(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ロボットマッチングシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2018195380
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 彩乃
(72)【発明者】
【氏名】宮本 登
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋佳
(72)【発明者】
【氏名】松本 遥香
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 宏樹
【審査官】菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-108934(JP,A)
【文献】特開2001-157983(JP,A)
【文献】特開2001-191281(JP,A)
【文献】特開2003-033580(JP,A)
【文献】特開2017-191390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報
であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、
一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を判断する判断手段と
を備えるロボットマッチングシステム。
【請求項2】
前記判断手段により前記相性が良いと判断された場合に、前記一のロボットと前記他のロボットとの情報、及び、前記一のユーザと前記他のユーザとの情報の少なくとも何れか一方の情報を出力する出力手段を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記一のロボットの前記使われ方の情報と前記他のロボットの当該使われ方の情報との共通点から、前記相性を判断すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項4】
前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットと当該ロボットを使用している前記ユーザとの間の会話の情報を含むこと
を特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項5】
前記会話の情報は、当該会話の内容、当該会話が行われる時間帯、当該会話時間の長さの少なくとも何れか一つを含むこと
を特徴とする請求項4に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項6】
前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットを使用している前記ユーザによる当該ロボットの主たる使用に関する情報とともに、当該ロボットの従たる使用に関する情報を含むこと
を特徴とする請求項1乃至
5の何れか1項に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項7】
前記従たる使用に関する情報は、前記ユーザによる前記ロボットのメンテナンスの状況を示す情報であること
を特徴とする請求項
6に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項8】
前記従たる使用に関する情報は、前記ユーザによる前記ロボットに対する充電の態様を示す情報であること
を特徴とする請求項
6に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項9】
前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットの予め定められた表現に対する、当該ロボットを使用している前記ユーザからの応答を示す情報を含
み、
前記ロボットの前記予め定められた表現により、前記ユーザに対する問い合わせが行われ、前記ユーザからの応答を示す情報は、当該問い合わせに対する返事の有無であること
を特徴とする請求項1乃至
8の何れか1項に記載のロボットマッチングシステム。
【請求項10】
複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報
であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、
一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を示す情報、及び、当該一のユーザと当該他のユーザとの相性を示す情報の少なくとも何れか一方の情報を出力する出力手段と
を備えるロボットマッチングシステム。
【請求項11】
複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報
であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、
一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のユーザと当該他のユーザとの相性を判断する判断手段と
を備えるロボットマッチングシステム。
【請求項12】
コンピュータに、
複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報
であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する機能と、
一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を判断する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットマッチングシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、登録会員の個人データを男女別に分けてデータベースに登録しておき、男女会員双方からマッチングの希望があったとき、コンピュータにより、予め用意された相性診断プログラムに従い、前記データベースから得られた前記男女会員双方に関するデータのデータマッチングを行い、このデータマッチングの結果、男女会員双方の希望条件が一定の基準を満たしている場合に、男女会員双方へ紹介レターを送付して、双方の同時紹介を行うことを特徴とする結婚相手紹介システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、相手とのコミュニケーションを図るための技術については幾つか存在している。例えば、結婚相手紹介システムでは、予め用意された相性診断プログラムに従って、データベースから男女会員双方に関するデータのデータマッチングを行い、その結果、一定の基準を満たしている場合に双方に紹介が行われる。
