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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】ハブ装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20221202BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20221202BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20221202BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221202BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20221202BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
H05K5/02 Z
G06F1/16 312Z
G06F1/18 E
H05K7/20 D
H05K7/00 Q
H05K7/14 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019108245
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020043329
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2018169768
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑中 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】酒村 貴生
(72)【発明者】
【氏名】三室 晋也
(72)【発明者】
【氏名】足田 功雄
(72)【発明者】
【氏名】西山 伊織
(72)【発明者】
【氏名】水町 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】福沢 隼也
(72)【発明者】
【氏名】平良 公一
(72)【発明者】
【氏名】仲野 敦史
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-172696(JP,A)
【文献】特開2002-199541(JP,A)
【文献】特開2007-150635(JP,A)
【文献】特開2004-274925(JP,A)
【文献】特開2019-50540(JP,A)
【文献】特開2007-195293(JP,A)
【文献】特開2013-157738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
G06F 1/16
G06F 1/18
H05K 7/20
H05K 7/00
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
前記ボディに設けられ、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む複数の配線を電気的に接続可能な複数の端子部と、
建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための取付部と、を備え
前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含み、
前記ボディは、
前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを所定の貫通方向に貫く孔に挿入される挿入部と、
前記挿入部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有し、
前記挿入部のうち前記貫通方向に沿った側面と、前記延長部の所定の面とは、所定の空間に対向しており、
前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部は、前記挿入部の前記側面に設けられている、
ハブ装置。
【請求項2】
ボディと、
前記ボディに設けられ、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む複数の配線を電気的に接続可能な複数の端子部と、
建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための取付部と、を備え、
前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含み、
前記ボディは、前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを所定の貫通方向に貫く孔に挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記第1の面と向かい合う側から見て手前から奥に行くにつれて、前記貫通方向と直交する断面における面積が小さくなる挿入本体を備え、
前記挿入本体は、前記貫通方向に対して斜めである面を含み、
前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部は、前記挿入本体の前記面に設けられている、
ハブ装置。
【請求項3】
前記複数の端子部とは別に設けられ、前記複数の端子部に電気的に接続された前記複数の配線のうち少なくとも1つの配線を保持する保持部材を更に備え、
前記貫通方向から見て、前記ボディの外縁は、所定の円に沿った形状であり、
前記保持部材は、前記所定の円に収まる形状である、
請求項1又は2に記載のハブ装置。
【請求項4】
ボディと、
前記ボディに設けられ、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む複数の配線を電気的に接続可能な複数の端子部と、
建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための取付部と、を備え、
前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含み、
前記ボディは、
前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを貫く孔に挿入される挿入部と、
前記挿入部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有し、
前記複数の端子部のうち少なくとも1つは、前記延長部に設けられる、
ブ装置。
【請求項5】
ボディと、
前記ボディに設けられ、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む複数の配線を電気的に接続可能な複数の端子部と、
建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための取付部と、
電子部品と、前記電子部品が実装された基板と、を含む実装基板と、を備え、
前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含み、
前記ボディは、
前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを貫く孔に挿入される挿入部と、
前記挿入部の上下方向の中心よりも上部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有し、
前記ボディは、内部に空間を有し、
前記実装基板は、前記ボディの内部の前記空間に配置されており、
前記延長部は、内部に空間を有し、
前記実装基板の少なくとも一部は、前記延長部の内部の前記空間に配置されている、
ハブ装置。
【請求項6】
前記電子部品は、スイッチング素子である、
請求項5に記載のハブ装置。
【請求項7】
前記実装基板に接するヒートシンクを更に備える、
請求項5又は6に記載のハブ装置。
【請求項8】
前記挿入部につながっており前記第2の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第2の面に沿った方向に延びているストッパを更に備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項9】
前記複数の端子部とは別に設けられ、前記複数の端子部に電気的に接続された前記複数の配線のうち少なくとも1つの配線を保持する保持部材を更に備える、
請求項4~8のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項10】
前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部と一対一で対応し、開口部を含み前記開口部の周縁により前記少なくとも1つの端子部を覆う少なくとも1つのカバーを更に備え、
前記開口部は、下又は斜め下から見て前記少なくとも1つの端子部が露出するように形成されている、
請求項1~9のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項11】
前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部と一対一で対応し、開口部を含み前記開口部の周縁により前記少なくとも1つの端子部を覆う少なくとも1つのカバーを更に備え、
前記少なくとも1つの端子部は、前記開口部を通して前記複数の配線のうち少なくとも1つの配線を差込み接続可能に構成され、
前記開口部は、前記少なくとも1つのカバーのうち鉛直方向に対して斜めとなる面に形成されており前記少なくとも1つの端子部を露出させる、
請求項1~10のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項12】
前記複数の端子部は、前記ボディの下の空間に露出している、
請求項1~11のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項13】
前記複数の端子部は、前記複数の配線を抜き差し可能に構成されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項14】
前記ボディは、前記構造体に取り付けられる前記取付部とは別体であり、前記取付部に取付け可能である、
請求項1~13のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項15】
前記ボディは、前記取付部に着脱可能である、
請求項14に記載のハブ装置。
【請求項16】
前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部と一対一で対応し、開口部を含み前記開口部の周縁により前記少なくとも1つの端子部を覆う少なくとも1つのカバーを更に備え、
前記少なくとも1つの端子部は、前記開口部を通して前記複数の配線のうち少なくとも1つの配線を差込み接続可能に構成され、
前記複数の端子部は、第1の端子部と、前記第1の端子部とは別の機能を有する第2の端子部と、を含み、
前記第1の端子部において前記複数の配線のうち1つの配線が差し込まれる向きは、前記第2の端子部において前記複数の配線のうち1つの配線が差し込まれる向きとは異なる、
請求項1~15のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項17】
前記第1の端子部は、電力及び信号の少なくとも一方の入力用の端子部であり、
前記第2の端子部は、電力及び信号の少なくとも一方の出力用の端子部である、
請求項16に記載のハブ装置。
【請求項18】
前記複数の端子部は、電力及び信号の両方の入力用の端子部と、電力及び信号の両方の出力用の端子部とのうち、少なくとも一方を含む、
請求項1~17のいずれか一項に記載のハブ装置。
【請求項19】
前記複数の端子部は、電力の入力用の端子部を含み、
電力の入力用の前記端子部は、電源から出力され電力変換器で変換された電力の入力を受け付ける、
請求項1~18のいずれか一項に記載のハブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はハブ装置に関し、より詳細には、通信用の配線を接続可能なハブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハブ装置の従来例として、特許文献1記載のスイッチングハブ装置を例示する。特許文献1記載のスイッチングハブ装置は、コネクタが複数配置されたコネクタ群と、ロック解除部材と、を備える。コネクタは、ケーブルが挿入される穴及び挿入されたケーブルをロックするロック機構を有する。ロック解除部材は、ケーブルに設けられたロック解除機構を押圧してコネクタとのロックを解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-048676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ハブ装置はラックに置かれて使用される。しかしながら、ハブ装置を設置するためにラックが必要となると、ラックによって室内等のスペースを圧迫し邪魔になることがあった。
【0005】
