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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】音響レンズ及びスピーカシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/34 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
H04R1/34 310
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021545127
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2020025791
(87)【国際公開番号】W WO2021049136
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2019167017
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小椋 高志
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-46086(JP,U)
【文献】国際公開第2018/150788(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカに取り付けられる音響レンズであって、
前記音響レンズを側面視した場合に、各々の一端部が、前記スピーカとは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上に配置された複数のフィンであって、前記所定方向に沿って略等間隔で且つ互いに略平行に配置された複数のフィンを備え、
前記音響レンズを側面視した場合に、前記複数のフィンの各々の長さは略同一であり、且つ、前記複数のフィンの各々に対する前記曲線の仰角は、前記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する
音響レンズ。
【請求項2】
前記音響レンズは、さらに、前記音響レンズを側面視した場合に、前記曲線を規定する支持面を有するベースを備え、
前記複数のフィンの各々の前記一端部は、前記ベースの前記支持面に支持されている
請求項1に記載の音響レンズ。
【請求項3】
前記複数のフィンは、第1のフィンから第nのフィン(nは2以上の整数)までのn個のフィンで構成され、
前記音響レンズを側面視した場合に、前記第1のフィンに対する前記支持面の仰角をθ1、第nのフィンに対する前記支持面の仰角をθnとした時、θ1<・・・<θnの関係が成立する
請求項2に記載の音響レンズ。
【請求項4】
前記仰角θ1は、0°よりも大きく且つ30°以下である
請求項3に記載の音響レンズ。
【請求項5】
前記複数のフィンの各々の大きさは、略同一である
請求項1~4のいずれか1項に記載の音響レンズ。
【請求項6】
前記複数のフィンの各々の前記曲線と反対側における他端部には、楔形状の切り欠き部が形成されている
請求項1~5のいずれか1項に記載の音響レンズ。
【請求項7】
前記複数のフィンの隣り合う一対のフィンの間にはそれぞれ、前記スピーカから放射された音波を前記音響レンズの外部に導くための音道が形成され、
前記音道における前記スピーカから放射された音波の経路の長さを音道距離とした時、最も短い音道距離と最も長い音道距離との比が略一定となるように、前記複数のフィンの各々の前記切り欠き部の大きさが設定されている
請求項6に記載の音響レンズ。
【請求項8】
振動板を有するスピーカと、
前記スピーカに取り付けられた、請求項1~7のいずれか1項に記載の音響レンズと、を備え、
前記音響レンズの前記複数のフィンの各々は、前記振動板の中心軸に対して傾斜して配置されている
スピーカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音響レンズ及びこれを備えたスピーカシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカに取り付けられる音響レンズが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の音響レンズは、互いに略平行に配置された複数のフィンを備えている。複数のフィンの各々の幅方向における中央部には、楔形状の切り欠き部が形成されている。複数のフィンの各々は、スピーカの振動板の中心軸に対して傾斜して配置されている。隣り合う一対のフィンの間には、振動板から放射された音波を音響レンズの外部に導くための音道が形成されている。
【0003】
上述した音響レンズでは、フィンの幅方向における中央部(切り欠き部が形成された部分)における音道よりも、フィンの幅方向における端部における音道の方が、音波の経路の長さが長い。そのため、フィンの幅方向における端部における音道を通過した音波は、フィンの幅方向における中央部における音道を通過した音波よりも、見かけ上遅れて音響レンズの外部に出てくるようになる。これにより、音響レンズからの音波の波面は、水平方向(フィンの幅方向)に湾曲しながら進むようになる。
【0004】
