IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌ・ティ・ティテレコン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図1
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図2
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図3
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図4
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図5
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図6
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図7
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図8
  • 特許-ネットワーク通信装置および管理局装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ネットワーク通信装置および管理局装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/02 20090101AFI20221201BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20221201BHJP
   H04W 12/08 20210101ALI20221201BHJP
【FI】
H04W48/02
H04W92/12
H04W12/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018086923
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019193210
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504454989
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティテレコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 充
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-029233(JP,A)
【文献】特開2015-033037(JP,A)
【文献】特開2005-109570(JP,A)
【文献】国際公開第2016/189635(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク通信装置であって、
中継器による中継を介して複数の無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、
各無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、
申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、
前記申請条件は、
前記情報取得部が、複数のアップリンク通知のうちの1つから、第1中継器IDと、第1無線端末IDとを取得し、かつ、
前記情報取得部が、複数のアップリンク通知のうちの別の1つから、予め定められた特定の第2無線端末IDと、前記第1中継器IDと同一の申請対象中継器を示す第2中継器IDとを取得し、さらに、前記第1無線端末IDと関連付けられた繋がり情報を取得したという条件であり、
前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、
前記ネットワーク通信装置は、
前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備える、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク通信装置において、
前記第1無線端末IDによって特定される無線端末は、テレメータリングシステムにおけるメータの検針値を送信する検針用端末であり、
前記繋がり情報は、前記テレメータリングシステムにおけるメータまたは当該メータのユーザを特定する情報である、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のネットワーク通信装置において、
前記第2無線端末IDを記憶する記憶部を備え、
前記通信部は、各無線端末によるアップリンク通知を受信する前に、予め前記管理局から前記第2無線端末IDを受信し、前記第2無線端末IDを前記記憶部に記憶する、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項4】
ネットワーク通信装置であって、
中継器による中継を介して無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、
無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、
申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、
前記申請条件は、
申請対象中継器を示す中継器IDと、前記申請対象中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したという条件であり、
前記第1システムは、前記管理局とは別の装置によるサーバを含むシステムであり、
前記第2システムは、前記管理局を含むシステムであり、
前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、
前記ネットワーク通信装置は、
前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備える、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク通信装置において、
前記申請対象中継器を示す中継器IDと、無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したときに、前記申請条件判定部は、
前記ネットワーク通信装置で予め記憶されたリストであって、前記第2システムのユーザを示すIDと、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDとが対応付けられたリストを参照し、
前記アップリンク通知から取得された無線端末IDが、前記第1システムで用いられる無線端末IDとして、前記第2システムのユーザを示すIDに前記リストで対応付けられているときに、前記申請条件が成立すると判定する、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項6】
ネットワーク通信装置であって、
中継器による中継を介して無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、
無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、
申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、
前記申請条件は、
申請対象中継器を示す中継器IDと、前記申請対象中継器を共用する第1および第2システムの両者に属する無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したという条件であり、
前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、
前記ネットワーク通信装置は、
前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備え、
予め定められた数の中継器について前記申請条件が成立したときに、前記通信部は、各前記申請対象中継器について前記使用申請通知を前記管理局に送信する、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のネットワーク通信装置において、
予め定められた数の中継器について前記申請条件が成立したときに、前記通信部は、各前記申請対象中継器について前記使用申請通知を前記管理局に送信する、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のネットワーク通信装置において、
