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特許7186314プレストグル機構を備えたプラテンプレス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】プレストグル機構を備えたプラテンプレス
(51)【国際特許分類】
   B30B 1/14 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B30B1/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021570340
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2020064522
(87)【国際公開番号】W WO2020239736
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】19020346.3
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ド ガイヤンド クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デュラロイ ギー
(72)【発明者】
【氏名】ストヤノヴィチ-ロス スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ティラー ルーカス
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-113973(JP,A)
【文献】特開2010-279999(JP,A)
【文献】特開2001-062600(JP,A)
【文献】米国特許第03182588(US,A)
【文献】中国実用新案第2573216(CN,Y)
【文献】独国特許発明第00942554(DE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 1/10-1/14
B41F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレストグル機構(43)を備えたプラテンプレスであって、
前記プレストグル機構(43)は、駆動部材(14)およびプレストグルコラム(44)を有し、前記プレストグルコラム(44)は、
被動部材(38)と、
前記被動部材(38)に割り当てられた第1のトグルレバー(46)、および、前記被動部材(38)に割り当てられた第2のトグルレバー(48)と、を含む、プラテンプレスにおいて、前記第1のトグルレバー(46)は、第1の接触面(50)を有し、前記第2のトグルレバー(48)は、第2の接触面(52)を有し、両方のトグルバー(46、48)は、それらの接触面(50、52)を介して互いに接触し、両方の接触面(50、52)は、凸形であり、
前記トグルレバー(46、48)は共に、少なくとも前記接触面(50、52)の間の転動運動を提供する可動ヒンジを形成し、
両方のトグルレバー(46、48)に作動的に連結されている繰り返し装置(64)が設けられており、前記繰り返し装置(64)は、運動の繰り返しを確保するように構成されている、ことを特徴とするプラテンプレス。
【請求項2】
前記被動部材(38)は、前記第1のトグルレバー(46)に連結されている、請求項1に記載のプラテンプレス。
【請求項3】
前記トグルレバー(46、48)の各々は、前記それぞれの接触面(50、52)の反対側にあるリンケージ端(54、56)を有する、請求項1または2に記載のプラテンプレス。
【請求項4】
前記繰り返し装置(64)は、前記第1のトグルレバー(46)に割り当てられた第1の繰り返し部材(66、74)、および、前記第2のトグルレバー(48)に割り当てられた第2の繰り返し部材(68、76)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプラテンプレス。
【請求項5】
前記第1の繰り返し部材(66、74)は、前記第1のトグルレバー(46)に取り付けられており、前記第2の繰り返し部材(68、76)は、前記第1のトグルレバー(48)に取り付けられている、請求項4に記載のプラテンプレス。
【請求項6】
前記繰り返し部材(66、68、74、76)は、互いに噛み合う、請求項4または5に記載のプラテンプレス。
【請求項7】
前記繰り返し部材(66、68)は、互いに相互作用するギア状部分(70、72)を含む、請求項4~6のいずれか1項に記載のプラテンプレス。
【請求項8】
前記繰り返し部材(70、72)は、スロット(82)、および、該スロット(82)中で案内されるピン(78)を含む、請求項4~7のいずれか1項に記載のプラテンプレス。
【請求項9】
前記繰り返し装置(64)は、少なくとも1つのS形の繰り返し部材(88、90)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のプラテンプレス。
【請求項10】
前記第1のトグルレバー(46)に割り当てられた第1の構造(58)、および、前記第2のトグルレバー(48)に割り当てられた第2の構造(58)が、設けられており、前記1の構造(58)は、ベース構造であり、前記2の構造(58)は、可動構造である、請求項1~9のいずれか1項に記載のプラテンプレス。
