及び図3に示すように、本実施例に係る清掃システムは、清掃ロボット200、移送ロボット300及びデータ処理システム400を備える。作業領域100は、清掃ロボット200及び移送ロボット300が清掃する作業領域であり、清掃領域500及び通路領域103を有する。
【0018】
太陽光発電所が通常稼働する際に、ある太陽光パネル又は太陽光パネルアレイに粉塵や汚れが付着されるため、清掃処理を行う必要がある。清掃処理を行うべきである各太陽光パネル102又は太陽光パネルアレイ101は、清掃領域500である。清掃ロボット200は、太陽光パネル102又は太陽光パネルアレイ101において清掃作業を行うことができるため、太陽光パネル102又は太陽光パネルアレイ101における各領域を有効に清掃することができる。移送ロボット300は、清掃ロボット200を清掃ロボット200が待機すべきである箇所からある清掃領域500(清掃処理を行うべきであるパネル102又はパネルアレイ101)の上面に搬送したり、清掃されたパネルアレイの上面から他の清掃領域500(清掃処理を行うべきであるパネル又はパネルアレイ)の上面に搬送したり、清掃された清掃領域500の上面から清掃ロボット200が待機すべきである箇所に搬送したりすることができる。
【0019】
図4に示すように、各清掃領域500は、組み合わされた矩形のパネルアレイ101からなり、その周囲辺縁箇所をそれぞれ清掃領域上端501、清掃領域下端502、清掃領域左側端503及び清掃領域右側端504とすること好ましい。
【0020】
清掃ロボット200が移送ロボット300によって清掃領域500に搬送された場合に、清掃ロボット220は、清掃領域左側端503又は清掃領域右側端504から清掃領域500に走行することが好ましい。また、同様に清掃ロボット200が移送ロボット300によって清掃領域500から移送された場合に、清掃ロボット200は、清掃領域左側端503又は清掃領域右側端504から移送ロボット300に走行することが好ましい。
【0021】
図4に示すように、各清掃領域500は、互いに対応して設けられる第1移送領域505及び第2移送領域506を有する。第1移送領域505、第2移送領域506は、それぞれ清掃領域左側端503又は清掃領域右側端504の両側に設けられる。本実施例では、第1移送領域505は、清掃領域右側端504と隣接する当該清掃領域500の外部の領域であり、第2移送領域506は、清掃領域右側端504と隣接する当該清掃領域500の内部の領域である。第1移送領域505、第2移送領域506は、清掃領域右側端504と隣接する下部であることが好ましい。
【0022】
以下、太陽光発電所における太陽光パネルアレイを清掃するべきであるか否かを判断する手法を示す。手法1は、分割推定法である。小型領域(領域範囲を自由設定可能)内において、互いに隣接する複数のパネルアレイの自然環境が類似するため、当該領域内のパネルの汚れ度合も類似する。そして、太陽光パネルをランダムに選択し、その汚れ度合を検出することにより、当該パネルを清掃するべきであるか否かを判断する。当該パネルを清掃すべきである場合に、当該領域内の全てのパネルを清掃すべきである。発電所の作業領域の占有面積が大きい場合に、大型作業領域を複数の小型作業領域に分割し、領域毎にサンプリングを行うことができる。手法2は、定時清掃法である。当該作業領域の自然環境の状況に応じて、当該作業領域内の全てのパネルアレイを定時に清掃する。当該作業領域の砂嵐が大きく又は降水が多い場合に、太陽光パネル表面に付着される付着物が重たく、毎日1から2回清掃する必要がある。一方、当該作業領域の砂嵐が小さく又は降水が少ない場合に、太陽光パネル表面に付着される付着物が少なく、数日置きで清掃すればよい。以上の二つの手法については、複数の太陽光パネルアレイを差異なく処理するが、精度が低く、パネル表面に付着される付着物が少ないにもかかわらず、清掃処理される可能性がある。手法3は、個別検出法である。各パネル表面の汚れ度合を細かく検出し、清掃すべきであるパネルアレイ又はパネルを判断する。この手法の精度が高いが、効率が低い。
【0023】
図3に示すように、データ処理システム400は、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300に接続される物理サーバ又はクラウドサーバであることが好ましい。これにより、データ処理システム400と清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300とのデータ交換が図られる。そして、データ処理システム400は、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300に制御指令を送信するとともに、清掃ロボット200及び/又は移送ロボット300から例えば二つのロボットのリアルタイムにおけるロケーション、二つのロボットがリアルタイムに収集する撮像データ等であるフィードバック情報を受信する。これにより、データ処理システム400は、清掃ロボット200の清掃作業プロセス及び移送ロボット300の進行及び移送プロセスをリアルタイムに監視することができる。また、移送ロボット300が作業領域100の通路ネットワークにおいて正常に進行すること及び移送ロボット300と清掃領域のパネルアレイ101とが接続されることを制御することができる。
【0024】
