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特許7186496建築造作のための覆いおよび関連するシステム、操作方法および製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】建築造作のための覆いおよび関連するシステム、操作方法および製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/384 20060101AFI20221202BHJP
   E06B 9/386 20060101ALI20221202BHJP
   E06B 9/388 20060101ALI20221202BHJP
   E06B 9/264 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
E06B9/384
E06B9/386
E06B9/388
E06B9/264 C
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017206831
(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公開番号】P2018080568
(43)【公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】62/414,548
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512330721
【氏名又は名称】ハンター ダグラス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウェンデル ビー. コルソン
(72)【発明者】
【氏名】コ クペルス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エム. フォガーティ
(72)【発明者】
【氏名】デービッド ピー. ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エー. ディフランチェスコ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/040646(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0138037(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0019589(US,A1)
【文献】特表2016-516143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0088559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24- 9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築造作を通る光の透過を調節するための覆いであって、
サブアセンブリを含み、前記サブアセンブリは、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと、前記長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の外側の細長い平ひもと、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと、前記長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の内側の細長い平ひもと、
各スラットが第1の端部と、第2の端部と、内側長手方向縁部と、外側長手方向縁部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと、前記内側長手方向縁部と前記外側長手方向縁部との間に延びる幅とを備える少なくとも1つのスラット層を有する複数の可撓性スラットであって、前記複数のスラットは前記第1の外側の細長い平ひもと前記第1の内側の細長い平ひもとの間に延在し、前記第1の外側の細長い平ひもと前記第1の内側の細長い平ひもとのそれぞれの長さに沿って離隔され、各スラットはその長さが前記第1の外側の細長い平ひもと前記第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに対して横断的となる向きとされ、前記内側および外側の細長い平ひもの動きが前記スラットを複数の位置間で操作するようになされた、前記複数の可撓性スラットとを有し、
少なくとも1つのスラットは内側スラット層と外側スラット層とを有する多層スラットであり、前記内側スラット層および前記外側スラット層は前記多層スラットの長手方向縁部と一致する内側および外側の長手方向縁部を有し、前記内側スラット層と前記外側スラット層とはそれぞれの内側長手方向縁部および外側長手方向縁部に沿って結合され、前記内側スラット層と前記外側スラット層とは、少なくとも1つの前記多層スラットが前記複数の位置のうちの少なくとも1つの位置にあるときに前記内側スラット層と前記外側スラット層とによって囲まれたセル空間を形成するように、結合されたそれぞれの長手方向縁部間で互いに離隔可能であり、
前記第1の内側の細長い平ひもと前記第1の外側の細長い平ひもとのうちの少なくとも一方の平ひもの幅が各スラットの長さよりも実質的に小さいサブアセンブリである、
前記サブアセンブリは
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと、前記長さに対して直角な厚さとを有する少なくとも第1の細長い補強材をさらに含み、
前記第1の細長い補強材は、
第1の側部と、第2の側部と、前記第1の側部と前記第2の側部との間に延び、その長さに対して直角な幅と、
前記第1の細長い補強材の前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる折り目と、
前記第1の側部と前記折り目との間に延びる、第1の表面の第1の面と、
前記第2の側部と前記折り目との間に延びる、前記第1の表面の第2の面と、
前記第1の側部と前記折り目との間に延びる、第2の表面の第3の面と、
前記第2の側部と前記折り目との間に延びる、前記第2の表面の第4の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間の180度未満の角度と
を有する角度付き補強材であり、前記少なくとも1つの多層スラットに結合付けられ、
前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層と前記外側スラット層とは、布とフィルムとこれらの組合せとからなるグループのうちの少なくとも1つを含む可撓性の半透明材料で形成され、前記第1の細長い補強材は前記内側スラット層と前記外側スラット層とのうちの少なくとも一方のスラット層の前記半透明材料よりも透明な材料で形成される、
建築造作を通る光の透過を調節するための覆い。
【請求項2】
前記内側の細長い平ひもおよび前記外側の細長い平ひもが複数存在し、各可撓性スラットの長さが、すべての内側の細長い平ひもの幅の和またはすべての外側の細長い平ひもの幅の和の、より大きい方の和より実質的に大きい、請求項1に記載の覆い。
【請求項3】
前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層と前記外側スラット層とが互いに結合された、請求項1または2に記載の覆い。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスラットの前記内側スラット層および前記外側スラット層の前記内側長手方向縁部と前記外側長手方向縁部とのうちの少なくとも一方に沿って折り目が形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項5】
前記サブアセンブリは、
第2の内側の細長い平ひもと第2の外側の細長い平ひもとをさらに含み、前記第2の内側の細長い平ひもは、前記可撓性スラットのうちの少なくとも1つのスラットの長さに沿って前記第1の内側の細長い平ひもから少なくとも6インチの距離だけ側方に離隔され、
前記第2の外側の細長い平ひもは、前記可撓性スラットのうちの少なくとも1つのスラットの長さに沿って前記第1の外側の細長い平ひもから少なくとも6インチの距離だけ側方に離隔された、
請求項1~4のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項6】
前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層と前記外側スラット層とのうちの少なくとも一方のスラット層の幅が、その同じ多層スラットの前記内側スラット層と前記外側スラット層とのうちの他方のスラット層の幅よりも広い、請求項1~5のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項7】
前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層は、前記内側スラット層の前記内側長手方向縁部に沿って延び、前記内側スラット層の長さと前記内側スラット層の幅の第1の部分とによって画定される内側縁領域と、前記内側スラット層の前記外側長手方向縁部に沿って延び、前記内側スラット層の長さと前記内側スラット層の幅の第2の部分とによって画定される外側縁領域と、前記内側縁領域と前記外側縁領域との間に延び、前記内側スラット層の長さと前記内側スラット層の幅の第3の部分とによって画定される中央領域とをさらに含み、
前記少なくとも1つの多層スラットの前記外側スラット層は、前記外側スラット層の前記内側長手方向縁部に沿って延び、前記外側スラット層の長さと前記外側スラット層の幅の第1の部分とによって画定される内側縁領域と、前記外側スラット層の前記外側長手方向縁部に沿って延び、前記外側スラット層の長さと前記外側スラット層の幅の第2の部分とによって画定される外側縁領域と、前記内側縁領域と前記外側縁領域との間に延び、前記外側スラット層の長さと、前記外側スラット層の幅の前記第1の部分と前記外側スラット層の幅の前記第2の部分の両方よりも広い前記外側スラット層の幅の第3の部分とによって画定される中央領域とをさらに含み、
前記内側スラット層の前記内側縁領域は、前記内側の細長い平ひもの長さに平行であり、前記外側スラット層の前記外側縁領域は前記外側の細長い平ひもの長さに平行であり、
前記内側スラット層の前記内側縁領域および前記外側縁領域と、前記外側スラット層の前記内側縁領域および前記外側縁領域と、のうちの少なくとも1つが補強剤と少なくとも1つの前記第1の細長い補強材とからなるグループのうちの少なくとも1つによって補強された、
請求項1~6のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項8】
前記第1の細長い補強材の長さはその厚さの少なくとも100倍大きく、前記第1の細長い補強材は、少なくとも1つのスラット層に結合付けられ、前記第1の細長い補強材の長さがそのスラット層の前記長手方向縁部の方向に延びるように位置決めされた、
請求項1~7のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項9】
前記第1の細長い補強材はプラスチック材料で形成される、請求項7または請求項8に記載の覆い。
【請求項10】
前記第1の細長い補強材の厚さは、約千分の6インチから千分の30インチであり、前記第1の細長い補強材の幅は約3/16インチから約1インチである、請求項7~のいずれか一項の覆い。
【請求項11】
記第1の細長い角度付き補強材の折り目は、前記第2の表面上に頂点を有し、前記第1の細長い角度付き補強材は、前記折り目の前記頂点と、前記第1の表面と前記第1の細長い角度付き補強材の少なくとも1つの側部との間の前記第1の細長い補強材の長手方向縁部との間に伸びるクラウン高さを有し、前記クラウン高さは最小約千分の20インチから約千分の100インチである、
請求項7~10のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項12】
前記第1の細長い角度付き補強材の前記第4の面の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層に付着され、前記第3の面はいずれのスラット層にも付着されない、請求項11に記載の覆い。
【請求項13】
前記少なくとも1つの多層スラットに第2の細長い補強材が結合付けられ、その長さが前記スラット層の前記長手方向縁部の方向に延びるように位置決めされ、前記第2の細長い補強材の幅がその厚さの少なくとも5倍である、請求項7~12のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスラットは、
第1の端部と、第2の端部と、第1の長手方向縁部と、第2の長手方向縁部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと、前記第1の長手方向縁部と前記第2の長手方向縁部との間に延びる幅とを有する少なくとも第1の補強材ポケットシートをさらに含み、
前記第1の補強材ポケットシートは、前記少なくとも1つの多層スラットの少なくとも1つのスラット層に結合され、前記スラット層と前記第1の補強材ポケットシートとの間に少なくとも第1の補強材ポケットを形成し、
前記第1の細長い補強材の少なくとも一部が前記第1の補強材ポケット内に位置決めされる、
請求項7~13のいずれか一項に記載の覆い。
【請求項15】
前記第1の補強材ポケットシートは実質的に透明な材料で形成される、請求項14に記載の覆い。
【請求項16】
前記第1の補強材ポケットシートは、前記少なくとも1つの多層スラットの前記内側スラット層と前記外側スラット層とのうちの少なくとも一方に結合された、請求項15に記載の覆い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる題材、特にその添付図面を含む。本著作権者は、特許商標庁の特許ファイルおよび記録において示される限りにおいては、本特許文書または特許開示の何人による複製にも異議はないが、それ以外はいかなるものであれすべての著作権を保有する。
【0002】
本開示は、建築造作のための覆いおよび、関連するシステム、操作方法および製造方法に関する。一実施形態では、引き込み式の覆い、好ましくは、窓開口部用の巻き上げ式の可撓性覆いが開示される。
【背景技術】
【0003】
建築装備のための引き込み式覆いは、長い間多くの形態をとってきた。当初、窓、ドア、アーチなどの建築装備用の覆いは主に建築造作に垂らしてかける布から成っていた。そのような初期の形態の覆いは、引き込み式ローラシェード、カーテン、ドレーパリなどに発展し、覆いは建築造作(例えば開口部)にわたって伸長させることができ、および/または、建築造作(例えば開口部)の最上部または側部に引き込むことができる。
【0004】
初期のものであるが今でも広く使われている形態の建築造作用覆いは、ベネチアンブラインドであり、複数の垂直方向に延びた紐はしごが平行な水平方向に延びる複数の羽根またはスラットを、造作(例えば開口部)を透過させる光の量を調節するために、光の透過を妨げる羽根がそれぞれの長手方向軸を中心として旋回可能なように支持し、ブラインド全体を、建築造作の高さの少なくとも一部に延びる伸長位置と、羽根が建築造作の最上部に隣接する垂直方向の重なりとして積み重ねられる引き込み位置との間で移動させることができる。
【0005】
光の透過を妨げるスラットまたは羽根が垂直方向に延び、その長手方向の縦軸を中心とした旋回運動のためにその上端で吊り下げられる、垂直ブラインドもある。ブラインド全体を、建築開口部にわたって伸長させたり、開口部の1つまたは複数の側部に隣接して垂直方向の重なりとして引き込んだりすることもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、窓などのための、好ましくは引き込み式覆いであって、より好ましくは可撓性巻き上げ式覆いであってよい、建築造作用の覆いを提供する。本開示は、当業者を対象としており、建築造作覆いの目的および利点は以下に記載され、本記載および添付図面から明らかになるであろう。
【0007】
本開示による覆いは、ローラと、ヘッドレールと、可撓性調光サブアセンブリと、ボトムレールと、駆動機構とを含み得る。可撓性調光サブアセンブリは、複数の羽根と、羽根を動かすための少なくとも2つの概ね垂直な支持部材、好ましくは細長い平ひもとを含み得る。複数の羽根は、非セル式の羽根および/または多層セル式の羽根を含んでよく、一実施形態では、羽根が少なくとも1つの伸展位置にあるときに、水平方向に延びる空間またはセルを間に有するチューブを形成するように構成され、配置された少なくとも2つの羽根層を有する、少なくとも1つの多層羽根を含む。一実施形態では、羽根層は、羽根層が中央領域で分離して、層間に空間またはセルを有する細長い、概ね長手方向のスリーブまたはチューブを形成することができるように、その側縁部に沿って直接または間接的に互いに接続、結合または付着されていてよい。一実施形態では、羽根層は、空間またはセルを有する概ね細長い長手方向のスリーブまたはチューブの形成を促すため、支持部材、例えば平ひもに直接または間接的に接続、結合または付着されてもよい。概ね細長い長手方向のスリーブまたはチューブは、任意の断面形状を有してよい。1つまたは複数の細長い補強材が、羽根に直接または間接的に結合付け、付設、付着、接続および/または結合されてよく、好ましくは2つの細長い補強材が各羽根に結合付けられている。一実施形態では、細長い補強材は、角度が付けられ、比較的薄い。
【0008】
ローラは、ヘッドレールに結合付けられ、好ましくは直接または間接的に結合され、好ましくはヘッドレールを基準にして回転するようになされてよい。駆動機構は、ローラに結合付けまたは直接または間接的に結合され、好ましくはローラを回転させるようになされてよい。支持部材、例えば細長い平ひもは、ローラに結合付けられ、好ましくは直接または間接的に結合されてよい。複数の羽根は、支持部材、例えば細長い平ひもに結合付けられ、好ましくは直接または間接的に結合されてよい。ボトムレールは、支持部材、例えば細長い平ひも、および/または、1つまたは複数の羽根に結合付けられ、好ましくは直接または間接的に結合されてよい。一実施形態では、巻き上げ式覆いは、駆動機構を使用してローラを回転させて可撓性サブアセンブリを動かすことによって操作可能である。可撓性サブアセンブリは、ローラの周りに巻き付いて光を遮蔽しない巻かれた形態から、光の一部の透過、または透視を抑制、拡散および/または遮断することができる部分的に巻き広げられた畳み形態に移行し、サブアセンブリがローラの周りに巻き付けられなくなり、ローラから完全に垂れ下がった完全に巻き広げられた形態に移行し、さらに、その中央部が、少なくとも一部の光が隣接し合う羽根の間に形成された間隙を通れるようにし、光の一部の透過および透視を抑制、拡散および/または遮断することができる、実質的に水平位置にあるように、1つまたは複数の羽根が旋回した完全に巻き広げられた伸展形態に移行してよい。
【0009】
本開示において開示される建築造作覆いの様々な態様、特徴および実施形態は、添付図面とともに読めばよりよく理解されよう。窓覆いの態様、特徴、および/または様々な実施形態を例示するために、図面に実施形態を示すが、特許請求の範囲は、図示されている正確な構成、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様および装置には限定されるべきではなく、図示されている構成、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様および装置は、単独で、または他の構成、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様および装置と組み合わせて使用することができる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の範囲を限定することを決して意図しておらず、単に、建築造作覆いの様々な実施形態、態様および特徴を図示し、説明するために示すに過ぎず、これらは単独で、または組み合わせて、または追加の特徴、態様または実施形態とともに使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】巻き広げられ伸展された形態のサブアセンブリを有する巻き上げセル式覆いの一実施形態を示す前面透視図である。
図2】巻き広げられ伸展された形態のサブアセンブリを有する巻き上げ覆いの別の実施形態を示す前面透視図である。
図3A】完全巻き上げ形態の巻き上げ式建築造作覆いの一実施形態を示す透視図である。
図3B】部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げ式建築造作覆いの一実施形態を示す透視図である。
図3C】完全に巻き広げられた畳み形態の巻き上げ式建築造作覆いの一実施形態を示す透視図である。
図3D】完全に巻き広げられた部分的伸展形態の巻き上げ式建築造作覆いの一実施形態を示す透視図である。
図3E】完全に巻き広げられた完全伸展形態の巻き上げ式建築造作覆いの一実施形態を示す透視図である。
図4A】完全に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の端面図を示す概略図である。
図4B】完全に巻き広げられた部分的伸展形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の端面図を示す概略図である。
図4C】完全に巻き広げられた完全伸展形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の端面図を示す概略図である。
図4D】光が覆いと相互作用する完全に巻き広げられた完全伸展形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の端面図を示す概略図である。
図5A】可撓性材料のシートを示す斜視図である。
図5B図5Aに示すシートを示す端面図である。
図5C】実質的に伸展された位置にある非セル式羽根を示す端面図である。
図5D】多層セル式羽根と非セル式羽根の両方を有する可撓性調光サブアセンブリの追加の実施形態の一部を示す透視図である。
図6A】多層羽根を示す斜視図である。
図6B図6Aの多層羽根を示す端面図である。
図6C】実質的に伸展位置にある図6Aおよび図6Bに示す多層羽根の一実施形態を示す端面図である。
図6D図6Cの多層羽根の実施形態を示す斜視図である。
図7A】多層羽根の一実施形態として形成されるようになされた単一の材料片を示す端面図である。
図7B図7Aの多層羽根を示す前面図である。
図7C】多層羽根の別の実施形態として形成されるようになされた単一の材料片を示す端面図である。
図7D図7Cの多層羽根を示す前面図である。
図8A】多層羽根の一実施形態として形成されるようになされた複数の材料片を示す端面図である。
図8B図9Aの多層羽根を示す前面図である。
図8C】多層羽根の別の実施形態に形成されるようになされた複数の材料片を示す端面図である。
図8D図9Cの多層羽根を示す前面図である。
図8E】多層羽根の異なる実施形態として形成されるようになされた複数の材料片を示す端面図である。
図8F図8Eの多層羽根を示す前面図である。
図9A】補強材ポケットを有する多層羽根の一実施形態として形成されるようになされた複数の材料片の一実施形態を示す端面図である。
図9B】9Aの多層羽根を示す前面図である。
図10A】実質的に平面状の細長い補強材の一実施形態を示す上面斜視図である。
図10B】10Aに示すB-B面に沿った図10Aの細長い補強材を示す断面図である。
図10C】湾曲した細長い補強材の一実施形態を示す上面斜視図である。
図10D図10Cに示すB-B面に沿った図10Cの細長い補強材を示す断面図である。
図10E】角度を付けた細長い補強材の一実施形態を示す上面斜視図である。
図10F図10Eに示す面B-Bに沿った図10Eの細長い補強材を示す断面図である。
