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特許7186311油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット
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  • 特許-油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット
(51)【国際特許分類】
   F16L 53/34 20180101AFI20221201BHJP
   F16L 59/147 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F16L53/34
F16L59/147
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021560391
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2019000142
(87)【国際公開番号】W WO2020198898
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】201910263602.9
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521441076
【氏名又は名称】趙安平
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】趙安平
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207777790(CN,U)
【文献】特表平05-500102(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159909(WO,A1)
【文献】実開平02-062689(JP,U)
【文献】国際公開第2017/222192(WO,A1)
【文献】特開2008-121797(JP,A)
【文献】実開昭51-130969(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107013781(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 53/00-53/75
F16L 59/14-59/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐高温絶縁層、加熱層及び電極層、防水・帯電防止保温層、外殻を含み、加熱層はグラフェン層であり、グラフェン層及び電極層と防水・帯電防止保温層との間の耐高温絶縁層は耐高温セラミック層であり、耐高温絶縁層、グラフェン層及び電極層、耐高温セラミック層、防水・帯電防止保温層及び外殻は順番に貼合され、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットは、2つの半円筒形部品で構成され、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットの2つ半円筒部分がしっかりと結合すると、石油収集輸送パイプラインを、石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット内に包むことができ、各半円筒部分の外殻の両端には、半円筒部分の軸に垂直な半円形のシールカバーがそれぞれあり、半円形シールカバーの円の中心に半円形の穴があり、シールカバーの内側には防水・帯電防止保温層で覆われ、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットの軸に平行な2つの半円筒部分の接合面には、それぞれ対応する縦方向のシール係合溝があり、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットの2つの半円筒部分は、2つ以上の掛け金で円周方向にしっかりと結合することを特徴とする油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油田石油収集輸送パイプライン用の加熱保温装置に関するものであり、特に、エネルギー消費を節約し、設置及び分解に便利であり、油田石油収集輸送パイプラインを効果的に加熱して凍結を防止できる、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、油田石油収集輸送パイプラインの凍結を防止するためのよく知られた方法は、高周波加熱装置を使用して油田石油収集輸送パイプラインを加熱することである。高周波加熱、つまり誘導加熱は、電磁誘導を使用して導電体を加熱する方法である。これにより、金属に渦電流が発生し、電気抵抗により金属のジュール加熱が発生する。高周波加熱は抵抗加熱の原理を利用しているため、加熱効率が低く、エネルギーの浪費が多く、製造コストが高くなる。
【0003】
国内外の関連情報を確認したところ、油田石油収集輸送パイプラインの凍結防止に関連する加熱設備や技術は、ほとんどが、大規模に使用されている高周波加熱装置のように、加熱のために抵抗加熱の原理を使用しているが、結果として生じるエネルギーの浪費は驚異的であり、さらに、化石燃料の燃焼を使用して熱エネルギーを提供して加熱する方法の一部は、複雑な解決手段と低い加熱効率のため、エネルギーの浪費を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