データ処理システム400は、どのパネルアレイ101を清掃すべきである情報(パネル番号)を取得した後、太陽光発電所において許可される清掃作業の時間に鑑み、清掃作業に要する移送ロボット300及び清掃ロボット200の数を推定する。そして、データ処理システム400は、移送ロボット300を用いて清掃ロボット200を清掃すべきであるパネルアレイ101に移送する。そして、清掃ロボット200は、当該パネルアレイ101において全面の清掃作業を行う。そして、当該パネルアレイ101の清掃作業が完了した後、データ処理システム400は、移送ロボット300を用いて清掃ロボット200を清掃されたパネルアレイ101から他の清掃すべきであるパネルアレイ101上面又は清掃ロボット200が待機すべきである箇所に搬送する。
【0025】
清掃ロボット200は、出願人による自社開発製品であり、出願人が2016年から2018年に出願したシリーズの太陽光パネル清掃ロボットに関連するものを参照すればよい。清掃ロボット200は、太陽光パネルアレイに移送された後、パネルアレイ上を自由行進することができるため、当該パネルアレイのあらゆる隅に走行することができる。そして、進行中においてパネルアレイ全体の清掃作業を行うことができる。その説明については省略する。
【0026】
実施例1
図5に示すように、本実施例によれば、車体310、移送装置320及び角度調整装置330を備える移送ロボット300が提供される。
【0027】
図5及び図6に示すように、移送装置320は、清掃ロボット200が載置され、回動可能に車体310の頂部又は上半部に設けられる移送台321を有する。移送のプロセスにおいて、清掃ロボット200は、移送台321の上面からパネルの上面に走行し(パネルを上る)、又は、パネルの上面から移送台321の上面に走行する(パネルを下りる)。
【0028】
図7から図9に示すように、移送装置320は、移送台321と垂直するように移送台321の辺縁から突出する壁板322を有する。壁板322は、順に接続される左側壁板322a、背側壁板322b及び右側壁板322cを有し、凹字型に取り囲まれる。左側壁板322aの開放端と右側壁板322cの開放端との間には、出入口323が形成される。
【0029】
移送装置320は、緩衝部材324をさらに有する。緩衝部材324は、背側壁板322bの内側壁に設けられる緩衝バーであることが好ましい。左側壁板322a及び/又は右側壁板322cの内側壁には、それぞれ緩衝バー(図示しない)が設けられてもよい。
【0030】
移送装置320は、摺動可能に移送台321の上面に装着されるブリッジ板327と、一端が移送台321の下面に接続され他端がブリッジ板327の下面に接続される第1伸縮ロッド328と、をさらに有する。第1伸縮ロッド328は、液圧伸縮ロッド又は電力伸縮ロッドであり、第1伸縮ロッド制御部329を有する。第1伸縮ロッド制御部329が指令電気信号を受信する場合に、第1伸縮ロッド328の長さを調整することができる。第1伸縮ロッド328の長さが最短に短縮される場合に、ブリッジ板327は移送台321の上面に位置し、一方、第1伸縮ロッド328の長さが伸長する場合に、ブリッジ板327は出入口323の方向に向かって所定の距離を伸出する。移送ロボット300とパネルアレイ101との間の距離が最小となり、移送台321の角度がパネルアレイ101と一致するように調整される場合に、第1伸縮ロッド328が所定距離を伸出し、ブリッジ板327は太陽光パネルアレイ101に延在することにより、移送台321はパネルアレイ101に接続される。このため、清掃ロボット200は、スムーズに移送台321からパネルアレイ101(すなわち、清掃領域)に進行することができ、又は、パネルアレイ101(すなわち、清掃領域)から移送台321に進行することができる。清掃ロボット200の移送が完了した後、第1伸縮ロッド328の長さが最短に短縮され、ブリッジ板327は移送台321の上面に回収される。
【0031】
図7から図9に示すように、移送装置320は、対向して設けられる二つの摺動軸ベース325a,325bと、対向して設けられる二つの回動軸ベース326a,326bと、を有する。
【0032】
二つの摺動軸ベース325a,325bは、移送台321の底面の中央部から突出する。二つの摺動軸ベース325a,325bの対向する二つの対向面には、それぞれ二つの第1摺動溝325c、325dが設けられる。二つの第1摺動溝325c、325dは、形状、寸法が同じであり、位置が対向する。
【0033】
二つの回動軸ベース326a,326bは、移送台321の右側の一端辺縁寄りに位置するように移送台321の底面から突出する。二つの回動軸ベース326a,326bの中心には、それぞれベース通孔326c,326dが形成される。ベース通孔326c,326dは、形状、寸法が同じであり、位置が対向する。
【0034】
図10に示すように、車体310は、車体本体311と、それぞれ車体本体311の底部の左右両側に設けられる進行装置312(例えば、車輪)と、を有する。路面の適応能力及び通過性能が良好である観点から、進行装置312は履帯であることが好ましい。
【0035】
図11に示すように、車体本体311は、立体フレームの車両フレーム313を有する。車両フレーム313は、全体が略長方体形状に形成され、水平に設けられる複数の横方向フレーム及び鉛直に設けられる複数の縦方向フレームを有する。当該縦方向フレームは、水平面と垂直し、又は水平面に対し所定の角を保持する。車両フレーム313の頂面又は側面又は底面には単一又は複数の壁板が設けられる。そして、当該壁板と車両フレーム313とによって車体本体311が取り囲まれる。
【0036】
図5図6及び図10図11に示すように、角度調整装置330は、車体310と移送台321との間に設けられ、水平面に対する移送台321の角度を調整するためのものである。
【0037】
