(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】製品の品質を検査するための方法及び機械
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
G01N21/89 Z
(21)【出願番号】P 2020506882
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2018025214
(87)【国際公開番号】W WO2019034289
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-02-07
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ポシャール アレクサンドル
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-172842(JP,A)
【文献】特開2013-068544(JP,A)
【文献】国際公開第2013/118080(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/096157(WO,A1)
【文献】特開2001-124528(JP,A)
【文献】特開2001-194124(JP,A)
【文献】特開2003-337012(JP,A)
【文献】米国特許第6323502(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
G01B 11/00-11/30
B31F 1/00-1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット(10)を間に形成するように接続された少なくとも2つの段ボール部分(2)を有する製品(1)であって、前記スロットが、前記製品の一方の側部と該一方の側部の反対側の他方の側部との間で前記一方の側部に直交して延びる製品(1)の品質を検査する方法であって、
前記製品(1)の一方の側と前記製品(1)の他方の側での前記スロットの2次元画像を取り込む段階と、
前記スロット(10)を認識するために前記画像を解析する段階と、
1つの製品の両側で前記スロットの位置を比較する段階
であって、前記位置の各々が前記製品の側部に沿って測定されるものである、位置を比較する段階と、
前記位置間の差が公差の予め定められた範囲内であるか否かを決定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記2次元画像は、2つのカメラ(304)を用いて取り込まれ、各カメラ(304)が、検査される前記製品の側部にそれぞれ割り当てられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラ(304)は、ラインカメラである、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カメラ(304)は、
前記2つのカメラの相対的な位置情報を決定する較正ターゲットの支援によって較正される、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記2次元画像は、製品の積み重ねに対して取り込まれる、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記2次元画像は、前記側面の長さの断片、好ましくは該側面の該長さの10%未満である前記製品の該側面の一部分に対して取り込まれる、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記スロット(10)の中心が、該スロットを認識するために前記画像を解析する前記段階中に決定される、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
スロット(10)を間に形成するように接続された少なくとも2つの段ボール部分(2)を有する製品(1)であって、前記スロットが、前記製品の一方の側部と該一方の側部の反対側の他方の側部との間で前記一方の側部に直交して延びる製品(1)の品質を検査するための機械であって、
前記製品を積み重ねるための積み重ね区域で、2次元画像を取り込むように
前記製品の一方の側部と他方の側部のそれぞれに一つづつ設けられた2つのカメラ(304)と、
前記製品の前記2つの側の前記スロットの前記画像内で前記側部の方向に沿って測定された位置を前記取り込んだ画像内で認識するようになった画像処理モジュール(306)と、
前記製品の前記両側部での前記スロットの位置間のオフセットの量を決定するようになったオフセット決定モジュール(310)と、を備えている、
ことを特徴とする機械。
【請求項9】
前記カメラに対して正しく位置決めされたスロットの位置に対応する較正データを格納するメモリを更に備えている、
請求項8に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の一方の側から反対の側に段ボール部分の間をスロットが延び、スロットが製品の外縁に対して垂直に延びることが予想されるように互いに接続された少なくとも2つの段ボール部分を含む製品の品質を検査するための方法及び機械に関する。
【背景技術】
【0002】
製品は、特に梱包箱のような折り畳み可能な箱である。箱の製造中に、段ボール部分は互いに接着される。隣接する段ボール部分の間には、箱の一方の側から反対の側にスロットが横断方向に延びている。
