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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】LEDモジュール及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20221202BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20221202BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20221202BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221202BHJP
【FI】
F21V23/00 150
F21S8/02 410
F21V23/00 140
F21Y113:13
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018232592
(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公開番号】P2020095848
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 康雄
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-090886(JP,A)
【文献】特開2018-120962(JP,A)
【文献】特開2015-005501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-2/00,390
2/00,500-45/70
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F21V 19/00-19/06
23/00-99/00
H01L 33/00
33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された複数の発光素子と、
前記基板に形成され前記複数の発光素子を電気的に接続する配線パターンを有する複数の配線回路と、
を備え、
前記複数の発光素子のうち1つ以上の発光素子と前記複数の配線回路のうちの1つの回路との組み合わせを、少なくとも2つ以上有し、
前記複数の配線回路毎に、前記複数の発光素子の光色が異なり、
前記基板の板面において、配置された前記複数の発光素子の光色毎に前記複数の配線回路が交差せずに交互に配置されており、
前記複数の発光素子は、
光色の異なる第1発光素子群と第2発光素子群とを有し、
前記複数の配線回路は、
前記第1発光素子群が配置される第1配線回路と、前記第2発光素子群が配置される第2配線回路と、を有し、
前記基板の板面において、前記第1配線回路と前記第2配線回路とが嵌りあうように交互に配置されており、
前記第1配線回路は、
直列に接続される2つ以上の前記複数の発光素子が一定の方向に沿って配置され、折り返して反対方向に沿って配置される第1往復配線パターンを有し、
前記第2配線回路は、
直列に接続される2つ以上の前記複数の発光素子が一定の方向に沿って配置され、折り返して反対方向に沿って配置される第2往復配線パターンを有するLEDモジュール。
【請求項2】
前記第1往復配線パターンは、
前記第2往復配線パターンの間に配置され、
前記第2往復配線パターンは、
前記第1往復配線パターンの間に配置されている請求項に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記第1配線回路及び前記第2配線回路は、
それぞれ蛇行するように形成されていると共に、互いに嵌りあうように交互に配置されている請求項1又は請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記複数の発光素子は、前記基板に対する垂直方向の平面視において、仮想の円形の平面内に縦横に整列して配置されている請求項~請求項のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記仮想の円形の最外周部を形成する前記複数の発光素子の内側に配置されている前記複数の発光素子に接続する前記複数の配線回路は、最外周部を形成する前記複数の発光素子の内側に配置されている前記複数の発光素子の整列方向に対して斜めに形成されている請求項に記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記第1配線回路と前記第2配線回路とは、配線が交差することなく回路が形成されている請求項~請求項のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
前記第1発光素子群は、
白色LED又は相関色温度が6500Kから4500Kの範囲の前記複数の発光素子で構成され、
前記第2発光素子群は、
電球色LED又は相関色温度が3500Kから2500Kの範囲の前記複数の発光素子で構成されている請求項~請求項のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
前記第1発光素子群を構成する前記発光素子の数と、前記第2発光素子群を構成する前記発光素子の数とが異なる請求項~請求項のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項9】
請求項~請求項のいずれか1項に記載のLEDモジュールと、
