(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】緩み止め締結構造
(51)【国際特許分類】
F16B 39/282 20060101AFI20221202BHJP
F16B 37/00 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
F16B39/282 Z
F16B37/00 Z
(21)【出願番号】P 2022017536
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2022-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521102982
【氏名又は名称】有限会社三洋特殊鋲螺製作所
(72)【発明者】
【氏名】尾田 清一
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102434567(CN,A)
【文献】特開平03-069809(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107420410(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 39/28-39/38
F16B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結対象物の貫通部に挿入する右ネジの六角ボルトと前記六角ボルトに螺合される緩み止めナットを備え、六角ボルトの頭部と締め付けナットとの間で締結対象物を挟み込んで取り付ける締結構造であって、
緩み止めナットはナット本体とナット本体座面に筒状体を備えており、
筒状体の外周面には雄ネジの左ネジが形成されており、筒状体の内周面には雌ネジの右ネジが形成されており、
前記貫通部のナット側には雌ネジの左ネジが形成されており、前記筒状体の外周面に形成される左ネジを螺合し、左回転を座面で止めるように構成され、
前記六角ボルトの右ネジを前記筒状体の内周面に形成される右ネジに螺合し、右回転の締結座面と緩み方向である左回転を止める座面が共有され、フィクスト状態となって緩み止めが可能となり、六角ボルトの螺合を緩めることで取り外すことができる、ワンウェイの緩み止めナットを備えた締結構造。
【請求項2】
締結対象物の貫通部に挿入する左ネジの六角ボルトと前記六角ボルトに螺合される緩み止めナットを備え、六角ボルトの頭部と締め付けナットとの間で締結対象物を挟み込んで取り付ける締結構造であって、
緩み止めナットはナット本体とナット本体座面に筒状体を備えており、
筒状体の外周面には雄ネジの右ネジが形成されており、筒状体の内周面には雌ネジの左ネジが形成されており、
前記貫通部のナット側には雌ネジの右ネジが形成されており、前記筒状体の外周面に形成される右ネジを螺合し、右回転を座面で止めるように構成され、
前記六角ボルトの左ネジを前記筒状体の内周面に形成される左ネジに螺合し、左回転の締結座面と緩み方向である右回転を止める座面が共有され、フィクスト状態となって緩み止めが
可能となり、六角ボルトの螺合を緩めることで取り外すことができる、ワンウェイの緩み止めナットを備えた締結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、代表図面による釣竿のリールシート部の緩みを7.緩み止めナット(右ネジ)と6.駆動ナット(左ネジ)の左右逆向きの圧接合の連れ周りにより、お互いの座面を強く押し合うことで緩みを阻止することが示されています。ダブルナットを始め二つのナットで緩み止めとしているものが比較的多く見られます。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動によるナットの緩み(回転)を右ネジと左ネジの二つのナットで防止するのではなく、単体のナットで締め付け回転方向を生かし、反対方向の緩み回転を止めることで緩みを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ナット座面下部外筒に雄ネジ(左ネジ)を設け、タップ加工された締結対象に螺合することで左回転は止められ固定される。また、内筒は雌ネジ(右ネジ)であり、切穴貫通の締結対象のボルトに螺合し締結されて右回転も固定されフィクスト状態となる。従って振動による緩みの発生が止められる。また、ナットから螺合を緩めることは不可となりますが、ボルトの螺合を緩めていけばナットは外れます。また、ボルトをナット外筒の左ネジの長さ以上に緩めてから、ナットを右回転して締結対象から外し、続いて左回転すれば結び目を解くようにボルトから外れます。この緩み止めナットは締め付けのみのワンウェイとなる。(
図1~3参照)上記、ボルトが左ネジの場合、ナット外筒が右ネジで内筒が左ネジで対応し、左右ネジの対称性が守られていれば同様である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】 フランジ付き緩み止めナットの立面と断面図
【要約】
【課題】締結対象とボルトに螺合するナットをフィクスト状態にすることで緩み止めとするナット。また、ボルト側から螺合を緩めることで取り外せるナットを提供する。
【解決手段】ナット座面下部外筒に雄ネジ(左ネジ)を設け、内筒は雌ネジ(右ネジ)のナットを、タップを設けた締結対象に螺合し、切穴貫通の締結対象のボルトとナットを螺合締結することでナットがフィクスト状態になり、左右の回転が固定され緩み止めとなる。従って、ボルトだけが螺合を緩めることができる。この緩み止めナットはワンウェイとなる。