(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器、及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20221202BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221202BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221202BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221202BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20221202BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221202BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20221202BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20221202BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 E
H05B33/04
H05B33/10
G02B5/20 101
G09F9/302 C
G09F9/30 365
G09F9/30 349B
G09F9/30 349Z
(21)【出願番号】P 2018563217
(86)(22)【出願日】2017-12-12
(86)【国際出願番号】 JP2017044550
(87)【国際公開番号】W WO2018135189
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2017008438
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松崎 康二
(72)【発明者】
【氏名】元山 陽介
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/035678(WO,A1)
【文献】特開2004-363049(JP,A)
【文献】特開2014-120433(JP,A)
【文献】特開2007-300087(JP,A)
【文献】特開2016-027426(JP,A)
【文献】特開2014-038782(JP,A)
【文献】特開2016-022416(JP,A)
【文献】特開2006-058604(JP,A)
【文献】国際公開第2006/009009(WO,A1)
【文献】特開2013-064998(JP,A)
【文献】特開2014-089408(JP,A)
【文献】国際公開第2016/125792(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/02
H01L 27/32
H01L 51/50 - 51/56
H05B 33/12
H05B 33/04
H05B 33/10
G02B 5/20
G09F 9/302
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、
第2の基板上に設けられた複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、前記カラーフィルタ層上に設けられた平坦化膜、及び、前記平坦化膜上に複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層を有する前記第2の基板であって、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される前記第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、
を備え、
前記マイクロレンズは、前記発光素子に向かって突出する凸形状であり、
且つ、500nm以上、2000nm以下の厚みを有し、
前記接着層の材料の屈折率は、前記マイクロレンズ層の材料の屈折率よりも小さい、
表示装置。
【請求項2】
前記表示装置は、パネルのサイズが
5.08mm(0.2インチ)~
50.8mm(2インチ)である、マイクロディスプレイである、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置における画素サイズは、20μm以下である、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カラーフィルタの配列は、正方配列である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタの配列は、デルタ配列である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
積層方向から見た場合における前記マイクロレンズの形状は、真円である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
積層方向から見た場合における前記マイクロレンズの形状は、方形である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
画像信号に基づいて表示を行う表示装置、
を備え、
前記表示装置は、
複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、
第2の基板上に設けられた複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、前記カラーフィルタ層上に設けられた平坦化膜、及び、前記平坦化膜上に複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層を有する前記第2の基板であって、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される前記第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、
を有し、
前記マイクロレンズは、前記発光素子に向かって突出する凸形状であり、
且つ、500nm以上、2000nm以下の厚みを有し、
前記接着層の材料の屈折率は、前記マイクロレンズ層の材料の屈折率よりも小さい、
電子機器。
【請求項9】
シリコン基板である第1の基板上に複数の発光素子を形成することと、
第2の基板上に、複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層を形成することと、
前記カラーフィルタ層上に、平坦化膜を形成することと、
前記平坦化膜上に、複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層を形成することと、
前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせて、前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填された接着層により、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着することと、
を含み、
前記マイクロレンズは、前記発光素子に向かって突出する凸形状であり、
且つ、500nm以上、2000nm以下の厚みを有し、
前記接着層の材料の屈折率は、前記マイクロレンズ層の材料の屈折率よりも小さい、
表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、電子機器、及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置においては、光取り出し効率を向上させるために、各画素に対して、その光出射方向にマイクロレンズ(ML)が設けられた構造が提案されている。例えば、特許文献1、2には、複数の発光素子が形成された第1の基板に対して、表面上に複数のMLが形成された第2の基板を、当該複数のMLが当該複数の発光素子と対向するように貼り合わせることにより作製される、各画素に対してMLが設けられた有機EL(Organic Electroluminescence)表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-120433号公報