図11A】角度を付けた細長い補強材を作成するプロセスを示す図である。
図11B】角度を付けた細長い補強材を作成するプロセスを示す図である。
図11C】角度を付けた細長い補強材を作成するプロセスを示す図である。
図12A】補強多層羽根の一実施形態を示す分解端面図である。
図12B図12Aに示す補強多層羽根と細長い平ひもとを有する可撓性調光サブアセンブリの一実施形態を示す分解端面図である。
図12C】多層羽根の細長い平ひもへの取り付けを示す、図12BのA-A部を示す拡大図である。
図12D】実質的に畳まれた形態の図12Bに示す調光サブアセンブリを示す斜視図である。
図12E】実質的に伸展された形態の図12Bに示す調光サブアセンブリを示す斜視図である。
図13A】補強多層羽根の別の実施形態を示す分解端面図である。
図13B図13Aに示す補強多層羽根と細長い平ひもとを有する可撓性調光サブアセンブリの一実施形態を示す分解端面図である。
図13C】多層羽根の細長い平ひもへの付着を示す、図13BのA-A部を示す拡大図である。
図13D】多層羽根が実質的に畳まれた位置にある、巻き広げられ、実質的に畳まれた形態の図13Bに示すサブアセンブリを示す斜視図である。
図13E】多層羽根が実質的に伸展された位置にある、巻き広げられ、実質的に伸展された形態の図13Bに示すサブアセンブリを示す斜視図である。
図14A】補強多層羽根の別の実施形態を示す分解端面図である。
図14B図14Aに示す補強多層羽根と細長い平ひもとを有する可撓性調光サブアセンブリの一実施形態を示す分解端面図である。
図14C図14BのA-A部を示す拡大図である。
図14D】実質的に畳まれた形態の図14Bに示すサブアセンブリを示す斜視図である。
図14E】実質的に伸展された形態の図14Bに示すサブアセンブリを示す斜視図である。
図15多層羽根がローラの少なくとも一部の周囲に弧を描く形状を有するように多層羽根がローラの回転軸を中心にして巻き上げられた図である
図16】セル式羽根がローラの周りに巻かれた巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態を示す端面図である。
図17A】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17B】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17C】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17D】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17E】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17F】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17G】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図17H】サブアセンブリが部分的に巻き広げられた畳み形態の巻き上げセル式建築造作覆いの一実施形態の一部を示す端面図である。
図18A】複数の羽根材料片と複数のポケットシート材料片とを示す斜視図である。
図18B】多層羽根の一実施形態として形成されるようになされた、複数の羽根材料片と複数のポケットシート材料片とを示す端面図である。
図18C】補強多層羽根の一実施形態として構成されるようになされた、複数のポケットシート材料片が接続された複数の羽根材料片と、複数の細長い補強材とを示す端面図である。
図18D】補強多層羽根の一実施形態を示す端面図である。(発明を実施するための形態)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、建築造作覆い、その操作方法および製造方法を理解することができるように多くの詳細を記載する。この説明は、当業者を対象としたものであり、場合によっては、建築造作覆いの他の態様または特徴が不明瞭にならないように、周知の方法、手順、製造技術、構成要素およびアセンブリについては詳細に述べていない。しかし、当業者は、建築造作覆いの異なる多くの実施形態と、その操作方法および製造方法が、これらの特定の詳細がなくても実施可能であることがわかるであろうし、特許請求の範囲および本発明は、本開示に具体的に記載され、図示されている実施形態、サブアセンブリまたは明記された特徴または詳細に限定されるべきではない。
【0012】
したがって、本開示に一般的に記載され図示されている実施形態の構成要素、態様、特徴、要素およびサブアセンブリは、記載されている実施形態に加えて様々な異なる構成で構成し、設計することができることは容易に理解されるであろう。覆いは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特定の環境および操作要件に合わせて具体的に適応化され得る、形態、構造、構成、比率、材料および構成要素の多くの追加、代替、または修正とともに使用可能であるものと理解すべきである。以下の説明は、例示のみを意図しており、建築造作覆いの特定の選択された実施形態を単に示しているに過ぎない。例えば、建築造作覆いについて、実施例において光および透視を調節するための窓覆いとしての使用について特に言及しながら図示し、説明するが、覆いには他の用途もあると考えられるものと理解すべきである。さらに、多くの実施例における詳細な説明は一般に、概ね垂直な支持要素を形成する細長い平ひも、および/または、特定の構造の多層羽根からなる覆いを対象としているが、本開示および技術は、例えば、ストッリップ、シート、透き通った織物、パネル、およびこれらの組合せなどの垂直支持要素を形成する他の材料と、多層羽根の他の構成および構造にも適用されることがわかるであろう。本開示に添付されている特許請求の範囲は、特許請求対象の発明を記載しており、また、実施形態を排除するようにより狭義に解釈すべきであることが明記されていない限り広義に解釈すべきである。
【0013】
本願全体を通して、覆いの総称的要素または特徴を示すために参照番号が使用されている。類似した機能または利点を提供する、形態、形状、構造などが同じではない要素または特徴を示すために同じ参照番号を使用する場合がある。類似した要素または特徴を互いに区別するために、付加参照文字(ダッシュ、文字、上付き文字など)を使用する場合がある。説明の簡単のために、本開示は、覆いのすべての構成要素に言及または列挙するとは限らないことと、要素、部材または構造の単数での言及、例えば平ひも、内側平ひも、外側平ひも、羽根、ストリップ、スラット、ポケット、補強材、垂直支持要素、または水平羽根要素の単数での言及は、文脈が別様に示さない限り、1つまたは複数のそのような要素を指し得ることを理解されたい。
【0014】
以下の、建築造作覆いの様々な実施形態の説明では、すべての方向の言及(例えば、近接、末端、上部、下部、上方、下方、左、右、側方、長手方向、前面、背面、内側、外側、後部、上部、下部、上、下、垂直方向、水平方向、半径方向、軸方向、時計回り、および反時計回り)は、特許請求の範囲で別様に示していない限り、読者が本開示を理解しやすいように識別を目的として使用しているに過ぎず、特に位置、向きまたは本開示における使用に関して制限を加えるものではないことがわかるであろう。一実施形態に関して説明する特徴は、明示的に示されているか否かを問わず、別の実施形態にも適用可能である。
【0015】
接続に関する言及(例えば、付着、結合、接続および接合)は広義に解釈すべきであり、特に明記されていない限り、一群の要素間の介在部材および要素間の相対的な動きを含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続されており、互いに固定された位置関係にあることを必ずしも意味しない。識別に関する言及(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要度または優先順位を暗示することを意図しておらず、1つの特徴を他の特徴から区別するために使用されている。図面は、例示を目的としているに過ぎず、図面に反映されている寸法、位置、順序および相対的大きさは異なる場合がある。
【0016】
本開示は、窓開口部、ドア、アーチなどを含み得る建築造作を通る光の透過を調節するための覆いを特徴とする。一実施形態では、覆いは、サブアセンブリを含んでよく、サブアセンブリは、可撓性であって、ローラの回りで巻き上がるのに適し得る。サブアセンブリは、少なくとも第1の外側支持部材、例えば細長い平ひもと、第1の内側支持部材、例えば細長い平ひもとを有し、支持部材はそれぞれ、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有し得る。一実施形態では、支持部材は細長い平ひもであり、第1の内側および第1の外側の細長い平ひものうちの少なくとも一方または両方の幅が、各スラットの長さよりも実質的に小さく、他の実施形態では、すべての内側支持部材の幅の合計(例えば総幅)またはすべての外側支持部材の幅の合計(例えば総幅)が、各スラットの長さよりも小さく、好ましくは実質的に小さい。サブアセンブリは、パネルとも呼び、各スラットが第1の端部と第2の端部と内側長手方向縁端部と、外側長手方向縁端部と、第1と第2の端部との間に延びる長さと、内側長手方向縁端部と外側長手方向縁端部との間に延びる幅とを備える少なくとも1つのスラット層を有する、複数のスラットを含んでよい。支持部材およびスラットは、好ましくは可撓性であり、布およびフィルムを含む任意の材料からなってよい。一実施形態では、羽根は半透明、部分的に不透明、および/または不透明な材料からなる。
【0017】
一実施形態では、複数のスラットは、第1の外側支持部材と第1の内側支持部材との間に、それぞれの長さに沿って付設、または延在させて離隔してよく、各スラットは、その長さが第1の外側支持部材と第1の内側支持部材のそれぞれの長さに対して横断的に交わる向きとされてよい。内側および外側支持部材の動きは、スラットを複数の位置間で操作するようになされてよい。一態様では、少なくとも1つのスラットが、内側スラット層と外側スラット層とを有する多層スラットであり、内側スラット層および外側スラット層は、多層スラットの長手方向縁端部と一致する内側および外側の長手方向縁端部を有する。内側層と外側層とは、それぞれの内側および外側の長手方向縁端部に沿って結合されてよく、少なくとも1つの多層スラットがその複数の位置のうちの少なくとも1つの位置にあるときに内側層と外側層とはそれぞれの結合された長手方向の縁端部間で、内部スラット層と外部スラット層とによって囲まれたセル空間を形成するように互いに分離され得る。
【0018】
一実施形態では、第1の内側と第2の外側の細長い平ひものうちの少なくとも一方の平ひも幅が、各スラットの長さよりも実質的に小さい。他の実施形態では、各スラットの長さは、すべての内側支持部材、例えば細長い平ひもの幅の合計よりも実質的に大きいか、またはすべての外側支持部材、例えば細長い平ひものすべての幅の合計よりも大きく、実施形態では、各スラットの長さは、いずれか大きい方の合計よりも大きくてよい。他の態様では、第1の内側および外側の細長い平ひもの両方の幅が各スラットの長さの少なくとも5分の1であり、さらに他の態様では、第1の内側の細長い平ひもと第1の外側の細長い平ひもの幅は、約5mmから約100mmである。細長い平ひもの幅は一般には美的外見によって決まり、平ひもの強度と厚さと複数の羽根の支持との関係によって決まる場合がある。
【0019】
別の実施形態では、少なくとも1つの多層スラットの内側と外側スラット層のうちの少なくとも一方の幅が、同じ多層スラットの内側および外側スラット層のうちの他方の幅よりも大きい。他の実施形態では、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層と外側スラット層とは、超音波カットシールによって互いに結合される。一実施形態では、少なくとも1つのスラットの内側および外側スラット層の内側長手方向縁端部と外側長手方向縁端部のうちの少なくとも一方に沿って折り目が形成される。少なくとも1つのスラットの内側スラット層と外側スラット層の幅は、最小約1インチで最大約6インチであってもよい。スラット層の幅は、美的外見、覆いのサイズ、および材料の選択によって左右され得る。
【0020】
別の実施形態におけるサブアセンブリは、第2の内側の細長い平ひもと第2の外側の細長い平ひもとをさらに含み、第2の内側の細長い平ひもはスラットのうちの少なくとも1つのスラットの長さに沿って第1の内側の細長い平ひもから、少なくとも約6インチ側方に離隔され、これに代えて、またはこれに加えて、第2の外側の細長い平ひもは、スラットのうちの少なくとも1つのスラットの長さに沿って第1の外側の細長い平ひもから側方に少なくとも約6インチ離隔されてもよい。隣接する細長い平ひも間の離隔距離は最小約6インチから最大約24インチまでであってよく、この間の範囲で約1/4インチ刻みで異なっていてよい。平ひもの離隔距離は、隣接平ひも間の羽根の支持を含む所望の美的外見によって左右される。
【0021】
さらに他の実施形態では、第1の内側の細長い平ひもは、第1の内側の細長い平ひもの長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、第1の内側の細長い平ひもの長さと幅とによって画定される表面によって画定される外面とをさらに有し、これに加えて、またはこれに代えて、第1の外側の細長い平ひもは、第1の外側の細長い平ひもの長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、第1の外側の細長い平ひもの長さと幅とによって画定される表面によって画定される外面とをさらに有し、内面と外面とは第1の外側の細長い平ひもの厚さによって離隔されている。一実施形態における内側スラット層は、内側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、内側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有してよく、外側スラット層は外側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、外側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有してよく、内面スラット層と外面スラット層とは、内側スラット層の外面が外側スラット層の内面に向けられて対向し、少なくとも1つの多層スラットの外側スラット層の外面が第1の外側の細長い平ひもの内面に接続され、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層の内面が第1の内側の細長い平ひもの外面に接続されるように、配置および構成されてよい。
【0022】
他の実施形態では、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層は、内側スラット層の内側長手方向の縁端部に沿って延び、内側スラット層の長さと内側スラット層の幅の第1の部分とによって画定される内縁領域と、内側スラット層の外側の長手方向縁部に沿って延び、内側スラット層の長さと内側スラット層の幅の第2の部分とによって画定される外縁領域と、内縁領域と外縁領域との間に延び、内側スラット層の長さと内側スラット層の幅の第3の部分とによって画定される中央領域とをさらに含む。一態様では、少なくとも1つの多層スラットの外側スラット層は、外側スラット層の内側長手方向縁部にそって延び、外側スラット層の長さと外側スラット層の幅の第1の部分とによって画定される内縁領域と、外側スラット層の外側の長手方向縁部に沿って延び、外側スラット層の長さと外側スラット層の幅の第2の部分とによって画定される外縁部と、内縁領域と外縁領域との間に延び、外側スラット層の長さと、外側領域の幅の第1の部分と第2の部分の両方よりも大きい外側スラット層の幅の第3の部分とによって画定される中央領域とをさらに含む。別の態様では、内側スラット層の内縁領域は、内側の細長い平ひもの長さと平行であり、外側スラット層の外縁領域は外側の細長い平ひもの長さと平行である。一実施形態では、内側スラット層の内縁領域と外縁領域と外側スラット層の内縁領域と外縁領域とのうちの少なくとも1つが、硬化剤と少なくとも1つの細長い補強材とからなるグループのうちの少なくとも1つによって補強される。好ましくは、内側スラット層の内縁領域と外側スラット層の外縁領域とのうちの少なくとも1つが、硬化剤と少なくとも1つの細長い補強材とからなるグループのうちの少なくとも1つによって補強される。
【0023】
サブアセンブリは、内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもとが互いから離れ、離隔されると伸展形態を有することができ、一実施形態では、内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもとは、ローラの直径にほぼ等しい距離だけ側方に離隔されてよい。サブアセンブリが伸展形態のとき、内側スラット層および外側スラット層の中央領域が実質的に水平となることができ、第1の内側の細長い平ひもおよび第1の外側の細長い平ひもの長さに対して横断的に交わる向きとなり、ある距離だけ離隔されて、内側スラット層の外面と外側スラット層の内面との間に、多層スラットの長さを延長する空間を形成し、内側スラット層と外側スラット層の中央領域の間の距離が第1の細長い補強材の幅より大きくなる。
【0024】
覆いは、任意選択により、第1の端部および第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる幅と、回転軸と、直径と、曲率半径とを有するローラをさらに含んでよく、少なくとも第1の外側の細長い平ひもの第1の端部と、少なくとも第1の内側の細長い平ひもの第1の端部とはローラに結合付けられ、その回転軸を中心としたローラの回転により、サブアセンブリがローラを基準として動き、サブアセンブリはローラの周りに巻き上がるようになされてもよい。
【0025】
実施形態におけるサブアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、それぞれの第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに直角な厚さとを有する、1つまたは複数の(少なくとも第1の)細長い補強材をさらに含んでよく、補強材の長さはその厚さの少なくとも100倍であり、細長い補強材は少なくとも1つのスラット層に結合付けられ、その長さがそのスラット層の長手方向縁部の方向に延びるように位置決めされている。細長い補強材は、プラスチック材料で形成されてよい。実施形態では、第1の細長い補強材の厚さは最小約千分の6インチから最大約千分の30インチであり、この間で千分の1インチ刻みで異なってよく、第1の細長い補強材の幅は最小約3/16インチ、最大約1インチであり、この間で1/32インチ刻みで異なっていてよい。実施形態では、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層と外側スラット層は、半透明材料で形成され、第1の細長い補強材は、内側スラット層と外側スラット層とのうちの少なくとも一方の半透明材料よりも透明な材料で形成される。他の態様では、複数の細長い補強材が多層スラットのうちの1つまたは複数の多層スラットに結合付けられ、補強材の長さがスラット層の長手方向縁部の方向にあるように位置決めされる。
【0026】
細長い補強材のうちの1つまたは複数の補強材は、第1の側部と、第2の側部と、第1の側部と第2の側部との間に延び、その長さに対して直角な幅と、細長い補強材の長さと幅とによって画定される第1の表面と、細長い補強材の長さと幅とによって画定される第2の表面とを含んでよく、第1の表面と第2の表面とは細長い補強材の厚さによって離隔され、補強材の幅はその厚さの少なくとも5倍であり、補強材は、スラット層のうちの少なくとも1つのスラット層の長手方向縁部に沿ってその長手方向縁部の方向にある少なくとも1つの多層スラットに結合付けられている。第1の細長い補強材は、第1の細長い補強材の第1の端部と第2の端部との間に延びる折り目と、第1の側部と折り目との間の第1の表面の一部によって画定される第1の面と、第2の側部と折り目との間の第1の表面の一部によって画定される第2の面と、第1の側部と折り目との間の第2の表面の一部によって画定される第3の面と、第2の側部と折り目との間の第2の表面の一部によって画定される第4の面と、第1の面と第2の面との間の180度未満の角度とを有する角度の付いた補強材であってよい。実施形態によっては、第1の細長い角度付き補強材の折り目は、第2の表面上に山または頂点を有し、第1の細長い角度付き補強材は、折り目の山または頂点と、第1の表面と第1の細長い角度付き補強材の少なくとも1つの側部との間の第1の細長い角度付き補強材の長手方向縁部との間に延びるクラウン高さを有し、クラウン高さは、約千分の20インチから約千分の100インチである。クラウン高さは、この間で約千分の5インチ刻みで異なってよい。
【0027】
他の実施形態では、第1の内側の細長い平ひもと第1の外側の細長い平ひもとが第1の細長い補強材の幅を上回る距離だけ離隔するように第1の内側の細長い平ひもと第1の外側の細長い平ひもとが互いから離れると、サブアセンブリは畳まれた形態から伸展形態に移行し、サブアセンブリが伸展形態のときは、内側スラット層が湾曲形状を有する。
【0028】
実施形態によっては、第1の角度付き補強材の第4の面の少なくとも一部が少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層に付着され、第3の面はいずれのスラット層にも付着されない。あるいは、第1の角度付き補強材の第2の面の少なくとも一部が少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層に付着され、第2の面はいずれのスラット層にも付着されていない。
【0029】
一実施形態のサブアセンブリは、複数の細長い補強材を有してよく、第2の細長い補強材が少なくとも1つの多層スラットに結合付けられてよく、その長さがスラット層の長手方向縁部の方向に延びるように位置決めされる。第2の細長い補強材は、第1の側部と、第2の側部と、第1の側部と第2の側部との間に延び、その長さに対して直角な幅と、第2の細長い補強材の長さと幅とによって画定される第1の表面と、第2の細長い補強材の長さと幅とによって画定される第2の表面とを有し、第1の表面と第2の表面とは第2の細長い補強材の厚さによって離隔されている。第2の細長い補強材の幅は、その厚さの少なくとも5倍とすることができる。一実施形態における第2の細長い補強材は、第2の細長い補強材の第1の端部と第2の端部との間に延びる折り目と、第1の側部と折り目との間に延びる第1の表面の第1の面と、第2の側部と折り目との間に延びる第1の表面の第2の面と、第1の面と第2の面との間の180度未満(より好ましくは、最小約120度、最大約170度であり、この間において5度刻みで異なってよい)の角度と、第1の側部と折り目との間に延びる第2の表面の第3の面と、第2の側部と折り目との間に延びる第2の表面の第4の面とを有する角度付き補強材である。実施形態によっては、第2の角度付き細長い補強材の第3の面の少なくとも一部が、少なくとも1つのスラットの外側スラット層に付着され、第2の細長い補強材の第4の面は外側スラット層には付着されない。
【0030】
さらに他の実施形態では、少なくとも1つのスラットは、第1の端部と、第2の端部と、第1の長手方向縁部と、第2の長手方向縁部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、第1の長手方向縁部と第2の長手方向縁部との間に延びる幅とを有する少なくとも第1の補強材ポケットシートをさらに含み、第1の補強材ポケットシートは少なくとも1つの多層スラットの少なくとも1つのスラット層に結合され、そのスラット層と第1の補強材ポケットシートとの間に少なくとも第1の補強材ポケットを形成し、第1の細長い補強材の少なくとも一部が第1の補強材ポケット内部に位置決めされる。一実施形態における第1の補強材ポケットシートは、実質的に透明な材料で形成され、一実施形態ではポリエチレンであってよい。