前記使用許可通知を前記通信部が前記管理局から受信したときに、前記申請対象中継器による通信を許可し、または、前記申請対象中継器を用いた通信を前記通信部に実行させる通信許可部を備える、ことを特徴とするネットワーク通信装置。
【請求項9】
中継器を管理する管理局装置において、
ネットワーク通信装置との間で通信を行う通信部と、
前記通信部で受信された情報から、中継器についての使用申請通知を取得する使用申請取得部と、
予め定められた無線端末を示す無線端末ID、予め定められた中継器を示す中継器ID、および予め定められた繋がり情報であって、前記予め定められた中継器を用いて通信を行う他の無線端末と関連付けられた繋がり情報が前記使用申請通知に含まれていたときに、前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる使用許可部と、
を備える、ことを特徴とする管理局装置。
【請求項10】
請求項に記載の管理局装置において、
前記繋がり情報は、テレメータリングシステムにおけるメータまたは当該メータのユーザを特定する情報である、ことを特徴とする管理局装置。
【請求項11】
中継器を管理する管理局装置において、
ネットワーク通信装置との間で通信を行う通信部と、
前記通信部で受信された情報から、中継器についての使用申請通知を取得する使用申請取得部と、
予め定められた中継器を示す中継器IDと、予め定められた中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDと、が前記使用申請通知に含まれていたときに、あるいは、
予め定められた中継器を示す中継器IDと、予め定められた中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDに関連付けられたユーザIDと、が前記使用申請通知に含まれていたときに、
前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる使用許可部と、を備え、
前記第1システムは、前記管理局とは別の装置によるサーバを含むシステムであり、
前記第2システムは、前記管理局を含むシステムである、ことを特徴とする管理局装置。
【請求項12】
請求項11に記載の管理局装置において、
前記第2システムのユーザを示すIDと、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDとが対応付けられた情報を記憶し、
前記使用許可部は、
前記使用申請通知に含まれていた無線端末IDが、前記第2システムのユーザを示すIDに前記リストで対応付けられているか、
前記使用申請通知に含まれていた前記第2システムのユーザを示すIDが、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDに前記リストで対応付けられているか、または、
前記使用申請通知に含まれていた前記第2システムのユーザを示すIDと、前記使用申請通知に含まれていた無線端末IDとが、前記リストで対応付けられているときに、
前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる、ことを特徴とする管理局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク通信装置および管理局装置に関し、特に、無線端末からネットワーク通信装置に対して中継を行う中継器の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを用いた通信が広く行われている。パーソナルコンピュータ等の情報端末は、光通信システム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、LAN(Local Area Network)等を介してインターネットに有線接続され、インターネットを介して他の情報端末との間で通信を行ったり、インターネット上のサーバからコンテンツを取得したりする。また、情報端末には、スマートフォンや、無線モジュールが搭載されたコンピュータ等、無線通信機能を持つものがある。このような無線端末は、公衆無線LANのアクセスポイントを介してインターネットに無線接続されることが多い(非特許文献1)。
【0003】
一般に、通信事業者によって運用される公衆無線LANは、利用登録がされたユーザによって用いられる。ユーザは、利用登録のために一時的に利用可能となっている公衆無線LANや、公衆無線LAN以外の通信経路を介して通信事業者のコンピュータとの間で通信を行って利用登録をする。ユーザは利用登録によって取得したパスワードを無線端末に入力することで、その無線端末を公衆無線LANに接続する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】日本語版ウィキペディアにおける「公衆無線LAN」についてのウェブページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公衆無線LANを運用する通信事業者は、電柱、鉄塔、防災無線放送用の柱、ビルの屋上等の第三者の設備にアクセスポイントを設置することがある。アクセスポイントを第三者の設備に設置して通信サービスを提供する際に、通信事業者は、設備所有者に使用許可を得る必要がある。通信事業者は、設備所有者との間で郵便や電子メール、電話等によって直接的に連絡を取り、設備所有者から設備の使用許可を得る。しかし、このような人為的なやりとりでは、多大な時間と労力が必要である。
【0006】
本発明は、通信ネットワークを運用する者が、アクセスポイント等の中継器を第三者の設備に設置する場合において、設備所有者の使用許可を得る手続を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネットワーク通信装置であって、中継器による中継を介して複数の無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、各無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、前記申請条件は、前記情報取得部が、複数のアップリンク通知のうちの1つから、第1中継器IDと、第1無線端末IDとを取得し、かつ、前記情報取得部が、複数のアップリンク通知のうちの別の1つから、予め定められた特定の第2無線端末IDと、前記第1中継器IDと同一の申請対象中継器を示す第2中継器IDとを取得し、さらに、前記第1無線端末IDと関連付けられた繋がり情報を取得したという条件であり、前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、前記ネットワーク通信装置は、前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備える、ことを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記第1無線端末IDによって特定される無線端末は、テレメータリングシステムにおけるメータの検針値を送信する検針用端末であり、前記繋がり情報は、前記テレメータリングシステムにおけるメータまたは当該メータのユーザを特定する情報である。
【0009】
望ましくは、前記第2無線端末IDを記憶する記憶部を備え、前記通信部は、各無線端末によるアップリンク通知を受信する前に、予め前記管理局から前記第2無線端末IDを受信し、前記第2無線端末IDを前記記憶部に記憶する。
【0010】