【文献】特開2015-69700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)やデジタルカメラの電子ビューファインダ(EVF:Electronic View Finder)等の電子機器に搭載される、超小型の表示装置(マイクロディスプレイともいう)についての開発が盛んに行われている。このような超小型の表示装置では、所望の輝度を得るために、より大型の表示装置に比べて、その光取り出し効率をより向上させることが求められている。従って、上述したような各画素に対してMLを設ける構成は、このような超小型の表示装置において、特に効果を発揮するものであると考えられる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の技術は、例えばスマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)等の電子機器に搭載される、中型の表示装置を対象とするものであると考えられ、必ずしも超小型の表示装置を対象としたものではない。従って、上記特許文献1、2に記載の技術を、そのまま超小型の表示装置に対して適用したとしても、光取り出し効率を効果的に向上させることができない可能性がある。
【0006】
そこで、本開示では、光取り出し効率をより向上させることが可能な、新規かつ改良された表示装置、電子機器、及び表示装置の製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、及び複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層が、表面上にこの順に積層され、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、を備える、表示装置が提供される。
【0008】
本開示によれば、画像信号に基づいて表示を行う表示装置、を備え、前記表示装置は、複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、及び複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層が、表面上にこの順に積層され、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、を有する、電子機器が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、シリコン基板である第1の基板上に複数の発光素子を形成することと、第2の基板上に、複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層と、複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層と、をこの順に積層することと、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせることと、を含む、表示装置の製造方法が提供される。
【0010】
本開示によれば、対向CF型の表示装置が提供される。微細化に対応するために、第1の基板としてはシリコン基板が用いられる。また、当該表示装置においては、発光素子側の第1の基板とCF側の第2の基板を貼り合わせる前に、当該第2の基板上にMLを形成しておく。これにより、発光素子への熱等の影響を考慮する必要がなく、MLを形成する工程に対して既存の技術をそのまま流用することができる。このように、本開示によれば、微細化に対応し得る表示装置において、大幅な開発コストの増加を招くことなくMLを形成することができ、その光取り出し効率を向上させることが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、光取り出し効率をより向上させることが可能になる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一般的なOCCF型の有機ELマイクロディスプレイの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る表示装置における、貼り合わされる工程の直前の第1の基板に係る構成を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る表示装置における、貼り合わされる工程の直前の第2の基板に係る構成を示す図である。
【
図5】CFの配列方法の一例として、デルタ配列でのCFの配列を示す上面図である。
【
図6】CFの配列方法の他の例として、正方配列でのCFの配列を示す上面図である。
【
図7】本実施形態に係る表示装置における、MLの効果について説明するための図である。
【
図8】第2の基板上へのML層の形成方法について説明するための図である。
【
図9】第2の基板上へのML層の形成方法について説明するための図である。
【
図10】第2の基板上へのML層の形成方法について説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る有機ELマイクロディスプレイについて、出射光のCIE XYZ表色系におけるX、Y、Zの値を測定した結果を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る有機ELマイクロディスプレイについて、出射光の輝度を測定した結果を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る表示装置が適用され得る電子機器の一例である、デジタルカメラの外観を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る表示装置が適用され得る電子機器の一例である、デジタルカメラの外観を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る表示装置が適用され得る電子機器の他の例である、HMDの外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、本明細書において、ある層と他の層が積層される、と記載した場合には、当該表現は、これらの層が直接接触した状態で積層された状態も意味し得るし、これらの層の間に更に他の層が介在した状態でこれらの層が積層された状態も意味し得る。
【0015】
なお、本開示にかかる技術は、表示装置の中でも、中型よりも小さいサイズの表示装置(いわゆる小型の表示装置、及び超小型の表示装置)に対して、好適に適用され得るものである。従って、以下では、超小型の表示装置を例に挙げて、本開示の実施形態について説明する。
【0016】
ここで、本明細書において、超小型の表示装置とは、例えば、パネルサイズが約0.2インチ~約2インチ程度の表示装置のことをいう。超小型の表示装置の画素サイズは、例えば、約20μm以下であり得る。上述したように、超小型の表示装置は、例えばHMDやEVF等に好適に搭載され得る。また、小型の表示装置とは、例えば、パネルサイズが約2インチ~約7インチ程度の表示装置のことをいう。小型の表示装置の画素サイズは、例えば、約30μm~70μm程度であり得る。また、本明細書において、中型の表示装置とは、例えば、パネルサイズが約7インチ~約15インチ程度の表示装置のことをいう。中型の表示装置の画素サイズは、例えば、約50μm~約100μm程度であり得る。小型、中型の表示装置は、例えばスマートフォンやタブレットPC等に好適に搭載され得る。
【0017】
また、以下では、有機EL表示装置を例に挙げて説明を行う。なお、超小型の有機EL表示装置は、有機ELマイクロディスプレイ、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)マイクロディスプレイ(MOLED)等とも呼ばれる。ただし、本開示はかかる例に限定されず、本開示に係る技術は、各画素に対してCFが配置され得る構成を有する表示装置であれば、他の種類の表示装置に適用されてもよい。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示に想到した背景