【0031】
第1の補強材ポケットシートは、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層に結合されてよく、あるいは、少なくとも1つの多層スラットの外側スラット層に結合されてよい。第1の補強材ポケットシートは、第1の端部と第2の端部との間に延びる折り目と、折り目と第1の補強材ポケットシートの第1の長手方向縁部との間の接触領域とを含んでよく、第1の補強材ポケットシートの接触領域は少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層に結合され、内側スラット層の内側の長手方向縁部は第1の補強材ポケットシートの折り目よりも第1の補強材ポケットシートの第1の長手方向縁部により近接している。
【0032】
実施形態によっては、少なくとも部分的に第1の補強材ポケット内に位置付けられた第1の細長い補強材が、第1の側部と、第2の側部と、第1の側部と第2の側部との間に延び、その長さに対して直角な幅と、細長い補強剤の第1の端部と第2の端部との間に延びる折り目と、第1の側部と折り目との間の第1の表面の一部によって画定される第1の面と、第2の側部と折り目との間の第1の表面の一部によって画定される第2の面と、第1の面と第2の面との間の180度未満の角度とを含む。第1の細長い補強剤は、第1の細長い補強剤の角度が第1の補強材ポケットシートの方に向く向きとなるように位置決めされ、あるいは、第1の細長い補強材は、第1の細長い補強材の角度が少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層の方に向く向きとなるように位置決めされてよい。実施形態における第1の補強材ポケットシートは、第1の補強材ポケットシートの第1の端部と第2の端部との間に延びる折り目と、折り目と第1の補強材ポケットシートの第2の長手方向縁部との間の重なり領域とをさらに含んでよく、第1の補強材ポケットシートの重なり領域は、少なくとも1つの多層スラットの外側スラット層に付着され、外側スラット層の外側長手方向縁部が第1の補強材ポケットシートの折り目よりも第1の補強材ポケットシートの第2の長手方向縁部により近接し、内側スラット層と第1の補強材ポケットシートとの間に補強材ポケットを形成する。細長い補強材は、補強材ポケット内の第1の補強材の角度が補強材ポケットシートに向けられるように位置決めされてよい。
【0033】
さらに別の実施形態では、建築開口部を通る光の透過を調節するための覆いはサブアセンブリを含み、サブアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも1つの第1の外側の細長い平ひもと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の内側の細長い平ひもと、各スラットが第1の端部と、第2の端部と、内側長手方向縁部と、外側長手方向縁部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、内側長手方向縁部と外側長手方向縁部との間に延びる幅とを有する複数のスラットであって、複数のスラットは第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひもとの間に第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに沿って離隔されて配置され、各スラットはその長さが第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに横断的に交わる向きとされ、内側および外側の細長い平ひもの動きがスラットを複数の位置間で操作するようになされた複数のスラットと、それぞれの細長い補強材が第1の端部と、第2の端部と、第1の側部と、第2の側部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、第1の側部と第2の側部との間に延びる幅とを有する複数の比較的薄い細長い補強材とを含み、複数のスラットのうちの少なくとも1つのスラットは、内側スラット層と、外側スラット層と、複数の細長い補強材とを有する多層スラットであり、内側スラット層は、内側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、内側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有し、外側スラット層は、外側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、外側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有し、内側スラット層と外側スラット層とはそれぞれ、内側スラット層の外面と外側スラット層の内面とが互いの方を向き、互いに対向した状態になされて、それぞれの内側および外側の長手方向縁部に沿って他方に接続され、内側スラット層と外側スラット層とは、多層スラットが複数の位置のうちの少なくとも1つの位置にあるときに、内側スラット層の外面と外側スラット層の内面との間に多層スラットの長さを延長する空間を形成するように、それぞれの内側と外側の長手方向縁部の間の領域において離隔可能に配置および構成され、第1の細長い補強材が、第1の細長い補強材の長さが内側スラット層の長手方向縁部の方向に延びるように結合付けられ、位置決めされ、第2の細長い補強材は、第2の細長い補強材の長さが外側スラット層の長手方向縁部の方向に延びるように結合付けられ、位置決めされ、少なくとも1つの多層スラットの内側スラット層が第1の内側の細長い平ひもに付着され、その多層スラットの外側スラット層が第1の外側の細長い平ひもに付着されることを特徴とする。
【0034】
さらに他の実施形態では、建築造作を通る光の透過を調節するための覆いが開示され、覆いはサブアセンブリを含み、サブアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の外側の細長い平ひもと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の内側の細長い平ひもと、各スラットが第1の端部と、第2の端部と、内側の長手方向縁部と、外側の長手方向縁部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、内側の長手方向縁部と外側の長手方向縁部との間に延びる幅とを有する複数のスラットであって、第1の外側の細長値平ひもと第1の内側の細長い平ひもの間に配置され、第1の外側の細長値平ひもと第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに沿って離隔され、各スラットはその長さが第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに横断的に交わる向きとされた複数のスラットと、少なくとも第1の比較的薄い細長い補強材とを有する。一実施形態における細長い補強材は、第1の端部と、第2の端部と、第1の側部と、第2の側部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、第1の側部と第2の側部との間に延びる幅とを有し、複数のスラットのうちの少なくとも1つのスラットは多層スラットであり、多層スラットは、内側スラット層と、外側スラット層と、少なくとも第1の補強材ポケットシートとを含み、内側スラット層は、内側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、内側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有し、外側スラット層は、外側スラット層の長さと幅とによって画定される表面によって画定される内面と、外側スラット層の長さと幅とによって画定される反対面によって画定される外面とを有し、内側スラット層と外側スラット層とは、内側スラット層の外面と外側スラットの内面とが互いの方を向き、互いに対向する状態になされてそれぞれ他方に接続され、第1の補強材ポケットシートは、第1の端部と、第2の端部と、第1の長手方向縁部と、第2の長手方向縁部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、第1の長手方向縁部と第2の長手方向縁部との間に延びる幅とを有し、第1の補強材ポケットシートは、内側スラット層と外側スラット層とのうちの少なくとも一方に接続され、内側スラット層と外側スラット層とのうちの少なくとも一方と補強材ポケットシートとの間に少なくとも第1の補強材ポケットを形成し、内側スラット層と外側スラット層とは、多層スラットが複数の位置のうちの少なくとも1つの位置にあるときに内側スラット層の外面と外側スラット層の内面との間に多層スラットの長さを延長する空間を形成するように、それぞれの内側長手方向縁部と外側長手方向縁部との間の領域において離隔可能に配置および構成され、さらに、第1の比較的薄い細長い補強材の少なくとも一部が第1の補強材ポケット内部に位置決めされる。
【0035】
実施形態によっては、建築造作を通る光の透過を調節するための覆いが開示され、覆いは可撓性サブアセンブリを有し、サブアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の外側の可撓性の細長い平ひもと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な横幅とを有する少なくとも第1の内側の可撓性の細長い平ひもと、各多層スラットが、第1の端部と、第2の端部と、内側長手方向縁部と、外側長手方向縁部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、内側長手方向縁部と外側長手方向縁部との間に延びる幅とを有する少なくとも1つのスラット層を有する複数の可撓性多層スラットであって、複数の多層スラット層は第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひもの間に配置され、第1の外側の細長い平ひもと第1の内側のそれぞれの長さに沿って離隔され、各スラットはその長さが第1の外側の細長い平ひもと第1の内側の細長い平ひものそれぞれの長さに横断的に交わる向きとされ、内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもの動きがスラットを複数の位置間で操作するようになされた、複数の可撓性多層スラットと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びる長さと、その長さに対して直角な厚さとを有する少なくとも第1の細長い補強材とを有し、補強材の長さはその厚さの少なくとも5倍であり、少なくとも1つの細長い補強材は少なくとも1つのスラット層に結合付けられ、補強材の長さがそのスラット層の長手方向縁部の方向に延びるように位置決めされ、少なくとも1つのスラット層は半透明材料で形成され、少なくとも1つの細長い補強材はプラスチックの透明材料で形成される。
【0036】
覆いの一般的操作
本開示は、例えば、窓開口部、ドアフレーム、アーチなどを含む建築造作のための覆いに関する。これらの覆いは、美的外見と、望ましい日除けとプライバシーとを与えるために窓にとって特に有用である。覆いは一般に、概ね水平な前面および背面支持部材または要素に結合された1つまたは複数の概ね水平な羽根要素を含み得る可撓性調光サブアセンブリまたはパネルを含む。言及を簡単にするために、例えば窓覆いとして使用する場合、窓開口部の外部に面するかまたは窓覆いの外面または背面165にある概ね垂直な支持部材を、「背面」または「裏面」支持部材、要素または平ひもと呼び、開口部の内部に面するかまたは窓覆いの内面または前面175にある支持部材を「前面」支持部材、要素または平ひもと呼ぶ。
【0037】
概ね水平な羽根要素は、本開示ではスラットまたは羽根とも呼び、好ましくは、概ね垂直な支持要素とは異なる光透過率または半透明度を有し、羽根と支持部材とは共に覆いの透視と光の透過とを調節する。すなわち、羽根要素は、一般に半透明、部分的不透明、不透明、または、光および/または透視を抑制または遮断する遮光性である傾向を有する。平ひもは、透明、半透明、部分的不透明、不透明または遮光性の材料とすることができる。一実施形態では、前面および背面支持部材は細長い平ひもであり、羽根要素は半透明、部分的不透明、不透明または遮光性の材料であり、したがって、開位置と閉位置との間で羽根を動かす、例えば旋回させると、覆いの光透過率を変化させることができる。
【0038】
羽根の形状および角度向きは、垂直支持要素を互いに基準として側方および垂直方向に動かすことによって制御することができる。具体的には、羽根要素は、光透過と透視とを可能にするために、概ね水平かつ垂直支持部材に対して実質的に直角に延びる角度向きから、光と透視とを抑制または遮断するために概ね垂直かつ垂直支持部材に対して実質的に平行に延びる角度向きへと、異なる角度向き間で調整、例えば回転または旋回させることができ、それにより、その領域に調光と透視、または日除け効果および/またはプライバシーをもたらす。
【0039】
概ね垂直な支持要素は、例えば、平ひも、ストリップ、シート、パネルなど、およびこれらの要素の組合せを含み得る。各垂直支持要素は、単一または複数の材料片で形成され得る。支持要素は、比較的薄く、長さ(高さ)と幅とを有し得る。特定の実施形態における垂直支持要素は、一般的および典型的には、その長さまたは幅よりもはるかに薄く、その幅は一般的および典型的には、その長さよりもはるかに小さい。垂直支持要素の長さは、一般的および典型的には、覆いまたはパネルの高さまたは垂直寸法に対応し、関連付けられ、垂直支持要素の幅は、一般的に、および本開示で開示される実施形態では、典型的には覆いまたはパネルの幅(および羽根の長さ)よりもはるかに小さい。言及を簡単にするために、本開示では垂直支持要素を細長い平ひもと呼ぶ場合があるが、これは本開示または特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0040】
羽根要素は、例えば、ストリップ、平ひも、パネルなどからなっていてよく、これらを含み得る。各羽根要素は、単一または複数の材料片、例えばストリップ、平ひもまたはパネルからなり得る。羽根要素は、比較的薄く、一般には、その長さおよび/または幅よりもはるかに薄い材料からなり得る。好ましくは、羽根要素はその幅よりも長い長さを有するが、必ずしもこれには限らない。羽根要素の長さは、一般には覆いの幅に対応する。言及を簡単にするために、本開示では羽根要素をスラットまたは羽根と呼ぶ場合がある。
【0041】
前面および背面垂直支持要素と、羽根要素とは、実質的に任意の種類の材料であってよく、ニット、織布、不織布などを含む織物、布、およびフィルムなどの可撓性材料からなることが好ましいが、これらには限定されない。言及を簡略にするために、垂直支持要素と羽根とのサブアセンブリまたは組合せを、調光パネル、サブアセンブリまたは略して「パネル」と呼ぶ場合がある。例示の一実施形態では、概ね水平な羽根要素は、一般には可撓性の柔らかい材料からなり、概ね垂直な支持要素も一般には可撓性の柔らかい材料からなり、これらが組み合わさって、覆いのための一般に可撓性のサブアセンブリまたはパネルを形成する。実施形態では、垂直支持要素および/または羽根は、可撓性の垂直支持要素および/羽根を形成するように相互結合された比較的剛性または硬質の材料からなっていてもよい。
【0042】
図1を大まかに参照すると、覆い100は、一般にヘッドレール190と、ヘッドレールに結合付けられたローラ150と、調光パネル180と、ボトムレールまたはウェイト160と、覆いを操作し、光を遮断またはパネルを透過させる量、質および方式と、パネルの美的外見および外観とを調節するための機構170(例えばローラを回転させる機構)とを含む。ローラ150は、ヘッドチューブまたはローラチューブとも呼ぶ場合があり、ヘッドレール190に結合付けおよび/または接続されてよく、駆動機構170は、好ましくはローラ150に結合付けまたは接続される。ローラ150は、パネル180の上端を支持し、直接または間接的に接続され、ボトムレール160は、パネル180の下端に直接または間接的に接続されている。ローラ150の動き、例えば回転により、サブアセンブリ180を巻き上げまたはローラ150から巻き広げることができる。
【0043】
より具体的には、図1に示すように、ローラ150はそれを中心にローラが回転する回転軸「R」と、第1の端部151と第2の端部152との間の幅「W」と、直径「D」と、曲率半径「r」とを有する。一実施形態では、ローラの直径は、最小約0.5インチから最大約3インチとすることができ、好ましくは約1.5インチとすることができる。好ましくは、サブアセンブリ180は、少なくとも1本の細長い平ひも102を介してローラ150に接続される。より好ましくは、図2に示すように、1つまたは複数の内側の細長い平ひも210の第1の端部または上端245は、内側の細長い平ひもの長手方向軸X1がローラ150の回転軸「R」に対して概ね直交する向きになるように、ローラ250に結合付けられ、好ましくは結合される。他の実施形態では、1つまたは複数の外側の細長い平ひも220の第1の端部または上端255は、外側の細長い平ひも220の長手方向軸X2がローラ250の中央回転軸「R」に対して概ね直交する向きになるように、ローラ250に結合付けられ、好ましくは結合される。本開示では、パネルまたは覆いの「内側」の部品および構造体とは、例えば、サブアセンブリがローラの周りに巻き上げられたときに「内側」の細長い平ひもが外側からまたは「外側」の細長い平ひもから半径方向内側に位置するように、パネルがローラの周りに巻き上げられたときに「外側」の部品から半径方向内側に位置する部品および構造体を指す。平ひもは、膠などの接着剤、縫い付け、挿入物、および/または現在知られている方法および将来開発される方法を含むその他の付着方法により、ローラに直接または間接的に結合することができる。ローラの回転は、以下で説明するように、建築造作覆いおよび建築造作を透過する光を調節するためにサブアセンブリの配備、伸展、畳み、および巻き上げを促す。
【0044】
図1に示すように、ヘッドレール190は、ローラ150とパネル180とを建築造作の上方に支持することができ、したがって、建築造作の最上部の形状および寸法(例えば幅)に概ね対応し得る。一実施形態では、ヘッドレール190は、好ましくはローラの回転を可能にし、容易にするように、ローラに結合付けられ得る。ローラ150は、現在知られている方法または将来開発される方法によってヘッドレール190に直接または間接的に、回転可能に接続され得る。ヘッドレール190は、典型的にはローラ150を収容し、ローラ150の少なくとも一部はヘッドレール190内に取り付けることができる。ヘッドレール190は、ローラ150を隠すことができ、サブアセンブリ180が完全に巻き上げられた形態にあるときに平面視でローラ150とサブアセンブリ180全体とを隠すことができる、装飾的部品またはアセンブリとすることができる。また、ヘッドレールは、覆い100を取り付けるために使用されるブラケットを隠すかまたは見えにくくすることもできる。ヘッドレールは、一方におけるローラ150および/または巻き上げられた可撓性調光サブアセンブリと組合わさったローラと、他方における建築造作の構造体との間の間隙も隠すことができる。ヘッドレールは、隠されなければローラと建築造作との間の間隙を通過し得る光を遮断するために、そのような間隙がヘッドレールの少なくとも一部によって隠されるようになされてもよい。
【0045】
ボトムレールまたはウェイト160は、サブアセンブリ180の下端178に結合付けおよび/または直接または間接的に結合されてよい。ボトムレールは、建築造作覆いの下部に重みを与え、その際、サブアセンブリがローラから部分的または完全に巻き広げられているときにサブアセンブリを実質的にピンと張らせた状態に維持するようにサブアセンブリに張力を加え、それにより、サブアセンブリの配備と巻き上げとを容易にする一方、サブアセンブリが巻き上げられるときにローラが回転し過ぎるのを抑制する役割も果たす。
【0046】
ボトムレール160は、第1の端部161と、第2の端部162と、第1の端部161と第2の端部162との間に画定される長さ163と、長さ163に対して直角な幅とを有し得る。実施形態によっては、ボトムレールは円筒形(図1)とすることができ、他の実施形態では、ボトムレールは矩形(図2)および/または湾曲形状とすることができるが、その他の大きさ、形状、構成および構造も考えられる。ボトムレール160は、1つまたは複数の内側の細長い平ひもの第2の端部または下端に結合付けおよび/または直接または間接的に結合されてよく、または、1つまたは複数の外側の細長い平ひもの第2の端部または下端に結合付けおよび/または直接または間接的に結合されてよく、実施形態では1つまたは複数の内側の細長い平ひもおよび1つまたは複数の外側の細長い平ひもに直接または間接的に結合されてよい。実施形態によっては、図1に示すように、ボトムレール160は、内側の細長い平ひも110、110’の第2の端部112、112’に直接または間接的に結合される。あるいは、ボトムレール160は羽根130に直接または間接的に結合されてもよい。実施形態によっては、ボトムレール160は1つまたは複数の羽根の1つまたは複数の長手方向縁部の一部または全体に直接または間接的に結合される。ボトムレールは、最下部の羽根の内側長手方向縁部に直接または間接的に結合されてもよく、その羽根が細長い平ひも、好ましくは内側の細長い平ひもに直接または間接的に結合されている最下部の箇所に直接または間接的に結合されてもよい。ボトムレールは、膠などの接着剤、縫い付け、挿入物、仕付け縫い、ステープル、ピン止めおよび/または現在知られている方法および将来開発される方法を含むその他の付着方法により、サブアセンブリまたはサブアセンブリの一部(例えば内側の細長い平ひも)に直接または間接的に結合されてもよい。ボトムレールは、2016年10月28日に出願され、参照によりその全体が本開示に組み込まれる“Covering for Architectural Features, Related Systems and Methods of Manufacture”という名称の米国特許出願第62/414,248号に図示され、記載されているボトムレールと同様にして構成され、パネルに直接または間接的に結合されてもよい。
【0047】
駆動機構170は、サブアセンブリ180の位置および形態を調整するようにサブアセンブリ180に結合付けられることが好ましい。駆動機構170は、ヘッドレール190と結合付け、および/または結合されてもよく、少なくとも部分的にヘッドレール190に収容、および/または取り付けられてもよい。駆動機構170は、開口部における覆いの高さ、したがってパネル180を透過する光の性質および質、透視特性およびパネル180の形状および美的魅力を調節するために、調光パネル180の引き込みおよび伸長を調節する。駆動または調節機構170は、パネル180を透過する光の性質および質、透視特性、およびパネル180の形状および美的魅力にも影響を与える可能性がある、内側および外側の細長い平ひも110、120を基準にした水平羽根要素130の角度向きを調整してもよい。
【0048】
例示のサブアセンブリ180の駆動機構および引き込みおよび伸長の以下の説明は、サブアセンブリ180の引き込みおよび伸長を促すためのローラの使用に言及しながら示すことを理解されたい。しかし、特定の駆動または機構は本開示の態様にとって重要ではないため、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、調光パネルの動きを調節するために当業者に知られている他の構成、例えば、積み重ねまたはその他の畳み構成を代わりに使用してもよい。ローラの回転は、現在当業者に知られているものを含めて、(図1に170として示すような)ローラを回転させるためのプルチェーンまたはコード、係留棒、プーリ、直接駆動機構、歯車列、クラッチ機構、ポンプ機構、電動機構、および/または、電動機構と無線通信する制御装置および将来開発される駆動機構など、任意の所望の駆動機構を使用して実現することができる。ローラ150の回転を調節するための駆動機構170は電気モータを含んでもよく、電気モータはユーザが手動で制御するか、またはリモートコントロールなどの事前プログラム済みまたはプログラム可能ソフトウェア制御ユニットを介して制御してもよい。