前記第1配線回路に接続された前記第1発光素子群と、前記第1発光素子群とは光色が異なり前記第2配線回路に接続された前記第2発光素子群と、を別々に制御する制御装置を有する電源ユニットと、
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDを実装した基板を備えたLEDモジュール及びこのLEDモジュールを備えた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1つのLEDモジュール内に複数の発光素子を接続する回路を2回路以上設けて、1つの回路が不点故障となっても、もう1つの回路の発光素子が発光し、照度を保つという照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-100800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のLEDモジュールは、配線回路が複雑であり、各配線が交差する場合がある。LEDモジュールは、配線が交差する場合、複数層に構成された基板を用いて交差する配線を形成するか、金属基板にジャンパー部品を用いて配線を交差させることが考えられる。しかし、前者は放熱性の問題を生じる場合があり、後者は異なる電位の配線の絶縁状態を維持することが難しくなる場合がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたものであり、配線を複雑にせず光を合成し易くしたLEDモジュール及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るLEDモジュールは、基板と、基板に実装された複数の発光素子と、基板に形成され複数の発光素子を電気的に接続する配線パターンを有する複数の配線回路と、を備え、複数の発光素子のうち1つ以上の発光素子と複数の配線回路のうちの1つの回路との組み合わせを、少なくとも2つ以上有し、複数の配線回路毎に、複数の発光素子の光色が異なり、基板の板面において、配置された複数の発光素子の光色毎に複数の配線回路が交差せずに交互に配置されており、複数の発光素子は、光色の異なる第1発光素子群と第2発光素子群とを有し、複数の配線回路は、第1発光素子群が配置される第1配線回路と、第2発光素子群が配置される第2配線回路と、を有し、基板の板面において、第1配線回路と第2配線回路とが嵌りあうように交互に配置されており、第1配線回路は、直列に接続される2つ以上の複数の発光素子が一定の方向に沿って配置され、折り返して反対方向に沿って配置される第1往復配線パターンを有し、第2配線回路は、直列に接続される2つ以上の複数の発光素子が一定の方向に沿って配置され、折り返して反対方向に沿って配置される第2往復配線パターンを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のLEDモジュールは、1つ以上の発光素子と1つの配線回路との組み合わせを、少なくとも2つ以上有し、複数の配線回路毎に、発光素子の光色が異なり、基板の板面において、配置された複数の発光素子の光色毎に複数の配線回路が交差せずに交互に配置されている。LEDモジュールは、複数の配線回路が交差せずに交互に配置されていることから、複雑な配線にする必要はなく、隣り合う配線回路に接続された光色の異なる発光素子から発せられる光が混ざりやすくなる。そのため、LEDモジュールは、配線を複雑にせず光を合成し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係るLEDモジュールの上面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るLEDモジュールにより発せられる合成光の色度範囲の例を示すグラフである。
図3】比較例であるLEDモジュールにおいて、混光上で理想とする発光素子の配置と配線方法とを示す回路図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るLEDモジュールの配線方法を示す回路図である。
図5図4のLEDモジュールの配線方法の詳細を示す回路図である。
図6】本発明の実施の形態2に係るLEDモジュールの配線方法を示す回路図である。
図7図6のLEDモジュールの配線方法の詳細を示す回路図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る照明装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係るLEDモジュール及び照明装置について、図面を参照して説明する。各図において同じまたは対応する構成要素には、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。ここで、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
(LEDモジュール100)
図1は、本発明の実施の形態1に係るLEDモジュール100の上面図である。LEDモジュール100は、基板10と、基板10に実装された複数の発光素子30と、基板10に形成され複数の発光素子30を電気的に接続する配線パターン70を有する複数の配線回路60と、を備える。また、LEDモジュール100は、基板10に実装された複数のコネクタ50を備える。LEDモジュール100は、1つ以上の発光素子30と1つの配線回路60との組み合わせを、少なくとも2つ以上有する。図1では、複数の配線回路60が、第1配線回路61及び第2配線回路62の場合を示す。LEDモジュール100は、基板10の板面において、複数の配線回路60毎に、発光素子30の光色が異なる。LEDモジュール100は、配置された発光素子30の光色毎に複数の配線回路60が交差せずに交互に形成されている。
