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特許7186536監視データ再生装置及び監視データ再生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】監視データ再生装置及び監視データ再生方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
G05B23/02 301V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018141562
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020017213
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 暢子
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-173882(JP,A)
【文献】特開2017-215881(JP,A)
【文献】特開2015-165343(JP,A)
【文献】特開2018-067085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の稼働状態を表す状態情報と前記稼働状態となった日時を示す日時情報と予め定められた期間を経過した場合に削除されるか否かを示す保護情報とを含む監視データを記憶する監視データ記憶部と、
前記状態情報及び前記日時情報により特定された前記監視データの保護情報を、予め定められた期間を経過した場合に削除されないことを示す保護情報とする指示を受け付ける入力部と、
前記入力部により受け付けられた指示に基づいて、予め定められた期間を経過した場合に削除されないように制御する監視データ保護制御部と、
予め定められた期間を経過しても削除されないことを示す保護情報を有し、かつ前記予め定められた期間を経過した監視データを前記監視データ記憶部から取得する監視データ取得部と、
取得された前記監視データに基づいて、前記予め定められた期間よりも過去の前記監視対象の状態を表す画面情報を生成する画面生成部と、
を備える、監視データ再生装置。
【請求項2】
前記監視データ記憶部に記録された前記監視データを、外部記憶媒体に記録する監視データ記録部をさらに備える、
請求項1に記載の監視データ再生装置。
【請求項3】
前記画面生成部は、前記外部記憶媒体に記録された監視データに基づいて、前記画面情報を生成する、請求項2に記載の監視データ再生装置。
【請求項4】
前記監視データ保護制御部は、前記監視データが前記外部記憶媒体に記録された場合、記録された前記監視データ所定の条件を満たした場合に削除されるように制御する、
請求項2又は3に記載の監視データ再生装置。
【請求項5】
日時の異なる複数の画面情報に基づいて、外部の情報処理装置で再生可能な動画データを生成する動画データ生成部をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の監視データ再生装置。
【請求項6】
監視データ再生装置が、監視対象の稼働状態を表す状態情報と前記稼働状態となった日時を示す日時情報と予め定められた期間を経過した場合に削除されるか否かを示す保護情報とを含む監視データを監視データ記憶部に記憶する監視データ記憶ステップと、
監視データ再生装置が、前記状態情報及び前記日時情報により特定された前記監視データの保護情報を、予め定められた期間を経過した場合に削除されないことを示す保護情報とする指示を受け付ける入力ステップと、
監視データ再生装置が、前記入力ステップにより受け付けられた指示に基づいて、予め定められた期間を経過した場合に削除されないように制御する監視データ保護制御ステップと、
監視データ再生装置が、予め定められた期間を経過しても削除されないことを示す保護情報を有し、かつ前記予め定められた期間を経過した監視データを前記監視データ記憶部から取得する監視データ取得ステップと、
監視データ再生装置が、取得された前記監視データに基づいて、前記予め定められた期間よりも過去の前記監視対象の状態を表す画面情報を生成する画面生成ステップと、
を有する、監視データ再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視データ再生装置及び監視データ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
監視システムは、監視対象の状態を表す状態情報を記録する。監視システムは、記録された状態情報に基づいて、監視対象の過去の状態を再生する機能を有する。監視対象の監視者は、再生された監視対象の過去の状態を確認することで、監視対象の状態を把握する。しかしながら、状態情報には予め定められた保存期間が設けられている。保存期間を経過した状態情報は、監視システムから削除される。このため、監視システムは、保存期間を経過した状態情報に基づいて、監視対象の状態を確認することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-165343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、予め定められた期間が経過しても監視対象の状態を確認することができる監視データ再生装置及び監視データ再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の監視データ再生装置は、監視データ記憶部と、入力部と、監視データ保護制御部と、監視データ取得部と、画面生成部とを持つ。