しかしながら、これらの相性診断プログラムでは、双方の年齢、年収、職業などの表面的な情報による相性診断に留めざるを得なかった。
【0005】
本発明の目的は、例えば結婚相手紹介システムなどのコミュニケーションツールでは把握が難しい情報によってユーザ同士の相性を判断することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を判断する判断手段とを備えるロボットマッチングシステムである。
ここで、ロボットマッチングシステムは、前記判断手段により前記相性が良いと判断された場合に、前記一のロボットと前記他のロボットとの情報、及び、前記一のユーザと前記他のユーザとの情報の少なくとも何れか一方の情報を出力する出力手段を更に備えることを特徴とすることができる。
また、前記判断手段は、前記一のロボットの前記使われ方の情報と前記他のロボットの当該使われ方の情報との共通点から、前記相性を判断することを特徴とすることができる。
さらに、前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットと当該ロボットを使用している前記ユーザとの間の会話の情報を含むことを特徴とすることができる。
そして、前記会話の情報は、当該会話の内容、当該会話が行われる時間帯、当該会話時間の長さの少なくとも何れか一つを含むことを特徴とすることができる。
また、前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットを使用している前記ユーザによる当該ロボットの主たる使用に関する情報とともに、当該ロボットの従たる使用に関する情報を含むことを特徴とすることができる。
さらに、前記従たる使用に関する情報は、前記ユーザによる前記ロボットのメンテナンスの状況を示す情報であることを特徴とすることができる。
そして、前記従たる使用に関する情報は、前記ユーザによる前記ロボットに対する充電の態様を示す情報であることを特徴とすることができる。
また、前記情報取得手段により取得される前記使われ方の情報は、前記ロボットの予め定められた表現に対する、当該ロボットを使用している前記ユーザからの応答を示す情報を含み、前記ロボットの前記予め定められた表現により、前記ユーザに対する問い合わせが行われ、前記ユーザからの応答を示す情報は、当該問い合わせに対する返事の有無であることを特徴とすることができる。
さらに、かかる目的のもと、本発明は、複複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を示す情報、及び、当該一のユーザと当該他のユーザとの相性を示す情報の少なくとも何れか一方の情報を出力する出力手段とを備えるロボットマッチングシステムである。
そして、かかる目的のもと、本発明は、複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する情報取得手段と、一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のユーザと当該他のユーザとの相性を判断する判断手段とを備えるロボットマッチングシステムである。
また、本発明をプログラムとして捉えた場合、本発明が適用されるプログラムは、コンピュータに、複数のユーザの各々が使用している各々のロボットの使われ方の情報であって、当該ロボットの用途、当該ロボットが使われる時間帯、および当該ロボットが使われる頻度の少なくとも何れか一つを含む当該使われ方の情報を取得する機能と、一のユーザが使用している一のロボットの使われ方の情報と、他のユーザが使用している他のロボットの使われ方の情報とにより、当該一のロボットと当該他のロボットとの相性を判断する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば結婚相手紹介システムなどのコミュニケーションツールでは把握が難しい情報によってユーザ同士の相性を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係るロボットマッチングシステムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態に係るマッチング装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るロボットの外観構成例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係るマッチング装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】(A)、(B)は、被使用情報を分析した結果の一例を示す図である。
【
図6】(A)、(B)は、被使用情報を分析した結果の一例を示す図である。
【
図7】マッチング装置がロボット同士のマッチングを図る処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図8】出力部が出力する情報の一例を示す図である。
【
図9】出力部が出力する情報の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
<ロボットマッチングシステムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係るロボットマッチングシステム1の全体構成例を示す図である。本実施の形態に係るロボットマッチングシステム1は、複数のユーザの各々が使用している各々のロボット200のマッチングを図ることにより、ユーザ同士のマッチングを図るシステムである。
【0011】
図示するように、ロボットマッチングシステム1は、マッチング装置100と、ロボット200と、ユーザ端末300とを備える。ロボット200及びユーザ端末300は、複数のユーザの各々が使用するため、複数のユーザの各々に対応して存在する。また、マッチング装置100、ロボット200、及びユーザ端末300は、ネットワーク400を介して接続される。
【0012】
マッチング装置100は、ロボット200同士のマッチングを図るコンピュータ装置である。マッチング装置100としては、例えば、サーバ装置、PC(Personal Computer)等が例示される。
ここで、マッチング装置100は、各々のロボット200の使われ方の情報(以下「被使用情報」と称する)を取得する。そして、一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報と、他のユーザが使用している他のロボットの被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。マッチング装置100は、この相性判断に基づき、相性が良いとされる一のロボット200と他のロボット200との情報を出力したり、相性が良いとされる一のユーザと他のユーザとの情報を出力したりする。
