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7186623ロケーション管理システム、ロケーション管理装置、ロケーション管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】ロケーション管理システム、ロケーション管理装置、ロケーション管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019005315
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2020111459
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】島谷 仁基
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-145007(JP,A)
【文献】特開2017-178567(JP,A)
【文献】特開2010-018408(JP,A)
【文献】特開2007-099415(JP,A)
【文献】特開2004-189430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を荷役するための荷役装置と、物品の所在地を管理するロケーション管理装置とを備えるロケーション管理システムであって、
前記荷役装置は、
前記荷役装置の位置、または、前記荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標を取得する座標取得機器と、
前記荷役対象の物品を識別する物品識別情報の入力を受け付け、荷役を開始したか否かおよび荷役を完了したか否かを判定し、荷役を開始したと判定した時に、前記座標取得機器が取得した座標を示す荷役開始時測定位置情報と、入力された前記物品識別情報とを前記ロケーション管理装置に送信し、荷役を完了したと判定した時に、前記座標取得機器が取得した座標を示す荷役完了時測定位置情報と、入力された前記物品識別情報とを前記ロケーション管理装置に送信する制御装置と、
を有し、
前記ロケーション管理装置は、
前記物品識別情報、前記荷役開始時測定位置情報、および、前記荷役完了時測定位置情報を取得し、前記荷役開始時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を開始した物品の位置を示す荷役開始時位置情報を作成し、前記荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する位置情報作成部と、
前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が作成した前記荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する物品位置情報作成部と、
前記物品位置情報作成部が作成した前記物品位置情報を記憶する記憶部と、
前記位置情報作成部が作成した前記荷役開始時位置情報に対応する前記物品位置情報を特定し、特定した前記物品位置情報の前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しない場合には、エラー情報を前記制御装置に送信するエラー判定部と、
を有するロケーション管理システム。
【請求項2】
物品を荷役するための荷役装置と、物品の所在地を管理するロケーション管理装置とを備えるロケーション管理システムであって、
前記荷役装置は、
前記荷役装置の位置、または、前記荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標、ならびに、前記荷役装置の向いている方位を取得する座標取得機器と、
荷役を完了したか否かを判定し、荷役を完了したと判定した時に、前記座標取得機器が取得した座標を示す荷役完了時測定位置情報および前記荷役装置の向いている方位を示す方位情報を前記ロケーション管理装置に送信する制御装置と、
を有し、
前記ロケーション管理装置は、
前記荷役対象の物品を識別する物品識別情報、前記荷役完了時測定位置情報および前記方位情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する位置情報作成部と、
前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が作成した前記荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する物品位置情報作成部と、
前記物品位置情報作成部が作成した前記物品位置情報を記憶する記憶部と、
を有するロケーション管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
荷役を開始したか否かを判定し、荷役を開始したと判定した時に、前記座標取得機器が取得した座標を示す荷役開始時測定位置情報および前記方位情報を前記ロケーション管理装置にさらに送信し、
前記位置情報作成部は、
前記荷役開始時測定位置情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役開始時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を開始した物品の位置を示す荷役開始時位置情報を作成し、
前記ロケーション管理装置は、
前記位置情報作成部が作成した前記荷役開始時位置情報に対応する前記物品位置情報を特定し、特定した前記物品位置情報に含まれる前記位置情報を、前記位置情報作成部が前記荷役開始時測定位置情報を取得した後に作成した前記荷役完了時位置情報に更新する物品位置情報更新部をさらに備える、
請求項に記載のロケーション管理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記物品識別情報の入力を受け付け、荷役を開始したか否かを判定し、荷役を開始したと判定した時に、前記座標取得機器が取得した座標を示す荷役開始時測定位置情報および前記方位情報と、入力された前記物品識別情報を前記ロケーション管理装置に送信し、
前記位置情報作成部は、
前記物品識別情報、および、前記荷役開始時測定位置情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役開始時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を開始した物品の位置を示す荷役開始時位置情報を作成し、
前記ロケーション管理装置は、
