(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20221201BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
F21S9/02 222
F21S9/02 200
F21V23/00 120
F21V23/00 150
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018093147
(22)【出願日】2018-05-14
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-014401(JP,A)
【文献】特開2013-145646(JP,A)
【文献】特開2012-066610(JP,A)
【文献】特開2018-147758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を備えた器具本体と、
前記凹部に取り付けられる光源ユニットと、
前記光源ユニットと隣接して、前記凹部に少なくとも一部が収納されるバッテリーと、
前記凹部において前記バッテリーに対応する位置に開閉可能に取り付けられ、開状態では前記バッテリーを露出させ、閉状態では前記バッテリーを覆っている蓋部と
を備え、
前記蓋部は、
前記凹部を跨いで取り付けられた保持部と係合する係合部を備え、前記係合部を回転の軸として開閉可能に回動
し、
前記凹部は、前記バッテリーが装着される開口を有し、
前記器具本体は、前記開口に挿し込まれたブラケットと、前記ブラケットに取り付けられたコネクタとを備え、
前記バッテリーは、前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記凹部に収納され、
前記コネクタは、前記バッテリーが前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記バッテリーと接続される照明器具。
【請求項2】
前記蓋部は、開閉時に前記光源ユニットに干渉しないように前記凹部に取り付けられた請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
凹部を備えた器具本体と、
前記凹部に取り付けられ、前記凹部の一部を覆う光源ユニットと、
前記光源ユニットと隣接し、かつ、前記光源ユニットに覆われていない前記凹部の開口部分を覆うように前記凹部に設けられ、前記凹部の開口部分を閉塞状態と開放状態とするように開閉可能な蓋部と
を備え、
前記蓋部は、
前記凹部を跨いで取り付けられた保持部と係合する係合部を備え、前記係合部を回転の軸として開閉可能に回動
し、
前記凹部は、バッテリーが装着される開口を有し、
前記器具本体は、前記開口に挿し込まれたブラケットと、前記ブラケットに取り付けられたコネクタとを備え、
前記バッテリーは、前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記凹部に収納され、
前記コネクタは、前記バッテリーが前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記バッテリーと接続される照明器具。
【請求項4】
前記凹部のうち、前記蓋部で覆われる部分は、電気部品が格納される格納部である請求項
3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記凹部のうち、前記蓋部で覆われる部分は、被取付部に取り付ける取付機構が設けられた取付部である請求項
3または請求項
4に記載の照明器具。
【請求項6】
凹部を備えた器具本体と、
前記凹部に取り付けられる光源ユニットと、
前記光源ユニットと隣接して、前記凹部に少なくとも一部が収納されるバッテリーと、
前記凹部において前記バッテリーに対応する位置に開閉可能に取り付けられ、開状態では前記バッテリーを露出させ、閉状態では前記バッテリーを覆っている蓋部と
を備え、
前記凹部は、前記バッテリーが装着される開口を有しており、
前記器具本体は、前記開口に挿し込まれたブラケットと、前記ブラケットに取り付けられたコネクタとを備え、
前記バッテリーは、前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記凹部に収納され、
前記コネクタは、前記バッテリーが前記ブラケットに挿し込まれた状態で前記バッテリーと接続される照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、階段の踊り場といった避難経路に設置される非常用照明器具が開示されている。特許文献1の照明器具では、非常時に用いられるバッテリーが照明器具の内部に収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、バッテリーの着脱をする際、光源ユニットを器具本体から取り外さなければならず、作業性に劣るという課題がある。
