IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鹿島建設株式会社の特許一覧 ▶ 阪神高速道路株式会社の特許一覧

特許7186600主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法
<>
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図1
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図2
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図3
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図4
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図5
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図6
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図7
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図8
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図9
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図10
  • 特許-主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/12 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
E01D19/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018238550
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2020100966
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505413255
【氏名又は名称】阪神高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100133064
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 新
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐起
(72)【発明者】
【氏名】一宮 利通
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公生
(72)【発明者】
【氏名】藤代 勝
(72)【発明者】
【氏名】村岸 聖介
(72)【発明者】
【氏名】金治 英貞
(72)【発明者】
【氏名】小坂 崇
(72)【発明者】
【氏名】西海 能史
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-264115(JP,A)
【文献】特開2018-040168(JP,A)
【文献】特開2011-074754(JP,A)
【文献】実開昭60-070616(JP,U)
【文献】特開2009-041227(JP,A)
【文献】特開2008-190130(JP,A)
【文献】特開平10-311007(JP,A)
【文献】特開2018-123643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に突出した突出部を有する主桁と、
下面に前記突出部を収容する収容部を有するプレキャスト床版と、
前記突出部を収容した前記収容部を充填する充填材と、
を備え、
前記収容部は、前記プレキャスト床版の前記下面に設けられた凹部であり、前記プレキャスト床版の上面には連通していない、主桁とプレキャスト床版との固定構造。
【請求項2】
上方に突出した突出部を有する主桁と、
下面に前記突出部を収容する収容部を有するプレキャスト床版と、
前記突出部を収容した前記収容部を充填する充填材と、
を備え、
前記プレキャスト床版の上面から前記収容部と前記充填材との境界面に沿って前記プレキャスト床版の前記下面へと至る経路の長さが、前記プレキャスト床版の前記上面と前記下面との距離よりも長く、
前記収容部は前記プレキャスト床版の前記下面及び前記上面に対して開放されており、
前記プレキャスト床版の前記上面に対して開放されている前記収容部の開口部の開口面積よりも大きく且つ前記開口部を覆う蓋部材をさらに備えた、主桁とプレキャスト床版との固定構造。
【請求項3】
前記蓋部材は、プレキャストコンクリートにより形成されている、請求項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定構造。
【請求項4】
前記蓋部材は、場所打ちコンクリートにより形成されている、請求項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定構造。
【請求項5】
前記蓋部材は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定構造。
【請求項6】
主桁の上方に突出した突出部をプレキャスト床版の下面の収容部に収容させた状態で、前記主桁に前記プレキャスト床版を設置する床版設置工程と、
前記突出部を収容した前記収容部を充填材により充填する充填工程と、
を備え、
前記床版設置工程における前記プレキャスト床版の前記収容部は、前記プレキャスト床版の前記下面に設けられた凹部であり、前記プレキャスト床版の上面には連通していない、主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【請求項7】
前記充填工程では、