移送ロボット300が清掃領域500の近傍に進行する場合に、角度調整装置330は、移送台321の上面と清掃領域500の上面とがなるべく面一となるように水平面に対する移送台321の角度を調整することにより、移送台321と清掃領域500とを接続しやすくなる。このため、清掃ロボット200は、移送台321と清掃領域500との間を進行しやすくなる。
【0038】
図10から図11に示すように、角度調整装置330は、摺動軸331、第2伸縮ロッド332及び回動軸333を有する。第2伸縮ロッド332は、液圧伸縮ロッド又は電力伸縮ロッドであり、第2伸縮ロッド制御部335を有する。第2伸縮ロッド制御部335が指令電気信号を受信する場合に、第2伸縮ロッド332の長さを調整することができる。
【0039】
摺動軸331は、両端が摺動可能に二つの第1摺動溝325c、325dに装着される。第2伸縮ロッド332は、一端が回動可能に摺動軸331の中央部に接続され、他端が回動可能に車体310に接続される。回動軸333は、中央部が車体310の頂部又は上半部の一端に固定して接続され、両端が回動可能に二つのベース通孔326c,326dに装着されることにより、回動軸333は回動軸ベース326a,326bに対し回動可能である。
【0040】
図12に示すように、本実施例に係る移送ロボット300は、回路板(図示しない)を備える。回路板は車体310内に設けられることが好ましい。当該回路板には、移送ロボット300を制御する制御機器としてのプロセッサ340が設けられる。プロセッサ340は、第1伸縮ロッド制御部329及び第2伸縮ロッド制御部335に接続され、第1伸縮ロッド制御部329及び/又は第2伸縮ロッド制御部335に制御指令を送信するためのものである。
【0041】
清掃ロボット200には第1無線通信ユニット201が設けられ、移送ロボット300には第2無線通信ユニット301が設けられ、データ処理システム400には第3無線通信ユニット401が設けられる。第1無線通信ユニット201、第2無線通信ユニット301及び第3無線通信ユニット401は、互いに無線接続されるため、清掃ロボット200又は移送ロボット300とデータ処理システム400とのデータ交換は、無線通信によって行われる。
【0042】
図4に示すように、移送ロボット300が清掃領域500(太陽光パネル又はパネルアレイ101)の近傍に進行する場合に、データ処理システム400は、移送ロボット300が清掃領域500の右側下端の第1移送領域505に進行し、移送装置320の出入口323が清掃領域500の方向に対向するように、移送ロボット300の位置及び方向を調整し、移送ロボット300を制御する。
【0043】
本実施例では、移送ロボット300が通路領域103内に進行する場合に、第2伸縮ロッド332の長さが最短に短縮され、移送台321は水平に車体310の頂部に設けられる。この場合に、移送台321と車体310の上面とをなす角は、0度となる。移送台321に清掃ロボット200が載置される場合に、移送中において滑り落ちることなく、安定性を保持することができる。
【0044】
移送ロボット300が清掃領域500の第1移送領域505に走行する場合に、プロセッサ340は、電気信号を第2伸縮ロッド制御部335に送信し、第2伸縮ロッド332の伸長を制御することにより、回動軸333から離間する移送台321の一端が上昇するように支持され、移送台321の他端が回動軸333周りに回動する。そして、移送台321と車体310の上面とをなす角は、水平面に対する移送台321の傾斜角と水平面に対する清掃領域500(太陽光パネル又はパネルアレイ)の傾斜角とが一致するように次第に増大することにより、移送台321の上面と清掃領域500のパネルの上面とが面一となる。第2伸縮ロッド332の伸長プロセスでは、回動軸333は、両端が二つのベース通孔326c,326d内において回動し、摺動軸331は、両端が二つの第1摺動溝325c,325d内を摺動することにより、移送台321は、揺れることなく、底部が傾斜角調整プロセスにおいて安定に保持される。
【0045】
作業領域100における全ての太陽光パネルの傾斜角が同じかつ不変であり、第2伸縮ロッド332が伸長する距離があらかじめ所定の長さに設定される場合に、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、調整された移送台321の傾斜角度は、パネルの傾斜角度と同じとなる。
【0046】
作業領域100における全ての太陽光パネルの傾斜角度が異なる場合に、データ処理システム400は、清掃領域500のパネル傾斜角度に基づいて指令を移送ロボット300のプロセッサ340に送信する。そして、プロセッサ340は、指令を第2伸縮ロッド制御部335に送信することにより、移送台321の傾斜角度を調整することができる。
【0047】
移送台321の傾斜角度が調整された後、データ処理システム400は、移送ロボット300からのフィードバック情報を受信し、清掃ロボット200に行動指令を送信し、清掃ロボット200が第1移送領域505に位置する移送台321から第2移送領域506に位置する太陽光パネル(以下、単に上板と称する)に走行し、又は第2移送領域506に位置する太陽光パネルから第1移送領域505に位置する移送台321(以下、単に下板と称する)に走行するように清掃ロボット200を制御することにより、移送プロセスが終了する。
【0048】
本実施例では、移送台321が傾斜状態にある場合に、移送台321の最低箇所の高さは、作業領域100における太陽光パネル又はパネルアレイ101の最低端(例えば清掃領域下端502)以上であり、移送台321の最高箇所の高さは、作業領域100における太陽光パネル又はパネルアレイ101の最高端(例えば清掃領域上端501)以下である。これにより、移送プロセスにおいて、移送台321を太陽光パネル又はパネルアレイ101の左側又は右側(例えば、清掃領域左側端503又は右側端504)に接続させることを確保することができる。