前記位置情報作成部が作成した前記荷役開始時位置情報に対応する前記物品位置情報を特定し、特定した前記物品位置情報の前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しない場合には、エラー情報を前記制御装置に送信するエラー判定部をさらに備える、
請求項またはに記載のロケーション管理システム。
【請求項5】
前記物品位置情報作成部は、
前記物品位置情報に前記物品が存在しうる範囲を設定する、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項6】
前記座標取得機器は、前記荷役装置の現在地の二次元座標および前記荷役装置が向いている方位を取得し、
床面までの距離を測定する距離測定機器を含み、三次元座標を取得する、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項7】
前記座標取得機器は、
荷役対象の物品までの相対的な距離を測定する距離測定機器と、前記荷役装置の現在地の二次元座標および前記荷役装置が向いている方位を取得する座標方位取得機器とを含み、三次元座標を取得する、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項8】
前記ロケーション管理装置は、
前記記憶部が記憶する前記物品位置情報を出力する物品位置情報出力部をさらに備える、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項9】
前記ロケーション管理装置は、
前記物品位置情報に基づいて、物品の所在地を立体的に表示する表示情報を作成し、前記表示情報を出力する表示情報出力部をさらに備える、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項10】
前記記憶部は、
前記荷役装置の積載可能なサイズおよび積載可能な重量を含む荷役装置情報と、物品のサイズおよび重量を含む物品情報とを記憶しており、
前記ロケーション管理装置は、
前記荷役装置情報および前記物品情報に基づいて、前記物品識別情報が示す物品を積載可能な前記荷役装置に、前記物品識別情報が示す物品を割り当て、前記物品識別情報を割り当てた前記荷役装置に送信する第1荷役装置割当部をさらに備える、
請求項からのいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記座標取得機器が取得した前記荷役装置の位置の座標を示す平面位置情報を定期的にロケーション管理装置に送信し、
前記ロケーション管理装置は、
前記制御装置から受信した前記平面位置情報に基づいて、前記物品識別情報が示す物品の荷役を開始する場所に最も近い位置にある前記荷役装置に、前記物品識別情報が示す物品を割り当て、前記物品識別情報を割り当てた前記荷役装置に送信する第2荷役装置割当部をさらに備える、
請求項から10のいずれか1項に記載のロケーション管理システム。
【請求項12】
物品を荷役するための荷役装置と接続する物品の所在地を管理するロケーション管理装置であって、
荷役対象の物品を識別する物品識別情報、前記荷役装置が荷役を完了したと判定した時の前記荷役装置の位置、または、前記荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標を示す荷役完了時測定位置情報、および、前記荷役装置の向いている方位を示す方位情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する位置情報作成部と、
前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が作成した前記荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する物品位置情報作成部と、
前記物品位置情報作成部が作成した物品位置情報を記憶する記憶部と、
を備えるロケーション管理装置。
【請求項13】
物品を荷役するための荷役装置と、物品の所在地を管理するロケーション管理装置とが実行するロケーション管理方法であって、
前記荷役装置が実行する、
前記荷役装置の位置、または、前記荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標、ならびに、前記荷役装置の向いている方位を取得する座標取得ステップと、
荷役を完了したか否かを判定し、荷役を完了したと判定した時に、前記座標取得ステップで取得した座標を示す荷役完了時測定位置情報および前記荷役装置の向いている方位を示す方位情報を前記ロケーション管理装置に送信する制御ステップと、
前記ロケーション管理装置が実行する、
前記荷役対象の物品を識別する物品識別情報、前記荷役完了時測定位置情報および前記方位情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する位置情報作成ステップと、
前記位置情報作成ステップで取得した前記物品識別情報と、前記位置情報作成ステップで作成した前記荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する物品位置情報作成ステップと、
を備えるロケーション管理方法。
【請求項14】
物品を荷役するための荷役装置と接続する物品の所在地を管理するコンピュータを、
荷役対象の物品を識別する物品識別情報、前記荷役装置が荷役を完了したと判定した時の前記荷役装置の位置、または、前記荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標を示す荷役完了時測定位置情報、および、前記荷役装置の向いている方位を示す方位情報を取得し、前記方位情報が示す方位に基づいて、前記荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する位置情報作成部、
前記位置情報作成部が取得した前記物品識別情報と、前記位置情報作成部が作成した前記荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する物品位置情報作成部、および、
前記物品位置情報作成部が作成した物品位置情報を記憶する記憶部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロケーション管理システム、ロケーション管理装置、ロケーション管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流の現場では、物品の所在が不明になると、物品を探す時間および人員のロスコスト、見つからなかった場合の再発注費用および再発注リードタイムなどのロスコスト、見つからなかったことによる納期遅延などの問題が発生する。このような問題に対し、物品の所在地を管理する方法として、RFIDタグ、バーコード、二次元コードなどの被読取媒体を用いたスキャン技術によって、物品および物品の保管場所から識別情報を読み取り、物品の情報と物品の保管場所の識別情報とを紐付けて管理する方法がある。