【請求項11】
繰り返し構成要素(84、86)が、前記第1の構造(58)と前記第1のトグルレバー(46)の間のインターフェースに割り当てられており、および/または、繰り返し構成要素(84、86)が、前記第2の構造(58)と前記第2のトグルレバー(48)の間のインターフェースに割り当てられており、前記繰り返し構成要素(84、86)は、前記プレストグル機構の運動の繰り返し確保するように構成されている、請求項10に記載のプラテンプレス。
【請求項12】
前記繰り返し構成要素(84、86)は、互いに相互作用するギア状部分(70、72)、および/または、スロット(82)、および、該スロット(82)中で案内されるピン(78)を含み、特に、前記ピン(78)は、ローラによって確立されている、請求項11に記載のプラテンプレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレストグル機構を備えたプラテンプレスに関する。
【背景技術】
【0002】
プラテンプレスのスタンピングステーション、特にホットホイルスタンピングステーション、または、切断ステーションで使用される駆動装置は、典型的には、駆動部材およびトグルコラムによって作動する。トグルコラムは、一般的には、駆動部材、例えばクランクシャフトのカムまたはクランクシャフトのクランクピン等と相互作用する被動部材、例えばカムローラまたは連結ロッド等を有することができる。実際、カム、またはむしろクランクピンは、被動部材を駆動させる駆動部材に関する。
【0003】
駆動部材およびトグルコラムは、可動ヒンジに対応する、いわゆるトグル機構を確立する。したがって、トグルコラムは、2つのトグルレバー、すなわち、変位可能な仕方で互いに連結された上側トグルレバーおよび下側トグルレバーを含み、可動ヒンジが形成されるように両方のトグルレバーの間の相対運動を確保する。
【0004】
技術状態では、プレストグルコラムの被動部材およびトグルレバーは、中心軸を介して共通に連結されて、共に可動ヒンジを形成している。このヒンジでは、トグルレバーの面は、中心軸の面と摺動接触している。しかしながら、摺動接触している接触面上で掴み、またはむしろ摩耗のリスクがある。技術状態では、多くのパラメータまたはプロセスが、このリスクを最小にするために考慮される。しかしながら、これにより、それぞれのトグル機構を設計するときに高い努力が生じる。例えば、圧力-速度因子が、設計段階で、なるべく低く維持されるように試みられる設計パラメータである。さらに、圧力下の潤滑が、接触面の間の摩擦を減少させ、生じる熱を消散させるために使用される。加えて、接触面は、潤滑材の迅速かつ一様な分配を確保するために手動掻き落としがなされる。実際、掻き落としされた接触面は、潤滑材の弾性流体力学的挙動を可能にする。
【0005】
しかしながら、高い荷重の下でかつプレストグル機構の高いカデンス(cadence)、すなわち、高い処理周期で、圧力-速度因子だけに基づいてプレストグル設計を評価することは困難になる。なぜならば、他の知られていない因子を考慮しなければならないからである。さらに、潤滑機構は、全体的に理解されておらず、接触面掻き落としは、熟練者のノウハウに依存する繰り返し可能性の問題を伴う。要約すると、プレストグルコラムおよびプレストグル機構のために低い摩耗または掴みのリスクを確保することは、大変困難である。
【0006】
DE942554Cは、請求項1のプレアンブルによるプラテンプレスを示している。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、摩耗、またはむしろ掴みのリスクを減少させるプレストグルコラムおよびプレストグル機構を提供することである。
【0008】
本発明は、駆動部材およびプレストグルコラムを有するプレストグル機構を備えたプラテンプレスであって、該プレストグルコラムは、被動部材と、該被動部材に割り当てられた第1のトグルレバー、および、該被動部材に割り当てられた第2のトグルレバーと、を含む、プラテンプレスを提供する。第1のトグルレバーは、第1の接触面を有し、第2のトグルレバーは、第2の接触面を有する。両方のトグルレバーは、それらの接触面を介して互いに接触し、両方の接触面は、凸形である。
【0009】
トグルレバーの凸形接触面の故に、接触面の間の摺動運動は、(純粋な)転動運動または組み合わされた転動/摺動運動に置き換えられ、それにより、接触面の間の摩擦、かくして、摩耗、またはむしろ掴みのリスクを減少させる。したがって、潤滑は、もはや(ほとんど)問題ではなく、接触面の手動掻き落としを(ほとんど完全に)省略することができる。明らかに、プレストグルコラムのこの設計から、増大された効率、および/または、費用節約のようなプレストグルコラムの多くの利点が生じる。
【0010】
実際、接触面は、プレストグルコラムの共通中心に面する。それ故、接触面は、中心に向かって面する、それぞれのトグルレバーの端に割り当てられることができる。
【0011】
凸形接触面は、それぞれのトグルレバーの端に位置し、その結果、これらの端の面、すなわち、接触面は、それぞれのトグルレバーからその端に向かって見て、凸形である。
【0012】
換言すると、接触面の中間部分は、接触面の湾曲によって、接触面の端よりもそれぞれのトグルレバーの中央平面からより大きな距離だけ距離が隔てられることができる。