その結果、例えばツイータ等のスピーカからの直進性の高い高音域の音波は、上述した音響レンズによって水平方向に拡がるため、スピーカの指向特性を水平方向に拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭59-14484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、スピーカの指向特性を効果的に改善することができる音響レンズ及びこれを備えたスピーカシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における音響レンズは、スピーカに取り付けられる音響レンズであって、音響レンズを側面視した場合に、各々の一端部が、スピーカとは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上に配置された複数のフィンであって、所定方向に沿って略等間隔で且つ互いに略平行に配置された複数のフィンを備え、音響レンズを側面視した場合に、複数のフィンの各々の長さは略同一であり、且つ、複数のフィンの各々に対する曲線の仰角は、所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する。
【発明の効果】
【0008】
本開示における音響レンズによれば、スピーカの指向特性を効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係るスピーカシステムを示す斜視図である。
図2図2は、音響レンズを取り外した状態での、実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。
図3図3は、図1とは異なる角度から見た状態での、実施の形態に係る音響レンズを示す斜視図である。
図4図4は、図1のIV-IV線による、実施の形態に係るスピーカシステムの断面図である。
図5図5は、図1のV-V線による、実施の形態に係るスピーカシステムの断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る音響レンズの機能を説明するための図である。
図7図7は、実施例における水平特性を示すグラフである。
図8図8は、比較例における水平特性を示すグラフである。
図9図9は、実施例及び比較例における水平特性の比較結果を示す表である。
図10図10は、比較例2に係るスピーカシステムを示す図である。
図11図11は、実施例における垂直特性を示すグラフである。
図12図12は、比較例1における垂直特性を示すグラフである。
図13図13は、比較例2における垂直特性を示すグラフである。
図14図14は、実施例、比較例1及び比較例2における垂直特性の比較結果を示す表である。
図15図15は、他の比較例に係るスピーカシステムを示す図である。
図16図16は、他の比較例に係るスピーカシステムと比較した場合における、実施の形態に係るスピーカシステムにより得られる有利な効果を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施の形態)
以下、図1図16を参照しながら、実施の形態について説明する。図1図6において、音響レンズ6のフィン18(後述する)の奥行き方向をX軸方向とし、フィン18の幅方向をY軸方向とし、フィン18の厚み方向をZ軸方向とする。
【0013】
[1.スピーカシステムの構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係るスピーカシステム2の構成について説明する。図1は、実施の形態に係るスピーカシステム2を示す斜視図である。図2は、音響レンズ6を取り外した状態での、実施の形態に係るスピーカ4を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、スピーカシステム2は、スピーカ4と、スピーカ4に取り付けられた音響レンズ6とを備えている。
【0015】
スピーカ4は、例えば高音域の音を出力するツイータ等の高音用スピーカである。図2に示すように、スピーカ4は、キャビネット8と、ステー10と、振動板12とを有している。キャビネット8の前面には、略矩形状の開口部14が形成されている。なお、キャビネット8の前面は、スピーカ4とは反対側に且つ所定方向(図2において紙面内上下方向)に沿って凸状に湾曲している。ステー10は、キャビネット8の開口部14に支持されている。振動板12は、円形状に形成され、ステー10に支持されている。
【0016】
図1に示すように、音響レンズ6は、スピーカ4のキャビネット8の前面に取り付けられており、スピーカ4の振動板12に対向して配置されている。音響レンズ6の構成については後述する。
【0017】
[2.音響レンズの構成]
次に、図1及び図3図5を参照しながら、音響レンズ6の構成について説明する。図3は、図1とは異なる角度から見た状態での、実施の形態に係る音響レンズ6を示す斜視図である。図4は、図1のIV-IV線による、実施の形態に係るスピーカシステム2の断面図である。図5は、図1のV-V線による、実施の形態に係るスピーカシステム2の断面図である。
【0018】