本発明は、ネットワーク通信装置であって、中継器による中継を介して無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、前記申請条件は、申請対象中継器を示す中継器IDと、前記申請対象中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したという条件であり、前記第1システムは、前記管理局とは別の装置によるサーバを含むシステムであり、前記第2システムは、前記管理局を含むシステムであり、前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、前記ネットワーク通信装置は、前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備える、ことを特徴とする。望ましくは、前記申請対象中継器を示す中継器IDと、無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したときに、前記申請条件判定部は、前記ネットワーク通信装置で予め記憶されたリストであって、前記第2システムのユーザを示すIDと、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDとが対応付けられたリストを参照し、前記アップリンク通知から取得された無線端末IDが、前記第1システムで用いられる無線端末IDとして、前記第2システムのユーザを示すIDに前記リストで対応付けられているときに、前記申請条件が成立すると判定する。また、本発明は、ネットワーク通信装置であって、中継器による中継を介して無線端末との間で通信を行うと共に、中継器を管理する管理局との間で通信を行う通信部と、無線端末から送信されたアップリンク通知を前記通信部が受信したときに、アップリンク通知に含まれる情報を取得する情報取得部と、申請条件が成立するか否かを判定する申請条件判定部と、を備え、前記申請条件は、申請対象中継器を示す中継器IDと、前記申請対象中継器を共用する第1および第2システムの両者に属する無線端末の無線端末IDとを、前記情報取得部がアップリンク通知から取得したという条件であり、前記申請条件が成立したときに前記通信部は、前記申請対象中継器についての使用申請通知を前記管理局に送信し、前記ネットワーク通信装置は、前記申請対象中継器についての使用許可通知を、前記管理局から前記通信部が受信しなかったときに、前記申請対象中継器による通信を制限する通信制限部を備え、予め定められた数の中継器について前記申請条件が成立したときに、前記通信部は、各前記申請対象中継器について前記使用申請通知を前記管理局に送信する、ことを特徴とする。
【0011】
望ましくは、予め定められた数の中継器について前記申請条件が成立したときに、前記通信部は、各前記申請対象中継器について前記使用申請通知を前記管理局に送信する。
【0012】
望ましくは、前記使用許可通知を前記通信部が前記管理局から受信したときに、前記申請対象中継器による通信を許可し、または、前記申請対象中継器を用いた通信を前記通信部に実行させる通信許可部を備える。
【0013】
また、本発明は、中継器を管理する管理局装置において、ネットワーク通信装置との間で通信を行う通信部と、前記通信部で受信された情報から、中継器についての使用申請通知を取得する使用申請取得部と、予め定められた無線端末を示す無線端末ID、予め定められた中継器を示す中継器ID、および予め定められた繋がり情報であって、前記予め定められた中継器を用いて通信を行う他の無線端末と関連付けられた繋がり情報が前記使用申請通知に含まれていたときに、前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる使用許可部と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
望ましくは、前記繋がり情報は、テレメータリングシステムにおけるメータまたは当該メータのユーザを特定する情報である。
【0015】
また、本発明は、中継器を管理する管理局装置において、ネットワーク通信装置との間で通信を行う通信部と、前記通信部で受信された情報から、中継器についての使用申請通知を取得する使用申請取得部と、予め定められた中継器を示す中継器IDと、予め定められた中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDと、が前記使用申請通知に含まれていたときに、あるいは、予め定められた中継器を示す中継器IDと、予め定められた中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者で用いられる無線端末の無線端末IDに関連付けられたユーザIDと、が前記使用申請通知に含まれていたときに、前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる使用許可部と、を備え、前記第1システムは、前記管理局とは別の装置によるサーバを含むシステムであり、前記第2システムは、前記管理局を含むシステムである、ことを特徴とする。望ましくは、前記第2システムのユーザを示すIDと、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDとが対応付けられた情報を記憶し、前記使用許可部は、前記使用申請通知に含まれていた無線端末IDが、前記第2システムのユーザを示すIDに前記リストで対応付けられているか、前記使用申請通知に含まれていた前記第2システムのユーザを示すIDが、前記第1システムで用いられる無線端末の無線端末IDに前記リストで対応付けられているか、または、前記使用申請通知に含まれていた前記第2システムのユーザを示すIDと、前記使用申請通知に含まれていた無線端末IDとが、前記リストで対応付けられているときに、前記中継器IDが示す中継器についての使用許可通知を、前記通信部から前記ネットワーク通信装置に送信させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信ネットワークを運用する者が中継器を第三者の設備に設置する際に、設備所有者の使用許可を得る手続が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】通信システムの構成を示す図である。
図2】通信許可/制限処理を示すシーケンスチャートである。
図3】通信許可/制限処理を示すシーケンスチャートである。
図4】通信事業者サーバが実行する処理に着目したフローチャートである。
図5】通信事業者サーバが実行する処理に着目したフローチャートである。
図6】通信許可/制限処理を示すシーケンスチャートである。
図7】通信許可/制限処理を示すシーケンスチャートである。
図8】ネットワーク通信装置のハードウエアを示す図である。
図9】管理局装置のハードウエアを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)通信システムで実行される基本的な通信処理
図1には、本発明の実施形態に係る通信システムの構成が示されている。通信システムは、通信事業者サーバ10、管理局サーバ12、ガス事業者サーバ30、インターネット14、複数のアクセスポイント16、複数の検針用端末24および複数のモバイル端末26を備えている。
【0019】
通信事業者サーバ10、管理局サーバ12およびガス事業者サーバ30は、インターネット14に接続され、インターネット14を用いた通信を行う。アクセスポイント16は、検針用端末24またはモバイル端末26から無線送信された情報を受信し、インターネット14に送信すると共に、インターネット14から受信した情報を検針用端末24またはモバイル端末26に無線送信する中継器である。
【0020】
後述のように、各検針用端末24および各モバイル端末26が実行する通信処理は、アクセスポイント16または通信事業者サーバ10において制限される場合があるが、ここでは、このような通信制限がないものとして、通信システムで実行される処理の概要を説明する。
【0021】
通信システムは、ガス事業者が所有するガス供給網20と共に運用され、テレメータリングシステムを構築している。テレメータリングシステムは、検針用端末24がガスメータ22の検針値を読み込んでガス事業者サーバ30に送信し、ガス事業者サーバ30が検針値を収集するシステムである。ガス供給網20のガス管は、ガス供給設備から各家庭の家屋28に至っており、各家屋28にガスが供給される。各家屋28に至るガス管にはガスメータ22が設けられている。ガスメータ22には検針用端末24が取り付けられており、検針用端末24はガスメータ22から検針値を読み込む。検針用端末24は、複数のアクセスポイント16のうち、通信状況が良好なアクセスポイント16に、検針値を含む検針情報を無線送信する。検針情報を受信したアクセスポイント16は、インターネット14を介して検針情報をガス事業者サーバ30に送信する。ガス事業者サーバ30は検針情報に含まれる検針値を集計する。なお、通信事業者サーバ10は、ガス事業者サーバ30の代わりに検針情報を取得してもよい。すなわち、通信事業者が、検針値を集計する作業を請け負ってもよい。
【0022】
各アクセスポイント16は、自治体が所有する防災無線放送用の柱18(以下、防災柱という。)に設置されている。この自治体は管理局サーバ12を所有しており、見守りサービスを住民に提供している。見守りサービスでは、住民が所有するモバイル端末26が、アクセスポイント16およびインターネット14を介して安否情報を管理局サーバ12に送信する。自治体の職員は、管理局サーバ12で受信された安否情報に基づいて住民の安否を確認する。
【0023】