2.表示装置の構成
3.ML層の形成方法
4.効果の確認
4-1.ML厚と光取り出し効率との関係
4-2.ML間ギャップと光取り出し効率との関係
5.適用例
6.補足
【0019】
(1.本開示に想到した背景)
本開示の好適な一実施形態について説明するに先立ち、本発明者らが本開示に想到した背景について説明する。
【0020】
上述したように、近年、例えばHMDやEVF等に搭載される、超小型の表示装置についての開発が盛んに行われている。中でも、有機EL表示装置は、液晶表示装置と比較して、高コントラスト、高速応答が実現され得るため、このような電子機器に搭載される超小型の表示装置としては、有機EL表示装置(有機ELマイクロディスプレイ)が注目を集めている。
【0021】
有機ELマイクロディスプレイにおいては、より一層の高精細化を求めて、画素サイズの微細化が進んでおり、所望の輝度を達成するために、その光取り出し効率の向上が強く求められている。ここで、例えば特許文献1、2には、有機EL表示装置において、発光素子の直上にMLを設ける構成が記載されている。特許文献1、2に記載の技術は、中型の表示装置に関するものであると考えられるが、かかる技術を有機ELマイクロディスプレイに適用することにより、その光取り出し効率を向上させることができる可能性がある。また、MLを設けることにより、隣接画素への光の漏れ込みも抑制され得る、すなわち混色の発生も抑制され得る。
【0022】
一方、有機ELマイクロディスプレイにおいては、発光素子によって例えばRGBの各色を発光する方式(いわゆるRGB塗り分け方式)と、発光素子は白色光を発し、カラーフィルタ(CF)を用いて例えばRGBの各色の発光を実現する方式のものと、が存在する。更に、後者のCFを有する有機ELマイクロディスプレイとしては、発光素子、及び当該発光素子の駆動回路等が形成される基板上に、CFが続けて形成される、OCCF(On Chip Color Filter)方式で作製されるものが主流である。
【0023】
図1を参照して、一般的な、OCCF方式で作製される有機ELマイクロディスプレイ(以下、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイともいう)の構成について説明する。
図1は、一般的なOCCF型の有機ELマイクロディスプレイの構成を示す図である。
図1では、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイの積層方向(上下方向)と平行な断面の様子を、概略的に示している。また、
図1に示す表示装置は、トップエミッション型の有機ELマイクロディスプレイである。
【0024】
図1に示すように、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイである表示装置2は、OLEDからなる白色光を発する複数の発光素子(有機EL素子)が形成された第1の基板201に対して、第2の基板203が貼り合わされて構成される。
【0025】
第1の基板201は、例えばガラスや樹脂等によって形成される。第1の基板201上には、発光素子を駆動するための駆動回路からなる駆動回路層205が形成される。
【0026】
そして、当該駆動回路の上に、絶縁層207を介して、複数の発光素子が配列されて構成される発光素子層210が形成される。具体的には、絶縁層207の上に、アノードとして機能する第1の電極209、有機発光材料からなる有機層211、及びカソードとして機能する第2の電極213が、この順に積層される。簡単のため、図示を省略しているが、第1の電極209は、各画素に対応するように、互いに隔絶されてパターニングされている。この隔絶された各パターンに対応する部位における第1の電極209、有機層211、及び第2の電極213の積層構造が、1つの発光素子(すなわち、1つの画素)に対応し得る。第1の電極209の各パターンに対しては、絶縁層207に設けられるビア(図示せず)を介して、駆動回路が適宜接続されており、駆動回路が第1の電極209に適宜電圧を印加することにより、各発光素子が駆動され得る。
【0027】
なお、上述したように、1つの発光素子によって1つの画素が形成され得るが、実際には、表示装置2では、1つの発光素子によっていずれかの色に対応する1つの副画素が形成され、各色にそれぞれ対応する複数の当該副画素によって1つの画素が形成され得る。ただし、本明細書では、説明のため、便宜的に、1つの発光素子からなる発光ユニットのことを、単に画素と呼称することとする。
【0028】
第2の電極213の上には、樹脂等からなる保護膜215が積層される。そして、保護膜215の上に、CF層217が形成される。CF層217には、各発光素子に対応して、RGBの各色のCF(赤色のCF217R、緑色のCF217G、及び青色のCF217B)のいずれかが形成される。
【0029】
CF層217の上に、樹脂等からなる封止樹脂膜219を介して、第2の基板203が貼り合わされることにより、表示装置2が作製される。
【0030】
以上説明したようなOCCF型の有機ELマイクロディスプレイである表示装置2に対してMLを搭載しようとする場合には、第1の基板201上において、CF層217を形成する前、又はCF層217を形成した後に、MLを形成する工程が追加されることとなる。
【0031】
ここで、イメージセンサにおいては、ホトダイオード(PD)への集光効率を向上させるために、当該PDの直上にMLを形成することが広く行われている。具体的には、イメージセンサにおいて基板上にMLを形成する方法としては、フォトリソグラフィ技術によってパターニングしたレンズ材を、リフロー工程によって球面形状に加工する方法が一般的である。表示装置2においてMLを形成する工程に、このようなイメージセンサにおいてMLを形成する方法を流用することができれば、新たにプロセスを開発する必要がないため、開発コストの低減の観点から有用である。
【0032】
しかしながら、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイである表示装置2において、上述したイメージセンサで用いられている方法によってMLを形成しようとする場合には、以下の問題が生じ得る。
【0033】
まず、1つ目の問題は、リフロー工程によって、発光素子の特性が劣化する恐れがあることである。例えば、発光素子である有機EL素子は、高温にさらされると正常な動作が行われなくなる恐れがあり、一般的には、有機EL素子を形成した後に行われる工程では、その温度を約100℃未満に抑えることが求められる。しかしながら、一般的にイメージセンサにおいて用いられているプロセスでは、ML形成時におけるリフローの温度は、100℃~250℃程度である。従って、かかる高温でのリフローを行ってMLを形成すると、有機EL素子の特性が劣化してしまう可能性がある。
【0034】
次に、2つ目の問題は、MLの形状を凹レンズ形状にすることが困難であることである。なお、本明細書では、MLの形状について、発光素子の方に向かって突出しているレンズ形状のことを凹レンズ形状といい、発光素子とは逆側に(すなわち、光の出射方向側に)向かって突出しているレンズ形状のことを凸レンズ形状ということとする。
【0035】
一般的に、保護膜215としては、シリコン窒化物(SiN)が用いられることが多く、その屈折率は2.0程度である。一方、MLの材料であるレンズ材の屈折率は、例えば一般的にイメージセンサのMLに使用されているものを想定すると、2.0~3.0程度であり得る。このように、一般的な材料を想定すると、保護膜215の屈折率はMLの屈折率よりも小さくなるため、発光素子からの出射光を効率的に集光するためには、MLの形状を凹レンズ形状にすることが好ましい。
【0036】