図1及び図3に示すように、音響レンズ6は、3本のベース16と、8枚のフィン18とを備えている。図4において、8枚のフィン18は、最も下側のフィン18から順に、第1のフィン、第2のフィン、・・・、第8のフィンで構成される。なお、効果の程度又は設置の形態等によって、ベース16及びフィン18の各数量は適宜変更してもよい。
【0019】
図1図4及び図5に示すように、湾曲した各ベース16の第1の面20には、8枚のフィン18が所定の角度及び間隔で配置される。一方、各ベース16の第2の面21は、キャビネット8の曲面に沿うように装着される。このように、各ベース16の第2の面21は、キャビネット8の曲面に沿う形状で湾曲し、各ベース16の第1の面20も第2の面21の形状に対応して湾曲している。但し、各ベース16の第1の面20の曲率及び第2の面21の曲率は、必ずしも一致する必要は無い。
【0020】
各ベース16の第1の面20には、8枚のフィン18が支持されている。以下、第1の面20を「支持面20」とも呼ぶ。また、図3に示すように、各ベース16は、スピーカ4のキャビネット8の前面の形状に対応して、スピーカ4とは反対側に且つ所定方向(図1及び図3において紙面内上下方向)に沿って凸状に湾曲しながら延びている。これに伴い、各ベース16の支持面20は、スピーカ4とは反対側に且つ上記所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲面で形成されている。すなわち、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、各ベース16の支持面20は、スピーカ4とは反対側に且つ上記所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線を規定する。図1に示すように、各ベース16は、スピーカ4のキャビネット8の前面に取り付けられ、フィン18の幅方向(Y軸方向)に間隔を置いて配置されている。なお、各ベース16の支持面20は、スピーカ4のキャビネット8と反対側を向くように配置されている。
【0021】
図1に示すように、各フィン18は、略矩形状の薄板状に形成されており、各ベース16の支持面20に支持されている。すなわち、各フィン18の奥行き方向における一端部は、支持面20に支持されている。ここで、図4及び図5に示すように、実際には、各フィン18の奥行き方向における一端部は、支持面20上に形成された溝部に食い込むようにして支持されているが、本明細書では、各フィン18の奥行き方向における一端部は、支持面20上(すなわち、スピーカ4とは反対側に且つ上記所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上)に位置しているものとする。各フィン18は、各ベース16の支持面20からスピーカ4と反対側に(奥行き方向に)延びている。
【0022】
各フィン18の大きさは、略同一である。すなわち、各フィン18の幅方向(Y軸方向)における大きさ(本実施の形態では120mm)、奥行き方向(X軸方向)における大きさ(本実施の形態では50mm)、及び、厚み方向(Z軸方向)における大きさ(本実施の形態では1mm)は、略同一である。ここで、各フィン18の奥行き方向における大きさは、音響レンズ6をXZ側面視した場合における各フィン18の長さを意味する。なお、略同一とは、完全に同一であることを意味するだけでなく、実質的に同一であること、すなわち、例えば数%程度の大きさの差異を含むことも意味する。このことは、他の「略同一」の表現についても同様である。
【0023】
なお、本実施の形態では、各フィン18を各ベース16の支持面20に支持させたが、複数のフィン18の位置関係が同じであれば、各フィン18を支持するための構成は上記の構成に限定されない。例えば、直線状に延びる棒状部材が各フィン18の奥行き方向における中央部を貫通することにより、各フィン18を当該棒状部材に支持させてもよい。
【0024】
また、本実施の形態では、各フィン18の大きさを略同一としたが、これに限定されず、各フィン18の奥行き方向における大きさが略同一であれば、各フィン18の他の寸法及び形状を互いに異ならせてもよい。例えば、各フィン18の幅方向における大きさを互いに異ならせてもよい。
【0025】
図4及び図5に示すように、各フィン18は、所定方向に沿って(各ベース16の支持面20に沿って)略等間隔で且つ互いに略平行に配置されている。なお、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。図5に示すように、各フィン18の上記所定方向における配置間隔d(本実施の形態では7mm)は、略同一である。また、図4に示すように、各フィン18は、スピーカ4の振動板12の中心軸22に対して所定角度(例えば55°)で傾斜して配置されている。なお、振動板12の中心軸22は、振動板12の径中心を通り、且つ、振動板12の面に対して略垂直に延びる直線である。
【0026】
図1に示すように、各フィン18の奥行き方向における他端部(支持面20と反対側の端部)には、楔形状の切り欠き部24が形成されている。切り欠き部24は、フィン18の幅方向における中央部に配置されている。本実施の形態では、切り欠き部24の幅方向における大きさは60mm±数mm、切り欠き部24の奥行き方向における大きさは40mm±数mmである。
【0027】