【0013】
別の仕方で、各トグルレバーの接触面は、少なくとも部分的に円形であることができ、凸形接触面の仮想中心点は、両方の接触面によって規定される接触領域の両側に位置する。
【0014】
特に、接触面の各々は、顆のように、またはむしろ顆状に形成されている。一般的に、顆は、顆が関節の最も頻繁な部分である骨の本質的に丸い端部分であるので、関節頭に関する。例えば、顆は、人の膝関節の大腿骨および脛骨に割り当てられる。さらに、顆は、人の肘関節の上腕骨によって提供される。
【0015】
好ましい実施形態では、トグルレバーの間のいかなる摺動運動も回避され、その結果、両方のトグルレバーの間に純粋な転動運動が生じ、両方のトグルレバーの間の摩擦を最大に減少させる。
【0016】
いずれの場合にも、転動運動が摺動運動に追加され、その結果、純粋な摺動運動が禁じられる。それ故、転動が生じるときに、いずれの場合にも、摺動が減少される。
【0017】
転動は、両方の接触面が互いに接触する接触領域、またはむしろ接触帯域で生じる。
【0018】
一実施形態によれば、前記トグルバーは共に、少なくとも前記接触面の間の転動運動を提供する可動ヒンジを形成する。それは、在来のプレストグルコラムの機構または運動シーケンスが、前記プレストグルコラムに移されることを可能にする。
【0019】
一実施形態によれば、被動部材は、第1のトグルレバーに連結されている。被動部材は、駆動部材、例えば、偏心的に形成されるかもしれないクランクシャフトと連続的に接触していることができ、またはむしろ、駆動部材の形状は、丸い形状と異なっている。したがって、被動部材は、カムローラに関することができる。しかしながら、被動部材はまた、クランクシャフトのクランクピンによって確立される駆動部材と連続的に接触していることができる。それ故、被動部材は、連結ロッドに関することができる。一般的には、それぞれのカデンスを得るために、駆動部材の回転運動を、特に或る周期でプレストグルコラムに伝達することができる。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、前記トグルレバーの各々は、前記それぞれの接触面の反対側にあるリンケージ端を有する。例えば、リンケージ端は、対応するトグルレバーを或る構造に取り付けるために使用されることができる。特に、前記構造は、前記プラテンプレスの少なくとも1つのベース構造(例えば、パッド)、および、少なくとも1つの可動構造(例えば、プレート)を含む。
【0021】
一実施形態は、各トグルレバーのリンケージ端が凸形であることを提供する。したがって、トグルレバーのリンケージ端と、例えば、このトグルレバーのリンケージ端に連結された構造の間の摺動運動は、上記の利点を備えた(純粋な)転動運動、または、組み合わされた転動/摺動運動に置き換えられることができる。
【0022】
一実施形態では、トグルレバーは、少なくとも2つの別個の部品によって形成されている。凸形接触面および/または凸形リンケージ端の各々は、それぞれのインターフェース部品によって形成されることができ、それぞれのインターフェース部品は、例えば、ねじ、ボルト、および/または、ピンによって、トグルレバーの主本体のそれぞれの端に固定されている。
【0023】
それ故、各トグルレバーは、3つの異なる部品、すなわち、各端が、凸形接触面、またはむしろ凸形リンケージ端を有する1つのそれぞれのインターフェース部品に固定されている主本体を含むことができる。
【0024】
例えば、それぞれのトグルレバーの凸形接触面および凸形リンケージ端は、例えば、ねじ、ボルト、および/または、ピンを介してトグルレバーにしっかりと連結されている(少なくとも部分的に)円形的円筒形の軸によって形成されている。
【0025】
随意には、前記少なくとも1つのインターフェース部品、特に両方のインターフェース部品は、主本体に対してプレストグルコラムから突出しており、かくして、少なくとも1つの突出する部分、特に、トグルレバーの両端で2つの突出する部分を形成している。
【0026】
さらに別の実施形態では、両方のトグルレバーに作動的に連結されている繰り返し装置が、設けられている。繰り返し装置は、プレストグル機構、特にプレストグルコラム、好ましくはそのトグルレバーの運動の繰り返しを確保するように構成されている。繰り返し装置は、プレストグルコラムの長く続く機能を確保する補助機構に対応している。
【0027】
特に、繰り返し装置は、両方のトグルレバーの運動範囲を制限するように構成されている。したがって、繰り返し装置は、トグルレバーが互いに接触を失わないように、トグルレバーが或る範囲に維持されることを確保する。
【0028】
一実施形態では、プレストグルコラムの繰り返し装置は、少なくとも、第1のトグルレバーに割り当てられた第1の繰り返し部材、および、第2のトグルレバーに割り当てられた第2の繰り返し部材を含む。かくして、繰り返し装置は、トグルレバーに割り当てられた2つの別個に形成された部品を含む。それ故、各トグルレバーは、その他のトグルレバーの対応する1つと相互作用するその自身の繰り返し部材を有する。
【0029】
特に、第1の繰り返し部材は、第1のトグルバーに取り付けられており、第2の繰り返し部材は、第2のトグルバーに取り付けられている。これは、繰り返し装置、特にその繰り返し部材の設置および保守を容易にする。さらに、トグルレバーが、繰り返し部材にしっかりと取り付けられることを確保する。