しかしながら、基板上において上述したイメージセンサでの方法を用いてMLを形成した場合には、当該MLの形状は、当該基板側とは逆側に突出したレンズ形状になる。つまり、表示装置2において、イメージセンサで用いられている既存の方法をそのまま利用して、第1の基板201上でMLを形成した場合には、当該MLの形状は凸レンズ形状になる。従って、発光素子からの出射光を効率的に集光することができなくなってしまう。保護膜215及びMLの材料の屈折率の大小関係を逆転させることができれば、MLの形状が凸レンズ形状であっても効率的に集光が可能となるが、このような保護膜215及びMLの材料を新規に開発することは、開発コストの増加を招き、好ましくない。
【0037】
このように、リフロー時の高温から有機EL素子を保護する観点、及びMLのレンズ形状の観点から、表示装置2に対してMLを搭載する場合に、イメージセンサで用いられている既存の方法をそのまま利用することは困難である。このように、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイに対してMLを形成しようとする場合には、MLを形成するためのプロセスを新規に開発したり、MLの材料を新規に開発したりする必要が生じ、開発コストの増加を招く恐れがある。なお、CF層217についても、同様に、イメージセンサで用いられている既存の方法をそのまま利用してCF層217を形成しようとすると、有機EL素子が高温にさらされることとなるため、OCCF型の有機ELマイクロディスプレイでは、CF層217の形成についても、プロセスを新規に開発する必要が生じ得る。
【0038】
以上説明したように、これまで、有機ELマイクロディスプレイに対してMLを搭載する方法については、十分に検討されているとは言い難い状況であった。本発明者らは、かかる事情に鑑みて、有機ELマイクロディスプレイに対してMLを搭載する方法について鋭意検討を行った結果、本開示に想到した。本開示によれば、有機ELマイクロディスプレイにおいて、MLをより好適に形成することが可能になる。これにより、光取り出し効率がより高い有機ELマイクロディスプレイを実現することが可能になる。以下、本発明者らが想到した本開示の好適な一実施形態について説明する。
【0039】
(2.表示装置の構成)
図2を参照して、本開示の一実施形態に係る表示装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
図2では、本実施形態に係る表示装置の積層方向(上下方向)と平行な断面の様子を、概略的に示している。また、
図2に示す表示装置は、トップエミッション型の表示装置である。
【0040】
図2を参照すると、本実施形態に係る表示装置1は、第1の基板101と、第1の基板101上に形成され、OLEDからなる白色光を発する複数の発光素子が形成される発光素子層110と、発光素子層110の上層に設けられ、複数のML121aが配列されて構成されるML層121と、ML層121の上層に設けられ、複数のCF117R、117B、117Gが配列されて構成されるCF層117と、CF層117の上層に設けられ、複数の発光素子からの光に対して透明な材料で形成される第2の基板103と、から主に構成される。
【0041】
ここで、本実施形態では、発光素子層110が形成された第1の基板101に対して、表面上にCF層117及びML層121がこの順に積層された第2の基板103が貼り合わされることにより、表示装置1が作製される。つまり、表示装置1は、対向CF方式によって作製される有機ELマイクロディスプレイ(以下、対向CF型の有機ELマイクロディスプレイともいう)である。例えば、表示装置1のパネルサイズは、約0.2インチ~約2インチ程度であり得る。また、例えば、表示装置1の画素サイズは、約20μm以下であり得る。
【0042】
ここで、
図3は、本実施形態に係る表示装置1における、貼り合わされる工程の直前の第1の基板101に係る構成を示す図であり、
図4は、本実施形態に係る表示装置1における、貼り合わされる工程の直前の第2の基板103に係る構成を示す図である。以下、
図3及び
図4を参照しながら、第1の基板101に係る構成、及び第2の基板103に係る構成について、順に説明する。
【0043】
(第1の基板に係る構成)
第1の基板101は、シリコンによって形成される。第1の基板101上には、発光素子層110の発光素子を駆動するための駆動回路からなる駆動回路層105が形成される。当該駆動回路は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等を含む。
【0044】
ここで、一般的に、中型以上のサイズの有機EL表示装置では、発光素子が形成される第1の基板としては、ガラス基板や、樹脂製の基板等が用いられることが多い。一方、上述したように、有機ELマイクロディスプレイでは、より一層の高精細化を求めて、画素サイズの微細化が進んでおり、これに伴い、駆動回路を構成するTFTのサイズや、配線層の配線ピッチ等も微細化しつつある。ガラス基板や樹脂製の基板を用いた場合には、このような高精細な有機ELマイクロディスプレイに要求される、微細な加工は困難である。
【0045】
これに対して、本実施形態によれば、第1の基板101としてシリコン基板(シリコンウエハ)を用いることにより、既存の半導体プロセス技術を用いて、TFTや配線をより微細に加工することが可能となる。例えば、数μmオーダーのTFTを形成することが可能である。このように、表示装置1では、第1の基板101としてシリコン基板を用いることにより、高精細な有機ELマイクロディスプレイが実現され得る。
【0046】
駆動回路層105の上には、絶縁層107を介して発光素子層110が形成される。なお、絶縁層107は、一般的な有機ELディスプレイにおいて層間絶縁層として用いられ得る各種の公知の材料によって形成されてよい。例えば、絶縁層107は、シリコン酸化物(SiO2等)、SiN、又は絶縁性樹脂等を、単独で、あるいは適宜組み合わせて形成することができる。また、絶縁層107の形成方法も特に限定されず、絶縁層107の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、又は各種印刷法等の公知の方法を用いることができる。
【0047】
発光素子層110は、絶縁層107の上に、第1の電極109、発光層として機能する有機層111、及び第2の電極113が、この順に積層されて構成される。簡単のため、図示を省略しているが、第1の電極109は、各画素に対応するように、互いに隔絶されてパターニングされている。この隔絶された各パターンに対応する部位における第1の電極109、有機層111、及び第2の電極113の積層構造が、1つの発光素子(すなわち、1つの画素)に対応し得る。第1の電極109の各パターンに対しては、絶縁層107に設けられるビア(図示せず)を介して、駆動回路が適宜接続されており、駆動回路が第1の電極109に適宜電圧を印加することにより、各発光素子が駆動され得る。
【0048】
有機層111は、有機発光材料からなり、白色光を発光可能に構成される。有機層111の具体的な構成は限定されず、各種の公知な構成であってよい。例えば、有機層111は、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造、正孔輸送層と電子輸送層を兼ねた発光層との積層構造、又は正孔注入層と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層との積層構造等から構成することができる。また、これらの積層構造等を「タンデムユニット」とする場合、有機層111は、第1のタンデムユニット、接続層、及び第2のタンデムユニットが積層された2段のタンデム構造を有してもよい。あるいは、有機層111は、3つ以上のタンデムユニットが積層された3段以上のタンデム構造を有してもよい。有機層111が複数のタンデムユニットからなる場合には、発光層の発光色を赤色、緑色、青色と各タンデムユニットで変えることで、全体として白色を発光する有機層111を得ることができる。
【0049】