【0003】
特許文献1には、天井に設置された配信装置が物品に取り付けられた通信端末を識別する識別情報を取得し、通信端末の識別情報と自身の位置情報とを情報管理サーバに送信し、情報管理サーバが受信した通信端末の識別情報と配信装置の位置情報とを対応付けてデータベースに記憶することで、物品の所在地を管理する出庫管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-84177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようなスキャン技術を用いて物品の所在地を管理する方法では、保管場所は被読取媒体を添付することができる場所に限られる。特許文献1に記載の技術においても、保管場所は配信装置を天井に設置できる場所に限られる。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、保管場所を限定せずに物品の所在地を管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るロケーション管理システムは、物品を荷役するための荷役装置と、物品の所在地を管理するロケーション管理装置とを備える。荷役装置は、座標取得機器と、制御装置と、を有する。座標取得機器は、荷役装置の位置、または、荷役装置に対する荷役対象の物品の相対的な位置を示す座標、ならびに、荷役装置の向いている方位を取得する。制御装置は、荷役を完了したか否かを判定し、荷役を完了したと判定した時に、座標取得機器が取得した座標を示す荷役完了時測定位置情報および荷役装置の向いている方位を示す方位情報をロケーション管理装置に送信する。ロケーション管理装置は、位置情報作成部と、物品位置情報作成部と、記憶部と、を有する。位置情報作成部は、荷役対象の物品を識別する物品識別情報荷役完了時測定位置情報および方位情報を取得し、方位情報が示す方位に基づいて、荷役完了時測定位置情報が示す座標を補正して、荷役を完了した物品の位置を示す荷役完了時位置情報を作成する。物品位置情報作成部は、位置情報作成部が取得した物品識別情報と、位置情報作成部が作成した荷役完了時位置情報と、を対応付けた物品位置情報を作成する。記憶部は、物品位置情報作成部が作成した物品位置情報を記憶する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、荷役装置から取得した荷役完了時測定位置情報を補正して、荷役を完了した物品の所在地を示す位置情報を作成し、物品を識別する物品識別情報と対応付けて記憶することで、保管場所を限定せずに物品の所在地を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係るロケーション管理システムの構成を示す図
図2】(a)は、実施の形態に係る荷役中の荷役装置を示す図、(b)は、実施の形態に係る荷役完了時の荷役装置を示す図
図3】実施の形態に係るロケーション管理装置の機能構成例を示す図
図4】実施の形態に係る位置情報の作成方法について説明する図
図5】(a)は、実施の形態に係る荷役完了時の平面位置情報および高さ情報の例を示す図、(b)は、図5(a)に示す平面位置情報および高さ情報を補正した位置情報の例を示す図
図6】(a)は、実施の形態に係る保管されている製品の所在地を示す模式図、(b)は、図6(a)に示す製品の所在地を示す製品位置情報を示す図
図7】(a)は、実施の形態に係る荷役開始時の三次元座標の位置情報を示す図、(b)は、図7(a)に示す位置情報の地点を示す模式図
図8】実施の形態に係る荷役装置が実行する処理を示すフローチャート
図9】実施の形態に係るロケーション管理装置が実行する処理を示すフローチャート
図10】第1の変形例に係るロケーション管理装置の機能構成例を示す図
図11】第2の変形例に係るロケーション管理装置の機能構成例を示す図
図12】第3の変形例に係るロケーション管理装置の機能構成例を示す図
図13】実施の形態に係るロケーション管理装置のハードウェア構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本実施の形態に係るロケーション管理システム、ロケーション管理装置、ロケーション管理方法およびプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。本実施の形態では、製品の所在地を管理するロケーション管理システムの例について説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1に示すように、ロケーション管理システム100は、ロケーション管理装置1と、n台の荷役装置21~2nとを備える。以下、荷役装置21~2nを総称する場合には、荷役装置2と呼ぶ。荷役装置2は、フォークリフトである。図1では、n≧3であるが、これに限らずn≧1であればよい。荷役装置2を使用して製品を荷役する場合には、例えば、製品をはじめて保管場所に運搬する場合と、製品を別の保管場所に移動する場合とがある。
【0012】
まず、製品をはじめて保管場所に運搬する場合のロケーション管理システム100の動作について説明する。生産ラインにて製品の生産が完了した時、または、外部から製品が到着した時、荷役装置2の使用者は、荷役装置2に製品を積載して保管場所に運搬する。この時、荷役装置2の使用者は、荷役開始時に荷役対象の製品を識別する製品識別情報を荷役装置2に入力する。製品識別情報は物品識別情報の例である。
【0013】
ここで、荷役装置2について図2を用いて説明する。図2(a)は、製品aを荷役中の荷役装置21の状態を示す図である。図2(b)は、製品aの荷役完了時の荷役装置21の状態を示す図である。荷役装置21は、製品を積載するフォークFと、前にある物体までの距離および床面までの距離を測定する距離測定機器3と、荷役装置21の現在地の座標および荷役装置21の向いている方位を取得する座標方位取得機器4と、荷役装置21を制御する制御装置5を備える。荷役装置21のフォークFが突出している方向を前とする。制御装置5は、図2に示すように荷役装置21に内蔵されていてもよいし、荷役装置21に付属していてもよい。座標方位取得機器4および制御装置5は、組みあわせて1つの装置で実現してもよい。