【0005】
本発明は、バッテリーの着脱を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、凹部を備えた器具本体と、前記凹部に取り付けられる光源ユニットと、前記光源ユニットと隣接して、前記凹部に少なくとも一部が収納されるバッテリーと、前記凹部において前記バッテリーに対応する位置に開閉可能に取り付けられ、開状態では前記バッテリーを露出させ、閉状態では前記バッテリーを覆っている蓋部とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明器具は、バッテリーは、光源ユニットと隣接して、凹部に少なくとも一部が収納される。蓋部は、凹部においてバッテリーに対応する位置に開閉可能に取り付けられる。また、蓋部は、開状態ではバッテリーを露出させ、閉状態ではバッテリーを覆っている。よって、本発明に係る照明器具によれば、バッテリーの着脱を容易にするとともに意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】実施の形態1における照明器具であり、(a)が側面図、(b)が側断面図。
【
図4】実施の形態1における照明器具の分解斜視図。
【
図5】実施の形態1におけるバッテリーの取り外し工程を示す図。
【
図6】実施の形態1における第1の光源部の前面斜視図。
【
図7】実施の形態1における第1の光源部の背面斜視図。
【
図8】実施の形態1における第1の光源部の分解斜視図。
【
図9】実施の形態1における第2の光源部であり、(a)がレンズ用開口を示す図、(b)がレンズ1500を示す図。
【
図10】実施の形態1における照明器具1の取り付け状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品の配置および向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態における照明器具1の斜視図である。
図2は、本実施の形態における照明器具1の三面図である。
図3は、本実施の形態における照明器具1であり、(a)が側面図、(b)が側断面図である。
図4は、本実施の形態における照明器具1の分解斜視図である。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具1は、例えば、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面あるいは天井面に設置される照明器具である。照明器具1が取り付けられる壁面あるいは天井面を被取付部500とする。
図1から
図3に示すように、照明器具1は、器具本体100と、第1の光源部30と、第2の光源部40とを備える。器具本体100は、本体部10と本体カバー20を備える。
本体部10は、被取付部500に取り付けられる。本体部10は、壁面あるいは天井面といった被取付部500に固定される部材であり、長尺形状を成す。本体カバー20は、本体部10を覆って本体部10に取り付けられる。本体カバー20は、長尺形状を成し、本体部10の前面側に固定される。本体カバー20は、器具外郭および意匠部を兼ねている。第1の光源部30は、長尺の光源ユニットであり、本体カバー20に取り付けられる。第1の光源部30は、常用時に点灯する光源であり、光源ユニットの例である。第2の光源部40は、第1の光源部30より小さい光源ユニットであり、本体カバー20に取り付けられる。第2の光源部40は、非常時に点灯する非常用光源である。
【0012】
<器具本体100の本体部10>
図4に示すように、器具本体100には、端子台130、非常用制御ユニット140、人感センサ150、センサ制御ユニット160、バッテリー170、点検スイッチ180、およびインジケータ190といった機器が配置される。これらの機器は、本体部10に配置され、器具本体100の内部に収容される。
【0013】
本体部10は、長尺を成し、被取付部500に取り付けられる。本体部10は、
図3の(b)および
図4に示すように、短手方向視において略コの字状をしている。本体部10は、壁面である被取付部500に取り付けられる本体底面部111と、本体底面部111の上端から本体底面部111と略垂直に突設する上側面部112と、本体底面部111の下端から本体底面部111と略垂直に突設し、上側面部112より短い下側面部113とを有する。天井面を被取付部500とした場合、上側面部112が天井面に取り付けられる。本実施の形態では、照明器具1が壁面といった被取付部500に取り付けられるものとして説明する。