例えば、有機層111は、有機材料を真空蒸着することによって形成される。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、有機層111は各種の公知の方法によって形成されてよい。例えば、有機層111の形成方法としては、真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法)、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法、転写用基板上に形成されたレーザ吸収層と有機層の積層構造に対してレーザを照射することでレーザ吸収層上の有機層を分離して当該有機層を転写するレーザ転写法、又は各種の塗布法等を用いることができる。
【0050】
第1の電極109は、アノードとして機能する。表示装置1はトップエミッション型であるから、第1の電極109は、有機層111からの光を反射し得る材料によって形成される。例えば、第1の電極109はアルミニウムとネオジムとの合金(Al-Nd合金)によって形成される。また、第1の電極109の膜厚は、例えば0.1μm~1μm程度である。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、第1の電極109は、一般的な有機EL表示装置においてアノードとして機能する光反射側の電極の材料として用いられている各種の公知の材料によって形成することができる。また、第1の電極109の膜厚も上記の例に限定されず、第1の電極109は、一般的に有機EL表示装置において採用されている膜厚の範囲で適宜形成され得る。
【0051】
例えば、第1の電極109は、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、若しくはタンタル(Ta)といった仕事関数の高い金属、又は合金(例えば、銀を主成分とし、0.3質量%~1質量%のパラジウム(Pd)と、0.3質量%~1質量%の銅とを含むAg-Pd-Cu合金、又はAl-Nd合金等)によって形成され得る。あるいは、第1の電極109としては、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金等の仕事関数の値が小さく、かつ光反射率の高い導電材料を用いることができる。この場合には、第1の電極109上に適切な正孔注入層を設けるなどして正孔注入性を向上させることが好ましい。あるいは、第1の電極109は、誘電体多層膜やアルミニウムといった光反射性の高い反射膜上に、インジウムとスズの酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の酸化物(IZO)等の正孔注入特性に優れた透明導電材料を積層した構造とすることもできる。
【0052】
第2の電極113は、カソードとして機能する。表示装置1はトップエミッション型であるから、第2の電極113は、有機層111からの光を透過し得る材料によって形成される。例えば、第2の電極113はマグネシウムと銀との合金(Mg-Ag合金)によって形成される。また、第2の電極113の膜厚は、例えば10nm程度である。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、第2の電極113は、一般的な有機EL表示装置においてカソードとして機能する光透過側の電極の材料として用いられている各種の公知の材料によって形成することができる。また、第2の電極113の膜厚も上記の例に限定されず、第2の電極113は、一般的に有機EL表示装置において採用されている膜厚の範囲で適宜形成され得る。
【0053】
例えば、第2の電極113は、アルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、アルカリ金属と銀との合金、アルカリ土類金属と銀との合金(例えば、マグネシウムと銀との合金(Mg-Ag合金))、マグネシウムとカルシウムとの合金(Mg-Ca合金)、アルミニウムとリチウムとの合金(Al-Li合金)等によって形成され得る。これらの材料を単層で用いる場合には、第2の電極113の膜厚は、例えば4nm~50nm程度である。あるいは、第2の電極113は、有機層111側から、上述した材料層と、例えばITOやIZOからなる透明電極(例えば、厚さ30nm~1μm程度)とが積層された構造とすることもできる。このような積層構造とした場合には、上述した材料層の厚さを例えば1nm~4nm程度と薄くすることもできる。あるいは、第2の電極113は、透明電極のみで構成されてもよい。あるいは、第2の電極113に対して、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、銅、銅合金、金、金合金等の低抵抗材料から成るバス電極(補助電極)を設け、第2の電極113全体として低抵抗化を図ってもよい。
【0054】
例えば、第1の電極109及び第2の電極113は、真空蒸着法によって所定の厚さだけ材料を成膜した後に、当該膜をエッチング法によってパターニングすることにより形成される。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、第1の電極109及び第2の電極113は、各種の公知の方法によって形成されてよい。第1の電極109及び第2の電極113の形成方法としては、例えば、電子ビーム蒸着法、熱フィラメント蒸着法、真空蒸着法を含む蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD法)、イオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、各種の印刷法(例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、若しくはメタルマスク印刷法等)、メッキ法(電気メッキ法、若しくは無電解メッキ法等)、リフトオフ法、レーザアブレーション法、又はゾルゲル法等を挙げることができる。
【0055】
(第2の基板に係る構成)
第2の基板103は石英ガラスから構成される。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、第2の基板103としては、各種の公知の材料が用いられてよい。例えば、第2の基板103は、各種のガラス基板、又は有機ポリマー基板等によって形成され得る。ただし、表示装置1はトップエミッション型であるから、第2の基板103は、発光素子からの出射光を好適に透過し得る、光透過率の高い材料によって形成され得る。
【0056】
第2の基板103上に、CF層117が形成される。CF層117の膜厚は、例えば約0.5μm~約2.0μm程度である。CF層117では、第1の基板101と第2の基板103が貼り合わされた後に各発光素子に対応する部位に、RGBの各色のCF(赤色のCF117R、緑色のCF117G、及び青色のCF117B)のいずれかが形成される。つまり、第1の基板101と第2の基板103が貼り合わされた後には、1つの発光素子に対して、CF117R、CF117G及びCF117Bのいずれか1つが配置される。なお、以下の説明では、CF117R、CF117G及びCF117Bを特に区別する必要がない場合には、これらのうちの1つ又は複数を指して、単にCF117aとも記載することとする。
【0057】
CF層117の形成には、イメージセンサにおいてCFを形成する際に用いられている各種の公知の材料及びプロセスを流用することができる。例えば、CF層117は、レジスト材をフォトリソグラフィ技術で所定の形状に露光、現像することにより、形成され得る。
【0058】
なお、CF117aの配列方法は限定されない。例えば、当該配列方法は、ストライプ配列、デルタ配列、又は正方配列等、各種の公知の配列方法であってよい。
図5は、CF117aの配列方法の一例として、デルタ配列でのCF117aの配列を示す上面図である。
図6は、CF117aの配列方法の他の例として、正方配列でのCF117aの配列を示す上面図である。正方配列においては、1つの副画素に対応する赤色のCF117R、1つの副画素に対応する緑色のCF117G、及び2つの副画素に対応する青色のCF117Bによって、1つの画素が構成され得る。
【0059】
CF層117の上に、平坦化膜119が積層される。平坦化膜119は、樹脂系の材料(例えば、ノボラックとアクリル樹脂との混合物、アクリル樹脂、又はスチレン樹脂等)によって形成される。
【0060】
