(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】隣接基地局関係を更新するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/24 20090101AFI20221201BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221201BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221201BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20221201BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20221201BHJP
【FI】
H04W16/24
H04W24/10
H04W72/04 136
H04W92/20
H04W72/04 111
H04W16/32
(21)【出願番号】P 2020529142
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2018055894
(87)【国際公開番号】W WO2019105596
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2017/081033
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼッターバーグ, クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ラマカンドラ, パラディ―パ
(72)【発明者】
【氏名】フレンジャー, パル
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9794840(US,B1)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,RAN supported TNL discovery for EN-DC[online],3GPP TSG RAN WG3 #97 R3-172996,2017年08月11日
【文献】Ericsson,On X2 TNL Address discovery for option 3[online],3GPP TSG RAN WG3 #97bis R3-173935,2017年09月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイス(390, 590, 790)にサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局(310, 510, 720)における方法であって、
‐測定報告を受信する工程と、ここで、前記測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局(321, 521, 711)から前記無線デバイス(390, 590, 790)によって受信される
同期信号に基づくものであり、
前記他の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術は前記第1の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術とは異なり、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局からシステム情報は送信されず、かつ、前記無線基地局から受信される前記同期信号に基づいて前記無線デバイスは前記無線基地局のいかなるグローバル識別子も特定できず、
‐前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)を示す識別要求を、前記サービング無線基地局が隣接関係を有している無線基地局である、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)の少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)へ送信する工程と、
‐前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)の識別に関する情報であって、前記識別要求に対する応答として前記少なくとも1つの隣接無線基地局から受信される、前記識別に関する前記情報を使用して隣接関係を確立する工程と、
を含む又は開始する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)の識別に関する前記情報は、トランスポートネットワークレイヤアドレスである、方法。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の方法であって、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)は、隣接関係情報の更新を求める要求を、前記他の無線アクセスネットワークの前記無線基地局(321, 521, 711)へ送信する、方法。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1項に記載の方法であって、前記無線デバイス(390, 590, 790)は、第2の無線アクセスネットワークの第2の無線基地局(312, 512, 721)によるサービスを更に受ける、方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の方法であって、前記第2の無線基地局(312, 512, 721)は、ユーザデータで前記無線デバイス(390, 590, 790)にサービスを行い、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)は、制御データのみで前記無線デバイス(390, 590, 790)にサービスを行う、方法。
【請求項6】
請求項
4又は
5に記載の方法であって、前記測定報告は、前記第2の無線基地局(312, 512, 721)から受信される、方法。
【請求項7】
請求項
4から
6のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術は、前記第2の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術とは異なる、方法。
【請求項8】
請求項
4から
7のいずれか1項に記載の方法であって、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)は、隣接関係情報の更新を求める要求を、前記第2の無線基地局(312, 512, 721)へ送信する、方法。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか1項に記載の方法であって、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)と前記無線デバイス(390, 590, 790)との間のコネクションは、無線リソース制御(RRC)コネクションである、方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか1項に記載の方法であって、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)が、前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)に知られていない場合、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)は前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)から否定応答を受信する、方法。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の方法であって、前記測定報告は、前記他の無線基地局内の前記無線基地局(321, 521, 711)の非固有のアイデンティティを含み、前記方法は、
‐前記サービング無線基地局(310, 510, 720)の前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)から、前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)に関連付けられた、前記無線基地局の非固有のアイデンティティを受信する工程と、
‐前記受信された測定報告において示されたアイデンティティと同じ非固有のアイデンティティを報告する前記隣接無線基地局へ、前記識別要求を送信する工程と、
を更に含む又は開始する、方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の方法であって、前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)から非固有のアイデンティティを受信する前記工程は、要求メッセージを介して前記サービング無線基地局(310, 510, 720)によってトリガされる、方法。
【請求項13】
請求項
11に記載の方法であって、前記サービング無線基地局(310, 510, 720)は、前記少なくとも1つの隣接無線基地局(311, 312, 320, 330, 522, 512, 530, 721, 722, 730)に関連付けられた、無線基地局の非固有のアイデンティティを定期的に受信する、方法。
【請求項14】
無線デバイス(390, 590, 790)にサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局であって、前記サービング無線基地局は、
‐測定報告を受信することと、ここで、前記測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局(321, 521, 711)から前記無線デバイス(390, 590, 790)によって受信される
同期信号に基づくものであり、
前記他の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術は前記第1の無線アクセスネットワークの無線アクセス技術とは異なり、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局からシステム情報は送信されず、かつ、前記無線基地局から受信される前記同期信号に基づいて前記無線デバイスは前記無線基地局のいかなるグローバル識別子も特定できず、
‐前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)を示す識別要求を、前記サービング無線基地局が隣接関係を有している無線基地局である、前記サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信することと、