本実施形態における安否情報は、家屋28に設置されているガスメータ22の検針値を含む。モバイル端末26は、例えば、有線接続や無線接続によって検針用端末24またはガスメータ22から検針値を取得し安否情報に含ませる。モバイル端末26は、複数のアクセスポイント16のうち、通信状況が良好なアクセスポイント16に安否情報を無線送信する。安否情報を受信したアクセスポイント16は、インターネット14を介して安否情報を管理局サーバ12に送信する。管理局サーバ12は安否情報に含まれる検針値を取得する。このような通信処理によって、管理局サーバ12が検針値を取得する処理が繰り返し実行される。自治体の職員は、所定期間における検針値の変化に基づいて、その検針値の送信元の住民の安否を確認する。このように、通信システムは、ガス事業者が所有するガス供給網20と共に運用され、住民見守りシステムを構築している。住民が所有するモバイル端末26は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等であり、住民見守りシステムに用いられる他、通常の情報端末として用いられてもよい。また、モバイル端末26は、アクセスポイント16を介してインターネット14に接続され、住民見守りシステム以外の通信を行ってもよい。
【0024】
見守りシステムでは、安否情報が管理局サーバ12以外の集計用サーバで受信されてもよい。この場合、管理局サーバ12が通信事業者サーバ10に集計用サーバのアドレスを送信し、通信事業者サーバ10が安否情報を集計用サーバに転送してもよい。集計用サーバは、管理局サーバ12が実行する処理と同様の処理によって、所定期間における検針値の変化に基づいて、各住民の安否を確認する。また、モバイル端末26は、通信事業者サーバ10を介さずに、アクセスポイント16からインターネット14を介して集計用サーバに安否情報を送信してもよい。集計用サーバは、このような集計処理に代えて、または、集計処理と共に、安否情報の内容を表示する処理を実行してもよい。
【0025】
また、安否情報に含まれる検針値を集計する処理は、通信事業者サーバ10が自動的な処理によって実行してもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、検針値の集計結果に基づいて各住民の安否を判定し、住民に異常がある旨の情報等の判定結果を管理局サーバ12に送信してもよい。
【0026】
見守りシステムでは、管理局サーバ12やその他のサーバが、インターネット14およびアクセスポイント16を介して、モバイル端末26に防災情報を送信してもよい。
【0027】
安否情報は、無線端末からアクセスポイント16による中継を介してインターネット14に接続されたサーバに送信されるという点において、検針情報と同様の情報であるといえる。しかし、安否情報を取得する主体は自治体が所有する管理局サーバ12であるのに対し、検針情報を取得する主体は、通信事業者が所有する通信事業者サーバ10またはガス事業者が所有するガス事業者サーバ30である。すなわち、安否情報と検針情報とでは、情報を伝達する媒体は共通であるものの、運用者が異なっている。
【0028】
通信事業者は、通信事業者サーバ10およびアクセスポイント16を所有している。アクセスポイント16およびインターネット14を用いた通信サービスは、通信事業者によって提供される。検針用端末24が、アクセスポイント16を介してガス事業者サーバ30との間で通信を行うためには、予め検針用端末24が利用登録をする必要がある。同様に、モバイル端末26が、アクセスポイント16を用いて管理局サーバ12との間で通信を行うためには、予めモバイル端末26が利用登録をする必要がある。利用登録は、検針用端末24、モバイル端末26等の無線端末が、自らのID(IDentification)を含む利用登録通知を、アクセスポイント16およびインターネット14を介して通信事業者サーバ10に送信することで行われる。利用登録通知を受信した通信事業者サーバ10は、利用登録通知を中継したアクセスポイント16の動作状態を、利用登録通知の送信元の無線端末の中継を引き続き行う状態に設定する。この設定は、利用登録通知に含まれていたIDを用いて、アクセスポイント16のルーティングテーブルを設定することで行われる。
【0029】
(2)アクセスポイントに対する通信許可および通信制限
上述のように、通信事業者は複数のアクセスポイント16を所有する。そして、各アクセスポイント16は、自治体が所有する防災柱18に設置されている。一般に、通信事業者がアクセスポイントを設置する際には、設置場所の所有者に許可を得る必要がある。
【0030】
このような手続に従う場合、通信事業者は、各アクセスポイントを防災柱に設置することについて、自治体に対して許可を得ることとなる。しかし、通信事業者が自治体との間で郵便や電子メール、電話等によって直接的に連絡を取り、数多くあるアクセスポイント16および防災柱18ごとに設備所有者から防災柱18の使用許可を得ることには多大な時間と労力が必要である。
【0031】
そこで、本実施形態では、自治体は、通信事業者に対して制限を課すことなくアクセスポイント16の設置について許可をする。その上で、自治体は、管理局サーバ12がアクセスポイント16を用いた通信を行うこと等、自治体が通信事業者から受ける恩恵に応じて、アクセスポイント16の通信を許可または制限する。この処理は通信システムを用いて行われる。具体的には、検針用端末24、モバイル端末26、アクセスポイント16、通信事業者サーバ10および管理局サーバ12の通信処理によって、アクセスポイント16における中継通信が許可または制限される。
【0032】
(3)アクセスポイントに対する通信許可/制限処理
アクセスポイント16に対する通信許可/制限処理は、検針用端末24およびモバイル端末26による利用登録に伴って実行される。図2は、通信許可/制限処理において管理局サーバ12、通信事業者サーバ10、アクセスポイント16、検針用端末24およびモバイル端末26が実行する処理を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、通信システムにおいて所定の条件が成立している場合の1つの例を示すものであり、あらゆる条件において実行される一般化された処理を示すものではない。
【0033】
図2を参照して通信許可/制限処理について説明する。検針用端末24およびモバイル端末26が利用登録をする前に、管理局サーバ12は、見守りシステムに参入している住民のリストである見守り住民リストを通信事業者サーバ10に送信する(S101)。見守り住民リストは、見守りサービスが提供される各モバイル端末26のID(モバイル端末ID)を含む情報である。見守り住民リストを受信した通信事業者サーバ10は、見守り住民リストを記憶する(S102)。
【0034】
検針用端末24は、自らのIDである検針用端末IDを含む利用登録通知をアクセスポイント16に送信する(S103)。利用登録通知を受信したアクセスポイント16は、自らのIDであるAPIDを利用登録通知に含ませた上で、その利用登録通知を通信事業者サーバ10に送信する。
【0035】
モバイル端末26は、利用登録をする前に、モバイル端末26を所有する住民の家屋28における検針用端末24から有線接続や無線接続によって、ガスメータおよび検針用端末24のユーザ(ガス事業者)を特定するIDを取得し(S104)、このガスメータIDを含む繋がり情報を生成する(S105)。ガスメータIDは、ガスメータの製造番号や検針値であってもよいし、ガスメータ22に取り付けられた検針用端末24の検針用端末IDであってもよい。また、モバイル端末26は、検針用端末24からガスメータIDを取得する代わりに、有線接続や無線接続によって、ガスメータ22からガスメータIDを取得してもよい。
【0036】
モバイル端末26は、アクセスポイント16に、繋がり情報と、自らのIDであるモバイル端末IDとを含む利用登録通知を送信する(S106)。利用登録通知を受信したアクセスポイント16は、自らのIDであるAPIDを利用登録通知に含ませた上で、その利用登録通知を通信事業者サーバ10に送信する。
【0037】
図2には、1つの検針用端末24が実行する処理、1つのモバイル端末26が実行する処理、および1つのアクセスポイント16が実行する処理が示されているが、他の検針用端末24、他のモバイル端末26および他のアクセスポイント16も同様の処理を実行する。すなわち、通信システムを構成する複数の検針用端末24および複数のモバイル端末26のそれぞれは、自らのIDを含む利用登録通知を、複数のアクセスポイント16のうち通信状況が良好なアクセスポイント16に送信する。利用登録通知を受信したアクセスポイント16は、自らのIDを利用登録通知に含ませて通信事業者サーバ10に送信する。
【0038】
通信事業者サーバ10は、利用登録通知に含まれる情報を取得し、次の(i)~(v)の総てを満足するという申請条件が成立したと判定したときに(S107)、使用申請通知を管理局サーバ12に送信する(S108)。使用申請通知は、防災柱の所有者である自治体からアクセスポイント16の使用許可を得るための通知である。
【0039】