そして、平坦化膜119の上に、ML層121が形成される。ML層121では、CF層117の各CF117aに対応する部位に、ML121aがそれぞれ位置するように、当該ML121aが形成される。つまり、1つのCF117aに対して、1つのML121aが配置される。
【0061】
例えば、本実施形態では、各ML121aは、上方から見た場合に、対応するCF117aに略内接するような形状に形成され得る。この場合、隣り合うML121a同士は、互いに接するように形成されることとなる。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、ML121aは、上方から見た際に、CF117aに完全に内接していなくてもよく、やや小さく形成されてもよい。この場合、隣り合うML121a間にはギャップが存在することとなるが、本発明者らによる検討の結果、かかるギャップが存在しても、当該ギャップが所定の範囲内であれば、ML121aは出射光の集光機能を充分に果たすことが判明している(詳細は下記(4.効果の確認)で説明する)。従って、本実施形態では、上記のように、ML121a間にギャップが存在するように各ML121aが形成されても、そのギャップが適宜調整されることにより、光取り出し効率の向上の効果を得ることが可能である。
【0062】
なお、CF117aの配列方法に応じて、上方から見た場合における各CF117aの形状は異なるため、ML121aの形状も異なることとなる。例えば、デルタ配列の場合には、CF117aの形状は、各色とも、略正六角形である。従って、この場合には、当該CF117aの形状に対応して、ML121aの形状は、略真円であり得る。一方、例えば、ストライプ配列の場合には、CF117aの形状は、各色とも、略長方形である。従って、この場合には、当該CF117aの形状に対応して、ML121aの形状は、略楕円であり得る。また、ML121aの形状は、円形に限定されず、略方形や、方形に近い形状(各頂点が丸みを帯びた方形)であってもよい。高い集光効率が得られる最適なML121aの形状は、CF117aの形状、すなわち画素の形状によって異なると考えられるため、当該ML121aの形状は、CF117aの形状に応じて適宜決定されてよい。
【0063】
ML層121の形成(すなわち、ML121aの形成)には、例えば、イメージセンサにおいてMLを形成する際に用いられている、各種の公知の材料及びプロセスを流用することができる。例えば、ML層121の材料としては、イメージセンサで使用されているメルトフロー型マイクロレンズレジスト材が用いられ、フォトリソグラフィによるパターニング、及びリフロー工程を経て、ML層121が形成され得る。従って、第2の基板103上において、ML121aは、当該第2の基板103とは逆側に向かって突出する凸形状を有する。なお、平坦化膜119及びML層121の形成方法の詳細については、後述する。
【0064】
図3に示すように、第1の基板101上に発光素子層110までの各層が形成され、第2の基板103上にML層121までの各層が形成された状態で、ML層121が発光素子層110に対向するように、充填剤からなる接着層115を介して、第1の基板101と第2の基板103とが貼り合わされる。これにより、表示装置1が作製される。この際、上述したように、第2の基板103上において、各ML121aは、当該第2の基板103とは逆側に向かって突出する凸形状を有するように形成されているため、第1の基板101と第2の基板103とが貼り合わされた後には、各ML121aは、対応する各発光素子に向かって突出するレンズ形状(すなわち、凹レンズ形状)となる。
【0065】
なお、接着層115の充填剤としては、その屈折率が、ML層121の屈折率よりも低いものが用いられる。例えば、ML層121の材料として、上述したメルトフロー型マイクロレンズレジスト材が用いられる場合であれば、当該レジスト材の屈折率は約3.0程度であるため、当該充填剤としては、例えば屈折率が1.5程度である、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂等の樹脂系材料が用いられる。
【0066】
以上、本実施形態に係る表示装置1の構成について説明した。以上説明したように、表示装置1は、対向CF型の有機ELマイクロディスプレイであり、そのCF層117が形成される第2の基板103にML層121を形成する。従って、比較的高温のリフロー工程を経てML層121を形成しても、発光素子層110の発光素子に影響を与えることはない。よって、例えばイメージセンサにおいて用いられている材料、方法等、既存の材料、方法を用いてML層121を形成することが可能となるため、開発コストを大幅に低減することが可能になる。また、CF層117についても、例えばイメージセンサにおいて用いられている材料、方法等を流用して形成することができるため、開発コストは更に低減され得る。このように、本実施形態によれば、開発コストを抑えつつ、ML層121によって光取り出し効率が向上された、表示装置1を実現することができる。また、ML層121が設けられることにより、隣接画素への光の漏れ込みが抑制されるため、混色の発生も抑制され得る。
【0067】
なお、表示装置1のような対向CF型の有機ELマイクロディスプレイにおいて光取り出し効率を向上させるための方法として、CF層を薄膜化することが考えられる。しかしながら、単純にCF層を薄膜化すると、色度が低下し、色再現性が悪化してしまう。かかる事情に対して、本実施形態では、CF層117を例えば約2.0μm以下に薄膜化するとともに、ML層121を形成する。これにより、各発光素子からの出射光が各ML121aによって集光され、自身に対応するCF117aを通過することとなるため、色再現性を損なうことなく、光取り出し効率を向上させることが可能になる。
【0068】
また、第2の基板103上にML層121を作成する際に、例えばリフロー等の既存の方法を用いて当該ML層121を作成すれば、ML121aは、第2の基板103とは逆側に向かって突出する形状になる。かかるML層121が作成された第2の基板103を、そのML層121が発光素子層110と対向するように、第1の基板101と貼り合わせると、結果的に、ML121aは、凹レンズ形状になる。このように、表示装置1では、既存の方法を用いて、凹レンズ形状のML121aを容易に形成することが可能になる。
【0069】
このとき、本実施形態では、発光素子とML121aとの間の層である接着層115の屈折率が、ML121aの屈折率よりも低くなるように、接着層115を構成する充填剤、及びML層121の材料を選定している。従って、凹レンズ形状のML121aが形成されることにより、
図7に示すように、発光素子からの光を当該ML121aによって効率的に集光することが可能になる。つまり、光取り出し効率を向上させることが可能になる。
図7は、本実施形態に係る表示装置1における、ML121aの効果について説明するための図である。
図7では、
図2に示す表示装置1の一部を抜き出して図示するとともに、発光素子からの出射光がML121aによって集光されて、自身に対応するCF117R、117G、117B、及び第2の基板103を通過して、外部に向かって取り出される様子を模擬的に矢印で示している。
【0070】
なお、一般的に、対向CF型の有機EL表示装置では、発光素子が形成された基板とCFが形成された基板とを貼り合わせる際に、当該発光素子と当該CFとの位置合わせの精度が問題になり得る。当該位置合わせを高精度に行うためには、同一の基板上で発光素子とCFの形成が行われるOCCF方式の方が好ましいと言える。ただし、超小型の有機EL表示装置であれば、対向CF方式であっても、パネルのサイズが小さいことにより、例えば中型以上の有機EL表示装置に比べて、発光素子とCFとの位置合わせを高精度に行うことが可能である。このように、表示装置1は、超小型の有機EL表示装置であるため、対向CF方式で作製しても、発光素子とCF117aとの位置合わせの精度を保つことができる。換言すれば、以上説明した対向CF方式の有機EL表示装置の構成は、表示装置1のような超小型の有機EL表示装置に対して、好適に適用され得る。
【0071】
(3.ML層の形成方法)
図8~
