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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】極低温装置およびクライオスタット
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/00 20060101AFI20221201BHJP
   H01L 39/04 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F25B9/00 H ZAA
F25B9/00 311
H01L39/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019094541
(22)【出願日】2019-05-20
(65)【公開番号】P2020190345
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】許 名堯
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-537026(JP,A)
【文献】特開2016-75667(JP,A)
【文献】特開昭61-95585(JP,A)
【文献】特開2006-54444(JP,A)
【文献】実開昭62-167059(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0155995(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108037473(CN,A)
【文献】仏国特許出願公開第3065064(FR,A1)
【文献】特開2004-286430(JP,A)
【文献】国際公開第2014/112343(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 9/00
H01L 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密容器と、
前記気密容器に装着された装着部と、前記装着部から前記気密容器内へと冷凍機軸方向に延在する接続部と、前記接続部に取り付けられ、前記気密容器内に配置された冷却ステージと、を備える極低温冷凍機と、
前記冷却ステージとの間に熱交換を可能とする隙間をあけて前記気密容器内に配置された被冷却部材と、を備え、
前記冷却ステージは、前記冷凍機軸方向に垂直な方向に前記被冷却部材に向けて延出したコールドフィンを備え、
前記被冷却部材には、前記冷凍機軸方向に垂直な方向に凹んでいるフィン受入溝が形成され、前記フィン受入溝は、前記冷凍機軸方向に沿って延在し、前記被冷却部材は、前記隙間をあけて前記フィン受入溝に前記コールドフィンを受け入れることを特徴とする極低温装置。
【請求項2】
前記フィン受入溝は、前記冷凍機軸方向に垂直な方向に前記コールドフィンより外側で、前記被冷却部材を前記冷凍機軸方向に貫通していることを特徴とする請求項1に記載の極低温装置。
【請求項3】
前記被冷却部材は、前記冷却ステージの底面と対向する表面を備え、
前記冷凍機軸方向における前記冷却ステージの底面と前記対向する表面との間隔が、前記冷凍機軸方向に垂直な方向における前記隙間より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の極低温装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の極低温装置を備えることを特徴とするクライオスタット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温装置およびクライオスタットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、極低温冷凍機を用いた低沸点ガスの再凝縮装置において、極低温冷凍機の取付および取外しを容易にするために、極低温冷凍機のコールドボディを熱伝達リングと接触させることなく熱的に結合させたものが知られている。コールドボディと熱伝達リングとの間には一定間隔のギャップが形成されている。熱伝達リングは液化された低沸点ガスの容器に取り付けられている。コールドボディはギャップを介して熱伝達リングを冷却し、それにより、この液化ガス容器が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2004-537026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の再凝縮装置では、コールドボディと熱伝達リングとの間に形成されるギャップは、気化した低沸点ガスの通路でもある。低沸点ガスの流れには、汚染物質または当該ガス自身が液化または固化した微粒子などのパーティクルが含まれうる。ギャップは極めて狭いので、パーティクルはギャップ内に溜まりうる。その結果、パーティクルがギャップを閉塞しガス流れを妨げる不具合が起こりうる。