‐前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局(321, 521, 711)の識別に関する情報であって、前記識別要求に対する応答として前記少なくとも1つの隣接無線基地局から受信される、前記識別に関する前記情報を使用して隣接関係を確立することと、
を開始するように構成される、サービング無線基地局。
【請求項15】
請求項
14に記載のサービング無線基地局であって、請求項2から
13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、サービング無線基地局。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセッサに実行されると当該少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から
13のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項
16に記載のコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局における方法、及びそれに対応するデバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術では、無線デバイス(wireless radio devices)への無線コネクションを提供するために、多数の無線基地局が配置される。無線基地局による無線デバイスへのサービスの提供を調整するためには、それぞれの無線基地局がその隣接する無線基地局を知っていることが重要である。Long Term Evolution(LTE)の導入により、自動隣接関係(ANR:Automatic Neighbor Relation)のサポートが導入され、これにより、拡張NodeB(eNB:enhanced NodeB)として知られている無線基地局間の隣接関係(neighbor relations)をセットアップするためのオペレータのマニュアル設定作業が取り除かれたか又は大幅に低減された。第3世代パートナシッププロジェクト標準規格3GPP TS 36.300 V13.4.0では、自動隣接関係機能(Automatic Neighbor Relation Function)について詳しく説明する。
【0003】
ANR機能を
図1に示す。無線デバイス又はユーザ装置(UE)は、セルAにおいてeNBによるサービスを受ける。セルAにサービスを行うeNBは、ANR機能を有する。通常の呼手順の一部として、eNBは、隣接セルに対する測定を実行するよう各UEに指示する。eNBは、測定を行うこと及びそれをeNBに報告するタイミングをUEに指示するために、種々のポリシーを使用しうる。ステップ1で、無線デバイスは、別のeNB又はセルBに関する測定報告を送信する。この測定報告は、物理セルID(PCI:Physical Cell-ID)を含むが、その拡張セルグローバル識別子(ECGI:Enhanced Cell Global Identifier)は含まない。セルAのサービングeNBは、ステップ2で、新たに発見されたPCIをパラメータとして使用して、関連する隣接セルのECGI、トラッキングエリアコード(TAC:Tracking Area Code)及び全ての利用可能な公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)IDを読み取るよう、UEに指示する。これらの値を測定した後、UEは、ステップ3で、検出されたECGIをサービングeNBに報告し、eNBは、この隣接関係を追加することを決定する。eNBは、新たなeNBへのトランスポートレイヤアドレスを検索し、隣接関係リスト(Neighbor Relation list)を更新し、かつ、必要であれば、このeNBに向けて新たなX2インタフェースをセットアップするために、PCI及びECGIを使用できる。
【0004】
図2は、LTEネットワークのeNBにおけるANR機能を示す。ANR機能は、eNBに存在し、概念的な隣接関係テーブル(NRT:Neighbor Relation Table)を管理する。ANR内に位置する隣接検出機能(Neighbor Detection Function)は、新たな隣接するものを見つけ、それらをNRTに追加する。ANRは、古いNRを除去する隣接除去機能(Neighbor Removal Function)も含む。ソースセルからターゲットセルへの既存の隣接関係は、ソースセルを制御するeNBが、ターゲットセルのECGI/CGI及びPCIを知っており、隣接関係テーブル内に、ソースセルがターゲットセルを識別するためのエントリを有し、かつ、この隣接関係テーブルのエントリ内に、O&Mによって定められるか又はデフォルト値に設定される属性を有することを意味しうる。
【発明の概要】
【0005】
第5世代モバイルネットワーク(5G、New Radio-NR)のための最初の標準規格リリースは、既存のLTE無線アクセスネットワークと、New Radioキャリアが追加されたEvolved Packet Core(EPC)ネットワークとを利用する、非スタンドアローン型(NSA:non-standalone)NRネットワークである。NSA NRノードは、常にLTEノードをマスタノードとして有する。UEはNRに留まらないので、システム情報はNRで送信される必要はない。LTE ANRソリューションは、システム情報で送信されるグローバルセル識別子(global cell identifier)についてのUE測定に依存する。NSA NRネットワークでは、NRシステム情報は送信される必要がなく、それ故に、UEはNR無線基地局のいかなるグローバル識別子も読み取ることができない。これは、自動的なNSA NR隣接関係の確立のためにANR手順を使用することができないことを意味する。
【0006】
したがって、無線通信システム(wireless radio communication system)における自動的な隣接関係の確立を改善することを目的としている。この目的は、独立請求項によって達成される。従属請求項には有利な実施形態が記載されている。
【0007】
第1の態様によれば、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局における方法が提供される。本方法は、測定報告を受信する工程を含む又は開始し、ここで、前記測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から前記無線デバイスによって受信される参照信号に基づくものである。本方法は更に、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局を示す識別要求を、前記サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信する工程を含む。本方法は更に、受信された識別情報に基づいて、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別に関する情報を使用して隣接関係を確立する工程を含む。
【0008】
更なる態様によれば、無線アクセスネットワークのターゲット無線基地局における方法であって、無線デバイスがソース無線基地局から前記ターゲット無線基地局にハンドオーバされる、前記方法が提供される。本方法は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、前記ソース無線基地局から受信する工程を含み、前記拡張識別要求は、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。本方法は、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が、前記ターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られている場合、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別情報を、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している前記無線基地局へ送信する、又は、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が前記ターゲット無線基地局によって隣接基地局として知られておらず、かつ、前記無線デバイスが、他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合に、当該他のターゲット無線基地局へ前記拡張識別要求を転送する工程を含む。
【0009】
更なる態様によれば、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局が提供される。前記サービング無線基地局は、測定報告を受信するように構成され、前記測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から前記無線デバイスによって受信される参照信号に基づくものである。前記サービング無線基地局は更に、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局を示す識別要求を、前記サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信するように構成される。前記サービング無線基地局は更に、受信された識別情報に基づいて、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別に関する情報を使用して隣接関係を確立するように構成される。
【0010】
更なる態様によれば、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局が提供される。前記サービング無線基地局は、プロセッサ及びメモリを備え、当該メモリは、当該プロセッサによって実行可能な命令を含み、それによって、前記サービング無線基地局は、測定報告を受信するように構成され、前記測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から前記無線デバイスによって受信される参照信号に基づくものである。前記サービング無線基地局は更に、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す識別要求を、当該サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信し、受信した識別情報に基づいて、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別に関する情報を使用して、隣接関係を確立するように構成される。
【0011】