【0011】
基板10は、アルミ等をベース材料とする金属基板である。発光素子30及びコネクタ50は、基板10上に形成された配線パターン70に実装される電子部品である。
【0012】
発光素子30は、電力の供給を受けて発光する。本実施の形態では、発光素子30として、LED(Light Emitting Diode)を用いる。発光素子30の形状は様々なものがあり、樹脂パッケージで覆われた表面実装型のもの、あるいは、セラミックパッケージにドーム型のレンズが付いた表面実装型のもの等がある。しかし、本実施の形態では、LEDモジュール100は、異なる相関色温度のLEDの光を合成した光を作りたいことから、発光素子30は、CSP(Chip Scale Package)タイプのものが好ましい。CSPタイプの発光素子30は、主にLEDチップと透明シリコン樹脂に蛍光体が混入されたものとで構成されているため、横方向への光出力が多く、LEDモジュール100上で隣り合った発光素子30の間で光が合成しやすいという特徴がある。なお、発光素子30は、CSPタイプのものが好ましいが、CSPタイプのものに限定されるものではなく、他の構造のものであってもよい。
【0013】
複数の発光素子30は、光色の異なる第1発光素子群31と第2発光素子群32とを有する。第1発光素子群31は、例えば、白色LED又は相関色温度が6500Kから4500Kの範囲の複数の発光素子30で構成されている。また、第2発光素子群32は、例えば、電球色LED又は相関色温度が3500Kから2500Kの範囲の複数の発光素子30で構成されている。
【0014】
複数の配線回路60は、それぞれ複数の配線回路60毎に配線パターン70を有する。各配線パターン70において、各々の配線回路60のアノード側(+極側)とカソード側(-極側)とは、コネクタ50を介して直流電源と接続され、所定の電流が流れることで発光素子30を点灯させることができる。なお、配線パターン70は、基板10に形成される配線パターンの総称である。配線パターン70は、例えば、図1のように、第1発光素子群31が配置される第1配線回路61を構成し、第2発光素子群32が配置される第2配線回路62を構成する。LEDモジュール100の配線パターン70は、基板10の板面において、第1配線回路61と第2配線回路62とが嵌りあうように交互に形成されている。
【0015】
配線パターン70には、第1配線回路61のアノード側のコネクタ50として、アノード側コネクタ41が設けられており、第1配線回路61のカソード側のコネクタ50として、カソード側コネクタ42が設けられている。また、配線パターン70には、第2配線回路62のアノード側のコネクタ50として、アノード側コネクタ45が設けられており、第2配線回路62のカソード側のコネクタ50として、カソード側コネクタ46が設けられている。
【0016】
LEDモジュール100は、各々の配線回路60に流れる電流が、LEDモジュール100に接続された電源及び制御機器(図示は省略)により調節され、発光素子30から発光される光束の量を変化させることができる。
【0017】
各々の配線回路60に接続されている発光素子30は、上述したように、異なる相関色温度の発光素子30が実装されている。LEDモジュール100は、各配線回路60に流れる電流を変化させることにより、各配線回路60に接続された発光素子30の光束量に合わせて各発光素子30の相関色温度の間の発光色を作ることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1に係るLEDモジュール100により発せられる合成光の色度範囲の例を示すグラフである。図2の横軸(x)及び縦軸(y)は、色度を示している。図2は、第1配線回路61の第1発光素子群31に5000Kの相関色温度の発光素子30が使用され、第2配線回路62の第2発光素子群32に3000Kの相関色温度の発光素子30が使用された場合の色度図を示している。なお、第1配線回路61及び第2配線回路62は、各々電流を調整することができる。
【0019】
LEDモジュール100は、例えば、第1配線回路61に5000Kの発光素子30を実装させ、第2配線回路62に3000Kの発光素子30を実装している。そして、LEDモジュール100は、第1配線回路61及び第2配線回路62の各々の電流の比率を変化させることにより5000K~3000Kの間の相関色温度を作ることができる。例えば、本実施の形態では、第1配線回路61と第2配線回路62との電流比率を、第1配線回路61:第2配線回路62=56%:44%にする。LEDモジュール100は、第1配線回路61と第2配線回路62との電流比率を上記のように設定することで、発せられる光の相関色温度を、第1配線回路61の5000Kと第2配線回路62の3000Kとの間の4000K付近とすることができる。
【0020】
なお、実際には、各発光素子30の相関色温度にばらつきがあるため、LEDメーカーから供給される色度ランクのばらつき範囲と光束ランクのばらつき範囲とにより電流比率によってできる光の相関色温度が異なることがある。
【0021】
LEDモジュール100は、2種類以上の相関色温度の発光素子30の光束を変化させることにより合成された光の相関色温度を変化させることができる。しかし、LEDモジュール100は、さらにより良く2種類以上の光を合成して均一な光を得るためには、異なる相関色温度の発光素子30同士を近接させて基板10上に実装させる必要がある。
