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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】系統連系システム及び系統連系方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20221201BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20221201BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20221201BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221201BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/46
H02J7/00 P
H02J7/34 B
H02J7/34 G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018127054
(22)【出願日】2018-07-03
(65)【公開番号】P2020010442
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】西尾 隆平
(72)【発明者】
【氏名】大堀 彰大
(72)【発明者】
【氏名】服部 将之
(72)【発明者】
【氏名】松永 耕治
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-135153(JP,A)
【文献】特開2014-212659(JP,A)
【文献】特開2006-254694(JP,A)
【文献】特開2013-042634(JP,A)
【文献】特開2006-158084(JP,A)
【文献】特開2011-188607(JP,A)
【文献】特開2016-116428(JP,A)
【文献】特開2019-134518(JP,A)
【文献】特開2019-022437(JP,A)
【文献】特開2019-009111(JP,A)
【文献】特開2017-046398(JP,A)
【文献】特開2012-005341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源を有する電力系統との系統連系システムであって、
駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、変圧器、及び連系制御装置を備え、
前記交直電力変換装置、及び充放電スタンドは、前記変圧器を介して、電力系統の降圧トランスの二次側の電力線に接続された第1負荷に接続可能にしてあり、
前記連系制御装置は、
前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から前記第1負荷に電力を供給する系統連系システム。
【請求項2】
前記商用電源と前記第1負荷との間の電路を開閉する開閉部を備え、
前記電力系統が非常時には、前記開閉部を開いて前記商用電源と前記第1負荷とを切り離す請求項1に記載の系統連系システム。
【請求項3】
前記電力系統が正常時には、前記商用電源から前記第1負荷及び前記第1負荷と異なる第2負荷に電力を供給する請求項1又は請求項2に記載の系統連系システム。
【請求項4】
前記商用電源側に接続される第1巻線と、前記交直電力変換装置側に接続される第2巻線と、前記充放電スタンド側に接続される第3巻線とを有する3巻線の前記変圧器を有する連系盤を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項5】
前記連系制御装置は、
前記電力系統が非常時の場合に、前記充放電スタンドから供給できる電力が前記第1負荷の容量を超える場合、前記充放電スタンドから前記交直電力変換装置に余剰電力を供給する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項6】
前記連系制御装置は、
前記電力系統が非常時の場合に、前記充放電スタンドから供給できる電力が前記第1負荷の容量未満の場合、前記充放電スタンド及び前記交直電力変換装置の両方から前記第1負荷に電力を供給する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項7】
前記充放電スタンドによる電動自動車のバッテリの充放電に関する情報を通知する通知部を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項8】
前記連系制御装置は、
前記電力系統が正常時であって、充電モードに設定されている場合、前記充放電スタンドにより電動自動車を充電する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項9】
前記連系制御装置は、
前記電力系統が正常時であって、エネマネモードに設定された状態で、所定箇所の受電点電力が閾値以上である場合、前記充放電スタンドから前記第1負荷及び第2負荷に電力を供給し、あるいは、前記交直電力変換装置から前記第1負荷及び第2負荷に電力を供給する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項10】
前記連系制御装置は、
前記電力系統が復電した場合、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から前記第1負荷に供給する電力を、無瞬断で前記商用電源からの電力に切り替える請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項11】