【0005】
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、冷却ステージと被冷却部材との間に形成される隙間の閉塞リスクを低減した極低温装置およびクライオスタットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によると、極低温装置は、気密容器と、前記気密容器に装着された装着部と、前記装着部から前記気密容器内へと冷凍機軸方向に延在する接続部と、前記接続部に取り付けられ、前記気密容器内に配置された冷却ステージと、を備える極低温冷凍機と、前記冷却ステージとの間に熱交換を可能とする隙間をあけて前記気密容器内に配置された被冷却部材と、を備え、前記冷却ステージは、前記冷凍機軸方向に垂直な方向に前記被冷却部材に向けて延出したコールドフィンを備え、前記被冷却部材には、前記冷凍機軸方向に垂直な方向に凹んでいるフィン受入溝が形成され、前記フィン受入溝は、前記冷凍機軸方向に沿って延在し、前記被冷却部材は、前記隙間をあけて前記フィン受入溝に前記コールドフィンを受け入れる。
【0007】
本発明のある態様によると、クライオスタットは、上述の極低温装置を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷却ステージと被冷却部材との間に形成される隙間の閉塞リスクを低減した極低温装置およびクライオスタットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る極低温装置を示す概略図である。
図2図1に示される極低温装置のA-A線による概略断面図である。
図3】他の実施の形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0012】
図1は、実施の形態に係る極低温装置100を示す概略図である。図2は、図1に示される極低温装置100のA-A線による概略断面図である。図2には、冷凍機軸方向Cに垂直な平面における極低温装置100の構成要素の位置関係が示されている。
【0013】
この実施の形態では、極低温装置100は、冷媒再凝縮の機能をもつクライオスタットに適用されている。極低温装置100は、極低温冷凍機10と、極低温冷凍機10が設置された気密容器102と、気密容器102内に配置され、極低温冷凍機10によって冷却される被冷却部材104とを備える。
【0014】
冷媒は、例えばヘリウムである。よって、ヘリウムガスが極低温冷凍機10によって液体ヘリウムへと再凝縮される。ただし、極低温装置100は、たとえば窒素などその他の適当な冷媒を使用することも可能である。
【0015】
気密容器102は、内部空間の気密性を保持するように構成されている。この実施の形態では、気密容器102は、例えば天板またはその他の壁面に、極低温冷凍機10が装着される開口部を有する。この開口部を通じて極低温冷凍機10の低温部が気密容器102内に挿入され、開口部に極低温冷凍機10の室温部が取り付けられる。気密容器102は、内部空間を真空に保持する真空容器としても使用される。
【0016】
被冷却部材104は、気密容器102内に配置されている。被冷却部材104内には冷媒の気体および液体を収容する冷媒区画が形成され、この冷媒区画は、被冷却部材104の外(すなわち気密容器102と被冷却部材104との間のスペース)から隔離されている。被冷却部材104は、冷媒を収容する容器であるともいえる。
【0017】
被冷却部材104は、極低温冷凍機10の近傍またはその他の部位に冷媒導入口103を有してもよい。外部から冷媒導入口103を通じて被冷却部材104内に冷媒ガスが導入されうる。被冷却部材104は、冷媒導出口を有してもよい。冷媒導出口を通じて被冷却部材104外に冷媒ガスが排出されうる。
【0018】
被冷却部材104は、振動絶縁部106と連結部材116を介して気密容器102に接続されている。振動絶縁部106は、極低温冷凍機10の運転に起因する振動、またはそのほか周囲環境からの振動が被冷却部材104に伝達されるのを防止し又は少なくとも軽減するように構成されている。振動絶縁部106は、例えば、ダンパー、ベローズ、防振ゴム、またはその他の適切な振動絶縁部材または振動絶縁構造であってもよい。振動絶縁部106は、被冷却部材104における例えば室温部など比較的高温の部位を気密容器102に接続する。そうすれば、室温環境で使用可能な汎用の振動絶縁部品を採用できるので、都合がよい。このようにして、極低温装置100は、被冷却部材104を振動から保護するよう構成され、この実施の形態では、低振動または無振動のクライオスタットが提供される。