【0022】
図3は、比較例であるLEDモジュール200において、混光上で理想とする発光素子130の配置と配線方法とを示す回路図である。LEDモジュール200が発する光を最も均一にするには、図3に示すように、発光素子130の側面の4面が、異なる相関色温度の発光素子130と対向するように、基板10上に異なる相関色温度の発光素子130が交互に並べられた配置にするとよい。しかし、異なる相関色温度の発光素子130を交互に並べると発光素子130の間を接続する配線が複雑になる。そこで、複雑な配線を形成するために、基板10にCEM3(Composite Epoxy Material 3)、あるいは、ガラスエポキシ基板等の樹脂基板を用いて形成された多層基板を利用することが考えられる。しかし、CEM3、あるいは、ガラスエポキシ基板等の樹脂基板は、多層基板等にして配線することができるが放熱性が劣る。また、放熱性を考慮して、基板10にアルミ基板のような金属基板を用いることが考えられるが、放熱性に優れたアルミ基板のような金属基板の場合は、ジャンパー抵抗を用いて一方の配線回路60を跨ぐ形に配線をしなければならない。
【0023】
ジャンパー部品で配線を交差させた箇所は、異なる電位の配線が交差するが、ジャンパー部品の大きさ、あるいは、ジャンパー部品の電極間距離により、絶縁距離を多く取ることが難しい。そのため、基板10に実装される発光素子30の数が多く、電圧が高くなればなるほど異なる電位の配線の交互配置は難しくなる。
【0024】
また、ジャンパー抵抗の下を通す配線は、ジャンパー抵抗の大きさにもよるが、あまり太く出来ないことから高ワットタイプの発光素子30では設計しにくい。なお、配線を太くするためにジャンパー抵抗の大きさを大きくすると、一般的にジャンパー抵抗はセラミックなどが使われていることからジャンパー抵抗とアルミ基板等との間で熱膨張の違いが問題となる。すなわち、点灯させると発熱する発光素子130の発熱の影響により、ジャンパー抵抗とアルミ基板等との間で熱膨張の違いが生じ、点灯と消灯とを繰り返す照明装置用のLEDモジュール200にとっては半田部へ応力が問題となる。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態1に係るLEDモジュール100の配線方法を示す回路図である。図5は、図4のLEDモジュール100の配線方法の詳細を示す回路図である。図4及び図5を用いて本発明の実施の形態1に係るLEDモジュール100の配線パターン70について説明する。図4に示すように、LEDモジュール100は、一方の配線回路60に接続される発光素子30が櫛の歯状に配置されるように斜めに配線され、各々の配線回路60が交差しないようにすることでジャンパー部品を使わずに配線パターン70を設計することができる。
【0026】
さらに詳細に説明すると、図4に示すように、第1配線回路61は、第2配線回路62の間で往復する回路を形成し、第2配線回路62は、第1配線回路61の間で往復する回路を形成する。より詳細には、図5に示すように、第1配線回路61は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向SW1に沿って配置され、折り返して反対方向NE1に沿って配置される第1往復配線パターン71を有する。また、第2配線回路62は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向NE2に沿って配置され、折り返して反対方向SW2に沿って配置される第2往復配線パターン72を有する。そして、第1往復配線パターン71は、第2往復配線パターン72の間に配置され、第2往復配線パターン72は、第1往復配線パターン71の間に配置されている。第1往復配線パターン71は、第1配線回路61を構成する配線パターン70であり、第2往復配線パターン72は、第2配線回路62を構成する配線パターン70である。第1往復配線パターン71の往復方向と、第2往復配線パターン72の往復方向とは互いに反対方向である。第1往復配線パターン71は、第1配線回路61において、往復部分を先端部分とした櫛の歯状に形成されており、第2往復配線パターン72は、第2配線回路62において、往復部分を先端部分とした櫛の歯状に形成されている。第1配線回路61と第2配線回路62とは、第1往復配線パターン71と第2往復配線パターン72とが挟みあうように形成されている。
【0027】
第1往復配線パターン71は、一定の方向SW1を構成する配線パターン70と、反対方向NE1を構成する配線パターン70とが平行となるように形成されている。また、第2往復配線パターン72は、一定の方向NE2を構成する配線パターン70と、反対方向SW2を構成する配線パターン70とが平行となるように形成されている。また、第1往復配線パターン71と第2往復配線パターン72とは、平行に形成されている。
【0028】
また、第1配線回路61及び第2配線回路62は、それぞれ蛇行するように形成されていると共に、互いに嵌りあうように交互に配置されている。さらに、図4に示すように、複数の発光素子30は、基板10に対する垂直方向の平面視において、仮想の円形R1の平面内に縦横に整列して配置されている。そして、円形R1の最外周部を形成する発光素子30の内側に配置されている発光素子30に接続する複数の配線回路60は、最外周部を形成する発光素子30の内側に配置されている発光素子30の整列方向に対して斜めに形成されている。また、第1配線回路61と第2配線回路62とは、配線が交差することなく配線回路60が形成されている。