【0049】
移送台321は、傾斜状態又は平置状態にあることを問わず、移送台321の最低箇所の高さは、ほぼ不変であり、車体310の頂部の高さによる。移送台321とパネルとの移送位置は、パネル又はパネルアレイ101の右側の下部に位置することが好ましい。これにより、車体310の高さに対する要求が低い。車体310の重心が低いほど、移送ロボット300は、清掃ロボット200を搬送して進行するプロセスにおいて、安定となり、路面の凸凹による揺れを有効に防止することができる。
【0050】
本実施例では、移送ロボット300には、移送ロボット300の作動中の各作動データを収集する複数のデータ収集装置が設けられる。当該データ収集装置は、例えば、光電センサ601、距離センサ602、傾斜角センサ603、位置特定装置604、電子コンパス605、撮像センサ606、照明装置607及び障害物回避センサ608等のような異なるセンサ装置を有する。上述した各センサは、有線又は無線によってプロセッサ340に接続されるため、移送ロボット300は、作業プロセスにおいて収集する原始作業データをプロセッサ340に伝達し、プロセッサ340の処理によってプリ処理データが形成される。当該原始作業データ及び/又はプリ処理データは、無線通信ユニットによってデータ処理システム400に送信されるため、作業プロセスにおける移送ロボット300をリアルタイムに監視すること及び移送ロボット300の進行プロセス及び/又は移送プロセスをリアルタイムに制御することが図られる。
【0051】
図5から図6及び図12に示すように、光電センサ601は、対向するようにそれぞれ移送装置320の左側壁板322a及び右側壁板322cの内側壁に設けられる発光素子601a及び受光素子601bを有する。発光素子601a及び受光素子601bは、出入口323寄りに位置するようにそれぞれ出入口323の両側に設けられる。光電センサ601は、一対の赤外線センサからなることが好ましい。発光素子601aから射出した赤外線は、受光素子601bに受光される。そして、赤外線が遮断されるとき、プロセッサ340は、部品が出入口323を通過していることを判断することができる。
【0052】
清掃ロボット200が外部から移送装置320の出入口に走行する場合に、発光素子601aと受光素子601bとの間に形成される赤外線が遮断されるため、光電センサ601は。清掃ロボット200の前端が移送装置320に進行したことを検出することができる。そして、清掃ロボット200全体が移送装置320内に走行した場合に、発光素子601aと受光素子601bとの間に形成される赤外線の遮断が解除されるため、光電センサ601は、清掃ロボット200の後端が移送装置320に進行したことを検出することができる。よって、プロセッサ340は、光電センサ601のリアルタイムの電気信号に基づいて清掃ロボット200の前端が移送装置320に進行したことや清掃ロボット200全体が移送装置320に走行したことを判断することができる。
【0053】
距離センサ602は、出入口323と対向するように移送装置320の背側壁板322bの中央部の内側壁に設けられる。距離センサ602は、反射式赤外線センサからなることが好ましい。当該反射式赤外線センサは、出入口323の方向に赤外線を射出する。当該反射式赤外線センサが反射された赤外線を受光する場合に、清掃ロボット200の前端が出入口323から移送台321に入り込んだことを判断する。さらに、受光した赤外線の時間に基づいて清掃ロボット200の前端と移送装置320の背側壁板322bとの間の距離を取得することができる。
【0054】
清掃ロボット200が外部から移送装置320の出入口に走行する場合に、距離センサ602(反射式赤外線センサ)は、清掃ロボット200が移送装置320に進行したことを判断することができる。また、距離センサ602は、受光した反射の赤外線の時間に基づいて、清掃ロボット200の前端と背側壁板322bとの間の距離を取得することができる。そして、プロセッサ340は、当該距離の数値を取得することにより、清掃ロボット200が移送装置320に入り込む度合をリアルタイムに監視することができる。このため、プロセッサ340は、清掃ロボット200全体が移送台321内に入り込んだか否かを判断することができる。
【0055】
清掃ロボット200が出入口を経由して移送装置320から離間する場合に、距離センサ602(反射式赤外線センサ)は、清掃ロボット200が移送装置320から離間したことを判断することができる。また、距離センサ602は、受光した反射の赤外線の時間に基づいて、清掃ロボット200の前端と背側壁板322bとの間の距離を取得することができる。そして、プロセッサ340は、当該距離の数値を取得することにより、清掃ロボット200が移送装置320から離間する度合をリアルタイムに監視することができる。このため、プロセッサ340は、清掃ロボット200全体が移送台321内に離間したか否かを判断することができる。
【0056】
傾斜角センサ603は移送台321の下面(図8参照)に設けられることが好ましい。傾斜角センサ603は、移送台321の上面と水平面とをなす角(以下、単に台傾斜角と称する)をリアルタイムに検出し、台傾斜角の角度値をプロセッサ340に送信するためのものである。作業領域100における全ての太陽光パネル102の傾斜角が異なり、又はパネルの傾斜角が可変である場合に、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、傾斜角センサ603は台傾斜角の角度値をリアルタイムに検出し、プロセッサ340に送信する。リアルタイムに検出された台傾斜角の角度値とパネル傾斜角の角度値とが同じである場合に、プロセッサ340は、第2伸縮ロッド制御部335に停止指令を送信する。これにより、第2伸縮ロッド332の伸長を停止させ、台傾斜角とパネル傾斜角とを同じにすることができる。