【0014】
距離測定機器3は、例えば、前向きに設けられた距離センサと、下向きに設けられた距離センサと、を備える。前向きに設けられた距離センサは、距離測定機器3の前に存在する物体までの水平方向の距離DSを測定する。下向きに設けられた距離センサは、床面までの法線方向の距離、つまり高さz1を測定する。距離測定機器3は、距離DSを示す間隔情報と、高さz1を示す高さ情報とを制御装置5に送信する。
【0015】
座標方位取得機器4は、GPS、ビーコンなどの電波を受信する受信機と、電子コンパスのような方位センサとを備える。受信機は、現在地P1の二次元座標(x1,y1)を取得する。方位センサは、荷役装置21が向いている方位DRを取得する。座標方位取得機器4は、現在地P1の二次元座標(x1,y1)を示す平面位置情報と、方位DRを示す方位情報とを制御装置5に送信する。距離測定機器3および座標方位取得機器4は、座標取得機器の例である。
【0016】
制御装置5は、製品識別情報の入力を受け付ける入力装置と、距離測定機器3および座標方位取得機器4と接続する第1通信インターフェースと、ロケーション管理装置1と通信する第2通信インターフェースと、を備える。入力装置は、タッチパネル、キーボードなどの装置でもよいし、製品に添付されたRFIDタグ、バーコード、二次元コードなどを読み取る装置でもよい。制御装置5は、第1通信インターフェースを介して、距離測定機器3から間隔情報および高さ情報を受信し、座標方位取得機器4から平面位置情報および方位情報を受信する。距離測定機器3および座標方位取得機器4と接続する通信インターフェースは、無線通信のインターフェースであってもよいし、有線通信のインターフェースであってもよい。ロケーション管理装置1と接続する通信インターフェースは、例えば、ロケーション管理装置1が接続されるインターネット、ローカルネットワークなどに接続する無線通信のインターフェースである。
【0017】
制御装置5は、製品識別情報が入力されると、荷役を開始したか否かを判定する。具体的には、制御装置5は、距離測定機器3から距離測定機器3が付属するフォークFの先端までの水平方向の距離FLを示す基準情報を記憶しており、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも短くなると、フォークFに製品が積載されて荷役を開始したと判定する。制御装置5は、荷役を開始したと判定した後、荷役を完了したか否かを判定する。具体的には、制御装置5は、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも長くなると、フォークFから製品が下されて荷役を完了したと判定する。制御装置5は、荷役を完了したと判定すると、入力された製品識別情報と、荷役を完了したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、荷役を完了したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、をロケーション管理装置1に送信する。荷役を完了したと判定した時に制御装置5がロケーション管理装置1に送信する高さ情報および平面位置情報は、荷役完了時測定位置情報の例である。
【0018】
ここまで、代表して荷役装置21について説明したが、荷役装置22~2nも同様の構成である。
【0019】
図1に戻り、ロケーション管理装置1は、荷役装置2から、製品識別情報、高さ情報、平面位置情報、および、方位情報を受信すると、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRに基づいて補正し、位置情報を作成する。この時作成した位置情報は、荷役完了時位置情報の例である。ロケーション管理装置1は、高さ情報、平面位置情報、および、方位情報と共に受信した製品識別情報と、作成した位置情報とを対応付けた製品位置情報を作成し、記憶する。製品位置情報は、物品位置情報の例である。
【0020】
続いて、製品を別の保管場所に移動する場合のロケーション管理システム100の動作について説明する。図2に示す荷役装置21の制御装置5は、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも短くなると、荷役を開始したと判定する。この時、製品識別情報の入力がなければ、制御装置5は、荷役を開始したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、荷役を開始したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、をロケーション管理装置1に送信する。荷役を開始したと判定した時に制御装置5がロケーション管理装置1に送信する高さ情報および平面位置情報は、荷役開始時測定位置情報の例である。制御装置5は、荷役を開始したと判定した後、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも長くなると、荷役を完了したと判定する。制御装置5は、荷役を完了したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、荷役を完了したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、をロケーション管理装置1に送信する。荷役装置2が複数台ある場合、荷役装置2は、高さ情報、平面位置情報および方位情報をロケーション管理装置1に送信する際、荷役装置2を識別する荷役装置識別情報と共にロケーション管理装置1に送信する。
【0021】
図1に戻り、ロケーション管理装置1は、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信すると、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRに基づいて補正し、位置情報を作成する。この時作成した位置情報は、荷役開始時位置情報の例である。ロケーション管理装置1は、高さ情報、平面位置情報、および、方位情報と共に、製品識別情報を受信していない場合、作成した位置情報から製品位置情報を検索し、荷役を開始した製品の製品位置情報を特定する。ロケーション管理装置1は、製品位置情報を特定した後に、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信すると、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRに基づいて補正し、位置情報を作成する。この時作成した位置情報は、荷役完了時位置情報の例である。ロケーション管理装置1は、特定した製品位置情報に含まれる位置情報を、製品位置情報を特定した後に作成した位置情報に更新する。これにより、製品の移動が製品位置情報に反映される。