図4に示すように、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、各フィン18に対する支持面20の仰角は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて(図4において紙面内の下側から上側に向けて)漸増する。すなわち、各フィン18に対する支持面20の仰角を、上記所定方向における一方側から他方側に向かう順(図4において最も下側のフィン18(第1のフィン)から最も上側のフィン18(第8のフィン)に向かう順)にそれぞれθ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6,θ7(θ1~θ7)とした時、θ1<θ2<θ3<θ4<θ5<θ6<θ7の関係が成立する。ここで、フィン18に対する支持面20の仰角θ1~θ7とは、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、フィン18と、当該フィン18及び支持面20の交点における接線とのなす角度を意味する。
【0028】
なお、仰角θ1~θ7のうち最も小さい仰角θ1は、0°よりも大きく且つ30°以下である。最も小さい仰角θ1が30°よりも大きい場合には、後述するようにスピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることが難しくなる。また、図4に示すように、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、各フィン18の奥行き方向における一端部(支持面20側の端部)を結んだ線は、ベース16の支持面20の形状に対応して曲線となる。
【0029】
図4に示すように、8枚のフィン18の隣り合う一対のフィン18の間には、スピーカ4の振動板12から放射された音波を音響レンズ6の外部に導くための音道26が形成されている。図5に示すように、音道26におけるスピーカ4の振動板12から放射された音波の経路の長さである音道距離は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する。すなわち、音道距離を上記所定方向における一方側から他方側に向かう順(図5において最も下側のフィン18から最も上側のフィン18に向かう順)にそれぞれD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7とした時、D1<D2<D3<D4<D5<D6<D7の関係が成立する。この音道距離の関係は、各フィン18の幅方向におけるいずれの位置でも成立する。図5に示すように、本実施の形態では、各フィン18の幅方向における端部(切り欠き部24が形成されていない部分)における音道距離D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7はそれぞれ、2.6cm、3.4cm、3.6cm、4.0cm、4.1cm、4.3cm、4.5cmである。
【0030】
また、各音道26において、フィン18の幅方向における中央部(切り欠き部24が形成された部分)では音道距離が最も短く、フィン18の幅方向における両端部(切り欠き部24が形成されていない部分)では音道距離が最も長い。最も短い音道距離(例えば図4のD7’)と最も長い音道距離(例えば図5のD7)との比(例えばD7/D7’)を屈折率とした時、いずれの音道26においても屈折率が略一定であるのが望ましい。そのため、本実施の形態では、いずれの音道26においても屈折率が略一定となるように、各フィン18の切り欠き部24の大きさが設定されている。なお、略一定とは、完全に一定であることを意味するだけでなく、実質的に一定であること、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、いずれの音道26においても屈折率が略一定であるという条件を満たせば、各フィン18の切り欠き部24の大きさは互いに異なっていてもよいし、略同一であってもよい。
【0031】
[3.音響レンズの機能]
次に、図5及び図6を参照しながら、音響レンズ6の機能について説明する。図6は、実施の形態に係る音響レンズ6の機能を説明するための図である。
【0032】
音響レンズ6は、スピーカ4の指向特性を水平方向(Y軸方向)に拡大する機能と、スピーカ4の指向特性を垂直方向(Z軸のプラス側)に曲げる機能とを有している。なお、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げる機能とは、スピーカ4の振動板12の面方向に対するフィン18の仰角が大きい方向に音波を曲げ、その方向の聴取エリアを拡大する機能である。ここで、「フィン18の仰角が大きい方向に音波を曲げる」とは、主に音波の届く方向(音圧が最も高い方向)を、スピーカ4の向き(振動板12の中心軸22の方向)に対して変化させることを意味する。また、「その方向の聴取エリアを拡大する」とは、その方向において音圧がより高くなることを意味する。
【0033】
スピーカ4の振動板12(図4参照)から放射された音波は、隣り合う一対のフィン18の間の音道26を通過することにより、音響レンズ6の外部へと導かれる。図6の矢印Aで示すように、フィン18の幅方向における中央部(切り欠き部24が形成された部分)の音道26を通過した音波は、フィン18の奥行き方向に対して略平行な方向であるフィン軸上方向(X軸のプラス側)に直進するようになる。