【0049】
駆動機構は、調光パネルの羽根の引き込み、伸長、または角度向き決めのためにローラを回転することができる。図3A図3Eに示すように、(図3A図3Eの矢印で示す)第1の方向のローラ350の回転により、調光サブアセンブリ380がローラ350から巻き広げられ、第1の方向とは反対の第2の方向のローラ350の回転により、サブアセンブリ380がローラ350の周りに巻き上がる。
【0050】
調光パネルは、一般には、(1)パネルがローラに完全に巻き付けられた完全引き込み位置(図3A)と、(2)パネルがローラから完全に解かれ、羽根が支持要素間に配置されて延び、実質的に垂直な向きとされ、垂直支持要素に対して概ね平行となった状態で垂直支持要素が互いに概ね平行かつ隣接した状態で、開口部に全体的に伸長する完全伸長位置と(図3C)、(3)羽根の中央部が、垂直支持要素の間に延び、垂直支持要素に概ね横断的に交わる向きとなり、垂直支持要素の長さに沿って離隔され、好ましくは垂直支持要素に対して実質的に水平である完全伸長された完全伸展位置(図3E)間で移行する。さらに、例示の実施形態の形態は、部分的に巻き広げられた畳み形態(図3B)と、完全に巻き広げられ伸長された部分伸展形態(図3D)とを含む。
【0051】
具体的には、垂直支持平ひも間に水平に延びる羽根からなる巻き上げ型窓覆いにおける羽根の角度向きおよび動きは、前面および背面平ひもの相対的な動きによって左右される。図3A図3Cのサブアセンブリ380は、第1の方向(図3A~3Cの矢印で示す)へのローラ350の回転によって巻き広げられ、その際、前面および背面平ひも310、330が合同して垂直方向に動き、それによってサブアセンブリ380を完全巻き上げ引き込み形態(図3A)から、サブアセンブリ380が窓開口部において伸長する完全に巻き広げられた畳み形態(図3C)へと垂直方向に動かす。
【0052】
窓覆いが完全に伸長され、ローラ350から巻き広げられた後(図3Cに図示)、図3Cにおいて矢印で示すような第1の方向へのローラ350のさらなる回転時など、前面平ひも310および/または背面平ひも320の互いから側方または水平方向に離隔する動きによって、平ひも310、320の離隔がさらに増し、前面および背面平ひも310、320を(図3D図3Eで307として示す)垂直方向に反対の方向にさらに動かし、可撓性サブアセンブリ380を伸展させる。前面および背面平ひも310、320の互いに対するこの垂直方向に反対の方向の動き307によって、羽根330が平ひも310、320間で旋回または回転する。平ひもの相対的な垂直方向の動き307は、前面平ひも310および背面平ひも320のうちの1つまたは複数の平ひもによる互いに対する垂直方向の動きの任意の組合せとすることができる。羽根330のこの旋回運動または回転運動によって、前面および背面平ひも310、320に対する羽根330の角度向きが変化し、他の要因とともに羽根330の形状を調節することもできる。第1の方向と反対の方向(図3の矢印と反対の方向)へのローラ350の回転時などの平ひもの相対的な動きによって、サブアセンブリ380が畳まれ、ローラ350のさらなる回転によってサブアセンブリ380がローラ350の周りに巻き上がる。
【0053】
窓覆いの羽根は、パネルを透過する光の量および/または覆いを通した可視度に影響を与えるように、異なる角度向きまたは方向に向けることができ、異なる方向および向きに動かすように操作可能である。日除け向きと呼び、図1および図4A図4Dに示す第1の向きでは、羽根の上端113が前面平ひも120に結合付けられ、および/または、直接または間接的に結合され、(図1および図4Cに示す)羽根130の中央部が背面平ひも110に対して横断的に交わる方向におおむね水平に向かって延びる位置、および/または、(図4Aおよび図4Bに示す)前面平ひも120から背面平ひも110に向かって下方に延びる位置の間で伸長するように動作可能である。一般には、日除け方向では、背面平ひもに結合付けられ、好ましくは直接または間接的に結合された羽根の端部が、前面平ひもに直接または間接的に結合された羽根の端部と同じ高さまたはより低い位置にある。したがって、日除け向きでは、羽根130の角度向きに応じて、背面165を通って覆いに入射する光は羽根要素130に当たることができ、それによって、羽根の材料の不透明度に応じて、図4Dに示すように覆い100を通過する光を遮断または拡散させることができる。
【0054】
プライバシー向きと呼び、図2および図3A図3Eに示す第2の向きでは、羽根230、330の上端253、353が、背面平ひも220、320から延び、背面平ひも220、320に直接または間接的に結合されてよく、羽根230、330は、(図2に示す)羽根230の中央部が前面平ひも210に向かって概ね水平に延びる位置、および/または、(図3B図3Dに示す)背面平ひも320から前面平ひも310に向かって下方に延びる位置との間で伸長するように操作可能である。一般に、プライバシー向きでは、前面平ひもに直接または間接的に結合された羽根の端部が、背面平ひもに直接または間接的に結合された羽根の端部と同じ高さまたはより低い位置にある。このプライバシー向きでは、光源(太陽)から外側165を通って覆いに入射する光195は、(図3Eに示す)羽根330の間の間隙または空間324を透過することができる。プライバシー向きでは、羽根230、330が、図3Dに示す位置にある羽根330によって示されるように透視を遮断するため、窓の下に居て見上げている人が室内を見ることを妨げることができる。
【0055】
当業者は、巻き上げ型覆いにおける羽根の角度向きおよび相対的な動きを含む調光特性および透視特性が、平ひもがローラの背面115から延びているかまたはローラの前面119から延びているか、および/または、ローラの回転の方向によって影響されることがわかるであろう。図1および図4A図4Dに示すように窓覆いがローラ150の前面119から巻き上がるかまたは巻き下がる場合、平ひも110、120がまず完全伸長位置から引き込まれると、背面平ひも110が下がって前面平ひも120に向かって側方に移動するにつれて前面平ひも120が垂直方向に上方に引き上げられる(図4C図4B図4Aを比較)。前面平ひもおよび背面平ひも120、110のこの相対的な動きにより羽根130が回転または旋回し、羽根130が前面平ひも120から背面平ひも110に向かって下方に延び、図4Aおよび図4Bに示すような日除け向きになるように、前面平ひもおよび背面平ひも120、110に対するそれぞれの角度向きを変化させる。しかし、図2図3A図3Eに示すように窓日除けがローラの背面115から巻き上がり、巻き下がる場合は、平ひもがまず完全伸長された伸展位置から引き込まれ、前面平ひも210、310が下がって背面平ひも220、320に向かって側方に移動するにつれて背面平ひも220、320が垂直方向上方に引き上げられる。この前面平ひもおよび背面平ひもの動きにより羽根が回転または旋回し、羽根が背面平ひも220、320から前面平ひも210、310に向かって下方に延び、図2図3C図3Dに示すようなプライバシー向きになるように前面および背面平ひも210、310に対するそれぞれの角度向きを変える。したがって、ローラの周りの時計回りか反時計回りかの巻き上げの方向、および/または、ローラの前面または背面の周りの巻き上げの方向は、覆いが日除け向きとプライバシー用向きのいずれの向きに動作するかに少なくとも影響を与える。
【0056】
サブアセンブリの概要
図1に示す実施形態におけるサブアセンブリ180は、好ましくは、1つまたは複数の内側の細長い平ひも110、110’など(内側の細長い平ひも110と総称)と、1つまたは複数の外側の細長い平ひも120、120’(外側の細長い平ひも120と総称)と、複数の羽根130、130’など(羽根130と総称)、と複数の任意選択の補強材140、140’など(補強材140と総称)とを含む、1つまたは複数の平ひも102を含む。サブアセンブリ180は、示されているよりも多いかまたは少ない数の内側の細長い平ひも110、外側の細長い平ひも120、羽根130、および/または補強材140を含んでもよいことはわかるであろう。サブアセンブリ180は、内側の細長い平ひも110、110’の第1の端部111、111’と、外側の細長い平ひも120、120’の第1の端部121、121’とによってローラ150(ある場合)に接続される。ボトムレール160が、内側の細長い平ひも110、110’の第2の端部112、112’のうちの少なくとも1つによってサブアセンブリ180に接続される。
【0057】
平ひもおよび羽根は、好ましくは比較的可撓性の材料で形成され、補強材140は、実施形態では平ひも間での羽根のたるみまたは過度のたるみを抑止するように平ひも間の可撓性羽根材料を支持するために接続要素またはブリッジを形成するため、羽根と比較して比較的硬質であることが好ましい。補強材140は、破損せずに屈曲可能であり得るという意味では可撓性であってもよいが、羽根130のたるみがある場合でも最小限のたるみで羽根130を支持するのに十分な構造的保全性および/または剛性を有することはわかるであろう。
【0058】
支持部材の構造
サブアセンブリは、各支持部材が、第1の端部および第2の端部であってその間で支持部材長さを画定する両端部と、その長さに対して直角な支持部材幅と、その長さおよび幅に対して直角な支持部材厚さとを有する、1つまたは複数の支持部材を含み得る。1つまたは複数の支持部材はそれぞれ、それぞれの支持部材の長さの方向に延びる長手方向軸「X」を有する。各支持部材は、内面と、好ましくは内面と反対側の外面とを有し、各面はそれぞれの支持部材の幅と長さとによって画定される表面によって画定され、それぞれの支持部材の厚さによって離隔される。一実施形態では、支持部材のうちの1つまたは複数の支持部材は細長い平ひもであってもよい。
【0059】
より具体的には、図2に示すように、サブアセンブリ280は、第1の端部255と第2の端部256との間の長さと、好ましくは中央に位置する長手方向軸「X2」と、(好ましくは、回転軸「R」に対して平行な方向に延びるローラに結合付けられる場合に)長さ225に対して直角な幅226と、外側の細長い平ひも220の長さと幅の両方に対して直角な方向に延びる厚さ227とを有する1つまたは複数の外側の細長い平ひも220を含む。第1の外側の細長い平ひも220は、(図2では見えない)外面224と、好ましくは外面とは反対側の内面223とを有し、内面および外面223、224はそれぞれ、第1の外側の細長い平ひも220の長さ225と幅226とによって画定される表面によって画定され、第1の外側の細長い平ひも220の厚さ227によって離隔されている。サブアセンブリ280は、第1の端部245と第2の端部246との間の長さ215と、好ましくは中央に位置する長手方向軸X1と、(好ましくは回転軸「R」に平行な方向に延びるローラに結合付けられた場合)長さ215に対して直角な幅216と、内側の細長い平ひも210の長さと幅の両方に対して直角な方向に延びる厚さ217とを有する、1つまたは複数の内側の細長い平ひも210をさらに含む。内側の細長い平ひも210は(図2では見えない)外面214と内面213とを有し、内面および外面213、214はそれぞれ内側の細長い平ひも210の長さと幅とによって画定される表面によって画定され、第1の内側の細長い平ひも210の厚さ217によって離隔されている。
【0060】
図2の実施形態におけるサブアセンブリ280は、第1の内側の細長い平ひも210および外側の細長い平ひも220について上述したように、長さと、幅と、長手方向軸と、内面と外面とを有する第2の外側の細長い平ひも220’と第2の内側の細長い平ひも210’とをさらに含む。
【0061】
さらに、建築造作覆いの実施形態では任意の数の細長い平ひもを含んでよく、内側の細長い平ひもの数は外側の細長い平ひもの数と等しくても異なっていてもよいことを理解されたい。所望の機能特性および美的特性に応じて様々な数の細長い平ひもを使用することができる。例えば、そのような一実施形態では、図2に示すように、第3の内側の細長い平ひも210”と第3の外側の細長い平ひも220”とが、第1および第2の内側および外側の細長い平ひもの間に設けられる。図2に示す第1および第2の内側および外側の細長い平ひもは、羽根の端部に、またはその近傍、またはそれに隣接して配置され、第3の外側平ひも、第3の内側平ひも、または第3の内側平ひもと第3の外側平ひもの両方が、それらの内側平ひもと外側平ひもとの間に、例えば等距離位置に存在してよい。他の実施形態では、第3の外側の細長い平ひもは、第1と第2の外側の細長い平ひもの間に、たとえば等距離位置に存在するが、第3の内側の細長い平ひもは使用せず、それにより3本の外側の細長い平ひもと2本の内側の細長い平ひもとが存在する。サブアセンブリでは、外側および内側の細長い平ひものその他の構成も使用可能である。
【0062】
図1の実施形態に示すように、内側の細長い平ひも110と外側の細長い平ひも120とは、サブアセンブリ180がローラの周りに巻かれたときに互いに重なり合うように、サブアセンブリ180の幅に沿って互いに側方に位置合わせされ得る。別の実施形態(図示せず)では、内側の細長い平ひものうちの1つまたは複数の内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひものうちの1つまたは複数の外側の細長い平ひもとが互いに位置合わせされないようにサブアセンブリの幅に沿って互いに側方にずらされてよく、したがってサブアセンブリがローラの周りに巻かれたときに互いに重なり合わない。図1および図2に示すように、第1の外側の細長い平ひもは、サブアセンブリが様々な形態にあるときおよび様々な形態間を移行するときに、平ひもの長さに沿って第1の内側の細長い平ひもと実質的に平行であってよい。好ましくは、第1の内側の細長い平ひもの面は第1の外側の細長い平ひもの面と平行である。より好ましくは、内側の細長い平ひもの外面と外側の細長い平ひもの内面とは反対方向であり、より好ましくは互いの方に向いている。別の実施形態では、平ひもは平ひもの長さの少なくとも一部に沿って平行な面を有しないようになされることができる。
【0063】
図3A図3Bに示すように)サブアセンブリ380がローラ350の周りに巻かれると、内側平ひも310の長さは、ローラ350の周囲で完全に一回転する(ローラを囲む)ように、外側平ひも320の長さより短い。サブアセンブリがローラ350の周りで回転するときに内側平ひも310と外側平ひも320のこのような異なる長さに対応するために、内側平ひも310は座屈してよく、状況によっては、内側平ひもは重ね合わさってもよい。一実施形態では、内側平ひも310は、1つまたは複数のヒンジ部分またはヒンジ線で実質的に畳まってもよい。例えば、一実施形態では、1つまたは複数の内側の細長い平ひもが、内側の細長い平ひもの長さに沿って配置された複数の折り畳み可能ヒンジ部分を画定してもよい。実施形態によっては、各ヒンジ部分は、内側の細長い平ひもの幅に沿って延びる1つまたは複数の離隔された折り目によって画定することができる。実施形態によっては、ヒンジ部分は、内側の細長い平ひも内に作り込むことができる。例えば、折り目がつくように内側平ひもを処理し、ヒートセットして、選択的折り目を形成することができる。内側平ひもの座屈、重なり合い、および/または折り曲げは、外側平ひも320から半径方向内側に配置されるのを補償し、サブアセンブリ380がローラ350により整然と、より均一に巻き上がることができるようにするために、巻き上げられるときに内側平ひも310の長さを短くするように行うことができる。したがって、内側の細長い平ひもがローラの周囲に巻き上げられるときに、内側の細長い平ひもの長さを短縮された「有効長」まで短くするために、内側平ひもは、その長さに沿って座屈、重なり合い、および/または折り曲げられるようになされてもよい。内側平ひもは、巻き上げ式覆いがローラから巻き広げられるときに、内側の細長い平ひもをその全長に戻すために、座屈の展開、および/または畳みの展開をするようにさらになされる。この座屈、折り曲げ、および/または折り畳み可能ヒンジ部分により、サブアセンブリが巻き広げられるときに外側平ひもおよび内側平ひもは同じ、または実質的に同じ幾何学長さを有すると同時に、サブアセンブリが巻き上げられるときに実質的に異なる長さを有し、それによって巻き上げ式覆いがより整然と確実に巻き上がることを可能にする。
【0064】
隣接する内側の細長い平ひも間、および/または、隣接する外側の細長い平ひも間のサブアセンブリの幅に沿った側方の間隔は、所望の機能特性および美的特性に応じて異ならせてもよい。具体的には、第1および第2の内側の細長い平ひもを使用し、第1および第2の外側の細長い平ひもを使用する場合、サブアセンブリの幅に沿った内側の細長い平ひも間の側方の間隔は、任意の所望の距離に設定してよく、サブアセンブリの幅に沿った外側の細長い平ひも間の間隔は、任意の所望の距離に設定してよく、これらの間隔は同等距離または異なる距離であってもよい。
【0065】
上述のように、サブアセンブリの幅に沿った1対の隣接する平ひも間の側方の間隔(例えば距離)は、サブアセンブリの幅に沿った別の1対の隣接する平ひも間の間隔と異なっていてもよいことを理解されたい。好ましくは、第1の内側の細長い平ひも110と隣接する第2の内側の細長い平ひも110’との間の距離、および/または、第1の外側の細長い平ひも120と隣接する第2の外側の細長い平ひも120’との間の距離は、6インチより大きい。より好ましくは、第1の内側または外側の細長い平ひもと対応する隣接する第2の内側または外側の細長い平ひもとの間の距離は、9インチより大きく、12インチより大きく、好ましくは18インチより大きく、サブアセンブリおよび羽根の構造の所望の機能特性および/または美的特性によっては24インチ以上であってもよい。
【0066】
内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもの長さに垂直方向に沿った羽根の間隔は、所望の機能特性および美的特性に応じて異なってもよい。より具体的には、一実施形態では、外側の細長い平ひものうちの1つまたは複数、好ましくは全部の長さが、少なくとも1対の隣接する羽根間で、同じ1対の隣接する羽根間の内側の細長い平ひもの長さと同じかまたはより長くてもよく、またはその逆に、少なくとも1対の隣接する羽根間で内側の細長い平ひもの長さが、同じ1対の隣接する羽根間の外側の細長い平ひもの長さよりも長くてもよい。希望する場合には、外側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部が、最上部の羽根とローラとの間で内側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部の長さと同じであるかまたはより長くてもよい。あるいは、内側の細長い平ひものうちの1つまたは複数、好ましくは全部の、最上部の羽根とローラとの間の長さが、その最上部の羽根とローラとの間の外側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部の長さよりも長くてもよい。希望する場合は、内側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部の最下部の羽根とボトムレールとの間の長さが、外側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部の最下部の羽根とボトムレールとの間の長さと同じかまたはより長くてもよく、または逆に、外側の細長い平ひものうちの1つまたは複数、好ましくは全部の最下部の羽根とボトムレールとの間の長さが、内側の細長い平ひものうちの少なくとも1つ、好ましくは全部の最下部の羽根とボトムレールとの間の長さより長くてもよい。隣接する羽根、ローラ、および/またはボトムレール間の外側平ひもの長さと比較した内側の平ひもの長さの変更は、サブアセンブリ180の最下部に対する羽根の垂直距離に影響を与え得る。
【0067】
細長い平ひもは、好ましくは可撓性材料からなる。例えば、可撓性材料は、フィルム、織物、布、プラスチックまたはその他の材料およびこれらの組合せを含むグループから選択することができる。希望する場合は、布はニット、織布または不織布材料であってもよい。細長い平ひもは、透明、半透明または不透明であってもよい。細長い平ひもは、屈曲し、ローラの周りに巻き上がることが可能な可撓性の細長い平ひもを形成するように、比較的に可撓性の材料によって相互に接続された比較的に剛性の材料、および/または、相互に接続された複数の剛性材料の組合せからなってもよい。
【0068】
細長い平ひもは、一般には、サブアセンブリが、構造体および/または開口部などの建築造作全体を上から下まで覆うように延びるような長さを有するように選択される。細長い平ひもは、最小約5mmから最大約100mmの幅を有してよく、この間において約1mm刻みで様々な長さであってよい。好ましくは、細長い平ひもの幅は、最小約8mm、最大約25mmであり、より好ましくは最小約8mm、最大約12mmである。細長い平ひもの幅は、美観と、構造と、材料と、窓覆いを支持する強度と、羽根の支持とに応じてよい。細長い平ひもの厚さは、好ましくは、最小約0.25mm、最大約0.5mmであり、この間において約0.01mm刻みで様々であるが、他の厚さも使用してよく、使用する材料と、その幅と、紫外線劣化し易さとを含むいくつかの要因に基づいて選定されることになる。
【0069】
羽根要素の構造
図1および図4Aないし図4Dに示すように、覆いの実施形態によっては、垂直支持部材、例えば垂直平ひも110、120の位置に応じて容積を変化させるセル103を形成する複数の好ましくは独立して形成された多層羽根130を有してもよい。多層羽根130は、それぞれの垂直支持部材の間に延び、垂直支持部材の長さに沿って離隔されている。建築造作覆いにおける1つまたは複数の位置にあるとき、および好ましくは少なくともサブアセンブリが伸展形態にあるときに、2層以上の層の間に空間(セル)を有するようになされた多層羽根を、本開示では、多層セル式羽根または「セル式羽根」と呼び、多層でない羽根、および/または、層間に空間(セル)を形成または有しない羽根を本開示では「非セル式羽根」と呼ぶ。
【0070】
図1に、すべてセル式の羽根を有するサブアセンブリを示し、図2に、非セル式の羽根を有するサブアセンブリを示す。図5Dに、セル式羽根と複数の非セル式羽根の両方を有するサブアセンブリの実施形態の一部の斜視図を示す。非セル式羽根530は、第1と第2の端部531、532の間に延びる長さ538と、両側縁部533、534間に延びる幅537と、厚さ539を画定する内面535および外面536とを有する1枚のシート材料からなってよい。当業者は、異なる形状、大きさ、および/または構成の非セル式羽根も、建築造作覆いのサブアセンブリ内での使用に適し得ることは容易にわかるであろう。例えば、非セル式羽根は大部分隣り合わせて位置合わせされ結合された複数の材料片からなっていてもよく、および/または、非セル式羽根は、接着または積層された材料の複数の層を含んでいてもよい。図5Dには、側縁部543、544間に延びる多層セル式羽根540も示す。
【0071】
平ひもの側方および垂直方向の動きによって、多層羽根130の形状および角度向きが調節される。その結果、羽根130は、畳み位置または形態(図4A参照)と、開位置、または羽根130が羽根材料の層の間にセルまたは空間103を有する三次元多層セル式羽根130(図1A図4C~4D参照)を形成する形態との間で変化する。
【0072】
畳み位置では、図4Aに示すように、各セル103が実質的に平坦になってよく、多層羽根130を形成する材料が概ね垂直に、互いに対して実質的に平行であり、支持要素110、120のそれぞれに対して実質的に平行であってよい。実施形態によっては、畳み位置では、羽根130が前面および背面支持要素、例えば細長い平ひも120、110の間に位置する擬似中間シートを形成し得るようにセルが畳まれまたは平坦化された閉位置にあるときに、多層羽根130が互いに隣接するかまたは部分的に重なり合う(全体として図4A参照)。実施形態によっては、隣接する羽根の間の間隙を通した光透過または透視を可能とし得るように、羽根が閉位置または畳み位置にあるときに羽根の重なりがなくてもよく、隣接する羽根の間に間隙が存在してもよい。