事業継続計画用に用いられる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項12】
電力系統との系統連系方法であって、
駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、変圧器、及び連系制御装置を備え、
前記交直電力変換装置、及び充放電スタンドを、前記変圧器を介して、電力系統の降圧トランスの二次側の電力線に接続された第1負荷に接続可能にし、
前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から前記第1負荷に電力を供給する系統連系方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統連系システム及び系統連系方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市場では、ガソリン車又はハイブリッド車からプラグインハイブリッド車(PHEV)又は電気自動車(EV)などの電動自動車への移行が進みつつある。特許文献1には、このような電動自動車を住宅で使用される電気機器に接続し、災害時などの非常用電源として住宅の電気機器に電力を供給するV2H(Vehicle to Home)機器が開示されている。
【0003】
一方で、自動車から電力系統への電力流通サービスは、V2Hに留まらず、一般家庭向けから、さらに大きな需要家や電力網に対するサービスであるV2B(Vehicle to Building)又はV2G(Vehicle to Grid)などを総称したV2Xに拡大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-61432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動自動車に搭載されるバッテリは大きな電力を有しており、また電動自動車の1日の平均稼働時間は比較的少ない。このため、災害時などに電動自動車の電力を電力系統などの負荷に供給することには大きな期待がある。しかし、災害時に、電動自動車が稼働している場合には、電動自動車の電力を利用することができず所要の電力を負荷に供給することができない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、負荷に対して所要の電力を供給することができる系統連系システム及び系統連系方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る系統連系システムは、商用電源を有する電力系統との系統連系システムであって、駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、及び連系制御装置を備え、前記連系制御装置は、前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に電力を供給する。
【0008】
本発明に係る系統連系方法は、電力系統との系統連系方法であって、駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、及び連系制御装置を備え、前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に電力を供給する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態の系統連系システムの外観構成の一例を示す模式図である。
図2】本実施の形態の系統連系システムの設置の一例を示す平面図である。
図3】本実施の形態の系統連系システムの設置の一例を示す正面図である。
図4】地中に埋設された電線管の一例を示す模式図である。
図5】系統連系ユニットの周囲に設置された装飾壁の配置例を示す平面図である。
図6】本実施の形態の系統連系システムの回路構成の一例を示す模式図である。
図7】本実施の形態の系統連系システムによる電力系統が正常時の系統連系の第1例を示す模式図である。
図8】本実施の形態の系統連系システムによる電力系統が正常時の系統連系の第2例を示す模式図である。
図9】本実施の形態の系統連系システムによる電力系統が非常時の自立運転の一例を示す模式図である。
図10】本実施の形態の系統連系システムによる電力系統が非常時から正常時に復帰する場合の運転切替の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の系統連系システム100の外観構成の一例を示す模式図である。図1の例では、駐車場は、5台分の駐車スペースを有する。系統連系システム100は、駐車場に設置される電動自動車(51、52、53、54、55)用の充放電スタンド41、42、43、44、45、駐車場に設置される系統連系ユニットを備える。系統連系システム100は、事業継続計画(BCP)のための機器として提供することができる。系統連系ユニットは、蓄電池(不図示)を収容する蓄電池盤10、蓄電池PCS(Power Conditioning System)(不図示)を収容する電力変換盤20、電力系統との電力連系を行う連系制御装置(不図示)を収容する連系盤30を備える。なお、充放電スタンドの数は5個に限定されない。
【0012】