図10を参照して、以上説明した第2の基板103上へのML層121の形成方法について、より詳細に説明する。
図8~
図10は、第2の基板103上へのML層121の形成方法について説明するための図である。
図8~
図10では、第2の基板103に係る構成の積層方向(上下方向)と平行な断面を、当該構成の作製方法における工程順に概略的に図示したものであり、当該作製方法におけるプロセスフローを表すものである。
【0072】
上述したように、第2の基板103上にCF層117が形成されると、その上に、平坦化膜119が積層される(
図8)。平坦化膜119の膜厚は、例えば約10μm以下である。また、平坦化膜119は、その屈折率が例えば1.0~2.5程度の材料によって形成される。このような屈折率を実現し得る平坦化膜119の材料としては、例えば、ノボラックとアクリル樹脂との混合物、アクリル樹脂、又はスチレン樹脂等が挙げられる。なお、CF層117が充分に平坦度を有するように形成される場合であれば、平坦化膜119は積層されなくてもよい。
【0073】
次に、平坦化膜119の上にML121aの材料(レンズ材)が成膜される。レンズ材の膜厚は、ML121aの高さ、及び曲率を決定し得る因子であるため、所望の集光効率が得られるようなML121aの形状が実現され得るように、適宜決定される。例えば、レンズ材の膜厚は、0.1μm~5.0μmの範囲で適宜決定され得る。また、当該レンズ材としては、イメージセンサのMLに用いられるものがそのまま流用されてよい。例えば、レンズ材としては、イメージセンサで使用されているメルトフロー型マイクロレンズレジスト材が用いられ得る。当該レジスト材の屈折率は、上述したように、3.0程度である。
【0074】
次に、フォトリソグラフィ技術により、ML121aが形成される部位(すなわち、各CF117aの直徐に当たる部位)だけ残し、成膜されたレンズ材123がパターニングされる(
図9)。具体的には、露光工程、及び現像工程が行われた後、UV光による感光材のブリーチング処理が行われる。露光工程では、例えばi線による露光が行われる。
【0075】
なお、このレンズ材123のパターニング工程において、レンズ材123のパターンを調整することにより、上方から見た場合における作成後のML121aの形状や、隣り合うML121a間のギャップを制御することが可能である。後述するリフロー工程での形状の変化を予想して、所望のML121aの形状、及びML121a間のギャップが得られるように、レンズ材123がパターニングされる。
【0076】
次に、パターニングされたレンズ材123がリフローされることにより、ML121a(すなわち、ML層121)が形成される(
図10)。リフロー温度は100℃~250℃程度である。また、多段熱処理、又は昇温処理によってリフローが行われてもよい。
【0077】
なお、ML121aが形成された後に、その表面に酸化膜が形成されてもよい。例えば、当該酸化膜は、1000nm以下の範囲で成膜され得る。当該酸化膜は、ML121aでの光の反射を抑える低反射膜として機能する。かかる酸化膜が設けられることにより、発光素子からの出射光がML121aの表面で反射される率が低下し、光取り出し効率を更に向上させることが可能になる。
【0078】
以上、ML層121の形成方法について説明した。なお、上記の説明では、リフローを用いた、いわゆるメルトフロー法によってML層121が形成されていたが、本実施形態では、ML層121の形成方法はかかる例に限定されず、一般的にイメージセンサにおいてMLを作成する際に用いられている各種の公知の方法が適用されてよい。例えば、ML層121は、エッチバック法で形成されてもよい。エッチバック法では、レンズ材を成膜した後、その上にレンズ121aの形状を反映した(例えば半球状の)レジストを形成し、エッチバックすることにより、レンズ121aを形成する方法である。
【0079】
(4.効果の確認)
(4-1.ML厚と光取り出し効率との関係)
以上説明した本実施形態に係る表示装置1による光取り出し効率向上の効果について確認するために本発明者らが行った実験の結果について説明する。当該実験では、
図2に示す本実施形態に係る表示装置1と同様の構成を有する有機ELマイクロディスプレイのサンプルを作製し、実際に当該サンプルを駆動させ、その表示面から出射される光について、CIE XYZ表色系におけるX、Y、Zの値を測定した(なお、Yの値は輝度に対応する)。当該サンプルにおいて、画素サイズは7.8μm×7.8μmとした。CFの配列は正方配列とし、赤色の副画素1つ、緑色の副画素1つ、及び青色の副画素2つの、計4つの副画素で、1つの画素を形成した。ML層はメルトフロー法によって形成した。隣り合うML間のギャップは1000nmとした。
【0080】
本実験では、ML層の厚み(すなわち、MLの高さ。以下、ML厚ともいう)が互いに異なる複数のサンプルを作製し、そのそれぞれについて、X、Y、Zの値を測定した。結果を、
図11に示す。
図11は、本実施形態に係る有機ELマイクロディスプレイについて、出射光のCIE XYZ表色系におけるX、Y、Zの値を測定した結果を示す図である。
図11では、横軸にML厚を取り、縦軸にX、Y、Zの値の測定値を取り、両者の関係をプロットしている。なお、縦軸の値としては、ML層が設けられない場合を1とした相対値をプロットしている。縦軸の値は、ML層が設けられない場合を基準とした、光取り出し効率の改善率(効率改善率)を示すものであると言える。
【0081】
図11を参照すると、少なくともML厚が約2000nm以下の範囲においては、ML層を形成することにより、光取り出し効率が向上していることが確認できる。特に、本実験に用いたサンプルでは、ML厚が約1000nm近傍の点、及びML厚が約1800nm近傍の点において、効率改善率にピークが確認された。具体的には、白色の発光(X+Y+Z)に注目すると、ML厚が約1000nm近傍の点、及びML厚が約1800nm近傍の点において、ML層が設けられない場合に比べて、それぞれ、1.2倍及び1.3倍の光取り出し効率の向上が認められた。当該結果は、光取り出し効率には、ML厚に対して依存性が存在すること、及び特定のML厚でピークが存在することを示している。当該結果から、本実施形態に係る表示装置1を作製する際には、その光取り出し効率とML厚との関係性を考慮して、その厚みを適切な値とするように当該ML層を設計することにより、当該光取り出し効率をより一層向上させることが可能になる。
【0082】
また、
図11に示すように、本実験に用いたサンプルでは、ML厚が2400nm近傍の点において、X、Y、Zの各値について、大幅な低下が見られた。特に、Xの値については、ML層が設けられない場合よりも低い値になった。当該結果は、ML厚が大きくなり過ぎると、光取り出し効率の向上の効果が得られ難くなること、及び出射光の色によっては、かえって光取り出し効率が低下してしまうことを示している。当該結果は、本実施形態に係る表示装置1においては、このような発光の色ごとのML厚の上限まで考慮してML層を設計することにより、光取り出し効率をより効率的に向上させることが可能になることを示している。
【0083】
(4-2.ML間ギャップと光取り出し効率との関係)
本実施形態に係る表示装置1における隣り合うML121a間のギャップが光取り出し効率に及ぼす影響について確認するために本発明者らが行った実験の結果について説明する。当該実験では、
図2に示す本実施形態に係る表示装置1と同様の構成を有する有機ELマイクロディスプレイのサンプルを作製し、実際に当該サンプルを駆動させ、その表示面から出射される光について、輝度を測定した。当該サンプルにおいて、画素サイズは7.8μm×7.8μmとした。CFの配列は正方配列とし、赤色の副画素1つ、緑色の副画素1つ、及び青色の副画素2つの、計4つの副画素で、1つの画素を形成した。ML層はメルトフロー法によって形成した。
【0084】
本実験では、ML間のギャップが互いに異なる複数のサンプルを作製し、そのそれぞれについて、輝度を測定した。結果を、
図12に示す。
図12は、本実施形態に係る有機ELマイクロディスプレイについて、出射光の輝度を測定した結果を示す図である。