本体底面部111は、本体部10を被取付部500に取り付けるための取付孔111aと、商用電源から電力供給を受けるために電源線を引き込む電源孔111bが設けられている。取付孔111aの前面側には、取付孔111aを覆うカバー取付台151が設けられる。カバー取付台151の上面部には本体カバー20の底部214が当接して固定される。また、カバー取付台151の上面部には取付孔111aと連通する台取付孔122aが形成される。また、本体部10は、略コの字状でなくともよく、下側面部113を有さない略L字状でもよい。
【0014】
<<器具本体100に配置される機器の説明>>
端子台130は、本体部10に配置され、常用時に第1の光源部30に電源を供給する電源線を接続する。端子台130には、電源孔111bに挿通された電源線が接続される。また、端子台130には、第1の光源部30の電源装置240、非常用制御ユニット140、およびセンサ制御ユニット160といった機器に給電するための給電線が接続される。
【0015】
非常用制御ユニット140は、本体部10に配置され、第2の光源部40を点灯させる。非常用制御ユニット140は、本体カバー20が本体部10に取り付けられると、斜面部211の内側に配置される。
非常用制御ユニット140は、充電回路と、切替部と、非常用点灯回路とを備える。充電回路は、商用電源から供給される電力をバッテリー170に供給し、バッテリー170を充電させる。切替部は、商用電源からの給電状況に応じて、バッテリーを充電回路に接続する状態と、バッテリー170を非常用点灯回路に接続する状態とを択一的に切り替える。バッテリーを充電回路に接続する状態を非停電状態あるいは常用時という。また、バッテリー170を非常用点灯回路に接続する状態を停電状態あるいは非常時という。非常用点灯回路は、非常時にバッテリー170からの電力供給を受け第2の光源部40を点灯させる。非常用制御ユニット140は、非常時に点灯する第2の光源部40と接続される。
【0016】
人感センサ150は、斜面部211の長手方向の中央部に配置されている。人感センサ150は、SHF帯のマイクロ波を送信し、かつ、物体に反射した反射波を受信し、ドップラー効果に起因した送信波と受信波(反射波)との周波数差に基づいて移動体を検出する。そして、人感センサ150は、人あるいは開閉される扉といった移動体を検出したときに検出信号をセンサ制御ユニット160に出力する。ただし、人感センサ150として、マイクロ波および反射波のような電波の代わりに超音波の送受波によって移動体を検出するものを用いてもよい。また、赤外線といった熱源を検知する焦電センサを用いてもよい。
【0017】
センサ制御ユニット160は、人感センサ150から検出信号が出力されていない場合、第1の光源部30を点灯させる電源装置240を停止させて第1の光源部30を消灯させるか、あるいは、定格よりも十分に少ない電力を供給させて第1の光源部30調光点灯させる。なお、電源装置240が第1の光源部30を調光点灯する方法としては、電流値、すなわち振幅値を変化させる方法、あるいは、電流を供給する期間を変化させて単位時間当たりの供給電力を増減する方法がある。
また人感センサ150から検出信号が出力された場合、センサ制御ユニット160は、電源装置240を制御して定格出力を供給させることにより、第1の光源部30を定格点灯させる。また、センサ制御ユニット160は、人感センサ150から検出信号が出力されなくなった時点から所定の待機時間が経過したら、電源装置240を制御して第1の光源部30を消灯または調光点灯させる。ただし、待機時間内に再度検出信号が出力された場合、センサ制御ユニット160は待機時間の計時をリセットし、第1の光源部30を定格点灯させ続ける。
【0018】
バッテリー170は、第1の光源部30と隣接して、凹部250に少なくとも一部が収納される。バッテリー170は、電源線から供給される電源を蓄電し、非常時に第2の光源部40に電源を供給する。バッテリー170は、非常用制御ユニット140を介して供給される電力を蓄える。また、バッテリー170は、非常時には、非常用制御ユニット140に電力を供給し、第2の光源部40を点灯させる。バッテリー170は、本体カバー20の開口1310に挿し込まれたブラケット1100に保持される。バッテリー170の保持方法については後述する。
【0019】
点検スイッチ180は、非常用制御ユニット140の切替部を強制的に非停電状態に切り替え、非常用点灯回路が正常に動作することを確認する作業、すなわち点検作業に用いられる。インジケータ190は、バッテリー170の充電状態を示す。
点検スイッチ180およびインジケータ190は、本体底面部111において斜面部211の内側に対応する位置に固定される。点検スイッチ180は、斜面部211に形成されたスイッチ用開口211bから露出する。また、インジケータ190から発せられる光はスイッチ用開口211bから作業者により視認可能である。
【0020】
<器具本体100の本体カバー20>