電動自動車は、プラグインハイブリッド車(PHEV)又は電気自動車(EV)であり、本明細書では、PHEV又はEVとも称する。充放電スタンド41~45は、電動自動車に搭載されたバッテリ(車載用蓄電池)の充電及び放電を行うことができる。電力変換盤20に収容された蓄電池PCS(交直電力変換装置とも称する)は、交流から直流及び直流から交流の双方向に電力を変換することができ、蓄電池盤10に収容された蓄電池(定置用蓄電池とも称する)の充電及び放電を行うことができる。連系盤30に収容された連系制御装置は、電力系統が正常時には、電力系統と蓄電池PCS及び充放電スタンド41~45との系統連系運転を行い、電力系統が異常時(災害時)には、蓄電池PCS及び充放電スタンド41~45による自立運転を行うことができる。
【0013】
駐車場に充放電スタンド41~45、並びに、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30(系統連系ユニット)を設置することにより、災害時に、電動自動車が稼働しているため、電動自動車の全部又は一部が駐車場に駐車しておらず、充放電スタンド41~45から所定の負荷(重要負荷又は第1負荷とも称する)に所要の電力を供給することができない場合でも、蓄電池PCSによって蓄電池の電力を負荷に供給することができるので、全体として、負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【0014】
図2は本実施の形態の系統連系システム100の設置の一例を示す平面図であり、図3は本実施の形態の系統連系システム100の設置の一例を示す正面図である。図の例では、5台分の駐車スペース501~505のうち、駐車スペース501に駐車する電動自動車は駐車していないとする。符号6は衝突防止ポールであり、符号7は車輪止めである。
【0015】
図2に示すように、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30は、駐車スペースの車長方向(図中、符号Lで示す方向)に沿って並べて配置される。すなわち、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を、駐車スペースの車長方向に沿って並べて設置することができる。駐車場の電動自動車毎に並んだ駐車スペースの車長方向に沿って蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を並べて配置することにより、例えば、電動自動車一台分程度の駐車スペースに系統連系ユニット(蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30)を配置することができ、系統連系ユニットを含む駐車場に要する敷地面積をコンパクトにすることができる。また、系統連系ユニットと充放電スタンド41~45との間の距離を短くすることができるので、後述の電力線及び通信・制御線の配線工事及び埋設工事が容易になり工事に要するコストを低減することができる。
【0016】
蓄電池盤10は、駐車スペース側の前面に開閉扉121、122、123を備える。電力変換盤20は、駐車スペース側の前面に開閉扉211を備える。連系盤30は、駐車スペース側の前面に開閉扉311、312を備える。すなわち、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30それぞれに設けられた開閉扉が駐車スペース側に向くように、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を設置することができる。各開閉扉は、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の保守・点検時に開けて作業員が作業することができる。
【0017】
例えば、図2に示すように、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の各開閉扉に隣接する駐車スペース501に駐車する電動自動車を駐車スペース501から移動させて、駐車スペース501を空けることにより、駐車スペース501を系統連系ユニットの保守・点検用の作業スペースとして利用することができる。これにより、予め保守・点検用の作業スペースを確保した状態で系統連系ユニットを設置する必要がなく、作業スペースを含む占有面積を小さくすることができる。
【0018】
蓄電池盤10は、駐車スペースと反対側の背面に吸排気口125を備える。電力変換盤20は、駐車スペースと反対側の背面に吸排気口215を備える。蓄電池盤10は、蓄電池の他に、蓄電池の温度管理のための冷却装置及びヒータ(不図示)を収容する。また、電力変換盤20は、蓄電池PCSの他に、蓄電池PCSの放熱のための冷却装置(不図示)を収容する。駐車スペースと反対側の背面に吸排気口を設けることにより、駐車場の利用者に対して温風などが吹き出されて当たることを抑制することができ、利用者に不快感を与えることを防止できる。
【0019】
蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30は、板厚が2.3mm以上とすることができる。通常、キュービクル式高圧受電設備(単にキュービクルとも称される)には、板厚が1.6mm程度の金属板が用いられる。この場合、火災予防条例上、キュービクルは、建物から3m以上離して設置する必要がある。板厚を2.3mm以上にすることにより、建物からの離隔距離が3m以上という制限がなくなる。このため、建物に隣接する駐車場に対しても、建物との離隔距離の制限を考慮せずに系統連系ユニットの配置を考えることができ、系統連系ユニットの設置の自由度が大きくなり、結果として設置が容易になる。
【0020】