【0073】
パネル180の使用材料および構造に応じて、支持部材、例えば平ひもの動きによって、多層羽根130によって形成されるセル103を開いたり閉じたりすることができ、その容積が変化し、それによってパネル180の光透過および透視が変化し得る。1つまたは複数の実施形態では、多層羽根は、図4Aに示すようにサブアセンブリが巻き広げられた畳み形態のときなど、羽根が閉位置にあるときでも、多層羽根の層によってセルが形成されるような方式で製作され、構成されてよく、好ましくは支持部材、例えば細長い平ひもに直接または間接的に結合される。実施形態では、多層羽根における外側羽根層132のより広い幅とその構造によって、外側羽根層132を湾曲させ、内側羽根層131からわずかに側方に位置させるかまたは離隔させることができる一方、内側羽根層131はサブアセンブリが畳み形態にあるときでも実質的にまっすぐでピンと張られた状態のままであり、層131、132間に間隔103を生じさせる。内側羽根層131と外側羽根層132との間の間隔によって、空間とも呼ぶセル103が形成される。一実施形態のサブアセンブリが完全に巻き広げられるか、または部分的に巻き広げられると、サブアセンブリは図4Aに示すような畳み形態になることができ、複数の羽根が重なり領域「OA」で互いに重なりあってよい。好ましくは、羽根がサブアセンブリを通した光の透過を調節、抑制、および/または、羽根の材料によっては遮断することができるように、隣接する羽根が重なり合う。多層羽根はパネルが畳み形態の時であってもセルを形成するように製作されてよいが、羽根は、パネルが畳み形態のときに多層羽根においてセル状の間隔がまったくまたは実質的に形成されないようになされてよい。
【0074】
セル103が開くかまたは少なくとも部分的に開くように多層羽根130が位置決めされると、各羽根130の中央部分が少なくとも1つの支持部材、例えば平ひも110、120に対して実質的に直角となるか(図1図4C図4D参照)、または角度をなしてもよい(図4A図4B参照)。多層羽根130は、開くかまたは実質的に開くと、好ましくは、開口端のある空間またはセル103に外接して取り囲む壁を形成する。多層羽根130は、羽根が共通の壁または材料を別の羽根と共有しないように、互いに隣接し、離隔された平ひもに別々に結合されてよい。言い換えると、羽根130はそれぞれ分離し、独立し、垂直支持要素、例えば細長い平ひもの長さに沿って隣接する羽根130から離隔されている。例えば隣接する多層セル式羽根130が前面および背面支持要素120、110によって分離され、その長さにそって離隔されるように、隣接する羽根130の間に間隙または間隔124が形成されてよい。すなわち、間隙124は、透視を可能にし、光が羽根130に当たらずにパネルを透過することを可能にすることができる。開放形態では、多層羽根は各セル内に空気を閉じ込めることによって遮断をもたらすことができるセルを形成する。また、セルは、覆いの外側165に形成される影を、覆いの内側111で目立たないように低減または拡散することができる。言い換えると、覆いの内側から見たときに、特定の入射角であるか否かを問わず覆いの構造体または覆いの外側の物体(例えばごみ)に入射する光による影の線を低減することができる。
【0075】
一実施形態では、図4Bに示すように、サブアセンブリが巻き広げられた部分的伸展形態であるとき、内側羽根層131と外側羽根層132との間の距離が大きくなるにつれて、内側羽根層と外側羽根層との間の間隔(セル103)が伸展または拡大する。本開示では、内側羽根層は内側スラット層とも呼び、外側羽根層は外側スラット層とも呼ぶ。組み立て済み覆いの一実施形態では、パネルサブアセンブリがローラの周りに実質的に巻き上げられると、内側スラットまたは羽根層がそれに対応する外側スラットまたは羽根層から半径方向内側に配置される。サブアセンブリが部分的に伸展された形態のときに、拡大されたセル103は、サブアセンブリが完全に巻き上げられた畳み形態のときよりも光を拡散する度合いが大きい。
【0076】
図4Cに示すように、ローラのさらなる回転により、サブアセンブリをさらに、部分的に伸展された形態から完全に伸展された形態に配備することができる。図4Cに示すようにサブアセンブリがさらに完全伸展形態に伸展されると、細長い平ひもがさらに離隔し、それによって、羽根は多層セル式羽根130が二重の「S」字形の断面形状となる位置に動き、外側羽根層132と内側羽根層131とがさらに離隔され、それによって羽根セル103を拡大する。完全伸展形態のとき、複数の羽根が互いに完全に分離され、より高い羽根130の外側羽根層132とより低い羽根130’の内側羽根層131’との間に間隙124ができる。その結果、一部の直射日光が遮断され得ず、隣接する羽根の間の間隙124を通過し、したがってサブアセンブリと建築開口部とを通過する。
【0077】
図4Dに示すように、日除け形態のときに多層セル式羽根130に形成されたセル103は、内側羽根層131の内面133に入射する直射日光110を、外側羽根層132まで透過される分散光175に分散させる。この結果、羽根セル103は直射日光195を拡散させ、その結果、セル103は、ごみ、ほこり、虫またはその他の物の影と、不具合が図4Dの実施形態では外側羽根層132である光源から最も遠い多層羽根の羽根層上に現れないように最小限にする。
【0078】
図4Dに示すように、直射日光195は内側羽根層131、131’の内面133、133’の全体を照射しない。その結果、内側羽根層131’の一部分105’が内側羽根層131’の照射部分104’よりも暗くなる。多層羽根130、130’の複数層と、内側羽根層131、131’の半透明性とにより、内側羽根層131、131’を通過する直射日光195は、内側羽根層131、131’と外側羽根層132、132’との間を通るときに分散され、拡散し、分散光175、175’となる。羽根層間での直射日光195の分散の結果、分散光175は外側羽根層132の内表面135を照射し、外側羽根層132の外表面136が目に見えてより明るい部分176を有し、外側羽根層132の明るい領域と暗い領域との間の遷移が散開して相当により柔らかく見えるように、中間部分177においてより暗い部分178へと緩やかに遷移する。もし羽根が多層羽根でなかったとすれば、暗い部分178と明るい部分176との間の遷移はより急激になり、コントラストが大きくなる。セル103(内側と外側の羽根層131、132の間の間隙)の大きさは、建築造作覆い100が(図4Dに示すように)完全に伸展された巻き広げ形態にあるときに、建築造作覆い100が(図4Bに示すように)部分的に伸展された巻き広げ形態にあるときよりも光の拡散が大きくなるように、光の拡散量に比例する。
【0079】
覆いの1つまたは複数の実施形態では、羽根のうちの1つまたは複数の羽根が、一般に可撓性材料の上部ストリップまたは層と可撓性材料の下部ストリップまたは層とを含む多層羽根であってもよい。一実施形態における多層羽根はそれぞれ独立して作成することができ、結合することができ、実施形態によっては、平ひもに好ましくは直接結合されて多層羽根を形成する。多層羽根は、いくつかの異なる方式で形成することができ、異なる構造を有する。一般に、多層羽根は、上部ストリップと下部ストリップとを形成し、各ストリップは長さを画定する2つの端部と、幅を画定する2つの側縁部とを有し、側縁部は、支持要素に直接または間接的に結合される扁平なチューブまたは多層羽根を形成するように、折り曲げ、結合、折り目付け、ヒートセット、処理、および/または相互接続することができ、セル式羽根となることができる。
【0080】
図6A図6Dに示すように、セル式羽根は、多層羽根が少なくとも1つの位置にあるとき、好ましくは少なくとも多層羽根の層が実質的に伸展された位置に分離するときに、間に空間(セル)を形成する少なくとも2つの羽根層を含み得る。羽根層は、層が空間を完全に取り囲むように分離し得る、完全に原型を保った多層羽根を形成するように構成および/または接続することができる。
【0081】
多層羽根600は、内側または第1の羽根層610(内側スラット層とも呼ぶ)と外側または第2の羽根層620(外側スラット層とも呼ぶ)とを含む。内側羽根層610は、第1の端部611および第2の端部612と、第1の端部611と第2の端部612との間の第1の長手方向縁部613および第2の長手方向縁部614とを有する。内側羽根層610は、第1の端部611と第2の端部612との間に(長手方向縁部613、614の方向に)延びる長さ616と、長手方向縁部613と長手方向縁部614との間に(縁部613、614に対して横断的に交わる方向、好ましくは概ね直角な方向に)延びる幅615とを有する。内側羽根層610は、長さ616および幅615に対して直角な厚さ619を有する。内側羽根層610は、第1の長手方向縁部613に沿って延びる内側縁領域691と、第2の長手方向縁部614に沿って延びる外側縁領域695と、内側縁領域691と外側縁領域695との間に延びる中央領域693とを有する。
【0082】
図6A図6Dでは、外側羽根層620は、第1の端部621および第2の端部622と、第1の端部621と第2の端部622との間の第1の長手方向縁部623および第2の長手方向縁部624とを有する。外側羽根層620は、第1の端部612と第2の端部622との間に(長手方向縁部614、624の方向に)延びる長さ626と、長手方向縁部623と長手方向縁部624との間に延びる幅625とを有する。外側羽根層620の幅625は、好ましくは内側羽根層610の幅よりも広い。外側羽根層620は、長さ626および幅625に対して直角な厚さ629を有する。外側羽根層620は、第1の長手方向縁部623に沿って延びる内側縁領域692と、第2の長手方向縁部624に沿って延びる外側縁領域696と、内側縁領域792と外側縁領域696との間に延びる中間領域694とを有する。
【0083】
内側羽根層610は、好ましくは内側羽根層610の厚さ619によって離隔された、内面617(図6C)と(好ましくは内面617とは反対側の)外面618とを有する。外側羽根層620は、好ましくは外側羽根層620の厚さによって離隔された、内面627(図6A図7Dでは見えない)と(好ましくは内面627とは反対側の)外面628とを有する。
【0084】
羽根は、それぞれの長手方向縁部の間で「たわみ」または屈曲して全体的に平坦な向きから全体的に湾曲した、例えばほぼ「S」字形の断面形状に変化するようになすことができ、他の形状も考えられるが「S」字形は美的外見上の理由で好ましい。羽根130のこのような可撓性は、巻き上げ式覆いに融通性のある幾何形状を与える。サブアセンブリは、サブアセンブリが初めにローラから巻き広げられるときに光が羽根を通過しないように抑制または遮断するように羽根が実質的に畳まれている畳み形態にあるように、またはその形態に付勢されるようになされ得る。
【0085】
当然ながら、内側羽根層と外側羽根層の長さは同じである必要はなく、各羽根層の幅または厚さも同じである必要はなく、内側羽根層と外側羽根層は異なる材料、たとえば布からなると考えられるが、必ずしもその必要はない。外側羽根層620および内側羽根層610は、外側羽根層620と内側羽根層610との間に空間630が存在することができ、それによって、羽根が少なくとも1つの位置にあるとき、好ましくは少なくとも羽根が実質的に伸展位置にあるときに、好ましくは外側羽根層620の内面627と内側羽根層610の外面618との間に羽根セル630を形成するような寸法とされ、構成されることが好ましい。内側羽根層610の幅615より広い外側羽根層620の幅625により、セル630の形成を促すことができる。セル630の形成に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因は、羽根層610、620が形成される材料、羽根材料および/または羽根層の構造および/または付着と、羽根層の寸法(厚さ、幅および長さ)である。以下で説明する細長い補強材およびそれらの補強材と羽根との相互作用もセル630の形成に影響を与えるであろう。
【0086】
好ましくは、セル630は羽根層の長さを伸長させ、一実施形態では、羽根層は、細長い概ね長手方向のスリーブまたはチューブを形成するようにそれぞれの長手方向縁部に沿って直接または間接的に互いに接続、結合または付着されてもよい。一実施形態では、羽根層は、空間またはセルを有する概ね細長い長手方向のスリーブまたはチューブの形成を促すように、平ひもの近傍において直接または間接的に互いに接続、結合または付着されてもよい。全般に細長い長手方向のスリーブは、任意の断面形状を有してよい。
【0087】
羽根層は、好ましくは可撓性材料から形成される。羽根層は、所望の光透過特性または抑制特性と、所望の可撓性および強度特性とを有する、布、織物、ニット、織布、不織布、プラスチック、フィルムおよびその他の任意の材料のうちの1つまたは複数で形成され得る。羽根には異なる色、および/または、異なる模様の材料を使用してもよい。羽根材料として、不透明、半透明または透明な材料を使用することができる。単一の多層羽根の外側羽根層と内側羽根層を形成するために異なる材料を使用してもよい。例えば、1つの羽根層を半透明な織物で形成し、他方の羽根層を不透明または比較的透明な異なる材料、例えば金属またはプラスチックで形成してもよい。1つの羽根層を複数の材料で形成してもよい。
【0088】
一実施形態では、覆いは、閉じた形態、例えば多層羽根を使用して室内を暗くする形態において、建築開口部を光が透過するのを実質的に遮断するように設計してよく、この室内を暗くする形態を以下では便宜上、「遮光」とも呼ぶがこれは本開示を限定しない。例えば、外部または背面に対向するストリップまたは層を、黒または他のストリップまたは層よりも暗い色としてもよい。例えば、背面対向ストリップを、どのような光も材料を通るのを実質的に遮断する遮光材料としてもよく、他の前面ストリップは半透明材料で形成することができる。背面または外部に対向する黒色ストリップと前面に対向する半透明ストリップとを有する多層羽根を使用することにより、背面ストリップに不具合があっても、または背面層を透過した光があっても、前面対向層によって拡散される。プライバシー向きまたはプライバシー形態では、背面に対向する遮光ストリップまたはより暗いストリップは、下部ストリップである。日除け形態では、背面に対向する遮光ストリップまたはより暗いストリップは多層羽根の上部ストリップである。あるいは、背面ストリップ、好ましくは下部ストリップにはきわめて光拡散性の高い材料を使用することができ、前面対向ストリップ、好ましくは上部ストリップには織り目のある布が好ましい場合があり、またはその逆もあり得る。
【0089】
羽根は、上部および下部のストリップの他に、1つまたは複数の追加の層も含んでよい。例えば、上部ストリップと下部ストリップとの間に位置する第3のストリップの使用は、多層羽根における中間層であってもよい。第3の層または中間層と、任意選択により追加の層とは、フィルム、および、多層羽根を形成する他のストリップに使用可能な他のポリエステル材料とよく接着および/または溶接されるポリエステルからなるフィルムまたは布とすることができる。多層羽根における追加の層は、よりよい日除け効果をもたらし得る。例示の一実施形態では、上部ストリップの第1の1巻きの布と、中間層材料の第2の1巻きの布と、下部ストリップの第3の1巻きの布とがそれぞれ巻き広げられ、それによって、上部ストリップと中間層材料と下部ストリップとが層として配置され、超音波溶接機またはその他の付着処理に送られて多層羽根を形成する。特定の形態では、多層羽根における第3の層の使用により、改良型遮光羽根を提供することができる。一実施形態では、第3の層は中間層を形成し、光が多層羽根を通過しないように遮光をもたらす材料を選択してもよい。遮光効果をもたせるためにDuPont(登録商標)#329およびMylar(登録商標)などの金属化フィルムを第3の中間層の材料として使用してもよい。好ましくは3層すべてを同時にカットシールしてよく、それらの端部で結合されてよい。第3の層はその縁部が接着されるのみであり、セルまたは間隔を形成するかまたは形成に寄与するように他の層から自由に分離する。
【0090】
静電気の蓄積は、羽根層の分離と羽根の開きとに影響を及ぼす可能性がある。これは、薄い滑らかなセルを形成する多層羽根の場合に特に問題である。したがって、特に互いに対向して空洞を形成するストリップの表面において静電防止合成物で羽根材料を処理することにより、この静電気作用を軽減し、セルが開くのを容易にしてもよい。例えば静電防止材料を羽根ストリップの表面にプリントすることによって、ストリップに静電防止材料を添合してもよい。
【0091】
希望する場合には、羽根材料に登録マークを付けることができ、画像または意匠の個々の部分をプリントすることができ、巻き上げ式覆いが巻き広げられた畳み形態であるときに完成形の意匠が形成される。さらに、画像は、特注の巻き上げ式窓覆いを提供するために、製造工程で羽根材料に登録マークとともにプリントすることができる。
【0092】
好ましくは、内側羽根層および外側羽根層はそれぞれ、約10インチから約144インチの長さを有し、この間で約1/8インチ刻みで異なってよい。これより短いかまたは長い長さも考えられる。羽根層の幅は、任意の所望の幅であってよいが、一般には、約1インチから6インチ、好ましくは約2インチから約5インチであり、最も好ましくは約3インチから4インチであり、この間で約1/8インチ刻みで異なってよい。羽根は均一で一定した幅としてよく、または1つのサブアセンブリにおける羽根の幅が異なってもよく、1つまたは複数の幅を有することができる。好ましくは、羽根層の第1の部分の幅、すなわち、内側縁領域の幅は、最小約1/16インチから最大約3/8インチであってよく、羽根層の第2の部分の幅、すなわち外側縁領域の幅は最小約1/16インチから最大約3/8インチであってよく、羽根層の第3の部分の幅、すなわち中央領域の幅が羽根層の残りの幅を構成する。一実施形態における内側縁領域の幅と外側縁領域の幅は、任意選択の細長い補強材とほぼ同じ幅であってもよく、または、以下で説明する角度の付いた細長い補強材の幅の約半分であってもよく、および/または、羽根層と細長い平ひもとの付着領域とほぼ同じであってもよい。内側縁領域の幅について、最小1/16インチから最大約3/8インチと記載したが、この幅は約1/32インチ刻みでこの間で異なってよく、より小さい幅とより大きい幅の両方の他の異なる幅が可能であるものと企図される。好ましくは、羽根層の長さはそれぞれの細長い平ひもの幅よりも大きく、より好ましくは、それぞれの内側の細長い平ひもの幅の和、および/または、それぞれの外側の細長い平ひもの幅の和より大きい。羽根層の厚さは、好ましくは最小約0.005インチから最大約0.0005インチであり、約0.0001インチ刻みでこの間で異なり得る。各羽根層の厚さは、一般に、羽根層の長さおよび/または幅の少なくとも50分の1である。一実施形態では、羽根層の厚さは好ましくはその長さおよび/または幅の少なくとも100分の1とすることができ、より好ましくその長さおよび/または幅の少なくとも300分の1である。
【0093】
多層羽根を形成するために、単一または複数の材料片を使用して内側羽根層と外側羽根層とを形成してもよい。単一の材料片は、羽根層を製作するために折り目付け、折り曲げ、および/またはヒートセットしてその材料片自体に直接または間接的に結合してよい。あるいは、内側層および/または外側層を形成するために複数の材料片を使用してよく、一実施形態では、複数の材料片をそれらの端部で結合して内側羽根層を形成してよく、複数の材料片をそれらの端部で結合して外側羽根層を形成してもよい。多層羽根の形成の仕方は、形成されるセル型空間の側面(断面)に影響を与える可能性があり、羽根を支持する細長い平ひもの間から見たときに美的に感じがよいきれいな縁部を備えた多層羽根を形成することと、様々な美的効果を得るために羽根をその他の仕方で形成することが望ましい場合があることはわかるであろう。
【0094】
次に図7A図9Bを参照して、多層羽根の様々な実施形態の構造について以下に説明する。具体的には、図7A図7Bに単一材料片からなる多層羽根の一実施形態の構造を示し、図7C図7Dに単一材料片からなる多層羽根の別の実施形態の構造を示す。図8A図8Bに2つの材料片からなる多層羽根の一実施形態の構造を示し、図8C図8Dに、2つの材料片からなる多層羽根の別の実施形態の構造を示し、図8E図8Fに2つの材料片からなる多層羽根のさらに別の実施形態の構造を示す。図9A図9Bに、4つの材料片からなり、補強材ポケットを含む多層羽根の一実施形態の構造を示す。より多いまたはより少ない数の材料片からなる多層羽根のその他の構造および図7A図9Bに示すものとは異なる構造も考えられる。例えば、1つまたは複数の材料シートを含む1つまたは複数の材料を組み合わせて単一の羽根層を組み立てることもできる。
【0095】
図7A図7Bに示すように、第1の端部711と、第2の端部712と、第1の端部711と第2の端部712との間に延びる第1の長手方向縁部713と、第1の端部711と第2の端部712との間に延び、第1の長手方向縁部713に対して実質的に平行であってよい第2の長手方向縁部714とを有するシートとすることができる単一の連続した(一体の)材料片から多層羽根700を形成することができる。シート710は、第1の端部711と第2の端部712との間に延びる長さ716を有する。シート710は、折り目付け、折り曲げ、穿孔、ヒートセット、および/またはその他の処理がなされ、それ自体に結合されて多層羽根700を形成する。
【0096】
より具体的には、多層羽根700を形成するために、単一材料片710を、折り目付け、折り曲げ、穿孔、ヒートセット、および/またはその他の方法によって第1の折り目721を付け、シートをその長さ716に沿って折り目付け、折り曲げおよび/またはヒートセットすることによって第2の折り目722を付け、それによって単一材料片710を第1の長手方向縁部713と第2の長手方向縁部714間の領域730および端部711、712において重なり合わせ、および/または、接触させることによって、その長さ816に沿って処理を施し得る。シート材料710は、領域730でそれ自体に結合して、例えば単一シート材料710の長さ716と同等であってよい羽根長を有する多層羽根700を形成することができる。材料710は、溶接(超音波溶接、ホットナイフ溶接など)、膠、縫い付け、またはその他の付着方法により、領域730内の1本の線に沿って、または別々の点または領域で直接または間接的にそれ自体に結合することができる。
【0097】
材料710が折り曲げられ、直接または間接的にそれ自体に結合された後は、セル式羽根700は、内側羽根層701と外側羽根層702との間のセル型間隔703を、好ましくは建築造作覆い形態における少なくとも伸展状態において形成するようになし得る。その結果の内側羽根層701は、第1の折り目721と第2の折り目722との間に延びる幅を有する。外側羽根層702は、第1の折り目線721と第2の折り目線722との間に延びる。重なり領域730は内側羽根層710の一部として示されているが、別法として、重なり領域730は外側羽根層720の一部をなしてもよく、内側羽根層または外側羽根層710、720の異なる位置に配置されるようになしてもよいことがわかる。
【0098】
あるいは、図7C図7Dに示すように、単一シート材料は、シートをその長さ716に沿って折り目付け、折り曲げ、および/またはヒートセットして第1の折り目721を形成し、材料710の長手方向縁部713、714を溶接(超音波溶接、ホットナイフ溶接など)、膠、縫い付けまたはその他の付着方法により互いに付着させることによって、多層羽根700を形成してもよい。シートの長手方向縁部713、714が結合される領域は小さく、幅が限定されていることが好ましい。図7Cでは、折り曲げられ結合されると、内側羽根層701が第1の長手方向縁部713と第1の折り目721との間に延び、外側羽根層702が第1の折り目721と第2の長手方向縁部714との間に延びる。多層羽根700の実施形態を単一材料片からなるものとして図示し、説明したが、多層羽根700は複数材料片で形成されてもよい。
