(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】返戻精算装置、返戻精算方法、及び返戻精算プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/00 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q20/00
(21)【出願番号】P 2018247390
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤得 晃博
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-159260(JP,A)
【文献】特開2003-016155(JP,A)
【文献】特開2002-298059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備えた返戻精算装置であって、
前記記憶部には、
物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、
前記制御部は、
前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成手段と、
契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成手段と、
返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新手段と、
を備えたことを特徴とする返戻精算装置。
【請求項2】
さらに、前記請求データ又は前記返金データに基づいて仕訳を作成する仕訳作成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の返戻精算装置。
【請求項3】
記憶部及び制御部を備えた情報処理装置で実行される返戻精算方法であって、
前記記憶部には、
物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、
前記制御部において実行される、
前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成工程と、
契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成工程と、
返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新工程と、
を含むことを特徴とする返戻精算方法。
【請求項4】
記憶部及び制御部を備えた情報処理装置に実行させるための返戻精算プログラムであって、
前記記憶部には、
物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、
前記制御部において、
前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成工程と、
契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成工程と、
返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新工程と、
を実行させるための返戻精算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、返戻精算装置、返戻精算方法、及び返戻精算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、1年分の賃料や保険料などを一括で入金するような契約の場合、一括で前受金計上をした後、毎月分割で売上計上を行う。前受金の計上に関する先行技術としては、例えば、特許文献1がある。かかる特許文献1の装置では、売上データと入金データについて新たな対応データが記憶された場合に前受収益(又は前受金)を計上するとともに、売上額のデータを按分した各月が到来する毎に、按分売上額を売上として計上し、その度に上記前受金収益(又は前受金)を減額する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、一括で前受金計上をした後に契約が途中で解約された場合の経理処理について何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、前受金計上をした後に契約が途中で解約された場合の経理処理において、担当者の手間とミスを低減することが可能な返戻精算装置、返戻精算方法、及び返戻精算プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、記憶部及び制御部を備えた返戻精算装置であって、前記記憶部には、物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、前記制御部は、前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成手段と、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成手段と、返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記請求データ又は前記返金データに基づいて仕訳を作成する仕訳作成手段を備えていてもよい。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた情報処理装置で実行される返戻精算方法であって、前記記憶部には、物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、前記制御部において実行される、前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成工程と、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成工程と、返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた情報処理装置に実行させるための返戻精算プログラムであって、前記記憶部には、
物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データが格納されており、前記制御部において実行される、前記請求データを作成して前記記憶部に登録する請求データ作成工程と、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、前記記憶部から対象となる前記請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成工程と、返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する請求データ更新工程と、を実行させるための返戻精算プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前受金計上をした後に契約が途中で解約された場合の経理処理において、担当者の手間とミスを低減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る返戻精算装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、管理項目マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る返戻精算装置の制御部の全体の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る返戻精算装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図5】