【0029】
また、発光素子30の2面以上の側面方向に、異なる相関色温度の発光素子30が配置されることにより、各々の発光素子30の側面方向に出る光の半分の光が合成しやすくなる。なお、実際には1次光だけではなく、照明装置の内部で各々の光が反射を繰り返し合成する光もあるため照明装置の構造による部分もあるが、1次光が合成しやすくなることで、さらに照明装置としても良好な合成光を得やすくなる。
【0030】
この他、LEDモジュール100の基板10上に配置される発光素子30の配置間隔は、隣り合う発光素子30ができるだけ近接して配置することが望ましい。
【0031】
しかし、一般的に照明用途に使われる発光素子30は、半導体から発光する青色の光とその光を励起光として波長変換する蛍光体とから構成されている。そのため、発光素子30同士が近接しすぎると、隣に配置された発光素子30から発せられる青色光で蛍光体が2次励起され、本来の発光素子30の相関色温度からずれてしまい設計通りの発光色が得られない場合がある。
【0032】
また、隣り合う発光素子30の間を離しすぎると、合成される光が混ざりにくくなり、発光面に発光素子30の粒々感が出てしまい、発光面の色ムラが発生してしまう恐れがある。
【0033】
このため、本実施の形態では隣り合う発光素子30の間は、最低でも0.4mm以上離す必要がある。なお、本実施の形態では、LEDモジュール100は、図1に示すように、複数の発光素子30を円形状に配置している。但し、LEDモジュール100は、図1に示すように、複数の発光素子30を円形状に配置するものに限定されるものではなく、複数の発光素子30を円形状に配置しなくてもよい。
【0034】
(LEDモジュール100の作用効果)
LEDモジュール100は、1つ以上の発光素子30と1つの配線回路60との組み合わせを、少なくとも2つ以上有する。そして、LEDモジュール100は、複数の配線回路60毎に、発光素子30の光色が異なり、基板10の板面において、配置された複数の発光素子30の光色毎に複数の配線回路60が交差せずに交互に配置されている。LEDモジュール100は、複数の配線回路60が交差せずに交互に配置されていることから、複雑な配線にする必要はなく、隣り合う配線回路60に接続された光色の異なる発光素子30から発せられる光が混ざりやすくなる。そのため、LEDモジュール100は、配線を複雑にせず光を合成し易くすることができる。
【0035】
また、LEDモジュール100は、1つ以上の発光素子30と1つの配線回路60との組み合わせを、少なくとも2つ以上有し、複数の配線回路60毎に、発光素子30の光色が異なる。そして、LEDモジュール100は、基板10の板面において、配置された発光素子30の光色毎に複数の配線回路60が交差せずに交互に配置されている。そのため、LEDモジュール100は、発光素子30から発せられる光が合成し易くなり2色以上の相関色温度の光を均一に合成することができ良好な光を発することができる。また、LEDモジュール100は、当該構成により発光面積を小さくすることもできる。
【0036】
また、LEDモジュール100は、基板10の板面において、第1配線回路61と第2配線回路62とが嵌りあうように交互に配置されている。そのため、LEDモジュール100は、発光素子30から発せられる光が合成し易くなり2色以上の相関色温度の光を均一に合成することができ良好な光を発することができる。
【0037】
また、第1配線回路61は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向SW1に沿って配置され、折り返して反対方向NE1に沿って配置される第1往復配線パターン71を有する。また、第2配線回路62は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向NE2に沿って配置され、折り返して反対方向SW2に沿って配置される第2往復配線パターン72を有する。そのため、LEDモジュール100は、複数の回路をジャンパー抵抗などの部品を使わず集積した発光素子30の配置が可能であり、小型で良好な合成光が得られ、相関色温度を変更することができる。
【0038】
また、第1往復配線パターン71は、第2往復配線パターン72の間に配置され、第2往復配線パターン72は、第1往復配線パターン71の間に配置されている。そのため、LEDモジュール100は、複数の回路をジャンパー抵抗などの部品を使わず集積した発光素子30の配置が可能であり、小型で良好な合成光が得られ、相関色温度を変更することができる。
【0039】
また、LEDモジュール100は、第1配線回路61及び第2配線回路62が、それぞれ蛇行するように形成されていると共に、互いに嵌りあうように交互に配置されている。そのため、LEDモジュール100は、複数の回路をジャンパー抵抗などの部品を使わず集積した発光素子30の配置が可能であり、小型で良好な合成光が得られ、相関色温度を変更することができる。
【0040】
また、LEDモジュール100は、複数の発光素子30が、基板10に対する垂直方向の平面視において、仮想の円形R1の平面内に縦横に整列して配置されている。複数の発光素子30を円状に配置することで、円形の面光源のように機能し、ダウンライトのように埋め込み穴が円形の灯具、および、反射板にも円形の器具、スポットライト等のようにレンズを用いて配光を制御するような照明器具に使い易い形状となっている。
【0041】