【0057】
本実施例では、位置特定装置604は、車体310の内部又は外部に設けられるRFIDリーダ(RFID Reader)である。位置特定装置604は、車体310の底部又は移送台321の前端に設けられることが好ましい。位置特定装置604は、作業領域における車体310のリアルタイム位置を取得し、取得した車体310のリアルタイム位置をプロセッサ340に送信する。
【0058】
本実施例によれば、タグによる位置特定の方法が用いられる。通路領域103内に車体310が推奨ルートに沿って進行するように車体310を制御する。推奨ルートには、所定の距離を空けて識別可能なタグが設けられる。識別可能なタグは、例えば、RFIDタグであり、作業領域内の当該タグの位置座標等のデータが記憶される。移送ロボット300は、ある交差点又は通路段に走行する場合に、RFIDリーダは、当該交差点又は通路段に設けられるRFIDタグを読み取ることにより、プロセッサ340は、移送ロボット300のリアルタイム位置を取得することができる。また、プロセッサ340は、取得した移送ロボット300のリアルタイム位置をデータ処理システム400に送信してもよい。本実施例では、位置特定装置604は、高精度のGPS位置特定ユニット又は北斗位置特定ユニットであってもよい。この場合に、移送ロボット300の正確なリアルタイム位置を取得することができる。
【0059】
電子コンパス605は、車体310の内部又は外部に設けられることが好ましい。電子コンパス605は、移送ロボット300のリアルタイム進行方向を取得し、データ処理及びデータ分析が行われるように取得した移送ロボット300のリアルタイム進行方向をプロセッサ340に送信する。プロセッサ340は、送信された移送ロボット300のリアルタイム進行方向に基づいて、移送ロボット300のリアルタイム進行方向が所定方向と一致するか否かを判断する。移送ロボット300が所定方向からオフセットした場合に、プロセッサ340は、車体310の進行方向が即座調整されるように車体310に制御指令を送信する。
【0060】
撮像センサ606及び/又は照明装置607は車体310の前端及び/又は後端に設けられることが好ましい。撮像センサ606は、車体310の前方又は後方のリアルタイム画像及び/又はイメージをリアルタイムに収集し、収集したリアルタイム画像及び/又はイメージをプロセッサ340に送信する。移送ロボット300が作業領域100の通路領域103を進行する場合に、撮像センサ606が収集したイメージに含まれる任意時点における通路領域103内の進行可能領域は、プロセッサ340に送信される。そして、プロセッサ340は、車体310のリアルタイム進行速度に基づいて、次の時間帯において車体310がカバーする推定進行領域を算出し、推定進行領域と進行可能領域とをリアルタイムに対比することにより、次の時間帯において車体310が進行可能領域に位置するか否かを判断する。推定進行領域が進行可能領域を超える場合に、車体310の進行ルート上に障害物が存在する。車体310が進行中に障害物と接触することを防止するため、プロセッサ340は、車体310の進行方向をリアルタイムに調整すべきである。
【0061】
他の実施例では、撮像センサ606が収集したイメージには、太陽光パネル102及び/又はパネルアレイ101の額縁が含まれてもよい。なお、当該額縁は、イメージにおいて額縁直線として示される。また、他の実施例では、特定アルゴリズム処理によって、移送ロボット300は、当該額縁直線の位置を参照しながら進行方向をリアルタイムに調整することで、移送ロボット300をなるべく直線進行させることができる。
【0062】
移送ロボット300が暗い環境(例えば、夜や曇り等)において進行する場合に、照明装置607は、車体310の前方及び/又は後方の通路領域を照明することにより、撮像センサ606が画像及び/又はイメージを正常に収集させることができる。他の実施例では、撮像センサ606及び/又は照明装置607は、車体310の左側及び/又は右側に設けられてもよい。この場合に、撮像センサ606及び/又は照明装置607は、車体310の左側及び/又は右側のリアルタイム画像及び/又はイメージを収集する。他の実施例では、撮像センサ606及び/又は照明装置607は、移送装置320の片側に設けられてもよい。この場合に、撮像センサ606のカメラは、外側に向かっている。移送台321の高さ及び傾斜角が太陽光パネル102と一致するように調整される場合に、当該カメラは、太陽光パネル102に対向する。
【0063】
障害物回避センサ608は、車体310の前端又は後端に設けられる超音波センサであることが好ましい。移送ロボット300が進行し、プロセッサ340が前端又は後端の障害物回避センサ608からの検出信号を取得した場合に、車体310が進行するルートの前方又は後方に走行に影響を与える障害物が存在し、プロセッサ340は、障害物が回避されるように移送ロボット300の進行方向を調整することができる。他の実施例では、障害物回避センサ608は、車体310の左側及び/又は右側に設けられてもよい。
【0064】
本実施例によれば、清掃ロボット200の搬送具として、複数の太陽光パネルアレイ101間の通路領域103において清掃ロボット200を移送することで、清掃ロボット200を異なる太陽光パネルアレイ101に清掃させることができる。
【0065】
実施例2