図2に示すように、連系盤30の底板には、背面側に高圧引込口301、高圧引出口302を形成してあり、前面側に低圧引出口303を形成してある。高圧引込口301には、地中に埋設された電線管(例えば、可撓性を有する硬質ポリエチレン管)内を通じて配線され、電力系統の商用電源側からの電力線(高圧電源線)、及び通信・制御線が適長引き込まれる。高圧引出口302には、地中に埋設された電線管内を通じて配線され、負荷側からの電力線(高圧電源線)、及び通信・制御線が適長引き込まれる。低圧引出口303には、地中に埋設された電線管内を通じて配線され、接地線、及び充放電スタンド41~45との間の電力線(低圧電源線)及び通信・制御線が適長引き込まれる。
【0021】
図4は地中に埋設された電線管の一例を示す模式図である。図4において、左側の図は低圧側の掘削例を示し、右側の図は高圧側の掘削例を示す。低圧側では、5個の充放電スタンドに対応して5個の電線管それぞれに電力線(例えば、CVケーブル:架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)を配線するとともに、5個の充放電スタンドに対応して5個の電線管それぞれに通信・制御線を配線し、各電線管を地中の所要の深さ(例えば、60cm以上)に埋設する。高圧側では、電線管に電力線(例えば、CVケーブル)を配線するとともに、別の電線管に通信・制御線を配線し、各電線管を地中の所要の深さ(例えば、60cm以上)に埋設する。
【0022】
本実施の形態の系統連系システム100は、以下のようにして設置することができる。すなわち、駐車場の地盤に設けられた基礎1に、蓄電池盤10、電力変換盤20、及び連系盤30を並べて設置する。蓄電池盤10、電力変換盤20、及び連系盤30それぞれの底板(不図示)に形成されたボルト孔に、基礎1に固定された基礎ボルトを挿通してナットを締結することにより、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を基礎1に固定することができる。
【0023】
系統連系ユニットを、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の3つの設備盤に分離することにより、設置現場に蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を搬入する際に、大型の輸送車両が不要となる。また、設置現場で蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を吊り上げて設置位置に移動する際に大型の重機が不要となる。特に、不特定多数の利用客が往来するショッピングモールなどの駐車場での設置においては、利用客に不便や悪印象を与えることを防止できる。また、駐車場の限られたスペースを有効利用したコンパクトな機器設置を実現することができる。
【0024】
また、連系盤30の高圧引込口301を通じて商用電源からのケーブルを接続し、連系盤30の高圧引出口302を通じて所定の負荷へのケーブルを接続し、連系盤30の低圧引出口303を通じて充放電スタンド41~45からのケーブルを接続する。ケーブルには、電力線及び通信・制御線が含まれる。低圧側配線と通信・制御線の線長は、系統連系ユニットのパッケージ設計により想定可能なため、予め線加工したものを用意することができる。
【0025】
上述の構成により、系統連系ユニットの設置工事を比較的短時間で行うことができ、工事費用を低減することができる。
【0026】
また、駐車場の地盤に設けられた基礎1に、充放電スタンド41~45を複数並べて設置することができる。系統連系ユニットが、駐車スペースに隣接して設置されるので、系統連系ユニットと充放電スタンド41~45との間の距離を短くすることができるので、電力線及び通信線の配線工事及び埋設工事が容易になり工事に要するコストを低減することができる。
【0027】
図5は系統連系ユニットの周囲に設置された装飾壁90の配置例を示す平面図である。図5に示すように、装飾壁90を、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30が据え付けられる基礎1に、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の周囲を覆うように設置することができる。装飾壁90は、広告やアートなどが表示された表示板とすることができる。装飾壁90は、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30が見えない程度の高さとすることができる。ショッピングモールや公共の場所では、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の外観は、利用者に若干の違和感を与える可能性が高い。そこで、装飾壁90で蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を覆うことにより、利用者に違和感を与えることなく、また利用者に興味を抱かせるような情報を表示することができる。
【0028】
装飾壁90の駐車スペース側の前面には、蓄電池盤10の開閉扉121、122、123の位置に対応させて出入口93を設けている。装飾壁90の駐車スペース側の前面には、電力変換盤20の開閉扉211の位置に対応させて出入口92を設けている。また、装飾壁90の駐車スペース側の前面には、連系盤30の開閉扉311、312の位置に対応させて出入口91を設けている。出入口91~93は、開閉可能な扉でもよく、着脱可能な壁板でもよい。これにより、装飾壁90で蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の周囲を覆っても、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の保守・点検を行うことができる。
【0029】