【0019】
被冷却部材104は、液化冷媒槽108と、液化冷媒槽108に取り付けられた熱伝導スリーブ110とを備える。液化冷媒槽108には、液化冷媒112、例えば液体ヘリウムが貯留される。液化冷媒槽108は、熱伝導スリーブ110を介して極低温冷凍機10によって冷却される。なお、被冷却部材104は、周囲環境および気密容器102から液化冷媒槽108への熱の侵入を抑制するために気密容器102と液化冷媒槽108との間に液化冷媒槽108を囲むように配置された熱シールドを備えてもよい。そうした熱シールドが熱伝導スリーブ110によって冷却されてもよい。
【0020】
被冷却部材104の熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aとの間に熱交換を可能とする隙間をあけて気密容器102内に配置されている。以下では、この隙間を熱交換隙間114ともいう。熱伝導スリーブ110は、接触することなく極低温冷凍機10と熱的に結合されている。熱伝導スリーブ110は、例えば銅などの高熱伝導率の金属材料で形成される。
【0021】
被冷却部材104の全体が極低温冷凍機10の低温部とは非接触に配置されている。よって、熱伝導スリーブ110だけでなく液化冷媒槽108も極低温冷凍機10に物理的に接触していない。
【0022】
熱伝導スリーブ110は、連結部材(例えば薄肉筒状部材)116により振動絶縁部106に連結され、振動絶縁部106を介して気密容器102(例えば、気密容器102の天板)に支持されている。一例として、連結部材116は、熱伝導スリーブ110よりも薄肉に形成され、熱伝導スリーブ110の外周部で熱伝導スリーブ110に接続されている。
【0023】
極低温冷凍機10は、一例として、GM(Gifford-McMahon)方式の二段パルス管冷凍機である。よって、極低温冷凍機10は、第1段パルス管12a、第2段パルス管12b、第1段蓄冷管14a、第2段蓄冷管14b、第1段冷却ステージ16a、第2段冷却ステージ16bを備える。説明の便宜上、以下では、第1段パルス管12a、第2段パルス管12bをパルス管12と総称することがある。同様に、第1段蓄冷管14a、第2段蓄冷管14bを蓄冷管14と総称し、第1段冷却ステージ16a、第2段冷却ステージ16bを冷却ステージ16と総称しうる。
【0024】
また、極低温冷凍機10は、気密容器102に装着された装着部18を備える。装着部18は、例えば、気密容器102の開口部に取付可能な真空フランジであってもよい。第1段パルス管12aは、装着部18を第1段冷却ステージ16aに接続し、第2段パルス管12bは、装着部18を第2段冷却ステージ16bに接続する。第1段蓄冷管14aは、装着部18を第1段冷却ステージ16aに接続する。第2段蓄冷管14bは、第1段冷却ステージ16aを第2段冷却ステージ16bに接続する。装着部18は、トップフランジと称されてもよい。
【0025】
パルス管12及び/または蓄冷管14は、装着部18から気密容器102内へと冷凍機軸方向Cに延在する接続部であるとみなされる。第1段冷却ステージ16aは、接続部(例えば、第1段パルス管12a、第1段蓄冷管14a)に取り付けられ、気密容器102内に配置されている。同様に、第2段冷却ステージ16bは、接続部(例えば、第2段パルス管12b、第2段蓄冷管14b)に取り付けられ、気密容器102内に配置されている。
【0026】
この実施の形態では、極低温冷凍機10は、その中心軸を鉛直方向に一致させるようにして気密容器102の天板または上部に取り外し可能に設置され、冷却ステージ16が気密容器102のなかに配置される。したがって、冷凍機軸方向Cは鉛直方向となる。しかし、極低温冷凍機10の取付姿勢はこれに限られない。極低温冷凍機10は、所望される姿勢で設置可能であり、冷凍機軸方向Cが斜め方向または水平方向に一致するようにして気密容器102に設置されてもよい。
【0027】
第1段パルス管12a、第2段パルス管12bはそれぞれ、冷凍機軸方向Cに延在する。また、第1段蓄冷管14a、第2段蓄冷管14bは直列に接続され、冷凍機軸方向Cに延在する。第1段蓄冷管14aは、第1段パルス管12aと並列に配置され、第2段蓄冷管14bは、第2段パルス管12bと並列に配置されている。第1段パルス管12aは冷凍機軸方向Cに第1段蓄冷管14aとほぼ同じ長さを有し、第2段パルス管12bは、冷凍機軸方向Cに第1段蓄冷管14aと第2段蓄冷管14bの合計長さとほぼ同じ長さを有する。
【0028】
例示的な構成においては、パルス管12は内部を空洞とする円筒状の管であり、蓄冷管14は内部に蓄冷材15を充填した円筒状の管であり、両者は互いに隣り合って各々の中心軸を平行として配置されている。