【0034】
また、上述したように、各フィン18の奥行き方向における他端部に楔形状の切り欠き部24が形成されている。これにより、各音道26において、フィン18の幅方向における中央部(切り欠き部24が形成された部分)における音道距離(例えば図4のD7’)よりも、フィン18の幅方向における両端部(切り欠き部24が形成されていない部分)における音道距離(例えば図5のD7)の方が長くなる。そのため、フィン18の幅方向における両端部における音道26を通過した音波は、フィン18の幅方向における中央部における音道26を通過した音波よりも、見かけ上遅れて音響レンズ6の外部に出てくるようになる。これにより、音響レンズ6からの音波の波面は、水平方向(Y軸方向のプラス側及びマイナス側)に湾曲しながら進むようになる。その結果、図6の矢印H1,H2で示すように、スピーカ4の振動板12から放射された音波は、音響レンズ6によって音道距離が長くなる方向である水平方向に拡がりながら回折するため、スピーカ4の指向特性を水平方向に拡大することができる。以下、スピーカ4の水平方向における指向特性を「水平特性」という。
【0035】
さらに、上述したように、各ベース16の支持面20は、スピーカ4とは反対側に且つ上記所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びているので、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、各フィン18に対する支持面20の仰角は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する。これにより、各音道26における音道距離は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増するようになる。そのため、図5において最も上側の隣り合う一対のフィン18の間の音道26を通過した音波は、図5において最も下側の隣り合う一対のフィン18の間の音道26を通過した音波よりも、見かけ上遅れて音響レンズ6の外部に出てくるようになる。これにより、音響レンズ6からの音波の波面は、垂直方向(Z軸方向のプラス側)に湾曲しながら進むようになる。その結果、図5及び図6の矢印Vで示すように、スピーカ4の振動板12から放射された音波は、音響レンズ6によって音道距離が長くなる方向である垂直方向に拡がりながら回折するため、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる。以下、スピーカ4の垂直方向における指向特性を「垂直特性」という。
【0036】
以上のように、本実施の形態の音響レンズ6では、スピーカ4からの直進性の高い高音域の音波を水平方向だけでなく、垂直方向にも拡げることができる。その結果、スピーカ4の指向特性を水平方向に拡大することができるとともに、垂直方向に曲げることができる。これにより、例えばスピーカ4からの鳥の鳴き声等の音声を垂直方向(鉛直上方)に曲げて、当該音声を室内の天井で反射させることによって、あたかも鳥の鳴き声が室内の空中から聞こえてくるかのような立体的な音声の再生が可能となる。
【0037】
[4.効果]
上述したように、本実施の形態において、音響レンズ6は、スピーカ4に取り付けられる音響レンズである。音響レンズ6は、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、各々の一端部が、スピーカ4とは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上に配置された複数のフィン18であって、所定方向に沿って略等間隔で且つ互いに略平行に配置された複数のフィン18を備える。音響レンズ6をXZ側面視した場合に、複数のフィン18の各々の長さは略同一であり、且つ、複数のフィン18の各々に対する曲線の仰角は、所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する。
【0038】
これによれば、各フィン18の一端部は、スピーカ4とは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上に配置されているので、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、複数のフィン18の各々に対する曲線の仰角は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増する。これにより、音道距離は、上記所定方向における一方側から他方側に向けて漸増するようになる。その結果、上述したように、スピーカ4から放射された音波は、音響レンズ6によって垂直方向に曲がるため、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる。
【0039】
また、本実施の形態において、音響レンズ6は、さらに、音響レンズ6をXZ側面視した場合に、曲線を規定する支持面20を有するベース16を備える。複数のフィン18の各々の一端部は、ベース16の支持面20に支持されている。