更なる態様によれば、無線アクセスネットワークのターゲット無線基地局であって、無線デバイスがソース無線基地局から前記ターゲット無線基地局にハンドオーバされる、前記ターゲット無線基地局が提供され、前記ターゲット無線基地局は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、前記ソース無線基地局から受信することを開始するように構成され、前記拡張識別要求は、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。前記ターゲット無線基地局は更に、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が、前記ターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られている場合、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別情報を、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している前記無線基地局へ送信することを開始するように構成される。前記ターゲット無線基地局は更に、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が前記ターゲット無線基地局によって隣接基地局として知られておらず、かつ、前記無線デバイス、他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合に、当該他のターゲット無線基地局へ前記拡張識別要求を転送することを開始するように構成される、
【0012】
更なる態様によれば、無線アクセスネットワークのターゲット無線基地局であって、無線デバイスがソース無線基地局から前記ターゲット無線基地局にハンドオーバされる、前記ターゲット無線基地局が提供される。前記ターゲット無線基地局は、プロセッサ及びメモリを備え、当該メモリは、当該プロセッサによって実行可能な命令を含み、それによって、前記ターゲット無線基地局は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、前記ソース無線基地局から受信することを開始するように構成され、前記拡張識別要求は、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。前記ターゲット無線基地局は更に、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が、前記ターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られている場合、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別情報を、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局の識別を要求している前記無線基地局へ送信すること、及び、前記他の無線アクセスネットワーク内の前記無線基地局が前記ターゲット無線基地局によって隣接基地局として知られておらず、かつ、前記無線デバイスが、他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合に、当該他のターゲット無線基地局へ前記拡張識別要求を転送すること、を開始するように構成される。
【0013】
本発明は更に、ユーザデバイス及び受信デバイスの少なくとも1つのそれぞれの処理ユニットによって動作させられる場合に上述のような方法を実行するために、ソフトウェアコード又は命令の一部を含むコンピュータプログラムに関連する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されうる。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、ユーザデバイス若しくは受信デバイス内の又は外部に配置された、永久又は書き換え可能メモリでありうる。それぞれのコンピュータプログラムは、信号の系列として、例えば有線又は無線回線を介してユーザデバイス又は受信デバイスへ転送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下では、図面に示される例示的な実施形態を参照して、本発明について更に説明する。
【0015】
【
図1】
図1は、LTEにおける既存の自動隣接関係の例示的なシーケンス図を示す。
【
図2】
図2は、eNodeBにおけるANR機能の既存の実装の概略図を示す。
【
図3】
図3は、無線通信ネットワークの第1の実施形態の概略図を示す。
【
図4】
図4は、無線通信ネットワークの第1の実施形態に関連する例示的なシーケンス図を示す。
【
図5】
図5は、無線通信ネットワークの第2の実施形態の概略図を示す。
【
図6】
図6は、無線通信ネットワークの第2の実施形態に関連する例示的なシーケンス図を示す。
【
図7】
図7は、無線通信ネットワークの第3の実施形態の概略図を示す。
【
図8】
図8は、無線通信ネットワークの第3の実施形態に関連する例示的なシーケンス図を示す。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るサービング無線基地局の機能を説明するためのブロック図を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る方法を説明するためのフローチャートを示す。
【
図11】
図11は、一実施形態に係るターゲット無線基地局の機能を説明するためのブロック図を示す。
【
図12】
図12は、一実施形態に係る更なる方法を説明するためのフローチャートを示す。
【
図13】
図13は、他の実施形態に係る更なる方法を説明するためのフローチャートを示す。
【
図14】
図14は、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを概略的に示す。
【
図15】
図15は、本明細書の実施形態による、部分的に無線コネクション上で基地局を介してユーザ装置と通信するホストコンピュータの一般化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、限定ではなく説明の目的で、本発明の深い理解を提供するために、具体的詳細を説明する。本発明がこれらの具体的詳細から逸脱する他の実施形態において実施されてもよいことは当業者には明らかであろう。例えば、本発明の例示のためにLTE/5G(New Radio)標準規格の用語に関連して例示的な実施形態を説明しているが、それらは他の種類のモバイル通信システムにも同様に適用可能である。また、本発明は、モバイルユーザ又はモバイルデバイスがアタッチしうる任意のネットワークで実施されうる。
【0017】
当業者であれば、以下に説明する機能が、ハードウェア回路、ソフトウェア手段、又はそれらの組み合わせを用いて実現されうることを更に理解するのであろう。ソフトウェア手段は、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して、プログラムされたマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと連携されてもよい。また、本発明が方法として記載される場合、コンピュータプロセッサと、当該プロセッサに結合されたメモリとで実施されてもよいことも明らかであり、この場合、当該メモリは、当該プロセッサによって実行されるときに当該方法を実行する1つ以上のプログラムでエンコードされる。
【0018】
本出願のコンテキスト内において、ユーザ装置(UE)又は無線デバイスは、アクセスネットワークを介してサービスにアクセスすることが意図され、かつ、アクセスネットワークを介して通信するように構成された、任意のデバイスでありうる。例えば、UE又は無線デバイスは、携帯電話、スマートフォン、センサデバイス、メータ、車両、家庭用機器、医療機器、メディアプレーヤ、カメラ、又は任意のタイプの家庭用電子機器(例えば、限定されないが、テレビ、ラジオ、照明装置、タブレットコンピュータ、ラップトップ、又はPC)でありうるが、これらに限定されない。UE又は無線デバイスは、無線又は有線コネクションを介して音声及び/又はデータを通信することが可能な、携帯型、ポケット格納型、ハンドヘルド型、コンピュータ搭載型、又は車載型のモバイルデバイスであってもよい。
【0019】
本出願のコンテキスト内において、「無線通信ネットワーク(wireless radio communication network)」又は簡潔に「ネットワーク」との用語は、特に、ノード又はエンティティの集合、関連するトランスポートリンク、及びサービス(例えば、電話サービス又はパケット転送サービス)を行うために必要とされる関連付けられた管理、を表しうる。サービスによっては、サービスの実現のために異なるノードタイプ又はエンティティが利用されうる。ネットワークオペレータは、通信ネットワークを所有し、実装されたサービスをその加入者に提供する。通信ネットワークの典型的な例は、無線アクセスネットワーク(2G、GSM、3G、WCDMA(登録商標)、CDMA、LTE、5G又はNew Radio、WLAN、Wi-Fi等)、モバイルバックホールネットワーク、又は、IMS、CSコア、PSコア若しくはEPC等のコアネットワークである。
【0020】
本出願のコンテキスト内において、「セル」との用語は、典型的には、ネットワークノードに属しうる。特に、セルは、実施形態において「LTE」と称される拡張NodeB(eNB)に属し、又は実施形態において「NR」と称されるNew Radio(NR)アクセスネットワークの無線基地局に属する。「NR」との用語は、「5G」と略される第5世代モバイルネットワーク又は第5世代無線システムによる無線基地局を識別するために選択されており、これは、4G標準規格を超えて提案されている次の通信標準規格である。5G標準規格による無線基地局は、gNBと表記されてもよい。
【0021】
セル間で行われると記載された通信は、これらのセルに対応するネットワークノード又は無線基地局間で行われることが可能であり、一方で、隣接関係は、典型的にはセル間で維持される。以下では、セルという用語は、無線基地局/ノードに置き換えられることが可能であり、又はその逆も可能である。
【0022】
図面における図示は概略的である。異なる図面において、類似又は同一のエレメントには、同じ参照符号、又は最初の桁において互いに異なる参照符号が付されている。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態を示す。
図3のシナリオは、楕円形の円で描かれた、それぞれのセルにサービスを行う3つのLTE無線基地局又はeNBである、LTE
A310、LTE
B320及びLTE
C330を示す。LTE
A310とLTE
B320との間には、LTE隣接関係が確立される。即ち、無線基地局LTE
A310は、LTE
B320のアドレスを知っており、その逆も同様である。LTE
A320の隣接関係テーブルは、LTEのアドレスのような情報を含みうる。更に、LTE
A310は、制御データをやりとりするためにLTE
B320と特定のインタフェースを介して接続されるものとする。無線基地局LTE