(i)複数の利用登録通知が受信されたこと。
(ii)複数の利用登録通知のうちの1つから検針用端末IDが取得されたこと。
(iii)複数の利用登録通知のうちの別の1つからモバイル端末IDが取得され、このモバイル端末IDが見守り住民リストに含まれること。すなわち、このモバイル端末IDが、予め定められた特定のモバイル端末IDであること。
(iv)検針用端末IDを含んでいた利用登録通知から取得されたAPIDと、モバイル端末IDを含んでいた利用登録通知から取得されたAPIDとが同一であること。
(v)モバイル端末IDを含んでいた利用登録通知が含む繋がり情報にガスメータIDが含まれていること。すなわち、モバイル端末IDを含んでいた利用登録通知から、検針用端末24のユーザであるガス事業者を特定する繋がり情報が取得されたこと。
【0040】
別の表現によれば、申請条件は次のような条件である。すなわち、通信事業者サーバ10が、複数の利用登録通知のうちの1つから、第1中継器ID(APID)と、第1無線端末ID(検針用端末ID)とを取得し、かつ、通信事業者サーバ10が、複数の利用登録通知のうちの別の1つから、予め定められた特定の第2無線端末ID(特定のモバイル端末ID)と、第1中継器ID(APID)と同一の第2中継器ID(APID)とを取得し、さらに、第1無線端末ID(検針用端末ID)と関連付けられた繋がり情報を取得したこと。
【0041】
第1無線端末ID(検針用端末ID)で特定される検針用端末24はガス事業者によって設置されている。そして、第2無線端末ID(モバイル端末ID)で特定されるモバイル端末26は、検針用端末24のユーザであるガス事業者によって提供されたガスメータのガスメータIDを取得している。したがって、ガスメータIDを含む繋がり情報は、検針用端末24を特定する第1無線端末ID(検針用端末ID)と、ガス事業者を介して関連付けられた情報であるといえる。
【0042】
申請条件が成立した場合、テレメータリングシステムにおける検針用端末24と、見守りシステムにおけるモバイル端末26とが、同一のアクセスポイント16を用いて通信を行い、そのモバイル端末26のモバイル端末IDが見守り住民リストに含まれており、そのモバイル端末26が、検針用端末24と関連付けられているという条件が成立する。
【0043】
なお、ガスメータIDが、ただ単に検針用端末24のユーザであるガス事業者を特定するIDではなく、個々のガスメータを特定するIDである場合には、上記の(v)の条件は、次のような条件であってもよい。
【0044】
(v‘)モバイル端末IDを含んでいた利用登録通知が含む繋がり情報に、検針用端末IDが示す検針用端末24と同一の家屋に設置されたガスメータを特定するガスメータIDが含まれていること。
【0045】
この条件(v‘)の下で申請条件が成立した場合、テレメータリングシステムにおける検針用端末24と、見守りシステムにおけるモバイル端末26とが、同一のアクセスポイント16を用いて通信を行い、そのモバイル端末26のモバイル端末IDが見守り住民リストに含まれており、そのモバイル端末26が、検針用端末24と同一の家屋に設置されているという条件が成立する。
【0046】
申請条件が成立しているときに、通信事業者サーバ10は、モバイル端末ID、繋がり情報、およびAPIDを含む使用申請通知を管理局サーバ12に送信する(S108)。使用申請通知は、APIDで示されるアクセスポイント16(申請対象中継器としてのアクセスポイント16)を使用することを管理局サーバ12に申請する通知としての意味を持つ。
【0047】
なお、通信事業者サーバ10は、申請条件が成立したときに、自動的に使用申請通知を送信してもよい。また、通信事業者サーバ10は、申請条件が成立したときに、申請条件が成立した旨の情報をディスプレイ等の表示装置に表示し、使用申請通知を送信する操作を通信事業者サーバ10の操作者に促してもよい。すなわち、通信事業者サーバ10は、使用申請通知を送信する操作を受け付ける状態となってもよい。また、通信事業者サーバ10は、申請条件が成立したときに、使用申請通知を送信するためのアプリケーションを起動し、使用申請通知を送信する操作を通信事業者サーバ10の操作者に促してもよい。これらの場合、通信事業者サーバ10に対する操作が行われたときに、通信事業者サーバ10は、使用申請通知を管理局サーバ12に送信する。なお、申請条件が成立していないときは、使用申請通知を送信する操作が行われた場合であっても、通信事業者サーバ10は使用申請通知を送信しない。
【0048】
管理局サーバ12は、使用申請通知に含まれている情報を取得する。そして、使用申請通知から取得された情報について、次の(A)~(C)を満足するという許可条件が成立したと判定したきに(S109)、管理局サーバ12は、使用許可通知を通信事業者サーバ10に送信する(S110)。使用許可通知は、テレメータリングシステムおよび見守りシステムにおいて、使用申請通知に含まれていたAPIDで示されるアクセスポイント16を使用してもよい旨を示す。
【0049】
(A)モバイル端末IDが、管理局サーバ12が記憶する見守り住民リストに含まれていること。
(B)使用申請通知に含まれていたAPIDで特定されるアクセスポイント16が、予め定められたものであること。すなわち、APIDで特定されるアクセスポイント16が、自治体が所有する防災柱に設置されているものであること。
(C)繋がり情報に含まれているガスメータIDが、予め定められたガス事業者のガスメータを示すものであること。
【0050】
なお、管理局サーバ12は、許可条件が成立したときに、自動的に使用許可通知を送信してもよい。また、管理局サーバ12は、許可条件が成立したときに、許可条件が成立した旨の情報をディスプレイ等の表示装置に表示し、使用許可通知を送信する操作を管理局サーバ12の操作者に促してもよい。すなわち、管理局サーバ12は、使用許可通知を送信する操作を受け付ける状態となってもよい。また、管理局サーバ12は、許可条件が成立したときに、使用許可通知を送信するためのアプリケーションを起動し、使用許可通知を送信する操作を管理局サーバの12の操作者に促してもよい。これらの場合、管理局サーバ12に対する操作が行われたときに、管理局サーバ12は使用許可通知を通信事業者サーバ10に送信する。なお、許可条件が成立していないときは、使用許可通知を送信する操作が行われた場合であっても、管理局サーバ12は使用許可通知を送信しない。
【0051】
通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されたとの判定をすると(S111)、通信許可処理を実行する(S112)。すなわち、通信事業者サーバ10は、アクセスポイント16との間で通信を行い、アクセスポイント16が引き続き中継通信を実行するよう、アクセスポイント16の状態を設定する。
【0052】
なお、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されたとの判定をしたときに、自動的に通信許可処理を実行してもよい。また、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されたとの判定をしたときに、使用許可通知が受信された旨の情報をディスプレイ等の表示装置に表示し、通信許可処理を実行する操作を通信事業者サーバ10の操作者に促してもよい。すなわち、通信事業者サーバ10は、通信許可処理を実行する操作を受け付ける状態となってもよい。また、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されたとの判定をしたときに、通信許可処理を実行するためのアプリケーションを起動し、通信許可処理を実行する操作を通信事業者サーバの10の操作者に促してもよい。これらの場合、通信事業者サーバ10に対する操作が行われたときに、通信事業者サーバ10は通信許可処理を実行する。
【0053】
モバイル端末26は、検針用端末24からガスメータの検針値を取得する(S113)。モバイル端末26は、検針値およびモバイル端末IDを含む安否情報を生成し、アクセスポイント16に送信する(S114)。アクセスポイント16は安否情報を通信事業者サーバ10に送信し、通信事業者サーバ10は安否情報を管理局サーバ12に送信する。管理局サーバ12は、安否情報に含まれる検針値を取得する。
【0054】
見守りシステムでは、管理局サーバ12が検針値を取得する処理が繰り返し実行される。自治体の職員は、安否情報に含まれるモバイル端末IDによって住民を特定し、所定期間における検針値の変化に基づいて、その住民の安否を確認する。
【0055】
なお、アクセスポイント16から管理局サーバ12までの通信は、図2の二点鎖線で示されているように、通信事業者サーバ10を介さずに行われてもよい。この場合、アクセスポイント16は安否情報を管理局サーバ12に送信する。