器具本体100は、凹部250を備える。具体的には、本体カバー20は、正面部210を開口部分とする凹部250と、斜面部211とを有する。凹部250は、第1の光源部30を取り付ける。第1の光源部30は、凹部250の一部を覆って、凹部250に取り付けられる。正面部210は長尺を成しており、長尺の第1の光源部30を取り付ける。
【0021】
また、斜面部211は、正面部210の短手方向の一方の端部である下端部210eに正面部210の長手方向に沿って形成され、第1の光源部30の照射方向から離れる方向に傾斜している。
図3の(b)に示すように、第1の光源部30の照射方向から離れる方向とは、照明器具1の前面側から背面側に向かう取付方向である。
図1に示すように、斜面部211は、長尺を成し、第1の光源部30より小さい第2の光源部40を取り付ける。照明器具1は、第2の光源部として、少なくとも2つの第2の光源部40を備える。本実施の形態では、照明器具1は、2つの第2の光源部40を備えている。2つの第2の光源部の一方の第2の光源部40は、斜面部211の長手方向の一端部に配置される。また、2つの第2の光源部の他方の第2の光源部40は、斜面部211の長手方向の他端部に配置される。
【0022】
図3の(a)に示すように、本体カバー20は、短手方向視において略五角形状もしくは台形といった多角形形状を成す。凹部250は、第1の光源部30を取り付ける開口である取付開口210aを形成する。取付開口210aの開口面が正面部210となる。凹部250の下方には斜面部211が形成される。
【0023】
凹部250は、溝の底部分となる底部214と、上面部212と、下面部213とを有する。凹部250の底部214には、本体カバー20を本体部10に取り付けた際に、台取付孔122aあるいは電源孔111bと連通する作業用開口210dが形成される。また、凹部250の底部214は、長手方向一端部に、バッテリー170が装着される開口1310を有している。
正面部210および底部214は、本体部10の本体底面部111に対して略平行となる。上面部212は、底部214の上端から、底部214に対して垂直もしくは傾斜をもたせて形成される。下面部213は、底部214の下端から、正面部210に対して垂直もしくは傾斜をもたせて形成される。
【0024】
斜面部211は、下面部213の先端、すなわち下端部210eから背面方向、すなわち取付方向に傾斜している。
図3の(a)に示すように、斜面部211の傾斜角θは、正面部210に対して、例えば、約30°から約45°の角度を有する。斜面部211は、正面部210の長手方向に沿って長尺に形成される。
図3の(a)および(b)に示すように、斜面部211は、表面が下方に向くように傾斜した平面板であり、第2の光源部40以外に表面から突出するものはない。また、斜面部211は、第2の光源部40が正面部210の延長面(傾斜角θが0°の面)より突出しないように傾斜すると、第2の光源部40の配光を遮らない構成にすることができる。
第2の光源部40は、斜面部211の長手方向の両端部の内側に配置される。斜面部211の長手方向の両端部には、第2の光源部40の光学制御部であるレンズ1500の一部を器具外郭から露出させるためのレンズ用開口1400が形成される。また、斜面部211の長手方向の中央部には、人感センサ150の一部を器具外郭から露出させる開口部211fが形成される。また、斜面部211には、インジケータ190と点検スイッチ180を露出させる開口であるスイッチ用開口211bが形成される。
また、本体カバー20は、本体カバー20の長手方向を切った断面に合わせた形状となるカバー端板220を、長手方向両端に有する。
【0025】
本体カバー20は、凹部250においてバッテリー170に対応する位置に開閉可能に取り付けられた蓋部1000を備える。蓋部1000は、開状態ではバッテリー170を露出させ、閉状態ではバッテリー170を覆っている。蓋部1000は、第1の光源部30と隣接し、かつ、第1の光源部30に覆われていない凹部250の開口部分を覆うように凹部250に設けられる。蓋部1000は、凹部250の開口部分を閉塞状態と開放状態とするように開閉可能に設けられる。具体的には、本体カバー20は、正面部210の取付開口210aの一部を覆う蓋部1000を、正面部210の取付開口210aの長手方向の一端部に有する。蓋部1000は、取付開口210aにおいて、バッテリー170が取り付けられた側の開口を塞ぐ。また、本体カバー20は、正面部210の取付開口210aの一部を覆う化粧板部230を、正面部210の取付開口210aの長手方向の他端部に有する。蓋部1000と化粧板部230とは、正面を向いており、表面は階段の階数表示のような表示面として利用できる。例えば、照明器具1を1階と2階を結ぶ階段の踊り場に設置する場合、
図2の化粧板部230には「1F」と表示し、