本開示は、邪魔になる可能性を低減させたハブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るハブ装置は、ボディと、複数の端子部と、取付部と、を備える。前記複数の端子部は、前記ボディに設けられる。前記複数の端子部は、複数の配線を電気的に接続可能である。前記複数の配線は、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む。前記取付部は、建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための部位である。前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含む。前記ボディは、前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを所定の貫通方向に貫く孔に挿入される挿入部と、前記挿入部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有する。前記挿入部のうち前記貫通方向に沿った側面と、前記延長部の所定の面とは、所定の空間に対向している。前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部は、前記挿入部の前記側面に設けられている。
本開示の別の一態様に係るハブ装置は、ボディと、複数の端子部と、取付部と、を備える。前記複数の端子部は、前記ボディに設けられる。前記複数の端子部は、複数の配線を電気的に接続可能である。前記複数の配線は、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む。前記取付部は、建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための部位である。前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含む。前記ボディは、前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを所定の貫通方向に貫く孔に挿入される挿入部を有する。前記挿入部は、前記第1の面と向かい合う側から見て手前から奥に行くにつれて、前記貫通方向と直交する断面における面積が小さくなる挿入本体を備える。前記挿入本体は、前記貫通方向に対して斜めである面を含む。前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部は、前記挿入本体の前記面に設けられている。
本開示の更に別の一態様に係るハブ装置は、ボディと、複数の端子部と、取付部と、を備える。前記複数の端子部は、前記ボディに設けられる。前記複数の端子部は、複数の配線を電気的に接続可能である。前記複数の配線は、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む。前記取付部は、建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための部位である。前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含む。前記ボディは、前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを貫く孔に挿入される挿入部と、前記挿入部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有する。前記複数の端子部のうち少なくとも1つは、前記延長部に設けられる。
本開示の更に別の一態様に係るハブ装置は、ボディと、複数の端子部と、取付部と、を備える。前記複数の端子部は、前記ボディに設けられる。前記複数の端子部は、複数の配線を電気的に接続可能である。前記複数の配線は、通信用の複数の通信用配線を少なくとも含む。前記取付部は、建物の一部を構成する構造体に前記ボディを取り付けるための部位である。前記実装基板は、電子部品と、前記電子部品が実装された基板と、を含む。前記構造体は、前記建物の隠蔽部に露出する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、を含む。前記ボディは、前記構造体の前記第1の面から前記第2の面までを貫く孔に挿入される挿入部と、前記挿入部の上下方向の中心よりも上部につながっており前記第1の面と向かい合う側から見て前記挿入部を基点として前記第1の面に沿った方向に延びている延長部と、を有する。前記ボディは、内部に空間を有する。前記実装基板は、前記ボディの内部の前記空間に配置されている。前記延長部は、内部に空間を有する。前記実装基板の少なくとも一部は、前記延長部の内部の前記空間に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係るハブ装置では、邪魔になる可能性が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係るハブ装置に機器等が接続されている状態を示す、概略ブロック図である。
図2図2は、同上のハブ装置の正面図である。
図3図3は、同上のハブ装置の側面図である。
図4図4は、取付部及び蓋部を取り外した状態における同上のハブ装置の下面図である。
図5図5は、同上のハブ装置の分解斜視図である。
図6図6は、同上のハブ装置の要部の正面斜視図である。
図7図7は、実施形態2に係るハブ装置の斜視図である。
図8図8は、同上のハブ装置のうち複数の端子部が設けられた面の平面図である。
図9図9は、実施形態3に係るハブ装置の斜視図である。
図10図10Aは、実施形態4に係るハブ装置の正面図である。図10Bは、同上のハブ装置の要部の下面図である。図10Cは、同上のハブ装置の要部の側面図である。
図11図11は、実施形態5に係るハブ装置の分解斜視図である。
図12図12は、蓋部を取り外した状態における同上のハブ装置の斜視図である。
図13図13は、取付部及び蓋部を取り外した状態における同上のハブ装置の斜視図である。
図14図14は、キャップを取り外した状態における同上のハブ装置の平面図である。
図15図15は、同上のハブ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るハブ装置について、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
(実施形態1)
(ハブ装置の構成)
本実施形態のハブ装置1の構成について、まずは図1を参照して説明する。ハブ装置1は、より詳細には、複数の機器100間で送受信される信号の衝突防止の処理を行うスイッチングハブ装置である。複数の機器100は、例えば、コンピュータ端末、ネットワークカメラ、IP(Internet Protocol)電話及び、無線アクセスポイント等である。コンピュータ端末は、例えば、ハブ装置1の動作を設定する操作を受け付けるコントローラである。コントローラは、例えば、ハブ装置1との間でシリアル通信を行う。また、複数の機器100の別の一例は、照明器具、空調機器及び音響機器等である。
【0011】
ハブ装置1は、複数の端子部7(図2、4参照)を有している。ハブ装置1は、例えば、MAC(Media Access Control address)アドレスと端子部7(ポート)との対応関係を記憶する機能を有するL2スイッチである。すなわち、ハブ装置1は、機器100の識別情報(例えば、MACアドレス)と当該機器100に接続された端子部7との対応関係を示す対応テーブルを作成する機能を有する。この機能は、例えば、フォワーディングデータベース(Forwarding Database:FDB)を作成する技術により実現され得る。フォワーディングデータベースを作成する技術は周知であるから説明は省略する。
【0012】
ハブ装置1は、図2~4に示すように、ボディ2と、複数(12個)の端子部7と、取付部8と、を備えている。以下では、複数の端子部7を区別しない場合は、各々を端子部7と称し、複数の端子部7を区別する場合は、それぞれ端子部P1~P10、71、72と称す。
【0013】
ハブ装置1は、複数(12個)のカバー11を更に備えている。複数のカバー11はそれぞれ、筒状である。複数のカバー11は、軸方向の第1端に開口部12を含む。複数のカバー11は、例えば、金属と樹脂とを材料として形成されている。カバー11においては、筒状の金属の内面に樹脂が設けられている。複数のカバー11は、複数の端子部7と一対一で対応する。複数のカバー11はそれぞれ、対応する端子部7の周囲に設けられている。複数のカバー11はそれぞれ、開口部12の周縁により対応する端子部7を覆っている。
【0014】
複数の端子部7は、ボディ2に設けられる。ボディ2には、複数の端子部P1~P10と一対一で対応する複数(10個)の挿入孔421と、複数の端子部71、72と一対一で対応する複数(2つ)の挿入孔321と、が形成されている。複数の端子部7はそれぞれ、対応する挿入孔421又は321に挿入されており、対応する挿入孔421又は321を通してボディ2の外に露出している。
【0015】
複数の端子部7のうち、複数の端子部P1~P10はそれぞれ、LAN(Local Area Network)ポートである。複数の端子部P1~P10はそれぞれ、通信用の配線W1を電気的に接続可能である。すなわち、複数の端子部P1~P10は、これらと同数(10本)の通信用の複数の配線W1を電気的に接続可能である。ここで、通信用の各配線W1は、電力及び信号の両方を伝送可能な配線である。より詳細には、通信用の各配線W1は、PoE(Power over Ethernet)に対応した配線である。複数の端子部P1~P10のうち一部は、電力の入力と信号の入出力とのための端子部であり、複数の端子部P1~P10のうち残りの端子部は、電力の出力と信号の入出力とのための端子部である。
【0016】
端子部71は、LANポートである。端子部71は、通信用の配線W2を電気的に接続可能である。配線W2は、電力及び信号のうち信号のみを伝送可能な配線である。端子部72は、給電用の配線W3を電気的に接続可能である。配線W3は、電力及び信号のうち電力のみを伝送可能な配線である。
【0017】
各端子部7には対応する配線W1(又はW2、W3)を接続可能である一方で、各端子部7からは対応する配線W1(又はW2、W3)を取り外すことが可能である。すなわち、各端子部7は、対応する配線W1(又はW2、W3)を抜き差し可能に構成されている。より詳細には、各端子部7においては、対応するカバー11の開口部12を通して、対応する配線W1(又はW2、W3)を差込み接続することと、抜き取ることとが可能である。更に詳細には、各配線W1、W2の先端にはプラグが設けられており、プラグは爪を有している。配線W1(又はW2)が端子部7に電気的に接続された状態で、プラグの爪がカバー11に引っ掛かることで、カバー11に対してプラグがロックされる。プラグの爪がカバー11から外れることで、カバー11に対するプラグのロックが解除され、配線W1(又はW2)が端子部7から取り外し可能になる。一方で、配線W3にはねじを含む取付構造が設けられており、端子部72の周囲のカバー11と取付構造とがねじ止めされることで、配線W3が端子部72に固定される。ねじを緩めることで、配線W3を端子部72から取り外し可能になる。
【0018】
図1に示すように、ハブ装置1と複数の配線W1とにより複数の機器100間が接続されると、この複数の機器100間での信号の伝送が可能となる。また、ハブ装置1は、複数の配線W1を介して、複数の機器100のうちPoEに対応した機器へ電力を供給することができる。ハブ装置1は、複数の配線W1を介して、複数の機器100のうちPoEに対応した機器から電力の供給を受けることもできる。
【0019】
ハブ装置1には、複数の配線W1を接続できるので、配線W1を1つのみ接続可能な場合と比較して、伝送する電力の大きさの上限が大きい。また、複数の配線W1のうち一部の配線W1が不具合等により電力の伝送ができなくなった場合に、残りの配線W1により電力の伝送ができる。つまり、ハブ装置1における電力伝送の機能を冗長化できる。
【0020】
ハブ装置1は、複数の配線W1を介して、商用電源PS1等の電源又は機器100から電力の供給を受け、かつ、供給された電力を別の機器100に供給することもできる(いわゆる、送り給電)。なお、ハブ装置1は、無線給電により、1又は複数の機器100との間で給電及び受電のうち少なくとも一方を行ってもよい。これにより、例えば、ハブ装置1が設置された場所にある携帯端末等の機器に対して、ハブ装置1から無線給電することができる。
【0021】
ハブ装置1の設定及び管理を行う管理装置110(コントローラ)とハブ装置1との間は配線W2により接続され、ハブ装置1は、管理装置110との間で信号の伝送を行う。ハブ装置1の外部には、電力変換器120が設けられる。電力変換器120は、交流電力を直流電力に変換する。電力変換器120は、例えば、天井裏の空間に配置される。電力変換器120は、商用電源PS1等の電源と接続される。ハブ装置1の端子部72(図2参照)と電力変換器120との間は配線W3により接続され、ハブ装置1は、電力変換器120から(直流)電力の供給を受ける。すなわち、端子部72は、電力の入力用の端子部であって、商用電源PS1等の電源から出力され電力変換器120で変換された電力の入力を受け付ける。電力変換器120から端子部72に供給される直流電力の電圧は、例えば、54Vである。電力変換器120は、ハブ装置1へだけではなく、天井に取り付けられた照明器具へも電力を供給してもよい。また、電力変換器120は、ハブ装置1に内蔵されていてもよい。
【0022】
図2において、取付部8は、建物の一部を構成する構造体300にボディ2を取り付けるための部材である。構造体300の一例は、天井材(天井ボード等)、壁材、床材、梁及び柱である。本実施形態では、構造体300は板状の天井材であるとして説明する。構造体300の厚さは、例えば、25mmである。
【0023】