前記主桁と前記プレキャスト床版の前記下面との間を塞ぐ型枠が設けられ、当該型枠に設けられた孔を通じて前記充填材が注入され前記収容部に充填される、請求項6に記載の主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【請求項8】
主桁の上方に突出した突出部をプレキャスト床版の下面の収容部に収容させた状態で、前記主桁に前記プレキャスト床版を設置する床版設置工程と、
前記突出部を収容した前記収容部を充填材により充填する充填工程と、
を備え、
前記床版設置工程では、前記プレキャスト床版の上面から前記収容部と前記充填材との境界面に沿って前記プレキャスト床版の前記下面へと至る経路の長さが、前記プレキャスト床版の前記上面と前記下面との距離よりも長く、前記収容部が前記プレキャスト床版の前記下面及び前記上面に対して開放されている、前記プレキャスト床版を前記主桁に設置し、
前記充填工程で充填する前記充填材が固化する前に、前記床版設置工程で前記主桁に設置された前記プレキャスト床版の前記上面に対して開放されている前記収容部の開口部の開口面積よりも大きい蓋部材によって前記開口部を覆うように、前記蓋部材を設置する蓋部材設置工程をさらに備えた、主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【請求項9】
前記蓋部材設置工程で設置される前記蓋部材は、プレキャストコンクリートにより形成されている、請求項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【請求項10】
前記蓋部材設置工程で設置される前記蓋部材は、場所打ちコンクリートにより形成されている、請求項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【請求項11】
前記蓋部材設置工程で設置される前記蓋部材は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されている、請求項8~10のいずれか1項に記載の主桁とプレキャスト床版との固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路橋において、上方に突出したスタッドを有する主桁と、スタッドを収容する箱抜孔等のスタッド孔を有するプレキャスト床版と、スタッドを収容した箱抜孔を充填するモルタル等の充填材とを備えた主桁とプレキャスト床版との固定構造が提案されている。例えば、特許文献1には、スタッドを収容して鋼桁と合成するためのスタッド孔が複数成形されたプレキャスト床版を鋼桁上に設置し、設置したプレキャスト床版のスタッド孔内において鋼桁の上面にスタッドを立設し、スタッド孔内を充填材で充填する工法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018‐21403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モルタル等の充填材が収縮することにより、プレキャスト床版の上面においてプレキャスト床版と充填材との境界面が開く可能性がある。プレキャスト床版の上面において境界面が開くと、そこからプレキャスト床版の下面への雨水等による水分や塩分の侵入が生じるため、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性が低下する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上方に突出した突出部を有する主桁と、下面に突出部を収容する収容部を有するプレキャスト床版と、突出部を収容した収容部を充填する充填材とを備え、プレキャスト床版の上面から収容部と充填材との境界面に沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路の長さが、プレキャスト床版の上面と下面との距離よりも長い主桁とプレキャスト床版との固定構造である。
【0007】
この構成によれば、上方に突出した突出部を有する主桁と、下面に突出部を収容する収容部を有するプレキャスト床版と、突出部を収容した収容部を充填する充填材とを備えた主桁とプレキャスト床版との固定構造において、プレキャスト床版の上面から収容部と充填材との境界面に沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路の長さが、プレキャスト床版の上面と下面との距離よりも長いため、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入経路がプレキャスト床版の厚さよりも長くなり、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。
【0008】
この場合、収容部と充填材との境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動していることが好適である。
【0009】
この構成によれば、収容部と充填材との境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動しているため、境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動しない場合に比べて、プレキャスト床版の上面から収容部と充填材との境界面に沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路の長さが長くなり、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入経路も長くなり、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。
【0010】