図5は、返戻精算登録画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0013】
[1.概要]
1年分の賃料や保険料などを一括で入金するような契約の場合、一括で前受金計上をした後、毎月分割で売上計上を行う。従来のシステムでは、1年分の賃料請求に対して、一括入金(前払)処理が行われた場合、該当の請求データについては操作ができなくなっていた。そのため、途中で契約が解約された場合には、毎月の分割売上計上を止めることができず、返金情報についても会計帳簿を確認して手計算をして支払入力を行うことで手間が発生したりミスが発生したりしていた。
【0014】
より具体的には、従来のシステムでは、請求データに対して、入金消込データが紐づくことで、前受金計上がされる。請求データの計上日が到達すると、前受金科目から売上科目から振り替わる振替仕訳が生成される。しかし、一度入金消込された請求データは削除することはできず、売上計上前に解約が決まった場合は、以下の手順(1),(2)を踏む必要があった。(1)該当の請求データに対して、マイナス金額の請求を作成して売上計上されないようにする。(2)返金処理を行うため、支払登録画面で返金額を別途計算して入力する。
【0015】
そこで、本実施の形態では、契約途中で解約が発生した場合に、契約途中で契約者に返金を行うが、計上している前受金から返金をしつつ、予定されている売上計上を停止する。
【0016】
具体的には、本実施の形態では、前受金計上済み、かつ、売上未計上の請求金額をシステムで自動算出を行い、その金額から返金データを生み出すと共に、該当の売上データの売上停止を同時に行うことで、前受金計上をした後に契約が途中で解約された場合の経理処理について、担当者の手間とミスを低減することが可能となる。
【0017】
[2.構成]
本実施形態に係る返戻精算装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、返戻精算装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
返戻精算装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、返戻精算装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
返戻精算装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。返戻精算装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、返戻精算装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、返戻精算装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114または画面114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0023】
また、記憶部106には、データファイル106aや管理項目マスタ106b等が格納される。
図2は、管理項目マスタ106bの構成例を示す図である。
【0024】
データファイル106aは、請求データや返金データ等の各種データを格納するためのものである。請求データは、物件、取引先CD、契約番号、計上日、入金消込日、管理項目CD、金額、消費税額、仕訳作成済みの有無、及び返金対象の有無のデータを含んでいてもよい(
図4(A)参照)。
【0025】
返金データは、物件、取引先CD、契約番号、精算書発行日、精算日、管理項目CD、金額、消費税額、及び仕訳作成済みの有無のデータを含んでいてもよい(
図4(B)参照)。
【0026】
管理項目マスタ106bは、各種請求・支払入力時に必ず必要になる取引項目を規定したマスタである。この管理項目マスタ106bによって、会計仕訳作成時の科目が決定したり、請求書発行時の帳票印字名などが決定する。管理項目マスタ106bは、
図2に示すように、管理項目CD、売上科目、及び前受科目のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図2に示す管理項目マスタ106bの例では、管理項目CD「101010」、売上科目「賃料収入」、及び前受科目「前受金」となっている。
【0027】
制御部102は、返戻精算装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、請求データ作成・更新部102aと、返金データ作成部102bと、仕訳作成部102cと、画面表示制御部102dと、マスタメンテ部102eと、を備えている。
【0028】
請求データ作成・更新部102aは、例えば、不図示の請求データ作成画面上でのオペレータの操作等に応じて請求データを作成して、データファイル106aに登録する。また、請求データ作成・更新部102aは、返戻精算登録後、対象となる請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する。
【0029】
返金データ作成部102bは、例えば、返戻精算登録画面上でのオペレータの操作に応じて、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、データファイル106aから対象となる請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する。
【0030】
仕訳作成部102cは、請求データや返金データに基づいて、管理項目マスタ106bの設定に従った売上仕訳を作成する。
【0031】
画面表示制御部102dは、例えば、モニタ114に表示させる各種画面(例えば、返戻精算登録画面、請求データ入力画面、マスタタメンテ画面等)の表示・入力受付を制御する。
【0032】
マスタメンテ部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、管理項目マスタ106bに対して、データの入力・追加・変更・更新等の編集(設定)を行う。
【0033】
[3.処理の具体例]
図1~
図5を参照して、本実施の形態における返戻精算装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
図3は、本実施の形態における返戻精算装置100の制御部102の全体の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0034】
図1及び
図3を参照して、本実施の形態における返戻精算装置100の制御部102の全体の処理の流れを説明する。
図3において、請求データ作成・更新部102aは、例えば、不図示の請求データ作成画面上でのオペレータの操作等に応じて請求データを作成して、データファイル106aに登録する(ステップS1)。
【0035】
返金データ作成部102bは、例えば、返戻精算登録画面上でのオペレータの操作に応じて、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、データファイル106aから対象となる請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成して、データファイル106aに登録する(ステップS2)。
【0036】
請求データ作成・更新部102aは、返戻精算登録後、対象となる請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新する(ステップS3)。