A310とLTE
C330との間の関係についても同様の状況が当てはまる。
図3は更に、New Radio標準規格5Gに従って動作し、かつ、NR
A311、NR
B312及びNR
C321と称される3つの無線基地局を示す。しかしながら、全ての無線基地局310,320,330,311,312,321が、同じ標準規格(例えば、LTE)に従って動作することも可能である。
【0024】
非スタンドアローン型New Radio(NSA-NR:Non-Standalone New Radio)シナリオで実現されうる一実施形態によれば、3つの無線基地局NR
A311、NR
B312及びNR
C321の全ては、それぞれのLTE eNBに関連付けられていてもよく、ここで、この実施形態では、無線基地局NR
A311及びNR
B312が無線基地局LTE
A310に関連付けられ、NR
C321が無線基地局LTE
B320に関連付けられる。当該関連付けは、NRセル又は基地局/gNBに対応するシステム情報を提供する、LTEセル又はeNBの機能を示すことがある。NR無線基地局は、LTE無線基地局LTE
A310、LTE
B320、及びLTE
C330とは異なる無線アクセス技術に従って動作しうる。NR基地局のセルも、各セル又は無線基地局のカバレッジを示すために楕円で表されている。無線デバイス390は、LTE
A310、NR
B312、NR
C321及びLTE
B320のカバレッジエリア内に示されている。無線デバイス又はUE390は、第1の無線アクセスネットワークにおいてマスター無線基地局として無線基地局LTE
A310によるサービスを受けるものとする。サービング無線基地局LTE
A310と無線デバイス390との間のコネクションは、無線リソース制御(RRC)コネクションでありうる。
図3のこの実施形態では、UE390は、他の無線アクセスネットワークにおいて無線基地局と名付けられうる無線基地局NR
C321から参照信号を受信する。また、NR
C321は、LTE
A310によって現在知られていない。即ち、LTE
A310とNR
C321との間に確立された隣接関係は存在しない。NR
C321からの参照信号は、同期信号(synch signals)又は同期信号(synchronization signals)と名付けられることもある。上記無線基地局から同期信号又は参照信号を受信した際、UE390は、その無線基地局のアイデンティティ(identity)を認識していない。この特定の無線基地局は、UE390の隣接リスト上にないことがある。未知のNR
C321を聞くと、UE又は無線デバイス390は、それがNR
C321の可聴性(audibility)を有することを、サービング基地局LTE
A310に通知する。これは、他の無線アクセスネットワークにおいて無線基地局321から受信された参照信号に基づく測定報告を介して行われることが可能である。
【0025】
一実施形態によれば、無線デバイス又はUE390は、第2の無線アクセスネットワークの第2の無線基地局NRB312によるサービスを更に受ける。無線デバイス390は、サービング無線基地局LTEA310と第2の無線アクセスネットワークの第2の無線基地局NRB312とによるサービスとを並列に受けうる。NSA NRシナリオでありうる更なる実施形態では、サービング無線基地局LTEA310は、制御データのみを用いて無線デバイス又はUE390にサービスを行い、第2の無線基地局NRB312と無線デバイス390との間のコネクションは、アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)におけるユーザデータの配信(送信及び受信)のみのためのものである。しかしながら、第2の無線基地局NRB312と無線デバイス390との間の当該コネクション上で、何らかの制御データが送信されることも可能でありうる。一実施形態によれば、第2の無線アクセスネットワークは、サービング無線基地局310の無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術のものである。サービング無線基地局310が、LTEネットワークにおける又は拡張LTEネットワークにおけるeNBであり、第2の無線基地局が、5GアクセスネットワークのgNB又は次世代NodeBであることが可能でありうる。
【0026】
一実施形態によれば、測定報告は、無線デバイス390から第2の無線基地局NRB312を介してサービング無線基地局LTEA310へ送られることもでき、これにより、当該報告は第2の無線基地局312からサービング無線基地局310によって受信される。これは、サービングeNB310とUE390との間のPCCHにおけるリソース利用を低減することになる。測定報告が無線デバイス390によってサービング無線基地局LTEA310へ直接送られることも可能でありうる。
【0027】
この可聴性報告(audibility report)又は測定報告を受信すると、サービング無線基地局LTEA310は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局321が既知であるかどうかをチェックする。サービング無線基地局310が他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局321を知らない場合、当該他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局321を示す(referring to)識別要求が、サービング無線基地局310の少なくとも1つの隣接無線基地局320,330,311へ送信される。サービング無線基地局310が、この実施形態のNRB312のような第2の無線基地局から測定報告を受信した場合、この特定の無線基地局312へ識別要求を送信しなくてもよい。例えば測定報告がLTE関連の測定値を含む場合には、選択された隣接無線基地局320、330にのみ識別要求を送信することが可能でありうる、又は、無線基地局312から当該報告が受信されうる場合の当該無線基地局を除く、全ての隣接する無線基地局320、330及び311に、識別要求を送信することが可能でありうる。隣接する無線基地局への識別要求の送信は、無線基地局間の特定のインタフェース上で、又は図示されていないコアネットワークを介して実行されることが可能である。他の無線基地局に情報を要求することによって、無線デバイス390とサービング無線基地局310との間の無線リンクは緩和され(decongested)、これは、他の無線アクセスネットワークにおいて検出された無線基地局から更なる情報を取り出すために無線デバイス390が更なるアクションを行う必要がないためである。
【0028】
識別要求又はセル識別要求は、要求された無線基地局を識別できるように、隣接する無線基地局のための何らかの情報を含みうる。他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局321を知っている隣接無線基地局320が、要求されたアイデンティティを他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局321に関連付けることを可能にするために、受信した参照信号からのフィンガープリントを識別要求に含めることが可能でありうる。隣接無線基地局が他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局321の要求された識別情報を知らない場合、この隣接無線基地局は、否定応答(NACK)を用いて識別要求に応答しうる。
図3の実施形態では、LTE
C330は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NR
C321の要求されたアイデンティティに関する知識を有さないことがある。NR
C321の無線アクセス技術が隣接無線基地局330(及び隣接無線基地局320)の無線アクセス技術とは異なっているシナリオでは、無線基地局は特定の地域において近接して位置していても、それらの隣接関係を知らない可能性が高い。
図3のシナリオがNSA NRシナリオを示す場合、NR
C321は、LTE
A310の無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術のgNBである。この実施形態では、NR
C321は、LTE
B320にのみ関連付けられているが、LTE
C330には関連付けられない。また、LTE
C330又はNR
C321が、全ての隣接関係を未だ確立する時間を有していない新たに導入された基地局である可能性もある。LTE
A310が、隣接無線基地局が(例えば、受信されたNACK応答に基づいて)他の無線アクセスネットワーク内の要求された無線基地局のアイデンティティ及びアドレスを認識していないことを知っている場合には、後に、利用可能なときには上記隣接無線基地局(例えば、LTE
C330)にのみアドレスの詳細を提供するためにこの情報を使用してもよい。これにより、既に情報を認識しているノードに情報をネットワークが送信することが防止される。
【0029】
サービング無線基地局LTEA310は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NRC321の識別情報(identification)を受信した後に、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局NRC321の情報に基づいて隣接関係を確立する。隣接関係を特定するためのバックボーンとしてLTE無線基地局を有することの利点は、NSA NRノードからシステム情報を送信するための追加のリソースが必要とされず、NSA配置におけるANR動作のために予約される限定された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースの使用が低減されることである。
【0030】
一実施形態では、LTEA310のNRTは、無線基地局NRC321に関連する情報で更新される。識別に関する情報は、無線基地局NRC321のトランスポートネットワークレイヤアドレスであってもよい。サービング無線基地局310は、ここで、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NRC321に、直接、又は、当該サービング無線基地局が識別情報を隣接基地局LTEB320から受信する場合の隣接基地局LTEB320を介して、コンタクトを取ることが可能でありうる。
【0031】
更なる実施形態では、サービング無線基地局LTEA310は、隣接関係情報(例えば、NRT)を更新することを求める要求を、その第2の無線基地局NRB312へ送信する。この要求を任意の他の隣接無線基地局へ送信することも可能である。更なる一実施形態では、隣接関係を更新することを求める要求は、否定応答で識別要求に応答したか又は全く応答を送信していない隣接基地局にのみ送信される。
【0032】
図4は、非スタンドアローン型New Radioネットワークの第1の実施形態に関連する例示的なシーケンス図を示す。最初のステップS40で、UE390と、UE390のサービング無線基地局であるLTE