監視データ記憶部は、監視対象の稼働状態を表す状態情報と前記稼働状態となった日時を示す日時情報と予め定められた期間を経過した場合に削除されるか否かを示す保護情報とを含む監視データを記憶する。入力部は、前記状態情報及び前記日時情報により特定された前記監視データの保護情報を、予め定められた期間を経過した場合に削除されないことを示す保護情報とする指示を受け付ける。監視データ保護制御部は、前記入力部により受け付けられた指示に基づいて、予め定められた期間を経過した場合に削除されないように制御する。監視データ取得部は、予め定められた期間を経過しても削除されないことを示す保護情報を有し、かつ前記予め定められた期間を経過した監視データを前記監視データ記憶部から取得する。画面生成部は、取得された前記監視データに基づいて、前記予め定められた期間よりも過去の前記監視対象の状態を表す画面情報を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の監視データ再生システムの一具体例を示す構成図。
図2】実施形態の監視データ記憶装置の機能構成を表す機能ブロック図。
図3】実施形態の監視操作端末の機能構成を表す機能ブロック図。
図4】実施形態の監視データテーブルの具体例を示す図。
図5】実施形態のプロセスフロー画面の画面情報の一具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の監視データ再生装置及び監視データ再生方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の監視データ再生システム1の一具体例を示す構成図である。監視データ再生システム1は、監視対象の稼働状態を示す画像を再生する。監視データ再生システム1は、監視データ記憶装置100、監視操作端末200及び複数のコントローラ300を備える。監視データ記憶装置100、監視操作端末200及び複数のコントローラ300は、監視ネットワーク400を介して通信可能に接続される。監視対象は、監視操作端末200によって監視される対象である。監視対象は、例えば、監視操作端末200が水処理プラントを監視する場合、ポンプ、濾過機、貯槽、調整機構(例えば、調整弁)等である。
【0009】
監視データ記憶装置100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。監視データ記憶装置100は、コントローラ300から監視対象の状態を表す信号を取得する。監視データ記憶装置100は、取得した信号によって表される監視対象の状態と日時とを対応付けて、監視データとして記憶する。監視データ記憶装置100は、監視操作端末200からの指示に基づいて、監視データに対して所定の処理を行う。監視対象の状態は、例えば、文字列で表される。以下、監視対象の稼働状態を表す文字列を「状態情報」という。状態情報は、例えば、監視対象がどのような機器であり、監視対象のどのような情報を表しているのかを示す。状態情報は、例えば、監視対象が故障している場合「故障」であることを示す情報が含まれていてもよい。状態情報は、例えば、監視対象が運転中である場合「運転」であることを示す情報が含まれていてもよい。監視対象の状態は、例えば、数値で表されてもよい。以下、監視対象の稼働状態を表す数値を「プロセス値」という。プロセス値は、離散値、連続値のいずれでもよく、どのような値でもよい。監視対象の状態は、状態情報とプロセス値とで表されてもよい。監視対象の状態を示す信号は、デジタル信号、アナログ信号のいずれでもよく、どのような信号でもよい。
【0010】
監視操作端末200は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。監視操作端末200は、ユーザが監視対象を監視するために用いられる装置である。監視操作端末200は、監視データ記憶装置100に記録された監視データに基づいて、所定の画面情報を生成する。所定の画面情報は、例えば監視対象のプロセスフロー画面であってもよいし、トレンドグラフであってもよいし、プロセスフロー画面において再生される動画像を制御可能なコントローラ画面であってもよいし、プロセスフロー画面の再生において用いられる状態情報が持つ日時を表す情報を抽出可能なダイアログ画面であってもよい。所定の画面情報は、ユーザが監視対象を監視するために用いられる画面であればどのような画面であってもよい。監視操作端末200は、監視データ記憶装置100に対して、監視データに対して所定の処理を行う指示を送信する。ユーザは、監視員又はオペレータ等の監視データ再生システム1を使用する者であればどのような者であってもよい。
【0011】
コントローラ300は、PLC(Programmable Logic Controller)等の制御装置である。コントローラ300は、センサなどを通じて監視対象の状態を示す信号を取得する。コントローラ300は、コントローラ300毎に水温又は水位等の異なる監視対象の状態を示す信号を取得する。コントローラ300は、取得した信号を監視データ記憶装置100へ送信する。