図2の蓋部1000には「2F」と表示できる。
取付開口210aには、長尺の第1の光源部30が配置される。第1の光源部30は、取付開口210aの中央部分を塞ぐように配置される。取付開口210aにおいて第1の光源部30が配置されない両側の端部は、化粧板部230と蓋部1000とにより塞がれる。蓋部1000の取付方法の詳細については後述する。
【0026】
<バッテリー170の保持機構および蓋部1000の取付機構>
図5は、本実施の形態に係るバッテリー170の取り外し工程を示す図である。
図4および
図5を用いて、バッテリー170の保持機構および蓋部1000の取付機構について説明する。
図4に示すように、バッテリー170は照明器具1の長手方向の一端部に第1の光源部30に隣接して設置され、開口1310から凹部250の内部に配される。バッテリー170は、非常時に2つの第2の光源部40に電力を供給する。バッテリー170は、第1の光源部30が正面部210に取り付けられた際に、第1の光源部30の長手方向の一端部の外側に配置されている。蓋部1000は、凹部250の長手方向の一端部に配されているバッテリー170を覆うように取り付けられる。
【0027】
器具本体100は、バッテリー170の保持機構として、ブラケット1100と、コネクタ1110と、蓋部1000と、蓋保持部1200とを備える。
ブラケット1100は、本体カバー20の開口1310に挿し込まれる。ブラケット1100は、バッテリー170を保持する。すなわち、バッテリー170は、ブラケット1100に挿し込まれた状態で凹部250に収納される。
コネクタ1110は、ブラケット1100に取り付けられる。コネクタ1110は、バッテリー170がブラケット1100に挿し込まれた状態でバッテリー170と接続される。コネクタ1110は、非常用制御ユニット140と接続された電線と接続される。常用時には、非常用制御ユニット140は、バッテリー170を充電する。非常時には、非常用制御ユニット140は、バッテリー170に充電された電力により第2の光源部40を点灯する。
このように、ブラケット1100は、バッテリー170が挿し込まれるとバッテリー170と電気的に接続するコネクタ1110を有するので、非常用制御ユニット140とバッテリー170を接続するための電線を本体部10に配置することが容易となる。
【0028】
蓋保持部1200は、蓋部1000を開閉可能に保持する。
蓋部1000は、開閉可能に蓋保持部1200により保持される。蓋部1000は、開閉時に第1の光源部30に干渉しないように凹部250に取り付けられている。バッテリー170がブラケット1100に保持されている状態で、蓋部1000は、バッテリー170の前面側を覆って閉状態となる。また、蓋部1000が開状態になると、バッテリー170が器具本体100から取り外し可能となる。
【0029】
<バッテリー170を取り外す工程>
図5では、照明器具1において、バッテリー170が取り付けられる側の長手方向一端部を示している。
図5の(a)は、照明器具1の各部材が組み立てられた状態を示している。蓋部1000は、第1の光源部30と長手方向に隣接して取り付けられている。
【0030】
図5の(b)は、蓋部1000の開状態を示している。
図5の(b)に示すように、蓋部1000は、保持部1200と係合する係合部1204を回転の軸として回動可能である。
保持部1200は、中央底部1201と中央底部1201の両端部から突出する一対の突出部1202とを備える。保持部1200は、コの字形状に曲げられた金属片である。保持部1200の中央底部1201は、ネジ部1203により、本体カバー20の底部214に取り付けられる。保持部1200の中央底部1201は、開口1310の縁部に沿って底部214に取り付けられる。突出部1202は、蓋部1000と係合する係合部1204を備える。
蓋部1000は、係合部1204と係合する蓋側係合部1001を備える。例えば、蓋側係合部1001と係合部1204とを貫通する軸ネジにより、蓋側係合部1001と係合部1204とが回動可能に係合される。
このとき、保持部1200と蓋部1000が係合する係合部1204の位置は、第1の光源部30の長手方向端部より離れた位置に設けられている。これにより、蓋部1000を回転させたときに第1の光源部30と干渉しないように可動させることができる。回転の軸が第1の光源部に近いと干渉するおそれがある。もしくは、回動できる範囲が狭くなり、バッテリー170が外しにくくなる。
【0031】
図5の(c)は、蓋部1000の開状態において、バッテリー170をブラケット1100から外す様子を示している。
図4および