A310との間に、RRCコネクションが確立される。一実施形態によれば、UE390と、第2の無線アクセスネットワークの第2の無線基地局NR
B312との間に、更なるRRCコネクションが確立される。サービング無線基地局310及び第2の無線基地局312は、異なる無線アクセス技術(例えば、LTE及び5G)に従って動作しうる。ステップS42で、UE390は、他の無線アクセスネットワークの無線基地局NR
C321から参照信号を受信する。次のステップS43で、報告条件に基づいて、UE390からサービング無線基地局LTE
A310へ測定報告が送信される。更なる実施形態では、この測定報告は更に、ステップ43aにおいて第2の無線基地局NR
B312へ最初に送信され、ステップ43bにおいてサービング無線基地局LTE
A310へ転送される。次のステップS44a/S44bで、サービング無線基地局LTE
A310は、その隣接する無線基地局LTE
B及びLTE
Cへ識別要求を送信する。識別要求を、LTE
A310とは異なる無線アクセス技術の無線基地局でありうるNR
A311又はNR
B312のような隣接NRノードへ送信することも可能でありうる。LTE
B320は、要求されたNR
C321のアイデンティティを認識しているので、ステップS45で、NR
Cのアドレスを、要求元の無線基地局LTE
A310に提供する。LTE
C330は、他の無線アクセスネットワーク内の要求された無線基地局のアイデンティティを認識しておらず、NACKで応答する場合又は全く応答しない場合がある。LTE
A310は、次のステップS46で、その隣接関係情報を更新する。これは、eNB310内のNRTを更新することによって行われうる。更なる実施形態によれば、LTE
A310は、ステップS47a及びS47bで、自動隣接関係(ANR)更新要求を、NR
B312及び新たなNR
C321のような隣接無線基地局へ送信しうる。また、それぞれの隣接無線基地局の無線アクセスネットワークのテクノロジーに基づいて、ANR要求の送信をフィルタすることが可能でありうる。
【0033】
図5は、無線アクセスネットワークの第2の実施形態の概略図を示す。
図3の第1の実施形態と、この図の第2の実施形態との間の差分は、サービングLTE
A510が、LTE
B520とのLTE隣接関係を有していないことである。更に、LTE
B520は、LTE
C530との隣接関係を有し、これも第1の実施形態とは異なる。他の全ての関係は変わらない。他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NR
C521のアイデンティティを要求するために、LTE
A510は、同じ無線アクセス技術の無線基地局のみが要求された場合にのみ、識別要求を既知の隣接無線基地局LTE
C530に送信しうる。しかし、LTE
C530は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NR
C521のアイデンティティを認識していない。その結果、LTE
A510に隣接する無線基地局のいずれも、NR
C識別要求の受信時にNR
C521を認識しない。一実施形態によれば、伝搬方法を使用してこの問題を解決できる。
図6は、ステップS60~S63が
図4のステップS40~S43に相当する一実施形態を示す。ステップS64で、LTE
A510は、識別要求を、同じ無線アクセス技術の唯一の既知の隣接無線基地局LTE
C530へ送信する。伝搬の実施形態によれば、LTE
C530は、ステップS65で、NR
C識別要求を、その隣接無線基地局LTE
B520へ送信する。LTE
B520は、NR
C521の要求されたアドレスを認識しており、ステップS66で、NR
Cアドレスとともに応答し、当該アドレスは、無線基地局NR
C521のトランスポートネットワークレイヤ(TNL:Transport Network Layer)アドレスでありうる。次のステップで、LTE
Cは、NR
Cアドレスを、要求元の無線基地局LTE
A510へ転送しうる。更なる実施形態では、LTE
Cは、NBC521に関する情報で、その隣接関係情報(例えば、NRT)を更新してもよい。その隣接ノードLTE
C530からNR
Cアドレスを受信した後、LTE
A510は、
図3及び
図4の一実施形態と同様に進める。ステップS68、S69a及びS69bは、S46、S47a及びS47bに相当するステップである。
【0034】
別の実施形態では、LTEB520は、LTEA510に関するアドレス及び情報を追加することによって、その隣接関係を更新してもよい。これは、送信元であるLTEA510のアドレスのような、NRC識別要求内の情報に基づいて行うことができる。この場合、LTEB520は、LTEA510へ直接応答を送信してもよく、これにより、LTEA510は、LTEB520のアイデンティティを用いて隣接関係情報を更新することもできる。
【0035】
第2の実施形態は、
図5のLTE
C530のように、2つ以上の中間の無線基地局を用いて拡張されることも可能である。その場合、識別要求は、他の無線アクセスネットワーク内の要求された無線基地局のアドレスを知っている無線基地局に到達するまで、更に転送される必要がありうる。別の実施形態では、
図6のANR要求が、LTE
C530又はLTE
B520によって、その隣接する無線基地局に送信されてもよい。
【0036】
ここで、
図7及び
図8は、隣接関係の確立中に無線デバイスUE790のハンドオーバが実行される第3の実施形態を示す。LTE
A720は、無線デバイスUE790のためのサービング無線基地局である。無線基地局NRA722及びNR
B721は、LTE
A710に関連付けられ、LTE
A720及び他の全てのLTE無線基地局710、730及び740とは異なる無線アクセス技術で動作する5GネットワークのgNBでありうる。更に、UE790は、他の無線アクセスネットワークの無線基地局NR
C711のカバレッジエリア内にある。NR
C711は、無線基地局LTE
A720とのいかなる隣接関係も有していない無線基地局LTE
B710に関連付けられている。他の無線基地局NR
D712も、LTE
B710に関連付けられているが、UE790を含むカバレッジは有していない。
図7には、2つの無線基地局LTE
C730及びLTE
D740が示されており、UE790は、LTE
C730のカバレッジエリア内にある。LTE
A720とLTE
C730との間、及びLTE
C730とLTE
D740との間、及びLTE
D740とLTE
B710との間には、確立された隣接関係が存在する。即ち、これらの無線基地局が特定のリンクを介して制御データを交換することができるように、これらの無線基地局は、TNLアドレスのような、それぞれの隣接無線基地局のエントリを有するNRTを有しうる。
【0037】
ステップS80において、サービングセルも、第1及び第2の実施形態(ステップS40~S43及びステップS60~S63)にも沿って測定報告をそのUE790から受信することを想定する。更に、LTEAが、LTEA720の唯一の隣接無線基地局であるLTEC730へ、NRC識別要求を送信したと想定すると、これはステップS81において、インジケーションNRCアドレス未知又はNACKによって応答され、UE790は、不良カバレッジ又はネットワークからの任意の他のトリガの結果でありうる別のLTE無線基地局へハンドオーバされなければならない。この実施形態では、UE790は、以前のサービングセルとしてのLTEA710からターゲット無線基地局LTEC730へハンドオーバされる。このハンドオーバ手順は、単一のステップS83として示されており、当該ステップは、UE790をハンドオーバするための情報を、UE790と、ソース無線基地局LTEA720と、ターゲット無線基地局LTEB730との間でやりとりするためのいくつかのステップを含む。次のステップS84で、ターゲット無線基地局LTEC730は、UE790からの測定報告に基づいて、UE790の転送元であり、かつ、更に識別要求を開始したソース無線基地局LTEA720から、拡張識別要求を受信する。拡張識別要求は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NRC721を示し、かつ、他の無線アクセスネットワーク内の当該無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。この場合、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局の識別を要求している無線基地局は、ソース無線基地局LTEA720である。しかしながら、UE790のいくつかのハンドオーバがある場合、各ハンドオーバのソース無線基地局は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NRC711のアドレスを要求した、同じ無線基地局ではない可能性がある。
【0038】
他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局が、ターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られている場合、ターゲット基地局は、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別情報を、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別を要求している無線基地局へ送信する。
図7及び
図8の実施形態では、ターゲット基地局LTE
C730は、無線基地局NR
C711を知らないため、要求元の無線基地局LTE
A720にNR
Cアドレスを送信することができない。他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局NR
C721が、隣接無線基地局としてターゲット無線基地局LTE
C730によって知られていない場合には、ターゲット無線基地局LTE
C730は、ステップS85で、その隣接無線基地局(ここではLTE
D740)へNR
C識別要求を送信してもよく、ステップS86で、LTE
D740から否定応答NACK又は「NR
Cアドレス未知」応答を受信してもよい又はあらゆる応答を受信しなくてもよい。この実施形態によれば、新たなターゲット無線基地局LTE
D740への更なるハンドオーバがステップS87において実行されるまでの間、アドレスを特定するプロセスが停止する。「古い」ターゲット無線基地局LTE
C730は、その後、ステップS88で、要求元の無線基地局LTE
A720のアドレスを依然として含む拡張識別要求を、新たなターゲット無線基地局LTE
D740へ転送する。新たなターゲット無線基地局LTE
D740は、その後、ステップS89で、その隣接無線基地局LTE
B710へ識別要求を送信する。この場合、LTE
B710は、無線基地局NR
C711のアイデンティティを知っており、ステップS90で、NR
C711のアイデンティティ又はアドレスとともに応答する。ここで、LTE