【0003】
段ボール部分は、1つの同じ段ボール要素の対向配置された部分とすることができ(段ボール要素が、少なくとも1つの周方向に箱の壁を形成し、そのために対向配置された部分が、それらがスロットによって分離されるように互いに近くに位置する状態になる場合)、又は段ボール部分は、箱を形成するように互いに接続された別々の段ボール要素である。
【0004】
段ボール部分が正しく互いに接着されたと仮定すると、スロットは、幅全体にわたって一定寸法を有する。そうでなければ、寸法は、幅にわたって変化する。
【0005】
スロットの幅を点検することは、WO 2016/096157 A1から公知である。一般的に、スロットの幅は、製品の両側で測定される。幅が(ある一定の公差内で)同じであり、かつ予め定められた範囲内にある場合に、品質は、問題なしと考えられる。
【0006】
しかし、段ボール部分は、時には完全な四角ではないことが分かっている。スロットは、箱の一方の側から他方に斜めに又は湾曲経路に沿って延び、かつ箱の両側で同じ幅を有することが可能である。この種の欠陥は、それが四角ではない段ボール部分の結果であるので、「四角化問題」と呼ばれる。
【0007】
そのような製品をWO2016/096157A1のデバイス及び方法を用いて検査すると、箱は、たとえスロットが品質期待値にそのように対応しなくても、問題なしとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、すなわち、四角化問題を検出することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、製品の一方の側から反対の側に段ボール部分の間をスロットが延び、スロットが製品の外縁に対して垂直に延びることが予想されるような互いに接続された少なくとも2つの段ボール部分を含む製品の品質を検査する方法であって、
製品の一方の側で及び製品の他方の側でスロットの2次元画像(又は2D画像)を取り込む段階と、
スロットを認識するために画像を解析する段階と、
1つの製品のスロットの位置を両側で比較する段階と、
位置間の差が公差の予め定められた範囲内にあるか否かを決定する段階と、
を含む方法を提供する。
【0011】
2次元画像は、そのピクセル値が1又はいくつかの測光値を表す画像を意味する。例えば、画像ピクセルは、1つのグレイスケール値(グレイスケール2D画像をもたらす)、又は赤色、青色、及び緑色チャネルを表す3つの値(カラー2D画像をもたらす)を有する場合がある。そのピクセル値がカメラとピクセルに関連するシーンの部分との間の距離を表す画像は、2次元画像として見なされない。好ましくは、ここではグレイスケール2D画像を使用する。
【0012】
位置は、製品の外縁の方向に沿って測定される。この関連では、位置は1次元数である。画像は、この方向が水平であり(画像座標に従って)、すなわち、位置がスロットの水平の場所であるように構成することができる。
【0013】
本発明は、更に、スロットが製品の一方の側から反対の側に延び、スロットが製品の外縁に対して垂直に延びることが予想されるような互いに接続された少なくとも2つの段ボール部分から作られた製品の品質を検査するための機械を提供し、機械は、製品を積み重ねるための積み重ね区域で2D画像を取り込むようになった2つのカメラと、製品の2つの側のスロットの位置を取り込み画像内で認識するようになった画像処理モジュールと、製品の両側でのスロットの位置間のオフセットの量を決定するようになったオフセット決定モジュールとを含む。
【0014】
本発明の基礎となる原理は、スロットが製品の両側で同じ位置にあるかを検査することである。そうである場合に、これは、四角化問題が存在しないことを示す。本発明による方法及び機械の主な利点は、スロットの位置の決定を多くの計算労力なしに非常に迅速に行うことができることである。更に、WO 2016/096157 A1から公知の機械のハードウエアは、スロットを一定幅に関してだけなく四角化問題に関しても点検することができるように「アップグレード」することができる。ここでの「アップグレード」は、ソフトウエアレベルで更に別の解析機能を追加し、追加のハードウエアが不要であることを意味する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、2D画像は、2つのカメラを用いて取り込まれ、各カメラは、検査される製品の1つの側面に割り当てられる。2Dカメラの使用は、少ないデータ量での高品質画像の高い頻度の取得を可能にする。
【0016】
更に少ないデータ量は、1Dカメラ(ラインカメラ)が使用される場合(又は2Dカメラの単一ラインだけが使用される場合)に達成することができる。ラインカメラを使用する時に、2次元画像は、この説明で後述するようにカメラを移動することによって取得することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、カメラは、較正ターゲットの支援によって較正される。較正ターゲットのスロットの画像を取り込むことにより、互いに対する2つのカメラの正確な位置が利用可能にされる。較正段階の後に、品質要件を完全に満たす製品に対してどの位置で2つのスロットがカメラから「見られる」かが既知である。
【0018】
このようにして取得された較正値は、オフセット決定モジュール内、または一般的に機械制御部内のメモリに格納することができる。時々に、較正は、時間と共に発生するいずれの公差も認識されて製品の品質を検査する時に適切に考慮されることを保証するために繰り返される。