装飾壁90の駐車スペースの反対側の背面は、蓄電池盤10の吸排気口125の位置に対応させて開口95を設けている。また、装飾壁90の駐車スペースの反対側の背面は、電力変換盤20の吸排気口215の位置に対応させて開口94を設けている。開口94、95は、パンチング又はスリットなどを設けることができる。開口94、95を設けることにより、装飾壁90で蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の周囲を覆っても、蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の冷却を行うことができる。
【0030】
図5の例では、装飾壁90を蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30の周囲の4面に亘って、すべて覆う構成であるが、これに限定されない。例えば、4面のうち2面だけを覆うようにしてもよい。例えば、2面だけを覆う場合、蓄電池盤10側と背面側の2面を覆うことができる。蓄電池盤10側は、利用者の目に一番入りやすく、また背面は各盤の大きさの不一致を隠すことができる。また、2面にすることにより、4面の場合よりもコストを削減することができる。
【0031】
図2の例では、5台分の駐車スペース501~505のうち、一番端の駐車スペース501に隣接する位置に蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を並べて設置する構成であったが、設置は図2の例に限定されない。例えば、駐車スペース502と駐車スペース503との間に略1台分の駐車スペースに相当する区画を設け、その区画に蓄電池盤10、電力変換盤20及び連系盤30を並べて設置してもよい。
【0032】
図6は本実施の形態の系統連系システム100の回路構成の一例を示す模式図である。蓄電池盤10は、蓄電池(定置蓄電池)11、不図示の制御装置、冷却装置及びヒータなどを収容する。電力変換盤20は、蓄電池PCS21、不図示の制御装置及び冷却装置などを収容する。連系盤30は、連系制御装置36の他に、リモートIO31、開閉部としてのVCB32、変圧器33、UVR34、計器用変圧器35などを備える。
【0033】
連系盤30は、端子台101、102、及びブレーカ103、104、111~115を備える。端子台101は、高圧引込側の電路(高圧電源線)に設けられている。すなわち、端子台101には、電力系統の降圧トランス85の二次側からの電力線、及び一般負荷(第2負荷)に接続される降圧トランス86の一次側からの電力線が接続される。ここで、一般負荷は、例えば、災害時に電力が遮断されても、比較的影響が少ない電気機器を含む。
【0034】
端子台102は、高圧引出側の電路(高圧電源線)に設けられている。すなわち、端子台102は、重要負荷(第1負荷)に接続される降圧トランス87の一次側からの電力線が接続される。ここで、重要負荷は、災害時でも電力を継続して供給する必要性がある重要な負荷(重要負荷)であり、例えば、非常用のエレベータ、連続運転が必要な電気機器、建屋の照明や空調機器などが含まれる。
【0035】
端子台101には、断路器37を介して、VCB32の一方の電極、UVR34、計器用変圧器35が接続されている。計器用変圧器35については後述する。VCB32は、真空遮断器であり、電極を高真空の容器内に収容し、電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電を構成する物質を高真空内で拡散させてアークを消滅させる遮断器である。
【0036】
UVR34は、不足電圧継電器であり、電力系統側の短絡事故、停電などの異常を検出することができる。UVR34は、異常を検出した場合、VCB32へ制御信号を出力し、VCB32の電路を遮断させる。
【0037】
また、系統連系システムを用いて電力需要管理を行う建物には、降圧トランス85の一次側の電力を監視する電力監視ユニット80が設けられている。なお、電力監視ユニット80は、必ずしも必須ではない。また、降圧トランス85が設置されていない場合には、電力監視ユニット80が監視する箇所は適宜設定される。電力監視ユニット80は、OVGR81、RPR/UPR82、電力センサ83を備える。OVGR81は、地絡過電圧継電器であり、電力系統の地絡事故の継続検出を行う。RPR/UPR82は、逆電力継電器及び不足電力継電器であり、電力系統側への逆潮流や短絡事故などの異常を検出することができる。OVGR81、RPR/UPR82で異常を検出した場合にも、VCB32の電路が遮断される。
【0038】
リモートIO31は、電力センサ83で検出した電力(アナログ値)をデジタル値に変換するAD変換器であり、変換後の電力(デジタル値)を連系制御装置36へ出力する。
【0039】
VCB32の他方の電極には、電路を介して変圧器33(より具体的には、第1巻線331)が接続されている。変圧器33は、第1巻線331、電路を介してブレーカ103に接続される第2巻線332、電路を介してブレーカ111~115に接続される第3巻線333を備える。
【0040】
すなわち、変圧器33は、3相の3巻線変圧器とすることができる。第1巻線331側の電圧及び電力(皮相電力)は、例えば、6600V、50kVAとすることができ、第2巻線332側の電圧及び電力は、例えば、300V、50kVAとすることができ、第3巻線333側の電圧及び電力は、例えば、210V、50kVAとすることができるが、電圧及び電力は、これらの値に限定されない。変圧器33を3巻線変圧器とすることにより、変圧器を二つ設ける場合に比べて省スペース化、軽量化を図ることができる。
【0041】