【0013】
ロボット200は、ユーザにより使用されるロボット装置である。ロボット200は、例えば、ユーザと会話を行う機能や、ユーザからの命令に基づいて処理を実行する機能、ユーザが呼びかけると反応したり、ユーザが撫でると喜んだりするペットとしての機能などを有している。なお、ユーザからの命令に基づいて処理を実行する機能では、例えば、ユーザからの命令に基づいて、外部に電話を掛けたり、インターネット上で商品を注文したりする。
【0014】
ユーザ端末300は、ユーザにより使用されるコンピュータ装置である。ユーザ端末300としては、例えば、携帯情報端末(いわゆる、スマートフォンやタブレット端末等)やPC等が例示される。ユーザ端末300には、ユーザ同士のマッチングを図るためのアプリケーション(以下「マッチングアプリ」と称する)がインストールされている。そして、ユーザ端末300は、マッチングアプリを実行することにより、例えば、マッチング装置100に対してマッチング(即ち、相性判断)の要求をしたり、マッチング装置100におけるマッチング結果をユーザ端末300の画面に表示したりする。
【0015】
ネットワーク400は、マッチング装置100、ロボット200、及びユーザ端末300における情報通信に用いられる通信手段である。ネットワーク400としては、各装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等としてよい。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用してもよい。また、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成してもよい。
【0016】
<マッチング装置のハードウェア構成>
次に、本実施の形態に係るマッチング装置100のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係るマッチング装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、ユーザ端末300のハードウェア構成としても、一例として、
図2に示すマッチング装置100のハードウェア構成と同様のものを用いてもよい。
【0017】
図示するように、マッチング装置100は、プログラム(ファームウェアを含む)の実行を通じて装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、BIOS(Basic Input Output System)やファームウェア等のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)102と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103とを備える。
【0018】
また、マッチング装置100は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種プログラム、各種プログラムに対する入力データ、各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域であるHDD(Hard Disk Drive)104を備える。
さらに、マッチング装置100は、外部との通信を行うための通信インタフェース(通信I/F)105と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構106と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス107とを備える。
【0019】
<ロボットの外観構成>
次に、本実施の形態に係るロボット200の外観構成について説明する。
図3は、本実施の形態に係るロボット200の外観構成例を示す図である。
【0020】
ロボット200は、符号2Aで示すように、人の顔を模した部分を有する。より具体的には、ロボット200には、ビデオメモリや液晶ディスプレイ等により構成された表示装置201が設けられており、本実施の形態では、この表示装置201に、人の顔に相当する画像が表示されることで、人の顔を模した部分が表示される。
【0021】
また、ロボット200は、表示装置201を下方から支持する胴体部分202、および、この胴体部分202に取り付けられた腕部分203を有する。
さらに、この腕部分203を動かすためのモータ(不図示)が、胴体部分202の内部に設けられている。また、胴体部分202には、互いに異なる色の光を出射する複数の光源204が設けられている。
【0022】
なお、ロボット200のハードウェア構成としては、一例として、
図2に示すマッチング装置100のハードウェア構成に、さらに、モータ、外部の音を検知するマイク、外部に音を出力するスピーカ等を備えたものを例示することができる。
【0023】
<マッチング装置の機能構成>
次に、本実施の形態に係るマッチング装置100の機能構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係るマッチング装置100の機能構成の一例を示す図である。マッチング装置100は、情報取得部111と、情報記憶部112と、相性判断部113と、出力部114とを備える。
【0024】
情報取得手段の一例としての情報取得部111は、複数のユーザの各々が使用している各々のロボット200の被使用情報を取得する。ここで、情報取得部111は、ネットワーク400に接続された複数のロボット200のそれぞれから、被使用情報を取得する。
【0025】
より具体的には、情報取得部111は、例えば、予め定められたタイミングで、ロボット200に対して被使用情報を要求し、ロボット200から被使用情報を取得する。予め定められたタイミングは、例えば、一定期間毎(例えば、1日毎)のタイミングや、マッチング装置100の管理者が指示したタイミング、ユーザがユーザ端末300からマッチング装置100に対して相性判断を要求したタイミング等である。
また、ロボット200が自発的に被使用情報を送信することにより、情報取得部111が被使用情報を取得してもよい。この場合も、例えば、一定期間毎(例えば、1日毎)のタイミングや、ユーザがユーザ端末300からマッチング装置100に対して相性判断を要求したタイミング等に、ロボット200がマッチング装置100に対して被使用情報を送信する。
【0026】
情報記憶部112は、情報取得部111が取得した各ロボット200の被使用情報を記憶する。
【0027】
判断手段の一例としての相性判断部113は、一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報と、他のユーザが使用している他のロボット200の被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。