【0040】
これによれば、各フィン18の一端部が、スピーカ4とは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びる曲線上に配置されるように、複数のフィン18をベース16の支持面20に支持させることができる。
【0041】
また、本実施の形態において、複数のフィン18は、第1のフィンから第nのフィン(nは2以上の整数)までのn個のフィンで構成されている。音響レンズ6をXZ側面視した場合に、第1のフィンに対する支持面20の仰角をθ1、第nのフィンに対する支持面20の仰角をθnとした時、θ1<・・・<θnの関係が成立する。
【0042】
これによれば、スピーカ4から放射された音波は、音響レンズ6によって垂直方向に曲がるようになるため、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる。
【0043】
また、本実施の形態において、仰角θ1は、0°よりも大きく且つ30°以下である。
【0044】
これによれば、音波を音響レンズ6によって垂直方向に効果的に曲げることができる。
【0045】
また、本実施の形態において、複数のフィン18の各々の大きさは、略同一である。
【0046】
これによれば、音道距離を、上記所定方向における一方側から他方側に向けて効率良く漸増させることができる。
【0047】
また、本実施の形態において、複数のフィン18の各々の曲線と反対側における端部には、楔形状の切り欠き部24が形成されている。
【0048】
これによれば、上述したように、スピーカ4から放射された音波は、音響レンズ6によって水平方向に拡がるようになる。その結果、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができるとともに、水平方向に拡大することができる。
【0049】
また、本実施の形態において、複数のフィン18の隣り合う一対のフィン18の間にはそれぞれ、スピーカ4から放射された音波を音響レンズ6の外部に導くための音道26が形成されている。各音道26におけるスピーカ4から放射された音波の経路の長さを音道距離とした時、最も短い音道距離と最も長い音道距離との比が略一定となるように、複数のフィン18の各々の切り欠き部24の大きさが設定されている。
【0050】
これによれば、いずれの音道26においても、音波の水平方向への拡がりを略均等にすることができる。
【0051】
また、本実施の形態において、スピーカシステム2は、振動板12を有するスピーカ4と、スピーカ4に取り付けられた、上述したいずれかの音響レンズ6とを備える。音響レンズ6の複数のフィン18の各々は、振動板12の中心軸22に対して傾斜して配置されている。
【0052】
これによれば、上述と同様に、スピーカ4の振動板12から放射された音波は、音響レンズ6によって垂直方向に曲がるため、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる。
【0053】
[5.実施例及び比較例]
本実施の形態による効果、すなわち、スピーカ4の指向特性を水平方向に曲げることができるとともに、垂直方向に曲げることができる効果を確認するために、以下の実験1及び2を行った。
【0054】
[5-1.実験1(水平特性)]
まず、図7図9を参照しながら、実験1について説明する。実験1では、音響レンズの有無が水平特性に与える影響について評価を行った。図7は、実施例における水平特性を示すグラフである。図8は、比較例における水平特性を示すグラフである。図9は、実施例及び比較例における水平特性の比較結果を示す表である。
【0055】
実施例として、図1に示すスピーカ4及び音響レンズ6を備えたスピーカシステム2を用いて、スピーカシステム2のスピーカ軸上方向(正面方向)(以下、単に「軸上方向」という)の周波数特性(以下、「軸上特性」という)、軸上方向に対して水平方向に30°傾斜した方向の周波数特性(以下、「30°特性」という)、及び、軸上方向に対して水平方向に60°傾斜した方向の周波数特性(以下、「60°特性」という)について評価を行った。なお、以降の説明において、「軸上方向(スピーカ軸上方向)」とは、スピーカ4の正面方向、すなわち、スピーカ4の振動板12の中心軸22の方向を意味するものとし、上述した図6における矢印Aで示される「フィン軸上方向」とは異なる方向である。
【0056】
比較例として、図2に示すスピーカ4のみを用いて、スピーカ4の軸上特性、30°特性及び60°特性について評価を行った。
【0057】
実施例及び比較例における水平特性(軸上特性、30°特性及び60°特性)はそれぞれ、図7及び図8に示す通りであった。図7の(a)、(b)及び図8の(a)、(b)において、破線のグラフは軸上特性を示している。また、図7の(a)及び図8の(a)において、実線のグラフは30°特性を示し、図7の(b)及び図8の(b)において、実線のグラフは60°特性を示している。
【0058】