また、収容部は、プレキャスト床版の下面に対して開放され、プレキャスト床版の上面に対して閉鎖されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、収容部は、プレキャスト床版の下面に対して開放され、プレキャスト床版の上面に対して閉鎖されているため、プレキャスト床版の上面から収容部と充填材との境界面に沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路は存在しないため、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入経路も存在せず、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。
【0012】
また、収容部はプレキャスト床版の下面及び上面に対して開放されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、収容部はプレキャスト床版の下面及び上面に対して開放されているため、プレキャスト床版の上面から充填材を注入することが可能であり、プレキャスト床版の下面から充填材を注入する場合でも収容部から空気が抜けやすいため、充填材の注入がし易い。
【0014】
この場合、収容部と充填材との境界面は、プレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部に近づくほど上面との距離が短くなるように傾斜した傾斜面を含むことが好適である。
【0015】
この構成によれば、収容部と充填材との境界面は、プレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部に近づくほど上面との距離が短くなるように傾斜した傾斜面を含むため、充填材が注入される際に、開口部から空気が抜けやすく、収容部に空気が溜まり難い。
【0016】
また、プレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部の開口面積よりも大きく且つ開口部を覆う蓋部材をさらに備えていることが好適である。
【0017】
この構成によれば、プレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部の開口面積よりも大きく且つ開口部を覆う蓋部材をさらに備えるため、プレキャスト床版の上面から、プレキャスト床版の上面と蓋部材との境界面と、収容部と充填材との境界面とに沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路の長さが長くなり、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入経路も長くなり、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。
【0018】
この場合、蓋部材は、プレキャストコンクリートにより形成されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、蓋部材は、プレキャストコンクリートにより形成されているため、蓋部材の品質が工事現場の天候に左右されない。また、蓋部材の設置が容易である。
【0020】
また、蓋部材は、場所打ちコンクリートにより形成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、蓋部材は、場所打ちコンクリートにより形成されているため、プレキャスト床版の上面と蓋部材との境界面に隙間が生じ難いため、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入をより効果的に防止することができる。
【0022】
また、蓋部材は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されていることが好適である。
【0023】
この構成によれば、蓋部材は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されているため、蓋部材の強度及び耐久性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明は、主桁の上方に突出した突出部をプレキャスト床版の下面の収容部に収容させた状態で、主桁にプレキャスト床版を設置する床版設置工程と、突出部を収容した収容部を充填材により充填する充填工程とを備え、床版設置工程では、プレキャスト床版の上面から収容部と充填材との境界面に沿ってプレキャスト床版の下面へと至る経路の長さが、プレキャスト床版の上面と下面との距離よりも長くなるプレキャスト床版を主桁に設置する主桁とプレキャスト床版との固定方法である。
【0025】
この場合、床版設置工程では、収容部と充填材との境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動しているプレキャスト床版を主桁に設置することが好適である。
【0026】
また、床版設置工程では、収容部が、プレキャスト床版の下面に対して開放され、プレキャスト床版の上面に対して閉鎖されているプレキャスト床版を主桁に設置してもよい。
【0027】
また、床版設置工程では、収容部がプレキャスト床版の下面及び上面に対して開放されているプレキャスト床版を主桁に設置してもよい。
【0028】
この場合、床版設置工程では、収容部と充填材との境界面がプレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部に近づくほど上面との距離が短くなるように傾斜した傾斜面を含むプレキャスト床版を主桁に設置することが好適である。
【0029】
また、充填工程で充填する充填材が固化する前に、床版設置工程で主桁に設置されたプレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部の開口面積よりも大きい蓋部材によって開口部を覆うように、蓋部材を設置する蓋部材設置工程をさらに備えることが好適である。
【0030】
この構成によれば、蓋部材設置工程により、床版設置工程で主桁に設置されたプレキャスト床版の上面に対して開放されている収容部の開口部の開口面積よりも大きく且つ開口部を覆う蓋部材が配置されるため、プレキャスト床版の上面から下面への雨水等による水分や塩分の侵入経路が長くなり、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。また、蓋部材設置工程は充填工程で充填する充填材が固化する前に行われるため、充填材から空気中への水分逸散を低減させ、充填材の乾燥収縮を低減させることができる。