【0029】
第1段パルス管12aの低温端と第1段蓄冷管14aの低温端は、第1段冷却ステージ16aによって、構造的に接続され熱的に結合されている。第1段冷却ステージ16aは内部流路を有し、この内部流路を通じて第1段パルス管12aの低温端と第1段蓄冷管14aの低温端との間で極低温冷凍機10の作動ガスが流れることができる。同様に、第2段パルス管12bの低温端と第2段蓄冷管14bの低温端は、第2段冷却ステージ16bによって、構造的に接続され熱的に結合されている。また、第2段パルス管12bの低温端と第2段蓄冷管14bの低温端は、第2段冷却ステージ16bの内部流路で接続されている。一方、第1段パルス管12a、第2段パルス管12b、および第1段蓄冷管14aそれぞれの高温端は、装着部18によって接続されている。
【0030】
冷却ステージ16は、例えば銅などの高熱伝導率の金属材料で形成される。一方、パルス管12および蓄冷管14は、例えばステンレス鋼など、冷却ステージ16に比べて熱伝導率の低い金属材料で形成される。
【0031】
第2段冷却ステージ16bは、冷媒を凝縮する少なくとも1つの凝縮穴20を有してもよい。凝縮穴20は、冷凍機軸方向Cに第2段冷却ステージ16bを貫通している。
【0032】
装着部18の一方の主表面からパルス管12および蓄冷管14が延び、装着部18の他方の主表面にはヘッド部24が設けられている。上述のように、装着部18は、たとえば真空フランジであり、気密容器102の気密性を保つように気密容器102に取り付けられる。装着部18が気密容器102に取り付けられるとき、パルス管12、蓄冷管14、および冷却ステージ16は、気密容器102に収容され、ヘッド部24は、気密容器102の外に配置される。
【0033】
ヘッド部24には、極低温冷凍機10の振動流発生源26および位相制御機構28が設けられている。よく知られているように、極低温冷凍機10がGM方式のパルス管冷凍機である場合には、振動流発生源26として、作動ガスの定常流を生み出す圧縮機と、圧縮機の高圧側と低圧側とを周期的に切り替えてパルス管12および蓄冷管14に接続する流路切替弁との組み合わせが用いられる。この流路切替弁は、必要に応じて設けられたバッファタンクとともに、位相制御機構28としても働く。また、極低温冷凍機10がスターリング方式のパルス管冷凍機である場合には、振動流発生源26として、調和振動するピストンによって振動流を発生する圧縮機が用いられ、位相制御機構28として、バッファタンクとこれをパルス管12の高温端につなぐ連通路が用いられる。
【0034】
なお、振動流発生源26は、ヘッド部24に内蔵されている必要はない(つまり、装着部18に直接取り付けられていなくてもよい)。振動流発生源26は、ヘッド部24から分離して配置され、剛性または可撓性の配管によりヘッド部24に接続されてもよい。同様に、位相制御機構28についても、装着部18に直接取り付けられることは必須ではなく、ヘッド部24から分離して配置され、剛性または可撓性の配管によりヘッド部24に接続されてもよい。
【0035】
このような構成により、極低温冷凍機10は、作動ガスの圧力振動に対しパルス管12内のガス要素(ガスピストンとも呼ばれる)の変位振動の位相を適切に遅らせることによって、極低温冷凍機10は、パルス管12の低温端にPV仕事を発生し、冷却ステージ16を冷却することができる。このようにして、極低温冷凍機10は、冷却ステージ16に接触する気体、液体、または、冷却ステージ16に熱的に結合された物体を冷却することができる。
【0036】
極低温冷凍機10がヘリウム再凝縮に使用される場合、第1段冷却ステージ16aは例えば100K未満(たとえば30K~60K程度)に冷却され、第2段冷却ステージ16bはヘリウム液化温度である約4K程度またはそれ以下に冷却される。極低温冷凍機10が他の冷媒の再凝縮に使用される場合には、その冷媒の液化温度以下に少なくとも第2段冷却ステージ16bが冷却される。
【0037】
極低温冷凍機10を冷却するために極低温冷凍機10内を循環する作動ガスとして、例えばヘリウムガスがよく用いられる。このように、極低温冷凍機10の作動ガスは、極低温装置100によって再凝縮される冷媒ガスと同じガスでありうる。しかし、この実施の形態では、極低温冷凍機10の作動ガスの流路は、再凝縮される冷媒ガスの流路から隔離されている。よって、これらのガスが互いに混ざり合うことはない。
【0038】
第1段冷却ステージ16aは、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に被冷却部材104の熱伝導スリーブ110に向けて延出した少なくとも1つのコールドフィン30を備える。この実施の形態では、複数のコールドフィン30が設けられ、図2には8つのコールドフィン30が示されている。コールドフィン30の数はとくに限定されず、第1段冷却ステージ16aには任意の数のコールドフィン30が設けられてもよい。