ハブ装置1では、取付部8によりボディ2を構造体300に取り付けることができる。そのため、ハブ装置1が机の上、棚(ラック)又はハブ装置1の収納用のボックス等に置かれる場合と比較して、ハブ装置1が邪魔になる可能性を低減できる。既存の机の上、棚又はボックスにハブ装置1を置くスペースを確保することが困難な場合であっても、ハブ装置1を構造体300に取り付けることで、ハブ装置1の設置場所を確保できる。また、建物内に新たにハブ装置1の設置用の棚又はボックスを設置するスペースを確保することが困難な場合でも、ハブ装置1を構造体300に取り付けることで、ハブ装置1の設置場所を確保できる。
【0024】
近年ではIoT(Internet of Things)機器の普及により、センサ等、多くの機器が建物内の空間に設置され、これらの機器と通信するハブ装置1を設置する場所の確保が困難となる問題が起こり得る。このような問題に対して、ハブ装置1を構造体300に取り付けることで対処できる。
【0025】
また、ハブ装置1と接続される機器100が天井裏の空間に配置される場合は、ハブ装置1が机の上、棚又はボックス等に置かれる場合と比較して、天井裏から室内に延びる配線の本数を減らせる。したがって、室内の見栄えを改善できる。
【0026】
構造体300は、第1の面301と、第1の面301とは反対側の第2の面302と、を含む。第1の面301は、建物の隠蔽部400に露出する。隠蔽部400は、具体的には、天井裏の空間である。すなわち、構造体300において、第1の面301が上面であり、第2の面302が下面である。なお、構造体300が壁材である場合は、壁の裏の空間が隠蔽部400に相当し、第1の面301は、壁のうち裏側の面となり、第2の面302は、壁のうち室内側の面となる。構造体300が床材である場合は、床下の空間が隠蔽部400に相当し、第1の面301は下面となり、第2の面302は上面となる。
【0027】
構造体300には、第1の面301から第2の面302までを貫く孔330が形成される。孔330は、円状である。孔330は、例えば、ホールソー等を用いて形成される。
【0028】
ボディ2は、例えば、金属又は樹脂を材料として形成されている。図5に示すように、ボディ2は、孔330に挿入される挿入部3を有している。挿入部3は、半円柱状である。ボディ2が構造体300に取り付けられた状態において、挿入部3の軸方向は、上下方向に沿う。以下では、ボディ2が構造体300に取り付けられた状態における上下を、ハブ装置1の上下と規定する。ただし、この規定は、ハブ装置1の使用方向を限定する趣旨ではない。
【0029】
挿入部3は、内部に空洞を有している。この空洞には、ハブ装置1をスイッチングハブ装置として機能させるための回路を実装した基板等が収容されている。
【0030】
ボディ2は、挿入部3につながっている延長部4を更に有している。延長部4は、板状である。延長部4は、第1の面301と向かい合う側(上)から見て挿入部3を基点として第1の面301に沿った方向に延びている。より詳細には、延長部4は、挿入部3の軸方向の第1端(上端)から、軸方向と直交する向きに延びている。上下方向から見た延長部4の外周形状は、半円状である。上下方向から見て、延長部4と挿入部3とは同心かつ直径が等しい半円状である。上下方向から見て、延長部4は挿入部3よりも面積が大きい。
【0031】
ハブ装置1は、延長部4に結合された保持部材5を更に備えている。保持部材5は、複数の配線(複数の配線W1及び配線W2、W3)を保持する。図5、6に示すように、保持部材5は、上下方向から見て長方形状の基端部51と、基端部51から突出した2つの腕部52と、を有している。基端部51は、板状である。基端部51は、延長部4にねじ止めにより結合されている。2つの腕部52は、板状である。各腕部52は、上下方向から見て円弧状であり、円弧の径方向が各腕部52の厚さ方向と一致する。2つの腕部52は、基端部51の長手方向の両端から突出している。2つの腕部52の各々の突出先端521は、互いに隙間を空けて向かい合っている。また、2つの腕部52の各々は、突出先端521において円弧の中心側へ屈曲している。2つの腕部52は、撓むように弾性変形可能である。2つの腕部52は、複数の端子部7(図4参照)とは別に設けられる。
【0032】
図6に示すように、基端部51と2つの腕部52とに囲まれた空間53には、複数の配線W1が通される。図6では図示を省略するが、空間53には、配線W2、W3も通される。複数の配線W1及び配線W2、W3は、空間53において上下方向に沿って配置される。これにより、複数の配線W1及び配線W2、W3は、上下方向と直交する方向への移動が規制される。すなわち、複数の配線W1及び配線W2、W3は、空間53において保持部材5に保持される。例えば、複数の配線W1及び配線W2、W3が複数の端子部7(図2、4参照)に電気的に接続された後に、2つの腕部52の隙間から複数の配線W1及び配線W2、W3が空間53へ導入されることで、複数の配線W1及び配線W2、W3が保持部材5に保持される。
【0033】
複数の配線W1及び配線W2、W3が保持部材5に保持されていれば、挿入部3、延長部4及び保持部材5を構造体300に形成される孔330に挿入する又は孔330から引き出す際に、複数の配線W1及び配線W2、W3が邪魔になる可能性を低減できる。
【0034】
ボディ2の挿入部3と延長部4と保持部材5とが合わさった構成は、上から見て円状である。構造体300に形成される孔330の直径は、挿入部3と延長部4と保持部材5とが合わさった構成の直径よりも大きい。孔330の直径は、例えば、150mm又は100mmである。
【0035】
ボディ2は、蓋部6を更に有している。蓋部6は、延長部4よりも下に位置する。また、蓋部6は、複数の端子部7よりも下に位置する。蓋部6は、取付部8の後述のストッパ89を介して挿入部3につながっている。蓋部6は、挿入部3の軸方向の第2端(下端)に接している。蓋部6は、円盤状である。蓋部6の厚さ方向は、上下方向に沿っている。蓋部6は、構造体300の第2の面302(図2参照)と向かい合う側(下)から見て挿入部3を基点として第2の面302に沿った方向に延びている。より詳細には、蓋部6は、挿入部3の軸方向の第2端(下端)から、軸方向と直交する向きに延びている。上下方向から見て、蓋部6は、挿入部3と同心である。上下方向から見て、蓋部6の直径は挿入部3の直径よりも大きい。蓋部6の周縁部61は、上向きに立ち上がっている。蓋部6は、周縁部61に、蓋部6を取付部8に取り付けるための4つの係止突起611を有している。蓋部6には、配線W1、W2又はW3を通すことが可能な挿通孔62が形成されている。
【0036】
図4に示すように、複数の端子部7のうち、複数の端子部P1~P10は、ボディ2の延長部4に設けられている。
【0037】
延長部4の下面42には、複数(図4では10個)の挿入孔421が形成されている。複数の挿入孔421は、複数の端子部P1~P10と一対一で対応する。また、複数の挿入孔421は、複数(12個)のカバー11のうち10個のカバー11と一対一で対応する。各挿入孔421の内側には、対応するカバー11が配置されている。筒状の各カバー11の内側には、複数の端子部P1~P10のうち対応する端子部が配置されている。各端子部P1~P10は、対応するカバー11の開口部12を通してボディ2の外部へ露出している。複数の端子部P1~P10は、2列に並んでいる。延長部4の下面42において、各端子部P1~P10に隣接する部位には、各端子部P1~P10のポート番号が1番から10番まで記されている。
【0038】
延長部4の下面42における各カバー11の開口部12は、下から見て端子部P1~P10が露出するように形成されている。つまり、筒状の各カバー11の軸方向が上下方向に沿っており、開口部12はカバー11の下端に形成されている。なお、各カバー11の開口部12は、斜め下から見て端子部P1~P10が露出するように形成されていてもよい。例えば、各カバー11の軸方向が斜め向きとなるように各カバー11が配置されることで、斜め下から見て端子部P1~P10が露出してもよい。下又は斜め下から見て端子部P1~P10が露出することで、上から見て端子部P1~P10が露出する場合と比較して、端子部P1~P10に埃及び水滴が付着する可能性が低減する。
【0039】
複数の端子部P1~P10に電気的に接続された複数の配線W1は、複数の端子部P1~P10を基点とした場合に保持部材5に設けられた空間53を下から上へ通るように配置される。
【0040】
ハブ装置1は、複数(図4では10個)の表示灯13を更に備えている。複数の表示灯13の各々は、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成されている。複数の表示灯13は、挿入部3の下面32に設けられている。複数の表示灯13は、複数の端子部P1~P10と一対一で対応する。各表示灯13は、複数の端子部P1~P10のうち対応する端子部における通信状態に応じて、点灯状態が変化する。より詳細には、各表示灯13は、複数の端子部P1~P10のうち対応する端子部が配線W1を介して機器100(図1参照)と通信しているときに点灯し、通信していないときに消灯する。
【0041】
図2に示すように、挿入部3には、端子部71、72が設けられている。半円柱状の挿入部3のうち、円柱の断面に相当する面33には、複数(図2では2つ)の挿入孔321が形成されている。複数の挿入孔321は、複数の端子部71、72と一対一で対応する。また、複数の挿入孔321は、複数(12個)のカバー11のうち2つのカバー11と一対一で対応する。各挿入孔321の内側には、対応するカバー11が配置されている。各カバー11の内側には、複数の端子部71、72のうち対応する端子部が配置されている。各端子部71、72は、対応するカバー11の開口部12を通してボディ2の外部へ露出している。
【0042】
挿入部3の上記の面33には、複数の端子部P1~P10の配置図F1が記されている。すなわち、延長部4の下面42における複数の端子部P1~P10の配置が、配置図F1に写し取られている。配置図F1は、例えば、面33に直接印刷されている。なお、配置図F1が印刷されたシールが面33に貼られていてもよい。
【0043】
ボディ2は、取付部8とは別体である。取付部8は、構造体300に取り付けられる。ボディ2は、取付部8に取り付けられることで、取付部8を介して構造体300に取り付けられる。
【0044】
ハブ装置1は、取付ピン9を更に備えている。取付ピン9は、ボディ2の延長部4に結合されている。ボディ2は、取付ピン9を介して取付部8に取り付けられる。
【0045】
図2、5に示すように、取付部8は、第1~第7フレーム材81~87と、2つの羽部88と、ストッパ89と、を有している。これらは、例えば、ねじ止めにより互いに結合されている。
【0046】
第1~第7フレーム材81~87は、長方形の板状である。第2、第3フレーム材82、83は、重なり合っている。第4、第5フレーム材84、85は、重なり合っている。第1フレーム材81の長手方向の第1端には、第2、第3フレーム材82、83が結合されている。第1フレーム材81の長手方向の第2端には、第4、第5フレーム材84、85が結合されている。第2~第5フレーム材82~85は、第1フレーム材81から第1フレーム材81の厚さ方向(下向き)に延びている。これにより、第1~第5フレーム材81~85は、U字状に組み合わされている。
【0047】
第6フレーム材86は、第1フレーム材81から第1フレーム材81の短手方向に延びている。第6フレーム材86の厚さ方向は、第1フレーム材81の厚さ方向と一致する。取付部8は、連結部材861を更に有している。連結部材861は、第6フレーム材86に結合されている。連結部材861には、取付ピン9が取り付けられる。取付部8には、第6フレーム材86と連結部材861とを貫く貫通孔である連結孔862が形成されている。連結孔862には、取付ピン9が挿入される。
【0048】
ボディ2は、取付部8に着脱可能である。取付部8へのボディ2の着脱は、取付ピン9を介して行われる。連結部材861は、取付ピン9が引っ掛けられる爪と、爪を取付ピン9に向かって押すばねと、を有している。取付ピン9が下から上へと連結孔862に挿入されると、連結部材861の爪は、取付ピン9に押されて移動する。取付ピン9が所定の位置に移動すると、取付ピン9と爪とが接触していない状態となる。そのため、取付ピン9から爪に押圧が掛からなくなり、ばねにより爪が取付ピン9に向かって移動し取付ピン9に引っ掛かる。これにより、取付ピン9が下向きに移動することが抑制される。すなわち、ボディ2が取付ピン9を介して取付部8に取り付けられた状態となる。取付ピン9が更に上に移動すると、取付ピン9と爪との引っ掛かりが解除され、取付ピン9は連結部材861から取り外し可能となる。これにより、ボディ2を取付部8から取り外せる。なお、取付ピン9に爪が収容されていて、取付ピン9から突出する爪が連結部材861に引っ掛かるように構成されていてもよい。例えば、取付ピン9の軸方向から取付ピン9が押されることで、爪が取付ピン9から突出し、取付ピン9がもう1度押されることで、爪が取付ピン9に収容されるように構成されていてもよい。以上のような取付ピン9及び連結部材861の構造は、ダウンライト等の照明器具の天井材への取付構造としても用いてもよい。
【0049】
第7フレーム材87は、第6フレーム材86における第1フレーム材81側とは反対側の端に結合されている。第7フレーム材87は、第6フレーム材86の厚さ方向に延びている。第6フレーム材86から第7フレーム材87が延びている向きは、第1フレーム材81から第2~第5フレーム材82~85が延びている向きと同じ向き(下向き)である。第7フレーム材87には、第7フレーム材87とボディ2の挿入部3とを結合するためのねじが通される2つのねじ挿入孔871が形成されている。
【0050】
第2フレーム材82、第4フレーム材84及び第7フレーム材87の各々の先端(下端)は、ストッパ89に結合されている。ストッパ89は、円環状である。第2フレーム材82、第4フレーム材84及び第7フレーム材87の各々とストッパ89との結合点は、ストッパ89の周方向において90度の間隔でこの順に並んでいる。