また、円形R1の最外周部を形成する発光素子30の内側に配置されている発光素子30に接続する複数の配線回路60は、最外周部を形成する発光素子30の内側に配置されている発光素子30の整列方向に対して斜めに形成されている。そのため、LEDモジュール100は、複数の回路をジャンパー抵抗などの部品を使わず集積した発光素子30の配置が可能であり、小型で良好な合成光が得られ、相関色温度を変更することができる。
【0042】
また、第1配線回路61と第2配線回路62とは、配線が交差することなく回路が形成されている。そのため、LEDモジュール100は、複数の回路をジャンパー抵抗などの部品を使わず集積した発光素子30の配置が可能であり、小型で良好な合成光が得られ、相関色温度を変更することができる。
【0043】
また、第1発光素子群31は、白色LED又は相関色温度が6500Kから4500Kの範囲の複数の発光素子30で構成されている。そして、第2発光素子群32は、電球色LED又は相関色温度が3500Kから2500Kの範囲の複数の発光素子30で構成されている。そのため、LEDモジュール100は、第1発光素子群31と第2発光素子群32とに流れる電流比率を変更することで、相関色温度を変更することができる。
【0044】
実施の形態2.
(LEDモジュール110)
図6は、本発明の実施の形態2に係るLEDモジュール110の配線方法を示す回路図である。図7は、図6のLEDモジュール110の配線方法の詳細を示す回路図である。図6を用いて、実施の形態2に係るLEDモジュール110について説明する。図1図4のLEDモジュール100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係るLEDモジュール110は、全体の発光素子30として52個の発光素子30を有している。そして、LEDモジュール110は、52個の発光素子30のうち、第1配線回路61には29個の発光素子30が接続されており、第2配線回路62には23個の発光素子30が接続されている。すなわち、LEDモジュール110は、第1発光素子群31を構成する発光素子30の数と、第2発光素子群32を構成する発光素子30の数とが異なる。
【0045】
実施の形態1では例えば第1配線回路61に実装された5000Kの相関色温度の発光素子30の電流比を56%、第2配線回路62に実装された3000Kの相関色温度の発光素子30の電流比率を44%とした。実施の形態1のLEDモジュール100では、第1配線回路61と第2配線回路62との電流比率を上記のようにすることで約4000Kの相関色温度を実現できると説明した。しかし、本実施の形態では発光素子30が第1配線回路61に29個配置されており、全体の52個の発光素子30に対して55.8%の数量の発光素子30が第1配線回路61に配置されている。また、本実施の形態では発光素子30が第2配線回路62に23個配置されており、全体の52個の発光素子30に対して44.2%の数量の発光素子30が第2配線回路62に配置されている。
【0046】
このように、LEDモジュール110は、第1配線回路61と第2配線回路62とに配置される発光素子30の数量を変化させている。そのため、LEDモジュール110は、電流比率が第1配線回路61:第2配線回路62=100%:0%時は5000K、電流比率が第1配線回路61:第2配線回路62=50%:50%の時は4000Kである。また、LEDモジュール110は、電流比率が第1配線回路61:第2配線回路62=0%:100%の時は3000Kである。すなわち、LEDモジュール110は、発光素子30の数量で電流比率と相関色温度の関係を変えることができる。
【0047】
図7に示すように、第1配線回路61は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向SW1に沿って配置され、折り返して反対方向NE1に沿って配置される第1往復配線パターン71を有する。また、第2配線回路62は、直列に接続される2つ以上の発光素子30が一定の方向NE2に沿って配置され、折り返して反対方向SW2に沿って配置される第2往復配線パターン72を有する。そして、第1往復配線パターン71は、第2往復配線パターン72の間に配置され、第2往復配線パターン72は、第1往復配線パターン71の間に配置されている。
【0048】
(LEDモジュール110の作用効果)
LEDモジュール110は、第1発光素子群31を構成する発光素子30の数と、第2発光素子群32を構成する発光素子30の数とが異なる。そのため、LEDモジュール110は、発光素子30の数量で電流比率と相関色温度の関係を変えることができる。
【0049】
また、LEDモジュール110は、1つ以上の発光素子30と1つの配線回路60との組み合わせを、少なくとも2つ以上有する。そして、LEDモジュール110は、複数の配線回路60毎に、発光素子30の光色が異なり、基板10の板面において、配置された複数の発光素子30の光色毎に複数の配線回路60が交差せずに交互に配置されている。LEDモジュール110は、複数の配線回路60が交差せずに交互に配置されていることから、複雑な配線にする必要はなく、隣り合う配線回路60に接続された光色の異なる発光素子30から発せられる光が混ざりやすくなる。そのため、LEDモジュール110は、配線を複雑にせず光を合成し易くすることができる。
【0050】
LEDモジュール110は、発光素子30から発せられる光が合成し易くなり2色以上の相関色温度の光を均一に合成することができ良好な光を発することができる。また、LEDモジュール110は、当該構成により発光面積を小さくすることもできる。
【0051】
実施の形態3.