実施例1では、移送ロボット300の移送台321は、一端が上昇され、他端の高さが不変に固定される。太陽光パネル102の下端の高さは、移送ロボット300の車体の頂部の高さよりも大きく、移送台321は、太陽光パネル102の全面に亘って接続することができない。明らかに、実施例1に係る移送ロボット300は、用途が制限され、太陽光パネル102の高さが低いものしか適用できない。そこで、本発明の実施例2によれば、上記技術問題を有効に解決し、異なる高さの太陽光パネル102に適用することができるものが提供される。
【0066】
図13から図14に示すように、実施例2は、実施例1に係る態様を備える。実施例2に係る移送ロボット300は、車体310と角度調整装置330との間に設けられる高さ調整装置350を備え、具体的には、高さ調整装置350は、車体310の頂部又は上部に設けられ、移送装置320の移送台321は、回動可能に高さ調整装置350の頂部に接続され、角度調整装置330は、高さ調整装置350の頂部と移送台321の底部との間に装着される点で実施例1と相違する。
【0067】
図15から図17に示すように、高さ調整装置350は、フレーム351、第1ブラケット352、第2ブラケット353及びピン軸354を有する。移送装置320は、回動可能にフレーム351の一端に接続される。第1ブラケット352は、上端が摺動可能にフレーム351に接続され、下端が回動可能に車体310の頂部に接続される。第2ブラケット353は、上端が回動可能にフレーム351に接続され、下端が摺動可能に車体310の頂部に接続される。ピン軸354は、第1ブラケット352の中央部及び第2ブラケット353の中央部を貫通し、第2ブラケット353は、ピン軸354を介して回動可能に第1ブラケット352に接続される。
【0068】
高さ調整装置350は、対向するように設けられる二つの第1レール355a,355b及び対向するように設けられる二つの第2レール356a,356bを有する。第1レール355a,355bは、水平に位置するようにフレーム351に装着され、対向する二つの対向面にそれぞれ互いに対向する二つの第2摺動溝357a,357bが形成される。第2レール356a,356bは、水平に位置するように車体310の頂部又は上部に装着され、対向する二つの対向面にそれぞれ互いに対向する二つの第3摺動溝358a,358bが形成される。
【0069】
図5から図9に示すように、実施例2の移送装置320の構造及び技術効果は、実施例1と同様であるため、これらの説明を省略する。
【0070】
図5及び図6に示すように、移送装置320は、清掃ロボット200が載置される移送台321を有する。移送台321は、回動可能に車体310の頂部又は上半部に接続される。移送プロセスにおいて、清掃ロボット200は、移送台321の上面からパネルの上面に走行し(パネルを上るプロセス)、又は、パネルの上面から移送台321の上面に走行する(パネルを下るプロセス)。
【0071】
移送装置320は、摺動可能に移送台321の上面に装着されるブリッジ板327と、一端が移送台321の下面に接続され他端がブリッジ板327の下面に接続される第1伸縮ロッド328と、をさらに有する。第1伸縮ロッド328は、液圧伸縮ロッド又は電力伸縮ロッドであり、第1伸縮ロッド制御部329を有する。第1伸縮ロッド制御部329が指令電気信号を受信する場合に、第1伸縮ロッド328の長さを調整することができる。第1伸縮ロッド328の長さが最短に短縮される場合に、ブリッジ板327は移送台321の上面に位置し、一方、第1伸縮ロッド328の長さが伸長する場合に、ブリッジ板327は出入口323の方向に向かって所定の距離を伸出する。移送ロボット300とパネルアレイ101との間の距離が最小となり、移送台321の角度がパネルアレイ101と一致するように調整される場合に、第1伸縮ロッド328が所定距離を伸出し、ブリッジ板327は太陽光パネルアレイ101に延在することにより、移送台321はパネルアレイ101に接続される。このため、清掃ロボット200は、スムーズに移送台321からパネルアレイ101(すなわち、清掃領域)に進行することができ、又は、パネルアレイ101(すなわち、清掃領域)から移送台321に進行することができる。清掃ロボット200の移送が完了した後、第1伸縮ロッド328の長さが最短に短縮され、ブリッジ板327は移送台321の上面に回収される。
【0072】
図7から図9に示すように、移送装置320は、対向して設けられる二つの摺動軸ベース325a,325bと、対向して設けられる二つの回動軸ベース326a,326bと、を有する。
【0073】
二つの摺動軸ベース325a,325bは、移送台321の底面の中央部から突出する。二つの摺動軸ベース325a,325bの対向する二つの対向面には、それぞれ二つの第1摺動溝325c、325dが設けられる。二つの第1摺動溝325c、325dは、形状、寸法が同じであり、位置が対向する。
【0074】
二つの回動軸ベース326a,326bは、移送台321の右側の一端辺縁寄りに位置するように移送台321の底面から突出する。二つの回動軸ベース326a,326bの中心には、それぞれベース通孔326c,326dが形成される。ベース通孔326c,326dは、形状、寸法が同じであり、位置が対向する。
【0075】
図15から図17に示すように、角度調整装置330は、摺動軸331、第2伸縮ロッド332、回動軸333及び伸縮ロッド装着ブラケット334を有する。第2伸縮ロッド332は、液圧伸縮ロッド又は電力伸縮ロッドであり、第2伸縮ロッド制御部335を有する。第2伸縮ロッド制御部335が指令電気信号を受信する場合に、第2伸縮ロッド332の長さを調整することができる。角度調整装置330の構造及び技術効果は、実施例1と類似するため、これらの説明を省略する。