抵抗加熱原理に基づく加熱装置が、油田石油収集輸送パイプラインの凍結を解決するときの、低い加熱効率によるエネルギー消費の深刻な浪費などの欠点を克服するために、本発明は、グラフェンを熱源として、グラフェンが電場の作用下で遠赤外線放射を生成する原理を使用して、油田石油収集輸送パイプラインの凍結という問題を解決する油田石油収集輸送パイプライン用加熱保温ジャケットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段では、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットを提供し、油田石油収集輸送パイプラインの外壁に近い耐高温絶縁層、グラフェン層と電極層、耐高温セラミック層、防水・帯電防止保温層と外殻を含み、これらは、順番に密着し、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットは、2つの半円筒形部品で構成されている。油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットの2つの半円筒部分がしっかりと結合した後、加熱する必要がある石油収集輸送パイプラインを、石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット内に包むことができ、グラフェン層の両端の電極層に通電すると、電界の作用により、グラフェンの炭素原子間の激しい摩擦と衝撃によって発生する熱エネルギーが、波長5~14ミクロンの遠赤外線を介して平面的に均一に放射され、熱をバランスよく供給し、サーモスタットで温度を制御できる。有効な電気エネルギーと熱エネルギーの合計変換率は99%以上であり、油田石油収集輸送パイプラインの加熱と保温の需要を効果的に解決し、エネルギー節約の効果を実現する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の特許の利点は、非抵抗加熱の原理を採用する加熱方法が、油田石油収集輸送パイプラインの加熱保温要件を効果的に解決し、エネルギー消費を節約し、取り付けと分解が簡単で、メンテナンスコストが低いことである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例の全体模式図である。
図2】本発明の実施例における油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットを構成する材料の相対位置の模式図である。
図3】本発明の実施例におけるシール係合溝の模式図であり、油田石油収集輸送パイプライン(10)及び掛け金(8)は、A方向図面では省略されている。
図4】本発明の実施例におけるグラフェン層と電極層との相対位置の模式図であり、外殻(6)、防水・帯電防止保温層(5)、シールカバー(7)、及び油田石油収集輸送パイプライン(10)は、B方向図面では省略されている。
【符号の説明】
【0008】
1.耐高温絶縁層、2.グラフェン層、3.電極層、4.耐高温セラミック層、5.防水・帯電防止保温層、6.外殻、7.シールカバー、8.掛け金、9.シール係合溝、10.油田石油収集輸送パイプライン、11.電線、12.防爆コネクタ、13.防爆サーモスタット、14.温度検知プローブ、15.電源
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書の図面及び実施例を参照して本発明を、詳細に説明する。
【0010】
実施例
図2に示すように、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットを構成する2本の半円形パイプがしっかりと結合し、グラフェン層(2)の両端の電極層(3)から引き出された電線(11)を防爆サーモスタット(13)に接続し、防爆サーモスタットから引き出された電線(11)を電源(15)に接続し、防爆サーモスタットから引き出された温度検知プローブ(14)をグラフェンの加熱保温ジャケット内に挿入して、油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面に密着させた。
【0011】
図2及び図3に示すように、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケットを構成する耐高温絶縁層(1)、グラフェン層(2)及び電極層(3)、耐高温セラミックパイプ(4)、防水・帯電防止保温層(5)、外殻(6)は、内側から外側に向かって順番に貼合された。
【0012】
図4に示すように、グラフェン層(2)は耐高温セラミック層(4)に密着しており、グラフェン層(2)の両端の電極層(3)の一部がグラフェン層(2)に密着し、他の一部が耐高温セラミック層(4)に密着した。
【0013】
図1に示すように、シールカバー(7)は、油田石油収集輸送パイプライン用グラフェン加熱保温ジャケット上の相対位置にあった。
【0014】
図3に示すように、シール係合溝(9)は、二つの部分の構造であった。
【0015】
グラフェン層(2)の両端の電極層(3)が電源(15)に接続されている場合、グラフェン層(2)は電界の作用下にあり、炭素原子間の激しい摩擦と衝撃によって熱エネルギーを連続的に生成し、5~14ミクロンの波長の遠赤外線を介して平面的に均一に放射し、熱を油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面に直接伝達するため、油田石油収集輸送パイプライン(10)は外側から内側への温度が連続的に上昇し、耐高温セラミック層(4)の外側に包まれた防水・帯電防止保温層(5)と外殻(6)の保温効果により、外向き放出による熱損失を減らすことができる。温度検知プローブ(14)は、油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面の温度を防爆サーモスタット(13)に持続的に送信し、油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面の温度が防爆サーモスタット(13)のプリセット温度に達すると、防爆サーモスタット(13)は、電極層(3)に接続される回路を自動的に切断した。このとき、グラフェン層(2)は遠赤外線の放射を停止し、油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面温度が下がり始め、防爆サーモスタット(13)は、温度検知プローブ(14)を介して油田石油収集輸送パイプライン(10)の外面温度が、防爆サーモスタット(13)のプリセット温度よりも低いことを検出したとき、防爆サーモスタット(13)は、電極層(3)に接続された回路を自動的にオンにし、グラフェン層(2)は、電界の作用下で再び遠赤外線を放射し始め、油田石油収集輸送パイプライン(10)を加熱した。上記のプロセスを繰り返し、中断のない作業により、油田石油収集輸送パイプラインの加熱・保温の必要性を効果的に解決し、省エネルギー効果を実現する。
図1
図2
図3
図4