ブレーカ103には、蓄電池PCS21が接続される。蓄電池PCS21は、交流から直流及び直流から交流の双方向に電力を変換することができ、蓄電池11の充電及び放電を行うことができる。
【0042】
ブレーカ104には、第3巻線333の3相のうちの1相の電路が接続され、例えば、105V~210Vの電圧が、電力変換盤20内の制御装置及び冷却装置用の電源として、さらに蓄電池盤10内の制御装置、冷却装置及びヒータ用の電源として供給される。
【0043】
ブレーカ111~115それぞれには、充放電スタンド41~45からの電力線が接続される。充放電スタンド41~45は、交流から直流及び直流から交流の双方向に電力を変換することができる変換回路を備え、電動自動車51~55に搭載されたバッテリの充電及び放電を行うことができる。
【0044】
充放電スタンド41~45は、電動自動車51~54のバッテリの充放電に関する情報を通知する通知部(不図示)を備える。通知部は、例えば、表示パネル又は表示灯でもよく、あるいは無線通信を介して、ユーザ又は管理者などが使用する端末装置へ通知してもよい。充放電に関する情報は、例えば、充放電の準備中、準備完了、充放電中、充放電完了などの動作状態、バッテリの充電状態(SOC)、満充電にするための所要時間、満充電になるまでの残余時間、放電可能量、充放電に関する料金などの情報を含めることができる。これにより、電動自動車の充放電に関する情報をタイムリーに把握することができる。
【0045】
次に、本実施の形態の系統連系システム100による系統連系方法について説明する。
【0046】
図7は本実施の形態の系統連系システム100による電力系統が正常時の系統連系の第1例を示す模式図である。連系制御装置36は、電力系統が正常時であって、充電モードが設定されている場合には、充放電スタンド41~45により電動自動車51~55を充電することができる。これにより、系統連系システム100を電動自動車の急速充放電スタンドとして利用することができる。
【0047】
また、図示していないが、電力系統が正常時には、商用電源から重要負荷に電力が供給される。また、電力系統が正常時には、商用電源から一般負荷に電力が供給される。
【0048】
負荷を一般負荷と重要負荷との二つの系統に分けることにより、後述する災害時に供給する電力を必要最小限とし、重要負荷へ電力を継続して供給するとともに、重要負荷に電力を供給できる時間を長くすることができる。
【0049】
図8は本実施の形態の系統連系システム100による電力系統が正常時の系統連系の第2例を示す模式図である。連系制御装置36は、電力系統が正常時であって、エネマネモード(エネルギーマネジメントモード)に設定された状態で、所定箇所の受電点電力が閾値以上である場合、例えば、電力センサ83で検出した電力が閾値以上である場合、閾値以下になるように、充放電スタンド41~45から重要負荷及び一般負荷に電力を供給する、あるいは、蓄電池PCS21から重要負荷及び一般負荷に電力を供給する。これにより、電力のピークカット運転が可能になる。なお、所定箇所の受電点電力が閾値以下である場合は、閾値を超えない範囲で、電力系統から充放電スタンド41~45、もしくは、蓄電池PCS21に電力を供給することができる。
【0050】
図9は本実施の形態の系統連系システム100による電力系統が非常時の自立運転の一例を示す模式図である。連系制御装置36は、電力系統が非常時には、VCB32の電極を開いて商用電源と重要負荷とを切り離す。この状態で、充放電スタンド41~45、もしくは、蓄電池PCS21から電力を供給することにより、連系制御装置36による自立運転を可能にすることができる。
【0051】
連系制御装置36は、電力系統が非常時には、充放電スタンド41~45又は蓄電池PCS21の少なくとも一方から重要負荷に電力を供給することができる。
【0052】
なお、連系制御装置36が自立運転を行う場合、蓄電池PCS21は電圧制御を行い電圧源として動作する。所要の電力を得るために必要な電流は、電圧源として動作する蓄電池PCS21に充放電スタンド41~45が連系し電流源として動作することにより実現される。
【0053】
上述の構成により、災害時に、電動自動車が稼働しているため、充放電スタンド41~45から重要負荷に所要の電力を供給することができない場合でも、蓄電池PCS21から重要負荷に電力を供給することができるので、全体として、電力系統の重要負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【0054】
より具体的には、連系制御装置36は、電力系統が非常時の場合に、充放電スタンド41~45から供給できる電力が重要負荷の容量を超える場合、充放電スタンド41~45から蓄電池PCS21に余剰電力を供給する。これにより、電動自動車が駐車スペースに駐車し、稼働していない場合、電動自動車の電力を有効利用することができる。
【0055】
また、連系制御装置36は、電力系統が非常時の場合に、充放電スタンド41~45から供給できる電力が重要負荷の容量未満の場合、充放電スタンド41~45及び蓄電池PCS21の両方から重要負荷に電力を供給する。例えば、重要負荷の容量が50kVAとし、充放電スタンド41~45から全体で30kVAの電力を供給することができる場合には、蓄電池PCS21から20kVAの電力を供給して、変圧器33の高圧側から50kVAの電力を重要負荷に供給することができる。重要負荷の容量が変化した場合には、重要負荷の容量に適した電力だけを供給することができる。これにより、所要台数の電動自動車の全部又は一部が駐車スペースに駐車しておらず稼働中である場合、不足分の電力を蓄電池PCS21から供給することができ、電力系統の重要負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【0056】