【0031】
この場合、蓋部材設置工程で設置される蓋部材は、プレキャストコンクリートにより形成されていてもよい。
【0032】
また、蓋部材設置工程で設置される蓋部材は、場所打ちコンクリートにより形成されていてもよい。
【0033】
また、蓋部材設置工程で設置される蓋部材は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されていることが好適である。
【発明の効果】
【0034】
本発明の主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法によれば、主桁とプレキャスト床版との固定構造の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の斜視図である。
図3】第1実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図4】第1実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定方法の床版設置工程後の状態を示す縦断面図である。
図5】第2実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図6】第3実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図7】第4実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図8】第5実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図9】第6実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
図10】第6実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定方法の蓋部材設置工程を示す縦断面図である。
図11】第7実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造の突出部付近の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造及び主桁とプレキャスト床版との固定方法の実施形態について詳細に説明する。図1図2及び図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造1Aは、主桁2、プレキャスト床版3A及び充填材9を備える。主桁2は、例えば、鋼桁である。主桁2は、その上端のフランジ4から上方に突出した突出部5を有する。突出部5は、例えば、その上端が拡径された頭付きスタッドである。
【0037】
プレキャスト床版3Aは、下面6と上面7とを有する。プレキャスト床版3Aは、下面6に突出部5を収容する収容部8を有する。本実施形態では、収容部8は、従来のプレキャスト床版の上面から下面へと貫通する箱抜孔ではなく、プレキャスト床版3Aの下面6に設けられた凹部である。充填材9は、突出部5を収容した収容部8を充填する。充填材9は、例えば、無収縮性モルタルである。充填材9は、主桁2のフランジ4と、フランジ4の上面の両方の側縁部に設けられた型枠11と、プレキャスト床版3Aの下面6及び収容部8とで囲まれた空間に充填されている。
【0038】
本実施形態では、収容部8は、プレキャスト床版3Aの下面6に対して開放され、プレキャスト床版3Aの上面7に対して閉鎖されている。本実施形態では、収容部8がプレキャスト床版3Aの上面7に対して閉鎖されているため、プレキャスト床版3Aの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路は存在しない。そのため、プレキャスト床版3Aの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路の長さは、無限大であり、プレキャスト床版3Aの上面7と下面6との距離dよりも長い。
【0039】
なお、プレキャスト床版3Aの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路の長さとは、本実施形態のように、収容部8がプレキャスト床版3Aの上面7に対して閉鎖され、当該経路が存在しない場合は、経路の長さは無限大であることを意味する。また、プレキャスト床版3Aの上面7と下面6との距離dとは、例えば、プレキャスト床版3Aの厚さを意味する。
【0040】
以下、本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法について説明する。図4に示すように、主桁2の上方に突出した突出部5をプレキャスト床版3Aの下面6の収容部8に収容させた状態で、主桁2にプレキャスト床版3Aを設置する床版設置工程が行われる。なお、主桁2のフランジ4への突出部5の接合と、主桁2のフランジ4へのプレキャスト床版3Aの設置との順序はいずれが前でも後でもよい。
【0041】
上述したように、床版設置工程では、プレキャスト床版3Aの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路の長さが、プレキャスト床版3Aの上面7と下面6との距離dよりも長くなるプレキャスト床版3Aが主桁2に設置される。また、床版設置工程では、収容部8が、プレキャスト床版3Aの下面6に対して開放され、プレキャスト床版3Aの上面7に対して閉鎖されているプレキャスト床版3Aが主桁2に設置される。
【0042】
図3に示すように、突出部5を収容した収容部8を充填材9により充填する充填工程が行われる。本実施形態では、充填工程は、例えば、型枠11に設けられた不図示の孔部から充填材9を収容部8へと注入することにより行われる。充填材9の固化後に、本実施形態の主桁2とプレキャスト床版3Aとの固定構造1Aが完成する。