【0022】
ここで、図3を用いて本発明の実施の形態に係るロケーション管理装置1の構成について説明する。図3に示すように、ロケーション管理装置1は、機能構成として、荷役装置2から取得した高さ情報および平面位置情報を方位情報に基づいて補正して位置情報を作成する位置情報作成部11と、製品識別情報と位置情報とを対応付けた製品位置情報を作成する製品位置情報作成部12と、高さ情報および平面位置情報を補正するための補正情報と製品位置情報とを記憶する記憶部13と、製品位置情報に含まれる位置情報を更新する製品位置情報更新部14とを備える。
【0023】
位置情報作成部11は、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信すると、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRと記憶部13が記憶する補正情報とに基づいて補正し、位置情報を作成する。
【0024】
位置情報の作成方法について図4を用いて説明する。図4は、荷役完了時の荷役装置21の斜視図である。フォークFが延在する方向をY軸とし、Y軸と水平面上で直交している方向をX軸とし、水平面の法線方向をZ軸とする。高さ情報が示す高さz1は、距離測定機器3に下向きに設けられた距離センサから床面までの法線方向の距離である。平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)は、座標方位取得機器4の受信機の現在地の座標である。記憶部13が記憶する補正情報は、荷役装置21が製品をフォークFに積載する直前および製品をフォークFから下ろした直後の荷役装置21の距離測定機器3および座標方位取得機器4の位置に対する製品の位置からあらかじめ算出された、X軸方向の補正値CX、Y軸方向の補正値CY、Z軸方向の補正値CZを示す。
【0025】
補正値CXは、座標方位取得機器4の受信機から2本のフォークFの間の真ん中を通るYZ仮想面までのX軸方向の距離の値である。
【0026】
補正値CYは、座標方位取得機器4の受信機からフォークFの先端を通るXZ仮想面までのY軸方向の距離に決められた値を加算した値である。決められた値は、例えば製品の底面のサイズによって規定される。製品の保管にJISで設定されている規格パレットが使用される場合は、規格パレットの底面のサイズは1.1m×1.1mであるので、決められた値は、0.55mとする。この場合、現在地P1の二次元座標(x1,y1)をX軸方向およびY軸方向に補正した地点P2の二次元座標(x2,y2)を、フォークFから下ろした直後の製品aの底面の中心のXY座標とみなす。なお、決められた値は、ゼロであってもよい。この場合、地点P2の二次元座標(x2,y2)を、フォークFから下ろした直後の製品aの底面の荷役装置21側の辺の中心のXY座標とみなす。
【0027】
補正値CZは、フォークFが最も床面に近い状態で、距離測定機器3の下向きに設けられた距離センサから床面までの距離の値である。
【0028】
位置情報作成部11は、方位情報が示す方位DRをY軸の負の方向とする。位置情報作成部11は、現在地P1の二次元座標(x1,y1)を補正値CXおよび補正値CYを用いて補正し、地点P2の二次元座標(x2,y2)を算出する。x2=x1-CXである。y2=y1+CYである。さらに、位置情報作成部11は、高さz1を、補正値CZを用いて補正し、製品aの所在地Paの三次元座標(x2,y2,z2)を算出する。z2=z1-CZである。
【0029】
例えば、図5(a)に示すように、平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)が(225,355)であって、高さ情報が示す高さz1が140であったとする。また、補正情報が示す補正値CXが50、補正値CYが300、補正値CZが20であったとする。この場合、位置情報作成部11は、x2=225-50=175、y2=355-300=55、z2=140-20=120を算出し、図5(b)に示す位置情報を作成する。
【0030】
図3に戻り、位置情報作成部11は、高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に製品識別情報を受信していた場合、作成した位置情報と、受信した製品識別情報とを製品位置情報作成部12に送る。製品位置情報作成部12は、位置情報作成部11から受け取った位置情報と製品識別情報とを対応付けて、製品が存在しうる範囲を設定した製品位置情報を作成し、記憶部13に記憶する。なお、製品位置情報作成部12は、製品位置情報を外部のデータベースに記憶してもよい。製品位置情報作成部12は、物品位置情報作成部の例である。
【0031】
記憶部13が記憶する製品位置情報について、図6を用いて説明する。図6(a)に示すように、製品a、製品bおよび製品cが保管されていたとする。製品a、製品bおよび製品cの製品位置情報を図6(b)に示す。「製品コード」は製品識別情報である。「所在地」は各製品の位置情報である。製品位置情報作成部12は、製品aの所在地Paの三次元座標(x2,y2,z2)に対し、製品aが存在しうる範囲を「最小範囲」および「最大範囲」に設定する。例えば、製品aの所在地Paの三次元座標(x2,y2,z2)は、(175,55,120)である。図6(b)の「最小範囲」および「最大範囲」の設定では、製品aは、X軸上の125~225の範囲内に存在し、Y軸上の5~105の範囲内に存在し、Z軸上の120~220の範囲内に存在する。「最小範囲」および「最大範囲」の設定について詳しくは後述する。
【0032】
図3に戻り、位置情報作成部11は、高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に製品識別情報を受信していなかった場合、作成した位置情報を製品位置情報更新部14に送る。製品位置情報更新部14は、位置情報作成部11から受け取った位置情報に対応する製品位置情報を検索し、特定する。位置情報作成部11は、位置情報を製品位置情報更新部14に送った後に、同じ荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信すると、再度位置情報を作成し、製品位置情報更新部14に送る。製品位置情報更新部14は、特定した製品位置情報に含まれる位置情報を、製品位置情報を特定した後に位置情報作成部11から受け取った位置情報に更新する。製品位置情報更新部14は、物品位置情報更新部の例である。