【0030】
さらに別の実施形態では、繰り返し部材は、互いに噛み合う。その結果、しっかりした関節連結運動が確保されることができる。
【0031】
一実施形態では、繰り返し部材は、互いに相互作用するギア状部分を含む。互いに噛み合うギア状部分のいくつかの歯により、トグルレバーの接触面の滑りが、効果的に防止されることができる。
【0032】
特に、歯の整合は、トグルレバーの凸形接触面の形態に従う。
【0033】
もう1つの実施形態では、繰り返し部材は、スロット、および、該スロット中で案内されるピンを含むことができ、特に、ピンは、ローラによって確立されている。スロット、および、該スロット中で案内されるピンは、トグルレバーの凸形接触面の滑りを防止する。実際、スロットおよびピンは、カム機構に対応している。
【0034】
例えば、ピンは、スロットの縁に沿って転動するローラによって確立されている。かくして、トグルレバーの転動運動は、さらに適当に支持される。
【0035】
随意には、繰り返し装置は、少なくとも1つのS形の繰り返し部材を含む。前記少なくとも1つのS形の繰り返し部材は、同時に両方のトグルレバーに作動的に連結されることができる。特に、2つのS形の繰り返し部材が、両方のトグルレバーに作動的に、しかし逆に(ミラー反転的に)連結されて設けられている。
【0036】
実際、前記少なくとも1つのS形の繰り返し部材は、S状に形成されたプレートによって確立されている。
【0037】
それ故、トグルレバーは、S形の繰り返し部材の少なくとも部分的に円形形状の受け入れスペースに割り当てられている。
【0038】
一般的に、S形の繰り返し部材は、それぞれのトグルレバーの突出する部分と相互作用することができ、それによって、同時に両方のトグルレバーと作動的に連結する。前記突出する部分は、横方向に突出することができる。
【0039】
特に、プレストグルコラムは、プラテンプレストグルコラムである。プラテンプレストグルコラムは、例えば、ダイカット機またはスタンピング機で使用される。
【0040】
一般的に、繰り返し装置は、プレストグルコラムの異なる側に異なって形成された繰り返し部材を含むことができる。
【0041】
駆動部材は、被動部材を、特に水平方向に周期的に変位させる回転部材であることができる。さらに、駆動部材は、被動部材に連続的におよび周期的に接触することができる。これにより、プレストグル機構の周期的運動が生じる。
【0042】
一般的に、駆動部材は、クランクシャフトのカムによって形成されることができる。代替的には、駆動部材は、クランクシャフト等の一部、すなわち、クランクピンである。
【0043】
したがって、駆動部材は、前記少なくとも1つのプレストグルコラム、特に被動部材と相互作用するために使用されることができるシャフト、例えば、カムシャフトまたはクランクシャフトの部分に関することができる。
【0044】
上述したように、被動部材は、カムローラ、例えば、別個に形成されたカムローラに関することができる。代替的には、被動部材は、連結ロッド、例えば、クランクシャフトと相互作用する連結ロッドであることができる。
【0045】
特に、駆動部材によって導入される被動部材の水平方向変位は、トグルレバーの少なくとも1つ、特に可動構造に連結されたトグルレバーの鉛直方向変位に変換される。
【0046】
2つまたはそれ以上のプレストグルコラムを備えた切断またはスタンピングステーションでは、それぞれのプレストグルコラムの前記少なくとも2つの被動部材は、同じ駆動部材と相互作用する。
【0047】
代替的には、別個の駆動部材が、それぞれのプレストグルコラムの各被動部材に割り当てられる。
【0048】
一実施形態では、第1のトグルレバーに割り当てられる第1の構造、および、第2のトグルレバーに割り当てられる第2の構造が、設けられており、前記第1の構造は、ベース構造であるのに対して、前記第2の構造は、可動構造である。駆動部材によって引き起こされるプレストグルコラムの周期的な運動は、割り当てられた可動部材の振動運動を引き起こす。上述したように、運動方向は、プレストグル機構によって変換される。
【0049】
特に、第1の構造は、第1のトグルレバーが割り当てられる第1の膨らみ部を有し、第2の構造は、第2のトグルレバーが割り当てられる第2の膨らみ部を有する。好ましくは、膨らみ部は、それぞれの構造の凸形部分によって確立される。例えば、膨らみ部は、突出部に対応している。
【0050】
一実施形態では、膨らみ部は、各構造の両側面に取り付けられている2つの凸形部品によって確立される。これらの凸形部品は、構造に対して別個に形成されることができる。かくして、別個に形成された膨らみ部構成要素が、設けられることができる。
【0051】
1対の膨らみ部、特に膨らみ部構成要素は、y-軸線と平行であることができる共通軸線を有することができる。
【0052】
膨らみ部、またはむしろ膨らみ部構成要素は、円形または半円形円筒形形状を有することができる。
【0053】
対応するトグルレバーの凸形リンケージ端、および、それぞれのリンケージ端に割り当てられた構造の膨らみ部は、可動ヒンジを形成する。その結果、トグルレバーリンケージ端と関連した構造の間の摺動運動は、上記の利点を備えた(純粋な)転動運動または組み合わされた転動/摺動運動に置き換えられる
【0054】