【0012】
図2は、実施形態の監視データ記憶装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。監視データ記憶装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、監視データ記憶プログラムを実行することによって通信部101、外部入出力部102、監視データ記憶部103及び制御部104を備える装置として機能する。なお、通信部101、外部入出力部102、監視データ記憶部103及び制御部104の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。監視データ記憶プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。監視データ記憶プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0013】
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101は監視ネットワーク400を介して、監視操作端末200又は複数のコントローラ300と通信する。通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)又は5G等の通信方式で通信してもよいし、専用線等の閉域通信網で通信してもよい。
【0014】
外部入出力部102は、外部記憶媒体110を接続可能なインタフェースである。外部入出力部102は、接続された外部記憶媒体110に対して、情報の取得又は情報の記録を行う。外部入出力部102は、例えば、USB(Universal Serial Bus)であってもよいし、SDカード等のフラッシュメモリカードスロットであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)であってもよいし、Thunderboltであってもよいし、IEEE1394であってもよいし、ATA(AT Attachment)であってもよい。外部入出力部102は、どのようなインタフェースであってもよい。図2の例では、外部入出力部102は、1つのインタフェースを備える構成が示されているが、これに限定されない。例えば、外部入出力部102が備えるインタフェースの数は2つ以上設けられてもよい。
【0015】
外部記憶媒体110は、外部入出力部102を介して監視データ記憶装置100に接続可能な機器である。外部記憶媒体110は、例えばUSBメモリ、SDカード等のフラッシュメモリカード又はHDD等の記憶媒体であればどのような機器であってもよい。外部記憶媒体110は、監視データ記憶装置100に接続されることで、監視データ記憶装置100に記録された監視データの取得を行う。外部記憶媒体110は、監視データ記憶装置100に接続されることで、外部記憶媒体110に記録されたデータ(例えば、監視データ)を、監視データ記憶部103に送信する。外部記憶媒体110は、監視データ記憶装置100に接続されることで、監視データに基づいて生成された動画データを記録してもよい。動画データについては後述する。
【0016】
監視データ記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。監視データ記憶部103は、監視データテーブルを記憶する。監視データテーブルは、監視データを記憶する。監視データは、例えばコントローラ300から取得した信号と日時とが対応付けられたデータである。監視データは、監視対象の状態を表す状態情報を有する。監視データは、プロセス値を有してもよい。
【0017】
図4は、実施形態の監視データテーブルの具体例を示す図である。監視データテーブルは、監視データレコードを有する。監視データレコードは、日時情報、状態情報、プロセス値及び保護情報の各値を有する。日時情報は、コントローラ300から信号を取得した日時を表す。日時情報は、監視データ記憶装置100に内蔵された時計から取得されてもよいし、NTP(Network Time Protocol)サーバ等の外部の装置から取得されてもよい。状態情報は、監視対象の状態を表す。状態情報は、コントローラ300から取得される信号によって表される。プロセス値は、監視対象の状態を表す数値である。プロセス値は、コントローラ300から取得される信号によって表される。プロセス値は、状態情報に応じて、監視データに含まれない場合があってもよい。保護情報は、所定の条件を満たした監視データレコードを削除するか否かを表す。保護情報の値が“保護する”の場合、所定の条件を満たした場合であっても、監視データレコードは削除されない。保護情報の値が“保護しない”の場合、所定の条件を満たした場合、監視データレコードは削除される。所定の条件とは、6カ月、12カ月等のように予め定められた期間であってもよいし、監視データ記憶部103の記憶容量が枯渇した場合であってもよいし、これらを併用してもよい。
【0018】