図10は本実施の形態の系統連系システム100による電力系統が非常時から正常時に復帰する場合の運転切替の一例を示す模式図である。連系制御装置36は、電力系統が復電した場合、充放電スタンド41~45又は蓄電池PCS21の少なくとも一方から重要負荷に供給する電力を、無瞬断で商用電源からの電力に切り替える。無瞬断切替は、例えば、計器用変圧器35で商用電源の位相を検出し、蓄電池PCS21の位相が商用電源の位相と同期したタイミングでVCB32の電極を閉じることにより、商用電源からの電力を重要負荷に供給する。
【0057】
商用電源が重要負荷に無瞬断で再接続された後、連系制御装置36は、充放電スタンド41~45及び蓄電池PCS21の動作を停止し、自立運転を終了する。蓄電池PCS21が電圧制御を行っているので、無瞬断切替が可能となる。その後、連系制御装置36は、系統連系を行うべく、充放電スタンド41~45及び蓄電池PCS21を再起動することができる。これにより、位相を同期させて、無瞬断で切り替えることにより、重要負荷に対して安定した電力を供給することができる。
【0058】
上述の実施の形態では、電力系統の連系を6600Vの高圧で行う構成であったが、これに限定されるものではなく、低圧で連系するようにしてもよい。低圧とする場合は、50kVA未満とする必要があるので、変圧器33の第1巻線331側の電圧及び電力(皮相電力)は、例えば、210V、49kVAとすることができ、第2巻線332側の電圧及び電力(皮相電力)は、例えば、300V、49kVAとすることができ、第3巻線333側の電圧及び電力(皮相電力)は、例えば、210V、49kVAとすることができる。また、変圧器は、3巻線変圧器に限定されるものではなく、2巻線変圧器を2つ備える構成でもよい。
【0059】
本実施の形態の系統連系システムは、商用電源を有する電力系統との系統連系システムであって、駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、及び連系制御装置を備え、前記連系制御装置は、前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に電力を供給する。
【0060】
本実施の形態の系統連系方法は、電力系統との系統連系方法であって、駐車場に設置された蓄電池、該蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、及び連系制御装置を備え、前記電力系統が非常時には、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に電力を供給する。
【0061】
系統連系システムは、駐車場に設置された蓄電池、蓄電池用の交直電力変換装置、電動自動車用の充放電スタンド、及び連系制御装置を備える。交直電力変換装置は、交流から直流及び直流から交流の双方向に電力を変換することができ、蓄電池(定置用蓄電池とも称する)の充電及び放電を行うことができる。充放電スタンドは、電動自動車(PHEV又はEV)に搭載されたバッテリ(車載用蓄電池)の充電及び放電を行うことができる。連系制御装置は、電力系統が正常時には、電力系統と交直電力変換装置及び充放電スタンドとの系統連系運転を行い、電力系統が異常時(災害時)には、交直電力変換装置及び充放電スタンドによる自立運転を行う。
【0062】
すなわち、系統連系システムは、電力系統が正常時には、商用電源から第1負荷に電力を供給する。また、充放電スタンド又は交直電力変換装置から第1負荷に電力を供給することもできる。連系制御装置は、電力系統が非常時には、充放電スタンド又は交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に電力を供給する。第1負荷は、災害時でも電力を継続して供給する必要性がある重要な負荷(重要負荷)であり、例えば、非常用のエレベータ、連続運転が必要な電気機器、建屋の照明や空調機器などが含まれる。
【0063】
上述の構成により、災害時に、電動自動車が稼働しているため、充放電スタンドから第1負荷に所要の電力を供給することができない場合でも、交直電力変換装置から第1負荷に電力を供給することができるので、全体として、負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【0064】
本実施の形態の系統連系システムは、前記商用電源と前記第1負荷との間の電路を開閉する開閉部を備え、前記電力系統が非常時には、前記開閉部を開いて前記商用電源と前記第1負荷とを切り離す。
【0065】
系統連系システムは、商用電源と第1負荷との間の電路を開閉する開閉部を備える。開閉部は、例えば、真空遮断器(VCB)とすることができ、開閉部の電極を高真空の容器内に収容し、電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電を構成する物質を高真空内で拡散させてアークを消滅させる遮断器である。
【0066】
系統連系システムは、電力系統が非常時には、開閉部の電極を開いて商用電源と第1負荷とを切り離す。これにより、連系制御装置による自立運転を可能にすることができる。
【0067】
本実施の形態の系統連系システムは、前記電力系統が正常時には、前記商用電源から前記第1負荷及び前記第1負荷と異なる第2負荷に電力を供給する。
【0068】
系統連系システムは、電力系統が正常時には、商用電源から第1負荷及び第1負荷と異なる第2負荷に電力を供給する。第1負荷が重要負荷であるのに対して、第2負荷は一般負荷であり、災害時に電力が遮断されても、比較的影響が少ない電気機器を含む。負荷を第1負荷と第2負荷との二つの系統に分けることにより、災害時に供給する電力を必要最小限とし、重要負荷へ電力を継続して供給するとともに電力を供給できる時間を長くすることができる。