【0099】
次に、複数材料片からなる多層羽根の一例について説明する。図8A図8Bの実施形態に示すように、2枚の個別シート材料を互いに直接または間接的に結合して多層羽根800を形成することができる。シート810は、第1の端部811と第2の端部812との間に延びる長さ816と、第1の長手方向縁部813と第2の長手方向縁部814との間に延びる幅とを有する。第2のシート820は、第1の端部821と第2の端部822との間に延びる長さ826と、第1の長手方向縁部823と第2の長手方向縁部824との間に延びる幅とを有する。
【0100】
2枚のシート材料810、820は、第1のシート810をその長さ816に沿って折り目付け、折り曲げ、および/またはヒートセットによって第1の折り目817を形成し、第2のシート820をその長さ826に沿って折り目付け、折り曲げ、および/またはヒートセットすることによって第2の折り目827を形成することによって処理を施すことができる。シート810、820は、第1のシート810の第2の縁部814が第2のシート820の第2の長手方向縁部824を超えて位置決めされてシート810、820が好ましくは互いに重なり合って直接または間接的に結合される第1の重なり領域840を形成し、第1のシート810の第1の長手方向縁部813が第2のシート820の第1の長手方向縁部823を超えて位置決めされてシート810、820が好ましくは互いに重なり合い結合される第2の重なり領域830を形成するように、互いに重なり合い、互いを基準とした位置関係に位置決めされる。2枚のシート材料810、820は、溶接(超音波溶接、ホットナイフ溶接など)、膠、縫い付け、および/または現在知られている方法および将来開発される方法を含むその他の付着方法により、1本の線に沿って、重なり領域830、840内の複数の別々の場所、または重なり領域830、840全体で互いに直接または間接的に結合されてよい。2枚のシート材料810、820は、第1の重なり領域840内および第2の重なり領域830内で互いに直接または間接的に結合されてよいが、好ましくは他の領域または部分では結合されず、それによって、これらの付着されない領域が互いから分離して空間またはセル803を形成する。付着領域830、840は図8A図8Bに示す位置以外の位置に配置されてもよい。互いに結合されると、第1のシート材料810と第2のシート材料820は、第1の折り目817と第2の折り目827との間に延び、内側層801と外側層802との間の空間またはセル803の形成を促す内側羽根層801と外側羽根層802とを有する多層羽根800を形成することができる。
【0101】
あるいは、第1および第2のシート材料810、820は、多層羽根800が形成され得るが、いずれのシートも折り目付けおよび/または折り曲げされないように処理を施されてもよい。図8C図8Dに示すように、第1の端部811と第2の端部812とを有する第1のシート810と、第1の端部821と第2の端部822とを有する第2のシートとが互いに重なり合うことができ、前面シート810の第1の長手方向縁部813が第2のシート820の第1の長手方向縁部823と端部同士がほぼ位置合わせされて第1の重なり領域831を形成し、第1のシート810の第2の長手方向縁部814が第2のシート820の第2の長手方向縁部824と端部同士がほぼ位置合わせされて第2の重なり領域841を形成する。2枚のシート材料810、820は、溶接(超音波溶接、ホットナイフ溶接など)、膠、縫い付け、および/または現在知られている方法および/または将来開発される方法を含むその他の付着方法により、重なり領域831、841内の1本の線に沿って、または重なり領域831、841内の別々または個別の領域において、または重なり領域831、841全体にわたって直接または間接的に互いに結合されてよい。結合されると、第1のシート材料810は内側層801を形成し、第2のシート材料820は外側層802を形成する。第1のシートと第2のシートは、好ましくは領域831、834以外の領域では結合されず、それによって、これらの付着されない他の領域は図8Cに示すように分離することができる。このようにして、シート810、820は、内側羽根層801と外側羽根層802との間に空間803を有する多層羽根800を、好ましくは建築造作覆い形態における少なくとも伸展状態において形成するようになされ得る。
【0102】
別の実施形態では、図8E図8Fに示すように、シート810、820が互いに重なり合うように位置合わせされ、配置され、シート810、820がそれぞれの長手方向縁部に沿った限定された領域で結合されるように切削溶接される。複数の材料シート810、820は、それぞれのシート810、820の第1の長手方向縁部813、823に沿って互いに直接または間接的に結合されてよく、それぞれのシート810、820の第2の長手方向縁部814、824に沿って直接または間接的に結合されてよい。結合および付着は、例えば超音波カット溶接シール、ホットナイフ溶接などの溶接、またはその他の付着方法により行うことができる。結合されると、第1のシート材料810は内側羽根層801を形成し、第2のシート材料820は外側羽根層802を形成する。好ましくは、第1の羽根層801および第2の羽根層802は、内側層と外側層801、802の間に空間またはセル803を有する多層羽根800の形成を促すような寸法とされ、構成され、製作される。
【0103】
多層羽根は、参照によりその全体が本開示に組み込まれる米国特許出願第13/830,241号に図示され、記載されているように、または、参照によりその全体が本開示に組み込まれる、2016年10月28日に出願された「Covering for Architectural Features, Related Systems and Methods of Manufacture」という名称の米国特許出願第62/414,248号に図示され記載されているように構成され、組み立てられてもよい。シートの付着8E~8Fは、限定された付着領域に沿っており、好ましくは、上記の、2016年10月28日に出願された「Covering for Architectural Features, Related Systems and Methods of Manufacture」という名称の米国特許出願第62/414,248号に記載されているように、内側層と外側層とが容易に分離するようにヒンジを形成する。
【0104】
好ましくは、多層羽根700、800の実施形態のそれぞれにおいて、少なくとも伸展位置では、セル型間隔が羽根の長さを伸長させ、羽根層とともに、羽根層が開口端を備えた細長いチューブまたはスリープを形成する。好ましくは、外側羽根層の幅が内側羽根層の幅より広く、それによってセル型空間の形成を促すように、外側層の(例えば付着領域または折り目によって形成される)長手方向縁部間の距離(幅)は、内側層の(例えば付着領域または折り目によって形成される)長手方向縁部間の距離(幅)よりも長い。
【0105】
さらに他の実施形態では、多層羽根は、細長い補強材を多層羽根内に保持するために少なくとも1つの補強材ポケットも含んでよい。他の実施形態は、2つ以上の補強材ポケットを含んでもよい。図9A図9Bに示すように、多層羽根900は、第1の面917と第2の面918とを有する第1のシート材料と、第1の面917と第2の面と928とを有する第2のシート材料920と、少なくとも1つの補強材ポケット960を形成するようになされ第1の面948と第2の面949とを有する少なくとも第3のシート材料930(本開示では「ポケットシート」とも呼ぶ)とから製作され得る。これらのシート材料は、第1の長手方向縁部913、923、933と、第2の長手方向縁部914、924、934とを有する。シート910、920は、第1の端部911、921および第2の端部912、922と、それぞれの端部911、912と端部921、922との間に延びる長さ916、926と、それぞれの長手方向縁部913、914と923、924との間に延びる幅とを有する。第3の材料片930(本開示ではポケットシート930とも呼ぶ)、好ましくはシートは、第1の端部931と第2の端部932との間に延びる長さ936と、その長さに対して概ね横断的、好ましくは直角であり、第1の長手方向縁部933と第2の長手方向縁部934との間に延びる幅とを有する。第3のシート930は、例えば折り曲げ、折り目付け、穿孔、ヒートセットおよび/またはその他の方法によって第1の折り目937を形成し、それによって第1の長手方向縁部933と折り目937との間に重なり領域961を形成するように、その長さ936に沿って処理が施されてよい。シート930は。重なり領域961において第2のシート材料920の第1の面927に結合されてよい。第2の長手方向縁部934は、第2のシート920の第1の面927とポケットシート930との間に補強材ポケット960を形成するように第1のシート材料910の長手方向縁部914、および/または、第2のシート材料920の長手方向縁部924に対してまたは沿って結合されてもよい。
【0106】
第2の補強材ポケット970を、折り曲げ、折り目付け、穿孔、ヒートセットおよび/またはその他の方法で折り目947を形成することによって処理された少なくとも1枚のシート材料940(本開示では「ポケットシート」とも呼ぶ)を、第1のシート910に付着させることにより、同様にして形成してもよい。第1の長手方向縁部943とポケットシート940の折り目947との間には、ポケットシート940が好ましくは第1のシートと重なり合う重なり領域971が形成される。第2のポケットシート940は、重なり領域971において第1のシートの第2の面918に結合されてよい。第2のポケットシート940の第2の長手方向縁部944は、第1のシート910の第2の面918と第2のポケットシート1040との間に第2の補強材ポケット970を形成するように、第2のシート920の第1の長手方向縁部923、および/または、第1のシート材料910の第1の長手方向縁部913に対してまたは沿って結合されてもよい。
【0107】
あるいは、ポケットシート930の長手方向縁部933と第2のポケットシート940の長手方向縁部943とは、基本的にシート920、910に平行かつ、細長い補強材のための空間を設けるようにして、ポケットシート930、940を伸長することにより、折り目937、947を使用せずにそれぞれのシート920、910に直接または間接的に結合されてもよい。
【0108】
第1のシート材料910は、好ましくは、第1のシート材料910の第1の長手方向縁部913と第2の長手方向縁部914との間に延びる内側羽根層901を形成し、第2のシート材料920は、好ましくは、第2のシート材料920の第1の長手方向縁部923と第2の長手方向縁部924との間に延びる外側羽根層902を形成する。好ましくは、外側羽根層902および内側羽根層901は、羽根層901、902間にセルまたは空間903を形成するような寸法とされ、構成される。好ましくは、少なくとも伸展位置において、セル型間隔903が羽根の長さを伸長させ、羽根層とともに、開放端部を備えた細長いチューブまたはスリーブを形成する。好ましくは、外側羽根層902の幅が内側羽根層901の幅よりも広くなり、セル903の形成を促すように、第2のシート920の長手方向縁部923、924間の距離は、第1のシート910の長手方向縁部913、914間の距離よりも長い。図9A図9Bの実施形態では、シート910、920について単一の一体なシート材料として説明し、図示したが、シート910、920は複数の材料片から形成されてもよい。
【0109】
ポケットシートは、接着剤、膠、接合、溶接、ヒートシール、縫い付け、ステープリング、超音波溶接、または超音波カットシールなどにより、羽根の面、および/または、羽根を形成する材料片の面に、直接または間接的に結合されてよい。補強材ポケットは、好ましくは、その中に細長い補強材が配置されるような大きさおよび構成とされ、さらに、補強材がねじれまたは回転するのを抑制する大きさおよび構成とされてもよい。補強材ポケットは、補強材と羽根材料との間の異なる熱膨張率によって生じる羽根材料の皺、膨れ、およびその他の望ましくない変形を避けるために、好ましくは、補強材がポケット内で側方移動、膨張および収縮することができるようにし、補強材が羽根層を含む羽根とは異なる割合で膨張および収縮できるようにする。ポケットシートは、布、織物、織布および不織布材料、編地、およびフィルムを含むプラスチック材料などの可撓性材料から形成されてよい。ポケットシートは、透明、不透明または半透明の材料で形成され得る。ポケットシートは、好ましくは、薄い不織布からなってよい。好ましくは、ポケットシートは、薄い透明(好ましくはきわめて透明な)可撓性の熱可塑性フィルムからなり、好ましくは一実施形態では、厚さが最大約0.005インチ、最小約0.0005インチであり、この間で約0.0001インチ刻みで異なる厚さを有し、最も好ましくは約0.0005インチの厚さを有する、ポリエチレンフィルムで形成される。
【0110】
細長い補強材の構造
サブアセンブリは、1つまたは複数の細長い補強材をさらに含んでもよい。好ましくは、図1に示すように、サブアセンブリ180は、複数の細長い補強材140をさらに含み、より好ましくは各羽根が2つの比較的薄い細長い補強材を有する。細長い補強材は、羽根に結合付けられ、羽根に付設され、実施形態によっては直接または間接的に結合されて、例えば、羽根が好ましくは直接または間接的に羽根支持部材に結合され得る羽根の長手方向縁部に沿った場所などの特定の場所において、羽根に剛性および/またはねじり剛性を与える。細長い補強材は好ましくは、羽根がその長さに沿って、垂直支持要素、たとえば細長い平ひもの間でたるみ、下垂するのを抑制または防止する。また、補強材は、羽根がより確実に動き、回転し、屈曲し、および/または旋回することができるように、羽根の調節と動きを向上させることもできる。例えば、補強材は、羽根がより確実に回転、屈曲および旋回するように、羽根の長さに沿って細長い平ひもによって羽根に加えられるねじれを容易にする。細長い補強材は一般には、羽根の長さに概ね対応するか、またはほぼ同じであるか、または同じである長さを有する、単一の一体の材料であるが、複数の材料片が細長い補強材を形成してもよく、その長さは羽根の長さと対応、またはほぼ同じ、または同じ長さである必要はない。これらおよびその他の利点は、当業者には明らかであろう。
【0111】
以下、上記で概説した細長い補強材の様々な実施形態の詳細を、図10A図10Fを参照しながらさらに詳細に説明する。具体的には、図10A図10Bは平面状の細長い補強材の一実施形態の詳細を示し、図10C~10Dは湾曲した細長い補強材の一実施形態の詳細を示し、図10E~10Fは角度付きの細長い補強材の一実施形態の詳細を示す。細長い補強材のその他の形状および大きさも考えられる。
【0112】
図10A図10Fに示すように、細長い補強材1000は、好ましくは、第1の端部1001および第2の端部1002と、第1の端部1001と第2の端部1002との間に延びる長さ1008と、その長さ1008に沿って好ましくは中央に位置する横軸「Y」と、第1の側部1003および第2の側部1004と、幅1007が長さ1008に対して概ね直角となるように第1の側部1003と第2の側部1004との間に延びる幅1007とを有する。細長い補強材1000は、好ましくは、その長さ1008および幅1007に対して概ね直角な、最小約千分の6インチから最大約千分の30インチでその間で約千分の1インチ刻みで異なる厚さ、好ましくは約千分の15インチから千分の20インチの厚さ1009を有する。厚さ1009は、一般には、長さおよび/または幅1009の少なくとも5分の1である。一実施形態では、補強材1000の厚さ1009は、好ましくはその長さ1008および/または幅1007の少なくとも10分の1であり、より好ましくは、その長さ1008および/または幅1007の少なくとも30分の1である。細長い補強材は、羽根の長さに概ね対応するか、ほぼ同じであるか、または同じ長さを有する。
【0113】
実施形態によっては、細長い補強材1000は、第1の面1005と第2の面と1006を有し、各面1005、1006は、補強材の長さ1008と幅1007とによって画定される表面によって形成され、厚さ1009によって分離される。補強材は、実質的に平坦、または湾曲し、またはその長さ1008に沿った折り目を有する角度の付いた表面を有し、または角度の付いた表面と湾曲した表面の両方を有し、またはその長さ1008に沿って断面が湾曲し、またはその他の形状および断面形態を有してよい。図10A図10Fの細長い補強材1000について第1の側部1003と第2の側部1004とを有するものとして説明したが、これらの側部は面1005、1006の交差部において長手方向縁部に達し得ることはわかるであろう。
【0114】
図10A図10Bに示すように、実質的に平坦な補強材1000は、第1の平面状の面1005と第2の平面状の面1006とを有する。第1の面1005は好ましくは図のように第2の面1006の平面と平行な平面内にある。あるいは、第1の面1005は比較的平坦であり、第2の面1006の平面に平行ではない平面内にあってもよい。第1の面1005および第2の面1006はコンタリング加工部も有し得る。
【0115】
図10C図10Dに示すように、細長い補強材1000は、その長さに沿って湾曲してよく、それによって湾曲補強材を形成してもよい。図10C図10Dの湾曲補強材は、好ましくは、細長い補強材の第1の湾曲表面1005が凹面状であり、細長い補強材の反対側の第2の湾曲表面1006が凸面状となり得るように、横軸Yに対して直角な面B-Bにおいて湾曲断面を有する(例えば「クラウン状」である)。補強材の凹面状表面1005は、建築造作覆いにおいて使用されるローラの曲率半径と実質的に一致するかまたはそれに近い曲率半径「r」を有し得る。湾曲補強材の曲率半径「r」は、例えば最小約1インチから最大約4インチであってよく、この間で1/16インチ刻みで変化してよい。湾曲補強材の曲率半径のその他の値も考えられ、使用されるローラの曲率半径により左右される。細長い補強材の凸面状の表面1006は、第1の表面1005の曲率半径と同じか、またはほぼ同じ、または異なる曲率半径を有し得る。
【0116】
湾曲補強材は、1つまたは複数の長手方向縁部1013、1014と第2の表面1006に沿った頂点または最高点/線との間の最大垂直距離であるクラウン高さ「CH」を有する。長手方向縁部1013、1014は、側部1003、1004と第1の表面1005との間に形成することができる。図10Dに示すように、湾曲した細長い補強材のクラウン高さCHは、約0インチから約千分の100インチの間で異なってよく、この間で千分の5インチ刻みで異なってよい。より好ましくは、クラウン高さCHは、約千分の20インチから約千分の70インチであり、より好ましくは、約千部の50インチである。
【0117】
1つまたは複数の面1005、1006は、凹面状、凸面状、または実質的に平面状(平坦)であってよい。例えば、細長い補強材は、図10Bに示すような湾曲した凹面の面1005および図10Aに示すような実質的に平坦な平面を有してもよい。その他の組合せおよび形状も考えられる。
【0118】
図10E図10Fに示すように細長い補強材1000は、その長さに沿ってまたは長さの周りで折り目を付け、または折り曲げて細長い角度付き補強材を形成してもよい。角度付き補強材は、折り目「C」と、第1の表面1005に沿った第1の面1015(図10F参照)と、第1の表面に沿った第2の面1025(図10F参照)と、第2の表面1006に沿った第3の面1036と、第2の表面1006に沿った第4の面1046とを有し得る。細長い補強材は、横軸Yに対して直角な面B-Bにおける断面において角度が付いていてよい(例えば「クラウン状」としてよい)。図10Fに示す角度付き補強材は、第1の面1015と第2の面1025との間に好ましくは180度未満、より好ましくは約120度から約170度の角度「A」を有する。第1の面1015と第2の面1025とが交わる角度Aの頂点または山は、補強材の長さに沿った中央部に位置してよく、または角度Aの頂点(例えば山)は側部1003、1004のうちの一方により近くなるように側方にずれていてもよい。角度付き補強材は、第1の表面1005の1つまたは複数の長手方向縁部1013、1014と第2の表面1006に沿った頂点または頂線(好ましくは折り目Cの山)との間の最大垂直高さであるクラウン高さ「CH」を有する。長手方向縁部1013、1014は、側部1003、1004と第1の表面1005との間に形成され得る。角度付き補強材のクラウン高さCHは、約千分の20インチから約千分の100インチの間で異なってよく、より好ましくは約千部の50インチである。クラウン高さは、所望の特質および特性に応じて異なってよく、細長い補強材の形成材料、羽根の形態、および羽根の材料の特質に応じ得る。
【0119】
図10E図10Fには、実質的に平坦な平面状の面1015、1025、1036および1046を有する角度付きの細長い補強材を示したが、面1015、1025、1036、および1046の1つまたは複数の面が異なる形状をとり得ることはわかるであろう。これらの面は、丸みのある形状または湾曲形状または任意のその他の形状であってよく、平坦または実質的に平面状でなくてもよい。面1015、1025が交差する角度の頂点は、中央部に位置するかまたは中央からずれた異なる位置にあってもよい。
【0120】
細長い補強材の幅は比較的小さく、サブアセンブリがローラの周りに巻き上げられるときに補強材の巻き上げを容易にするように、ローラの直径よりも概ね小さい。実施形態によっては、補強材の幅は最小約3/16インチから最大約5/8インチであってよく、最大約1インチとすることができ、約1/32インチ刻みで異なってよい。特により幅の広い羽根(例えば4インチ、4.5インチ、5インチ、5.5インチまたは6インチ)には、より広い補強材幅が適切な場合もある。補強材の幅は、羽根および羽根の間に形成されるセルの美的外見、所望の形状、および支持要素(例えば比較的薄い平ひもまたはより広いストリップまたはシート)の間隔または形態に応じて異なり得る。
【0121】
細長い補強材は半透明または不透明な材料から形成されてもよいが、実施形態によっては透明または実質的に透明な補強材が好ましい。補強材は、好ましくは、羽根の構造に比較して比較的硬質または剛性であり、プラスチックまたはポリマー材料、金属材料(例えばアルミニウム、チタン、真ちゅう、またはスチールなど)、セラミック、硬質フォーム、木材などのうちの少なくとも1つの材料から形成されてもよい。あるいは、図10A図10Fに示す構成に加えて、補強材はワイヤ、ケーブルまたは細い棒状に形成し、成形してもよい。好ましくは、角度付きの細長い補強材は、透明なプラスチックで形成され、より好ましくはポリカーボネートで形成される。
【0122】
図11A図11Cを参照しながら、図10E~10Fに示すような角度付き補強材の一実施形態の形成について以下により詳細に説明する。角度付き補強材は、矩形形状であってもよい実質的に薄い平坦な平面状のプラスチック材料片1100を冷間成形により曲げることにより作成してもよい。実質的に薄い平坦なプラスチック材料片1100は、第1の面1105と第2の面1106とを有し、図11Aに示す約90度の角度Aを有する少なくとも1つの型1130から抜かれる。プラスチック補強材材料1100が約90度の角度を有する少なくとも1つの型1130から抜かれた後で、プラスチック材料の第1の面1105の第1の部分1115と第1の面1105の第2の部分1125との角度は、図11Cに示す約110度と約170度の間の角度A2に緩和し、それによって角度A2とクラウン高さ「CH」とを有する角度付き補強材が作成される。一実施形態では、2巻きの連続した真っすぐで平坦なポリカーボネートフィルムを圧延し、そのフィルムを約90度の角度を有する型に通すことによって曲げ、その後、プラスチックにおける角度A2が約110度から約170度に緩和し、補強材が所定の長さに切断されることによって、複数の細長い補強材が形成される。
【0123】
補強多層羽根の製作