図5の(c)に示すように、ブラケット1100は、ブラケット底部1101と、上側の上壁部1102と、下側の下壁部1103とを備える。上壁部1102と下壁部1103の先端部には、開口1310の縁部に引っ掛かることによりブラケット1100を、開口1310の縁部に係止する係止部1104を備える。ブラケット1100は、ブラケット底部1101から開口1310に挿し込まれ、係止部1104が開口1310の縁部に引っ掛かり係止される。
蓋部1000を開く方向に回動させた開状態で、バッテリー170をブラケット1100から引き抜くことで、バッテリー170を照明器具1から取り外すことができる。
【0032】
バッテリー170の取り付け方法は、
図5の(a)から(c)の逆の手順で行うことができる。このとき、ブラケット1100は、コネクタ1110を開口方向へ突出するように固定するコネクタ固定部1111を備える。このようにコネクタ1110が開口方向へ突出しているので、バッテリー170をブラケットに挿し込むことにより、バッテリー170のコネクタ接続部171とコネクタ1110とが機械的および電気的に接続される。
以上のように、第1の光源部30を外さなくとも、バッテリー170の着脱をすることができ、バッテリー170を容易に交換することができる。
【0033】
<照明器具1の内部の構成>
本体部10と本体カバー20とを組み合わせた場合の照明器具1の内部の構成について説明する。
図3の(b)に示すように、本体部10に本体カバー20が取り付けられると、照明器具1の内部には、点線で囲まれた第1収容部11と、第1収容部11の下方で点線に囲まれた第2収容部12とが形成される。第1収容部11は、本体底面部111から正面部210に渡って形成される空間である。また、第2収容部12は、本体底面部111と斜面部211の間の空間である。
第1収容部11には、端子台130およびバッテリー170といった部品が配設される。また、第2収容部12には人感センサ150、センサ制御ユニット160、非常用制御ユニット140、点検スイッチ180、およびインジケータ190といった部品が配置される。第2収容部12に、人感センサ150、センサ制御ユニット160、非常用制御ユニット140、点検スイッチ180、およびインジケータ190を配置することで、第1収容部11に、電源線および給電線といった電線を配置することができる。電源線は、端子台130に外部から引き込まれ、商用電源の供給を受けるための電線である。給電線は、端子台130と、センサ制御ユニット160あるいは第1の光源部30の電源装置240と接続する電線である。なお、端子台130は電源装置240と着脱自在に接続する端子台接続部を有し、センサ制御ユニット160は、電源装置240と着脱自在に接続するセンサ接続部を有している。
【0034】
照明器具1を壁面といった被取付部500に取り付けた状態であれば、第1の光源部30は被取付部500に対して略平行に、かつ、床面に対して略垂直方向に配される。また、第2の光源部40は、床面に対して約30°から約45°の角度となる斜面部211に沿った方向に配される。
そのため、第1の光源部30は、第2の光源部40により遮られることなく広範囲を照射できる。また、第2の光源部40は、階段であれば下り階段と踊り場を必要照度で照射することができる。
また、照明器具1を被取付部500に対し垂直投影して見たときに、第1の光源部30と第2の光源部40は同列とはならない箇所に配置される。さらに水平方向で3cm以上離間させることで、各々の配光範囲に影響を与えることがない。すなわち、
図2のL1の長さを3cm以上とすることが好ましい。
【0035】
凹部250の底部214には、第1の光源部30を取り付ける取付部120が設置される。取付部120は底部214にネジ止めされる。取付部120は、バネといった弾性素材で形成されており、本体カバー20の底部214に一端が固定されている。取付部120は、第1の光源部30に設けられた取付金具に固定されることにより、第1の光源部30を本体カバー20に固定する。
図4に示すように、取付部120は、底部214の長手方向の一端部寄りに取り付けられる。
【0036】
<第1の光源部30>
図6は、本実施の形態における第1の光源部30の前面斜視図である。
図7は、本実施の形態における第1の光源部30の背面斜視図である。
図8は、本実施の形態における第1の光源部30の分解斜視図である。
第1の光源部30は、長尺形状をしており、一部が取付開口210aより挿入され収容されることで、本体カバー20に取り付けられる。第1の光源部30は、取付開口210aよりやや短く形成されているが、取付開口210aと略同一の長さに形成されていてもよい。
【0037】