(照明装置300)
図8は、本発明の実施の形態3に係る照明装置300の分解斜視図である。図8を用いて、照明装置300について説明する。図1図6のLEDモジュール100及びLEDモジュール110と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。照明装置300は、例えば天井等の器具取付面に設けられた取付開口穴に埋め込まれた状態で使用される天井埋込型の照明装置である。なお、照明装置300は、天井埋込型の照明装置に限定されるものではなく、例えば、天井等の器具取付面等に取り付けられる照明装置等、他の設置形態の照明装置であってもよい。照明装置300は、器具本体310と、電源ユニット350とを有する。照明装置300は、器具本体310と電源ユニット350とが、例えばネジ等の固定具によって互いに固定されている。
【0052】
器具本体310は、光源320と、放熱部330と、反射部340とを有している。
【0053】
光源320は、照明装置300において発光する部分であり、実施の形態1に係るLEDモジュール100、又は、実施の形態2に係るLEDモジュール110である。
【0054】
放熱部330は、光源320が取り付けられ、光源320が発生する熱を放熱するヒートシンクであって、例えばアルミニウム等の熱を伝達する金属により形成されている。放熱部330は、光源取付部332と複数の放熱フィン331と、を有している。
【0055】
複数の放熱フィン331は、光源320が発した熱を大気中に放出する板状の部材であって、光源取付部332に対して垂直方向に延びている。各放熱フィン331同士は一定の間隔で設けられている。光源取付部332は、例えば円柱状に形成されており、上面側に放熱フィン331が一体的に取り付けられており、下面側に光源320が取り付けられる。
【0056】
反射部340は、光源320から発せられる光を反射するものである。
【0057】
電源ユニット350は、図示しない配線を介して光源320に電気的に接続されており、光源320に電力を供給するものである。電源ユニット350は、四角形状を有する箱体351の内部に第1配線回路61に接続された第1発光素子群31と第2配線回路62に接続された第2発光素子群32とを別々に制御する制御装置352を有している。
【0058】
(照明装置300の作用効果)
照明装置300は、LEDモジュール100又はLEDモジュール110を備えるため、発光素子30から発せられる光が合成し易くなり2色以上の相関色温度の光を均一に合成することができ良好な光を発することができる。また、照明装置300は、LEDモジュール100又はLEDモジュール110を備えるため、LEDモジュール100又はLEDモジュール110の配線を複雑にせず光を合成し易くすることができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態、及び変形例を説明したが、これらの実施の形態と変形例とを組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例とを部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態、及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 基板、30 発光素子、31 第1発光素子群、32 第2発光素子群、41 アノード側コネクタ、42 カソード側コネクタ、45 アノード側コネクタ、46 カソード側コネクタ、50 コネクタ、60 配線回路、61 第1配線回路、62 第2配線回路、70 配線パターン、71 第1往復配線パターン、72 第2往復配線パターン、100 LEDモジュール、110 LEDモジュール、130 発光素子、200 LEDモジュール、300 照明装置、310 器具本体、320 光源、330 放熱部、331 放熱フィン、332 光源取付部、340 反射部、350 電源ユニット、351 箱体、352 制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8