【0069】
本実施の形態の系統連系システムは、前記商用電源側に接続される第1巻線と、前記交直電力変換装置側に接続される第2巻線と、前記充放電スタンド側に接続される第3巻線とを有する3巻線変圧器を有する連系盤を備える。
【0070】
連系盤は、商用電源側に接続される第1巻線と、交直電力変換装置側に接続される第2巻線と、充放電スタンド側に接続される第3巻線とを有する3巻線変圧器を有する。第1巻線は、高圧側の巻線であり、例えば、6600Vの電圧が印加又は出力されるが、電圧は6600Vに限定されない。第2巻線は、低圧側の巻線であり、例えば、300Vの電圧が印加又は出力されるが、電圧は300Vに限定されない。第3巻線は、低圧側の巻線であり、例えば、210Vの電圧が印加又は出力されるが、電圧は210Vに限定されない。3巻線変圧器を具備することにより、変圧器を二つ設ける場合に比べて省スペース化、軽量化を図ることができる。
【0071】
本実施の形態の系統連系システムにおいて、前記連系制御装置は、前記電力系統が非常時の場合に、前記充放電スタンドから供給できる電力が前記第1負荷の容量を超える場合、前記充放電スタンドから前記交直電力変換装置に余剰電力を供給する。
【0072】
連系制御装置は、電力系統が非常時の場合に、充放電スタンドから供給できる電力が第1負荷の容量を超える場合、充放電スタンドから交直電力変換装置に余剰電力を供給する。これにより、電動自動車が駐車スペースに駐車し、稼働していない場合、電動自動車の電力を有効利用することができる。
【0073】
本実施の形態の系統連系システムにおいて、前記連系制御装置は、前記電力系統が非常時の場合に、前記充放電スタンドから供給できる電力が前記第1負荷の容量未満の場合、前記充放電スタンド及び前記交直電力変換装置の両方から前記第1負荷に電力を供給する。
【0074】
連系制御装置は、電力系統が非常時の場合に、充放電スタンドから供給できる電力が第1負荷の容量未満の場合、充放電スタンド及び交直電力変換装置の両方から第1負荷に電力を供給する。これにより、所要台数の電動自動車の全部又は一部が駐車スペースに駐車しておらず稼働中である場合、不足分の電力を交直電力変換装置から供給することができ、負荷に対して所要の電力を供給することができる。
【0075】
本実施の形態の系統連系システムは、前記充放電スタンドによる電動自動車のバッテリの充放電に関する情報を通知する通知部を備える。
【0076】
通知部は、充放電スタンドによる電動自動車のバッテリの充放電に関する情報を通知する。通知部は、例えば、充放電スタンドに設けることができ、表示パネル又は表示灯でもよく、あるいは無線通信を介して、ユーザ又は管理者などが使用する端末装置へ通知してもよい。これにより、電動自動車の充放電に関する情報をタイムリーに把握することができる。
【0077】
本実施の形態の系統連系システムにおいて、前記連系制御装置は、前記電力系統が正常時であって、充電モードに設定されている場合、前記充放電スタンドにより電動自動車を充電する。
【0078】
連系制御装置は、電力系統が正常時であって、充電モードに設定されている場合、充放電スタンドにより電動自動車を充電する。これにより、電動自動車の急速充放電スタンドとして利用することができる。
【0079】
本実施の形態の系統連系システムにおいて、前記連系制御装置は、前記電力系統が正常時であって、エネマネモードに設定された状態で、所定箇所の受電点電力が閾値以上である場合、前記充放電スタンドから前記第1負荷及び第2負荷に電力を供給し、あるいは、前記交直電力変換装置から前記第1負荷及び第2負荷に電力を供給する。
【0080】
連系制御装置は、電力系統が正常時であって、エネマネモードに設定された状態で、所定箇所の受電点電力が閾値以上である場合、充放電スタンドから第1負荷及び第2負荷に電力を供給し、あるいは、交直電力変換装置から第1負荷及び第2負荷に電力を供給する。これにより、電力のピークカット運転が可能になる。
【0081】
本実施の形態の系統連系システムにおいて、前記連系制御装置は、前記電力系統が復電した場合、前記充放電スタンド又は前記交直電力変換装置の少なくとも一方から前記第1負荷に供給する電力を、無瞬断で前記商用電源からの電力に切り替える。
【0082】
連系制御装置は、電力系統が復電した場合、充放電スタンド又は交直電力変換装置の少なくとも一方から第1負荷に供給する電力を、無瞬断で商用電源からの電力に切り替える。無瞬断切替は、例えば、商用電源の位相に交直電力変換装置が出力する交流の位相が同期したときに、商用電源を投入することにより、災害時から復帰したときに、第1負荷に対して安定した電力を供給することができる。
【0083】
本実施の形態の系統連系システムは、事業継続計画用に用いられる。
【0084】
これにより、系統連系システムを、事業継続計画(BCP)のための機器として提供することができる。
【0085】
なお、前述の実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 基礎
10 蓄電池盤
11 蓄電池
20 電力変換盤
21 蓄電池PCS
30 連系盤
32 VCB
33 変圧器
36 連系制御装置
41、42、43、44、45 充放電スタンド
51、52、53、54、55 電動自動車
90装飾壁
91、92、93 出入口
94、95 開口
101、102 端子台
125、215 吸排気口
311、312 開閉扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10