第1の光源部30は、発光素子311が基板312に実装された発光部310と、発光部310が取り付けられるフレーム320と、発光部310と対向するようにフレーム320に取り付けられる長尺形状をしたカバー部330と、カバー部330の長手方向の両端に設けられたエンドカバー340とを備える。また、フレーム320には、発光部310を点灯させるための電力を供給する電源装置240と、本体カバー20に固定されている取付部120と係合して第1の光源部30を本体カバー20に着脱自在に固定する取付金具350とを有している。カバー部330およびエンドカバー340は、透過性の材料で形成され、発光部310からの光を透過する。カバー部330およびエンドカバー340を透過した光は、所定の方向を照射する。所定の方向として、主にカバー部330は上下方向から正面方向へ照射し、エンドカバー340は、第1の光源部30の長手方向へ照射している。
第1の光源部30は、本体カバー20に収容された状態で、カバー部330が取付開口210aと同面状になるように収容されている。第1の光源部30は、本体カバー20に収容された状態において、発光部310が取付開口210aよりも内側になるように配置されている。
【0038】
発光部310は、長尺の基板312に発光素子311が直線上に複数実装されている。なお、複数実装されている列は、1列のものを図示しているが複数列有していても良い。
【0039】
フレーム320は、金属板を折り曲げで形成されており、発光部310が取り付けられる載置部321と、カバー部330を保持するカバー保持部323とを有している。なお、金属板を折り曲げて形成するだけでなく、アルミニウム材料といった金属を成型して形成しても良い。
【0040】
電源装置240は、商用電源から供給される電力を発光部310が点灯できる所定の電力に変換し供給する。電源装置240は、内側に回路基板が内蔵された電源本体部241と、電源本体部241の入力側に設けられ端子台130の端子台接続部131と接続する第1入力部242と、同じく入力側に設けられセンサ制御ユニット160のセンサ接続部と接続する第2入力部243と、出力側に設けられ発光部310と接続する出力電線244を有している。第1入力部242と端子台接続部131、および、第2入力部243とセンサ接続部は、作業用開口210dを介して着脱可能に接続する。
第1入力部242は商用電源からの電力が供給され、第2入力部243はセンサ制御ユニット160からの制御信号が入力される。
【0041】
取付金具350は、取付部120と係合して第1の光源部30を本体部10に固定する。取付金具350は、載置部321の発光部310の反対側に取り付けられている。取付金具350は、載置部321にネジ止めされる。本実施の形態では、取付金具350は、長手方向において電源装置240と反対側の端部に設けられている。なお、取付金具350は、長手方向において電源装置240をはさむよう2つ設けられていてもよい。また、取付部120が第1の光源部30に設けられ、取付金具350が本体部10に設けられてもよい。第1の光源部30は、本体カバー20に着脱可能に取り付けられる。
第1の光源部30の取付工程は次の通りである。まず、取付部120を弾性変形して取付金具350に引っ掛けることにより、第1の光源部30は本体カバー20に着脱可能に取り付けられる。その後、各配線を接続すると良い。
なお、第1の光源部30は、着脱可能であれば異なる方法で取り付けても良い。
【0042】
<第2の光源部>
図9を用いて、本実施の形態に係る第2の光源部40について説明する。
第2の光源部40は、本体カバー20の斜面部211の内側に固定される。配光制御部材であるレンズ1500は、少なくとも一部分が、本体カバー20の斜面部211に設けられたレンズ用開口1400から見えるように配置される。第2の光源部40の照射対象範囲は、例えば廊下であれば床面であり、階段であれば踊り場および階段の範囲である。
【0043】
図9の(a)は、本体カバー20のレンズ用開口1400を正面から見た図である。レンズ用開口1400は楕円形状あるいは小判形状をしている。このような形状をしていることで、
図9の(b)に示すような、第2の光源部40のレンズ1500の位置がずれないよう固定することができる。また、取り付け方向を間違えないように組み立てすることができる。仮に、レンズ用開口1400を円形状に形成してしまうと、レンズ1500を回転して取り付けしてしまう可能性があり、所定の配光を得ることができない可能性がある。レンズ用開口1400を楕円形状にすることで、間違えて取り付けされることを抑制することができる。
レンズ1500は、
図9の(b)に示すように、第一凸部1510と、第二凸部1520と、側部凹部1530を有している。
【0044】
図10は、本実施の形態に係る照明器具1の取り付け状態を示す図である。
照明器具1は、
図10の(a)に示すように壁に取り付けすることもあれば、
図4の(b)のように天井に取り付けすることもある。レンズ1500は、このように二通りの使い方をされたときにも所定の配光ができるように第一凸部1510と、第二凸部1520を形成している。第一凸部1510と、第二凸部1520はそれぞれ同じ形状にして方向性をなくし組み立て性を向上させても良く、別々の形状にしてより配光制御をしやすくしても良い。