【0037】
図4は、本実施の形態における返戻精算装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図4において、(A)は送金対象の請求データのイメージ、(B)は、返戻精算登録で作成される返金データのイメージ、(C)は、返戻精算登録で更新される請求データのイメージを示す図である。
図5は、返戻精算登録画面の表示例を説明するための図である。
【0038】
ここでは、2018年10月分~2019年09月分の1年間の賃料を2018/09/26に一括で入金があったが、2018/12/15に解約があり、2018年12月分の賃料から返金するケースを説明する。
【0039】
図5に示す返戻精算登録画面上でのオペレータの操作に応じて、返金データの作成と請求データの更新を行う。
【0040】
図5において、返戻精算登録の画面400において、返金対象となる取引先コードと送付先コードを入力する。画面400に示す例では、取引先コード「10000020」と、送付先コード「1」が入力されている。「返戻」ボタンを押下すると、取引先コードをキーとして、データファイル106aの請求データが読み出されて、返戻対象特定の画面401に表示される。画面401において、一括入金のあった請求No(契約番号)を指定すると、返金可能の請求データ(売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みの明細)に返戻のチェックができる項目が表示され、チェックをして、「F10表示」を押下する。「F10表示」を押下すると、返戻精算登録の画面に戻り、画面402に示すように、支払金額が表示され、「F10登録」を押下すると、返金データが作成され(
図3のステップS2)、該当の元データである請求データが売上計上されない状態に更新される(
図3のステップS3)。
【0041】
図4(A)において、請求データのうち、売上仕訳未計上かつ入金消込済みの返戻精算登録の返金対象となる。
図4に示す請求データの例では、1行目は、物件「1001 京橋ビル」、取引先CD「10000020」、契約番号「0000000000369-00」、計上日「2018/10/31」、入金消込日「2018/9/30」、管理項目CD「101010」、金額「¥100,000」、消費税額「¥8,000」、及び仕訳作成済み「〇」となっている。2行目は、物件「1001 京橋ビル」、取引先CD「10000020」、契約番号「0000000000369-00」、計上日「2018/11/30」、入金消込日「2018/9/30」、管理項目CD「101010」、金額「¥100,000」、消費税額「¥8,000」、及び仕訳作成済み「〇」となっている。
【0042】
3行目は、物件「1001 京橋ビル」、取引先CD「10000020」、契約番号「0000000000369-00」、計上日「2018/12/31」、入金消込日「2018/9/30」、管理項目CD「101010」、金額「¥100,000」、消費税額「¥8,000」となっている。4行目は、物件「1001 京橋ビル」、取引先CD「10000020」、契約番号「0000000000369-00」、計上日「2019/1/31」、入金消込日「2018/9/30」、管理項目CD「101010」、金額「¥100,000」、消費税額「¥8,000」となっている。
【0043】
図4(B)において、返戻精算登録にて、返金データとして呼び出された明細は該当請求をマイナスデータにして呼び出される。売上仕訳計上済み状態でマイナスデータとして呼び出されることで、仕訳作成部102cは、前受金/当座預金の仕訳を作成することができる。
【0044】
図4(B)に示す返金データの例では、1~10行は、物件「1001 京橋ビル」、取引先CD「10000020」、契約番号「0000000000369-00」、精算書発行日「2018/12/15」、精算日「2018/12/30」、管理項目CD「101010」、金額「¥-100,000」、消費税額「¥-8,000」、及び仕訳作成済み「〇」となっている。
【0045】
図4(C)において、返戻精算登録完了後に、呼び出し元の請求データについて、売上仕訳計上済みとして更新され、売上計上されない状態となる。
図4(C)に示す請求データの例では、3~10行目の売上仕訳作成有無が「作成無し」から作成済み「〇」に更新される。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、物件情報、取引先情報、契約番号、計上日、入金消込日、請求金額、及び売上仕訳作成有無のデータを含む請求データを格納する記憶部106と、請求データを作成して記憶部106に登録する請求データ作成・更新部102aと、契約の解約に伴う返戻精算登録する場合に、記憶部106から対象となる請求データのうち、売上仕訳作成無しでかつ入金消込済みのデータを返戻対象として読み出して、請求金額をマイナスデータとすると共に、売上仕訳作成済みとした返金データを作成する返金データ作成部102bと、を備え、請求データ作成・更新部102aは、返戻精算登録後、前記対象となる前記請求データの売上仕訳作成無しを売上仕訳作成済みに更新することとしたので、前受金計上をした後に契約が途中で解約された場合の経理処理において、担当者の手間とミスを低減することが可能となる。
【0047】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0048】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0049】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0050】
また、返戻精算装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0051】
例えば、返戻精算装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて返戻精算装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0052】
また、このコンピュータプログラムは、返戻精算装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0053】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0054】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0055】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0056】
また、返戻精算装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、返戻精算装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0057】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0058】
100 返戻精算装置
102 制御部
102a 請求データ作成・更新部
102b 返金データ作成部
102c 仕訳作成部
102d 画面表示制御部
102e マスタメンテ部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
106b 管理項目マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク