(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】資源管理システム、情報処理装置、および資源管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2019157034
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮越 純一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 泰幸
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-131420(JP,A)
【文献】特開2013-156003(JP,A)
【文献】特開2019-135901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが消費する資源を管理する資源管理システムであって、
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、
前記プロセッサは、
前記ユーザの第1資源消費量
と、前記第1資源消費量での前記ユーザの第1快適度と、前記ユーザが要求する第2快適度に必要な第2資源消費量と、を含むユーザ情報を取得す
る取得処理と、
前記
第1資源消費量
と、前記第1快適度と、前記第2資源消費量と、前記第2快適度と、に基づいて、資源消費量が増加するにしたがって快適度が増加する前記ユーザの効用特性を推定するとともに、前記ユーザの効用特性と、前記資源消費量が増加するにしたがって前記快適度が減少する前記ユーザの抑制特性と、を合成した価値特性の極大値が最大となるように、前記ユーザの抑制特性の傾きを調整するユーザ特性推定処理と、
前記
価値特性の極大値における第3快適度と、前記第1資源消費量と、前記ユーザの資源消費体に前記資源を供給する供給元からの供給可能量と、に基づいて、前記供給可能量を超えない程度で前記快適度を最大化する評価関数を生成する評価関数生成処理と、
前記評価関数が最大となるように第4資源消費量を生成する評価関数最適化処理と、
前記第1資源消費量と前記第4資源消費量との差を、前記ユーザが協力すべき前記資源消費量に関する目標値
として算出する目標算出処理と、
前記目標算出処理によって算出された目標値に基づいて、前記ユーザに対する前記資源消費量の削減に関する協力要請データを生成する協力要請生成処理と、
前記協力要請生成処理によって生成された協力要請データを出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする資源管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の資源管理システムであって、
前記取得処理では、前記プロセッサは、前記ユーザが資源消費を抑制した場合の金銭割合を取得し、
前記プロセッサは、
前記
価値特性の極大値と、前記第3快適度と、前記抑制特性の傾きと、前記金銭割合と、の組み合わせに基づいて、前記資源の消費に関する前記ユーザの価値観を推定するユーザ価値観推定処理を実行し、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記目標値と前記ユーザ価値観推定処理による推定結果と
の組み合わせに基づいて、前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする資源管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の資源管理システムであって、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記ユーザの1以上の資源消費機器ごとの資源消費量と、前記目標値と、に基づいて、前記資源消費機器ごとの目標値を算出する機器別目標算出処理を実行し、前記機器別目標算出処理による算出結果を含む前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする資源管理システム。
【請求項4】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、通信インタフェースと、を有する情報処理装置であって、
前記通信インタフェースは、
前記情報処理装置の
ユーザの資源消費体に資源を供給する供給元からの供給可能量を取得して前記ユーザが協力すべき前記ユーザの資源消費量に関する目標値を算出する目標算出装置と通信可能であり、
前記プロセッサは、
前記ユーザの第1資源消費量
と、前記第1資源消費量での前記ユーザの第1快適度と、前記ユーザが要求する第2快適度に必要な第2資源消費量と、を含むユーザ情報を取得す
る取得処理と、
前記
第1資源消費量
と、前記第1快適度と、前記第2資源消費量と、前記第2快適度と、に基づいて、資源消費量が増加するにしたがって快適度が増加する前記ユーザの効用特性を推定するとともに、前記ユーザの効用特性と、前記資源消費量が増加するにしたがって前記快適度が減少する前記ユーザの抑制特性と、を合成した価値特性の極大値が最大となるように、前記ユーザの抑制特性の傾きを調整するユーザ特性推定処理と、
前記価値特性の極大値における第3快適度と、前記第1資源消費量と、を前記目標算出装置に送信した結果、前記目標算出装置から送信されてきた前記目標値に基づいて、前記ユーザに対する前記資源消費量の削減に関する協力要請データを生成する協力要請生成処理と、
前記協力要請生成処理によって生成された協力要請データを出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の情報処理装置であって、
前記取得処理では、前記プロセッサは、前記ユーザが資源消費を抑制した場合の金銭割合を取得し、
前記プロセッサは、
前記
価値特性の極大値と、前記第3快適度と、前記抑制特性の傾きと、前記金銭割合と、の組み合わせに基づいて、前記資源の消費に関する前記ユーザの価値観を推定するユーザ価値観推定処理を実行し、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記目標値と前記ユーザ価値観推定処理による推定結果と
の組み合わせに基づいて、前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記ユーザの1以上の資源消費機器ごとの資源消費量と、前記目標値と、に基づいて、前記資源消費機器ごとの目標値を算出する機器別目標算出処理を実行し、前記機器別目標算出処理による算出結果を含む前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ユーザが消費する資源を管理する資源管理システムが実行する資源管理方法であって、
前記資源管理システムは、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、
前記プロセッサは、
前記ユーザの第1資源消費量と、前記第1資源消費量での前記ユーザの第1快適度と、前記ユーザが要求する第2快適度に必要な第2資源消費量と、を含むユーザ情報を取得する取得処理と、
前記第1資源消費量と、前記第1快適度と、前記第2資源消費量と、前記第2快適度と、に基づいて、資源消費量が増加するにしたがって快適度が増加する前記ユーザの効用特性を推定するとともに、前記ユーザの効用特性と、前記資源消費量が増加するにしたがって前記快適度が減少する前記ユーザの抑制特性と、を合成した価値特性の極大値が最大となるように、前記ユーザの抑制特性の傾きを調整するユーザ特性推定処理と、
前記価値特性の極大値における第3快適度と、前記第1資源消費量と、前記ユーザの資源消費体に前記資源を供給する供給元からの供給可能量と、に基づいて、前記供給可能量を超えない程度で前記快適度を最大化する評価関数を生成する評価関数生成処理と、
前記評価関数が最大となるように第4資源消費量を生成する評価関数最適化処理と、
前記第1資源消費量と前記第4資源消費量との差を、前記ユーザが協力すべき前記資源消費量に関する目標値として算出する目標算出処理と、
前記目標算出処理によって算出された目標値に基づいて、前記ユーザに対する前記資源消費量の削減に関する協力要請データを生成する協力要請生成処理と、
前記協力要請生成処理によって生成された協力要請データを出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする資源管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の資源管理方法であって、
前記取得処理では、前記プロセッサは、前記ユーザが資源消費を抑制した場合の金銭割合を取得し、
前記プロセッサは、
前記価値特性の極大値と、前記第3快適度と、前記抑制特性の傾きと、前記金銭割合と、の組み合わせに基づいて、前記資源の消費に関する前記ユーザの価値観を推定するユーザ価値観推定処理を実行し、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記目標値と前記ユーザ価値観推定処理による推定結果との組み合わせに基づいて、前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする資源管理方法。
【請求項9】
請求項7に記載の資源管理方法であって、
前記協力要請生成処理では、前記プロセッサは、前記ユーザの1以上の資源消費機器ごとの資源消費量と、前記目標値と、に基づいて、前記資源消費機器ごとの目標値を算出する機器別目標算出処理を実行し、前記機器別目標算出処理による算出結果を含む前記協力要請データを生成する、
ことを特徴とする資源管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源を管理する資源管理システム、情報処理装置、および資源管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、消費電力量の調整要求に対してより安定的に応じることが可能な複数の空気調和装置の管理装置を開示する。この管理装置では、アグリゲータの制御部は、削減負担の割り振り予定の仮決めを行った後の時点において消費電力量の調整要求のキャンセル確率等が高い需要家の空気調和装置が生じた場合には、キャンセル確率が高い需要家については分配優先順位を下げて他の需要家に配分することで、削減負担の割り振り予定の再配分を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の管理装置では、ユーザ毎の個人特性に応じた資源分配や地域社会全体の効用については考慮されていない。
【0005】
本発明は、個人における資源消費の効用と地域社会全体における資源消費の効用とを考慮したデマンドレスポンスを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明の一側面となる資源管理システムは、ユーザが消費する資源を管理する資源管理システムであって、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有し、前記プロセッサは、前記ユーザの第1資源消費量と、前記第1資源消費量での前記ユーザの第1快適度と、前記ユーザが要求する第2快適度に必要な第2資源消費量と、を含むユーザ情報を取得する取得処理と、前記第1資源消費量と、前記第1快適度と、前記第2資源消費量と、前記第2快適度と、に基づいて、資源消費量が増加するにしたがって快適度が増加する前記ユーザの効用特性を推定するとともに、前記ユーザの効用特性と、前記資源消費量が増加するにしたがって前記快適度が減少する前記ユーザの抑制特性と、を合成した価値特性の極大値が最大となるように、前記ユーザの抑制特性の傾きを調整するユーザ特性推定処理と、前記価値特性の極大値における第3快適度と、前記第1資源消費量と、前記ユーザの資源消費体に前記資源を供給する供給元からの供給可能量と、に基づいて、前記供給可能量を超えない程度で前記快適度を最大化する評価関数を生成する評価関数生成処理と、前記評価関数が最大となるように第4資源消費量を生成する評価関数最適化処理と、前記第1資源消費量と前記第4資源消費量との差を、前記ユーザが協力すべき前記資源消費量に関する目標値として算出する目標算出処理と、前記目標算出処理によって算出された目標値に基づいて、前記ユーザに対する前記資源消費量の削減に関する協力要請データを生成する協力要請生成処理と、前記協力要請生成処理によって生成された協力要請データを出力する出力処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の代表的な実施の形態によれば、個人における資源消費の効用と地域社会全体における資源消費の効用とを考慮したデマンドレスポンスを実現することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1にかかる資源管理システムのシステム構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、コンピュータ(目標算出装置および情報処理装置)のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したユーザ情報取得部の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、設問提示部が保持する設問テーブルの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、
図3に示したユーザ特性推定部の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、資源消費量と快適度との関係を示すグラフである。
【
図8】
図8は、実施例1にかかる効用特性、抑制特性および抑制内訳の推定例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、ユーザ価値観推定テーブルの一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、
図3に示した協力要請生成部の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12および
図13は、協力要請提示部から提示される協力要請データ例を示す説明図である。
【
図13】
図12および
図13は、協力要請提示部から提示される協力要請データ例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、目標算出装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、資源管理システムの資源管理シーケンス例を示すシーケンス図である。
【
図16】
図16は、実施例2にかかるユーザ情報取得部の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、実施例2にかかる効用特性、抑制特性および抑制内訳の推定例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
地域社会の経済活性化に向けた自然エネルギーの地産地消の実現においては、自然エネルギーの供給量の変動により、自然エネルギーの供給不足時に需要量を抑制させるためのデマンドレスポンスが重要となる。デマンドレスポンスを実現するために、供給不足時に需要抑制のため自然エネルギーの使用料金を割高にしたり、節約協力者にインセンティブ(たとえば、クーポン)を与えたりする場合がある。
【0010】
使用料金を割高にすると、自然エネルギーの需要を抑制するが、金銭的に厳しい人に対するしわ寄せが発生し、地域社会全体のエネルギー消費の効用を低下させる。また、インセンティブの付与については、個人の価値観の違いを考慮できず、たとえば、クーポンが不要な人がいるなど、効果にバラつきが生じる。このため、実施例1では、個人におけるエネルギー消費の効用と地域社会全体におけるエネルギー消費の効用とを考慮したデマンドレスポンスを実現する。以下、添付図面を用いて説明する。
【0011】
<システム構成例>
図1は、実施例1にかかる資源管理システムのシステム構成例を示すブロック図である。資源管理システム100は、目標算出装置102と、1以上(
図1ではn個。nは1以上の整数。)の資源消費体z1~znと、を有する。目標算出装置102と、資源消費体zi(iは、1≦i≦nを満たす整数。)とは、インターネットなどの通信ネットワーク103により通信可能に接続される。資源管理システム100は、共有資源供給体101も含む。目標算出装置102と共有資源供給体101は、通信ネットワーク103により通信可能に接続される。
【0012】
共有資源供給体101は、資源消費体ziに共有の資源を供給する供給源であり、たとえば、水力発電所、風力発電所、太陽光発電所、火力発電所、原子力発電所である。共有の資源とは、たとえば、電力である。共有資源供給体101は、電力を送電する電力ネットワーク104により資源消費体ziと接続される。
【0013】
目標算出装置102は、資源消費体ziへの共有の資源を管理するコンピュータである。資源消費体ziは、世帯ごとに存在し、世帯のユーザyiにより利用される。資源消費体ziは、資源消費計測器111と、資源消費機器群112と、情報処理装置113と、を有する。資源消費計測器111は、たとえば、電力計であり、資源消費機器群112の消費電力量を計測する。資源消費機器群112は、資源消費機器の集合である。資源消費機器とは、電力を消費する機器であり、たとえば、空調設備(エアコン)、冷蔵庫、照明機器、テレビなどである。情報処理装置113は、ユーザに資源管理に関するデータを提供するコンピュータである。
【0014】
<コンピュータのハードウェア構成例>
図2は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ(目標算出装置102および情報処理装置113)200は、プロセッサ201と、記憶デバイス202と、入力デバイス203と、出力デバイス204と、通信インタフェース(通信IF)205と、を有する。プロセッサ201、記憶デバイス202、入力デバイス203、出力デバイス204、および通信IF205は、バス206により接続される。プロセッサ201は、コンピュータ200を制御する。記憶デバイス202は、プロセッサ201の作業エリアとなる。また、記憶デバイス202は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス202としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力デバイス203は、データを入力する。入力デバイス203としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナ、マイクがある。出力デバイス204は、データを出力する。出力デバイス204としては、たとえば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカがある。通信IF205は、通信ネットワーク103と接続し、データを送受信する。
【0015】
<情報処理装置113の機能的構成例>
図3は、情報処理装置113の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置113は、ユーザ情報取得部301と、ユーザ特性推定部302と、協力要請生成部303と、協力要請提示部304と、を有する。ユーザ情報取得部301、ユーザ特性推定部302、協力要請生成部303、および協力要請提示部304は、具体的には、たとえば、
図2に示した記憶デバイス202に記憶されたプログラムをプロセッサ201に実行させることにより実現される機能である。
【0016】
ユーザ情報取得部301は、ユーザ情報を取得する。ユーザ特性推定部302は、ユーザ特性を推定する。本明細書において、「推定」とは、推定対象の予測データを決定する処理である。ユーザ特性推定部302の場合、ユーザ特性推定部302は、推定対象の予測データであるユーザ特性を決定する。協力要請生成部303は、協力要請データを生成する。協力要請提示部304は、協力要請生成部303によって生成された協力要請データをユーザyiに提示する。具体的には、たとえば、協力要請提示部304は、協力要請データを出力デバイス204から画面表示したり音声出力したりする。
【0017】
図4は、
図3に示したユーザ情報取得部301の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。ユーザ情報取得部301は、設問提示部501と、回答取得部502と、資源消費量取得部503と、ユーザ情報出力部504と、を有する。設問提示部501は、出力デバイス204から設問を提示する。
【0018】
図5は、設問提示部501が保持する設問テーブルの一例を示す説明図である。設問テーブル500は、設問を示す文字列を記憶するテーブルである。設問提示部501は、設問テーブル500の各設問(
図5では、設問Q1~Q3)を、出力デバイス204から画面表示したり音声出力したりする。
【0019】
図4に戻り、回答取得部502は、設問提示部501によって設問を提示した結果、入力デバイス203から設問に対するユーザの回答を取得する。具体的には、たとえば、回答取得部502は、設問Q1であれば「0~100」%の間の数値、設問Q2であれば「1~5」倍の間の数値、設問Q3であれば「0~100」%の間の数値をユーザの回答として取得する。
【0020】
資源消費量取得部503は、資源消費計測器111から資源消費機器ごとの資源消費量(たとえば、電力量)を取得する。ユーザ情報出力部504は、回答取得部502によって取得された回答と、資源消費量取得部503によって取得された資源消費量と、を含むユーザ情報を、ユーザ特性推定部302に出力する。
【0021】
図6は、
図3に示したユーザ特性推定部302の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。ユーザ特性推定部302は、効用特性推定部601と、抑制特性推定部602と、抑制内訳推定部603と、ユーザ特性出力部604と、ユーザ価値観推定部605と、ユーザ価値観出力部606と、を有する。効用特性推定部601は、ユーザ情報取得部301からのユーザ情報に基づいて、効用特性Uを推定する。抑制特性推定部602は、ユーザ情報取得部301からのユーザ情報に基づいて、抑制特性Sを推定する。
【0022】
図7は、資源消費量と快適度との関係を示すグラフである。
図7のグラフ700では、横軸を資源消費量、縦軸を効用特性Uおよび抑制特性Sの快適度とする。効用特性Uと抑制特性Sとの単位が異なるため、縦軸は効用特性Uと抑制特性Sを正規化した快適度とした。効用とは、ユーザyiが資源消費することによって得る主観的な満足度、すなわち、快適度であり、たとえば、ユーザyiが空調設備を使用すると気持ちがいいと感じる度合いである。効用特性Uとは、資源消費量が多くなると、効用が高くなるという特性を示す関数である。
【0023】
抑制とは、ユーザyiが資源消費を少なくすることによって得る主観的な満足の快適度であり、たとえば、ユーザyiが空調設備の使用を控えると、支払う電気料金が少なくなることにより経済的であると感じたり、また、環境にやさしいと感じたりする度合いである。抑制特性Sとは、資源消費量が少なくなると、効用の快適度が高くなるという特性を示す関数である。
【0024】
価値特性Vとは、効用特性Uと抑制特性Sとの合成関数、すなわち、和である。資源消費量取得部503は、価値特性Vの極大値をとる資源消費量を取得することになる。
【0025】
抑制内訳推定部603は、ユーザ情報取得部301からのユーザ情報に基づいて、抑制内訳を推定する。抑制内訳は、設問Q3により取得される。たとえば、設問Q3の回答で金銭の割合が65%だとすると、残りの35%がその他となる。
【0026】
図8は、実施例1にかかる効用特性U、抑制特性Sおよび抑制内訳の推定例を示す説明図である。(A)において、点Q1は、設問Q1の回答(たとえば、80%)に対応する資源消費量Cの座標値である。点Q2は、設問Q2の回答(たとえば、2倍)に対応する資源消費量2Cの座標値である。効用特性推定部601は、点0と点Q1と点Q2とを結ぶ効用特性Uの関数を生成する。
【0027】
(B)において、抑制特性推定部602は、価値特性Vの極大値がCとなるように抑制特性Sの傾きを推定する。(C)において、抑制内訳推定部603は、抑制特性Sの傾きを設問Q3の回答に応じて調整し、抑制特性Tを生成する。
【0028】
図6に戻り、ユーザ特性出力部604は、効用特性推定部601、抑制特性推定部602および抑制内訳推定部603による推定結果に基づいて、ユーザ特性データを目標算出装置102に出力する。具体的には、たとえば、ユーザ特性出力部604は、価値特性Vの極大値Lおよび当該極大値Lにおける快適度をユーザ特性データとして目標算出装置102に出力する。
【0029】
ユーザ価値観推定部605は、効用特性推定部601、抑制特性推定部602および抑制内訳推定部603による推定結果に基づいて、資源消費に関するユーザyiの価値観を推定する。ユーザyiの価値観とは、資源消費量、快適度、抑制傾向、および金銭比といった価値についての世帯平均に対するユーザyiの評価である。
【0030】
図9は、ユーザ価値観推定テーブルの一例を示す説明図である。ユーザ価値観推定テーブル900は、価値901と、推定結果902と、を有する。価値901は、資源消費量911と、快適度912と、抑制傾向913と、金銭比914と、を有する。資源消費量911とは、グラフ700の横軸における価値特性Vの極大値Lである。快適度912は、価値特性Vの極大値Lにおけるグラフ700の縦軸の値である。
【0031】
抑制傾向913は、抑制特性Sの傾きである。金銭比914は、設問Q3の回答の値である。資源消費量911、快適度912、抑制傾向913、および金銭比914における「大」、「小」は、世帯平均に対するユーザyiの相対評価値である。資源消費量911、快適度912、抑制傾向913、および金銭比914の世帯平均は、たとえば、固定値でもよく、目標算出装置102で算出されて配信される最新の値でもよい。
【0032】
推定結果902は、ユーザ価値観921と、タイプ922と、を有する。ユーザ価値観921は、価値901に対応するユーザyiの価値観である。タイプ922は、ユーザ価値観921を規定する識別情報である。ユーザ価値観推定部605は、価値901における資源消費量911、快適度912、抑制傾向913、および金銭比914の値の組み合わせに対応する推定結果902を出力する。
【0033】
図6に戻り、ユーザ価値観出力部606は、ユーザ価値観を協力要請生成部303に出力する。具体的には、たとえば、ユーザ価値観出力部606は、
図9のユーザ価値観推定テーブル900を用いて得られた推定結果902を協力要請生成部303に出力する。
【0034】
図10は、
図3に示した協力要請生成部303の詳細な機能的構成例を示すブロック図である。協力要請生成部303は、タイプ取得部1001と、協力目標取得部1002と、消費内訳取得部1003と、機器別目標算出部1004と、コンテンツ生成部1005と、協力要請コンテンツ1006と、を有する。
【0035】
タイプ取得部1001は、ユーザ特性推定部302からのタイプ922を取得する。協力目標取得部1002は、目標算出装置102からの協力目標値を取得する。協力目標値とは、「資源消費体ziで100[W]下げてください」のような資源消費量の削減目標値を含む依頼である。消費内訳取得部1003は、資源消費計測器111からの資源消費機器別の計測結果を取得する。
【0036】
機器別目標算出部1004は、資源消費計測器111からの資源消費機器別の計測結果と、協力目標取得部1002によって取得された協力目標値と、に基づいて、資源消費機器別の資源消費量の削減目標値を算出する。機器別目標算出部1004は、協力目標値を資源消費機器の数で均等に分割してもよく、資源消費機器ごとに事前に重みを設定しておき、重みに応じて協力目標値を分割してもよい。
【0037】
コンテンツ生成部1005は、タイプ取得部1001によって取得されたタイプ922と、協力目標取得部1002によって取得された目標算出装置102からの協力目標値と、に基づいて、協力要請コンテンツ1006を参照してコンテンツを生成する。
【0038】
図11は、
図10に示した協力要請コンテンツ1006の一例を示す説明図である。協力要請コンテンツ1006は、記憶デバイス202に記憶されるテーブルである。協力要請コンテンツ1006は、タイプ922と、協力目標値1101と、コンテンツ1102と、を有する。
【0039】
協力目標値1101は、協力目標取得部1002によって取得された目標算出装置102からの協力目標値である。コンテンツ生成部1005は、ユーザ特性取得部によって取得されたタイプ922と、協力目標取得部1002によって取得された目標算出装置102からの協力目標値1101と、に該当するコンテンツ1102を、協力要請コンテンツ1006から抽出して、タイプ922、協力目標値1101、コンテンツ1102(以下、コンテンツデータ)および資源消費機器別の資源消費量の削減目標値を、協力要請提示部304に出力する。
【0040】
図12および
図13は、協力要請提示部304から提示される協力要請データ例を示す説明図である。
図12および
図13において、協力要請データ1200,1300は、出力デバイス204により画面表示、または、情報処理装置113と通信可能なコンピュータ(たとえば、ユーザyiのスマートフォン)に表示可能に送信される。協力要請データ1200は、タイプ922が「B」でかつ番号が「5」のコンテンツデータに関する協力要請データである。協力要請データ1300は、タイプ922が「B」でかつ番号が「6」のコンテンツデータに関する協力要請データである。
【0041】
協力要請データ1200,1300は、協力依頼1201と、推奨値1202と、通信欄1203と、を有する。協力依頼1201は、協力目標値1101とコンテンツ1102に基づく協力依頼に関する文字列である。推奨値1202は、資源消費機器別の資源消費量の削減目標値に関する文字列である。通信欄1203は、コンテンツ1102に応じて決定される情報である。協力要請データ1200では、コンテンツ1102である「省エネの具体的方法」の例として、資源消費計測器111からの資源消費機器別の計測結果とアドバイスが表示されている。協力要請データ1300では、コンテンツ1102である「他者の協力状況」が表示されている。
【0042】
なお、協力要請データ1200,1300では、協力依頼1201と、推奨値1202と、通信欄1203と、を表示したが、協力依頼1201と、推奨値1202と、通信欄1203と、のうち少なくとも1つが表示されればよい。この場合、表示されなかったデータについては、資源管理システム100は生成しなくてもよい。具体的には、たとえば、資源管理システム100は、表示されなかったデータを生成する機能を有する必要はない。
【0043】
<目標算出装置102の機能的構成例>
図14は、目標算出装置102の機能的構成例を示すブロック図である。目標算出装置102は、ユーザ特性取得部1401と、ユーザ特性集計部1402と、供給可能量取得部1403と、評価関数生成部1404と、評価関数最適化部1405と、協力目標算出部1406と、を有する。
【0044】
ユーザ特性取得部1401は、ユーザ特性推定部302のユーザ特性出力部604から出力されたユーザ特性データとして、価値特性Vの極大値Lにおける快適度を取得する。ユーザ特性集計部1402は、各情報処理装置113からの価値特性Vの極大値Lにおける快適度を集計して、集計結果を評価関数生成部1404に出力する。供給可能量取得部1403は、共有資源供給体101から供給可能量を取得する。共有資源供給体101が発電所である場合、供給可能量とは、資源消費体z1~znの総発電予測量である。
【0045】
評価関数生成部1404は、供給可能量取得部1403からの供給可能量と、ユーザ特性集計部1402からの集計結果と、に基づいて、下記式(1)の評価関数Eを生成する。
【0046】
【0047】
式(1)において、nは資源消費体ziの総数、xiは資源消費体ziの資源消費量、fiは資源消費体ziの価値特性V、Aは係数、XLは、共有資源供給体101からの供給可能量、g()は総資源使用量(Σxi)にかかるペナルティ関数である。たとえば、総資源使用量(Σxi)>供給可能量XLならば、大きな値をとり、それ以外は0となる関数(たとえば、ランプ関数)である。
【0048】
評価関数Eは、ユーザyiの効用が最大となるユーザyiの資源消費量xiを決める関数である。右辺のカッコ内の第1項(Σfi(xi))は、ユーザ特性集計部1402による資源消費体z1~znの快適度の集計結果を示し、大きければ大きいほど、資源消費体z1~znの快適度が増加する。右辺のカッコ内の第2項は、上述したようにペナルティ関数であるため、評価関数Eは、共有資源供給体101からの供給可能量XLを超えない程度で、資源消費体z1~znの快適度を最大化する関数である。
【0049】
評価関数最適化部1405は、評価関数生成部1404によって生成された評価関数Eを最適化する。具体的には、たとえば、評価関数最適化部1405は、評価関数Eが最大化するような資源消費量X1~Xnの組み合わせを生成する。
【0050】
協力目標算出部1406は、協力目標値を算出して、情報処理装置113の協力要請生成部303に出力する。協力目標値は、たとえば、資源消費量Xiと資源消費量xiとの差分である。xi>Xiであれば、(xi-Xi)分の資源消費量の抑制依頼となる。xi=Xiであれば、現状維持となる。xi<Xiであれば、(Xi-xi)分の資源消費量の余裕があることになる。
【0051】
<資源管理シーケンス例>
図15は、資源管理システム100の資源管理シーケンス例を示すシーケンス図である。情報処理装置113は、ユーザ情報取得部301によりユーザ情報を取得し(ステップS1501)、ユーザ特性推定部302により、ユーザ特性を推定し(ステップS1502)、ユーザ特性データを目標算出装置102に送信する(ステップS1503)。
【0052】
目標算出装置102は、供給可能量取得部1403により供給可能量XLを取得し(ステップS1511)、ユーザ特性集計部1402により、情報処理装置113からのユーザ特性データを集計する(ステップS1512)。そして、目標算出装置102は、各情報処理装置113からの資源消費量の極大値Lと、ステップS1511で取得した供給可能量XLと、ステップS1515で集計した集計結果とを用いて、評価関数Eを生成する(ステップS1513)。そして、目標算出装置102は、評価関数Eを最適化して、ユーザyiごとの協力目標値を算出し(ステップS1514)、協力目標値を情報処理装置113に送信する(ステップS1515)。
【0053】
情報処理装置113は、ユーザ価値観推定部605により、効用特性推定部601、抑制特性推定部602および抑制内訳推定部603による推定結果に基づいて、ユーザ価値観を推定する(ステップS1504)。つぎに、情報処理装置113は、機器別目標算出部1004により、資源消費計測器111からの資源消費機器別の計測結果と、協力目標取得部1002によって取得された協力目標値と、に基づいて、資源消費機器別の資源消費量の削減目標値を算出する(ステップS1505)。
【0054】
そして、情報処理装置113は、タイプ取得部1001によって取得されたタイプ922と、目標算出装置102からの協力目標値と、に基づいて、協力要請コンテンツ1006を参照してコンテンツデータ(タイプ922、協力目標値1101、コンテンツ1102)を生成する(ステップS1506)。このあと、情報処理装置113は、ステップS1506のコンテンツデータおよびステップS1505の資源消費機器別の資源消費量の削減目標値を用いて、協力要請データ1200,1300を表示可能に出力する。
【0055】
このように、実施例1によれば、ユーザyiが所属する地域社会全体の効用を加味した個々人の節約目標や節約の達成に向けて個々人の価値観に合ったインセンティブの提示を実現することができる。また、価値特性Vが不連続であっても高速かつ高精度に節約の目標値を算出することができる。
【実施例2】
【0056】
実施例2は、実施例1において、ユーザ情報取得部301が、ユーザyiに設問の提示と回答の取得をしない場合の例である。実施例2の説明では、実施例1と共通部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図16は、実施例2にかかるユーザ情報取得部301の機能的構成例を示すブロック図である。
図16では、ユーザ情報取得部301は、設問提示部501と、回答取得部502と、を有しない。ただし、資源消費量取得部503は、第1資源消費量C1を資源消費計測器111から取得し、第1資源消費量C1とは異なる環境(たとえば、気温)での第2資源消費量C2を資源消費計測器111から取得し、第1資源消費量C1とは異なる価格体系における第3資源消費量C3を資源消費計測器111から取得する。
【0058】
図17は、実施例2にかかる効用特性U、抑制特性Sおよび抑制内訳の推定例を示す説明図である。(A)において、効用特性推定部601は、第1資源消費量C1と第2資源消費量C2との差分を、全ユーザy1~ynの第1資源消費量C1と第2資源消費量C2との平均差分と比較し、効用特性Uのカーブを推定する。
【0059】
第1資源消費量C1と第2資源消費量C2との差分と平均差分との差が大きいほど、効用特性Uのカーブが小さくなる。具体的には、たとえば、効用特性推定部601は、効用特性UモデルとしてUを設定しておき、第1資源消費量C1と第2資源消費量C2との差分と平均差分との差が小さいほど効用特性モデルのカーブを大きくし、第1資源消費量C1と第2資源消費量C2との差分と平均差分との差が大きいほど効用特性モデルのカーブを小さくすることで、効用特性Uを決定する。
【0060】
(B)において、効用特性推定部601は、価値特性Vの極大位置がC1となるように抑制特性Sの傾きを推定する。具体的には、たとえば、効用特性推定部601は、下記式(2)を用いて、対象世帯のユーザyiの資源消費指標Rtを算出する。
【0061】
【0062】
ただし、Mは、測定した環境の総数であり、Ctjは、ある環境jでの対象世帯のユーザyiの資源消費量であり、Cmjは、ある環境jでの他の世帯のユーザyiの平均資源消費量である。
【0063】
つぎに、効用特性推定部601は、下記式(3)を用いて、対象世帯のユーザyiの効用値Utを算出する。
【0064】
【0065】
ただし、Ubは効用の基準値 (たとえば、75などの固定値)であり、aは定数(たとえば、0.415)であり、Rt=2の場合、Ut=100となる。この際、100%効用に必要な資源消費量(
図8のQ2)を、たとえば、2倍と仮定した。これによりUt(Q1)=Ut(C1)とUt(Q2)=Ut(C2)が決定するため、抑制特性推定部602は、
図8の(B)と同様に抑制特性Sの推定が可能となる。
【0066】
(C)において、抑制内訳推定部603は、金銭比率100%と仮定した時の第3資源消費量C3の推定値C3aを求め、推定値C3aと第3資源消費量C3の実測値C3bとの差分で金銭とその他の内訳を推定する。
【0067】
図18は、
図17(C)の詳細な説明図である。(A)において、抑制内訳推定部603は、金銭割合を推定する。具体的には、たとえば、料金体系Aにおける、第1資源消費量をC1とし、抑制内訳推定部603は、料金体系Bにおける金銭的理由100%時の第3資源消費量C3の推定値C3aを推定する。この推定には、たとえば、価格が消費量に反比例するリニア関数が用いられる。
【0068】
(B)において、抑制内訳推定部603は、料金体系Bにおける、第3資源消費量C3の実測値C3bを取得し、推定値C3aと実測値C3bとを比較する。第1資源消費量C1と推定値C3aとの差を100とした時の、推定値C3aと実測値C3bとの差dが、その他の要因となる。
【0069】
このように、実施例2によれば、ユーザyiに設問を提示しなくても、自動的に協力要請の提示が可能となる。
【0070】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
【0071】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0072】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SD(Solid Tate Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
【0073】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0074】
100 資源管理システム
101 共有資源供給体
102 目標算出装置
103 通信ネットワーク
104 電力ネットワーク
111 資源消費計測器
112 資源消費機器群
113 情報処理装置
301 ユーザ情報取得部
302 ユーザ特性推定部
303 協力要請生成部
304 協力要請提示部
500 設問テーブル
501 設問提示部
502 回答取得部
503 資源消費量取得部
504 ユーザ情報出力部
601 効用特性推定部
602 抑制特性推定部
603 抑制内訳推定部
604 ユーザ特性出力部
605 ユーザ価値観推定部
606 ユーザ価値観出力部
900 ユーザ価値観推定テーブル
1001 タイプ取得部
1002協力目標取得部
1003 消費内訳取得部
1004 機器別目標算出部
1005 コンテンツ生成部
1006 協力要請コンテンツ
1401 ユーザ特性取得部
1402 ユーザ特性集計部
1403 供給可能量取得部
1404 評価関数生成部
1405 評価関数最適化部
1406 協力目標算出部