【0019】
好ましくは、2D画像は、製品の積み重ねに対して取り込まれる。このように、製品が積み重ねられているので動かないときに、品質管理を行うことが非常に好都合に可能である。また、折り畳まれた箱の接着は、製品を積み重ねる時には、まだ行われたばかりである場合があり、接着部分の僅かな動きを潜在的に引き起こす。この僅かな動きから生じる欠陥は、品質管理が製品の積み重ねに対して(すなわち、積み重ね作動の後で)行なわれる場合に、チェックされる。
【0020】
データ量を可能な限り少なく保つために、2D画像は、側面の長さの小さい部分、好ましくは側面の長さの10%未満である製品の側面の一部分に関して、取り込まれる。カメラによって「カバーされる」区域は、こうしてスロットが典型的に配置される範囲に限定される(又は、より幅広の画像が取り込まれる場合に、より小さい当該区域に電子的に限定される)のが好ましい。仮に、カメラがこの範囲内にスロットを検出しない場合に、製品は、いずれにせよ不合格とされることになると仮定することができる。
【0021】
本発明の実施形態により、スロットの中心は、スロットを認識するために画像を解析する段階中に決定される。2つの中心の位置は、例えば各スロットの2つの外縁を比較することよりも好都合に比較することができる。
【0022】
包含する図面に示す実施形態を参照して本発明を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】四角化問題を有する製品の例を示す図である。
【
図3】
図2の機械に使用されるカメラのうちの1つの概略図である。
【
図5】
図2の機械を用いて取り込まれた画像の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、品質が検査される製品の一例としてここに使用される折り畳み可能な箱1を示している。箱1は、
図1では互いに接続された段ボール部分2を含む折り畳まれた状態で示されており、かつ折り目5によって段ボール部分2に接続されたフラップ4を含む。ここでは、隣接する段ボール部分2は、舌状部6の支援によって互いに接着される。
【0025】
隣接する段ボール部分2間には、スロット10が存在する。理想的には、スロットは、折り畳み可能な箱の外縁に対して垂直に延びる。
【0026】
実際には、段ボール部分2は、時々、四角ではなく、むしろ
図1に破線で示された形態を有する。これは、「四角化問題」と呼ばれる。
【0027】
スロット10の幅は、幅にわたってほぼ一定であることがわかり、製品の両側で測定することができる幅W1、W2が同じであることを意味する。従って、両側でスロットの幅を互いに比較した場合(かつ更に幅が予め定められた値内にそのようなものとしてある場合)に品質問題は検出されない。
【0028】
製品の両側でのスロットの幅の比較に関して、その開示が引用によって本明細書に組み込まれているWO 2016/096157 A1からの機械が公知である。
【0029】
図2は、WO 2016/096157 A1に開示された機械にほぼ対応するが一部の修正を含む機械50を示す。
【0030】
図2に示す機械50は、折り畳み可能な箱1を製造するように意図しており、少なくとも、
各折り畳み可能な箱1の接着区域に接着剤を付加するように構成された接着デバイス52と、
接着される区域を接着区域の上に接着するために段ボール部分2を折り畳むように構成された折り畳みデバイス54と、
折り畳まれ曲げられた状態で折り畳み可能な箱1を積み重ねるように構成された積み重ねデバイス56と、
パック301を形成するために折り畳み可能な箱1を四角化するように構成された四角化デバイス60と、
折り畳み可能な箱1を接着デバイス52に、次に折り畳みデバイス54に、次に積み重ねデバイス56に置くように構成され、この場合に毎時約1800個の折り畳み可能な箱1に等しい設置の出力速度を与えるベルトコンベヤである搬送デバイス58と、
2つの検査デバイス300と、を備えている。
【0031】
ここでは、検査デバイス300は、積み重ねデバイス56かつ四角化デバイス60の下流に置かれる。接着デバイス52、折り畳みデバイス54、積み重ねデバイス56、及び四角化デバイス60は、搬送デバイス58によって決定された循環の方向に上流から下流端まで互いに追随している。従って、各検査デバイス300は、パック301単位で折り畳み可能な箱1を検査する。
【0032】
これに加えて、2つの検査デバイス300は、2つの周囲パック面312のそれぞれの画像を形成するように配置される。この配置を使用して、パック301に収容された各折り畳み可能な箱1の全てのスロットを検査することができる。
【0033】
検査デバイス300の各々の基本構成が
図3及び
図4に示されている。
【0034】
各検査デバイスは、2つの光源302.1及び302.2を有する照明システム302、フレームワーク303、カメラ304、概略的に示す機械制御部305、及び画像処理モジュール306を含む。
【0035】
カメラ304は、ライン走査カメラである。ライン走査カメラは、感光部分が一連のセンサ(1xnの寸法を有する)で構成されたカメラである。センサは、CCD(「電荷結合デバイス」)センサ又はCMOS(「相補型MOS」)センサである場合がある。カメラ304は、光ビーム304.4を受光するように構成される。
【0036】
各検査デバイス300は、単一カメラ304によって形成される。カメラ304は、光学補正デバイス304.5及び使用中のカメラ304を冷却するように構成されたヒートシンク304.6を有する。
【0037】