【0033】
製品位置情報の特定方法について図7を用いて説明する。位置情報作成部11が荷役開始時の荷役装置2から受信した平面位置情報、高さ情報および方位情報に基づいて、図7(a)に示す三次元座標(165,55,20)を示す位置情報を作成したとする。位置情報作成部11は、三次元座標(165,55,20)を示す位置情報を製品位置情報更新部14に送る。三次元座標(165,55,20)の地点Pmの位置を図7(b)に示す。製品位置情報更新部14は、三次元座標(165,55,20)が「最小範囲」および「最大範囲」で設定される製品が存在しうる範囲に含まれる製品位置情報を特定する。図6(b)に示す製品位置情報を参照すると、三次元座標(165,55,20)が、製品が存在しうる範囲に含まれる製品位置情報は製品cの製品位置情報である。
【0034】
このように、製品位置情報更新部14は、位置情報作成部11から受け取った位置情報が示す三次元座標(165,55,20)が、製品が存在しうる範囲に含まれる製品cの製品位置情報を特定する。例えば、製品の保管にJISで設定されている規格パレットが使用される場合は、規格パレットの底面のサイズは1.1m×1.1mであるので、「最小範囲」を各座標から-50、「最大範囲」を各座標から+50とすることで、各製品が存在しうる範囲が重複しない。これにより、製品位置情報更新部14が複数の製品位置情報を特定してしまうことを防止できる。なお、ロケーション管理システム100の位置測定の精度が高ければ高いほど、「最小範囲」および「最大範囲」で設定される範囲を小さくすることができる。
【0035】
製品位置情報更新部14は、特定した製品cの製品位置情報に含まれる位置情報を、特定後に位置情報作成部11から受け取った位置情報に更新する。これにより、製品cの移動が製品位置情報に反映される。
【0036】
ここで、荷役装置2が実行する処理の流れを説明する。図8に示す処理は、荷役装置2の電源が投入された時に開始する。荷役装置2は、制御装置5に製品識別情報が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。制御装置5に製品識別情報が入力された場合(ステップS11;YES)、制御装置5は、荷役を開始したか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、制御装置5は、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも短くなると、フォークFに製品が積載されて荷役を開始したと判定する。
【0037】
制御装置5は、荷役を開始していないと判定すると(ステップS12;NO)、ステップS12を繰り返し、荷役の開始を待機する。制御装置5は、荷役を開始したと判定すると(ステップS12;YES)、荷役を完了したか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、制御装置5は、距離測定機器3から受信した間隔情報が示す距離DSが、基準情報が示す距離FLよりも長くなると、フォークFから製品が下されて荷役を完了したと判定する。
【0038】
制御装置5は、荷役を完了していないと判定すると(ステップS13;NO)、ステップS13を繰り返し、荷役の完了を待機する。制御装置5は、荷役を完了したと判定すると(ステップS13;YES)、入力された製品識別情報と、荷役を完了したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、荷役を完了したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、をロケーション管理装置1に送信し(ステップS14)、処理はステップS19に移行する。
【0039】
一方、制御装置5に製品識別情報が入力されず(ステップS11;NO)、荷役を開始したと判定していない場合(ステップS15;NO)、ステップS15を繰り返し、荷役の完了を待機する。制御装置5に製品識別情報が入力されないまま(ステップS11;NO)、荷役を開始したと判定した場合(ステップS15;YES)、制御装置5は、荷役を開始したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、荷役を開始したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、をロケーション管理装置1に送信する(ステップS16)。
【0040】
制御装置5は、荷役を完了していないと判定すると(ステップS17;NO)、ステップS17を繰り返し、荷役の完了を待機する。制御装置5は、荷役を完了したと判定すると(ステップS17;YES)、荷役を完了したと判定した時に座標方位取得機器4から受信した平面位置情報および方位情報と、荷役を完了したと判定した時に距離測定機器3から受信した高さ情報と、をロケーション管理装置1に送信する(ステップS18)。荷役装置2の電源がOFFになっていない場合(ステップS19;NO)、処理はステップS11に戻り、ステップS11~ステップS19を繰り返す。荷役装置2の電源がOFFになると(ステップS19;YES)、処理を終了する。
【0041】
続いて、ロケーション管理装置1が実行する処理の流れを説明する。図9に示す処理は、ロケーション管理装置1の電源が投入された時に開始する。ロケーション管理装置1の位置情報作成部11は、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信したか否かを判定する(ステップS21)。位置情報作成部11が荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信しない場合(ステップS21;NO)、処理はステップS31に移行する。位置情報作成部11は、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信した場合(ステップS21;YES)、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRと記憶部13が記憶する補正情報とに基づいて補正し(ステップS22)、位置情報を作成する(ステップS23)。
【0042】