さらに別の実施形態では、繰り返し構成要素が、第1の構造と第1のトグルレバーの間のインターフェースに割り当てられており、および/または、繰り返し構成要素が、第2の構造と第2のトグルレバーの間のインターフェースに割り当てられている。繰り返し構成要素は、プレストグル機構の運動の繰り返し、特に、対応する構造に対するそれぞれのレバーの運動の繰り返しを確保するように構成されている。例えば、繰り返し構成要素および繰り返し部材は、同様な仕方で形成されている。それ故、繰り返し部材に関する上記の利点は、同様な仕方で繰り返し構成要素にも当てはまる。
【0055】
特に、繰り返し構成要素は、互いに相互作用するギア状部分、および/または、スロット、および、該スロット中で案内されるピンを含み、特に、前記ピンは、ローラによって確立されている。互いに噛み合う歯、スロット、および、該スロット中で案内されるピンにより、トグルレバーの接触する凸形端の滑りが効果的に防止されることができる。ピンがローラによって確立されているときに、ピンは、スロットの縁に沿って転動することができ、プレストグル機構の全体的な転動運動を改善する。
【0056】
上記の観点、および、特許請求されている主題の付随する利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】技術状態によるプレストグル機構の側面図を示している。
図2】プレストグルコラムを含む本発明によるプラテンプレスで使用されるプレストグル機構の概略側面図を示している。
図3】第1の例による繰り返し装置に関する実施形態によるプレストグルコラムに関する2つの図を概略的に示している。
図4】第2の例による繰り返し装置に関するもう1つの実施形態によるプレストグルコラムに関する2つの図を概略的に示している。
図5】本発明によるプラテンプレスで使用されるプレストグル機構の詳細を示している。
図6】第3の例による繰り返し装置のもう1つの実施形態によるプラテンプレスのプレストグルコラムに関する斜視図を示している。
図7】第3の例による繰り返し装置に関する詳細図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、例えば、ダイカットまたはスタンピングステーションで使用されるような、技術状態によるプラテンプレス(機械)10を示している。
【0059】
一般的に、そのような機械またはプラテンプレス10は、可動構造12(例えば、プラテン)、駆動部材14、いくつかのプレストグルコラム16、および、(非可動)構造18(例えば、パッド)を含む。示されている実施形態では、駆動部材14は、クランクシャフト等、例えば、クランクピンに関することができる。
【0060】
プレストグルコラム16は各々、両方が接触面とも呼ばれる互いに面する端を24、26有する上側トグルレバー20および下側トグルレバー22、並びに、それぞれの接触面24、26と反対側のリンケージ端28、30を含む。
【0061】
示されている実施形態では、接触面24、26およびリンケージ端28、30は、一体的に形成されたトグルレバー20、22に設けられている。代替的には、トグルレバー20、22は、2つ以上の部品、特に2つまたは3つの部品、例えば、主本体、および、それぞれの接触面および/またはリンケージ端を提供する1つまたはそれ以上のインターフェース部品によって形成されることができる。
【0062】
図1に示されているように、すべての端24、26、28、30は、技術状態では、凹形ベアリング半シェルとして設けられている。
【0063】
トグルレバー20、22は、それぞれ、特に下側軸32および上側軸34によって、それぞれのリンケージ端28、30で可動構造12およびベース構造18に連結されている。
【0064】
中心軸36が、トグルレバー20、22のそれぞれの接触面24、26を連結しており、同時に、駆動部材14と連続的に接触している被動部材38を支持している。したがって、駆動部材14は、その形状の故に、接触しているプレストグルコラム16を水平方向に周期的に変位させる。この変位は、被動部材38、および、かくして、中心軸36と相互作用する間に、プレストグルコラム16の周期的運動を導入する。
【0065】
代替的には、別個の駆動部材14が、それぞれのプレストグルコラム16の各被動部材38に割り当てられる。
【0066】
別の仕方で、いくつかの駆動部材14が、例えば、クランクシャフトまたはカムシャフト上に設けられており、駆動部材14は各々、いくつかのプレスコラムシャフト16の各被動部材38と相互作用するためにそれぞれのプレストグルコラム16に割り当てられる。
【0067】
駆動部材14が、クランクシャフトまたはカムシャフトによって設けられているときに、それぞれの被動部材14の同期的作動が確保される。
【0068】
駆動部材14の水平方向作動によって開始されるプレストグルコラム16の周期的運動は、可動構造12、特にベース構造18に対する可動構造12の鉛直方向振動運動を引き起こす。
【0069】
上側軸32は、可動構造12に取り付けられており、さらに、上側軸32は、その凸形関節ヘッドを介して、摺動可能な仕方で上側トグルレバー20のリンケージ端28に取り付けられている。
【0070】
中心軸36は、例えば、ねじ40aによって上側トグルレバー20の接触面24にしっかりと連結されている。かくして、摺動可能な仕方で下側トグルレバー22の凹形接触面26に取り付けられた凸形関節ヘッドが、形成される。