【0056】
図3には、管理局サーバ12が、許可条件が成立しないと判定した場合のシーケンスチャートが示されている(S201)。図2に示されている処理と同一の処理については同一の符号を付してその説明を省略する。このシーケンスチャートも図2と同様、あらゆる条件において実行される一般化された処理を示したものではない。
【0057】
例えば、モバイル端末26のモバイル端末IDが、管理局サーバ12が記憶する見守り住民リストに含まれていない場合、管理局サーバ12は許可条件が成立しないと判定し(S201)、使用許可通知を送信しない。通信事業者サーバ10は、ステップS108で使用申請通知を送信した後、所定時間が経過しても使用許可通知が受信されない場合には、使用許可通知が受信されないとの判定をし(S202)、通信制限処理を実行する(S203)。通信制限処理において、通信事業者サーバ10はアクセスポイント16との間で通信を行い、ステップS108の使用申請通知に含ませたモバイル端末IDについて中継通信を禁止するように、アクセスポイント16の状態を設定する。すなわち、通信事業者サーバ10は、アクセスポイント16に対し中継禁止設定をし、このモバイル端末IDで特定されるモバイル端末26に対する中継通信を禁止する。また、通信事業者サーバ10は、中継禁止設定をする代わりに、ステップS108の使用申請通知に含ませたモバイル端末IDで特定されるモバイル端末26について、アクセスポイント16から中継された情報に対する処理を実行しない状態となってもよい。
【0058】
なお、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されないとの判定をしたときに、自動的に通信制限処理を実行してもよい。また、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されないとの判定をしたときに、使用許可通知が受信されなかった旨の情報をディスプレイ等の表示装置に表示し、通信制限処理を実行する操作を通信事業者サーバ10の操作者に促してもよい。すなわち、通信事業者サーバ10は、通信制限処理を実行する操作を受け付ける状態となってもよい。また、通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されないとの判定をしたときに、通信制限処理を実行するためのアプリケーションを起動し、通信制限処理を実行する操作を通信事業者サーバの10の操作者に促してもよい。これらの場合、通信事業者サーバ10に対する操作が行われたときに、通信事業者サーバ10は通信制限処理を実行する。
【0059】
通信事業者サーバ10によって通信制限処理が実行された後に、モバイル端末26が安否情報をアクセスポイント16に送信した場合、中継禁止設定がされたアクセスポイント16は、その安否情報を中継しない(S114)。なお、通信制限処理においてアクセスポイント16に対して中継禁止設定をしない場合には、図3の二点鎖線で示されているように、アクセスポイント16は安否情報を通信事業者サーバ10に中継送信する。通信事業者サーバ10は、アクセスポイント16から受信した安否情報に対しては処理を実行しない。
【0060】
(4)通信事業者サーバが実行する処理
図4には、通信事業者サーバが実行する処理に着目したフローチャートが示されている。通信事業者サーバは、管理局サーバから送信された見守り住民リストが受信されるまで、見守り住民リストの受信を待機する(S301)。通信事業者サーバは、見守り住民リストを受信するとその見守り住民リストを記憶し(S302)、各無線端末(検針用端末24またはモバイル端末26)から送信された利用登録通知を受信する(S303)。そして、各無線端末から受信した利用登録通知に基づいて、申請条件が成立するか否かを判定する(S304)。通信事業者サーバは、申請条件が成立しない場合には、引き続き無線端末から送信された利用登録通知を受信し(S303)、申請条件が成立するか否かを判定する(S304)。一方、申請条件が成立したときは、通信事業者サーバは、使用申請通知を管理局サーバに送信する(S305)。通信事業者サーバは、使用申請通知を送信した後、所定時間内に使用許可通知が受信されたか否かを判定する(S306)。そして、使用許可通知が受信された場合には通信許可処理を実行する(S307)。一方、使用申請通知を送信した後、所定時間内に使用許可通知が受信されないときは、通信事業者サーバは通信制限処理を実行する(S308)。
【0061】
通信事業者サーバは、図5のフローチャートに示される処理を実行してもよい。この処理は、N台のアクセスポイントについて申請条件が成立したときに、通信事業者サーバが、N台のアクセスポイントのそれぞれについて、ステップS305~S308の処理を実行するものである。ここで、Nは予め定められた2以上の整数である。図4に示される処理と同一の処理については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
通信事業者サーバは、ステップS304において申請条件が成立したとの判定をしたときは、N台のアクセスポイントにつき申請条件が成立したか否かを判定する(S401)。通信事業者サーバは、申請条件が成立したアクセスポイントがN台未満であると判定したときは、ステップS303に戻って処理を実行する。一方、申請条件が成立したアクセスポイントがN台であると判定したときは、通信事業者サーバは、N台のアクセスポイントのそれぞれについて、図4に示されるステップS305~S308で示される処理を実行する(S402)。この処理に対応して、管理局サーバは、図2のステップS109および図3のステップS201に示されているように、許可条件が成立したか否かを、N台のアクセスポイントのそれぞれについて判定する。管理局サーバは、N台のアクセスポイントのうち許可条件が成立しているものについて、通信事業者サーバに使用許可通知を送信する。
【0063】
なお、上記の実施形態では、モバイル端末26が通信事業者サーバ10に送信する利用登録通知には、繋がり情報およびモバイル端末IDが含まれている。このような利用者登録通知の他、繋がり情報を含まない利用登録通知が用いられてもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、例えば、モバイル端末IDと、そのユーザ(住民)が契約しているガス事業者を特定するガスメータIDとを結びつける繋がりテーブルを予め記憶する。繋がりテーブルは、上述の見守り住民リストに含まれていてもよい。すなわち、見守り住民リストは、見守りサービスが提供される各モバイル端末26のID(モバイル端末ID)と、ガスメータIDとを対応付けたテーブルであってもよい。通信事業者サーバ10は、繋がり情報からガスメータIDを取得する代わりに繋がりテーブルを参照し、利用登録通知に含まれていたモバイル端末IDに対応するガスメータIDを取得する。
【0064】
図4または図5のステップS304の処理において、通信事業者サーバ10は、各モバイル端末26から受信した利用登録通知に加えて、見守り住民リストおよび繋がりテーブル(繋がりテーブルが見守り住民リストに含まれている場合には見守り住民リスト)に基づいて、申請条件が成立するか否かを判定する。
【0065】
また、許可条件が成立するか否かの判定の一部は、管理局サーバ12の代わりに通信事業者サーバ10が実行してもよい。例えば、上記(A)~(C)の条件のうち、(A)および(C)の条件が成立するか否かの判定は、通信事業者サーバ10が実行してもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、(A)および(C)の条件が成立することを示す情報を使用申請通知に含ませる。この使用申請通知を受信した管理局サーバ12は、(B)の条件が成立するか否かを判定し、(B)の条件が成立する場合に、使用許可通知を通信事業者サーバ10に送信する。
【0066】
(5)通信システムによって得られる効果
通信システムで実行される処理によれば、通信事業者サーバ10は、申請条件が成立するときに使用申請通知を管理局サーバ12に送信する。そして、管理局サーバ12は、許可条件が成立するような使用申請通知を受信したときに、使用許可通知を通信事業者サーバ10に送信する。したがって、検針用端末24およびモバイル端末26が、同一のアクセスポイント16を用いて通信を行うと共に、そのモバイル端末26のモバイル端末IDが見守り住民リストに含まれており、そのモバイル端末26が、検針用端末24と関連付けられているという条件が成立するときに、そのアクセスポイント16による中継通信が許可される。これによって、防災柱18上で使用されるアクセスポイント16の数が制限され、自治体および通信事業者が防災柱18およびアクセスポイント16を管理する労力が低減される。