D740は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局のアドレスを知り、要求元の無線基地局のアドレスを含む拡張識別要求から、要求元の無線基地局LTE
A720のアドレスを認識し、ステップS91で、NR
C711のアイデンティティをLTE
A720へ送信する。次のステップS92~S94は、第1及び第2の実施形態のステップと同様である。当然ながら、ターゲット無線基地局への拡張識別要求の送信をトリガするUE790のハンドオーバを多かれ少なかれ有することが可能でありうる。識別要求と拡張識別要求との間の差分は、拡張識別要求が、更なるハンドオーバが発生した後に、他のターゲット無線基地局へのこのメッセージの転送中に変更されない要求元の無線基地局のアドレスを更に含むことである。拡張識別要求は、ハンドオーバプロセス中に、又はハンドオーバの一部として、ターゲット無線基地局へ送信されることが可能でありうる。ハンドオーバが実行された後に拡張識別要求が送信されることも可能でありうる。このプロセスは、UEが他のサービング無線基地局に転送される場合であっても、自動隣接関係プロセスをフォローアップすることを可能にする。
【0039】
更なる実施形態によれば、このプロセスを特定の時間に制限するためにタイマーが使用される。測定報告をサービング無線基地局LTEA720へ送信したUE790に関連付けられたタイマーを開始することが可能でありうる。拡張識別要求を他のターゲット無線基地局へ転送するプロセスは、時間が満了していない場合、又はタイマーがまだ実行されている場合にのみ実行される。タイマーは、特定の時間が経過した後に(タイマーが特定の限界に達した可能性がある後に)、又はアドレスの特定に成功した場合に停止されうる。タイマー値は、拡張識別要求を介して新たなターゲット無線基地局へ転送され、その後、当該新たなターゲット無線基地局はタイマーを更に更新する。したがって、それぞれの新たなターゲット無線基地局は、自動隣接関係プロセスを制限しうる時間を認識していることが保証される。新たなターゲット無線基地局への拡張識別要求の転送は、識別要求に対する否定応答が受信された場合にのみトリガされうる。更なる実施形態では、拡張識別要求が新たなターゲット無線基地局へ送信されるごとにインクリメント又はデクリメントされるカウンタが設定される。更新されたカウンタは、拡張識別要求に常に含まれてもよく、タイマー値の代わりに又はタイマー値に加えて使用されてもよい。カウンタが所定値に達すると、自動隣接関係特定プロセスは停止される。このプロセスを停止するために、カウンタは、所定値からデクリメントされる場合には値「0」に到達しうるか、又はカウンタが値「0」で開始される場合には所定値に到達しうる。
【0040】
図9は、一実施形態に係る、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局又はeNB900の機能を説明するためのブロック図を示す。サービング無線基地局は、測定報告の受信を開始するように構成され、当該測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から無線デバイスによって受信された参照信号に基づくものである。測定報告の受信は、インタフェース回路910を介して行われうる。eNB900は更に、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す識別要求を、サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信することを開始するように構成される。識別要求の送信は、インタフェース回路910を介して行われうる。eNB900は更に、受信された識別情報に基づいて、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局の識別に関する情報を使用して、隣接関係を確立することを開始するように構成される。隣接関係は、処理回路920を介して確立されうる。
【0041】
別の実施形態によれば、無線デバイスにサービスを行う、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局900が提供される。サービング無線基地局は、プロセッサ920及びメモリ930を備え、当該メモリ930は、当該プロセッサ920によって実行可能な命令(例えば、コンピュータプログラム932)を含み、それによって、当該サービング無線基地局900は、測定報告の受信を開始するように構成され、当該測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から無線デバイスによって受信された参照信号に基づくものである。サービング無線基地局900は更に、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す識別要求を、当該サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局へ送信することを開始し、受信した識別情報に基づいて、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局の識別に関する情報を使用して、隣接関係を確立するように構成される。
【0042】
図9に示す構成が単に概略的なものであり、サービング無線基地局又はeNB900が、明確化のために図示されていない他のコンポーネント(例えば、他のインタフェース)を実際には含みうることが理解されるべきである。例えば、異なるタイプの他のノードとの通信を可能にするように構成された多数のネットワークインタフェースが提供されてもよい。また、ストレージエンティティは、図示されていない他のタイプのプログラムコードモジュールを含みうることが理解されるべきである。
【0043】
更に、上記の概念が、既存のデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるように、又は専用のデバイスハードウェアを使用することによって、対応して設計されたソフトウェアを使用することによって実行されうることが理解されるべきである。また、本明細書で説明されるノードは、単一のデバイスによって、又は複数のデバイス(例えば、デバイスクラウド又は協働デバイスのシステム)によって実装されうる。
【0044】
図10は、第1の無線アクセスネットワークのサービング無線基地局において、例示された概念を実装するために利用されうる方法1000を説明するためのフローチャートを示す。本方法は、無線通信ネットワークへの無線デバイスのアクセスを提供する役割を担うサービング無線基地局によって実行されうる。サービング無線基地局は、無線デバイスにサービスを行い、ステップ1010において、測定報告の受信を開始するように構成され、当該測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局から無線デバイスによって受信された参照信号に基づくものである。サービング無線基地局は更に、ステップ1020において、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す識別要求の、当該サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局への送信を開始し、ステップ1030において、受信された識別情報に基づいて、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局の識別に関する情報を使用して、隣接関係を確立することを開始するように構成される。サービング無線基地局のプロセッサベースの実装が使用される場合、本方法のステップは、無線基地局の1つ以上のプロセッサによって実行されうる。そのようなケースでは、無線基地局は、以下で説明する機能を実行するためのプログラムコードが格納されるメモリを更に備えうる。
【0045】
図11は、一実施形態に係る、無線アクセスネットワークのターゲット無線基地局又はeNB1100の機能を説明するためのブロック図を示す。無線デバイスは、ソース基地局から当該ターゲット無線基地局1100へハンドオーバされる。ターゲット無線基地局又はeNB1100は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、ソース無線基地局から受信するためのインタフェース回路1110を備え、当該拡張識別要求は、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局(321,521,711)の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。eNB1100は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局が、ターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られているかどうかをチェックするための処理回路1120を更に備える。このチェックがポジティブである場合、インタフェース回路1110は、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局(321,521,711)の識別情報を、当該他の無線アクセスネットワーク内の当該無線基地局(321,521,711)の識別を要求している無線基地局へ送信することを開始するように構成される。処理回路1120が、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局がターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られていないと判定し、かつ、無線デバイスが、他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合、インタフェース回路1120は、他のターゲット無線基地局へ拡張識別要求を転送することを開始するように構成される。
【0046】
別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークのターゲット無線基地局1100が提供され、ここで、無線デバイスがソース無線基地局からターゲット無線基地局1100にハンドオーバされる。ターゲット無線基地局1100は、プロセッサ1120及びメモリ1130を備え、当該メモリ1130は、当該プロセッサ1120によって実行可能な命令(例えば、コンピュータプログラム1132)を含み、それによって、ターゲット無線基地局1100は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、ソース無線基地局から受信することを開始するように構成され、当該拡張識別要求は、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。ターゲット無線基地局1100は更に、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局がターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られている場合に、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別情報を、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別を要求している無線基地局に送信すること、又は他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局がターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られていない場合、及び無線デバイスが他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合に、拡張識別要求を当該他のターゲット無線基地局に転送することを開始するように構成される。