【0076】
摺動軸331は、両端が摺動可能に二つの第1摺動溝325c、325dに装着される。伸縮ロッド装着ブラケット334は、フレーム351に接続されるようにフレーム351の下方に設けられる。第2伸縮ロッド332は、一端が回動可能に摺動軸331の中央部に接続され、他端が回動可能に伸縮ロッド装着ブラケット334に接続される。回動軸33は、中央部がフレーム351の頂部又は上半部の一端に固定して接続され、両端が回動可能に二つの回動軸ベース326a,326bのベース通孔326c,326dに装着されることにより、回動軸333は回動軸ベース326a,326bに対し回動可能である。
【0077】
第1ブラケット352は、平行に設けられる二つの第1接続ロッド3521a,3521bと、両端がそれぞれ第1接続ロッド3521a,3521bに接続される第1横梁3522とを有する。第1接続ロッド3521a又は3521bの上端の外側には、第1摺動輪3523a又は3523bが設けられる。二つの第1摺動輪3523a,3523bは、それぞれ摺動可能に第2摺動溝357a,357b内に装着される。
【0078】
第2ブラケット353は、平行に設けられる二つの第2接続ロッド3531a,3531bと、両端がそれぞれ第2接続ロッド3531a,3531bに接続される第2横梁3532とを有する。第2接続ロッド3531a又は3531bの下端の外側には、第2摺動輪3533a又は3533bが設けられる。二つの第2摺動輪3533a,3533bは、それぞれ摺動可能に第3摺動溝358a,358b内に装着される。
【0079】
角度調整装置330は、一端が回動可能に第1ブラケット352又は第2ブラケット353に接続され他端が回動可能に車体310に接続される第3伸縮ロッド359をさらに有する。第1ブラケット352に両端がそれぞれ二つの第1接続ロッド3521a,3521bと垂直して接続される第3横梁(図示しない)が設けられ、当該第3横梁の外部に筒3524が設けられ、第3伸縮ロッド359の上端は、当該第3横梁周りに回転可能に筒3524にヒンジ接続されることが好ましい。
【0080】
第3伸縮ロッド359は、液圧伸縮ロッド又は電力伸縮ロッドであり、プロセッサ340に接続され(図18参照)、第3伸縮ロッド制御部360を有する。プロセッサ340は、電気信号を送信することで第3伸縮ロッド制御部360を制御する。第3伸縮ロッド制御部360が指令電気信号を受信する場合に、第3伸縮ロッド359の長さを調整することができる。
【0081】
図3に示すように、移送ロボット300が清掃領域500(太陽光パネル又はパネルアレイ101)の付近に進行する場合に、データ処理システム400は、移送ロボット300の位置及び方向が調整されるように移送ロボット300を制御することにより、移送ロボット300を清掃領域500の右側の下端の第1移送領域505に進行させるとともに、移送装置320の出入口323を清掃領域500の方向に対向させる。
【0082】
本実施例では、移送ロボット300が通路領域103内に進行する場合に、第2伸縮ロッド332、第3伸縮ロッド359の長さは最短に短縮され、高さ調整装置350の高さは最低箇所に下降され、移送台321は水平に車体310の頂部に設けられる。この場合に、移送台321と車体310の上面とをなす角は、0度となる。移送台321に清掃ロボット200が載置される場合に、移送中において滑り落ちることなく、安定性を保持することができる。
【0083】
図3に示すように、移送ロボット300が清掃領域500の第1移送領域505に走行する場合に、プロセッサ340は、電気信号を第2伸縮ロッド制御部335及び/又は第3伸縮ロッド制御部360に送信し、第2伸縮ロッド332及び/又は第3伸縮ロッド359の伸長を制御する。第3伸縮ロッド359が伸長されることで、高さ調整装置350の上端のフレーム351及び移送台321は上昇され、第2伸縮ロッド332が伸長されることで、回動軸333から離間する移送台321の一端が上昇するように支持され、移送台321の他端が回動軸333周りに回動する。そして、移送台321と車体310の上面とをなす角は、水平面に対する移送台321の傾斜角と水平面に対する清掃領域500(太陽光パネルアレイ)の傾斜角とが一致するように次第に増大することにより、移送台321の上面と清掃領域500のパネルの上面とが面一となる。
【0084】
同様に、移送プロセスが完了した後、プロセッサ340は、電気信号を第2伸縮ロッド制御部335及び/又は第3伸縮ロッド制御部360に送信することにより、第2伸縮ロッド332及び/又は第3伸縮ロッド359の短縮を制御する。第2伸縮ロッド332が短縮されることで、移送装置320の移送台321と水平面とをなす角を0度までに減少させ、移送台321は、傾斜状態から水平状態に戻る。第3伸縮ロッド359が短縮されることで、高さ調整装置350の上端のフレーム351及び移送台321は、最低箇所に下降される。その後、移送ロボット300は、他の位置に進行することができる。
【0085】
第2伸縮ロッド332の伸長又は短縮プロセスでは、回動軸333は、両端が二つのベース通孔326c,326d内において回動し、両端が二つの第1摺動溝325c,325d内を摺動することにより、移送台321は、揺れることなく、底部が傾斜角調整プロセスにおいて安定に保持される。
【0086】