また、実施例及び比較例における水平特性の比較結果は、図9に示す通りであった。図9では、2kHz~20kHzの範囲の周波数毎に、30°特性又は60°特性の音圧レベル(dB)から軸上特性の音圧レベル(dB)を減算し、周波数毎の減算値の平均値を算出した結果を示している。また、図9では、10kHz~20kHzの範囲の周波数毎に、上記と同様に、30°特性又は60°特性の音圧レベル(dB)から軸上特性の音圧レベル(dB)を減算し、周波数毎の減算値の平均値を算出した結果を示している。図9では、平均値の数値(dB)が大きいほど、軸上特性の音圧レベルと比較して、30°特性又は60°特性の音圧レベルが高い(すなわち、スピーカ4の指向特性が水平方向に拡大している)ことを示している。
【0059】
図9に示すように、実施例では、2kHz~20kHzの範囲における30°特性、60°特性、及び、10kHz~20kHzの範囲における30°特性、60°特性のいずれにおいても、比較例よりも平均値の数値(dB)が高かった。図9に示すように、2kHz~20kHzの範囲では、実施例は比較例に対して、30°特性では4.0dB(2.8dB-(-1.2dB))の優位性、60°特性では3.8dB(-1.7dB-(-5.5dB))の優位性を有していることが確認できた。また、10kHz~20kHzの範囲では、実施例は比較例に対して、30°特性では8.5dB(6.3dB-(-2.2dB))の優位性、60°特性では8.1dB(1.2dB-(-6.9dB))の優位性を有していることが確認できた。
【0060】
以上のことから、スピーカ4に実施の形態に係る音響レンズ6を取り付けることにより、スピーカ4の指向特性を水平方向に拡大することができる効果が得られたことが確認できた。
【0061】
[5-2.実験2(垂直特性)]
次に、図10図14を参照しながら、実験2について説明する。実験2では、音響レンズの有無、及び、音響レンズの構成が垂直特性に与える影響について評価を行った。図10は、比較例2に係るスピーカシステム100を示す図である。図11は、実施例における垂直特性を示すグラフである。図12は、比較例1における垂直特性を示すグラフである。図13は、比較例2における垂直特性を示すグラフである。図14は、実施例、比較例1及び比較例2における垂直特性の比較結果を示す表である。
【0062】
実施例として、図1に示すスピーカ4及び音響レンズ6を備えたスピーカシステム2を用いて、スピーカシステム2の軸上方向の周波数特性(以下、「軸上特性」という)、軸上方向に対して垂直方向に30°傾斜した方向の周波数特性(以下、「30°特性」という)、及び、軸上方向に対して垂直方向に60°傾斜した方向の周波数特性(以下、「60°特性」という)について評価を行った。
【0063】
比較例1として、図2に示すスピーカ4のみを用いて、スピーカ4の軸上特性、30°特性及び60°特性について評価を行った。
【0064】
比較例2として、図10に示すスピーカ102及び音響レンズ104を備えた従来技術のスピーカシステム100を用いて、スピーカシステム100の軸上特性、30°特性及び60°特性について評価を行った。図10に示すスピーカシステム100では、音響レンズ104は、直線状に延びるベース106と、ベース106に支持され且つ互いに略平行に配置された複数のフィン108とを備えていた。複数のフィン108の各々の大きさは、略同一であった。また、各フィン108の幅方向における中央部には、楔形状の切り欠き部(図示せず)が形成されていた。
【0065】
実施例、比較例1及び比較例2における垂直特性(軸上特性、30°特性及び60°特性)はそれぞれ、図11図12及び図13に示す通りであった。図11の(a)、(b)、図12の(a)、(b)及び図13の(a)、(b)において、破線のグラフは軸上特性を示している。また、図11の(a)、図12の(a)及び図13の(a)において、実線のグラフは30°特性を示し、図11の(b)、図12の(b)及び図13の(b)において、実線のグラフは60°特性を示している。
【0066】
また、実施例、比較例1及び比較例2における垂直特性の比較結果は、図14に示す通りであった。図14では、2kHz~20kHzの範囲の周波数毎に、30°特性又は60°特性の音圧レベル(dB)から軸上特性の音圧レベル(dB)を減算し、周波数毎の減算値の平均値を算出した結果を示している。また、図14では、10kHz~20kHzの範囲の周波数毎に、上記と同様に、30°特性又は60°特性の音圧レベル(dB)から軸上特性の音圧レベル(dB)を減算し、周波数毎の減算値の平均値を算出した結果を示している。図14では、平均値の数値(dB)が大きいほど、軸上特性の音圧レベルと比較して、30°特性又は60°特性の音圧レベルが高い(すなわち、スピーカ4の指向特性が垂直方向に曲がっている)ことを示している。
【0067】
図14に示すように、実施例では、2kHz~20kHzの範囲における30°特性、60°特性、及び、10kHz~20kHzの範囲における30°特性、60°特性のいずれにおいても、比較例1よりも平均値の数値(dB)が高かった。
【0068】
また、図14に示すように、実施例では、2kHz~20kHzの範囲における60°特性、及び、10kHz~20kHzの範囲における30°特性、60°特性において、比較例2よりも平均値の数値(dB)が高かった。図14に示すように、2kHz~20kHzの範囲では、実施例は比較例2に対して、60°特性では1.3dB(-0.2dB-(-1.5dB))の優位性を有していることが確認できた。また、10kHz~20kHzの範囲では、実施例は比較例2に対して、30°特性では2.6dB(5.0dB-2.4dB)の優位性、60°特性では4.8dB(5.2dB-0.8dB)の優位性を有していることが確認できた。