【0067】
また、この処理は、インターネット14、通信事業者サーバ10、管理局サーバ12、アクセスポイント16、検針用端末24およびモバイル端末26によって行われる。そのため、通信事業者が、アクセスポイント16を防災柱18に設置する場合において、自治体の使用許可を得る手続が容易となる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る通信システムによれば、次のような社会的状況がもたらされる。すなわち、自治体は、見守りシステムを構築することができるという恩恵と引き換えに、防災柱上でのアクセスポイントの使用を通信事業者に対して許可する。自治体は、さらに、ガスメータの検針値を見守りサービスの安否情報に利用することができるという恩恵と引き換えに、防災柱上でのアクセスポイントの使用を通信事業者に許可し、通信事業者の顧客であるガス事業者に通信事業者のアクセスポイントを使用させる。さらに、ガス事業者は、通信事業者に対して検針用端末の利用登録をすることで、テレメータリングシステムを運用することができる。
【0069】
一方、自治体の顧客に相当する住民は、ガス事業者に対しガスの使用契約をすることで、ガスの供給を受けることに加えて、自治体の見守りサービスを受けることができる。さらに、住民は、通信事業者に対してモバイル端末の利用登録をすることで、アクセスポイントを用いた個人的な通信を行うと共に、見守りサービスを受けることができる。
【0070】
(6)モバイル端末を含まない通信システム
モバイル端末26を含まない通信システムについて説明する。このシステムは、検針用端末24が、見守りシステムで用いられるモバイル端末26の機能を併せ持つものである。図6には、モバイル端末26を含まない通信システムにおいて実行される通信許可/制限処理のシーケンスチャートが示されている。図2に示される処理と同様の処理については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
管理局サーバ12は、検針用端末・見守り住民リストを通信事業者サーバ10に送信する(SA101)。検針用端末・見守り住民リストは、見守りサービスが提供される住民に与えられたID(住民ID)と、その住民の家屋28にある検針用端末24の検針用端末IDとが対応付けられた情報である。検針用端末・見守り住民リストは、住民と検針用端末24との繋がりを示す情報であるといえる。検針用端末・見守り住民リストを受信した通信事業者サーバ10は、検針用端末・見守り住民リストを記憶する(SA102)。
【0072】
通信事業者サーバ10は、各検針用端末24から受信した利用登録通知に加えて、検針用端末・見守り住民リストに基づいて、申請条件が成立するか否かを判定する。すなわち、通信事業者サーバ10は、検針用端末・見守り住民リストを参照し、利用登録通知に含まれていた検針用端末IDに、住民IDが対応付けられている場合には、申請条件が成立したとの判定をする。一方、利用登録通知に含まれていた検針用端末IDに、住民IDが対応付けられていない場合には、申請条件が成立しないとの判定をする。
【0073】
申請条件が成立した場合、テレメータリングシステムおよび見守りシステムがアクセスポイント16を共用するという条件の下で、テレメータリングシステムにおける検針用端末24が、見守りシステムにおける無線端末としても用いられるという条件が成立する。別の表現によれば、申請条件は次のような条件である。すなわち、申請対象中継器を示す中継器IDと、申請対象中継器を共用する第1システムおよび第2システムの両者に属する無線端末の無線端末IDとを、通信事業者サーバ10が利用登録通知から取得したという条件である。ここで、申請対象中継器は、申請対象のアクセスポイント16に対応し、第1システムおよび第2システムは、それぞれ、テレメータリングシステムおよび見守りシステムに対応する。
【0074】
申請条件が成立しているときに、通信事業者サーバ10は、住民ID,検針用端末IDおよびAPIDを含む使用申請通知を管理局サーバ12に送信する(SA108)。ここで、住民IDは、テレメータリングシステムおよび見守りシステムのユーザを示すIDとして、検針用端末・見守り住民リストによって検針用端末IDに関連付けられた情報(ユーザID)であるといえる。
【0075】
管理局サーバ12は、使用申請通知に含まれている情報を取得する。そして、使用申請通知から取得された情報について、次の(A‘)および(B‘)を満足するという許可条件が成立したと判定したきに(S109)、管理局サーバ12は、使用許可通知を通信事業者サーバ10に送信する(S110)。使用許可通知は、テレメータリングシステムおよび見守りシステムにおいて、使用申請通知に含まれていたAPIDで示されるアクセスポイント16を使用してもよい旨を示す。
【0076】
(A‘)使用申請通知に含まれていた住民IDおよび検針用端末IDが、管理局サーバ12が記憶する検針用端末・見守り住民リストにおいて対応付けられていること。
(B‘)使用申請通知に含まれていたAPIDで特定されるアクセスポイント16が、予め定められたものであること。すなわち、APIDで特定されるアクセスポイント16が、自治体が所有する防災柱に設置されているものであること。
【0077】
なお、本実施形態においては、(A‘)の条件が成立するか否かは、必ずしも管理局サーバ12において判定されなくてもよい。(A‘)の条件は、住民IDを有する住民が見守りシステムを利用していることを示す利用情報が、使用申請通知に含まれていること、という条件に代えてもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、ステップSA108の処理において、利用情報およびAPIDを含む使用申請通知を管理局サーバ12に送信する。利用情報を含む使用申請情報を通信事業者サーバ10が送信するため、ステップS103では、検針用端末IDに代えて、または検針用端末IDと共に、ガスメータの検針値を通信事業者サーバ10が取得してもよい。また、(A‘)の条件は、使用申請通知に含まれていた住民IDが、管理局サーバ12が記憶する検針用端末・見守り住民リストに含まれていること、という条件であってもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、ステップSA108の処理において、住民IDおよびAPIDを含む使用申請通知を管理局サーバ12に送信すればよい。また、(A‘)の条件は、使用申請通知に含まれていた検針用端末IDが、管理局サーバ12が記憶する検針用端末・見守り住民リストに含まれていること、という条件であってもよい。この場合、通信事業者サーバ10は、ステップSA108の処理において、検針用端末IDおよびAPIDを含む使用申請通知を管理局サーバ12に送信すればよい。
【0078】
通信事業者サーバ10は、使用許可通知が受信されたとの判定をすると(S111)、通信許可処理を実行する(S112)。検針用端末24は、検針値および検針用端末IDを含む安否情報を生成し、アクセスポイント16に送信する(SA114)。アクセスポイント16は安否情報を通信事業者サーバ10に送信し、通信事業者サーバ10は安否情報を管理局サーバ12に送信する。管理局サーバ12は、安否情報に含まれる検針値を取得する。
【0079】
図7には、管理局サーバ12が、許可条件が成立しないと判定した場合のシーケンスチャートが示されている(S201)。図2図3および図6に示されている処理と同一の処理については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
例えば、検針用端末24の検針用端末IDが、管理局サーバ12が記憶する見守り住民リストに含まれていない場合、管理局サーバ12は許可条件が成立しないと判定し(S201)、使用許可通知を送信しない。通信事業者サーバ10は、ステップSA108で使用申請通知を送信した後、所定時間が経過しても使用許可通知が受信されない場合には、使用許可通知が受信されないとの判定をし(S202)、通信制限処理を実行する(S203)。
【0081】
モバイル端末を含まない通信システムにおいて通信事業者サーバ10が実行する処理は、図4および図5で示されるフローチャートと同様である。ただし、ステップS301およびS302の処理は、見守り住民リストを受信および記憶する処理に代えて、検針用端末・見守り住民リストを受信および記憶する処理に置き換えられる。モバイル端末を含まない通信システムにおいても、上記「(5)通信システムによって得られる効果」で述べた効果と同様の効果が得られる。
【0082】
(7)通信事業者サーバおよび管理局サーバのハードウエア