図4に示される例では、監視データテーブルの最上段の監視データレコードは、日時情報の値が“2018/1/30 12:15”、状態情報の値が“ポンプ運転”、プロセス値の値が空値、保護情報の値が“保護する”である。従って、監視データテーブルの最上段のレコードによると、コントローラ300から取得した信号は、日時情報“2018/1/30 12:15”に“ポンプ運転”が開始され、所定の条件を満たした場合であっても、監視データレコードは削除されないことがわかる。なお、ポンプ運転が開始されたことを表す信号であるため、プロセス値は空値である。なお、図4に示される監視データテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図4とは異なる態様で監視データテーブルが構成されてもよい。例えば、監視データテーブルは、コントローラ300を識別する識別子を有してもよい。
【0019】
制御部104は、監視データ記憶装置100の各部の動作を制御する。制御部104は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部104は、監視データ記憶プログラムを実行することによって、信号取得部105及び監視データ制御部106として機能する。
【0020】
信号取得部105は、コントローラ300によって送信された信号を取得する。信号取得部105は、信号が取得された日時を表す日時情報と信号によって表される状態情報とを対応付ける。信号取得部105は、対応付けされた日時情報と状態情報とを監視データとして監視データ記憶部103に記録する。なお、信号取得部105は、信号によってプロセス値が表される場合、日時情報と状態情報とプロセス値とを対応付けて、監視データとして監視データ記憶部103に記録する。
【0021】
監視データ制御部106は、監視操作端末200から受け付けた指示に基づいて、監視データ記憶部103に記録された監視データに対して所定の制御を行う。所定の制御とは、例えば、監視データ制御部106は監視データを外部記憶媒体110に記録する制御であってもよいし、外部記憶媒体110に記録された監視データを監視データ記憶部103に記録する制御であってもよいし、指定された監視データを削除されないように、保護する制御であってもよい。所定の制御は、監視データに対する制御であればどのような制御であってもよい。監視データ制御部106は、所定の条件を満たした監視データを削除する。所定の条件とは、例えば、予め指定された期間を経過したことであってもよいし、監視操作端末200から指定されたことであってもよいし、外部記憶媒体110に記録されたことであってもよい。所定の条件は、どのような条件であってもよい。
【0022】
図3は、実施形態の監視操作端末200の機能構成を表す機能ブロック図である。監視操作端末200は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、監視プログラムを実行することによって通信部201、入力部202、表示部203及び制御部204を備える装置として機能する。なお、通信部201、入力部202、表示部203及び制御部204の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。監視プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。監視プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。監視操作端末は、監視データ再生装置の一態様である。
【0023】
通信部201は、ネットワークインタフェースである。通信部201は監視ネットワーク400を介して、監視データ記憶装置100及び複数のコントローラ300と通信する。通信部201は、例えば無線LAN、有線LAN、Bluetooth(登録商標)又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
【0024】
入力部202は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部202は、入力装置を監視操作端末200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部202は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、監視操作端末200に対する指示を示す指示情報)を生成し、監視操作端末200に入力する。
【0025】
表示部203は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部203は、出力装置を監視操作端末200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部203は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0026】
制御部204は、監視操作端末200の各部の動作を制御する。制御部204は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部204は、監視プログラムを実行することによって、監視データ取得部205、画面生成部206、監視データ保護制御部207、監視データ記録部208及び動画データ生成部209として機能する。
【0027】