【0071】
同様に、下側軸34は、例えば、ねじ40bによって下側トグルレバー20のリンケージ端30にしっかりと連結されている。かくして、摺動可能な仕方でベース構造18の凹形ベアリング半シェル42に取り付けられた凸形関節ヘッドが、形成される。
【0072】
換言すると、軸32、34、36の各々は、凹形構成要素、すなわち、ベアリングシェルと相互作用する凸形関節ヘッドに割り当てられる。
【0073】
したがって、軸32、34、36の凸形関節ヘッドおよびトグルレバー20、22のそれぞれの端24、26、28、30は、互いに摺動接触しており、共に、可動ヒンジを提供する。
【0074】
確立された摺動ベアリング中のトグルレバー20、22と構造12、18の摺動運動の故に、掴みのリスクは高い。
【0075】
このリスクは、以下に説明するようなプレストグル機構43およびプレストグルコラム44を有するプラテンプレス10で緩和される。
【0076】
プラテンプレス10のプレストグル機構43およびプレストグルコラム44の構造が、本発明の概念を例示するために概略的な仕方で図2に示されている。
【0077】
駆動部材14は、トグルレバー46、48の1つの取り付けられた被動部材38を介してプレストグルコラム44を移動させ、少なくとも1つの連結された構造58、すなわち、(非可動)ベース構造58bに対する可動構造58aの振動運動(oscillating movement)を生じさせる。
【0078】
プレストグルコラム44は、トグルレバー46、48を含み、トグルレバー46、48の各々は、接触面50、52、および、それぞれの接触面50、52の反対側にあるリンケージ端54、56を有する。しかしながら、図1に示されている在来のプレストグルコラム16とは異なり、プレストグルコラム44のトグルレバー46、48の接触面50、52は、凸形である。
【0079】
換言すると、トグルレバー46、48の接触面50、52は各々、外側に向けて湾曲を有する。
【0080】
加えて、トグルレバー46、48の接触面50、52は、直接互いに接触している。
【0081】
それ故、両方の凸形接触面50、52によって規定される接触領域、またはむしろ接触帯域には、中心軸および同様な軸は、設けられていない。
【0082】
さらに、トグルレバー46、48のリンケージ端54、56もまた、示されている実施形態では、凸形であり、トグルレバー46、48の凸形リンケージ端54、56は、対応する構造58(例えば、ベース構造58b、またはむしろ可動構造58a)の凸形膨らみ部60と接触している。
【0083】
凸形接触面50、52および凸形リンケージ端54、56は、構造58の凸形膨らみ部60と共に各々、プレストグル機構43のそれぞれの構成要素の間に可動ヒンジを形成している。
【0084】
それぞれの部品、またはむしろ構成要素の凹形の故に、転動運動が、図1に示されている在来の可動ヒンジの摺動運動に少なくとも付加される。
【0085】
好ましくは、可動ヒンジの摺動運動は、(実質的に)純粋な転動運動に置き換えられる。
【0086】
実際、それぞれの構成要素、またはむしろ部品の凸形形状は、組み合わされた転動/摺動運動を生じさせる。かくして、摺動は、減少され、それにより、摩耗、むしろ掴みが減少される。
【0087】
リンケージ端54、56、および/または、構造58の膨らみ部60、62は、必ずしも凸形を有する必要はないことが留意されるべきである。
【0088】
リンケージ端54、56、および/または、膨らみ部60、62の一方だけが、凸形を有し、他方は、真っ直ぐな形状を有することもできる。
【0089】
加えて、リンケージ端54、56、および/または、膨らみ部60、62のいずれもが、凸形でないことも可能である。
【0090】
運動の繰り返しを確保し、水平方向の力を伝達するために、両方のトグルレバー46、48に作動的に連結されている繰り返し装置64(図3および図4参照)が、設けられている。
【0091】
繰り返し装置64は、第1のトグルレバー46(例えば、下側トグルレバー46)に割り当てられた少なくとも1つの第1の繰り返し部材66、74、および、第2のトグルレバー48(例えば、上側トグルレバー48)に割り当てられて少なくとも1つの第2の繰り返し部材68、76を含む。
【0092】
特に、繰り返し部材66、68、74、76は、それぞれのトグルレバー46、48に、例えば、機械的に、特にねじによって、または、接着(bonding)のような他の固定技術で取り付けられている
【0093】
図3および図4は、プレストグル機構43、または、むしろプレストグルコラム44によって使用される繰り返し装置64に関する2つの異なる実施形態を示している。
【0094】
図3には、ギア状部材70、72を備えた第1の繰り返し部材66および第2の繰り返し部材68を含む繰り返し装置64に関する2つの図が、示されている。
【0095】
繰り返し部材66、68は、y-軸線上で被動部材38と平行に配置されており、それぞれのトグルレバー46、48の側部に取り付けられている。図3の第2の図を参照されたい。x-軸線は、駆動部材14または被動部材38の回転軸線と平行である線を代表する実質的に水平なy-軸線と直交的に横方向である。
【0096】
さらに、z-軸線が、x-軸線およびy-軸線と垂直である。z-軸線は、鉛直方向に実質的に対応している。