【0051】
ボディ2の挿入部3が構造体300における孔330に挿入され、ボディ2が上に行き過ぎようとした場合に、ストッパ89が構造体300の第2の面302に接することで、ボディ2が上に行き過ぎることが抑制される。
【0052】
ストッパ89は、蓋部6を取付可能である。ストッパ89には、4つ(図5では3つ)の溝891が形成されている。4つの溝891は、ストッパ89の周方向において90度の間隔で並んでいる。4つの溝891は、蓋部6の4つの係止突起611と一対一で対応している。4つの溝891の各々には、対応する係止突起611が引っ掛けられる。これにより、蓋部6は、ストッパ89に取り付けられる。
【0053】
取付部8は、2つの羽部88と一対一で対応する2つの支柱881(図2参照)を更に有している。第3フレーム材83における第1フレーム材81側と反対側の端(下端)は、屈曲しており、この屈曲した部分と、ストッパ89との間を架け渡すように、2つの支柱881のうち一方が設けられている。同様に、第5フレーム材85における第1フレーム材81側と反対側の端(下端)は、屈曲しており、この屈曲した部分と、ストッパ89との間を架け渡すように、2つの支柱881のうち他方が設けられている。
【0054】
2つの羽部88の各々は、棒状である。2つの羽部88の各々は、対応する支柱881が挿入された貫通孔を有している。2つの羽部88の各々は、対応する支柱881を軸として回転可能である。
【0055】
各支柱881の外面には、ねじ山及びねじ溝が形成されている。各羽部88における支柱881が通される貫通孔の内面には、支柱881のねじ山及びねじ溝と噛み合うねじ山及びねじ溝が形成されている。羽部88における貫通孔に支柱881が通された状態で、支柱881を回転させることで、羽部88が支柱881の軸方向に移動する。これにより、2つの羽部88とストッパ89との間の距離を調整可能である。
【0056】
(構造体へのハブ装置の取付け)
次に、構造体300へのハブ装置1の取付け手順の一例を説明する。
【0057】
図2に示すように、取付部8は、構造体300に形成された孔330に挿入される。取付部8が孔330に挿入されるときは、2つの羽部88の回転角は、第1の回転角にされる。第1の回転角は、羽部88の長手方向が第1フレーム材81の短手方向(図2の紙面奥行き方向)に沿うときの回転角である。取付部8が孔330に挿入された後、2つの羽部88の回転角は、第2の回転角にされる。第2の回転角は、羽部88の長手方向が第1フレーム材81の長手方向(図2の紙面左右方向)に沿うときの回転角である。2つの羽部88は、第1の回転角と第2の回転角との間で90度回転する。取付部8は、2つの羽部88の回転角が第1の回転角のときは、第2の回転角のときと比較して、孔330の径方向における2つの羽部88の長さが短くなるので、孔330に挿入されやすい。2つの羽部88の回転角が第2の回転角となることで、2つの羽部88が孔330の外まで延びて、構造体300の第1の面301に接する。すなわち、取付部8は、2つの羽部88が構造体300の第1の面301に接するように構造体300に載せ置かれる。
【0058】
次に、支柱881を回転させ、羽部88を支柱881の軸方向に移動させることで、2つの羽部88とストッパ89との間に構造体300を挟む。
【0059】
ボディ2に設けられた複数の端子部7には、複数の配線W1と、配線W2、W3とが電気的に接続される。さらに、複数の配線W1及び配線W2、W3は、保持部材5に保持される。複数の端子部7に複数の配線W1と配線W2、W3とが電気的に接続され、複数の配線W1及び配線W2、W3が保持部材5に保持され、取付部8が構造体300の第1の面301に載せ置かれた後、ボディ2は、取付部8に取り付けられる。
【0060】
より詳細には、まず、ボディ2の延長部4、保持部材5及び挿入部3が、構造体300に形成された孔330に挿入される。次に、ボディ2に設けられた取付ピン9が連結部材861に取り付けられる。その後、ストッパ89(図5参照)の4つの溝891(図5参照)に蓋部6の4つの係止突起611(図5参照)が引っ掛けられることで、蓋部6がストッパ89に取り付けられる。
【0061】
さらに、第7フレーム材87(図5参照)に形成された2つのねじ挿入孔871(図5参照)にそれぞれねじを通して、第7フレーム材87と挿入部3とをねじ止めにより結合してもよい。
【0062】
以上により、ハブ装置1が構造体300に取り付けられる。また、ハブ装置1を構造体300に取り付ける際とは反対の作業により、ハブ装置1を構造体300から取り外すことができる。
【0063】
なお、ハブ装置1を構造体300に取り付けてから、蓋部6をストッパ89から取り外すと、複数の端子部7がボディ2の下の空間に露出する。したがって、ボディ2が取付部8を介して構造体300に取り付けられた状態であっても、複数の配線W1と配線W2、W3とを各端子部7に着脱できる。また、ハブ装置1を構造体300に取り付けてから、蓋部6をストッパ89から取り外すと、複数の表示灯13も、ボディ2の下の空間に露出する。したがって、各表示灯13の点灯状態を見ることで、各端子部P1~P10における通信状態を確認できる。ハブ装置1は、蓋部6をストッパ89から取り外した状態で構造体300に取り付けられて使用されてもよい。
【0064】
また、ハブ装置1において、延長部4と保持部材5との下方には、空間SP1が存在する。挿入部3に設けられた複数の端子部7は、空間SP1に露出している。したがって、作業者は、空間SP1に手等を挿入して、複数の端子部7に複数の配線W1及び配線W2、W3を電気的に接続する作業を行える。
【0065】
ハブ装置1を構造体300における孔330に挿入した場合、空間SP1は孔330の内縁と挿入部3とに囲まれた空間となる。空間SP1は、例えば長径が120mm以上650mm以下、短径が80mm以上620mm以下の楕円の円筒が入る大きさであることが好ましい。この場合、空間SP1に手を挿入して配線W1、W2、W3の抜き差しの作業をしやすくなる。空間SP1は、長径が120mm以上200mm以下、短径が80mm以上170mm以下の楕円の円筒が入る大きさであることがより好ましく、長径が120mm以上150mm以下、短径が80mm以上120mm以下の楕円の円筒が入る大きさであることが更に好ましい。
【0066】
(実施形態1の変形例)
以下に、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0067】
取付部8へのボディ2の取付けは、取付ピン9を用いた取付けに限定されない。例えば、ボディ2は、取付部8にねじ止めされることで取付部8に取り付けられてもよい。また、ボディ2と取付部8とにそれぞれ設けられたねじ山及びねじ溝が噛み合わされた状態でボディ2が回転させられることで、ボディ2が取付部8に取り付けられてもよい。
【0068】
取付部8において、羽部88の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0069】
端子部7を覆うカバー11は、ボディ2と一体に形成されていてもよい。
【0070】
取付部8は、構造体300に直接取り付けられなくてもよい。取付部8は、構造体300に固定された吊りボルト等の部材に取り付けられることで、間接的に構造体300に取り付けられてもよい。
【0071】
保持部材5の形状は、実施形態1に示した形状に限定されない。例えば、保持部材5は、貫通孔が形成された部材であって、貫通孔に複数の配線W1、W2、W3が通せるように構成されていてもよい。あるいは、保持部材5は、切欠きが形成された部材であって、切欠きの内側に複数の配線W1、W2、W3が通せるように構成されていてもよい。
【0072】
ストッパ89は、複数種類の蓋部6を択一的に取付け可能であってもよい。複数種類の蓋部6は、例えば、色が互いに異なり、その他の点では互いに同じ構成を有する。施工者等は、複数種類の蓋部6の中から、天井材等の構造体300の色と同じ色又は調和する色を有する蓋部6を選択して、ストッパ89に取り付けることができる。これにより、ハブ装置1の見栄えを良くすることができる。
【0073】
端子部7と配線W1、W2、W3とは、例えば、USB規格、HDMI(登録商標)規格、HDBaseT(登録商標)規格、又は、RJ45規格に準拠した形状を有していてもよい。
【0074】
ハブ装置1は、落下防止ワイヤを備えていてもよい。落下防止ワイヤの第1端は、天井材等の構造体300に取り付けられ、第2端は、ハブ装置1のボディ2及び取付部8のうち少なくとも一方に取り付けられる。ボディ2及び取付部8が構造体300から外れた場合に、ボディ2及び取付部8が落下する可能性を、落下防止ワイヤにより低減できる。
【0075】
表示灯13の機能は、ハブ装置1の通信状態を表示する機能に限定されない。表示灯13は、例えば、ハブ装置1の異常の有無を表示してもよい。また、ハブ装置1は、ハブ装置1の異常の有無を音により報知する報知部を備えていてもよい。報知部は、例えば、ブザーを含む。また、表示灯13及び報知部のうち少なくとも一方は、ハブ装置1のメンテナンス時に、作業者の点検操作に応じて異常の有無を光又は音により報知してもよい。
【0076】
ハブ装置1は、交流電力を受電する交流電源端子を備えていてもよい。さらに、ハブ装置1の交流電源端子は、送り配線端子であってもよい。商用電源PS1等から配線を介して送り配線端子に供給される交流電力は、ハブ装置1に供給される。さらに、ハブ装置1に供給された交流電力は、送り配線端子に送り配線された配線を介して、機器100に供給される。
【0077】
また、ハブ装置1は、交流電源端子を有したコンセントを備えていてもよい。コンセントは、例えば、ハブ装置1のボディ2に内蔵される。
【0078】
ハブ装置1は、交流電源端子を介した電力の受電と、配線W1を介した電力の受電とのうち、一方の機能を有していてもよいが、両方の機能を有することで、一方が不具合等により電力の伝送ができなくなった場合に、他方により電力の伝送ができる。つまり、ハブ装置1における電力伝送の機能を冗長化できる。
【0079】
ハブ装置1は、給電量及び受電量に関する情報を、外部に通知してもよい。例えば、ハブ装置1の動作を制御するコントローラに、給電量及び受電量に関する情報を通知してもよい。コントローラは、複数の機器100のうちの1つである。コントローラは、他の複数の機器100の動作を制御する。また、ハブ装置1は、コントローラ以外の機器100に、給電量及び受電量に関する情報を通知してもよい。また、ハブ装置1は、コントローラ又はコントローラ以外の機器100から、給電量及び受電量に関する情報の通知を受け取ってもよい。
【0080】
給電量及び受電量に関する情報の一例は、ハブ装置1及び複数の機器100の各々の使用電力量の情報である。また、コントローラは、ハブ装置1及び複数の機器100の各々の使用電力量の情報に基づいて、給電を制御してもよい。例えば、コントローラは、複数の機器100のうち給電の優先度が高い機器100に優先的に電力を供給してもよい。優先度の情報が予めコントローラに記憶されていてもよいし、コントローラにおける処理により優先度が判断されてもよい。なお、コントローラは、ハブ装置1に備えられていてもよい。
【0081】
ここで、給電を行うハブ装置1(以下、「給電ハブ」と称す)と、給電を行うハブ装置1から受電するハブ装置1(以下、「受電ハブ」と称す)とが電気的に接続されている場合の優先度の設定について説明する。なお、給電ハブ及び受電ハブの各々には、1又は複数の機器100が接続されてもよい。そして、受電ハブは、受電ハブに電気的に接続された1又は複数の機器100に給電してもよい。「給電ハブ」及び「受電ハブ」という呼称は、ある時点においての、これら2つのハブ装置1の間の給電と受電との関係を表す呼称である。場合によっては、給電ハブが受電ハブ及び機器100等から受電を行うことも可能であり、受電ハブが給電ハブ及び機器100等に対して給電を行うことも可能である。
【0082】
給電ハブと受電ハブとの間でパケット通信等の通信を行うことで、給電ハブは、受電ハブが電気的に接続されているという情報を得ることができる。そして、給電ハブは、受電ハブに対して、他の機器100よりも優先的に給電してもよい。例えば、給電ハブに、受電ハブと1又は複数の機器100が電気的に接続されている場合に、受電ハブに対する給電の優先度は、1又は複数の機器100に対する給電の優先度よりも高く設定されてもよい。
【0083】
実施形態1のハブ装置1は、MACアドレスと端子部7(ポート)との対応関係を記憶する機能を有するL2スイッチであるが、ハブ装置1は、L2スイッチに限定されない。ハブ装置1は、L3スイッチであってもよい。L3スイッチとしてのハブ装置1は、L2スイッチとしての機能に加えて、IPアドレスと端子部7(ポート)との対応関係を記憶し、IPアドレスを用いたルーティングを行う機能を有する。
【0084】
(実施形態1及び実施形態1の変形例のまとめ)
以上説明した実施形態1及び実施形態1の変形例から、以下の態様が開示されている。
【0085】
ハブ装置1は、ボディ2と、複数の端子部7と、取付部8と、を備える。複数の端子部7は、ボディ2に設けられる。複数の端子部7は、複数の配線W1、W2、W3を電気的に接続可能である。複数の配線W1、W2、W3は、通信用の複数の配線W1、W2を少なくとも含む。取付部8は、建物の一部を構成する構造体300にボディ2を取り付けるための部位である。
【0086】
上記の構成によれば、ハブ装置1を構造体300に取り付けられる。したがって、ハブ装置1が机の上等に置かれる場合と比較して、ハブ装置1が邪魔になる可能性を低減できる。
【0087】
また、ハブ装置1において、構造体300は、第1の面301と、第1の面301とは反対側の第2の面302と、を含む。第1の面301は、建物の隠蔽部400に露出する。ボディ2は、挿入部3を有する。挿入部3は、構造体300の第1の面301から第2の面302までを貫く孔330に挿入される。