【0043】
本実施形態によれば、上方に突出した突出部5を有する主桁2と、下面6に突出部5を収容する収容部8を有するプレキャスト床版3Aと、突出部5を収容した収容部8を充填する充填材9とを備えた主桁2とプレキャスト床版3Aとの固定構造1Aにおいて、収容部8は、プレキャスト床版3Aの下面6に対して開放され、プレキャスト床版3Aの上面7に対して閉鎖されているため、プレキャスト床版3Aの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路は存在しないため、プレキャスト床版3Aの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入経路も存在せず、主桁2とプレキャスト床版3Aとの固定構造1Aの耐久性を向上させることができる。
【0044】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図5に示すように、本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定構造1Bでは、プレキャスト床版3Bは、収容部8の上部の中央に収容部8から上面7へと連通する小孔部である開口部12を有している。このため、収容部8はプレキャスト床版3Bの下面6及び上面7に対して開放されている。
【0045】
また、本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10は、上面7から開口部12の下端までは上下方向に延在し、開口部12の下端から収容部8の周縁部の上端までは横方向に延在し、収容部8の周縁部の上端から下面6までは上下方向に延在する。つまり、本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10のプレキャスト床版3Bの上面7から下面6と延在する方向が変動している。そのため、プレキャスト床版3Bの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Aの下面6へと至る経路pの延在する方向も変動している。
【0046】
本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法の床版設置工程では、収容部8がプレキャスト床版3Bの下面6及び上面7に対して開放されているプレキャスト床版3Bが主桁2に設置される。また、床版設置工程では、収容部8と充填材9との境界面10のプレキャスト床版3Bの上面7から下面6へと延在する方向が変動しているプレキャスト床版3Bが主桁2に設置される。本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法の充填工程は、例えば、プレキャスト床版3Bの上面7から開口部12を介して充填材9を収容部8へと注入することにより行われる。また、上記第1実施形態と同様に、充填工程は、例えば、型枠11に設けられた不図示の孔部から充填材9を収容部8へと注入することにより行われてもよい。
【0047】
本実施形態では、上方に突出した突出部5を有する主桁2と、下面6に突出部5を収容する収容部8を有するプレキャスト床版3Bと、突出部5を収容した収容部8を充填する充填材9とを備えた主桁2とプレキャスト床版3Bとの固定構造1Bにおいて、プレキャスト床版3Bの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Bの下面6へと至る経路pの長さが、プレキャスト床版3Bの上面7と下面6との距離dよりも長いため、プレキャスト床版3Bの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入経路がプレキャスト床版3Bの厚さよりも長くなり、主桁2とプレキャスト床版3Bとの固定構造1Bの耐久性を向上させることができる。
【0048】
つまり、本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10のプレキャスト床版3Bの上面7から下面6へと延在する方向が変動しているため、境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動しない場合に比べて、プレキャスト床版3Bの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Bの下面6へと至る経路pの長さが長くなり、プレキャスト床版3Bの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入経路も長くなり、主桁2とプレキャスト床版3Bとの固定構造1Bの耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、収容部8はプレキャスト床版3Bの下面6及び上面7に対して開放されているため、プレキャスト床版3Bの上面7から充填材9を注入することが可能であり、プレキャスト床版3Bの下面6から充填材9を注入する場合でも収容部8から空気が抜けやすいため、充填材9の注入がし易い。
【0050】
なお、図6に示す本発明の第3実施形態に係る主桁とプレキャスト床版との固定構造1Cのように、プレキャスト床版3Cは、収容部8の上部の周縁部付近に収容部8から上面7へと連通する小孔部である開口部12を有していてもよい。本実施形態においても、上記第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
以下、本発明の第4実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、主桁とプレキャスト床版との固定構造1Dのプレキャスト床版3Dは、収容部8の上部の中央に収容部8から上面7へと連通する小孔部である開口部12を有している。また、本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10は、プレキャスト床版3Dの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12に近づくほど上面7との距離が短くなるように傾斜した傾斜面13を含む。