監視データ取得部205は、監視データ記憶装置100に記録された監視データを取得する。監視データ取得部205は、取得された監視データを画面生成部206に出力する。監視データ取得部205は、入力部202から受け付けた指示に基づいて、監視データ記憶装置100から取得される監視データを決定する。例えば、入力部202が、日時情報として“2018/1/30 12:15”を受け付けた場合、監視データ取得部205は、日時情報として“2018/1/30 12:15”の値を有する監視データを取得する。なお、入力部202によって入力される日時は、表示部203に表示されてもよい。この場合、ユーザは、表示部203に表示される日時を確認しながら、日時情報を入力できる。なお、監視データ取得部205は、時系列に沿って受け付けた日時以降の監視データを連続して取得して、画面生成部206に出力してもよい。なお、入力部202は、日時情報の代わりに状態情報を受け付けてもよい。監視データ取得部205は、監視データ記憶装置100が備える外部入出力部102に外部記憶媒体110が接続されている場合、外部記憶媒体110に記録された監視データを取得してもよい。監視データ取得部205は、所定の期間を経過しても削除されないことを示す保護情報を有し、かつ所定の期間を経過した監視データを監視データ記憶部103から取得する。所定の期間とは、例えば、予め定められた監視データの保存期間である。
【0028】
画面生成部206は、監視対象の稼働の状態を示すプロセスフロー画面の画面情報を生成する。プロセスフロー画面は、監視データ再生システム1が監視する対象である一つ以上の監視対象の状態を表す状態情報を、時系列で表示するための画面である。つまり、プロセスフロー画面には、監視対象に発生した事象を模式的に再現する動画像が表示される。具体的には、画面生成部206は、監視データ取得部205から監視データを受け付けると、監視データに基づいてプロセスフロー画面の一画面を示す画面情報を生成する。例えば、受け付けた監視データに“ポンプ稼働”の状態情報を有する監視データが含まれる場合、画面生成部206は、監視対象のポンプが稼働していることを示すアイコンを含む画面情報を生成する。画面生成部206は、生成された画面情報を表示部203に表示させる。画面生成部206は、監視データ取得部205から、時系列に沿って連続して監視データを受け付けることで、連続して画面情報を生成し、表示部203に表示させることでプロセスフロー画面の動画像を再生する。画面生成部206は、保護情報の値として“保護する”の値を保持する監視データに基づいて、所定の期間よりも過去の前記監視対象の状態を表す画面情報を生成することができる。
【0029】
監視データ保護制御部207は、指定された監視データが削除されないように保護する。具体的には、監視データ保護制御部207は、入力部202から監視データの保護指示を受け付ける。保護指示には、監視データテーブルに記録される監視データレコードを特定可能な情報(例えば、日時情報及び状態情報)と、保護情報とが含まれる。保護情報は、“保護する”又は“保護しない”のいずれかの値である。監視データ保護制御部207は、保護指示によって特定される監視データレコードの保護情報を保護指示に含まれる保護情報にする。保護指示は、入力部202を介して、ユーザによって入力される。例えば、日時情報が“2018/1/30 12:40”、状態情報が“ポンプ故障”、保護情報が“保護する”を含む保護指示を受け付けた場合、監視データ保護制御部207は、日時情報が“2018/1/30 12:40”、状態情報が“ポンプ故障”によって特定される監視データレコードの保護情報を“保護する”にする。なお、保護指示は、複数の監視データレコードを保護させる指示であってもよい。この場合、保護指示は、監視データレコードを特定可能な情報を複数含む。
【0030】
監視データ記録部208は、監視データ記憶装置100に記憶された監視データを外部記憶媒体110に記録する。具体的には、監視データ記録部208は、入力部202から監視データの記録指示を受け付ける。記録指示には、監視データテーブルに記録される監視データレコードを特定可能な情報(例えば、日時情報及び状態情報)が含まれる。監視データ記録部208は、記録指示によって特定される監視データレコードを取得する。監視データ記録部208は、取得された監視データレコードを外部記憶媒体110に記録する。なお、記録指示は、複数の監視データレコードを記録させる指示であってもよい。この場合、記録指示は、監視データレコードを特定可能な情報を複数含む。監視データ記録部208は、外部記憶媒体110に記録した監視データレコードを、監視データ記憶装置100から削除するように構成されてもよい。
【0031】
動画データ生成部209は、画面生成部206によって再生されたプロセスフロー画面を、動画データとして生成する。動画データは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式であってもよいしAVI(Audio Video Interleave)形式であってもよく、監視操作端末200以外の任意の情報処理装置で再生できるならばどのような形式であってもよい。動画データ生成部209は、生成された動画データを、外部入出力部102に接続された外部記憶媒体110に記録してもよいし、監視操作端末200が備える記憶部(不図示)に記録してもよい。
【0032】
図5は、実施形態のプロセスフロー画面の画面情報の一具体例を示す図である。画面生成部206は、監視データ取得部205から取得した監視データに基づいて、プロセスフロー画面の画面情報を生成する。画面生成部206は、プロセスフロー画面の画面情報を時系列に沿って生成し、表示部203に表示させることで、プロセスフロー画面を再生する。図5に示すプロセスフロー画面には、一例として、日時シンボル500と、数値シンボル510と、ポンプアイコン520と、調整機構アイコン530と、貯槽アイコン540とが表示される。