図1の調光サブアセンブリの製作は、一般に、1つまたは複数の細長い補強材を備えた多層羽根を製作することと、その1つまたは複数の補強多層羽根を細長い平ひもに接続することとを含む。一実施形態では、サブアセンブリは、2つの羽根層を有する1つまたは複数の多層羽根と、少なくとも2つの細長い補強材とを含み、多層羽根は細長い平ひも、好ましくは1つまたは複数の内側の細長い平ひもと1つまたは複数の外側の細長い平ひもとに接続される。好ましくは、少なくとも伸展位置では、多層羽根が形成され、羽根層は羽根の長さを伸長させる空間またはセルを取り囲み、羽根層(および好ましくは1つまたは複数の補強材)が、好ましくは開口端部を有する細長いチューブまたはスリーブを形成する。
【0124】
多層羽根を製作することができ、図6A図6D図7A図7D図8A図8F、または図9A図9Bに示す構造を有してよく、または当業者にはわかるようにその他の構造を有してもよい。図10A図10Fおよび図11A図11Cに示すように細長い補強材を製作することができる。一実施形態では、細長い補強材が形成されてよく、多層羽根が製作され、次に、補強材は多層羽根に結合付けられるか、または多層羽根に沿って付設され、または多層羽根に直接または間接的に結合され、多層羽根の長さに沿って配置されて補強多層羽根を形成する。次に、この補強多層羽根が複数の細長い平ひもに結合付けられ、または直接または間接的に結合される。他の実施形態では、細長い補強材は、1つまたは複数の材料片と結合付けられ、または1つまたは複数の材料片に沿って付設され、または直接または間接的に結合され、その後、細長い補強材と組み合わされた1つまたは複数の材料片から補強多層羽根が製作され、その後、補強多層羽根は複数の細長い平ひもに結合付けられ、または直接または間接的に結合される。他の実施形態では、羽根と補強材と平ひもとは1つの統合されたプロセスで製作されてもよい。
【0125】
好ましくは、一実施形態では、第1の細長い補強材が、外側羽根層の内面に結合付けされ、または内面に沿って付設され、または直接または間接的に結合され、第2の細長い補強材が、内側羽根層の外面に結合付けられ、または付設され、または直接または間接的に結合される。内側羽根層は、内側または外側の細長い平ひもに結合付けられ、または付設され、または直接または間接的に結合されてよく、外側羽根層は、他の残りの細長い平ひも、例えば外側の細長い平ひもまたは内側の細長い平ひもに、結合付けられ、または付設され、または直接または間接的に結合されてよい。最も好ましくは、補強材は角度の付いた細長い補強材である。
【0126】
好ましくは細長い補強材が羽根の長さに沿って、より好ましくは羽根の縁領域に沿って位置づけられるように、細長い補強材を羽根に結合付け、付設し、および/または接続することで、羽根の構造的および美的な所望の特性および特質を満たすように、羽根が細長い平ひも間を隔てる距離にわたって過度にたるんだり下垂したりせずに細長い平ひも間の水平距離を埋めることができるようにして、羽根のその領域の剛性を増すように働く。また、細長い補強材は、羽根が所望の位置に動く(例えば回転、旋回する)ようにサブアセンブリが形態間で移行するときに、ねじり力を羽根、好ましくは羽根の全長にわたって加える働きもする。実施形態によっては、可撓性羽根材料の縁領域を縁に沿って補強材料または補強剤を含浸および/またはコーティングして補強縁部を作成するなどにより、細長い補強材を使用せずに羽根が羽根層の縁部に沿って補強される。
【0127】
巻き上げセル式建築造作覆いのサブアセンブリの様々な実施形態を、図12A図12E図13A図13Eおよび図14A図14Eに示す。図12A図12B図13A図13Bおよび図14A図14Bには、補強多層羽根の異なる実施形態の分解図を示す。図12A図12B図13A図13Bおよび図14A図14Bには1つの補強多層羽根1230、1330、1430のみが示されているが、サブアセンブリは、類似の、または異なる構造の1つまたは複数の追加の補強多層羽根1230、1330、1430と、非補強多層羽根、非セル型羽根を含んでもよく、さらにより少ない数の細長い平ひもまたは補強材、および/または追加の細長い平ひもまたは補強材を含んでよいものと理解される。
【0128】
図12A図13A図14Aを参照すると、細長い補強材の様々な構成と、補強多層羽根の様々な実施形態を形成するための細長い補強材の多層羽根への様々な接続とが示されており、以下でさらに詳細に説明する。具体的には、図12Aは、角度A2、A3が互いに反対方向になり互いに対向する向きとされ、構成された複数の角度付きの細長い補強材を有するセル式羽根の一実施形態を示す。図13Aは、角度A2とA3が同じ方向になる向きとされ、構成された複数の角度付きの細長い補強材を有するセル式羽根の別の実施形態を示す。図14Aは、角度A2とA3が反対方向になり互いに対向する向きとされ、構成された複数の角度付きの細長い補強材を有するセル式羽根の他の実施形態を示す。
【0129】
図12A図12Bに示し、図12Cに拡大図を示すように、第1の角度付き補強材1240が、多層羽根1200の外側羽根層1232の内面1235に結合され、好ましくは全長に沿って延びる。第2の角度付き補強材1250が、多層羽根1200の内側羽根層1231の外面1234に結合される。多層羽根1200は、図6A図6D図7A図7D図8A図8Fに示すように製作してよく、または、当業者にはわかるようにその他の構造を有することができる。図12B図12Cに示すように、羽根層1232の外側縁領域1296内の外側羽根層1232の内面1235に、第1の角度付き補強材1240の第3の面1243の少なくとも一部、またはその全体を直接または間接的に接続または結合することができる。図12Cに示すように、例示の実施形態では角度付きの細長い補強材1240の第3の面1243の実質的に全体が、接着剤付着1202により外側羽根層1232に結合され、一方、第4の面1244の実質的に全体が外側羽根層1232に結合されない。図12B図12Cに示すように、第2の角度付き補強材1250の第4の面1254の少なくとも一部または全体が羽根層1231の内側縁領域1291内の内側羽根層1231の外面1234に接続または結合されてよく、一方、第3の面1253の実質的に全体が内側羽根層1231に結合されない。第1と第2の補強材の両方の羽根層への付着領域は、補強材のそれぞれの幅の約半分であり、一実施形態では、好ましくは最小約1/16インチから最大約3/8インチであり、約1/32インチ刻みで異なり得る。
【0130】
第1の角度付き補強材1240は、第1の面1241と第2の面1242との間に角度A2を有し、クラウン高さを有する。第2の角度付き補強材1250は、第1の面1251と第2の面1252との間に角度A3を有し、クラウン高さを有する。図12Aの実施形態では、細長い補強材の角度A2とA3は異なる方向を向き、それぞれの細長い補強材が接続される羽根層から離れる向きとなっている。細長い補強材の角度A2およびA3は、好ましくは最小約120度、最大約170度とすることができ、この間において約5度刻みで異なってよい。
【0131】
あるいは、図13Aに示すように、別の実施形態における補強材は、異なる方式で多層羽根1330に結合付け、付設または直接または間接的に結合されてもよい。多層羽根1330は、図6A図6D図7A図7D図8A図8Fに示すように製作されてよく、または当業者にわかるようにその他の構造を有してもよい。図13Aの多層羽根1330においては、図13B図13Cに示すように、第1の角度付き補強材1340の第3の面1343の少なくとも一部、または全体が、羽根層1332の外側縁領域1396内で外側縁層1332の内面1335に直接または間接的に接続または結合されてよい。図13Cに示すように、角度付き補強材1340の第3の面1343の全体に満たない部分を構成する複数の部分が、接着剤付着1304、1305により羽根層1332に結合される。図13B図13Cに示すように、第2の角度付き補強材1350の第2の面1352の少なくとも一部、または全体が、内側羽根層1331の内側縁領域1391内の内側羽根層1331の外面1334に接続または結合されてもよい。
【0132】
第1の角度付き補強材1340は、第1の面1341と第2の面1342との間に角度A2を有し、クラウン高さを有し、第2の角度付き補強材1350は、第1の面1351と第2の面1352との間に角度A3を有し、クラウン高さを有する。本実施形態では、図13Aに示すように、細長い補強材1340、1350の角度A2、A3は180度未満であり、好ましくは約120度から約170度であり、建築造作覆いが巻き上げられるときに細長い補強材が互いに積み重ねまたは入れ子にされることができるようにして同じ方向を向いている。
【0133】
また、図14Aに示すように、別の実施形態における補強材は、異なる方式で多層羽根1430に結合付け、付設、または直接または間接的に結合される。多層羽根1430は図9A図9Bに示すように製作されてよいが、当業者にはわかるように他の構造を有してもよい。図14Aの多層羽根1430は、図14Cに拡大して示されるように、第1の角度付き補強材1440が、第1の補強材ポケットシート1460と外側羽根層1432の内面1435との間に形成されたポケット1461内に拘束されることによって、多層羽根1430に接続される。第1の角度付き補強材1440は、図14Bに示すように、羽根層1432の外側縁領域1496内で外側羽根層1432に対して結合付け、付設、接続、および/または拘束されている。第2の角度付き補強材1450も、第2の補強材ポケットシート1470と内側羽根層1431の外面1434との間に形成されたポケット1471内に拘束されることによって多層羽根1430に接続される。第2の角度付き補強材1450は、図14A図14Bに示すように、内側羽根層1431の内側縁領域1491内で内側はね層1431に対して関連付け、付設、接続、および/または拘束される。
【0134】
第1の角度付き補強材1440の第1の面1441と第2の面1442とは、第1の補強材ポケットシート1460の方に向いた180度未満の角度A2をなし、第1の角度付き補強材1440の第3の面1443と第4の面1444とは、外側羽根層1432の内面1435の方に向けられる。第2の角度付き補強材1450の第1の面1451と第2の面1452とは、第2の補強材ポケットシート1470の方に向いた180度未満の角度A3をなし、第2の角度付き補強材1450の第3の面1453と第4の面1454とは、内側羽根層1431の外面1434に向けられる。図14の実施形態では、角度付きの細長い補強材1440、1450は、好ましくは、面の向きおよび角度がわずかに変化してもよいが実質的に固定されるようにして、ポケット1461、1471内で側方に動くことができるが、ねじれまたは回転を抑止または防止されるように、それぞれのポケット1461、1471内に拘束される。
【0135】
各補強材の角度および各補強材のクラウン高さによって、外側羽根層と内側羽根層との間のセルの形成が促される。角度付き補強材の接続および向きと羽根の構造も、セルの形成を促す。好ましくは、セルは羽根の長さを伸長させ、羽根層とともに、好ましくは開口端部を有するスリーブ状またはチューブ状の構造体を形成する。多層羽根を角度付き補強材とともに示したが、図11A図11Dに示すもののような補強材も使用してよく、その他の形状および大きさも考えられることがわかるであろう。
【0136】
図12C図13C図14Cに示すように、補強材は、補強材の一面全体に沿って(図12C)、補強材の面の各部分に沿って(図13C)、または拘束された結合付けによって(図14C)、羽根に直接または間接的に結合され得る。補強材は、接着剤、1つまたは複数の留め具、縫い付け、3次元織り、溶接、拘束ポケット、および/または知られている方法または将来開発される方法によって羽根に結合することができる。
【0137】
また、実施形態によっては、補強材は羽根の長さの一部または複数の部分に沿って結合されてもよい。他の実施形態では、補強材は羽根の全長に沿って連続的に結合されてもよい。実施形態によっては、補強材は、羽根の一部または全長に沿って羽根に断続的に結合されてもよい。角度A2、A3とクラウン高さとは、補強材ごとに異なっていてもよい。
【0138】
平ひもへの羽根の取り付け
図12B図13B図14Bを参照すると、補強多層羽根の様々な構成および実施形態が、細長い平ひもに結合付け、および/または直接または間接的に接続されて、サブアセンブリの様々な実施形態を形成している様子が分解図で示されている。具体的には、図12Bは、図12Aで説明し、図示されているように製作され、複数の細長い平ひもに向けられて結合された補強多層羽根の一実施形態の分解図を示す。図13Bは、図13Aで説明し図示されているように製作され、複数の細長い平ひもに向けられ結合された補強多層羽根の一実施形態の分解図を示す。図14Bは、図14Aで説明し図示されているように製作され、複数の細長い平ひもに向けられ結合された補強多層羽根の一実施形態の分解図を示す。図12C図13C図14Cは、図12B図13B、および図14Bの実施形態のそれぞれの一部分の拡大図を示す。説明の多くは、補強羽根を対象とするが、細長い補強材を含まない多層羽根を含む羽根も考えられることがわかるであろう。
【0139】
図12B図13B図14Bの実施形態では、サブアセンブリは、外側の細長い平ひもと内側の細長い平ひもとの間に配置され、直接結合された補強多層羽根を含む。より具体的には、補強多層羽根の長さは、第1の内側の細長い平ひもの第1の長手方向軸X1に対して横断的に向けられ、第1の外側の細長い平ひもの第2の長手方向軸X2に対して横断的に向けられ、好ましくは多層羽根の長手方向縁部が実質的にかつ好ましくは長手方向軸X1、X2に対して直角である。
【0140】
好ましくは、図12Bの実施形態では、内側羽根層1231の内面1233が第1の内側の細長い平ひも1210の外面1214上の領域1218に結合される。好ましくは、外側羽根層1232の外面1236が外側の細長い平ひも1220の内面1223上の領域1229に直接または間接的に結合される。より好ましくは、図12Cに示すように、羽根1232への角度付き補強材1240の付着部1202、および羽根1232への平ひも1220の付着部1201が少なくとも部分的に位置合わせ領域(a-a)内にあるため、外側の細長い平ひも1220の内面1223の領域1229が、第1の角度付き補強材1240の第3の面1243と位置合わせされ、並置される。同様に、内側羽根層1231の内面1233が内側の細長い平ひも1210に結合される、内側の細長い平ひも1210の外面1214の領域1218が、好ましくは第2の角度付き補強材1250の第4の面1254と位置合わせされ、並置される。図12Bに示すように、細長い補強材の角度A2、A3は好ましくは異なる方向に面し、互いの方に向けられる。
【0141】
好ましくは、図13Bの実施形態において、内側羽根層1331の内面1333が、第1の内側の細長い平ひも1310の外面1314の領域1318に直接または間接的に結合され、外側羽根層1332の外面1336が外側の細長い平ひも1320の内面1323の領域1329に直接または間接的に結合される。より好ましくは、図13Cに示すように、領域1304、1305における角度付き補強材1340の羽根1332への付着部と、領域1301、1302、1303における平ひも1320の羽根1342への付着部とが少なくとも部分的に位置合わせ領域(a-a)内にあるため、外側の細長い平ひも1320の内面1323の領域1329が第1の角度付き補強材1340の第3の面1343と位置合わせされ、並置される。同様に、内側はね層1331の内面1333が内側の細長い平ひもに結合される内側の細長い平ひも1310の内面1313の領域1318が、好ましくは第2の角度付き補強材1350の第2の面1352と位置合わせされ、並置される。図13Aに示すように、細長い補強材1340、1350の角度A2、A3は好ましくは同じ方向に向いている。
【0142】
好ましくは、図14Bにおいて、内側はね層1431の内面1433が、第1の内側の細長い平ひも1410の外面1414の領域1418に直接または間接的に結合され、外側はね層1432の外面1436が外側の細長い平ひも1420の内面1423の領域1429に直接または間接的に結合される。より好ましくは、図14Cに示すように、角度付き補強材1440が拘束され、平ひも1420の羽根1442への領域1401、1402、1403における付着が少なくとも部分的に位置合わせ領域(a-a)内にあるため、外側の細長い平ひも1420の内面1423の領域1429が第1の角度付き補強材1440の第3の面1443と位置合わせされ、並置される。同様に、内側はね層1431の内面1433が内側の細長い平ひも1410に結合される内側の細長い平ひも1410の内面1413の領域1418が、第2の角度付き補強材1450の第4の面1454と位置合わせされ、並置される。図14Bに示すように、細長い補強材の角度A2、A3は、好ましくは異なる方向に面し、互いの方に向けられる。
【0143】
実施形態によっては、羽根の層を、例えば直線または点などの1次元接触または接着領域に沿って細長い平ひもに直接または間接的に結合することができ、または、羽根の層を、平ひもの平面内にある2次元接触または接着領域に沿って平ひもに直接または間接的に結合することができる。例えば、接触または接着領域は、概ね矩形形状、三角形状、「X」字形状、「L」字形状、またはその他の任意の所望の形状とすることができる。図12Cに示すように、細長い平ひも1220を、単一の付着部1201で羽根層1232に直接または間接的に結合してもよい。あるいは、図13Cおよび図14Cに示すように、細長い平ひもを、複数の付着領域および手段、例えば1301、1302、1303、1401、1402、および1403で、羽根層1332、1432に直接または間接的に結合してもよい。羽根層の可撓性材料は、(図12Cおよび図13Cに示すように)接着剤、(図14Cに示すように)ステープルまたはピンなどの1つまたは複数の留め具、縫い付け、3次元織り、溶接、および/または知られているその他の方法または将来開発される方法によって、平ひもに結合してもよい。
【0144】
内側と外側の平ひもの互いを基準とした動きは、図12D図12E図13D図13E図14D図14Eに示すように、空間(セル)1280、1380、1480を拡大および縮小することができ、羽根を様々な位置に移動および/または旋回させることができ、サブアセンブリを操作して伸展形態および畳み形態の様々な状態にすることができるように、多層羽根の内側層と外側層との分離を促す。図12D図13D図14Dに、中央領域が垂直または実質的に垂直の状態で多層羽根が畳まれたまたは実質的に畳まれた位置にある、サブアセンブリの様々な実施形態を示し、図12E図13E図14Eに、中央部分が概ねまたは実質的に水平の状態で多層羽根が伸展または実質的に伸展位置にある、サブアセンブリの様々な実施形態を示す。好ましくは、完全に巻き広げられた伸展形態では、サブアセンブリは、1つまたは複数の内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもの間に配置されて延びるその長さに沿った空間またはセルを完全に取り囲む、複数のスリーブ状またはチューブ状の構造体を有する。スリーブ状またはチューブ状の構造体のセルまたは空間は、任意の断面形状を有してよい。
【0145】
好ましくは、図12D図13Dおよび図14Dに示すように、羽根層は、多層羽根が実質的に畳まれた位置および実質的に伸展された位置の両方のときと、羽根の少なくとも中央領域が実質的に垂直と実質的に水平の両方のときに、内側羽根層1231、1331、1431の内側縁領域1291、1391、1491が内側の細長い平ひもの一部(例えば1218、1318、1418)に実質的に平行になるように、細長い平ひもに接続される。外側はね層1232、1332、1432の外側縁領域1296、1396、1496も、羽根が実質的に畳まれた位置および実質的に伸展された位置の両方のときに、外側の細長い平ひもの少なくとも一部(例えば1229、1329、1429)に好ましくは実質的に平行になる。より好ましくは、図12D図12E図13D図13Eおよび図14D図14E)に示すように、羽根が実質的に畳まれた位置および実質的に伸展された位置の両方のときに、第1の角度付き補強材1240、1340、1440の第3の面1243、1343、1443が実質的に垂直で、第2の角度付き補強材1250、1450の第4の面1254、1454が実質的に垂直である。しかし、図13D図13Eに示すように、第2の角度付き補強材1350の第2の面1352は、実質的に伸長された位置または実質的に畳まれた位置で実質的に垂直とならなくてもよい。
【0146】
また、図12D図13Dおよび図14Dに示すように羽根が実質的に畳まれた位置にあるとき、好ましくは外側の細長い平ひもの内面1223、1323、1423の領域1229、1329、1429が、内側の細長い平ひもの外面1214、1314、1414の領域1218、1318、1418から、細長い平ひもを隔てる水平方向の距離よりも大きい距離だけ垂直方向に離隔され、好ましくは、外側羽根層1232、1332、1432の中央領域1294、1394、1494が、第1の角度付き補強材1240、1340、1440の幅、および/または、第2の角度付き補強材1250、1350、1450の幅よりも小さい距離だけ、内側羽根層1231、1331、1431の中央領域1293、1393、1493から離隔される。より好ましくは、羽根が実質的に畳み位置にあるとき、羽根層の中央領域が第1の角度付き補強材のクラウン高さ程度、および/または、第2の角度付き補強材のクラウン高さ程度の距離だけ離隔される。
【0147】
また、図12E図13Eおよび図14Eに示すように、羽根が実質的に伸展された位置にあるとき、好ましくは外側の細長い平ひもの内面1223、1323、1423の領域1229、1329、1429が、細長い平ひもを隔てる水平方向の距離より小さい距離だけ内側の細長い平ひもの外面1213、1314、1414の領域1218、1318、1418から垂直方向に離隔され、好ましくは外側はね層の中央領域が、第1の角度付き補強材1240、1340、1440のクラウン高さ、および/または、第2の角度付き補強材1250、1350、1450のクラウン高さよりも大きい距離だけ、内側の羽根層の中央領域から離隔される。より好ましくは、羽根1230、1330、1430が実質的に伸展位置にあるとき、外側羽根層1232、1332、1432の中央領域1294、1394、1494が、第1の角度付き補強材1240、1340、1440の幅、および/または、第2の角度付き補強材1250、1350、1450の幅より大きい距離だけ、内側羽根層1231、1331、1431の中央領域1293、1393、1493から離隔される。
【0148】
当業者にはわかるように、サブアセンブリが畳み形態にあり、羽根が実質的に畳み位置にあるとき(図12D図13D図14D)、角度付き補強材1240、1250、1340、1350、1440、1450の材料特性および角度が、羽根層1231、1232、1331、1332、1431、1432を羽根層と細長い平ひもとに作用する抵抗圧縮力によって少なくとも部分的に離隔された状態に維持されるように促す。また、サブアセンブリが巻き広げられた畳み形態(図12D図13D図14D)から完全に巻き広げられた伸展形態(図12E図13E図14E)に移行するとき、外側の細長い平ひも1220、1320、1420および内側の細長い平ひも1210、1310、1410が互いからさらに遠ざかり、さらに、内側の細長い平ひも1210、1310、1410の領域1218、1318、1418が上がって、それによって内側の細長い平ひも1210、1310、1410の領域1218、1318、1418を外側の細長い平ひも1220、1320、1420の領域1229、1329、1429から隔てる垂直方向の距離が縮まるように、内側の細長い平ひも1210、1310、1410が垂直方向にわずかに移動し得る。サブアセンブリが完全に巻き広げられた伸展形態(図12E図13E図14E)にあるとき、内側羽根層1231、1331、1431を自然にそれぞれの外側羽根層1232、1332、1432に向かって落下させる重力に抵抗する角度付き補強材の材料特性および角度により、角度付き補強材1240、1250、1340、1350、1440、1450が羽根層1231、1232、1331、1332、1431、1432をさらに離隔させる役割を果たす。外側羽根層1232、1332、1432のそれぞれの内側羽根層1231、1331、1431と比較してより広い幅も、外側羽根層からの内側羽根層の離隔を促す。