より具体的には、相性判断部113は、例えば、一のユーザから相性判断の要求を受け付けると、情報記憶部112から、一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報を取得する。また、情報記憶部112から、相性判断の対象となる他のロボット200の被使用情報を取得する。そして、取得した被使用情報により、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。
【0028】
ここで、相性判断の対象となる他のロボット200は、相性判断の要求を行った一のユーザが指定してもよいし、一のユーザの指定によらず、相性判断部113が選択してもよい。一のユーザが指定する場合には、例えば、一のユーザが、自身との相性を判断したいユーザを指定したり、そのユーザが使用しているロボット200を指定したりする。また、相性判断部113が選択する場合には、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200の中から、一のロボット200以外の何れかのロボット200を選択する。その際、一のユーザが指定した条件を満たすロボット200を選択するようにしてもよい。
【0029】
なお、相性判断部113による相性判断は、一のユーザからの要求を受け付けた場合に行われるものに限られない。例えば、一のユーザが使用している一のロボット200が、一のユーザの代わりに相性判断の要求を行い、それを基に相性判断を行ってもよい。また、相性判断部113は、一定期間毎(例えば、1日毎)のタイミングや、マッチング装置100の管理者が指示したタイミングで、複数のロボット200の中から2つのロボット200を選択して、選択した2つのロボット200の相性を判断してもよい。
【0030】
出力手段の一例としての出力部114は、相性判断部113による判断結果を出力する。ここで、出力部114は、相性判断部113による判断に基づき、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いと判断された場合に、判断結果を出力する。より具体的には、出力部114は、判断結果として、一のロボット200と他のロボット200との情報、例えば、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いことを示す情報を出力する。また、出力部114は、一のユーザと他のユーザとの情報、例えば、一のユーザと他のユーザとの相性が良いことを示す情報を出力してもよい。
なお、この判断結果は、例えば、相性判断の要求を行った一のユーザのユーザ端末300や、相性判断の対象とされた他のロボット200を使用する他のユーザのユーザ端末300に出力される。また、マッチング装置100の表示機構106に表示してもよい。
【0031】
そして、マッチング装置100を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、例えば、マッチング装置100を
図2に示したハードウェア構成にて実現した場合、HDD104等に記憶されたマッチングアプリ等のプログラムが、RAM103に読み込まれてCPU101に実行されることにより、
図4に示す情報取得部111、相性判断部113、出力部114等の機能部が実現される。また、情報記憶部112は、例えば、HDD104により実現される。そして、本実施の形態では、情報取得手段、判断手段、出力手段を備えるロボットマッチングシステムの一例として、マッチング装置100、ロボットマッチングシステム1が用いられる。
【0032】
<被使用情報の説明>
次に、ロボット200の被使用情報について説明する。
被使用情報には、例えば、ロボット200の使われ方の内容に関する情報、ロボット200が使われる時間帯の情報、ロボット200が使われる頻度の情報、ロボット200が使われる時間の長さの情報などが含まれる。
【0033】
ロボット200の使われ方の内容に関する情報とは、ロボット200がユーザによってどのような使われ方をするかを示す情報である。より具体的には、例えば、ロボット200とロボット200を使用しているユーザとの間の会話の内容や、ユーザがロボット200に対して指示した内容、ユーザがロボット200に対して行う操作の内容などを示す情報である。これらの情報を基に、例えば、ユーザの会話相手として使われる会話相手型、ユーザの命令に基づいて処理を実行する命令処理型、ペットとして使われるペット型、ストレス解消の対象として暴力的に使われるストレス解消型など、ロボット200の用途が判定される。付言すると、ロボット200の使われ方の内容に関する情報は、ロボット200の用途を示す情報として捉えることができる。
【0034】
また、ロボット200が使われる時間帯の情報は、例えば、ユーザがロボット200と会話する時間帯や、ユーザがロボット200に触れる時間帯、ロボット200の電源がONにされている時間帯などの情報が用いられる。
ロボット200が使われる頻度の情報は、例えば、ユーザとロボット200との間の会話の頻度や、ユーザがロボット200に触れる頻度、ユーザがロボット200を充電する頻度、ユーザがロボット200の電源をONにする頻度などの情報が用いられる。
ロボット200が使われる時間の長さの情報は、例えば、ユーザがロボット200と会話する時間の長さや、ユーザがロボット200に触れる時間の長さ、ロボット200の電源がONにされている時間の長さなどの情報が用いられる。
【0035】
付言すると、被使用情報には、ロボット200とユーザとの間の会話の情報が含まれる。そして、会話の情報には、上述したように、ロボット200とユーザとの間の会話の内容、会話が行われる時間帯、会話の頻度、会話時間の長さ等の情報が含まれる。
【0036】
そして、このような被使用情報は、ユーザの性格や個性が反映されるものといえる。そこで、マッチング装置100の相性判断部113は、各ロボット200の被使用情報を基にして、ロボット200同士の相性を判断する。
【0037】
また、被使用情報には、ロボット200を使用しているユーザの主たる使用に関する情報とともに、ロボットの従たる使用に関する情報も含まれる。ここで、主たる使用とは、ロボット200の用途を示し、上述したように、例えば、会話相手型や命令処理型として使用される場合が該当する。一方、従たる使用とは、主たる使用を実現するために必要とされる付随的な使用であり、例えば、ロボット200のメンテナンスやロボット200の充電、ロボット200にインストールされているソフトウェアの更新などである。
そして、従たる使用に関する情報には、例えば、ユーザによるロボット200のメンテナンスの状況を示す情報が含まれる。メンテナンスの状況とは、定期的に点検が行われているか、破損した部品が交換されているか、ロボット200が故障した場合には一定期間内に修理されているか等の情報である。また、従たる使用に関する情報には、メンテナンスの状況を示す情報の他に、例えば、ロボット200の充電頻度や充電される時間帯、過放電及び過充電の有無など、充電の態様を示す情報も含まれる。さらに、従たる使用に関する情報には、ソフトウェア更新の頻度や更新される時間帯、ソフトウェア更新が行われないまま放置された期間など、ソフトウェア更新の態様を示す情報も含まれる。
