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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】芳香装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20221202BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
A61L9/12
A61L9/01 Q
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018167426
(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公開番号】P2020039446
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-200046(JP,U)
【文献】実開昭61-008046(JP,U)
【文献】特開2007-130439(JP,A)
【文献】特開2017-211600(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0061486(US,A1)
【文献】実開平03-031871(JP,U)
【文献】特開2000-079976(JP,A)
【文献】中国実用新案第205250668(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
B65D 83/00
B65D 85/00
A01M 1/20
G10K 1/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動可能に自立した本体部と、芳香成分が毛細管現象により浸透する作用体とを備え、
前記本体部は、下側の金属からなり底面に凸面部を有する重量部と、前記重量部の上側に設けた軽い樹脂材料からなり、芳香剤が収容される容器部とを有し、前記容器部の部に差込口を有し、前記重量部の内側上面に凹部形状の差込部を有し、前記作用体は容器部の部の差込口から重量部の内側上面の凹部形状の差込部に差し込み装着されており、
前記作用体に風又は軽く触れた力が加わると前記本体部が揺動し、その揺動の大きさが容器部内の芳香剤の残量により変化するものであることを特徴とする芳香装置。
【請求項2】
前記作用体は取り替え可能になっていることを特徴とする請求項1記載の芳香装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤が揮散する芳香装置に関し、特に風や指先で軽く触れるだけで揺れる芳香装置に係る。
【背景技術】
【0002】
アロマオイル等、各種天然の芳香性オイルを容器に入れ、この容器にスティック状のディフューザーを差し込み、室内や作業場に設置することで香りを楽しんだり、リラックス効果を高めたりすることが行われている。
また、花の形状等、各種形状に造形したディフューザーも販売されている。
しかし、これらのフレグランス容器は、単に室内等に設置するだけであり、その変化に乏しいものであった。
【0003】
例えば特許文献1には、いわば風鈴型の芳香容器を開示するが、和紙からなる短冊が吊り下げられたものであり、オイルが滴る恐れがある。
特許文献2には、ドアの開閉により揺動する液体揮散装置を開示するが、設置場所が限定されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-263301号公報
【文献】特開2001-70429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、香りの揮散の変化に富んだ芳香装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る芳香装置は、揺動可能に自立した本体部と、芳香成分が毛細管現象により浸透する作用体とを備え、前記本体部は芳香剤を収容するための容器部を有し、前記作用体は前記容器部に装着可能になっていることを特徴とする。
【0007】
ここで、揺動可能に自立した本体部とは、左右に揺れることができるが、元の自立した状態に戻ることができるものをいい、例えば「起き上がりこぼし」のような構造や「やじろべえ」のような構造が例として挙げられる。
【0008】
作用体とは、弱い風の力を受けて本体部が揺れるもののみならず、指先等にて軽く触れるだけで本体部が揺れるものを対象とする趣旨である。
【0009】
本発明において、作用体は取り替え可能になっているのが好ましく、容器部に収容されている芳香剤の量により作用体の揺れる大きさが変化するものであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る芳香装置にあっては、揺動可能な本体部に作用体を装着したので、弱い風や空気の流れにより揺れる。