【0088】
上記の構成によれば、挿入部3が孔330に挿入されることで、挿入部3の少なくとも一部は、孔330の内側又は隠蔽部400に配置されて、隠蔽部400の外からは見え難くなる。したがって、ハブ装置1が目立ちにくくなる。
【0089】
また、ハブ装置1は、ストッパ89を更に備える。ストッパ89は、挿入部3につながっている。ストッパ89は、第2の面302と向かい合う側から見て挿入部3を基点として第2の面302に沿った方向に延びている。
【0090】
上記の構成によれば、構造体300に形成される孔330に挿入部3を挿入する作業において、ストッパ89が孔330の周縁に接する場合は、ストッパ89が構造体300に接する位置よりも奥へ挿入部3を移動させてしまうことを抑制できる。
【0091】
また、ハブ装置1において、ボディ2は、延長部4を更に有する。延長部4は、挿入部3につながっている。延長部4は、第1の面301と向かい合う側から見て挿入部3を基点として第1の面301に沿った方向に延びている。複数の端子部7のうち少なくとも1つは、延長部4に設けられる。
【0092】
上記の構成によれば、延長部4が無い場合よりも複数の端子部7が設けられるスペースを確保しやすくなる。また、延長部4が第2の面302から第1の面301に向かう方向にのみ延びている場合と比較して、当該方向において隠蔽部400のスペースを圧迫することを抑制できる。
【0093】
また、ハブ装置1は、少なくとも1つのカバー11を更に備える。カバー11は、複数の端子部7のうち少なくとも1つの端子部7と一対一で対応する。カバー11は、開口部12を含む。カバー11は、開口部12の周縁により少なくとも1つの端子部7を覆う。開口部12は、下又は斜め下から見て少なくとも1つの端子部7が露出するように形成されている。
【0094】
上記の構成によれば、上から見て端子部7が露出している場合と比較して、端子部7に埃及び水滴が付着する可能性が低減する。
【0095】
また、ハブ装置1において、複数の端子部7は、ボディ2の下の空間に露出している。
【0096】
上記の構成によれば、ボディ2を構造体300としての天井材等に取り付けた場合に、ボディ2が構造体300に取り付けられたままの状態であっても、追加の配線を端子部7に接続しやすい。
【0097】
また、ハブ装置1において、複数の端子部7は、複数の配線W1、W2、W3を抜き差し可能に構成されている。
【0098】
上記の構成によれば、端子部7に接続された配線W1、W2、W3の取替え及びハブ装置1における配線W1、W2、W3の接続箇所の変更が容易である。
【0099】
また、ハブ装置1は、保持部材5を更に備える。保持部材5は、複数の端子部7とは別に設けられる。保持部材5は、複数の端子部7に電気的に接続された複数の配線W1、W2、W3のうち少なくとも1つの配線を保持する。
【0100】
上記の構成によれば、ハブ装置1とは別の部材を用いることなく、配線W1、W2、W3を保持できる。
【0101】
また、ハブ装置1において、ボディ2は、構造体300に取り付けられる取付部8とは別体であり、取付部8に取付け可能である。
【0102】
上記の構成によれば、取付部8とボディ2とを個別に設計できる。
【0103】
また、ハブ装置1において、ボディ2は、取付部8に着脱可能である。
【0104】
上記の構成によれば、取付部8及びボディ2のうち一方を新しい取付部8又はボディ2に交換する場合に、他方を引き続き使用できる。
【0105】
また、ハブ装置1において、複数の端子部7は、電力及び信号の両方の入力用の端子部と、電力及び信号の両方の出力用の端子部とのうち、少なくとも一方を含む。
【0106】
上記の構成によれば、1つの端子部7において電力と信号との両方を入力又は出力できるので、端子部7の数を減らせる。
【0107】
また、ハブ装置1において、複数の端子部7は、電力の入力用の端子部72を含む。電力の入力用の端子部72は、電源(商用電源PS1)から出力され電力変換器120で変換された電力の入力を受け付ける。
【0108】
上記の構成によれば、電力を外部の電源から得られる。
【0109】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係るハブ装置1Aについて、図7、8を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施形態のハブ装置1Aは、ボディ2Aと、取付部8Aと、を備えている。取付部8Aは、ボディ2Aに組み込まれている。取付部8Aは、2つの羽部88と、2つの羽部88と一対一で対応する2つ(図7では1つ)の支柱881と、を有している。
【0111】
各羽部88は、対応する支柱881を軸として回転可能である。2つの羽部88の回転角が第1の回転角のときは、2つの羽部88は、ボディ2Aの挿入部3Aに設けられた窪み34に収容される。この状態で、挿入部3Aは、構造体300(図2参照)に形成された孔330(図2参照)に挿入される。2つの羽部88の回転角が第2の回転角のときは、2つの羽部88は、挿入部3Aから突出する。この状態で、ハブ装置1Aは、2つの羽部88が構造体300の第1の面301(図2参照)に接するように構造体300に載せ置かれる。
【0112】
ボディ2Aは、挿入部3Aと、蓋部6と、を有している。挿入部3Aは、挿入本体35と、2つの側壁36と、を備えている。挿入本体35は、円柱を円柱の軸方向に対して斜めに切断してなる立体の形状を有している。そのため、挿入本体35は、軸方向に対して斜めである面351を含む。面351は、長方形状である。
【0113】
複数の端子部7(端子部P1~P10、71、72)は、面351に設けられている。ハブ装置1Aが構造体300に取り付けられた状態において、挿入本体35の軸方向は、上下方向に沿う。ハブ装置1Aが構造体300に取り付けられた状態において、挿入本体35の面351は、鉛直方向(上下方向)に対して斜めとなる。カバー11のうち開口部12が形成された面111は、挿入本体35の面351に沿って形成されている。言い換えると、面111は、面351と略平行である。そのため、ハブ装置1Aが構造体300に取り付けられた状態において、カバー11のうち開口部12が形成された面111は、鉛直方向に対して斜めとなる。
【0114】
挿入本体35は、軸方向における第1端に上面352を有し、第2端に下面を有している。挿入本体35の下面は、蓋部6と対向する。挿入本体35の上面352は、挿入本体35の下面よりも大きい。挿入本体35は、上から下に行くにつれて、上下方向と直交する断面における面積が小さくなる。挿入本体35の面351の法線の向きは、斜め下向きである。カバー11のうち開口部12が形成された面111の法線の向きは、鉛直方向に対して斜め下向きである。面351の法線に沿った方向から見て、複数の端子部7は、カバー11の開口部12を通して露出する。つまり、各カバー11の開口部12は、斜め下から見て端子部7が露出するように形成されている。挿入本体35の面351に設けられた複数の端子部7は、ボディ2Aの下の空間に露出している。
【0115】
ハブ装置1Aの保持部材5Aは、挿入部3Aにねじ止めにより結合されている。挿入部3Aの2つの側壁36は、挿入本体35の面351のうち、鉛直方向に対して斜めとなる2辺から突出している。複数の端子部7に電気的に接続された複数の配線W1、W2、W3は、挿入本体35と2つの側壁36とに囲まれた空間37を通り、保持部材5Aの基端部51Aと2つの腕部52Aとに囲まれた空間53Aに通される。
【0116】
ストッパ89は、取付部8Aの外部の構成としてハブ装置1に備えられる。ストッパ89は、ねじ止めにより挿入本体35の下面に結合されている。蓋部6は、ストッパ89に取り付けられる。蓋部6は、ストッパ89を介して挿入部3Aに取り付けられる。
【0117】
図示は省略するが、挿入本体35の下面には、複数の表示灯13(図4参照)が設けられている。
【0118】
なお、カバー11のうち開口部12が形成された面111の法線の向きは、鉛直方向に対して斜め上向きであってもよい。
【0119】
(実施形態2のまとめ)
以上説明した実施形態2から、以下の態様が開示されている。
【0120】
ハブ装置1Aは、少なくとも1つのカバー11を更に備える。カバー11は、複数の端子部7のうち少なくとも1つの端子部7と一対一で対応する。カバー11は、開口部12を含む。カバー11は、開口部12の周縁により少なくとも1つの端子部7を覆う。少なくとも1つの端子部7は、開口部12を通して複数の配線W1、W2、W3のうち少なくとも1つの配線を差込み接続可能に構成される。開口部12は、少なくとも1つのカバー11のうち鉛直方向に対して斜めとなる面111に形成されており少なくとも1つの端子部7を露出させる。
【0121】
上記の構成によれば、鉛直方向に対して斜めとなる面111の法線方向が斜め上向きで、端子部7が端子部7の斜め上の空間へ露出している場合は、端子部7が端子部7の真上の空間へのみ露出している場合よりも、配線W1、W2、W3を端子部7に電気的に接続しやすい。鉛直方向に対して斜めとなる面111の法線方向が斜め下向きで、端子部7が端子部7の斜め下の空間へ露出している場合は、端子部7が端子部7の真下の空間へのみ露出している場合よりも、配線W1、W2、W3が端子部7から外れにくい。
【0122】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係るハブ装置1Bについて、図9を用いて説明する。実施形態2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0123】
ハブ装置1Bのボディ2Bは、挿入部3Bと、延長部4Bと、を有している。挿入部3Bは、挿入本体35Bと、2つの側壁36Bと、を備えている。ハブ装置1Bは、複数の端子部7として、端子部P1~P6と、端子部71、72とを備えている。
【0124】
挿入本体35Bは、半円柱状である。挿入本体35Bにおいて、円柱の断面に相当する面353には、複数の端子部7が設けられている。面353は、上下方向に沿っている。各端子部7を覆うカバー11は、上下方向と直交する一方向に開口しており、端子部7は、該一方向から見て露出している。端子部7には、該一方向から複数の配線W1、W2、W3を抜き差し可能である。これにより、端子部7が例えば上からのみ複数の配線W1、W2、W3を抜き差し可能に構成されている場合と比較して、端子部7に水滴及び埃等が付着する可能性を低減できる。
【0125】
挿入部3Bの2つの側壁36Bは、挿入本体35Bの面353のうち、挿入本体35Bの軸方向に沿った2辺から突出している。2つの側壁36Bにおいて、互いに向かい合う面361は、円柱側面状に湾曲している。延長部4Bは、挿入本体35Bの軸方向の第1端(上端)から、軸方向と直交する向きに延びている。
【0126】
ストッパ89Bは、挿入部3Bと一体である。蓋部6Bは、ストッパ89Bに取り付けられる。
【0127】
ストッパ89Bが床等に接するようにしてハブ装置1Bを床等に置いた状態で、複数の端子部7が設けられた面353は、鉛直方向に沿う。また、複数の端子部7は、この面353に集約されている。したがって、ハブ装置1Bを床等に置いた状態において、複数の配線W1、W2、W3を複数の端子部7に対して抜き差しすることが容易である。
【0128】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係るハブ装置1Cについて、図10A~10Cを用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、ハブ装置1Cのボディ2Cを構造体300に取り付けるための取付部の構造としては、例えば、実施形態1~3のいずれかに示した構造を採用すればよいので、取付部についての説明は省略する。
【0129】
ハブ装置1Cのボディ2Cは、挿入部3Cと、延長部4Cと、を有している。挿入部3Cは、直方体状である。下から見て、挿入部3Cの4つの角部38は、R状となっている。延長部4Cは、直方体状である。延長部4Cは、挿入部3Cにつながっている。
【0130】
挿入部3Cは、構造体300に形成された孔330の内側に配置される。このとき、延長部4Cは、構造体300の第1の面301と向かい合う側(上)から見て挿入部3Cを基点として第1の面301に沿った方向に延びている。より詳細には、延長部4Cは、挿入部3Cの上端から、上下方向と直交する向きに延びている。延長部4Cは、建物の隠蔽部400に配置される。延長部4Cは、上下方向において構造体300の第1の面301と対向する。
【0131】
挿入部3Cの上端のうち、延長部4Cとつながっている側とは反対側の角部39は、R状となっている。
【0132】
挿入部3Cは、内部に空洞H1を有している。この空洞には、ハブ装置1Cをスイッチングハブ装置として機能させるための回路を実装した基板等が収容されている。
【0133】
延長部4Cにおいて、挿入部3C側とは反対側の先端面41には、複数(図10Cでは2つ)の端子部P1、P2が設けられている。挿入部3Cの下面32Cには、複数(図10Bでは4つ)の端子部P3~P6と、端子部71と、が設けられている。
【0134】
複数の端子部P3~P6はそれぞれ、複数の端子部P1、P2とは別の機能を有する。具体的には、複数の端子部P1、P2はそれぞれ、電力の入力と信号の入出力とのための端子部(第1の端子部)である。複数の端子部P3~P6はそれぞれ、電力の出力と信号の入出力とのための端子部(第2の端子部)である。また、端子部71は、信号の入出力用の端子部である。
【0135】