このような従たる使用に関する情報も、ユーザがロボット200に対してどのように接しているかを示すものであり、ユーザの性格や個性が反映されるものといえる。そこで、このような情報を用いて相性の判断を行ってもよい。
【0038】
さらに、被使用情報には、ユーザによるロボット200に対する接触の態様を示す情報も含まれる。接触の態様を示す情報とは、例えば、ロボット200に対する接触の頻度、接触する際のユーザの力の強弱などの情報である。このような接触の態様を示す情報も、ユーザがロボット200に対してどのように接しているかを示すものであり、ユーザの性格や個性が反映されるものといえる。そこで、このような情報を用いて相性の判断を行ってもよい。
【0039】
また、被使用情報には、ロボット200の予め定められた表現に対するユーザからの応答を示す情報も含まれる。ロボット200の予め定められた表現とは、例えば、音声によってユーザに対する問い合わせが行われることや、ロボット200の顔を模した部分(
図3参照)を変化させること等である。また、応答を示す情報とは、例えば、ロボット200がユーザに問い合わせをした場合に、その問い合わせに対するユーザからの返事の有無である。また、例えば、ロボット200の顔を模した部分を変化させた場合に、その変化に対するユーザからのリアクションの有無やリアクションの大きさも、応答を示す情報の一例として捉えることができる。
このようなユーザからの応答を示す情報も、ユーザの性格や個性が反映されるものといえる。そこで、このような情報を用いて相性の判断を行ってもよい。
【0040】
<相性判断部による相性判断の説明>
次に、マッチング装置100の相性判断部113による相性判断について説明する。
相性判断部113は、情報記憶部112から、一のロボット200の被使用情報と他のロボット200の被使用情報とを取得する。そして、取得した被使用情報を基に、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。ここで、相性判断部113は、一のロボット200の被使用情報と他のロボット200の被使用情報とを分析して、これらの被使用情報の共通点から、ロボット200同士の相性を判断する。
【0041】
図5及び
図6は、被使用情報を分析した結果の一例を示す図である。
図5(A)、(B)に示す例では、被使用情報の分析結果として、ロボット200の使われ方の内容、ロボット200が使われる時間帯、ロボット200が使われる頻度、ロボット200が使われる時間の長さ、メンテナンスの状況、ユーザからの応答を示している。ここで、
図5(A)は、一のロボット200の被使用情報の分析結果を示し、
図5(B)は、他のロボット200の被使用情報の分析結果を示す。
【0042】
図5(A)に示す例では、例えば、被使用情報に含まれる音声情報のうち、ユーザと一のロボット200との会話が大部分(例えば、音声情報の9割以上)を占める。そこで、一のロボット200の使われ方は「会話相手型」と判定される。
また、一のロボット200が使われる時間帯、使われる頻度、使われる時間の長さは、例えば、毎日の使用状況のデータを集計したり平均したりして求められる。この例では、1日のうち、主に、7~9時、19時~22時に使われ、1日当たりの使用頻度は3回、1回当たりの使用時間は30分であることを示している。
【0043】
さらに、メンテナンスの状況は「異常なし」を示している。これは、予め定められた判定項目が全て問題ないことを示す。判定項目は、例えば、「点検の頻度が一定回数以上である」、「破損した部品が交換されている」、「ロボット200の故障時には一定期間内に修理されている」等である。それぞれの判定項目が満たされていない場合、メンテナンスの状況としては、例えば、「定期点検の必要あり」、「部品破損の交換が必要」、「故障時には修理が必要」とされる。
また、ユーザからの応答は「良」を示している。これは、ロボット200からの問い合わせに対して返事がなされていることを示す。例えば、ロボット200からの問い合わせに対する返答率が8割以上の場合には「良」、5割以上8割未満の場合には「可」、5割未満の場合には「不可」とされる。
【0044】
図5(B)に示す例では、使われ方は「会話相手型」であること、1日のうち、主に19~24時に使われること、1日当たりの使用頻度は10回、1回当たりの使用時間は30分であることを示している。また、メンテンナンスの状況は「異常なし」、ユーザからの応答は「可」を示している。
【0045】
相性判断部113は、これらの分析結果の共通点から、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。相性の判断手法としては、様々な手法が考えられる。
例えば、ロボットの使われ方を重視して、2つのロボット200の使われ方が「会話相手型」で共通するため、相性が良いと判断してもよい。また、例えば、「会話相手型」で共通する点、使われる時間帯が19時~22時で共通する点、1回当たりの使用時間が30分で共通する点、メンテナンスの状況が共通する点を考慮し、共通する項目が4つ存在するため、相性が良いと判断してもよい。一方で、一のロボット200では7~9時に使われるが、他のロボット200ではその時間帯に使われないことを重視して、相性が良くないと判断してもよい。
【0046】
また、
図6(A)、(B)に示す例は、被使用情報の分析において、ユーザとロボット200の会話の情報に着目した例である。この例では、分析結果として、ユーザとロボット200との会話の内容、ユーザがロボット200と会話する時間帯、ユーザとロボット200との間の会話の頻度、ユーザがロボット200と会話する時間の長さを示している。ここで、
図6(A)は、一のロボット200の被使用情報の分析結果を示し、
図6(B)は、他のロボット200の被使用情報の分析結果を示す。
【0047】
会話の内容は、被使用情報に含まれるユーザの音声情報を基に、例えば、会話で用いられる話題やその話題の頻度、ユーザの話し方、地方訛りの有無、外国語の有無、流行語の有無などが判断される。
より具体的には、会話で用いられる話題は、例えば、ユーザの発言の中から予め定められたキーワードを抽出することにより判断される。例えば、「料理」の話題のキーワードとして、「料理」、「レシピ」、「弁当」などが予め定められる。これらのキーワードが会話の中に一定数以上(例えば10回以上)登場した場合に、「料理」を話題とした会話であると判定される。
図6(A)に示す例では、全ての会話のうち、80%が「料理」の話題、10%が「釣り」の話題、10%が「サッカー」の話題であることを示している。また、