【0039】
第1段冷却ステージ16aは、パルス管12および蓄冷管14が固着された本体を有し、コールドフィン30は、第1段冷却ステージ16aの本体から冷凍機軸方向Cに垂直な平面に沿って延びている。この実施の形態では、第1段冷却ステージ16aの本体は、円板状または円柱状の形状を有してもよく、コールドフィン30は、冷凍機軸方向Cに垂直な極低温冷凍機10の径方向に沿って第1段冷却ステージ16aの本体から外向きに延出している。各コールドフィン30の先端面(すなわち径方向に最も外側の面)は、第1段冷却ステージ16aの本体の中心を中心軸とする円筒面の一部をなしてもよい。全体として第1段冷却ステージ16aは、冷凍機軸方向Cに見たとき、外歯歯車のような形状を有しうる。
【0040】
一例として、各コールドフィン30は同じサイズに形成されている。すなわち、各コールドフィン30の長さは等しく、各フィンの幅は等しく、各フィンの高さは等しい。フィンの長さとは、フィンの径方向寸法であり、第1段冷却ステージ16aの本体からフィンの先端面までの距離にあたる。フィンの幅とは、フィンの周方向寸法にあたる。フィンの高さとは、冷凍機軸方向Cにおけるフィンの寸法である。
【0041】
この例では、コールドフィン30の長さは、第1段冷却ステージ16aの本体半径より短く、例えば本体半径の半分より短いが、これに限定されず、第1段冷却ステージ16aの本体半径以上であってもよい。コールドフィン30の幅は、周方向に隣り合う2つのコールドフィン30の間隔より短いが、これに限定されず、そうした間隔以上であってもよい。
【0042】
また、コールドフィン30の高さは、第1段冷却ステージ16aの厚さ(軸方向寸法)に等しく、フィンの上面および下面はそれぞれ第1段冷却ステージ16aの本体上面および本体下面と面一になっている。しかし、コールドフィン30の高さは、第1段冷却ステージ16aの厚さより大きくてもよいし、あるいは小さくてもよい。また、コールドフィン30は、第1段冷却ステージ16aの本体に対して冷凍機軸方向Cにいくらかずれた位置で第1段冷却ステージ16aの本体に設けられていてもよい。
【0043】
コールドフィン30は、第1段冷却ステージ16aの全周にわたって等角度間隔に配置されている。しかし、コールドフィン30は、第1段冷却ステージ16aの外周の一部分のみに設けられてもよい。また、コールドフィン30は、不等角度間隔に配置されてもよい。
【0044】
被冷却部材104の熱伝導スリーブ110には、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に凹んでいるフィン受入溝32が形成されている。被冷却部材104の熱伝導スリーブ110は、熱交換隙間114をあけてフィン受入溝32にコールドフィン30を受け入れている。
【0045】
熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aを囲むように第1段冷却ステージ16aの周囲に配置され、上述のように、熱伝導スリーブ110と第1段冷却ステージ16aとの間には熱交換隙間114が形成されている。
【0046】
熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aを受け入れる冷凍機軸方向Cに貫通した中心開口部を有し、フィン受入溝32および熱交換隙間114はこの中心開口部の一部をなす。熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aと同軸配置された円形リング状の形状を有する。熱伝導スリーブ110は、コールドフィン30が設けられた第1段冷却ステージ16aの外周面のみと対向し、第1段冷却ステージ16aの底面を覆っていない。第1段冷却ステージ16aの底面は、液化冷媒槽108内で第2段冷却ステージ16bに対向している。熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aの上面も覆っていない。
【0047】
フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに垂直な平面において、熱交換隙間114を形成する熱伝導スリーブ110の内周面から外側に向けて凹んでいる。フィン受入溝32は、コールドフィン30と同じ数だけ設けられ、一対一に対応している。フィン受入溝32のサイズおよび形状は、対応するコールドフィン30との間に熱交換隙間114が形成されるように定められている。全体として熱伝導スリーブ110は、冷凍機軸方向Cに見たとき、第1段冷却ステージ16aとかみ合う内歯歯車のような形状を有しうる(ただし、上述のように、熱伝導スリーブ110と第1段冷却ステージ16aは熱交換隙間114により隔てられ、互いに接触していない)。