【0097】
繰り返し装置64の繰り返し部材66、68のギア状部分70、72は、互いに対面しており、ギア状部分70、72は、互いに噛み合う仕方で配置されている。
【0098】
ギア状部分70、72の噛み合いは、トグルレバー46、48の1つの取り付けられている被動部材38に作用する(水平方向変位)力が、トグルレバー46、48の凸形接触面50、52が、(水平方向変位)力の方向、すなわちx-方向に摺動することなく、伝達されることを確保する。
【0099】
図4は、トグルレバー46、48割り当てられた第1の繰り返し部材74および第2の繰り返し部材76を含む繰り返し装置64の第2の実施形態を示している。
【0100】
第1および第2の繰り返し部材74、76もまた、y-軸線上で被動部材38と平行に配置されており、繰り返しを部材74、76が互いに噛み合うようにそれぞれのトグルレバー46、48の一方の側に取り付けられている。
【0101】
さらに、接触面50、52が各々、単一のトグルレバー46、48に割り当てられた2つの繰り返し部材74、76の間に中心決めされるように、第1および第2の繰り返し部材74、76をトグルレバー46、48の接触面50、52に対して両側に取り付けることを考えることができる。
【0102】
換言すると、各トグルレバー46、48は、特に同じ種類の、またはむしろ異なる種類の2つの繰り返し部材74、76を含むことができ、その結果、トグルコラム44、すなわちトグルレバー46、48は、全部で4つの繰り返し部材74、76を有する。
【0103】
示されている実施形態では、第1の繰り返し部材74は、ピン78を含み、第2の繰り返し部材76は、スロット82を備えた案内プレート80を含む。
【0104】
ピン78は、案内プレート80のスロット82中で案内され、トグルレバー46、48の凸形接触面50、52が、作用する力の方向、すなわちx-方向に摺動することなく、トグルレバー46,48の1つに取り付けられている被動部材38に作用する力をプレストグルコラム44に伝達することを確保する。
【0105】
ピン78とスロット82の間の摩擦を減少させるために、ピン78は、スロット82のそれぞれの縁に沿って転動することができるローラとして特に構成されている。それ故、プレストグル機構43の(純粋な)転動運動がさらに改善される。
【0106】
一般的に、繰り返し装置64は、トグルレバー46、48の相対運動が制限されることを確保する。
【0107】
そのような仕方で、上記の繰り返し装置64の1つまたはそれ以上は、概略的な仕方で図5でもわかるように、それぞれのトグルレバー46、48のリンケージ端54、56およびそれぞれの構造58によって提供されるヒンジに配置されることができる。
【0108】
図5では、第1の繰り返し構成要素84が、y-軸線上で被動部材38と平行に配置されており、それぞれのトグルレバー46、48の一方の側、すなわち、それぞれのトグルレバー46、48のリンケージ端54,56に取り付けられている。
【0109】
さらに、第2の繰り返し構成要素86が、配置され、構造58に取り付けられており、それぞれの繰り返し構成要素84、86は、互いに噛み合っている
【0110】
本実施形態では、繰り返し構成要素84、86は、図4に示されている繰り返し部材74、76と実質的に同様に形成されている。
【0111】
もう1つの実施形態では、繰り返し構成要素84、86はまた、図3に示されているギア状部分70、72を備えた繰り返し部材66、68と実質的に同様に形成されている。
【0112】
図5は、それぞれのリンケージ端54、56が凸形であるのに対して、構造58がいかなる膨らみ部もない平面であることをさらに明らかにしている。
【0113】
したがって、それぞれのトグルレバー46、48は、その凸形リンケージ端54、56を介して平面構造58に沿って転動する。
【0114】
図6は、繰り返し装置64の第3の実施形態を使用したプレストグルコラム44のさらに別の実施形態を示している。
【0115】
ここで、それぞれのトグルレバー46、48の凸形接触面50、52は、図1に示されているプレストグルコラム16と同様に、トグルレバー46、48にしっかりと連結された円形円筒形軸32、34、36によって形成されている。
【0116】
図6に示されている実施形態では、しかしながら、上側および下側軸32、34は、各々が1つのトグルレバー46、48に割り当てられて設けられている。
【0117】
加えて、軸32、34、36は、それらの両端でプレストグルコラム44から長手方向に突出しており、かくして、各軸32、34、36a、36bで2つの突出する部分32’、34’、36a’、36b’を形成している。突出する部分32’、34’、36a’、36b’は、横方向に突出することができる。
【0118】
この実施形態では、膨らみ部60、62は、それぞれ、各構造58の両側側面59に取り付けられた2つの別個に形成された膨らみ部構成要素60’または62’によって提供される横方向突出部として形成されている。1対の膨らみ部構成要素60’または62’は、y-軸線と平行な共通軸線を有する。
【0119】
換言すると、それぞれの膨らみ部構成要素60’または62’は各々、それぞれの構造58a、58bの突出する部分60’または62’を形成する。
【0120】