【0047】
図11に示す構成が単に概略的なものであり、ターゲット無線基地局又はeNB1100が、明確化のために図示されていない他のコンポーネント(例えば、他のインタフェース)を実際には含みうることが理解されるべきである。例えば、異なるタイプの他のノードとの通信を可能にするように構成された多数のネットワークインタフェースが提供されてもよい。また、ストレージエンティティは、図示されていない他のタイプのプログラムコードモジュールを含みうることが理解されるべきである。
【0048】
更に、上記の概念が、既存のデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるように、又は専用のデバイスハードウェアを使用することによって、対応して設計されたソフトウェアを使用することによって実行されうることが理解されるべきである。また、本明細書で説明されるノードは、単一のデバイスによって、又は複数のデバイス(例えば、デバイスクラウド又は協働デバイスのシステム)によって実装されうる。
【0049】
図12は、無線アクセスネットワークの無線基地局において、例示された概念を実装するために利用されうる方法1200を説明するためのフローチャートを示す。本方法は、ターゲット無線基地局によって実行されうるものであり、ここで、無線デバイスはソース無線基地局からターゲット無線基地局にハンドオーバされる。本方法は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局を示す拡張識別要求を、ソース無線基地局から受信するステップ1210を含み、当該拡張識別要求は、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別を要求している無線基地局のアドレスを含む。更なるステップ1220において、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局がターゲット無線基地局によって隣接無線基地局として知られているかどうかがチェックされる。本方法は、当該チェックがポジティブである場合に、他の無線アクセスネットワーク内の上記無線基地局の識別情報を、当該他の無線アクセスネットワーク内の当該無線基地局の識別を要求している無線基地局へ送信することを開始する更なるステップ1240を含む。本方法は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局がターゲット無線基地局によって隣接基地局として知られておらず、かつ、無線デバイスが当該他のターゲット無線基地局にハンドオーバされる場合に、当該他のターゲット無線基地局へ拡張識別要求を転送することを開始する、更なるステップ1230を含む。
【0050】
図13にも示される更なる実施形態によれば、非固有の識別子が、隣接無線基地局への識別要求の数を低減するために使用される。
図13は、
図3の例示的な実施形態を示す。LTE無線基地局LTE
B520に、NR
C無線基地局521が割り当てられる。この割り当ては、
図13においてS1310として示されている。サービング無線基地局510によって無線デバイス590から受信される、ステップ1370における測定報告は、他の無線アクセスネットワーク内の無線基地局の非固有のアイデンティティを含みうる。この非固有のアイデンティティは、セル再選択及びハンドオーバ等のモビリティ機能においてセル/無線基地局を識別する物理セルアイデンティティ(PCI:Physical Cell Identity)でありうる。PCIは、0から503までの範囲を有し、異なる送信機からの情報を無線端末が分離するのを助けるために、データのスクランブルに使用される。したがって、PCIは、無線基地局又はセルに対する固有の識別子ではなく、これは、無線通信ネットワーク内に504個を上回る数のセル/無線基地局が存在する可能性があるためである。しかし、このようなシナリオにおいて、同一の非固有のアイデンティティを有する無線通信ネットワーク内の無線基地局は1つしか存在しないものとする。これは、ネットワークアーキテクチャ全体にわたる非固有のアイデンティティの、事前設定及びインテリジェント拡散によって行うことができる。上記の更なる実施形態によれば、非固有のアイデンティティが、サービング無線基地局の少なくとも1つの隣接無線基地局から受信され、これは上記の隣接基地局に関連付けられた無線基地局の非固有のアイデンティティである。非固有のアイデンティティは、サービング無線基地局へリストとして報告されうる。これは、
図13においてステップS1350及びS1360として示されており、当該ステップにおいて、LTE
B520及びLTE
C530は、関連するセル又は無線基地局の非固有アイデンティティリストをLTE
A510へ送信する。即ち、サービング無線基地局の隣接無線基地局は、その関連する無線基地局の非固有のアイデンティティを、上記のサービング無線基地局に通知する。関連する無線基地局は、NR無線基地局であってもよいし、又は更にはLTE無線基地局(例えば、LTEリレーノード)であってもよい。サービング無線基地局は、その後、これらの非固有のアイデンティティを、当該アイデンティティの提供元の隣接無線基地局に関連付けて、当該サービング無線基地局のメモリに格納しうる。これは、NRTの拡張とされうるテーブルを介して行われうる。上記の実施形態の次のステップS1380において、ステップS1370の一部として測定報告を介して更に知らされた非固有のアイデンティティを既に報告した隣接局へ、識別要求が送信される。この例では、LTE
B520は、NR
C521の非固有の識別情報をサービング無線基地局LTE
A510に報告した。この無線基地局はNR
C521の非固有のアイデンティティを報告しなかったので、識別要求がLTE
C530へ送信される必要はない。しかし、隣接無線基地局のいずれもが、上記の非固有のアイデンティティを報告しない場合には、NR
C521識別要求が、全ての隣接ノードに送信されてもよい。ステップS1330及びS1340に示すように、少なくとも1つの隣接無線基地局から非固有のアイデンティティを受信するステップが、要求メッセージを介してサービング無線基地局によってトリガされうる。他の無線基地局(例えば、サービング無線基地局に割り当てられている他の無線基地局)(本例ではNR
B512)が、NR
C521に関する情報を要求した可能性もありうる(ステップS1320)。これは、この現在未知の無線基地局から何らかの無線シグナリングを受信した可能性があるためである。別の実施形態によれば、非固有のアイデンティティのプロビジョニング及び受信が、事前設定値に従って定期的に行われうる。新たなノードがネットワークに加えられた際に手動でトリガされた可能性もありうる。更なる態様によれば、要求メッセージが、更なる伝搬ステップとして、上記の少なくとも1つの隣接基地局のうちの更なる隣接無線基地局へ転送される。要求メッセージを、ネットワークにおいて、サービング無線基地局によって知られていない更なる隣接無線基地局へ更に伝搬させることが可能である。この伝搬は、特定の数に制限されてもよい。当該伝搬は、例えば、サービング無線基地局の隣接無線基地局が特定の無線基地局NR
C521に関する情報を有していない
図5の例に従ってネットワークがセットアップされる場合に必要である。要求メッセージの伝搬により、結果として生じる非固有のアイデンティティが、異なる「ホップ」を介してサービング無線基地局に提供されてもよい。
図5の例では、LTE
A510は、このシナリオではLTE
B520がLTE
A510によって知られていないように、NR
C521の非固有のアイデンティティを、非固有のアイデンティティについての要求メッセージの第2の伝搬を介してこのアイデンティティをLTE
B520から受信したLTE
C530を介して、受信してもよい。
【0051】
本発明は更に、ユーザデバイス及び受信デバイスの少なくとも1つのそれぞれの処理ユニットによって動作させられる場合に上述のような方法を実行するために、ソフトウェアコード又は命令の一部を含むコンピュータプログラムに関連する。キャリアは、コンピュータプログラムを含みうる。当該キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読み取り可能記憶媒体のうちの1つでありうる。コンピュータ読み取り可能媒体は、CD-ROM、DVD、ブルーレイディスク、ユーザデバイス若しくは受信デバイス内の又は外部に配置された、永久又は書き換え可能メモリでありうる。それぞれのコンピュータプログラムは、信号の系列として、例えば有線又は無線回線を介してユーザデバイス又は受信デバイスへ転送されてもよい。
【0052】
図14を参照すると、実施形態に従って、通信システムは、3GPPタイプのセルラネットワーク等の通信ネットワーク3210を含み、当該通信ネットワークは、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワーク3211と、コアネットワーク3214とを含む。アクセスネットワーク3211は、それぞれ対応するカバレッジエリア3213a,3213b,3213cを規定する、NB、eNB、gNB、又はその他のタイプの無線アクセスポイント等の複数の基地局3212a,3212b,3212cを備える。各基地局3212a,3212b,3212cは、有線又は無線コネクション3215を介してコアネットワーク3214に接続可能である。カバレッジエリア3213cに位置する第1のユーザ装置(UE)3291は、対応する基地局3212cに無線で接続する、又は当該基地局によってページングされるように構成される。カバレッジエリア3213a内の第2のUE3292は、対応する基地局3212aに無線で接続可能である。この例では、複数のUE3291,3292が示されているが、開示された実施形態は、単一のUEがカバレッジエリア内にある状況、又は単一のUEが対応する基地局3212に接続している状況にも同様に適用可能である。
【0053】