第3伸縮ロッド359の伸長又は短縮プロセスでは、第1ブラケット352は、下端が車体310に対し回動することが可能であり、上端の左右両側の第1摺動輪3523a,3523bがそれぞれ第2摺動溝357a,357b内を摺動することが可能である。また、第2ブラケット353は、上端が移送装置320に対し回動することが可能であり、下端の左右両側の第2摺動輪3533a,3533bがそれぞれ第3摺動溝358a,358b内を摺動することが可能である。第1ブラケット352、第2ブラケット353の形状、寸法は、ほぼ同じである。第1接続ロッド3521bの長さと第2接続ロッド3531bの長さとは、同じであり、第1ブラケット352の下端の回動角度と第2ブラケット353の上端の回動角度とは、同じであり、第1ブラケット352の上端の摺動距離と第2ブラケット353の下端の摺動距離とは、同じである。高さ調整装置350の昇降プロセスでは、移送装置320は、揺れることなく、安定に保持される。移送台321に清掃ロボット200が載置される場合に、清掃ロボット200は移送装置320から滑り落ちることなく、安定性を保持することができる。
【0087】
作業領域100における全ての太陽光パネル102の傾斜角が同じかつ不変であり、第2伸縮ロッド332が伸長する距離があらかじめ所定の長さに設定される場合に、第2伸縮ロッド332が伸長する度に、調整された移送台321の傾斜角度は、パネルの傾斜角度と同じとなる。
【0088】
作業領域100における全ての太陽光パネル102の高さが同じであり、第3伸縮ロッド359が伸長する距離があらかじめ所定の長さに設定される場合に、第3伸縮ロッド3359が伸長する度に、移送台321が上昇する高さは、同じであり、パネルの下端の高さ以上である。
【0089】
作業領域100における全ての太陽光パネルの傾斜角度及び/又は高さがいずれも異なる場合に、データ処理システム400は、清掃領域500のパネル高さ及びパネル傾斜角度に基づいて指令を移送ロボット300のプロセッサ340に送信する。そして、プロセッサ340は、指令を第3伸縮ロッド制御部360に送信することにより、高さ調整装置350の高さ及び移送台321の高さを調整することができる。また、プロセッサ340は、指令を第2伸縮ロッド制御部335に送信することにより、移送台321の傾斜角度を調整することができる。
【0090】
移送台321の傾斜角度が調整された後、データ処理システム400は、移送ロボット300からのフィードバック情報を受信し、清掃ロボット200に行動指令を送信し、清掃ロボット200が第1移送領域505に位置する移送台321から第2移送領域506に位置する太陽光パネル(以下、単に上板と称する)に走行し、又は第2移送領域506に位置する太陽光パネルから第1移送領域505に位置する移送台321(以下、単に下板と称する)に走行するように清掃ロボット200を制御することにより、移送プロセスが終了する。
【0091】
実施例2に係る移送ロボット300は、光電センサ601、距離センサ602、傾斜角センサ603、位置特定装置604、電子コンパス605、撮像センサ606、照明装置607及び障害物回避センサ608等のような異なるセンサ装置を有する。当該センサ装置の構造及び技術効果は、実施例1と同じであるため、これらの説明を省略する。
【0092】
本発明によれば、清掃ロボットの搬送具として、複数の太陽光パネルアレイ間の通路領域において清掃ロボットを移送することで、清掃ロボットは異なる太陽光パネルアレイを清掃することができる。実施例2では、移送ロボットの移送台の高さ及び傾斜角度は、いずれも調整されるため、太陽光パネルの高さが大きい場合であっても、移送台を太陽光パネルの全面に亘って接続することができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【工業上利用性】
【0094】
本発明の客体は、工業上製造及び使用されるため、工業上利用性を備える。
【符号の説明】
【0095】
100 作業領域、200 清掃ロボット、300 移送ロボット、400 データ処理システム、500 清掃領域、
101 太陽光パネルアレイ、102 太陽光パネル、103 通路領域、
201 第1無線通信ユニット、301 第2無線通信ユニット、401 第3無線通信ユニット、
310 車体、320 移送装置、330 角度調整装置、340 プロセッサ、350 高さ調整装置、
311 車体本体、312 進行装置、313 車両フレーム、314 回路板
321 移送台、322 壁板、322a 左側壁板、322b 背側壁板、322c 右側壁板、323 出入口、
324 緩衝部材、325a,325b 摺動軸ベース、325c,325d 第1摺動溝、
326a,326b 回動軸ベース、326c,326d ベース通孔、327 ブリッジ板
328 第1伸縮ロッド、329 第1伸縮ロッド制御部、331 摺動軸、
332 第2伸縮ロッド、333 回動軸、334 伸縮ロッド装着フレーム 335 第2伸縮ロッド制御部、
351 フレーム、352 第1ブラケット、353 第2ブラケット、354 ピン軸、335a,335b 第1レール、356a,356b 第2レール、357a,357b 第2摺動溝、358a,358b 第3摺動溝、
359 第3伸縮ロッド、360 第3伸縮ロッド制御部、
501 清掃領域上端、502 清掃領域下端、503 清掃領域左側端、504 清掃領域右側端、
505 第1移送領域、506 第2移送領域、
601 光電センサ、601a 発光素子、601b 受光素子、602 距離センサ、603 傾斜角センサ、604 位置特定装置、605 電子コンパス、606 撮像センサ、607 照明装置、608 障害物回避センサ、
3521a,3521b 第1接続ロッド、3522 第1横梁、3523a,3523b 第1摺動輪、3524 筒、
3531a,3531b 第2接続ロッド、3532 第2横梁、3533a,3533b 第2摺動輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図18