各光源302.1及び302.2は、矩形マトリックスに配置された発光ダイオード(LED)302.5で構成される。各光源302.1及び302.2は、それぞれのヒートシンク302.6及び302.7を含む。
【0038】
更に、検査デバイス300は、折り畳み可能な箱の各パックから受光された光をカメラ304に向けて反射するように配置された反射ミラー308を含む。この反射ミラー308は、コンパクトな検査デバイス300を形成することを可能にする。各光源302.1及び302.2は、フレームワーク303に形成された開口309を通して折り畳み可能な箱の各パックを直接に照明する。
【0039】
使用時にカメラ304から得られた画像は、製品1の外縁の長さの断片である。各画像は、通常公差を考慮に入れて、解析されるべきスロットが典型的に配置された小さい領域のみを「カバーする」ことができる。カメラ304のカバー範囲を狭くすることにより、画像処理の継続時間を最小にすることができる。
【0040】
この場合に、検査デバイス300は、直列に位置決めされ、すなわち、検査は、搬送デバイス58がパック301を検査デバイス300の前の位置に持ってきた時に行われる。搬送デバイス58は、パック301を水平方向に搬送するように配置される。
【0041】
画像取り込みのため、検査デバイス300は、パック301に対して垂直に移動される。好ましくは、パック301の折り畳まれた箱の両端での両方の検査デバイス300は、折り畳み可能な箱の前面及び背面が同時に捕捉されるように同時に移動され、箱が取り込み間で移動しなかったことを保証する。
【0042】
この機械を用いて、折り畳まれた箱の両端でのスロットの幅が同じであるかを(公差の予め定められた範囲内で)検査することが一般的に可能である。この検査の詳細に関して、WO 2016/096157 A1を参照されたい。
【0043】
四角化問題の識別するため、機械は、段ボール部分2が四角であり、かつスロットが製品の外縁に対して垂直に延びるときのように、スロット10が両側で同じ位置で「終了する」か否かを決定することを可能にするオフセット決定モジュール310を有している。
【0044】
オフセット決定モジュール310は、画像処理モジュール306によって使用される正に同じ画像を処理する。これに代えて、オフセット決定モジュール310は、画像処理モジュール306に組み込まれる。
【0045】
一般的に、四角化問題は、特定のスロットが製品の両側で可視である位置を比較することによって検出される。スロットが両側で同じ位置で(この意味は、製品の外縁に対して垂直である線に沿って)終了する場合に、段ボール部分2は四角であり、品質は問題なしである。
【0046】
製品の両端でのスロットの位置の決定するため、カメラ304で取り込まれた画像が解析される。特に、両端でのスロットの中心の位置が決定される。
【0047】
その後の段階では、中心の位置は、例えばそれらを互いから差し引くことによって比較される。比較の結果がある一定の閾値よりも下である場合に、品質は、問題なしと考えられる(潜在的な四角化問題に関して)。
【0048】
四角化問題の適切な決定のため、機械50が積み重ね(スタック)の両側でのカメラ304の位置を学習することを可能にする較正段階が行われる。カメラ304が、積み重ね(スタック)に対して同じ位置にあると仮定すると、較正ターゲット内のスロットの端部の位置の差はゼロである。カメラ304が理論的な位置から僅かにオフセットして配置される場合に、オフセット決定モジュールによって行われる比較は、メモリ312に格納することができるある一定の較正値をもたらす。すなわち、オフセット決定モジュール310は、次のオフセット決定を行う時にこのオフセットを考慮する。
【0049】
図5は、支持体S上に集められた製品2の積み重ねの両側でカメラ304を用いて取り込まれた画像の例を示している。
【0050】
区域Iでは、製品の一方の横側面の画像の例が示され(例えば、
図1に示す製品の上側)、区域IIでは、製品の反対の側の対応する画像が示されている(ここでは
図1に示す製品の下側)。
【0051】
より参照しやすいように、製品は、最も下の製品2に対する1から始めて数字でラベル付けされている。更に、仮想基準線Rが、ここでは画像の各々に対して描かれている。この線は、較正ターゲットを用いて決定された製品の側面でのスロットの場所に対応する。
【0052】
第1の製品2に関して、スロット10は、完全な場所に近い両側で終了する。製品2の2つ側面でのスロット10の開口部の中心は、基準線Rがある場所である。
【0053】
第2の製品に関して、一方の側(区域I)のスロットの中心は、基準線Rの右側であり、一方で他方の側(区域II)のスロットの中心は、基準線Rの左側である。これは、スロットの中心が両側に関して同じ方向に(
図1を見ると、左に)変位したことを意味し、従って、両側でのスロットの幅の差が予め定められた公差範囲内であるか否かが問題である。
【0054】
第3の製品2に関して、スロットの中心は、それらが基準線Iの両側に配置された時に互いから有意にオフセットしている(画像の1つは、それを
図5の他方の1つと並べて示すことによってミラー反転していることに注意されたい)。第3の製品は、すなわち、四角化問題を有する。
【0055】
第4の製品2に関して、スロット10は、ここでもまた完全な場所に近い位置に両側で終了する。
【0056】
第5の製品2に関して、四角化問題が存在する。
【0057】
機械制御部は、すなわち、スロットの一定幅に関してだけでなく、四角化問題に関しても製品の品質を非常に迅速に検査することができる。