また、作用体に指先等を軽く触れるだけで揺れる。
これにより、アロマオイル等の芳香剤の揮散に変化が生じる。
このように、本発明に係る芳香装置は、香りの変化を楽しむことができるとともに、芳香装置の揺れそのものを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る芳香装置の例を示し、(a)は自立静止した状態、(b)は揺れている状態を示す。
図2】本体部の断面図を示し、(a)は静止状態、(b)は揺動状体を示す。
図3】(a)~(c)は芳香剤の量の変化による揺れの変化を示す。
図4】(a)~(c)は作用体を本体部に装着する例を示す。
図5】第2の実施例を示す。
図6】第3の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る芳香装置10の構造例を以下、図に基づいて説明する。
【0013】
図1は、第1の実施例を示す。
図2は、本体部11の断面拡大図、図4に組立図を示す。
芳香装置10は、自立可能な本体部11と図3に示すようにこの本体部11に装着及び取り替え可能な作用体13を有する。
本体部11は、作用体13を装着した状態で自立可能(スタンド可能)になるように、下側を金属等の重い材料で製作した重量部11aと、その上側に液体状の芳香剤12を収容するための容器部11bを樹脂等の軽い材料にて製作してある。
本発明において特徴的なのは、この重量部11aの底面を左右,前後に揺動可能にするために、凸面形状の凸面部11eに形成した点にある。
図1に示した第1の実施例では、この底面が球面に近い凸面部11eになっているが、揺動可能であれば形状に制限はない。
【0014】
作用体13は、根元側の基部13aを容器部11bの項部に設けた差込口11dから挿入し、重量部11aの内側上面に設けた凹部形状の差込部11cに差し込み装着した例になっている。
作用体13は、基部13aから毛細管現象により揮発性の精油等からなる芳香剤12が吸い上がるようになっている。
図1に示した実施例は、弱い風を受けても本体部11が揺動しやすいように鳥の羽根を模した形状になっているが、形状に制限はない。
このように、室内の空気の流れや弱い風を受けても揺動しやすいように、作用体は軽い紙や繊維,メッシュ材を用いて製作するのが好ましく、従来の棒状のディフューザーと比較して、面積が広い平面的な形状がよい。
なお、全体として平面的であれば二次元形状のみならず、三次元形状でもよい。
作用体13は、全体が毛細管現象を有するものに限らず、部分的に毛細管現象により芳香剤が吸い上がり、揮発するものであってよい。
このようにすると、芳香装置10が作用体13に受けた弱い風にて、図1(b)に示すように揺動する。
また、指先等にて軽く力を加えても揺れる。
【0015】
芳香剤12は、作用体13からの揮散により減少する。
その状況を図3に示す。
作用体13の基部13aは、重量部11aの上面の凹部形状の差込部11c内に納められているので、芳香剤12の量が少なくなっても吸い上げやすく(浸透しやすく)なっているが、芳香剤12の残量により本体部11の重心が変化するとともに、液体の芳香剤が左右に動くこともあり、作用体13の動きの大きさや速さが変化する。
これにより、芳香剤の残量を知ることもできる。
【0016】
図5に第2の実施例を示す。
本実施例は、容器部111bが重量部111aにねじ部等を用いて、着脱自在にした例である。
また、容器部111b内の芳香剤の残量変化が分かりやすいように、内径が重量部111aより小さい略円筒状の形状にした例である。
この場合も底面の凸面部111eにて揺動可能になっている。
本実施例は、作用体113の形状を植物の葉を模した例になっている。
【0017】
図6に第3の実施例を示す。
本実施例は、芳香装置がゆっくりと揺れるように重量部211aの底面の凸面部211eを曲率の大きい緩やかな凸面形状にした例である。
作用体213の形状を葉が広がるように模してあり、作用体213そのものが弾性により揺れるようになっている。
その際に、作用体213の基部が容器部211にしっかりと支えられるように、パイプ状の装着部14を取り付け、この装着部14の外周部に芳香剤12の流入口14aを複数設けた例になっている。
【0018】
本発明に係る芳香装置10においては、各種形状や大きさの作用体を取り替え可能になっていて、設置する季節や場所に応じて選ぶことができる。
また、芳香剤の香りの種類に合せて、作用体を選ぶことができる。
風が吹くと、それに揺られて揮発が促進される。
また、指先で軽く触れることで、その香りを楽しむことができる。
芳香剤の残量によっても揺れ方に変化があり、それを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0019】
10 芳香装置
11 本体部
11a 重量部
11b 容器部
11c 差込部
12 芳香剤
13 作用体
13a 基部
図1
図2
図3
図4
図5
図6