例えば、ステップS21で図5(a)に示す平面位置情報および高さ情報を受信したとする。また、補正情報が示す補正値CXが50、補正値CYが300、補正値CZが20であったとする。平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)が(225,355)であって、高さ情報が示す高さz1が140である。ステップS22で位置情報作成部11は、x2=225-50=175、y2=355-300=55、z2=140-20=120を算出し、ステップS23で図5(b)に示す位置情報を作成する。
【0043】
図9に戻り、位置情報作成部11は、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に製品識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS24)。荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に製品識別情報を受信した場合(ステップS24;YES)、位置情報作成部11は、作成した位置情報と、受信した製品識別情報とを製品位置情報作成部12に送る。製品位置情報作成部12は、位置情報作成部11から受け取った位置情報と製品識別情報とを対応付けて、製品が存在しうる範囲を設定した製品位置情報を作成し、記憶部13に記憶する(ステップS25)。処理はステップS31に移行する。製品位置情報作成部12は、例えば、図6(b)に示す、製品識別情報である「製品コード」と、位置情報である「所在地」と、製品aが存在しうる範囲を設定した「最小範囲」および「最大範囲」との項目を有する製品位置情報を作成し、記憶部13に記憶する。
【0044】
一方、荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に製品識別情報を受信しなかった場合(ステップS24;NO)、位置情報作成部11は、作成した位置情報を製品位置情報更新部14に送る。製品位置情報更新部14は、位置情報作成部11から受け取った位置情報に対応する製品位置情報を特定する(ステップS26)。
【0045】
例えば、位置情報作成部11が荷役開始時の荷役装置2から受信した平面位置情報、高さ情報および方位情報に基づいて、図7(a)に示す三次元座標(165,55,20)を示す位置情報を作成したとする。製品位置情報更新部14は、図6(b)に示す製品位置情報を参照し、三次元座標(165,55,20)が「最小範囲」および「最大範囲」で設定される製品が存在しうる範囲に含まれる製品cの製品位置情報を特定する。
【0046】
図9に戻り、位置情報作成部11は、同じ荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信しない場合(ステップS27;NO)、ステップS27を繰り返して、高さ情報、平面位置情報および方位情報の受信を待機する。位置情報作成部11は、同じ荷役装置2から高さ情報、平面位置情報および方位情報を受信した場合(ステップS27;YES)、高さ情報が示す高さz1および平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)を、方位情報が示す方位DRと記憶部13が記憶する補正情報とに基づいて補正し(ステップS28)、再度位置情報を作成する(ステップS29)。荷役装置2が複数台ある場合、同じ荷役装置2であるか否かは荷役装置識別情報に基づいて判別する。位置情報作成部11は、作成した位置情報を製品位置情報更新部14に送る。製品位置情報更新部14は、特定した製品位置情報に含まれる位置情報を、製品位置情報を特定した後に位置情報作成部11から受け取った位置情報に更新する(ステップ30)。ロケーション管理装置1の電源がOFFになっていない場合(ステップS31;NO)、処理はステップS21に戻り、ステップS21~ステップS31を繰り返す。ロケーション管理装置1の電源がOFFになると(ステップS31;YES)、処理を終了する。
【0047】
本実施の形態に係るロケーション管理システム100によれば、荷役装置2で測定した高さz1および平面座標(x1,y1)を補正し、荷役した製品の所在地の三次元座標を算出し、製品識別情報と対応付けて記憶することで、保管場所を限定せずに製品の所在地を管理することができる。
【0048】
上記の実施の形態では、製品をはじめて保管場所に運搬する場合と、製品を別の保管場所に移動する場合とについて説明したが、製品を別の保管場所に移動することがない場合には、ロケーション管理装置1は、製品位置情報更新部14を備えなくてもよい。
【0049】
上記の実施の形態では、製品を別の保管場所に移動する場合、荷役装置2の使用者は、荷役開始時に製品識別情報を荷役装置2に入力しないが、これに限らない。荷役装置2の使用者は、荷役する度に荷役開始時に製品識別情報を荷役装置2に入力してもよい。この場合、製品をはじめて保管場所に運搬する場合か製品を別の保管場所に移動する場合かを識別するために、荷役装置2の制御装置5は、製品識別情報が入力された時の現在地、つまり、座標方位取得機器4から受信した平面位置情報が示す二次元座標が、保管場所の範囲内でなかった場合、荷役を完了したと判定した時に、高さ情報、平面位置情報、方位情報、および、製品識別情報と共に、荷役完了時であることを示す荷役完了情報をロケーション管理装置1に送信する。また、制御装置5は、製品識別情報が入力された時の現在地、つまり、座標方位取得機器4から受信した平面位置情報が示す二次元座標が、保管場所の範囲内であった場合、荷役を開始したと判定した時に、高さ情報、平面位置情報、方位情報、および、製品識別情報と共に、荷役開始時であることを示す荷役開始情報をロケーション管理装置1に送信する。なお、製品識別情報が入力された時の現在地が保管場所の範囲内であるか否かは、荷役装置2の使用者が制御装置5に入力してもよい。
【0050】
この場合、例えばロケーション管理装置1は、荷役装置2から、高さ情報、平面位置情報、方位情報、および、製品識別情報と共に、荷役開始情報を受信すると、作成した位置情報から製品位置情報を検索し、荷役を開始した製品の製品位置情報を特定する。ロケーション管理装置1は、特定した製品位置情報に含まれる製品識別情報と、荷役装置2から受信した製品識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しない場合には、荷役を開始した製品が間違っていることを示すエラー情報を荷役装置2に送信する。この変形例を第1の変形例とする。
【0051】