通信ネットワーク3210自体は、ホストコンピュータ3230に接続され、当該ホストコンピュータは、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、分散型サーバのハードウェア及び/又はソフトウェアで、又はサーバファーム内の処理リソースとして実施されうる。ホストコンピュータ3230は、サービスプロバイダの所有であっても制御下にあってもよく、又は、サービスプロバイダによって又はサービスプロバイダの代わりに操作されてもよい。通信ネットワーク3210とホストコンピュータ3230との間のコネクション3221,3222は、コアネットワーク3214からホストコンピュータ3230に直接延びていてもよいし、オプションの中間ネットワーク3220を介して延びていてもよい。中間ネットワーク3220は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、又はホストネットワークのうちの1つ以上の組合せであってもよく、中間ネットワーク3220は、もしあれば、バックボーンネットワーク又はインターネットであってもよく、特に、中間ネットワーク3220は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでもよい。
【0054】
図14の通信システムは、全体として、接続されたUE3291,3292のうちの1つとホストコンピュータ3230との間の接続性を与える。当該接続性は、オーバー・ザ・トップ(OTT:over-the-top)コネクション3250として説明されうる。ホストコンピュータ3230及び接続されたUE3291,3292は、アクセスネットワーク3211、コアネットワーク3214、任意の中間ネットワーク3220、及び可能性のある更なるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTTコネクション3250を介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTTコネクション3250は、OTTコネクション3250が通過する参加通信デバイスが、アップリンク通信及びダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、トランスペアレントでありうる。例えば、基地局3212は、接続されたUE3291に転送される(例えば、ハンドオーバされる)ホストコンピュータ3230から発信されたデータを有する、到着するダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されてなくてもよく、又は通知される必要がなくてもよい。同様に、基地局3212は、UE3291からホストコンピュータ3230へ向かう、発信されるアップリンク通信の将来のルーティングを知っている必要はない。
【0055】
図15を参照して、前の段落で説明したUE、基地局及びホストコンピュータの実施形態による実装例を以下で説明する。通信システム3300において、ホストコンピュータ3310は、通信システム3300の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線接続をセットアップ及び維持するように構成された通信インタフェース3316を含むハードウェア3315を備える。ホストコンピュータ3310は、ストレージ能力及び/又は処理能力を有しうる処理回路3318を更に備える。具体的には、処理回路3318は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を備えうる。ホストコンピュータ3310は、ホストコンピュータ3310内に格納された又はホストコンピュータ3310がアクセス可能である、かつ、処理回路3318によって実行可能であるソフトウェア3311を更に備える。ソフトウェア3311は、ホストアプリケーション3312を含む。ホストアプリケーション3312は、UE3330及びホストコンピュータ3310で終端するOTTコネクション3350を介して接続するUE3330等のリモートユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーション3312は、OTTコネクション3350を使用して送信されるユーザデータを提供しうる。
【0056】
通信システム3300は更に、通信システム内に設けられ、かつ、ホストコンピュータ3310及び端末3330と通信することを可能にするハードウェア3325を備える基地局3320を含む。ハードウェア3325は、通信システム3300の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線コネクションをセットアップ及び維持するための通信インタフェース3326と、基地局3320によってサービスが行われるカバレッジエリア(
図15には図示せず)内に位置するUE3330との少なくとも無線コネクション3370をセットアップ及び維持するための無線インタフェース3327とを含みうる。通信インタフェース3326は、ホストコンピュータ3310へのコネクション3360を容易にするように構成されうる。コネクション3360は、直接的であってもよいし、通信システムのコアネットワーク(
図15には図示せず)及び/又は通信システムの外部の1つ以上の中間ネットワークを通過してもよい。図示された実施形態では、基地局3320のハードウェア3325は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を備えうる処理回路3328を更に含む。基地局3320は、内部に格納されるか又は外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア3321を更に有する。
【0057】
通信システム3300は、既に言及した端末3330を更に含む。そのハードウェア3335は、UE3330が現在位置しているカバレッジエリアにサービスを行う基地局との無線コネクション3370をセットアップ及び維持するように構成された無線インタフェース3337を含みうる。UE3330のハードウェア3335は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を含みうる処理回路3338を更に含む。UE3330は、ソフトウェア3331を更に備え、当該ソフトウェアは、当該UE内に格納されており又は当該UEがアクセス可能であり、かつ、処理回路3338によって実行可能である。ソフトウェア3331は、クライアントアプリケーション3332を含む。クライアントアプリケーション3332は、ホストコンピュータ3310のサポートにより、UE3330を介して人間の又は人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。ホストコンピュータ3310において、実行中のホストアプリケーション3312は、UE3330及びホストコンピュータ3310で終端するOTTコネクション3350を介して、実行中のクライアントアプリケーション3332と通信しうる。ユーザにサービスを提供する際、クライアントアプリケーション3332は、ホストアプリケーション3312から要求データを受信し、当該要求データに応じてユーザデータを提供しうる。OTTコネクション3350は、要求データ及びユーザデータの両方を転送しうる。クライアントアプリケーション3332は、それが提供するユーザデータを生成するためにユーザとインタラクションしうる。
【0058】
図15に示されるホストコンピュータ3310、基地局3320、及びUE3330は、それぞれ、
図14のホストコンピュータ3230、基地局3212a,3212b,3212cのうちの1つ、及びUE3291,3292のうちの1つと同一でありうることに留意されたい。即ち、これらのエンティティの内部動作は、
図15に示されるようなものであってもよく、独立して、周囲のネットワークトポロジは
図14のものであってもよい。
【0059】
図16では、あらゆる中間デバイス及びそれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングに明示的に言及することなく、OTTコネクション3350が、基地局3320を介したホストコンピュータ3310とユーザ装置3330との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、UE3330から若しくはホストコンピュータ3310を操作するサービスプロバイダから、又はその両方から隠すように構成されうるルーティングを決定しうる。OTTコネクション3350がアクティブである間に、ネットワークインフラストラクチャは、(例えば、負荷の考慮又はネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を更に行いうる。
【0060】
UE3330と基地局3320との間の無線コネクション3370は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、無線コネクション3370が最後のセグメントを形成するOTTコネクション3350を使用してUE3330に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、無線基地局間の隣接関係を確立するための限られたリソースの使用を改善でき、それによって、ネットワークが新たな無線基地局と適応する場合のユーザ待ち時間の短縮等の利点を提供できる。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つ又は以上の実施形態が改善するデータレート、レイテンシ及びその他の要因をモニタリングする目的で、測定手順が提供されうる。更に、測定結果の変動に応じて、ホストコンピュータ3310とUE3330との間のOTTコネクション3350を再設定するためのオプションのネットワーク機能があってもよい。OTTコネクション3350を再設定するための測定手順及び/又はネットワーク機能は、ホストコンピュータ3310のソフトウェア3311、又はUE3330のソフトウェア3331、又はその両方で実装されうる。実施形態では、センサ(図示せず)が、OTTコネクション3350が通過する通信デバイスに配置されうるか又はそれに関連して配置されうる。当該センサは、上記で例示された、モニタリングされた量の値を供給することによって、又はソフトウェア3311,3331が当該モニタリングされた量を他の物理量の値から計算又は推定しうる、当該他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与しうる。OTTコネクション3350の再設定は、メッセージフォーマット、再送設定、好ましいルーティング等を含んでもよく、当該再設定は、基地局3320に影響を与える必要はなく、基地局3320には未知であるか又は感知できなくてもよい。そのような手順及び機能は、当該分野では既知でありうるとともに実践されうる。特定の実施形態では、測定は、ホストコンピュータ3310の、スループット、伝搬時間、レイテンシ等の測定を容易にする、独自のUEシグナリングを含みうる。当該測定は、ソフトウェア3311,3331が、伝搬時間、エラー等をモニタリングしながら、OTTコネクション3350を使用して、メッセージ(特に、空のメッセージ又は「ダミー」メッセージ)を送信させることで実行されうる。