複数の端子部P1、P2が設けられた挿入部3Cの下面32Cと、複数の端子部P3~P6が設けられた延長部4Cの先端面41とでは、法線方向が互いに異なる。その結果、複数の端子部P1、P2(第1の端子部)の各々において複数の配線W1のうち1つの配線が差し込まれる向きは、複数の端子部P3~P6(第2の端子部)の各々において複数の配線W1のうち1つの配線が差し込まれる向きとは異なる。より詳細には、配線W1は、複数の端子部P1、P2には下から上向きに差し込まれ、複数の端子部P3~P6には上下方向と直交する向きに差し込まれる。
【0136】
構造体300にボディ2Cを取り付ける際には、まず、延長部4Cを孔330に挿入し、次に、挿入部3Cの下面32C及び延長部4Cの先端面41に直交する平面内でボディ2Cを回転させながら、挿入部3Cを孔330に挿入する。これにより、図10Aに示すように、延長部4Cが隠蔽部400に配置され、挿入部3Cが孔330の内側に配置される。
【0137】
本実施形態によれば、端子部P1、P2を設けるための延長部4Cが挿入部3Cを基点として第1の面301に沿った方向に延びている。そのため、延長部4Cが第1の面301の法線方向(上向き)に延びている場合と比較して、ボディ2Cのうち第1の面301よりも上に位置する部分の上下方向の寸法を抑えられる。したがって、隠蔽部400(天井裏)の上下方向の高さが比較的低くてもハブ装置1Cを構造体300に取り付けられる。
【0138】
本実施形態においても、ボディ2Cは蓋部6(図2参照)を有していてもよい。
【0139】
(実施形態4のまとめ)
以上説明した実施形態4から、以下の態様が開示されている。
【0140】
ハブ装置1は、少なくとも1つのカバー11を更に備える。カバー11は、複数の端子部7のうち少なくとも1つの端子部7と一対一で対応する。カバー11は、開口部12を含む。カバー11は、開口部12の周縁により少なくとも1つの端子部7を覆う。少なくとも1つの端子部7は、開口部12を通して複数の配線W1、W2、W3のうち少なくとも1つの配線を差込み接続可能に構成される。複数の端子部7は、第1の端子部(端子部P1、P2)と、第1の端子部とは別の機能を有する第2の端子部(端子部P3~P6)と、を含む。第1の端子部において複数の配線W1、W2、W3のうち1つの配線が差し込まれる向きは、第2の端子部において複数の配線W1、W2、W3のうち1つの配線が差し込まれる向きとは異なる。
【0141】
上記の構成によれば、第1の端子部と第2の端子部とを区別しやすい。
【0142】
また、ハブ装置1において、第1の端子部(端子部P1、P2)は、電力及び信号の少なくとも一方の入力用の端子部である。第2の端子部(端子部P3~P6)は、電力及び信号の少なくとも一方の出力用の端子部である。
【0143】
上記の構成によれば、入力用の端子部と出力用の端子部とを区別しやすい。
【0144】
(実施形態5)
以下、実施形態5に係るハブ装置1Dについて、図11図15を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0145】
図11図13に示すように、ハブ装置1Dは、ボディ2Dと、複数(6つ)の端子部7と、取付部8Dと、蓋部6Dと、を備えている。ボディ2Dは、挿入部3Dと、延長部4Dと、保持部材5Dと、を有している。複数の端子部7には、複数の配線W1、W2、W3が電気的に接続される。なお、図13では2つの配線W1の各々の一部のみを図示し、図11図12図14図15では複数の配線W1、W2、W3の図示を省略した。
【0146】
実施形態1と同様に、ボディ2Dと取付部8Dとは別体である。取付部8Dが構造体300に取り付けられた後、ボディ2Dが取付部8Dに取り付けられる。すなわち、ボディ2Dは、取付部8Dを介して構造体300に取り付けられる。
【0147】
挿入部3Dは、半円柱状である。ボディ2Dが取付部8Dを介して構造体300に取り付けられた状態において、延長部4Dは、挿入部3Dの上下方向の中心よりも上部につながっている。延長部4Dは、第1の面301と向かい合う側から見て挿入部3Dを基点として第1の面301に沿った方向に延びている。より詳細には、延長部4Dは、挿入部3Dの上端付近から、上下方向と直交する方向に沿って突出している。延長部4Dは、半円柱の一部を切り欠いた形状を有している。上から見て、ボディ2Dのうち挿入部3D及び延長部4Dからなる構造の形状は、切欠きを有する円状である。ボディ2Dをこのような形状にすることで、実施形態1のボディ2と比較して、上から見たボディ2Dの大きさを大きくすることができる。そのため、ボディ2Dの内部の空間SP2における基板等の配置スペースを確保しやすくできる。延長部4Dの切り欠き部分に相当する空間には、保持部材5Dが配置されている。
【0148】
保持部材5Dは、実施形態1の腕部52に相当する構成である腕部52Dを有している。本実施形態5の保持部材5Dは、腕部52Dのみからなる。上下方向から見て、腕部52Dの形状は、円弧状である。腕部52Dは、挿入部3Dから突出している。腕部52Dの先端と延長部4Dとの間には、隙間54が設けられている。
【0149】
腕部52Dと挿入部3Dと延長部4Dとに囲まれた空間53には、複数の配線W1、W2、W3が通される。複数の配線W1、配線W2、W3は、例えば、空間53の外側から隙間54を経由して空間53に配置される。複数の配線W1、配線W2、W3は、空間53において上下方向に沿って配置される。これにより、複数の配線W1、W2、W3は、上下方向と直交する方向への移動が規制される。
【0150】
挿入部3Dは、挿入本体35と、収容部37Dと、複数(3つ、ただし図13では2つのみを図示)の突出部374と、を有している。挿入本体35は、半円筒状である。収容部37Dは、上面が開口した半円柱状である。上下方向から見て、収容部37Dの外形形状は、挿入本体35の外形形状に沿っている。収容部37Dは、挿入本体35に取り付けられている。また、挿入本体35から収容部37Dを取り外すことができる。収容部37Dは、挿入本体35を下から覆っている。
【0151】
複数の突出部374は、収容部37Dから突出している。複数の突出部374の突出方向は、上下方向と直交する方向に沿っている。上下方向から見て、複数の突出部374は、収容部37Dの外周面のうち円弧状の領域において略等間隔に配置されている。より詳細には、複数の突出部374は、収容部37Dの外周面のうち円弧状の領域において略120度の間隔で配置されている。
【0152】
挿入部3Dの下面375(収容部37Dの下面)には、開口部3750が形成されている。開口部3750を通して、複数(図13では6つ)の表示灯13が露出している。
【0153】
6つの表示灯13のうち1つの表示灯13(以下、表示灯13Dとも称す)は、ハブ装置1Dの特定の状態に応じて点灯状態が変化する。これにより、表示灯13Dは、特定の状態を表示する。本実施形態5では、特定の状態は、ハブ装置1DがBlueTooth(登録商標)等の規格に準拠した近距離無線通信を行っているか否かの状態である。例えば、ハブ装置1Dが近距離無線通信を行っているとき、表示灯13Dが点灯し、ハブ装置1Dが近距離無線通信を行っていないとき、表示灯13Dが消灯する。
【0154】
6つの表示灯13のうち残りの5つの表示灯は、6つの端子部7のうち5つの端子部7と一対一で対応する。各表示灯13は、5つの端子部7のうち対応する端子部における通信状態に応じて、点灯状態が変化する。
【0155】
複数の端子部7は、挿入本体35のうち、上下方向に沿った面353に設けられている。各端子部7を覆うカバー11は、上下方向と直交する一方向に開口しており、端子部7は、該一方向から見て露出している。端子部7には、該一方向から複数の配線W1、W2、W3を抜き差し可能である。これにより、端子部7が例えば上からのみ複数の配線W1、W2、W3を抜き差し可能に構成されている場合と比較して、端子部7に水滴及び埃等が付着する可能性を低減できる。
【0156】
ボディ2Dは、キャップ14を更に有している。キャップ14は、有底筒状に形成されている。図14に示すように、キャップ14の底部には、複数の貫通孔141が形成されている。キャップ14の底部の構造は、複数の貫通孔141が形成されたハニカム構造である。
【0157】
キャップ14は、挿入部3D及び延長部4Dからなる構造を上から覆っている。挿入部3D及び延長部4Dはそれぞれ、内部に空間を有しており、挿入部3Dの内部の空間と延長部4Dの内部の空間とはつながって1つの空間SP2(ボディ2Dの内部の空間。図15参照)を形成している。キャップ14は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間を覆っている。また、ハブ装置1Dでは、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間で生じる熱を、キャップ14の複数の貫通孔141を通して排熱することができる。
【0158】
上から見て、キャップ14の外形形状は、挿入部3D及び延長部4Dからなる構造の外形形状と略一致している。すなわち、上から見て、キャップ14の形状は、切欠きを有する円状である。キャップ14をこのような形状にすることで、上から見たキャップ14の外形の大きさを確保できる。これにより、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間で生じる熱の排熱を効率良く行える。
【0159】
図15に示すように、ハブ装置1Dは、複数(図15では6つ)の実装基板151~156と、複数(図15では2つ)のヒートシンク17、18と、を更に備えている。複数の実装基板151~156及び複数のヒートシンク17、18は、ボディ2Dの内部の空間SP2、すなわち、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間に配置されている。複数の実装基板151~155及び複数のヒートシンク17、18の少なくとも一部は、挿入本体35に収容されている。実装基板156は、収容部37Dに収容されている。
【0160】
複数の実装基板151~156の各々は、基板と、基板に実装された少なくとも1つの電子部品16と、を含む。より詳細には、実装基板151は基板1510を含む。実装基板152は基板1520を、実装基板153は基板1530を、実装基板154は基板1540を、実装基板155は基板1550を、実装基板156は基板1560を含む。
【0161】
実装基板151は、電源基板である。すなわち、実装基板151には、電源回路が形成されている。電源回路は、商用電源PS1(図1参照)等の電源から出力され電力変換器120(図1参照)で変換された電力を所望の電圧の電力に変換し、ハブ装置1Dのうち電源回路以外の回路に供給する。電源回路は、例えば、降圧チョッパを含み、降圧チョッパは、電子部品16としてのスイッチング素子を複数個含んでいる。スイッチング素子は、例えば、トランジスタからなる。
【0162】
実装基板151は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間のうち上部に配置されている。より詳細には、実装基板151の少なくとも一部は、延長部4Dの内部の空間に配置されており、延長部4Dは、挿入部3Dの上端付近から突出している。実装基板151の基板1510の厚さ方向は、上下方向に沿っている。
【0163】
ヒートシンク17は、例えば、アルミニウムを材料として形成されている。ヒートシンク17は、ベース171と、複数のフィン172と、を有している。ベース171は、板状に形成されている。ベース171の厚さ方向は、上下方向に沿っている。上下方向から見たベース171の形状は、挿入部3D及び延長部4Dの内縁に沿った形状である。ベース171は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間を上から覆っている。複数のフィン172は、ベース171の上面から突出している。
【0164】
ヒートシンク17は、実装基板151の上に配置されている。ヒートシンク17のベース171は、実装基板151の基板1510の上面に配置されたスイッチング素子等の複数の電子部品16のうち、少なくとも一部の電子部品16に接している。また、ヒートシンク17は、少なくとも一部の電子部品16に接する複数の突起部173を有している。複数の突起部173は、ベース171の下面から突出している。
【0165】
ヒートシンク17の上には、キャップ14が配置されている。ヒートシンク17は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間で発生する熱を、キャップ14を通してハブ装置1Dの外部に放熱する。ヒートシンク17は、例えば、基板1510に実装されたトランジスタ等の電子部品16から受け取った熱を、キャップ14を通してハブ装置1Dの外部に放熱する。
【0166】
基板1520、1530、1540、1550は、基板1510の下に配置されている。また、基板1520の下に基板1550が配置されており、基板1520と基板1550との間に基板1530と基板1540とが配置されている。基板1520、1550の各々の厚さ方向は、上下方向に沿っている。基板1530、1540の厚さ方向は、上下方向と直交する一方向に沿っており、基板1530、1540は、該一方向に並んでいる。
【0167】
基板1520、1530、1540、1550には、ハブ装置1Dとハブ装置1Dの外部の複数の機器100(図1参照)との間の通信に関わる部品が実装されている。基板1520には、1つの端子部7(図13参照)と、端子部7を覆うカバー11と、複数の電子部品16とが実装されている。基板1550には、5つの端子部7(図13参照)と、5つの端子部7を覆う5つ(図15では1つのみを図示)のカバー11と、複数の電子部品16とが実装されている。基板1530、1540にはそれぞれ、複数の電子部品16が実装されている。
【0168】
ヒートシンク18は、例えば、アルミニウムを材料として形成されている。ヒートシンク18は、ベース181と、複数のフィン182と、を有している。ベース181は、板状に形成されている。ベース181の厚さ方向は、上下方向と直交する一方向に沿っている。複数のフィン182は、ベース181から該一方向に突出している。