図6(B)に示す例では、全ての会話のうち、70%が「料理」の話題、20%が「野球」の話題、10%が「天気」の話題であることを示している。
【0048】
ここで、ユーザの発言から抽出されるキーワードを基に、ユーザの特定の思想の有無を判断したり、ユーザの深層心理を判断したりしてもよい。例えば、危険思想に特有のキーワードを予め登録しておき、ユーザの発言からこのキーワードが抽出された場合には、ユーザに危険思想があると判断される。また、例えば、深層心理を判断するためのキーワードを予め登録しておき、ユーザから抽出されるキーワードを基に、ユーザの深層心理を判断してもよい。
【0049】
また、ユーザの話し方としては、例えば、穏やかな口調、激しい口調、ぼそぼそとした口調、元気のよい口調などが挙げられる。ユーザの話し方は、例えば、ユーザの声のトーンや会話の速度によって判断される。
図6(A)に示す例では、穏やかな口調であることを示している。
図6(B)に示す例では、激しい口調であることを示している。
地方訛りの有無は、例えば、ユーザの言葉の語尾やイントネーション、ユーザの発言の中から抽出される予め定められたキーワードを基に、関西弁、福岡弁、秋田弁などの訛りの種類が判断される。
図6(A)、(B)に示す例では、地方訛りが有りで、訛りの種類は関西弁であることを示している。
【0050】
外国語の有無は、ユーザの話す言葉によって、英語、中国語、フランス語などの外国語の種類が判断される。
図6(A)、(B)に示す例では、外国語の使用は無い(即ち、会話が日本語で行われていること)を示している。
流行語の有無は、例えば、ユーザの発言の中から予め定められた流行語を抽出することにより判断される。
図6(A)、(B)に示す例では、流行語の使用は無いことを示している。
相性判断部113は、これらの分析結果の共通点から、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。
【0051】
例えば、会話の話題を重視して、2つのロボット200では「料理」の話題が共に予め定められた閾値以上(例えば、70%以上)であるため、相性が良いと判断してもよい。また、例えば、「料理」の話題が予め定められた閾値以上であり、且つ、訛りの種類が関西弁であるため、相性が良いと判断してもよい。一方で、ユーザの話し方を重視し、一のロボット200のユーザの話し方は「穏やかな口調」であるが、他のロボット200のユーザの話し方は「激しい口調」であることから、相性が良くないと判断してもよい。
【0052】
このように、相性判断部113は、被使用情報の共通点を基に、ロボット200同士の相性を判断する。その際、被使用情報に含まれる複数の項目の中で特に重視する項目を決めて相性を判断したり、被使用情報に含まれる複数の項目のうちの共通点のある項目の数や、それぞれの項目で共通する割合などを基にして、相性を判断したりする。
ただし、本実施の形態において、相性判断の手法は、被使用情報の共通点を基に行うものに限られない。例えば、海外旅行の話題が多いユーザと外国語を話すユーザは、共に海外に興味があると想定されるため相性が良いと判断してもよい。即ち、相性判断は、被使用情報の共通点に限らず、2つのロボット200の被使用情報が予め定められた条件を満たすか否かに基づいて行うものといえる。
【0053】
<ロボット同士のマッチングを図る処理手順>
次に、マッチング装置100がロボット200同士のマッチングを図る処理の手順を説明する。
図7は、マッチング装置100がロボット200同士のマッチングを図る処理手順の一例を示したフローチャートである。ここで、初期状態として、情報記憶部112には、各ロボット200の被使用情報が記憶されているものとする。また、この例では、一のユーザが相性判断の要求を行うものとして説明する。
なお、
図7に示す処理は、例えば一定期間毎(例えば、1分毎)に繰り返し行われる。また、以下では、処理のステップを記号の「S」と表記する場合がある。
【0054】
まず、相性判断部113は、ロボット200同士の相性を判断する要求を受け付けたか否かを判定する(S101)。S101で否定の判断(NO)がされた場合、本処理フローは終了する。S101で肯定の判断(YES)がされた場合、相性判断部113は、情報記憶部112から、S101で要求を行った一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報を取得する(S102)。
【0055】
次に、相性判断部113は、情報記憶部112から、一のロボット200との相性を判断する対象となる他のロボット200の被使用情報を取得する(S103)。
ここで、一のユーザによって他のロボット200が指定されている場合には、相性判断部113は、指定された他のロボット200の被使用情報を取得する。また、一のユーザによって他のロボット200が指定されていない場合には、情報記憶部112に記憶されているロボット200の中から何れかのロボット200を選択する。その際、一のユーザが指定した条件を満たすロボット200を選択するようにしてもよい。一のユーザが指定する条件は、例えば、他のロボット200を使用しているユーザの条件であり、ユーザの居住場所、ユーザの性別、ユーザの年齢等が挙げられる。
【0056】
次に、相性判断部113は、一のロボット200の被使用情報と他のロボット200の被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する(S104)。次に、相性判断部113は、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いとされるか否かを判定する(S105)。
S105で肯定の判断(YES)がされた場合、相性判断部113は、一のロボット200と他のロボット200との情報、及び、一のユーザと他のロボット200を使用している他のユーザとの情報の少なくとも何れか一方の情報を、出力の対象とする(S106)。
一方、S105で否定の判断(NO)がされた場合、相性判断部113は、一のロボット200と他のロボット200との情報、及び、一のユーザと他のユーザとの情報を、出力の対象としない(S107)。
【0057】
次に、相性判断部113は、一のロボット200との相性を判断する対象の全ての他のロボット200について、相性の判断を行ったか否かを判定する(S108)。
ここでは、一のユーザによって他のロボット200が指定されている場合には、指定された全ての他のロボット200について相性の判断が行われたか否かが判定される。また、一のユーザによって他のロボット200が指定されていない場合には、情報記憶部112に記憶されている全てのロボット200について相性の判断が行われたか否かが判定される。さらに、一のユーザが他のロボット200に対する条件を指定している場合には、指定された条件を満たす全ての他のロボット200について相性の判断が行われたか否かが判定される。
【0058】