【0045】
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態では、凹部250のうち蓋部1000で覆われる部分には、バッテリー170が格納されていた。しかし、凹部250のうち蓋部1000で覆われる部分に、バッテリー170以外の電気部品が格納されていてもよい。例えば、凹部250のうち蓋部1000で覆われる部分を、電源端子台あるいは機能アップのためのオプション機器といった電気部品を格納する格納部としてもよい。
また、凹部250のうち蓋部1000で覆われる部分に、照明器具1を被取付部500に取り付ける取付機構を設けてもよい。蓋部1000が開閉可能に取り付けられているので、作業性が向上するとともに意匠性も向上させることができる。
【0046】
<変形例2>
本実施の形態では、レンズ1500は略楕円形状であるが、略円形状、四角といった多角形状、あるいは同形状を配列させるような複合形状でもよい。
【0047】
<変形例3>
本実施の形態では、第2の光源部40として、2つの第2の光源部40を備えている。しかし、第2の光源部40は照明器具1に対して単体であってもよく、2つより多い複数であってもよい。
【0048】
<変形例4>
取付部120を取り付ける取付金具350は、長手方向において電源装置240をはさむように2つ設けられていてもよい。このとき、取付金具350も取付部に対応して載置部321に2つ設けられる。
【0049】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る照明器具1では、蓋部が、第1の光源部に隣接するバッテリーに対応する位置に開閉可能に取り付けられており、開状態ではバッテリーを露出させ、閉状態ではバッテリーを覆っている。本実施の形態に係る照明器具1によれば、第1の光源部を外さなくても、蓋部を開けるだけでバッテリーの取り外し作業を行うことができる。よって、バッテリーを容易に着脱することができる。また、意匠性を向上させることもできる。
【0050】
また、本実施の形態に係る照明器具1では、蓋部は、開閉時に光源ユニットに干渉しないように凹部に取り付けられている。よって、蓋部を大きく開放することができ、バッテリーの取り外しの作業スペースを確保でき、作業性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態に係る照明器具1では、凹部に、バッテリーが装着される開口を有している。また、本実施の形態に係る照明器具1は、その開口に挿し込まれたブラケットと、ブラケットに取り付けられたコネクタとを備えている。よって、バッテリーを着脱するには、ブラケットに着脱すればよく、バッテリーの着脱がより容易となる。
【0052】
また、本実施の形態に係る照明器具1では、バッテリーは、ブラケットに挿し込まれた状態で凹部に収納され、コネクタは、バッテリーがブラケットに挿し込まれた状態でバッテリーと電気的に接続される。よって。非常用制御ユニットとバッテリーを接続するための電線の配線が容易となる。
【0053】
実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 照明器具、100 器具本体、11 第1収容部、12 第2収容部、30 第1の光源部、40 第2の光源部、10 本体部、111 本体底面部、111a 取付孔、111b 電源孔、112 上側面部、113 下側面部、120 取付部、122a
台取付孔、130 端子台、131 端子台接続部、140 非常用制御ユニット、150 人感センサ、151 カバー取付台、160 センサ制御ユニット、170 バッテリー、171 コネクタ接続部、180 点検スイッチ、190 インジケータ、20 本体カバー、210 正面部、210a 取付開口、210e 下端部、211 斜面部、211f 開口部、211b スイッチ用開口、210d 作業用開口、220 カバー端板、230 化粧板部、250 凹部、214 底部、212 上面部、213 下面部、240 電源装置、241 電源本体部、242 第1入力部、243 第2入力部、244 出力電線、310 発光部、311 発光素子、312 基板、320 フレーム、321 載置部、323 カバー保持部、330 カバー部、340 エンドカバー、350 取付金具、360 脱落防止部材、1500 レンズ、500 被取付部、1000 蓋部、1001 蓋側係合部、1100 ブラケット、1101 ブラケット底部、1102 上壁部、1103 下壁部、1104 係止部、1110 コネクタ、1111 コネクタ固定部、1200 保持部、1201 中央底部、1202 突出部、1203 ネジ部、1204 係合部、1310 開口、1400 レンズ用開口、1510 第一凸部、1520 第二凸部、1530 側部凹部。