【0169】
ベース181は、基板1540に実装された複数の電子部品16のうち、少なくとも一部の電子部品16に接している。また、ヒートシンク18は、少なくとも一部の電子部品16に接する複数の突起部183を有している。複数の突起部183は、ベース181から突出している。また、ベース181は、ヒートシンク17のベース171に機械的にかつ熱的に結合されている。
【0170】
ヒートシンク18は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間で発生する熱を、ヒートシンク17に伝導する。ヒートシンク18は、例えば、基板1540に実装された電子部品16から受け取った熱を、ヒートシンク17に伝導する。
【0171】
基板1560は、基板1550の下に配置されている。基板1560の厚さ方向は、上下方向に沿っている。基板1560に形成された配線は、複数の表示灯13に電気的に接続されている。
【0172】
上述の通り、収容部37Dの下面375に形成された開口部3750を通して、複数の表示灯13が露出している。より詳細には、挿入部3Dに蓋部6Dが取り付けられていない状態において、複数の表示灯13が構造体300(天井材)の下の室内の空間に露出する。一方で、挿入部3Dに蓋部6Dが取り付けられている状態では、1つの表示灯13Dは、蓋部6Dの挿通孔62を通して構造体300(天井材)の下の室内の空間に露出し、残りの5つの表示灯13は、蓋部6Dに覆われているため、室内の空間に露出しない。
【0173】
また、上述の通り、基板1510は、挿入部3D及び延長部4Dの内部の空間のうち上部に配置されている。基板1510は、複数の基板1510、1520、1530、1540、1550、1560の中で、最も上に配置されている。そのため、基板1510を含む実装基板151で発生する熱をボディ2Dの上へ排熱しやすい。さらに、実装基板151に隣接してヒートシンク17が設けられているため、ヒートシンク17が無い場合と比較して、実装基板151で発生する熱の排熱が効率的に行われる。実装基板151に形成された電源回路は、発熱源となるトランジスタを含むため、実装基板151における発熱量は実装基板152~155の各々における発熱量よりも大きくなりやすい。そこで、上記のように実装基板151で発生する熱の排熱を効率的に行うことで、ボディ2Dの内部の空間SP2の温度上昇の低減を図ることができる。
【0174】
図11に示すように、蓋部6Dは、円盤状である。蓋部6Dの中心には、挿通孔62が形成されている。蓋部6Dは、蓋部6Dを取付部8Dに取り付けるための4つの突起611Dを有している。4つの突起611Dが、取付部8Dに引っ掛けられることにより、蓋部6Dが取付部8Dに取り付けられる。
【0175】
次に、取付部8Dの構造について図11図12を参照して説明する。
【0176】
取付部8Dは、筒状部81Dと、複数(3つ)の羽部88と、複数(3つ)の支柱881と、ストッパ89と、を有している。
【0177】
筒状部81Dは、円筒状に形成されている。筒状部81Dの軸方向は、上下方向に沿っている。筒状部81Dには、蓋部6Dの4つの突起611Dが挿入される4つの取付孔812が形成されている。
【0178】
ストッパ89は、円環状に形成されている。ストッパ89は、筒状部81Dに結合されている。ストッパ89は、筒状部81Dの下端から筒状部81Dの径方向外側に向かって突出している。
【0179】
複数の支柱881は、筒状部81Dに保持されている。複数の羽部88及び複数の支柱881の構成は、実施形態1と同様なので、説明を省略する。
【0180】
取付部8Dは、複数(3つ)のばね部82D(図11図14参照)と、複数(3つ)の突台部83D(図11参照:図11では1つのみを図示)と、を更に有している。3つのばね部82Dは、筒状部81Dに固定されている。3つのばね部82Dは、筒状部81Dの内周面付近に配置されている。3つのばね部82Dは、筒状部81Dの周方向において略等間隔に並んでいる。3つのばね部82Dは、板ばねである。3つのばね部82Dは、挿入部3Dの3つの突出部374と一対一で対応している。3つの突台部83Dは、筒状部81Dの内周面から突出している。3つの突台部83Dは、3つのばね部82Dと一対一で対応している。3つの突台部83Dはそれぞれ、対応するばね部82Dに隣接している。3つのばね部82Dはそれぞれ、対応する突台部83Dとの間に、対応する突出部374を保持する(挟む)。
【0181】
次に、図11を参照して、ハブ装置1Dを構造体300に取り付ける手順の一例を説明する。
【0182】
まず、実施形態1と同様に、取付部8Dが構造体300に取り付けられる。すなわち、取付部8Dは、構造体300に形成された孔330に挿入される。取付部8Dが孔330に挿入されるときは、作業者の操作により、2つの羽部88の回転角は、第1の回転角にされる。取付部8Dが孔330に挿入された後、作業者の操作により、2つの羽部88が略90度回転させられ、2つの羽部88の回転角は、第2の回転角にされる。2つの羽部88の回転角が第2の回転角となることで、2つの羽部88が孔330の外まで延びて、構造体300の第1の面301に接する。すなわち、取付部8Dは、2つの羽部88が構造体300の第1の面301に接するように構造体300に載せ置かれる。
【0183】
次に、支柱881を回転させ、羽部88を支柱881の軸方向に移動させることで、2つの羽部88とストッパ89との間に構造体300を挟む(図15参照)。以上により、取付部8Dが構造体300に取り付けられる。
【0184】
一方で、ボディ2Dに設けられた複数の端子部7には、複数の配線W1、W2、W3が電気的に接続される。さらに、複数の配線W1、W2、W3は、保持部材5Dに保持される。複数の端子部7に複数の配線W1、W2、W3が電気的に接続され、複数の配線W1、W2、W3が保持部材5Dに保持され、取付部8Dが構造体300の第1の面301に載せ置かれた後、ボディ2Dは、取付部8Dに取り付けられる。
【0185】
より詳細には、まず、ボディ2Dが、構造体300に形成された孔330に挿入される。次に、ボディ2Dが回転させられる。これにより、3つの突出部374がそれぞれ、突台部83Dに載せ置かれ、かつ、対応するばね部82Dと突台部83Dとの間に保持される(挟まれる)位置に移動する。これにより、ボディ2Dが取付部8Dに取り付けられる。すなわち、ボディ2Dが、取付部8Dを介して構造体300に取り付けられる。また、突出部374が突台部83Dから離れるようにボディ2Dが取付部8Dに対して回転することが、ばね部82Dのばね力により抑制される。
【0186】
その後、筒状部81Dに形成された4つの取付孔812(図12参照)に、蓋部6Dの4つの突起611Dが挿入されることで、4つの突起611Dが筒状部81Dに引っ掛けられる。これにより、蓋部6Dが筒状部81Dに取り付けられる。
【0187】
以上により、ハブ装置1Dが構造体300に取り付けられる。また、ハブ装置1Dを構造体300に取り付ける際とは反対の作業により、ハブ装置1Dを構造体300から取り外すことができる。
【0188】
なお、ハブ装置1Dを構造体300に取り付けてから、蓋部6Dを筒状部81Dから取り外すと、複数の表示灯13がボディ2Dの下の空間に露出する。したがって、ボディ2Dが取付部8Dを介して構造体300に取り付けられた状態であっても、各表示灯13の点灯状態を見ることで、ハブ装置1Dの通信状態を確認できる。また、蓋部6Dが筒状部81Dに取り付けられた状態であっても、蓋部6Dの挿通孔62を通して露出した1つの表示灯13Dの点灯状態を見ることで、表示灯13Dに対応した通信状態を確認できる。本実施形態5では、上述の通り、表示灯13Dは、ハブ装置1Dが近距離無線通信を行っているか否かの状態を表示する。
【0189】
ハブ装置1Dは、蓋部6Dを筒状部81Dから取り外した状態で構造体300に取り付けられて使用されてもよい。
【0190】
(実施形態5の変形例)
以下に、実施形態5の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0191】
ハブ装置1Dは、キャップ14の複数の貫通孔141を通って浸入する水を排水するための排水構造を有していてもよい。例えば、ボディ2Dの内部に傾斜面及び排水溝のうち少なくとも一方を設け、傾斜面及び排水溝のうち少なくとも一方に沿って水がボディ2Dの外に排水されるように構成されていてもよい。水は、例えば、ハブ装置1Dの側面又は底面に設けられた貫通孔から排水されればよい。
【0192】
複数の配線W1、W2、W3のうちの少なくとも1つは、フラットケーブルであってもよい。そして、蓋部6Dと取付部8D又はボディ2Dとの間には、フラットケーブルを通すための隙間が設けられていてもよい。あるいは、蓋部6D、取付部8D又はボディ2Dには、フラットケーブルを通すための貫通孔が形成されていてもよい。つまり、ハブ装置1Dは、フラットケーブルを通すための隙間又は貫通孔等の挿通部を備えていてもよい。これにより、蓋部6Dが筒状部81Dに取り付けられた状態で、フラットケーブルをハブ装置1Dの外部(室内)に引き出された状態にできる。フラットケーブルの厚みは、例えば、1mm程度である。フラットケーブルの幅は、例えば、10mm程度である。上記の隙間及び貫通孔は、例えば、フラットケーブルの寸法と等しい大きさに形成される。ここで、「等しい」とは、厳密に一致する場合に限定されず、許容される誤差の範囲内で異なる場合を含む。許容される誤差は、例えば、5%以下の誤差又は10%以下の誤差である。なお、上記の隙間及び貫通孔は、フラットケーブルの寸法よりも大きくてもよい。
【0193】
ハブ装置1Dは、複数の配線W1、W2、W3のうちの少なくとも1つをハブ装置1Dの下に引き出し可能に構成されていてもよい。例えば、配線W1、W2又はW3としてのフラットケーブルを通すための上述の隙間又は貫通孔を設けることで、フラットケーブルをハブ装置1Dの下に引き出し可能である。また、ハブ装置1Dの下に引き出される配線W1、W2又はW3はフラットケーブルに限らず、任意の配線であってもよい。天井材にハブ装置1Dが取り付けられた部屋に設置された機器100(図1参照)は、ハブ装置1Dから下に引き出された配線W1、W2又はW3を介して、ハブ装置1Dとの間で電力の伝送及び通信が可能である。例えば、ハブ装置1Dは、天井に設置された機器100に電力を供給できる。
【0194】
ボディ2Dの内部の空間SP2には、ファンが配置されていてもよい。ファンを駆動することにより、ハブ装置1Dの排熱効率の向上を図ることができる。
【0195】
複数の端子部7及び複数の表示灯13の配置は、実施形態5に示した配置に限定されない。例えば、複数の端子部7のうち少なくとも1つは、挿入部3D(収容部37D)の下面375に配置されていてもよい。複数の表示灯13のうち少なくとも1つは、挿入部3D(挿入本体35)のうち上下方向に沿った面353(前面)に配置されていてもよい。すなわち、複数の端子部7の少なくとも一部及び複数の表示灯13の少なくとも一部は、下から見て露出するように配置されていてもよいし、上下方向と交差する方向(例えば、上下方向と直交する方向)から見て露出するように配置されていてもよい。なお、ハブ装置1Dは、下から見て露出する端子部7と、上下方向と交差する方向から見て露出する端子部7と、の両方を備えていてもよい。また、ハブ装置1Dは、下から見て露出する表示灯13と、上下方向と交差する方向から見て露出する表示灯13と、の両方を備えていてもよい。
【0196】
(実施形態5及び実施形態5の変形例のまとめ)
以上説明した実施形態5及び実施形態5の変形例から、以下の態様が開示されている。
【0197】
ハブ装置1Dは、実装基板151(及び152~156)を更に備える。実装基板151(及び152~156)は、電子部品16と、電子部品16が実装された基板1510(又は1520、1530、1540、1550)と、を含む。ボディ2Dは、内部に空間SP2を有する。実装基板151(及び152~156)は、ボディ2Dの内部の空間SP2に配置されている。
【0198】
上記の構成によれば、ボディ2Dの内部の空間SP2を有効に用いることができる。
【0199】
また、ハブ装置1Dにおいて、ボディ2Dは、延長部4Dを更に有する。延長部4Dは、挿入部3Dの上下方向の中心よりも上部につながっている。延長部4Dは、第1の面301と向かい合う側から見て挿入部3Dを基点として第1の面301に沿った方向に延びている。延長部4Dは、内部に空間を有する。実装基板151の少なくとも一部は、延長部4Dの内部の空間に配置されている。
【0200】
上記の構成によれば、実装基板151の配置スペースを容易に確保できる。また、実装基板151の少なくとも一部がボディ2Dの上側の延長部4Dの内部の空間に配置されている。そのため、実装基板151の全体がボディ2Dの内部の空間SP2の下側に配置されている場合と比較して、ボディ2Dの内部の空間SP2の温度上昇の低減を図ることができる。
【0201】
また、ハブ装置1Dにおいて、電子部品16は、スイッチング素子である。
【0202】
上記の構成によれば、スイッチング素子はスイッチング時に熱を発生する場合があるが、実装基板151の少なくとも一部がボディ2Dの上側の延長部4Dの内部の空間に配置されているため、ボディ2Dの内部の空間SP2の温度上昇の低減を図ることができる。
【0203】
また、ハブ装置1Dは、ヒートシンク17(及び18)を更に備える。ヒートシンク17(及び18)は、実装基板151(及び154)に接する。
【0204】
上記の構成によれば、ボディ2Dの内部の空間SP2の温度上昇の低減を図ることができる。
【0205】
(変形例)