【0033】
日時シンボル500は、監視データに含まれる日時情報を示す。図5の場合、日時シンボルの値は“2018/6/18 14:15:22”である。したがって、図5の表示部203に表示される画面情報は、日時情報の値として“2018/6/18 14:15:22”を有する監視データに基づいて生成される。
【0034】
数値シンボル510は、監視データに含まれるプロセス値を示すシンボルである。数値シンボル510-1には、状態情報としてポンプへ流入する水の流量を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-2には、状態情報として調整機構アイコン530-1から流出した水の流量を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-3には、状態情報として調整機構アイコン530-2から流出した水の流量を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-4には、状態情報として貯槽アイコン540-1に貯留される水の水位を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-5には、状態情報として貯槽アイコン540-2に貯留される水の水位を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-6には、状態情報として調整機構アイコン530-3から流出した水の流量を有する監視データのプロセス値が表示される。数値シンボル510-7には、状態情報として調整機構アイコン530-4から流出した水の流量を有する監視データのプロセス値が表示される。
【0035】
ポンプアイコン520は、監視対象の一例としてのポンプを示すアイコンである。ポンプアイコン520は、ポンプが稼働中であるか否かに応じてアイコンの色が異なる。例えば、ポンプアイコン520-1と、ポンプアイコン520-2及びポンプアイコン520-3と、はアイコンの色が異なる。すなわち、ポンプアイコン520-1によって表されるポンプは、稼働中であることがわかる。これに対して、ポンプアイコン520-2及びポンプアイコン520-3によって表されるポンプは、稼働中でないことがわかる。ポンプが稼働中であるか否かは、監視データに含まれる状態情報によって特定される。
【0036】
調整機構アイコン530は、監視対象の一例としての調整機構(例えば、調整弁)を示すアイコンである。調整機構アイコン530は、調整機構が稼働中であるか否かに応じて、アイコンの色が異なる。例えば、調整機構が調整弁である場合、調整弁が開いている場合と、調整弁が閉じている場合と、でアイコンの色が異なる。調整機構アイコン530-1と、調整機構アイコン530-2、調整機構アイコン530-3及び調整機構アイコン530-4と、はアイコンの色が異なる。すなわち、調整機構アイコン530-1によって表される調整機構は、稼働中(例えば、調整弁が開いている)であることがわかる。これに対して、調整機構アイコン530-2、調整機構アイコン530-3及び調整機構アイコン530-4によって表される調整機構は、稼働中でない(例えば、調整弁が閉じている)ことがわかる。調整機構が稼働中であるか否かは、監視データに含まれる状態情報によって特定される。
【0037】
貯槽アイコン540は、監視対象の一例としての貯槽を示すアイコンである。貯槽には例えば、水が貯留される。貯槽に貯留される水の量は、数値シンボル510によって表される。貯槽アイコン540は、貯槽に貯留される水の量に応じて、アイコンの水位が変動するように構成されてもよい。例えば、貯槽アイコン540-1で表される貯槽の水位は、数値シンボル510-4によって表される。数値シンボル510-4は、プロセス値として“4.35”を表す。したがって、貯槽アイコン540-1は、4.35の高さの水位を持つアイコンとして表される。また、貯槽アイコン540-2で表される貯槽の水位は、数値シンボル510-5によって表される。数値シンボル510-5は、プロセス値として“4.35”を表す。したがって、貯槽アイコン540-2は、4.35の高さの水位を持つアイコンとして表される。なお、貯槽アイコン540は、貯槽に貯留される水の量に関わらず、アイコンの水位が変動しないように構成されてもよい。この場合、貯槽アイコン540の水位は、プロセス値にかかわらず同じアイコンが表示される。
【0038】
プロセスフロー画面は時間の経過に応じて変動する。例えば、日時シンボルの値が“2018/6/18 14:17:32”の時に、ポンプアイコン520-2のアイコンの色が変わった場合(例えば、ポンプアイコン520-1と同じ色)、ポンプアイコン520-2によって表されるポンプは稼働中になったことがわかる。このようにユーザは時間の経過に応じて変化するプロセスフロー画面を見ることで、監視対象の状態の変化を確認することができる。図5のように、プロセスフロー画面で監視対象の状態が表されることで、カメラによる映像では記録することができない監視対象の状態(例えば、流量等)についても、模式的に再現する動画像を表示することができるようになる。また、プロセスフロー画面を用いることで、一目では把握することが難しい広大な水処理プラントを一目で把握することが容易になる。