【0052】
本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法の床版設置工程では、上述したように、収容部8と充填材9との境界面10が、プレキャスト床版3Dの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12に近づくほど上面7との距離が短くなるように傾斜した傾斜面13を含むプレキャスト床版3Dが主桁2に設置される。本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法の充填工程は、上記第2実施形態と同様に行われる。なお、本実施形態の傾斜面13は、上記第3実施形態に適用されてもよい。
【0053】
本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10は、プレキャスト床版3Dの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12に近づくほど上面7との距離が短くなるように傾斜した傾斜面13を含むため、充填材9が注入される際に、開口部12から空気が抜けやすく、収容部8に空気が溜まり難い。
【0054】
以下、本発明の第5実施形態について説明する。図8に示すように、本実施形態では、主桁とプレキャスト床版との固定構造1Eのプレキャスト床版3Eは、収容部8の上部に収容部8から上面7へと連通する開口部12を有する。本実施形態では、従来の箱抜孔と同様に、上面7での開口部12の大きさは、下面6での開口部の大きさと同じである。しかし、収容部8と充填材9との境界面10は、凸部14及び凹部15を有する。このため、本実施形態では、収容部8と充填材9との境界面10のプレキャスト床版3Eの上面7から下面6と延在する方向が変動している。そのため、プレキャスト床版3Eの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Eの下面6へと至る経路pの延在する方向も変動している。なお、本実施形態の凸部14及び凹部15は、上記の第2実施形態~第4実施形態に適用されてもよい。
【0055】
本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、収容部8と充填材9との境界面10のプレキャスト床版3Eの上面7から下面6へと延在する方向が変動しているため、境界面のプレキャスト床版の上面から下面へと延在する方向が変動しない場合に比べて、プレキャスト床版3Eの上面7から収容部8と充填材9との境界面10に沿ってプレキャスト床版3Eの下面6へと至る経路pの長さが長くなり、プレキャスト床版3Eの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入経路も長くなり、主桁2とプレキャスト床版3Eとの固定構造1Eの耐久性を向上させることができる。
【0056】
以下、本発明の第6実施形態について説明する。図9に示すように、本実施形態では、上記第5実施形態と同様に、主桁とプレキャスト床版との固定構造1Fのプレキャスト床版3Fは、収容部8の上部に収容部8から上面7へと連通する開口部12を有する。本実施形態では、従来の箱抜孔と同様に、上面7での開口部12の大きさは、下面6での開口部の大きさと同じである。しかし、本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定構造1Fは、プレキャスト床版3Fの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12の開口面積Sよりも大きい面積Sを有し且つ開口部12を覆う蓋部材16をさらに備える。
【0057】
蓋部材16は、プレキャストコンクリートにより形成されている。プレキャスト床版3Fは、蓋部材16を固定するためのインサート17と切欠部18とを有する。蓋部材16は、切欠部18に対応した形状を有する。蓋部材16は、ザグリ孔部19を有する。切欠部18に載置された蓋部材16は、ザグリ孔部19を介してインサート17に挿入されるボルト20により固定されている。
【0058】
蓋部材16は、例えば、セメント系材料で形成されている。蓋部材16は、例えば、超高強度繊維補強コンクリート(UFC;Ultra high strength Fiber reinforcedConcrete)により形成されている。超高強度繊維補強コンクリートの性状の一例を以下説明する。この超高強度繊維補強コンクリートは、例えば、セメントと、骨材と、練混ぜ水と、コンクリート用化学混和剤と、補強用繊維とを含む混合物が硬化してなるものである。上記のセメントは、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、又は低熱ポルトランドセメントである。
【0059】
一例として、上述の骨材は、粒径2.5mm以下、絶乾密度2.5g/cm以上、吸水率3.0%以下、粘土塊量1.0%以下、微粒分量2.0%以下、NaCl含有量0.02%以下、の骨材である。この骨材は、JISA 1105に規定された細骨材の有機不純物試験方法による有機不純物の試験結果が「淡い」とされたものである。また、この骨材は、JIS A 1122に規定された硫酸ナトリウムでの骨材の安定性試験方法による安定性が10%以下であって、更にJISA 5308付属書1に規定されたアルカリシリカ反応性による区分が区分Aである骨材である。
【0060】
上述の練混ぜ水は、例えば、JSCE-B 101-2005に規定された回収水以外の練混ぜ水である。上述のコンクリート用化学混和剤は、JISA 6204に規定された高性能減水剤である。また、上述の補強用繊維は、直径0.1~0.25mm、長さ10~24mm、及び引張強度2×10N/mm以上の繊維である。上述の補強用繊維は、例えば、鋼繊維、高強度アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、又は炭素繊維であってもよい。
【0061】