以下の変形例1~7は、実施形態1~5のいずれに適用されてもよい。以下の変形例1~7は、ハブ装置1に特定の機能を有する構成(ここでは、「機能部」と総称する)を付加した変形例である。変形例1~7によれば、ハブ装置1とは別に設けられる機器(以下、「機能機器」と称す)に機能部が備えられている場合と比較して、機能部の設置スペースの確保が容易となる。また、一態様において、機能部は、ネットワーク又はハブ装置1の外部の機器100に接続される。ハブ装置1とは別に設けられる機能機器に機能部が備えられている場合は、機能機器とハブ装置1とを配線W1等により電気的に接続することで、機能機器をハブ装置1を介してネットワーク又はハブ装置1の外部の機器100に接続することが考えられる。しかし、変形例1~7では、機能部がハブ装置1に備えられているため、接続の手間を低減できる。
【0206】
実施形態5において、機能部は、ハブ装置1Dの収容部37Dに収容されていてもよい。より具体的には、収容部37Dに収容された実装基板156が機能部を有していてもよい。そして、ユーザは、それぞれ異なる機能を有する機能部を収容した複数の収容部37Dの中から、ハブ装置1Dの用途に応じて収容部37Dを選択して挿入本体35に装着してもよい。
【0207】
(変形例1)
ハブ装置1は、無線LAN機能を有する通信部を備えていてもよい。通信部は、例えば、無線アクセスポイントとして機能する。通信部は、ネットワークに接続されたルータと有線通信又は無線通信を行う。すなわち、ルータは、ハブ装置1と通信する複数の機器100のうちの1つである。通信部がルータと有線通信を行う場合は、通信部とルータとの接続は、端子部7に電気的に接続される通信用の配線(例えば、配線W1)によりなされる。ルータは、例えば、天井裏の空間に配置される。
【0208】
また、通信部は、ネットワークカメラ、パーソナルコンピュータ及び携帯端末等の1又は複数の機器100と無線通信を行う。通信部は、ルータと1又は複数の機器100とを相互に接続する。これにより、通信部は、1又は複数の機器100をルータを介してネットワークに接続する。
【0209】
また、ハブ装置1と、無線LANに対応していない1又は複数の機器100との通信は、通信用の配線(例えば、配線W1)を用いた有線通信により行われる。これにより、通信部は、1又は複数の機器100をルータを介してネットワークに接続する。
【0210】
本変形例1では、無線LAN機能を有する通信部をハブ装置1が備え、ハブ装置1は天井材等の構造体300に取り付けられる。これにより、ハブ装置1は、机の上等に置かれる通信部と比較して、ハブ装置1の設置場所において邪魔になる可能性が低い。つまり、ハブ装置1の設置場所の空間が圧迫される可能性を低減しつつ、ネットワーク環境を構築できる。
【0211】
本変形例1のようにハブ装置1が無線アクセスポイントとしての機能を有する場合に、ハブ装置1は、端子部7を1つのみ備えていてもよい。1つの端子部7には、通信用の配線(例えば、配線W1)を電気的に接続可能である。端子部7は、通信用の配線を介して、機器100としてのルータに電気的に接続される。ハブ装置1と、ルータ以外の機器100との通信は、通信部による無線通信により行われる。
【0212】
なお、ハブ装置1は、ルータを更に備えていてもよい。ハブ装置1のルータは、通信用の配線を介して、モデム等の回線終端装置に接続される。回線終端装置は、ネットワークに接続される。
【0213】
また、ハブ装置1は、回線終端装置を更に備えていてもよい。ハブ装置1の回線終端装置は、通信用の配線を介して、ネットワークに接続される。
【0214】
また、ハブ装置1は、SIMカードが挿入されるSIMカードスロットを備えていてもよい。
【0215】
(変形例2)
ハブ装置1は、複数の配線W1、W2、W3を介してハブ装置1に電気的に接続された複数の機器100の動作を制御するコントローラを備えていてもよい。さらに、ハブ装置1は、周囲の状態を検知する1又は複数のセンサを備えていてもよい。そして、コントローラは、1又は複数のセンサの検知結果に基づいて複数の機器100の動作を制御してもよい。
【0216】
なお、センサ及びコントローラのうち少なくとも一方は、ハブ装置1に備えられていなくてもよく、センサ及びコントローラのうち少なくとも一方がハブ装置1の外部の構成であってもよい。ハブ装置1とセンサ及びコントローラとの通信は、通信用の配線(例えば、配線W1)を介した有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0217】
センサの一例は、LPS(Local Positioning System)を利用した位置センサである。コントローラは、例えば、LPSにより人の存在の有無及び人の位置を検知し、検知結果に応じて照明器具、空調機器(エアーコンディショナ、換気装置、加湿器、除湿器等)及び音響機器等の機器100を制御する。
【0218】
また、センサの別の一例は、熱線センサ、超音波センサ、光電センサ又は赤外線センサ等を利用した人感センサである。あるいは、センサは、例えば、カメラで撮影した画像を解析して人を認識する画像センサである。コントローラは、例えば、人感センサ又は画像センサにより人の存在の有無を検知し、検知結果に応じて照明器具、空調機器及び音響機器等の機器100を制御する。
【0219】
また、センサの別の一例は、温度センサ、湿度センサ、又は明るさセンサ等の環境センサである。コントローラは、例えば、環境センサの検知結果に応じて照明器具及び空調機器等の機器100を制御する。
【0220】
また、センサの別の一例は、空気質センサである。空気質センサは、空気中の汚染物質濃度又は二酸化炭素濃度等を検知する。コントローラは、例えば、空気質センサで検知された二酸化炭素濃度が閾値よりも高い場合に、機器100としての空調機器を制御して換気を行う。
【0221】
また、センサの別の一例は、心拍センサ等の生体センサである。心拍センサは、例えば、電波を送波し、送波された電波が人で反射されて生じる反射波を受波する。そして、心拍センサは、受波した反射波に基づいて人の心拍数を検知する。生体センサの検知結果は、例えば、ハブ装置1のメモリに記憶される。
【0222】
また、センサの別の一例は、熱感知センサである。熱感知センサは、火災を検知する。熱感知センサが火災を検知すると、ハブ装置1は、防災機器と通信して、警報を発令させたり、スプリンクラーを作動させたりする。
【0223】
また、ハブ装置1は、空調機器等を備えていてもよい。例えば、ハブ装置1は、換気装置、水冷装置、及び、空気清浄機等を備えていてもよい。
【0224】
また、ハブ装置1は、香りを発生する装置を備えていてもよい。これにより、例えば、ハブ装置1が設置された室内の人が快いと感じる香りを提供できる。この装置は、例えば、人感センサの検知結果に応じて香りを発生する。
【0225】
また、ハブ装置1は、防虫作用を有する装置を備えていてもよい。例えば、ハブ装置1は、香りによる防虫作用を有する装置、又は、超音波による防虫作用を有する装置を備えていてもよい。この装置は、例えば、温度センサ及び湿度センサ等の環境センサ、及び、人感センサの検知結果に応じて、防虫作用の有無を切り替える。
【0226】
また、ハブ装置1は、デジタルサイネージシステムと通信してもよい。デジタルサイネージシステムは、例えば、施設のエスカレータ横に設置される。一方で、ハブ装置1は、例えば、エスカレータの乗り場の天井に設置される。デジタルサイネージシステムには、センサの検知結果がハブ装置1を介して入力される。デジタルサイネージシステムは、例えば、センサの検知結果に応じて表示が切り替わるディスプレイを含む。
【0227】
(変形例3)
ハブ装置1は、LED等の光源を含む点灯部を備えていてもよい。点灯部は、例えば、ハブ装置1のボディ2の下面に配置される。点灯部は、例えば、非常灯又は誘導灯として用いられる。点灯部は、例えば、ハブ装置1と通信するコントローラからの指令を受けて点灯状態が変化する。商用電源PS1の停電時に、点灯部は、非常用電源(例えば、UPS(Uninterruptible Power Supply;無停電電源装置))から電力の供給を受けて、コントローラからの指令に応じて点灯する。ハブ装置1とコントローラとの通信は、通信用の配線(例えば、配線W1)を介した有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0228】
ハブ装置1の点灯部は、ハブ装置1の外部の照明器具と連動して点灯状態が変化するように制御されてもよい。例えば、コントローラからの指令により点灯部と照明器具とが連動してもよいし、点灯部と照明器具との間で通信することにより点灯部と照明器具とが連動してもよい。点灯部と照明器具とが連動することで、例えば、点灯及び消灯のタイミングを揃えたり、点灯及び消灯のタイミングを一定のタイミングでずらしたりすることができる。
【0229】
また、点灯部は、変形例2のセンサ(人感センサ等)の検知結果に応じて点灯状態が変化するように制御されてもよい。
【0230】
また、点灯部は、ハブ装置1が設置された部屋への人の入退室を管理する入退室管理システムの出力に基づいて、点灯状態が変化するように制御されてもよい。入退室管理システムは、例えば、人の入退室時に、人が所持するICタグから情報を読み取ることで、人の入退室を管理する。一例として、人が入室すると、点灯部が点灯し、人が退室すると、点灯部が消灯する。
【0231】
ハブ装置1は、バッテリを備えていてもよい。ハブ装置1は、バッテリを非常用電源として利用してもよい。また、点灯部は、ユーザの操作により点灯状態が変化するように構成されていてもよい。また、点灯部は、非常灯又は誘導灯に限らず、例えば、停電時以外にも利用できる室内灯として用いられてもよい。
【0232】
ハブ装置1は、バッテリと電気的に接続される端子を備えていてもよい。ハブ装置1がバッテリを予め備えていない場合であっても、ハブ装置1は、端子を介してバッテリから電力の供給を受けることができる。また、ハブ装置1は、端子を介してバッテリを充電してもよい。
【0233】
ハブ装置1は、ハブ装置1から1又は複数の機器100へのPoEによる給電量が所定のリミット値を超える場合に、バッテリから電力の供給を受け付けてもよい。そして、それ以外の場合に、ハブ装置1は、バッテリから電力の供給を受け付けなくてもよい。
【0234】
(変形例4)
ハブ装置1は、カメラを備えていてもよい。カメラは、ハブ装置1が設置された空間(室内空間等)を撮影し、画像データ(静止画像データ又は動画データ)を生成する。カメラで生成された画像データは、例えば、ネットワークを介してハブ装置1の外部の装置へ出力される。
【0235】
なお、ハブ装置1は、ハブ装置1の外部に設置されたカメラと画像データの出力先の装置との間の通信を中継してもよい。ハブ装置1とカメラとの通信は、通信用の配線(例えば、配線W1)を介した有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0236】
また、ハブ装置1は、カメラで生成された画像データをハブ装置1のメモリに記憶させてもよい。あるいは、ハブ装置1は、カメラで生成された画像データをSDカード等のメモリカードに記憶させてもよい。画像データをSDカードに記憶させるために、ハブ装置1は、SDカードが挿入されるSDカードスロットを備えていてもよい。
【0237】
また、カメラは、テレビ電話に使用する画像を撮影する機器として用いられてもよい。
【0238】
(変形例5)
ハブ装置1は、スピーカ及びマイクロフォンのうち少なくとも一方を備えていてもよい。スピーカ及びマイクロフォンは、例えば、テレビ電話の音声の入出力用の機器として用いられる。スピーカ及びマイクロフォンは、例えば、ハブ装置1と通信するコントローラからの指令に応じて音(音声を含む)の出力及び入力受付けを行う。ハブ装置1とコントローラとの通信は、通信用の配線(例えば、配線W1)を介した有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0239】
スピーカとしては、指向性スピーカを用いてもよい。指向性スピーカは、例えば、ハブ装置1の真下の空間において、その周囲の空間と比較して、スピーカからの音が聞こえやすいように音を出力する。
【0240】
また、スピーカとしては、ノイズキャンセリング機能を有した消音スピーカを用いてもよい。消音スピーカは、例えば、ハブ装置1の真下の空間とその周囲の空間との間の音の伝搬を抑制する。
【0241】
(変形例6)
ハブ装置1は、プロジェクタ機能を備えていてもよい。例えば、ハブ装置1は、スクリーンに画像を投影する投影機を備えていてもよい。ユーザの操作等により、投影機が画像を投影する。
【0242】
(変形例7)
ハブ装置1は、開閉する接点を有する接点装置からの接点信号の入力を受け付ける入力受付部を備えていてもよい。接点信号は、接点の開閉に応じて接点装置から出力される。ハブ装置1は、接点信号に応じた動作を行ってもよい。また、ハブ装置1は、接点信号を他の機器100に送信してもよい。
【0243】
上述した各実施形態は、変形例も含めて、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【符号の説明】
【0244】
1、1A、1B、1C、1D ハブ装置
2、2A、2B、2C、2D ボディ
3、3A、3B、3C、3D 挿入部
4、4B、4C、4D 延長部
5、5A、5D 保持部材
89 ストッパ
7 端子部
8、8A、8D 取付部
11 カバー
111 面
12 開口部
120 電力変換器
151~156 実装基板
1510、1520、1530、1540、1550、1560 基板
16 電子部品
17、18 ヒートシンク
300 構造体
301 第1の面
302 第2の面
330 孔
400 隠蔽部
PS1 商用電源(電源)
SP2 空間
W1、W2、W3 配線
図1
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