図12では、横軸にML間のギャップを取り、縦軸に輝度の測定値を取り、両者の関係をプロットしている。また、本実験では、所定のML間のギャップを有する各サンプルについて、上方から見た場合におけるMLの形状を変更したサンプルもそれぞれ作製し、これらについても同様に輝度を測定した。
図12には、実験結果の一例として、MLの形状が略正方であるサンプルについての結果を四角のマーカーでプロットし、MLの形状が略真円であるサンプルについての結果を丸のマーカーでプロットしている。
【0085】
図12を参照すると、MLの形状が略正方であるサンプル、及びMLの形状が略真円であるサンプルのいずれについても、ML間のギャップを変更しても、輝度がほとんど変化していないことが確認できる。当該結果は、ML間のギャップを所定の範囲内で変更させても、光取り出し効率は、ほぼ変化しないことを示している。ただし、
図15には現れていないが、ML間のギャップが大きくなり過ぎれば、平面内でのMLの大きさはその分小さくなるため、発光素子からの出射光がMLに入射し難くなり、輝度は低下すると考えられる。当該結果から、本実施形態に係る表示装置1を作製する際には、その光取り出し効率とML間のギャップとの関係性を考慮して、ML間のギャップが、光取り出し効率の向上の効果が確実に得られるような適切な範囲に収まるように、ML層の設計を行うことが重要である。
【0086】
(5.適用例)
以上説明した本実施形態に係る表示装置1の適用例について説明する。ここでは、以上説明した表示装置1が適用され得る電子機器のいくつかの例について説明する。
【0087】
図13及び
図14は、本実施形態に係る表示装置1が適用され得る電子機器の一例である、デジタルカメラの外観を示す図である。
図13は、デジタルカメラを前方(被写体側)から眺めた外観を示しており、
図14は、デジタルカメラを後方から眺めた外観を示している。
図13及び
図14に示すように、デジタルカメラ311は、本体部(カメラボディ)313と、交換式のレンズユニット315と、撮影時にユーザによって把持されるグリップ部317と、各種の情報を表示するモニタ319と、撮影時にユーザによって観察されるスルー画を表示するEVF321と、を有する。当該EVF321が、本実施形態に係る表示装置1によって構成され得る。
【0088】
図15は、本実施形態に係る表示装置1が適用され得る電子機器の他の例である、HMDの外観を示す図である。
図15に示すように、HMD331は、各種の情報を表示する眼鏡形の表示部333と、装着時にユーザの耳に掛止される耳掛け部335と、を有する。当該表示部333が、本実施形態に係る表示装置1によって構成され得る。
【0089】
以上、本実施形態に係る表示装置1が適用され得る電子機器のいくつかの例について説明した。なお、表示装置1が適用され得る電子機器は上記で例示したものに限定されず、表示装置1は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイス等、いわゆるマイクロディスプレイが搭載され得る電子機器であれば、あらゆる電子機器の表示装置として適用可能である。
【0090】
(6.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、上記実施形態では、表示装置1において、1つの画素に対して1つのML121aが配置されていたが、本開示に係る技術はかかる例に限定されない。例えば、1つの画素に対して複数のML121aが配置されてもよい。
【0092】
また、例えば、上記実施形態では、表示装置1は、有機ELマイクロディスプレイであったが、本開示に係る技術はかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る表示装置は、小型の有機EL表示装置であってもよい。本開示に係る表示装置は、小型の有機EL表示装置である場合には、当該表示装置は、スマートフォン、タブレットPC、デジタルカメラ、電子ブック、PDA(Personal Digital Assistant)、又はゲーム機器等の電子機器のモニタとして搭載され得る。本開示に係る表示装置は、その他、外部から入力された画像信号又は内部で生成した画像信号に基づいて表示を行うあらゆる分野の電子機器に搭載される表示装置に適用することが可能である。
【0093】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0094】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、
複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、及び複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層が、表面上にこの順に積層され、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、
を備える、表示装置。
(2)
前記マイクロレンズは、前記発光素子に向かって突出する凸形状である、
前記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記接着層の材料の屈折率は、前記マイクロレンズ層の材料の屈折率よりも小さい、
前記(1)又は(2)に記載の表示装置。
(4)
前記表示装置は、パネルのサイズが約0.2インチ~約2インチである、マイクロディスプレイである、
前記(1)~(3)のいずれか1項に記載の表示装置。
(5)
前記表示装置における画素サイズは、約20μm以下である、
前記(1)~(4)のいずれか1項に記載の表示装置。
(6)
前記カラーフィルタの配列は、正方配列である、
前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の表示装置。
(7)
前記カラーフィルタの配列は、デルタ配列である、
前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の表示装置。
(8)
積層方向から見た場合における前記マイクロレンズの形状は、略真円である、
前記(1)~(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(9)
積層方向から見た場合における前記マイクロレンズの形状は、略方形である、
前記(1)~(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(10)
画像信号に基づいて表示を行う表示装置、
を備え、
前記表示装置は、
複数の発光素子が形成された、シリコン基板である第1の基板と、
複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層、及び複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層が、表面上にこの順に積層され、前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板に対して配設される第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせるための接着層と、
を有する、
電子機器。
(11)
シリコン基板である第1の基板上に複数の発光素子を形成することと、
第2の基板上に、複数のカラーフィルタが配列されて構成されるカラーフィルタ層と、複数のマイクロレンズが配列されて構成されるマイクロレンズ層と、をこの順に積層することと、
前記マイクロレンズ層が前記複数の発光素子と対向するように、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせることと、
を含む、
表示装置の製造方法。
【符号の説明】
【0095】
1、2 表示装置
101、201 第1の基板
103、203 第2の基板
105、205 駆動回路層
107、207 絶縁層
109、209 第1の電極
110、210 発光素子層
111、211 有機層
113、213 第2の電極
115 接着層
117、217 CF層
119 平坦化膜
121 ML層
121a ML
123 レンズ材
215 保護膜
219 封止樹脂膜