【0048】
フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに沿って延在する。フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに垂直な方向にコールドフィン30より外側で、被冷却部材104の熱伝導スリーブ110を冷凍機軸方向Cに貫通している。熱伝導スリーブ110の厚さ(軸方向寸法)は、第1段冷却ステージ16aの厚さよりいくらか大きくてもよく、よって、フィン受入溝32の軸方向長さは、コールドフィン30の高さより長くてもよい。
【0049】
図2に示されるように、熱交換隙間114は、冷凍機軸方向Cに垂直な平面内で蛇行状に折れ曲がるようにして第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の間に延びている。一方、上述のように、コールドフィン30が第1段冷却ステージ16aの外周で冷凍機軸方向Cに沿って延在するとともにフィン受入溝32が熱伝導スリーブ110を冷凍機軸方向Cに貫通しているから、熱交換隙間114は、冷凍機軸方向Cに沿って直線的なガス通路を提供する。冷凍機軸方向Cについては、熱交換隙間114は、蛇行状に折れ曲がっていない。
【0050】
一例として、熱交換隙間114は、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の間で一定の幅を有する。熱交換隙間114の幅は、例えば、1~10mm、または2~5mmの範囲にある。コールドフィン30の先端面とこれに対向するフィン受入溝32の表面との距離(径方向寸法)は、コールドフィン30の側面とこれに対向するフィン受入溝32の側面との距離(周方向寸法)に等しい。また、コールドフィン30の先端面とこれに対向するフィン受入溝32の表面との距離は、周方向に隣り合う2つのコールドフィン30間における第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の距離とも等しい。
【0051】
コールドフィン30のサイズ、形状、および対応するフィン受入溝32のサイズ、形状は、とくに限定されず、例えば、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110との間に所望される熱交換性能、熱交換隙間114の流路抵抗、極低温冷凍機10の運転中における第1段冷却ステージ16aの振動の振幅、ガスとともに熱交換隙間114に進入しうると予想されるパーティクルの大きさ、またはその他の条件に応じて、適宜設定されうる。また、異なる2つのコールドフィン30(および対応する2つのフィン受入溝32)が互いに同じサイズ、形状を有することは必須ではなく、互いに異なっていてもよい。
【0052】
フィン受入溝32がコールドフィン30と一対一に対応することは必須ではなく、例えば、フィン受入溝32の幅が比較的大きい場合、またはコールドフィン30の幅が比較的小さく互いに近接して配置されている場合には、1つのフィン受入溝32が複数のコールドフィン30を受け入れてもよい。
【0053】
図1を再び参照して、実施の形態に係る極低温装置100の動作を述べる。上述のように、この実施の形態では、極低温装置100は、ヘリウム再凝縮の機能をもつクライオスタットとして構成されている。極低温冷凍機10が運転されることにより、第1段冷却ステージ16aおよび第2段冷却ステージ16bは所望される冷却温度に冷却される。第1段冷却ステージ16aは熱交換隙間114を介して非接触に熱伝導スリーブ110と熱的に結合されているから、熱伝導スリーブ110は第1段冷却ステージ16aによって冷却される。
【0054】
ヘリウムガスは、矢印B1で示されるように、冷媒導入口103から被冷却部材104内に導入され、第1段冷却ステージ16aおよび熱伝導スリーブ110の近傍へと流れる。ヘリウムガスは、矢印B2で示されるように、熱交換隙間114を冷凍機軸方向Cに通過しながら冷却され、液化冷媒槽108に入る。ヘリウムガスは、第2段冷却ステージ16bによって冷却され、第2段冷却ステージ16bで液化される。液化したヘリウムは第2段冷却ステージ16bから滴下し、液化冷媒槽108の底部に貯留される。
【0055】
液体ヘリウムは、物体の冷却に使用される。冷却されるべき物体は、同じクライオスタット内に配置されていてもよい。あるいは、被冷却物体は、別の場所に配置されてもよく、クライオスタットから延びる液体ヘリウム導管を通じて液体ヘリウムが被冷却物体に供給されてもよい。その結果気化したヘリウムは回収され、再び冷媒導入口103から被冷却部材104内に導入される。このようにして、極低温装置100は、極低温冷媒を用いた極低温循環冷却システムを構築することができる。