【0149】
補強多層羽根を備える覆いの巻き上げ
本開示に記載のようなセル式羽根と、細長い平ひもと、細長い補強材とを含むサブアセンブリを有する覆いの操作と使用は、それらの製作および操作方法の結果として潜在的な問題を起こしやすい可能性があり、その結果、皺およびその他の不具合および調光サブアセンブリの大きく乱雑な巻きが生じる可能性がある。すなわち、多層羽根と細長い平ひもと細長い補強材の材料の複数層の結果として、きわめて大きく乱雑に巻き上がる覆いとなる可能性がある。以下で説明するいくつかの技術は、本開示に記載のサブアセンブリの巻き上げに対する可能な解決策を与えることができる。
【0150】
例えば、図15に示すように多層羽根がローラの少なくとも一部の周囲に弧を描く形状を有するように多層羽根がローラの回転軸を中心として巻き上げられると、1つの羽根層(内側の羽根層またはスラット層)が他の羽根層(外側の羽根層またはスラット層)から半径方向内側に配置され、その結果、サブアセンブリに皺および座屈が生じる可能性がある。羽根層における皺または座屈の発生を抑制または防止するために、外側羽根層は内側羽根層よりも広い幅を有してよい。図15の実施形態では、外側羽根層1532が、羽根1530の外側長手方向縁部(OLE)と内側長手方向縁部(ILE)との間に延びる、内側羽根層1531よりもより広い幅を有する。外側羽根層は、平ひもおよび羽根構造(例えば、羽根層1531、1532と、任意選択により1つまたは複数の細長い補強材1540、1550およびポケットシート1560、1570)の厚さを計算に入れるようにより広い幅を有し、その結果、外側羽根層1532の外周がより大きくなり、それによって羽根層、特に外側羽根層1532の応力および/または伸びを防ぐためにより広い幅が必要になる。直径1.5インチのローラと約3.5インチの内側羽根層幅の場合の外側羽根層と内側羽根層との幅の例示の代表的な差は約0.6インチであり、その結果として外側羽根幅は約3.56インチとなる。内側羽根層の幅と外側羽根層の幅とのより小さい差またはより大きな差も考えられ、外側羽根層のより広い幅は、ローラの直径と羽根および平ひもの厚さとに基づいて容易に計算される。言い換えると、内側羽根層と外側羽根層との幅の差は、ローラの直径と、羽根および平ひもの厚さと、羽根の幅と、羽根の所望の美的外観とに基づき決まり得る。羽根および平ひもの厚さが増し、ローラの直径が増すにつれて、外側と内側の羽根幅間の幅の差が大きくなり得る。
【0151】
図16に示すように、巻き上げ式建築造作覆い1600は、内側の細長い平ひも1610と、外側の細長い平ひも1620と、複数の羽根1630と、複数の第1の細長い補強材1640と、複数の第2の細長い補強材1650とを有し、ローラ1660の周りに巻かれるサブアセンブリを有し得る。多数の材料層と材料の体積によって、ヘッドレールによって隠されるべき直径と材料の嵩が大きくなる可能性がある。第1の羽根1630の巻き上げ半径RRは、ローラ1660とほぼ同じ曲率半径であるが、この半径は羽根が追加されるごとに大きくなる。サブアセンブリが巻かれた形態または部分的に巻き広げられた畳み形態にあるときに、羽根がローラに巻かれると複数の羽根が互いに重なり合うことがある。ローラに巻かれると、第1の端部1611を有する内側の細長い平ひも1610が、第1の端部1621を有する外側の細長い平ひも1630の対応する部分から、巻き上げ半径RRに沿って半径方向内側に配置される。ローラ1660に巻かれたときのサブアセンブリの大きさを最小限にするために、図16に示すように巻き上げ半径に沿って第1の細長い補強材1640’が第2の細長い補強材1650とコンパクトに位置合わせされ、重なり合うようにして、隣接する羽根1630、1630’のそれぞれの補強材1650、1640’をローラの周りに位置決めすることができる。第2の羽根1630’は、隣接する第1の羽根1630に第1の重なり領域1601内で重なる。第3の羽根1630”が、第2の重なり領域1602内で隣接する第2の羽根1630’に部分的に重なる。第4の羽根1630’’’が、第3の重なり領域1603内で隣接する第3の羽根1630”に部分的に重なる。実施形態によっては、それぞれの第1の補強材と第2の補強材のこのような位置合わせの結果、サブアセンブリがローラの周りに完全に巻き上がったときに、サブアセンブリの外周を小さくし得るようにしてサブアセンブリがよりコンパクトに、またはきれいにローラの周りで巻き上がる。
【0152】
ローラの設計および構造
実施形態によっては、ローラは任意選択のドアを含んでもよい。図17A図17Bに、ローラ1720の本体上にドア1700を設けることができる実施形態を示す。ドアは、重力によって開閉(例えば旋回)することができるように設けられ、ローラ1720に接続される。一実施形態では、ドアは少なくとも1つの挿入物1780、例えば補強材が、ドア1700に設けられたトラック1704内に配置可能なように、トラック1704を有してもよい。図17A図17Bに示すような好ましい実施形態によると、ドア1700は、ローラ1720の第1の端部1722と第2の端部1724とによって画定される長さと、ローラ1720の半径方向の湾曲と実質的に一致する半径方向の湾曲と、内側端部1701および外側端部1702と、内側端部1701と外側端部1702とによって画定される幅とを有する。ドアの半径方向の湾曲により、ドア1700上に凹面状の内面1708と凸面状の外面1709とが形成され得る。図17Aの例示の実施形態に示すように、ドア1700は、ドアの内側端部1701にあるラッチ要素1705、例えば、ローラ1720の収容空洞1705B内に収容される、ドア1700の凹面状に湾曲した内側端部1705Aによって、ローラ1720に結合することができる。ドア1700の外側端部1702は、ドア1700がラッチ要素1705によって内側端部1701においてローラに結合されたままの状態でドアが自由に揺動して開くことができるように、その長さに沿ってローラ1720から取り外すことができる。ドア1700は、ドア1700の外側端部1702がローラ1720に向かって動くように、ラッチ要素1705の周りで回転することによって閉じるようにさらに操作可能である。
【0153】
本開示の他の実施形態では、図17Aに示すように、隆起部1703を、ドア1700の長さに沿ってドア1700の凹面状の内面1708に一体的に設けることができ、それによって隆起部1703とドア1700の外側端部1702とがドア1700の長さに沿って「C」字型のトラック1704を形成する。
【0154】
本開示の別の実施形態によると、図17Bに示すように、ローラ1720の第1の端部1722と第2の端部1724とによって画定される長さと、ローラ1720の湾曲と実質的に一致する半径方向の湾曲と、第1の端部1706と、第2の端部1707と、収容トラック1710の第1の端部1706と第2の端部1707との間に画定される幅とを有する「C」字型の収容トラック1710を、ローラ1720の本体に一体的に設ける(作り込む)ことができる。図17Cに示すように、ローラ1720上の収容トラック1710は、羽根1790で覆われた挿入物が収容トラック1710の一部または全長にわたって収容トラック1710内に配置されることができるように、羽根1790の一部で覆われた少なくとも1つの挿入物1780’(図では見えない)を収容することができ、挿入物1780’に重なる羽根1790が例えばステープル1742によって外側の細長い平ひも1740の内面に結合される。細長い平ひも1740は、接着、縫い付け、タックル、ピン止め、融合、溶接または現在知られているかまたは将来開発されるその他の手段など、他の手段によって挿入物1780’に結合されてもよい。
【0155】
図17Dに示すように、ローラ1720の第2の端部1724において、一実施形態によると、ドア1700上のトラック1704は、少なくとも1つの挿入物1780、たとえば細長い補強材を、挿入物1780がトラックの一部または全長にわたってトラック1704内に配置されることができるように、収容することができ、挿入物1780は例えばステープル1741によって内側の細長い平ひも1730の外面に結合することができる。細長い平ひも1730は、接着、縫い付け、仕付け縫い、ピン止め、融合、溶接または現在知られているかまたは将来開発されるその他の手段など、他の手段によって挿入物1780に結合してもよい。一実施形態では、挿入物1780は、可撓性の布製覆いによって覆われてもよい。
【0156】
図17E図17Hに、閉位置から開く過程にある図17A図17Bに示すようなドアを含む巻き上げ式覆いの一実施形態の進行図を示す。図の実施形態によると、ローラ1720上のドア1700がローラ1720にもたれて閉位置にあるとき、ドア1700上のトラック1704がローラ1720の外周に沿ってトラック1710に隣接する。図17Eに示す閉位置では、巻き上げ式覆いは、ドア1700のトラック1704内に配置された少なくとも1つの挿入物1780と、ローラ1720のトラック1710内に配置された少なくとも1つの挿入物1780’とを有する。トラック1704内に配置された挿入物1780は、内側の細長い平ひも1730に結合付けおよび/または直接または間接的に結合され、トラック1710内に配置された挿入物1780’は、外側の細長い平ひも1740に結合付けおよび/または直接または間接的に結合されている。各挿入物1780、1780’はそれぞれの布製覆いで覆われてもよい。内側の細長い平ひも1730は、他の手段によってドア1720に結合付けおよび/または直接または間接的に結合されてもよく、外側の細長い平ひも1740は、留め具、膠、縫い付けまたは現在知られているかまたは将来開発される他の付着方法など、その他の手段によってローラに結合付けおよび/または直接または間接的に結合されてもよい。
【0157】
図17Fにさらに示すように、ローラ1720がさらに矢印の方向に巻き戻されてサブアセンブリがローラから完全に巻き広げられると、ドア1700は最初に、外側端部1702がローラ1720の本体から取り外しまたは分離され、ドア1700が、(図17Aに示す)凹面状に湾曲した内側端部1705Aを介して、(図17Aに示す)収容空洞1705Bに結合または引っかかったままとなっているラッチ要素1705を中心に旋回するように開く。やはり図17Fに示すように、ドア1700が図のように初期開位置1750にあるときに、内側の細長い平ひも1730からのたるみが挿入物1780から垂れ下がり、内側の細長い平ひも1730の曲げられた部分1750が外側の細長い平ひも1740に対して横断的に交わる方向、および/または、実質的に直角になり得る。
【0158】
図17Gの実施形態では、ローラ1720が矢印1720の方向にさらに回転し、ドアがローラ1720に対して実質的に直角になる開位置までドア17’’が旋回すると、最上部の羽根1760の中央部が平ひも1730、1740に対して実質的に直角ではなくなるように細長い平ひも1730、1740が離隔し、複数の羽根が伸展位置に移行する。
【0159】
図17Hに示すように、ローラ1720が矢印の方向にさらに回転すると、ドア1700は実質的に水平になり、巻き上げ式覆いの最上部の羽根1760に実質的に平行になり、ドア1700は、羽根の中央領域が細長い平ひも1730、1740に対して横断的な方向、好ましくは実質的に直角となり、内側の細長い平ひも1730が外側の平ひも1740から完全に分離し、外側の平ひも1740に平行になる、完全伸展位置に覆いを保持する。ドアがローラの有効径を大きくし、それによって、ローラの直径よりも広い内側の細長い平ひもと外側の細長い平ひもとの間の羽根の使用を可能にすることができるため、ローラ内でのドアの使用が内側の平ひもを外側の平ひもから離隔するのを促す役割を果たし得るとともに、サブアセンブリおよび建築造作覆いの調光の利点と所望の美的外見とを維持することができることがわかるであろう。
【0160】
製作方法
巻き上げ式建築造作覆い内で使用するための補強多層羽根の製作方法を、図18A図18Dに示す。第1の羽根材料片1810と第2の羽根材料片1820とが適切な大きさに切断される。各材料片は、第1の端部1811、1821と、第2の端部1812、1822と、第2の長手方向縁部1813、1823と、第2の長手方向縁部1814、1824と、第1の長手方向縁部1813、1823とそれぞれの第2の長手方向縁部1814、1824との間に延びる幅1815、1825と、第1の端部1811、1821とそれぞれの第2の端部1812、1822との間に延びる長さ1816、1826と、長さ1816、1826と幅1815、1825とによって画定される表面によって画定される第1の面1817、1827と、長さ1816、1826と幅1815、1825とによって画定される表面によって画定される反対の第2の表面1818、1828と、第1の面1817、1827とそれぞれの反対の第2の表面1818、1828との間の距離によって画定される厚さとを有する。第2の材料片1820は、好ましくは第1の材料片1810の幅1815よりも広い幅1825を有する。第1および第2の材料片は、それぞれの幅または長さと比較して相対的に薄くてよい。
【0161】
第1のポケット材料シート1870および第2のポケット材料シート1860も任意選択により設けられてよく、適切な大きさに切断されてよい。各シートは、第1の端部1871、1861と、第2の端部1872、1862と、第1の長手方向縁部1873、1863と、第2の長手方向縁部1874、1864と、第1の長手方向縁部1873、1863とそれぞれの第2の長手方向縁部1874、1864との間に延びる幅1875、1865と、第1の端部1871、1861とそれぞれの第2の端部1862、1872との間に延びる長さ1876、1866と、厚さとを有する。第1の角度付き補強材1840および第2の角度付き補強材1850が設けられてよく、各角度付き補強材1840、1850がそれぞれの第1の面1841、1851とそれぞれの第2の面1842、1852との間に180度未満の角度A2、A3を有し、各補強材もそれぞれの第3の面1843、1853とそれぞれの第4の面1844、1854とを有するように、図10E図10Fおよび図11A図11Cに関して説明し、図示したように製作されてよい。
【0162】
第1のポケットシート1870は、その長さに沿って折り目付け、折り曲げ、および/または、ヒートセットされて、折り目1877と、長手方向縁部1873と折り目1877との間の領域1878とを形成する。第1のシート1870は、折り目1877と第1の羽根材料片1810の第1の長手方向縁部1813との間の距離が、第1のポケットシート1870の第1の長手方向縁部1873と第1の材料片1810の第1の長手方向縁部1813との間の距離よりも大きくなるように、図18Bに示すように領域1878内で第1の羽根材料片1810の第2の面1818に直接または間接的に結合される。第2のポケットシート1860は、その長さ1866に沿って折り目付け、折り曲げ、および/または、ヒートセットされて、折り目1867と、第1の長手方向縁部1863と折り目1867との間の領域1868とを形成する。第2のポケットシート1860は、折り目1867と第2の材料片1820の第2の長手方向縁部1824との間の距離が、第2のポケットシート1860の第1の長手方向縁部1863と第2の羽根材料片1820の第2の長手方向縁部1824との間の距離よりも大きくなるように、図18Bに示すように領域1868内で第2の羽根材料片1820の第1の面1827に直接または間接的に結合される。一実施形態では、ポケットシート1860、1870の領域1868、1878が、超音波溶接またはホットナイフカットシールによって羽根材料片1810、1820の面1818、1827に直接または間接的に結合される。
【0163】
次に、第1の細長い補強材1840を、第1の羽根材料片1810に対向する180度未満の角度A2で第2の羽根材料片1820の第1の面1827に隣接して位置づける。図18Cに示すように、第2のポケットシート1860の第2の長手方向縁部1864が第2の羽根材料片1820の第2の長手方向縁部1824において第2の長手方向縁部1824に位置合わせされるように、第2のポケットシート1860で第1の細長い補強材1840の周りを好ましくは約180度包む。このようにして、第1の細長い補強材1840の各面が第2の羽根材料片1820と第2のポケットシート1860とによって囲まれ、包み込まれ、第1の角度付き補強材1840の第1の面1841と第2の面1842との間の好ましくは180度未満の角度A2が第2のポケットシート1860に対向する。同様に、第2の細長い補強材1850を、第2の材料片1820に対向する好ましくは180度未満の角度A3で第1の羽根材料片1810の第2の面1818に隣接して位置づける。図18Cに示すように、第1のポケットシート1870の第2の長手方向縁部1874が第1の材料片1810の第1の長手方向縁部1814において第1の長手方向縁部1814に位置合わせされるように、第1のポケットシート1870で第2の細長い補強材1850の周りを好ましくは約180度包む。このようにして、第2の細長い補強材1850の各面が、第1の羽根材料片1810と第1のポケットシート1870とによって囲まれ、包み込まれ、第2の角度付き補強材1850の第1の面1851と第2の面1852との間の角度A3が第1のポケットシート1870に対向する。
【0164】
次に、第1の羽根材料片1810と第2の羽根材料片1820と第2のポケットシート1860との第2の長手方向縁部1814、1824、1864を、例えば超音波切削溶接によって第2の長手方向縁部1814、1824、1864に沿った超音波切削溶接線において互いに結合して、図18Dに示すような第1の補強材ポケット1869を形成する。同様に、第1の羽根材料片1810と第2の羽根材料片1820の第1の長手方向縁部1813、1823と、第1のポケットシート1870の第2の長手方向縁部1874とを例えば超音波切削溶接によってそれぞれの長手方向縁部1813、1823、1874に沿った超音波切削溶接線において互いに結合して、図18Dに示すような第2の補強材ポケット1879を形成する。
【0165】
多層羽根が、内側羽根層1831と、外側羽根層1832と、第1のポケットシート1870と、第2のポケットシート1860と、第1の角度付き補強材1840と、第2の角度付き補強材1850とを有するように、材料片の長手方向縁部を付着させることによって、補強多層羽根1830が形成される。第1の角度付き補強材1840は、外側羽根層1832の内面1835と第2のポケットシート1860との間の第1のポケット1869内に配置され、第2の角度付き補強材1850は、内側羽根層1831の外面1834と第1のポケットシート1870との間の第2のポケット1879内に配置され、角度付き補強材1840、1850の角度A2、A3は好ましくは180度未満であり、それぞれの補強材ポケットシート1860、1870に対向し、互いに反対方向に向けられる。本実施形態では、外側羽根層1832は、セル式羽根1830の長手方向縁部1837、1838間の内側羽根層1831の幅よりも広い、セル式羽根1830の長手方向縁部1837、1838間の幅を有する。本実施形態では、多層羽根1830は、内側羽根層1831の外面1834と、外側羽根層1832の内面1835と、第1のポケットシート1860と、第2のポケットシート1870との間に空間(セル)1880を有する。
【0166】
上述のように製作された、補強材ポケット1869、1879内に複数の角度付き補強材1860、1870を有する多層羽根1830は、サブアセンブリの一部として(図14Bに関して上述したように)細長い平ひもに直接または間接的に結合されると、サブアセンブリの形態および羽根の位置が、畳まれた形態と伸展形態との間で変化するにつれて、補強多層羽根1830が、実質的に畳まれた位置から実質的に伸展された位置に移行および/または旋回することができるように補強される。ポケット1869、1879は、角度付きの補強材1860、1870がねじれおよび/または回転するのを抑制および/または防止することによって、角度付きの細長い補強材1860、1870の互いに対する向きおよびサブアセンブリの他の構成要素に対する向きを制約し、維持するとともに、羽根1830の角度付き補強材1860、1870が羽根とは異なる割合で膨張および収縮することができるように、角度付き補強材1860、1870がそれぞれの補強材ポケット1869、1879内で長さ方向に側方にある程度動くことができるようにし、それによって、補強材と羽根材料との間の異なる熱膨張率によって生じる可能性のある羽根材料の皺、膨れ、およびその他の不体裁な変形を回避する。
【0167】
巻き上げ式建築造作覆いの長さと幅は両方とも容易にカスタマイズ可能である。長さは所望の羽根数を選定することにより容易に調節可能であり、幅は所望の巻き上げ式覆い幅に合うように所望の羽根長を選定する(羽根を羽根材料の連続した巻物から切り取る)ことにより容易に調整可能である。羽根間隔が巻き上げ式覆いのはしごまたはその他の既存要素によって決定される必要がないため、巻き上げ式覆いの長さはさらにカスタマイズ可能である。むしろ、所望の巻き上げ式覆い長と羽根間隔とを実現するように、羽根を平ひも(またはその他の支持要素)の長さに沿った任意の所望の箇所に配置することができる。隣接羽根間の間隔全体は、必要に応じて均一であっても不均一であってもよいが、巻き上げ式覆い全体の最終的なカスタム長に基づくなどしてカスタマイズ可能である。羽根の数は、好ましくは、巻き上げ式覆いが様々な形態にあるときに羽根が所望の光変更効果をもたらすように、巻き上げ式建築造作覆いの長さに沿って十分な羽根を設けるように選定される。カスタマイズされた窓覆いを提供する1つの方式は、Roll-Up Coverings for Architectural Openings and Related Methods, Systems and Devicesという名称の国際出願PCT/US2015/049444号に記載されており、その開示は参照によりその全体が本開示に組み込まれる。
【0168】
当業者は、広義の発明概念から逸脱することなく上述の実施形態に変更を加えることができることがわかるであろう。したがって、本発明は、開示した特定の実施形態には限定されず、本発明の趣旨および範囲内の修正に及ぶことが意図されているものと理解される。例示の実施形態において本発明の基本的な特徴について図示し、説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者には、建築造作覆いの開示の実施形態の態様および詳細における省略、代替、および変更を行うことができることがわかるであろう。また、当業者にはわかるであろう通り、本発明の範囲は、本開示に記載の構成要素に対する従来から知られる変形および修正、将来開発される変形および修正に及ぶ。
【0169】
当業者は、本建築造作覆いには多くの用途があり、様々な方式で実施可能であり、したがって前述の実施形態および実施例によって限定されないことがわかるであろう。本開示に記載の異なる実施形態の任意の数の特徴を組み合わせて単一の実施形態とすることもできる。特定の要素、例えば細長い平ひもおよび/または補強材の位置は変更してもよい。記載されている特徴以外の追加の特徴を有する代替実施形態も可能であり、または、記載のすべての特徴より少ない特徴を有してもよい。機能の全体または一部を、現在知られている方式または今後知られるようになる方式で複数の構成要素間で分散させてもよい。
【0170】
求める保護の範囲の曖昧さを回避するために、明示的に定義されていない用語および語句には、その最も広い妥当な解釈が与えられるべきである。文脈が特に明確に示していない限り、本開示で使用される単数形の「a」、「an」および「the」は複数形も含むものと意図されている場合がある。本発明の範囲は、記載されている実施例によって限定されず、本開示に添付の特許請求の範囲およびその同等物によって規定されるものと意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図18A
図18B
図18C
図18D