【0039】
このように構成された監視データ再生システム1では、監視データ記憶装置100に記録された監視データレコードは、保護情報を有する。監視データレコードは、保護情報を有することで、所定期間が経過した場合でも削除されないように保護される。したがって、画面生成部206は、所定期間が経過した監視データレコードに基づいて、画面情報を生成することが可能になる。したがって、過去の画面情報を現在又は未来において再生できるようになるため、ユーザは、任意の期間における監視対象の状態を確認することができる。
【0040】
また、過去の画面情報を用いて他者の教育用の資料に使用することができる。このように画面情報を用いることで、教育の対象者は、平時と異常気象又は災害等の平時ではない時等と容易に比較することができるようになる。したがって、教育の対象者は、膨大な量の画面情報を確認する必要がなくなるため、より効率的に学べるようになり、トラブル対応の運用技術を効率的に伝承することが可能になる。
【0041】
また、過去の画面情報を見学者用の資料に使用することができる。このように画面情報を用いることで、見学者は、平時と異常気象又は災害等の平時ではない時等と容易に比較することができるようになる。したがって、見学者は、好奇心を刺激され、一層の興味を持って見学をすることが可能になり、見学の質を向上させることが可能になる。
【0042】
また、監視データ再生システム1は、監視データ記憶装置100に接続された外部記憶媒体110に監視データレコードを記録させることができる。このため、監視データ記憶装置100の監視データ記憶部103の記憶容量が、監視データレコードで一杯になった場合であっても、外部記憶媒体110に監視データレコードを記録させることで、監視データ記憶部103から削除することが可能になる。したがって、ユーザは、監視データ記憶部103の記憶容量を気にすることなく、監視データレコードを保護することが可能になる。
【0043】
また、監視操作端末200が備える動画データ生成部209は、画面生成部206によって再生された画面情報を、動画データとして生成する。動画データは、MPEG形式又はAVI形式等の情報処理装置で再生できる形式で生成される。このため、従来は監視操作端末200でしか視聴できなかった画面情報を、様々な情報処理装置で再生できるようになる。したがって、例えば顧客先で説明をする場合、新規顧客に提案活動をする場合等に動画データを顧客に視聴させることで、購買意欲を高めることが可能になる。
【0044】
本実施形態では、保護情報の値として“保護する”及び“保護しない”の2値を用いて説明したが、保護情報の値は2値に限定されない。例えば、保護情報の値として、監視データが保護される期限日が設定されてもよい。期限日が経過した監視データは削除される。このように構成されることで、保護が不要になった監視データを都度削除する手間を省略することができ、より効率的に監視対象の監視を行うことが可能になる。
【0045】
本実施形態では、監視データ記憶装置100は、一台の装置であるとして説明したが、複数の装置として構成されてもよい。監視データ記憶装置100は、監視データを記録する記録媒体と、監視データを取得又は制御する制御装置と、で構成される複数の装置として構成されてもよい。この場合、監視操作端末200は、監視データを取得又は制御する制御装置を備え、監視データ記憶装置100は、単なる記録媒体として構成されてもよい。監視操作端末200は、一台の装置であるとして説明したが、複数の装置として構成されてもよい。監視データ記憶装置100又は監視操作端末200は、クラウドコンピューティングシステムによって構成されてもよい。また、監視データ記憶装置100と監視操作端末200は、異なる装置であるとして説明したが、単一の装置として構成されてもよい。
【0046】
上記各実施形態では、信号取得部105、監視データ制御部106、監視データ取得部205、画面生成部206、監視データ保護制御部207、監視データ記録部208及び動画データ生成部209はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
【0047】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、画面生成部206、監視データ保護制御部207、監視データ記録部208及び動画データ生成部209を持つことにより、任意の期間における監視対象の状態を確認することができる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…監視データ再生システム、100…監視データ記憶装置、101…通信部、102…外部入出力部、103…監視データ記憶部、104…制御部、105…信号取得部、106…監視データ制御部、110…外部記憶媒体、200…監視操作端末、201…通信部、202…入力部、203…表示部、204…制御部、205…監視データ取得部、206…画面生成部、207…監視データ保護制御部、208…監視データ記録部、209…動画データ生成部、300…コントローラ、400…監視ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5