超高強度繊維補強コンクリートは、例えば、マトリクスが、ポルトランドセメント、ポゾラン材、及びエトリンガイド生成系材料から成る結合材、粒径2.5mm以下の骨材、水、並びに減水剤によって構成されている。また、補強用繊維は、直径0.2mm、長さ15mm(製造誤差±2mm未満)、及び引張強度2×10N/mm以上の鋼繊維と、直径0.2mm、長さ22mm(製造誤差±2mm未満)、及び引張強度2×10N/mm以上の鋼繊維とを混合したものを1.75vol.%混入させたものであってもよい。また、超高強度繊維補強コンクリートの硬化後の特性値は、圧縮強度150N/mm以上、ひび割れ発生強度4N/mm以上、引張強度5N/mm以上、透水係数1×10-11cm/s未満、塩化物イオン拡散係数0.14cm/年未満、すり減り係数240mm/cm未満であることが好ましい。
【0062】
超高強度繊維補強コンクリートの標準示方配合は、フロー値250±20mm、結合材に対する練混ぜ水の比率が15%、空気量2.0%、練混ぜ水195kg/m、結合材1287kg/m、骨材905kg/m、高性能減水剤32.2kg/m、及び補強用繊維137.4kg/m(1.75vol.%)とすることができる。なお、ドライアウトの懸念がある場合には、蓋部材16はセメント系材料で形成されていなくともよい。
【0063】
以下、本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法について説明する。図10に示すように、上記第2実施形態と同様に、床版設置工程及び充填工程が行われる。本実施形態では、充填工程で充填する充填材9が固化する前に、床版設置工程で主桁2に設置されたプレキャスト床版3Fの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12の開口面積Sよりも大きい蓋部材16によって開口部12を覆うように、蓋部材16を設置する蓋部材設置工程がさらに行われる。
【0064】
上述したように、蓋部材設置工程で設置される蓋部材16は、プレキャストコンクリートにより形成されている。また、蓋部材設置工程で設置される蓋部材16は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されている。なお、蓋部材16に充填材9を充填するための小孔部が設けられている場合は、床版設置工程及び蓋部材設置工程が行われた後に充填工程が行われてもよい。また、本実施形態の蓋部材16は、上記の第2実施形態~第5実施形態に適用されてもよい。
【0065】
本実施形態では、プレキャスト床版3Fの上面7に対して開放されている収容部8の開口部12の開口面積Sよりも大きい面積S2を有し且つ開口部12を覆う蓋部材16をさらに備えるため、プレキャスト床版3Fの上面7から、プレキャスト床版3Fの上面7と蓋部材16との境界面10と、収容部8と充填材9との境界面10とに沿ってプレキャスト床版3Fの下面6へと至る経路pの長さが長くなり、プレキャスト床版3Fの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入経路も長くなり、主桁2とプレキャスト床版3Fとの固定構造1Fの耐久性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、蓋部材設置工程は充填工程で充填する充填材9が固化する前に行われるため、充填材9から空気中への水分逸散を低減させ、充填材9の乾燥収縮を低減させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、蓋部材16は、プレキャストコンクリートにより形成されているため、蓋部材16の品質が工事現場の天候に左右されない。また、蓋部材16の設置が容易である。
【0068】
また、本実施形態では、蓋部材16は、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されているため、蓋部材16の強度及び耐久性を向上させることができる。
【0069】
以下、本発明の第7実施形態について説明する。図11に示すように、本実施形態では、上記第6実施形態と同様に、主桁とプレキャスト床版との固定構造1Gは、蓋部材21を備える。しかし、プレキャスト床版3Gは、蓋部材21を固定するための切欠部18を有するが、インサート17を有しない。また、蓋部材21は、場所打ちコンクリートにより形成されている。蓋部材21は、例えば、超高強度繊維補強コンクリートにより形成されている。
【0070】
本実施形態の主桁とプレキャスト床版との固定方法では、上記第2実施形態と同様に、床版設置工程及び充填工程が行われた後に、充填工程で充填する充填材9が固化する前に、蓋部材設置工程が行われる。上述したように、蓋部材設置工程で設置される蓋部材21は、場所打ちコンクリートにより形成されている。なお、本実施形態の蓋部材21は、上記の第2実施形態~第5実施形態に適用されてもよい。
【0071】
本実施形態によれば、蓋部材21は、場所打ちコンクリートにより形成されているため、プレキャスト床版3Gの上面7と蓋部材21との境界面10に隙間が生じ難いため、プレキャスト床版3Gの上面7から下面6への雨水等による水分や塩分の侵入をより効果的に防止することができる。
【0072】
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して変形例を構成することも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…固定構造、2…主桁、3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G…プレキャスト床版、4…フランジ、5…突出部、6…下面、7…上面、8…収容部、9…充填材、10…境界面、11…型枠、12…開口部、13…傾斜面、14…凸部、15…凹部、16…蓋部材、17…インサート、18…切欠部、19…ザグリ孔部、20…ボルト、21…蓋部材、p…経路、d…距離、S…開口面積、S…面積。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11