S108で否定の判断(NO)がされた場合、S103に移行し、まだ相性の判断が行われていない他のロボット200について、被使用情報が取得される。
一方、S108で肯定の判断(YES)がされた場合、出力部114は、S106で出力の対象とされた情報を出力する(S109)。例えば、出力部114は、S101で要求を行った一のユーザに対して、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いことを示す情報を出力する。また、一のユーザと他のロボット200を使用している他のユーザとの相性が良いことを示す情報を出力する。さらに、出力部114は、他のユーザに対してこのような情報を出力してもよい。そして、本処理フローは終了する。
【0059】
<マッチング装置の処理の具体例>
次に、マッチング装置100による処理について、具体例を挙げて説明する。この例では、ロボット200Aを使用しているユーザAが、マッチング装置100に対して相性判断の要求を行う。
【0060】
相性判断部113は、ユーザAから相性判断の要求を受け付けると、情報記憶部112から、ユーザAが使用しているロボット200Aの被使用情報を取得する。次に、相性判断部113は、情報記憶部112から、一のロボット200との相性を判断する対象のロボット200の被使用情報を取得する。この例では、ユーザAが、相性判断をする相手の条件として、居住場所「東京」、年齢「20~29歳」を指定したとする。この場合、マッチング装置100は、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200のうち、居住場所「東京」、年齢「20~29歳」という条件を満たすユーザが使用しているロボット200を選択する。この例では、相性判断部113は、ユーザBが居住場所「東京」、年齢「20~29歳」という条件を満たすため、ユーザBが使用しているロボット200Bを選択する。そして、相性判断部113は、情報記憶部112から、ロボット200Bの被使用情報を取得する。
【0061】
次に、相性判断部113は、ロボット200Aの被使用情報とロボット200Bの被使用情報とにより、ロボット200Aとロボット200Bとの相性を判断する。ここで、相性判断部113は、例えば、
図5や
図6に示すように被使用情報を分析し、分析結果の共通点などを基に、ロボット200Aとロボット200Bとの相性を判断する。この例では、ロボット200Aの被使用情報を
図6(A)に示すものとし、ロボット200Bの被使用情報を
図6(B)に示すものとする。
【0062】
ここで、相性判断部113は、ロボット200A及びロボット200Bにおいて、「料理」の話題が予め定められた閾値以上(例えば、70%以上)であるとともに、訛りの種類が関西弁であるため、相性が良いと判断する。そして、相性判断部113は、ロボット200Aとロボット200Bとの情報、及び、ユーザAとユーザBとの情報の少なくとも何れか一方の情報を、出力の対象とする。
【0063】
次に、相性判断部113は、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200のうち、ロボット200B以外のロボット200で、居住場所「東京」、年齢「20~29歳」という条件を満たすユーザが使用しているロボット200を選択する。そして、ロボット200Bと同様に、選択したロボット200とロボット200Aとの相性を判断する。このようにして、相性判断部113は、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200のうち、居住場所「東京」、年齢「20~29歳」という条件を満たす全てのユーザのロボット200について、相性の判断を行う。そして、相性判断の対象となる全てのロボット200について相性の判断が行われると、出力部114は、出力の対象とされた情報を出力する。
【0064】
図8は、出力部114が出力する情報の一例を示す図である。この情報は、例えば、ユーザAのユーザ端末300に送信されて、ユーザ端末300の画面に表示される。
図示の例では、ロボット200Aと相性が良いと判断されたロボット200として、ロボット200B~ロボット200Dが示されている。また、それぞれのロボット200を使用するユーザ(この例では、ユーザB~ユーザD)が、ユーザAと相性が良いと判断されたユーザとして示されている。
【0065】
また、ロボット200B~200Dのそれぞれについて、ロボット200Aとの共通点が示されている。例えば、ロボット200Bでは、ユーザとの会話の話題が「料理」である点、ユーザの訛りの種類が「関西弁」である点が共通点とされる。また、ロボット200Cでは、ユーザとの会話の話題が「料理」である点、ユーザの話し方が「穏やかな口調」である点が共通点とされる。さらに、ロボット200Dでは、使われ方の内容が「会話相手型」である点、使われる時間帯が「19~22時」である点、メンテナンスの状況が「異常なし」である点が共通点とされる。
【0066】
また、相性判断部113の判断結果について、ユーザAだけでなく、ユーザB~ユーザDに出力してもよい。例えば、ユーザBに対して、ロボット200Bとロボット200Aとの相性が良いことを示す情報や、ユーザBとユーザAとの相性が良いことを示す情報を出力してもよい。その際、ロボット200Bとロボット200Aとの共通点の情報を出力してもよい。
【0067】
(他の実施例)
次に、マッチング装置100による処理の他の実施例について説明する。この例では、相性判断部113が、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200の中から2つのロボット200を選択して、選択した2つのロボット200の相性を判断する。
【0068】
相性判断部113は、例えば、一定期間毎のタイミングや、マッチング装置100の管理者が指示したタイミングで、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200の中から2つのロボット200を選択する。ここで、マッチング装置100の管理者等が相性判断の対象とするロボット200の条件を指定することにより、指定した条件を満たす2つのロボット200を選択するようにしてもよい。
次に、相性判断部113は、選択した2つのロボット200のそれぞれについて、情報記憶部112から被使用情報を取得する。そして、2つのロボット200の相性を判断する。ここで、2つのロボット200の相性が良いと判断された場合には、この2つのロボット200の情報、及び、2つのロボット200のそれぞれのユーザの情報の少なくとも何れか一方の情報が、出力の対象とされる。
【0069】
このようにして、相性判断部113は、情報記憶部112に記憶されている複数のロボット200から選択される2つのロボット200の全ての組み合わせ(相性判断の対象とするロボット200の条件が指定されている場合には、指定された条件を満たす全てのロボット200の組み合わせ)に対して、相性の判断を行い、出力対象の情報を決定する。