【0056】
以上に説明したように、実施の形態に係る極低温装置100においては、第1段冷却ステージ16aは、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に被冷却部材104の熱伝導スリーブ110に向けて延出したコールドフィン30を備え、被冷却部材104の熱伝導スリーブ110には、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に凹んでいるフィン受入溝32が形成されている。フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに沿って延在する。被冷却部材104の熱伝導スリーブ110は、熱交換隙間114をあけてフィン受入溝32にコールドフィン30を受け入れる。
【0057】
したがって、ガス通路でもある熱交換隙間114の全体または大部分を冷凍機軸方向Cに沿って直線的な経路とすることができる。蛇行状の経路に比べて、熱交換隙間114を通過するガス流れは促進され、ガス流れに含まれうるパーティクルによる熱交換隙間114の閉塞も起こりにくくなる。
【0058】
また、第1段冷却ステージ16aにコールドフィン30を設け、熱伝導スリーブ110にフィン受入溝32を設けることにより、熱交換面積が増え、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の熱交換効率が向上される。
【0059】
上述のように極低温冷凍機10には高圧の冷媒ガスが周期的に出入りし圧力変動が生じる。そうした圧力変動は、パルス管12、蓄冷管14といった冷却ステージ16への極低接続部を冷凍機軸方向Cに周期的に伸縮させ、それにより冷却ステージ16には冷凍機軸方向Cに周期的な位置変動が生じる。このようにして、極低温冷凍機10の運転中、冷却ステージ16は、冷凍機軸方向Cにおいて他の方向に比べて大きな振幅で振動しうる。
【0060】
実施の形態に係る極低温装置100によると、フィン受入溝32が冷凍機軸方向Cに沿って延在し、熱交換隙間114をあけてフィン受入溝32にコールドフィン30が進入し、冷凍機軸方向Cと垂直な方向に熱交換隙間114が形成されている。そのため、第1段冷却ステージ16aすなわちコールドフィン30が冷凍機軸方向Cに振動しても、熱伝導スリーブ110と接触しにくい。よって、熱交換隙間114の大きさを比較的小さく設定することができ、これも熱交換効率の向上に寄与する。
【0061】
また、フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに垂直な方向にコールドフィン30より外側で、被冷却部材104の熱伝導スリーブ110を冷凍機軸方向Cに貫通している。したがって、熱交換隙間114は、熱伝導スリーブ110の上面から下面へと延びる直線的なガス通路となる。熱交換隙間114を通過するガス流れは促進され、ガス流れに含まれうるパーティクルによる熱交換隙間114の閉塞も起こりにくくなる。また、この実施の形態では、冷凍機軸方向Cが鉛直方向(重力方向)に一致しているから、パーティクルが熱交換隙間114に止まることなく自重により落下する効果も期待され、これも熱交換隙間114の閉塞を回避することに役立ちうる。
【0062】
図3は、他の実施の形態を示す概略断面図である。上述の実施の形態と同様に、第1段冷却ステージ16aは、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に熱伝導スリーブ110に向けて延出したコールドフィン30を備える。熱伝導スリーブ110には、冷凍機軸方向Cに垂直な方向に凹んでいるフィン受入溝32が形成されている。フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに沿って延在する。被冷却部材104の熱伝導スリーブ110は、熱交換隙間114をあけてフィン受入溝32にコールドフィン30を受け入れている。
【0063】
熱伝導スリーブ110は、第1段冷却ステージ16aの底面と対向する表面(以下、対向表面34という)を有する。熱伝導スリーブ110は、径方向に内側に延出した内周リムを有し、この内周リムの上面が対向表面34として第1段冷却ステージ16aの底面と対向する。冷凍機軸方向Cにおける第1段冷却ステージ16aの底面と対向表面34との間隔40が、冷凍機軸方向Cに垂直な方向における熱交換隙間114より大きい。
【0064】