【0069】
このことから、スピーカ4に実施の形態に係る音響レンズ6を取り付けることにより、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる効果が得られたことが確認できた。
【0070】
[6.他の比較例に係るスピーカシステムとの比較]
図15及び図16を参照しながら、他の比較例に係るスピーカシステム200と比較した場合における、実施の形態に係るスピーカシステム2により得られる有利な効果について説明する。図15は、他の比較例に係るスピーカシステム200を示す図である。図16は、他の比較例に係るスピーカシステム200と比較した場合における、実施の形態に係るスピーカシステム2により得られる有利な効果を説明するための模式図である。
【0071】
図15に示すように、他の比較例に係るスピーカシステム200は、スピーカ202と、スピーカ202に取り付けられた音響レンズ204とを備えている。音響レンズ204は、直線状に延びるベース206と、ベース206に支持され且つ互いに略平行に配置された複数のフィン208とを備えている。
【0072】
複数のフィン208の各々は、スピーカ202の振動板(図示せず)の中心軸に対して所定角度で傾斜している。複数のフィン208の各々の大きさは、ベース206の長手方向(図15において紙面内上下方向)における一端部から他端部に向けて漸増している。また、音響レンズ204を側面視した場合に、複数のフィン208の各々の奥行き方向(図15において紙面内左右方向)における一端部(ベース206側の端部)を結んだ線は、ベース206の形状に対応して直線となる。
【0073】
他の比較例に係るスピーカシステム200においても、スピーカ202から放射された音波は、音響レンズ204によって垂直方向(図15において紙面内上方向)に拡がりながら回折するため、スピーカ202の指向特性を垂直方向に曲げることができる。しかしながら、以下の理由により、実施の形態に係るスピーカシステム2では、他の比較例に係るスピーカシステム200と比べて、スピーカ4の指向特性を垂直方向により一層効果的に曲げることができる。
【0074】
なお、説明の都合上、図16では、実施の形態におけるベース16が所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びていることに関連して、ベース16を曲線で模式的に図示している。また、図16では、他の比較例におけるベース206が直線状に形成されていることに関連して、ベース206を直線で模式的に図示してある。
【0075】
図16の(a)に示すように、軸上方向から離れるに従って、本実施の形態においてスピーカ4からの音波がベース16(複数のフィン18)に到達する時間は、他の比較例においてスピーカ202からの音波がベース206(複数のフィン208)に到達する時間よりも早くなる。その分、図16の(b)に示すように、実施の形態において複数のフィン18(図1参照)により音波が軸上方向に対して垂直方向に曲がる角度φ1は、他の比較例において複数のフィン208(図15参照)により音波が軸上方向に対して垂直方向に曲がる角度φ2よりも大きくなる。
【0076】
したがって、実施の形態に係るスピーカシステム2では、ベース16がスピーカ4とは反対側に且つ所定方向に沿って凸状に湾曲しながら延びていることに起因して、他の比較例に係るスピーカシステム200と比べて、スピーカ4の指向特性を垂直方向により大きな角度で曲げることができる。
【0077】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0078】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0079】
上記実施の形態では、各フィン18に切り欠き部24を形成したが、これに限定されず、切り欠き部24を省略してもよい。この場合にも、スピーカ4の指向特性を垂直方向に曲げることができる。
【0080】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0081】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0082】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示は、例えばツイータ等のスピーカに取り付けられる音響レンズに適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
2,100,200 スピーカシステム
4,102,202 スピーカ
6,104,204 音響レンズ
8 キャビネット
10 ステー
12 振動板
14 開口部
16,106,206 ベース
18,108,208 フィン
20 支持面(第1の面)
21 第2の面
22 中心軸
24 切り欠き部
26 音道
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16