【0070】
図9は、出力部114が出力する情報の他の例を示す図である。図示の例では、相性が良いとされるロボットとして、ロボット200Aとロボット200B、ロボット200Cとロボット200D、ロボット200Cとロボット200Eの組み合わせが示されている。また、それぞれのロボット200を使用するユーザ(この例では、ユーザA~ユーザE)が示されている。さらに、相性が良いとされるロボット200の組み合わせのそれぞれについて、ロボット200同士の共通点が示されている。例えば、ロボット200Aとロボット200Bでは、ユーザとの会話の話題が「料理」である点、ユーザの訛りの種類が関西弁である点が共通点とされる。また、例えば、ロボット200Cとロボット200Dでは、使われ方の内容が「ストレス解消型」である点、1日当たりの使用頻度は5回である点が共通点とされる。さらに、例えば、ロボット200Cとロボット200Eでは、使われ方の内容が「会話相手型」である点、使われる時間の長さが1回当たり30分である点、ユーザからの応答が「良」である点が共通点とされる。
【0071】
そして、このような相性判断の結果は、表示機構106の画面に表示される。相性判断の結果が画面に表示されることにより、マッチング装置100の管理者は、相性の良いとされるロボット200同士の情報、即ち、相性の良いとされるユーザ同士の情報を把握することができる。そして、管理者は、例えば、把握した情報に基づいてユーザに対して通知を行うことができる。より具体的には、例えば、管理者は、ユーザA及びユーザBに対して料理のイベントを開催する情報を通知したり、ユーザC及びユーザDに対してストレス解消のイベントを開催する情報を通知したりする。
また、相性判断の結果をユーザに出力してもよい。例えば、ロボット200Aを使用しているユーザAに対して、ロボット200Aとロボット200Bとの相性が良いことを示す情報や、ユーザAとユーザBとの相性が良いことを示す情報、ロボット200Aとロボット200Bとの共通点の情報が出力される。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態に係るマッチング装置100は、一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報と、他のユーザが使用している他のロボット200の被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断する。このように、ユーザが使用するロボット200の使われ方を基に相性の判断をすることにより、例えば、ユーザの年齢や年収、職業などの表面的な情報を基に相性を判断する構成と比較して、よりユーザの性格や個性を反映した相性判断が行われる。また、本実施の形態では、ロボット200同士の相性を判断することによってユーザ同士の相性を判断するため、例えば、ユーザの個人情報などを用いて直接ユーザ同士の相性を判断する構成と比較して、ユーザの不信感が薄らぐものと考えられる。
【0073】
なお、上述した例では、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いと判断された場合に、一のロボット200と他のロボット200との情報を出力することとしたが、このような場合に情報を出力する構成に限られない。
例えば、一のロボット200と他のロボット200との相性が良くないと判断された場合であっても、一のロボット200と他のロボット200との情報、例えば、一のロボット200と他のロボット200との相性が良くないことを示す情報を出力してもよい。また、その情報とともに、又はその情報の代わりに、一のユーザと他のユーザとの情報、例えば、一のユーザと他のユーザとの相性が良くないことを示す情報を出力してもよい。付言すると、一のロボット200と他のロボット200との相性が予め定められた条件を満たす場合に、相性に関する情報を出力するものと捉えることができる。
また、例えば、一のユーザが相性判断の対象とする他のロボット200を指定した場合には、相性が良いと判断されたか否かに関わらず、一のロボット200と他のロボット200との情報や、一のユーザと他のユーザとの情報を出力することとしてもよい。
【0074】
さらに、上述した例では、一のロボット200と他のロボット200との相性が良いか否かを判断したが、相性の度合(例えば、パーセンテージ)を判断してもよい。この場合、例えば、被使用情報に含まれる複数の項目の中で特に重視する項目が共通するか否か、複数の項目のうちの共通する項目の数、それぞれの項目で共通する割合などを基にして、相性の度合が判断される。この場合、判断された相性の度合は、一のロボット200と他のロボット200との相性を示す情報、一のユーザと他のユーザとの相性を示す情報の一例として捉えることができる。
【0075】
なお、本実施の形態に係るマッチング装置100は、一のユーザが使用している一のロボット200の被使用情報と、他のユーザが使用している他のロボット200の被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断し、一のユーザと他のユーザとの相性を判断する。即ち、マッチング装置100の相性判断部113は、ロボット200同士の相性の判断を通して、ユーザ同士の相性を判断するものとして捉えることができる。
ここで、本実施の形態では、一のロボット200の被使用情報と他のロボット200の被使用情報とにより、ロボット200同士の相性を判断するのではなく、直接、ユーザ同士の相性を判断してもよい。即ち、相性判断部113は、一のロボット200の被使用情報と他のロボット200の被使用情報とにより、一のロボット200と他のロボット200との相性を判断せずに、直接、一のユーザと他のユーザとの相性を判断するものとして捉えることも可能である。
【0076】
また、本実施の形態では、マッチング装置100の機能の一部を、ロボット200やユーザ端末300、ネットワーク400に接続されたサーバ装置(不図示)等で実現してもよい。例えば、上述した例では、マッチング装置100の相性判断部113が被使用情報の分析を行ったが、ロボット200が被使用情報の分析を行った上で、マッチング装置100に送信してもよい。また、情報記憶部112をサーバ装置(不図示)に設けて、相性判断部113は、このサーバ装置から各ロボット200の被使用情報を取得することとしてもよい。
【0077】
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0078】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1…ロボットマッチングシステム、100…マッチング装置、111…情報取得部、112…情報記憶部、113…相性判断部、114…出力部、200…ロボット、300…ユーザ端末