第1段冷却ステージ16aの底面には、冷凍機軸方向Cに下方(例えば第2段冷却ステージ16b)に向けて延出した1つ又は複数のステージ底部フィン36が設けられている。熱伝導スリーブ110のステージ底部フィン36には、ステージ底部フィン36を受け入れる底部フィン受入凹部38が形成されている。底部フィン受入凹部38は、ステージ底部フィン36が冷凍機軸方向Cに延出していることに対応して、冷凍機軸方向Cに凹んでいる。間隔40が形成されているので、ステージ底部フィン36と熱伝導スリーブ110の内周リムは非接触であり、上述の実施の形態と同様に、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110は互いに接触することなく熱的に結合されている。
【0065】
フィン受入溝32は、冷凍機軸方向Cに垂直な方向にコールドフィン30より外側で、被冷却部材104の熱伝導スリーブ110を冷凍機軸方向Cに貫通している。コールドフィン30とフィン受入溝32との間には熱交換隙間114が形成されている。第1段冷却ステージ16aの内周リムには冷凍機軸方向Cに貫通した貫通スリット42が形成されている。熱交換隙間114と貫通スリット42は軸方向に並んでおり、これらによりガスが通過することができる直線経路が形成されている。このような構成によっても、熱交換隙間114および貫通スリット42を通過するガス流れは促進され、ガス流れに含まれうるパーティクルによる熱交換隙間114の閉塞は起こりにくくなる。
【0066】
第1段冷却ステージ16aにコールドフィン30およびステージ底部フィン36を設け、熱伝導スリーブ110にフィン受入溝32および底部フィン受入凹部38を設けることにより、熱交換面積が増え、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の熱交換効率が向上される。
【0067】
また、上述のように、極低温冷凍機10が発生させうる振動は、他の方向に比べて冷凍機軸方向Cにおいて比較的大きい振幅を有する。冷凍機軸方向Cにおける第1段冷却ステージ16aの底面と対向表面34との間隔40が、冷凍機軸方向Cに垂直な方向における熱交換隙間114より大きいので、第1段冷却ステージ16aすなわちコールドフィン30が冷凍機軸方向Cに振動しても、熱伝導スリーブ110と接触しにくい。よって、熱交換隙間114の大きさを比較的小さく設定することができ、これも熱交換効率の向上に寄与する。
【0068】
なお、第1段冷却ステージ16aは、ステージ底部フィン36を有していなくてもよい。第1段冷却ステージ16aの底面は平坦でもよく、これに対応して熱伝導スリーブ110の対向表面34も平坦であってもよい。
【0069】
熱伝導スリーブ110は、貫通スリット42を有していなくてもよい。この場合、第1段冷却ステージ16aの底面と熱伝導スリーブ110の対向表面34との間隔40と、熱交換隙間114とによりガス通路が形成される。間隔40は、熱交換隙間114の一部であるとみなされうる。
【0070】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0071】
上述の実施の形態では、第1段冷却ステージ16aは円板状の形状を有し、熱伝導スリーブ110は円環状の形状を有するが、これらの形状はとくに限定されない。例えば、第1段冷却ステージ16aは、矩形の板状であってもよく、熱伝導スリーブ110は、こうした矩形板状の第1段冷却ステージ16aを囲む矩形枠状の形状を有してもよい。
【0072】
上述の実施の形態では、コールドフィン30が第1段冷却ステージ16aに設けられ、コールドフィン30がフィン受入溝32に収容され、第1段冷却ステージ16aと熱伝導スリーブ110の非接触伝熱構造が構成されている。しかし、このような非接触伝熱構造は、第1段冷却ステージ16aに代えて、または第1段冷却ステージ16aとともに、第2段冷却ステージ16bに適用されてもよい。
【0073】
極低温冷凍機10は、パルス管冷凍機に限られず、GM冷凍機またはその他の極低温冷凍機であってもよい。たとえば、GM冷凍機の場合、上述の実施形態における「蓄冷管」は、蓄冷器を内蔵したディスプレーサを収容するシリンダとすればよい。GM冷凍機は、パルス管を有しない。
【0074】
極低温装置100は、ヘリウム以外の冷媒を使用してもよい。使用する場合には、極低温冷凍機10はその冷媒の液化温度を提供できればよく、単段の冷凍機であってもよい。
【0075】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0076】
10 極低温冷凍機、 16 冷却ステージ、 18 装着部、 30 コールドフィン、 32 フィン受入溝、 100 極低温装置、 102 気密容器、 104 被冷却部材、 C 冷凍機軸方向。
図1
図2
図3