図8には、通信事業者サーバ10として用いられるネットワーク通信装置100のハードウエアが例示されている。ネットワーク通信装置100は、情報処理ユニット48、通信インターフェイス40、記憶部42、表示部44、および操作部46を備えている。 通信インターフェイス40は、情報処理ユニット48をインターネット14に接続する。通信インターフェイス40は、インターネット14から受信した情報を情報処理ユニット48に出力し、情報処理ユニット48が出力した情報をインターネット14に送信する。
【0083】
情報処理ユニット48はプロセッサを備えており、記憶部42に記憶されているプログラムを読み込み実行することで、通信部32、情報取得部34、申請条件判定部36および通信許可/制限部38を内部に構成する。
【0084】
通信部32は、通信インターフェイス40を介してインターネット14に接続されている。これによって、通信部32は、アクセスポイント(中継器)による中継を介して、検針用端末およびモバイル端末(複数の無線端末)との間で通信を行うと共に、アクセスポイントを管理する管理局サーバ(管理局)との間で通信を行う。また、通信部32は、管理局サーバからインターネット14に送信され、インターネット14から受信された見守り住民リスト、検針用端末・見守りリスト等を記憶部42に記憶させる。
【0085】
情報取得部34は、インターネット14を介して受信された通知に含まれる各種情報を取得する。申請条件判定部36は、情報取得部34によって取得された情報に基づいて、上述の申請条件が成立するか否かを判定する。通信許可/制限部38は、通信部32から送信された使用申請通知に対し、通信部32で使用許可通知が受信されたか否かを判定する(図4のステップS306)。使用許可通知が受信された場合、通信許可/制限部38は通信部32と共に通信許可処理を実行する(図4のステップS307)。一方、通信部32で使用許可通知が受信されなかった場合、通信許可/制限部38は、通信部32と共に通信制限処理を実行する(図4のステップS308)。
【0086】
記憶部42は、情報処理ユニット48が実行するプログラム、見守り住民リスト、検針用端末・見守りリスト等を記憶する。記憶部42に代えて、インターネット14上にあるストレージが用いられてもよい。また、情報処理ユニット48の演算処理の過程で生成された情報を一時的に記憶し、情報処理ユニット48は適宜、その情報を読み込む。
【0087】
表示部44は、ディスプレイ等の表示装置を含み、情報処理ユニット48が実行する処理に応じた情報を表示する。操作部46は、キーボード、タッチパネル、マウス等を含み、ユーザの操作に応じて情報処理ユニット48に操作のための情報を与える。
【0088】
図9には、管理局サーバ12として用いられる管理局装置102のハードウエアが例示されている。管理局装置102は、情報処理ユニット62、通信インターフェイス72、記憶部74、表示部76、および操作部78を備えている。
【0089】
通信インターフェイス72は、情報処理ユニット62をインターネット14に接続する。通信インターフェイス72は、インターネット14から受信した情報を情報処理ユニット62に出力し、情報処理ユニット62が出力した情報をインターネット14に送信する。
【0090】
情報処理ユニット62はプロセッサを備えており、記憶部74に記憶されているプログラムを読み込み実行することで、通信部64、情報取得部66、許可条件判定部68および使用許可部70を内部に構成する。
【0091】
通信部64は、通信インターフェイス72を介してインターネット14に接続されており、通信事業者サーバとの間で通信を行う。また、通信部64は、記憶部74に記憶されている見守り住民リストを通信事業者サーバに送信する。
【0092】
情報取得部66は、インターネット14を介して受信された通知に含まれる各種情報を取得する。情報取得部66は使用申請取得部としての機能を有し、通信部64で受信された情報からアクセスポイントについての使用申請通知を取得する。許可条件判定部68は、使用申請通知に基づいて、上述の許可条件が成立するか否かを判定する。許可条件が成立する場合、使用許可部70は、使用許可通知を通信部64から通信事業者サーバに送信させる。
【0093】
記憶部74は、情報処理ユニット62が実行するプログラム、見守り住民リスト、検針用端末・見守りリスト等を記憶する。また、情報処理ユニット62の演算処理の過程で生成された情報を一時的に記憶し、情報処理ユニット62は適宜、その情報を読み込む。記憶部74に代えて、インターネット14上にあるストレージが用いられてもよい。
【0094】
表示部76は、ディスプレイ等の表示装置を含み、情報処理ユニット62が実行する処理に応じた情報を表示する。操作部78は、キーボード、タッチパネル、マウス等を含み、ユーザの操作に応じて情報処理ユニット62に操作のための情報を与える。
【0095】
(8)その他の応用例
上記の実施形態では、通信事業者サーバ10が、検針用端末24およびモバイル端末26から送信された利用登録通知に基づいて申請条件が成立するか否かを判定し、申請条件が成立するときに、管理局サーバ12に使用申請通知を送信する。すなわち、無線端末(22,26)から通信事業者サーバ10に向けて送信されるアップリンク通知としての利用登録通知に基づいた処理が実行される。申請条件が成立するか否かを判定する処理や、管理局サーバ12に使用申請通知を送信する処理は、その他のアップリンク通知に基づいて行われてもよい。例えば、無線端末(22,26)は、アップリンク通知としてヘルスチェック通知をアクセスポイント16を介して通信事業者サーバ10に送信してもよい。ヘルスチェック通知は、無線端末(22,26)から通信事業者サーバ10に至るまでの通信状況が良好であるか否かを通信事業者サーバ10が判定する等のために用いられる。この場合、通信事業者サーバ10が、無線端末(22,26)から送信されたヘルスチェック通知に基づいて申請条件が成立するか否かを判定し、申請条件が成立するときに、管理局サーバ12に使用申請通知を送信してもよい。
【0096】
また、上述の実施形態では、自治体が所有する防災柱18にアクセスポイント16が設置される例について取り上げた。アクセスポイント16は、自治体が所有する鉄塔、ビル等に設置されてもよい。見守りシステムや、その他の通信サービスをガス事業者が運用する場合には、ガス事業者が所有する放散塔等の設備にアクセスポイント16が設置されてもよい。この場合、ガス事業者が、設備所有者として管理局サーバ12を運用する。
【0097】
さらに、上述の実施形態では、通信システムが、ガス供給網20に対するテレメータリングシステムを構築している例について取り上げた。通信システムは、電力供給網や給水網についてのテレメータリングシステムを構築するものであってもよい。給水網は、防災柱を所有する自治体が運用していることが多い。この場合、図1のガス事業者サーバ30は水道事業者のサーバに置き換えられる。防災柱を所有する自治体が水道事業を運営している場合、管理局サーバ12と水道事業者のサーバは同一のコンピュータによって構成されてもよい。
【0098】
また、上記の実施形態では、通信網としてインターネットを用いた例を説明した。通信網は、その他の電気通信回線であってもよい。
【0099】
本発明は、以下の(a)~(c)に示されるような社会的関係が成立する場合の通信システムに用いられてよい。
(a)通信事業者Aが、インターネットおよびアクセスポイントを用いた通信事業を行い、通信サービスを顧客αに提供する。
(b)組織Bがアクセスポイントの設置場所を所有しており、インターネットおよびアクセスポイントを用いた何らかのサービスを顧客βに提供する。
(c)顧客αが顧客βに対する顧客であるか、顧客βが顧客αに対する顧客である。すなわち、顧客αと顧客βとの間に商取引等に関する契約が締結されており、顧客αと顧客βとの間に繋がりがある。
【0100】
この場合、組織Bは、通信事業者Aが通信サービスを運用することの見返りとして、通信事業者Aに対してアクセスポイントの使用を許可する。通信事業者Aの顧客αは、組織Bの設備にアクセスポイントが設置された状態で通信サービスを受けることができる。組織Bの顧客βは、顧客αが実施する事業のサービスを受けると共に、組織Bが実施する事業のサービスを受ける。
【符号の説明】
【0101】
10 通信事業者サーバ、12 管理局サーバ、14 インターネット、16 アクセスポイント、18 防災柱、20 ガス供給網、22 ガスメータ、24 検針用端末、26 モバイル端末、28 家屋、30 ガス事業者サーバ、32,64 通信部、34,66 情報取得部、36 申請条件判定部、38 通信許可/制限部、40,72 通信インターフェイス、42,74 記憶部、44,76 表示部、46,78 操作部、48,62 情報処理ユニット、68 許可条件判定部、70 使用許可部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9