それぞれのトグルレバー46、48のそれぞれのリンケージ端54、56または突出する部分60’または62’に面する膨らみ部60、62の部分は、真っ直ぐなまたは凸形形状を有することができる。
【0121】
特に、膨らみ部60、62または膨らみ部構成要素60’または62’は、少なくとも1つの半円円筒形状を有する。
【0122】
図6に示されているように、それぞれの相互作用する突出する部分36a’、36b’は、繰り返し装置64に割り当てられている。
【0123】
この実施形態では、繰り返し装置64は、y-軸線方向に沿って互いに背後に配置されているいくつかのS形の繰り返し部材88、90を含む。
【0124】
図7では、繰り返し部材88、90のS形は、繰り返し部材88、90の特定の形状が見えるように、下側の突出する部分36b’が示されていないので、より明らかになる。
【0125】
示されている実施形態では、2つのS形の繰り返し部材88、90が、同じ突出する部分36a’、36b’に設けられている。かくして、S形の繰り返し部材88、90は、同時に両方のトグルレバー46、48に作動的に連結されているが、互いに対して逆に配向されている。
【0126】
繰り返し装置64の上記の実施形態とは対照的に、繰り返し部材88、90は各々、両方のトグルレバー46、48に取り付けられるか、或いは、1つのトグルレバー46、48と割り当てられた構造58a、58bの両方に取り付けられている。
【0127】
繰り返し可能性部材88、90の各々は、例えばねじのような留め具部材で、第1のトグルレバー46に割り当てられた例えば突出する部分36a’にしっかりと連結されている。次いで、同じ繰り返し部材88は、接触面50、52の間で、円形円筒形の突出する部分36a’に沿って半円形状にさらに延びており、第1の取り付け点の下方に(本質的に)垂直に同じ繰り返し部材88が取り付けられている第2のトグルレバー48のその他の円形円筒形の突出する部分36b’に沿って半円形状にさらに延びている。かくして、繰り返し部材88のS形状が得られる。
【0128】
別の仕方で、S形の繰り返し部材88、90は各々、突出する部分36a’、36b’が挿入される2つの半円形受け入れスペースを含む。
【0129】
その他の繰り返し部材90も、同じ仕方でトグルレバー46、48の両方の突出する部分36a’、36b’に、しかしミラー反転状に、またはむしろ逆に取り付けられている。
【0130】
繰り返し部材88、90の曲げ堅さにより、鉛直方向に振動するトグルレバー46、48の(実質的に)水平方向の変位力および回転力は、吸収されることができ、かくして運動の繰り返しを確保する。
【0131】
一般的に、および、すでに上述したように、(図6に示されていない)繰り返しを構成要素は、突出する部分32’60’の間で、またはむしろ突出する部分34’、62’の間で相互作用しながら、繰り返し部材88、90に対して同様に形成されて設けられることができる。
【0132】
突出する部分32’、34’、36a’、36b’、60’、62’の各々に、円周方向に閉じられている凹部92が設けられており、これらの円周方向に閉じられている凹部92に、繰り返しを部材88、90、またはむしろ繰り返し構成要素の少なくとも一部が受け入れられている。
【0133】
その結果、トグルレバー46、48の間の圧縮力は、繰り返し部材88、90、および/または、繰り返し構成要素を介して伝達されるだけでなく、追加的にまたは排他的に接触面50、52を介して伝達される。
【0134】
もちろん、突出する部分32’、34’、36a’、36b’、60’、62’毎の2つの繰り返し部材88、90の代わりに、1つだけの繰り返し部材または3つ以上の繰り返し部材が、設けられることができる。
【0135】
一般的に、上記の異なる実施形態は、互いに組み合わせて使用されることができる。それ故、繰り返し装置64に関する異なる実施形態は、それぞれ、組み合わされることができる。
【0136】
例えば、単一の繰り返し装置64が、互いにかみ合う繰り返し部材66-76を含むことができ、追加的に、スロット82、および、スロット82中で案内されるピン78を含むことができる。さらに、単一の繰り返し装置64は、プレストグルコラム44の他方の側で互いにかみ合う繰り返し部材66-76と組み合わされてプレストグルコラム44の一方の側に1つのS形の繰り返し部材88を含むことができる。
【0137】
同様な仕方で、プレストグル機構はまた、第1の構造および第2の構造、またはむしろそれぞれのインターフェース、すなわち、第1の構造と第1のトグルレバーの間のインターフェース、またはむしろ第2の構造と第2のトグルレバーの間のインターフェースと関連している異なって形成された繰り返し構成要素84、86を含むことができる。
【0138】
本発明は、図面およびこれまでの説明に例示され、詳細に記載されてきたけれども、かかる例示および記載は、例示または例であり、非制限的であると考えられるべきである。かくして、本発明は、開示された実施形態に制限されない。開示された実施形態に対する変更が、当業者によって理解され、行われることができ、図面、開示、および、添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求されている発明を実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7