第1の変形例に係るロケーション管理装置1の構成について図10を用いて説明する。図10に示すように、ロケーション管理装置1は、製品位置情報更新部14の代わりにエラー情報を荷役装置2に送信するエラー判定部15を備える。位置情報作成部11は、製品識別情報、高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に荷役完了情報を受信していた場合、作成した位置情報と、受信した製品識別情報とを製品位置情報作成部12に送る。位置情報作成部11は、製品識別情報、高さ情報、平面位置情報および方位情報と共に荷役開始情報を受信していた場合、作成した位置情報と、受信した製品識別情報とをエラー判定部15に送る。エラー判定部15は、位置情報作成部11から受け取った位置情報から製品位置情報を検索し、荷役を開始した製品の製品位置情報を特定する。エラー判定部15は、特定した製品位置情報に含まれる製品識別情報と、位置情報作成部11から受け取った製品識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しない場合には、荷役を開始した製品が間違っていることを示すエラー情報を荷役装置2に送信する。荷役装置2の制御装置5は、ロケーション管理装置1から受信したエラー情報を出力する。エラー情報の出力方法は、画面表示でもよいし、音声出力でもよい。これにより、荷役装置2の使用者は、荷役を開始した製品が間違っていることを知ることができる。その他のロケーション管理装置1の構成は、実施の形態1と同様である。
【0052】
上記の実施の形態では、ロケーション管理装置1が、製品位置情報を管理するが、荷役装置2が製品位置情報を取得可能にしてもよい。あるいは、ロケーション管理装置1は製品位置情報を表示してもよい。
【0053】
ここで、荷役装置2がロケーション管理装置1から製品位置情報を取得する第2の変形例について、図11を用いて説明する。図11に示すように、ロケーション管理装置1は、位置情報作成部11、製品位置情報作成部12、記憶部13、製品位置情報更新部14に加えて、製品位置情報を出力する情報出力部16を備える。情報出力部16は、荷役装置2からの要求に応答して記憶部13が記憶する製品位置情報を荷役装置2に送信する。荷役装置2の制御装置5は、ロケーション管理装置1から受信した製品位置情報を出力する。情報出力部16は、製品位置情報に基づいて、製品の所在地を立体的に表示する表示情報を作成し、荷役装置2に送信してもよい。荷役装置2の制御装置5は、ロケーション管理装置1から受信した表示情報を出力する。また、情報出力部16は、表示装置を有し、製品位置情報に基づいて、製品の所在地を立体的に表示する表示情報を作成し、表示してもよい。これにより、ロケーション管理システム100の管理者、荷役装置2の使用者などが、製品の配置を視覚的に把握することができる。情報出力部16は、物品位置情報出力部および表示情報出力部の例である。その他のロケーション管理装置1の機能構成は、実施の形態1と同様である。
【0054】
上記の実施の形態では、使用者が製品識別情報を荷役装置2に入力するが、ロケーション管理装置1が、生産が完了した製品、外部から到着した製品、または、保管場所から移動する製品を示す製品識別情報を取得し、対応する荷役装置2に送信する構成にしてもよい。ロケーション管理装置1は、例えば、製品識別情報を生産管理システムから受信してもよいし、製品識別情報の入力を受け付けてもよい。荷役装置2は、ロケーション管理装置1から受信した製品識別情報と共に方位情報、平面位置情報および高さ情報をロケーション管理装置1に送信する。対応する荷役装置2は、例えば、生産が完了した製品の生産ライン、外部から製品が到着した場所、または、製品の保管場所にあらかじめ対応づけられている荷役装置2でもよいし、製品の荷役を開始する場所に最も近い位置にある、荷役中でない荷役装置2でもよい。後者の場合、荷役装置2の制御装置5は、ロケーション管理装置1に荷役装置2の現在地を示す平面位置情報を定期的に送信する。また、ロケーション管理装置1が、製品のサイズ、重量などを示す製品情報と、荷役装置2のフォークFの長さ、積載可能なサイズ、積載可能な重量などを示す荷役装置情報と、荷役装置2の現在地を示す平面位置情報とを記憶しており、荷役対象の製品に対して、当該製品を積載可能な荷役装置2を割り当てる構成にしてもよい。製品情報は物品情報の例である。
【0055】
ここで、ロケーション管理装置1が、製品情報と、荷役装置情報と、平面位置情報とを記憶しており、生産管理システム6から製品識別情報を取得し、製品情報、荷役装置情報および平面位置情報に基づいて、製品識別情報が示す製品を積載可能な荷役装置2のうち、製品の荷役を開始する場所に最も近い位置にある荷役装置2に、製品識別情報が示す製品を割り当てる第3の変形例について、図12を用いて説明する。図12に示すように、ロケーション管理装置1は、位置情報作成部11、製品位置情報作成部12、記憶部13、製品位置情報更新部14に加えて、荷役対象の物品に荷役装置2を割り当てる荷役装置割当部17を備える。
【0056】
位置情報作成部11は、荷役装置2から現在地を示す平面座標情報を定期的に受信し、記憶部13に記憶する。荷役装置割当部17は、生産管理システム6から生産が完了した製品、外部から到着した製品、または、保管場所から移動する製品を示す製品識別情報を取得すると、記憶部13が記憶する製品情報、荷役装置情報および平面座標情報に基づいて、製品識別情報が示す製品を積載可能な荷役装置2のうち、製品の荷役を開始する場所に最も近い位置にある荷役装置2を、製品識別情報が示す製品の荷役に割り当てる。荷役装置割当部17は、割り当てた荷役装置2に、製品識別情報を送信する。荷役装置割当部17は、第1荷役装置割当部および第2荷役装置割当部の例である。
【0057】
荷役装置2の制御装置5は、ロケーション管理装置1から製品識別情報を受信すると、荷役を開始したか否かを判定する。制御装置5は、荷役を開始したと判定した時の現在地、つまり、座標方位取得機器4から受信した平面位置情報が示す二次元座標が、保管場所の範囲内でなかった場合、荷役を完了したと判定した時に、高さ情報、平面位置情報、方位情報、および、製品識別情報と共に、荷役完了時であることを示す荷役完了情報をロケーション管理装置1に送信する。また、制御装置5は、荷役を開始したと判定した時の現在地、つまり、座標方位取得機器4から受信した平面位置情報が示す二次元座標が、保管場所の範囲内であった場合、荷役を開始したと判定した時に、高さ情報、平面位置情報、方位情報、および、製品識別情報と共に、荷役開始時であることを示す荷役開始情報をロケーション管理装置1に送信する。なお、荷役開始時の現在地が保管場所の範囲内であるか否かは、荷役装置2の使用者が制御装置5に入力してもよい。これにより、荷役対象の製品に適した荷役装置2を自動で割り当てることができる。その他のロケーション管理装置1の機能構成は、第1の変形例と同様である。
【0058】
上記の実施の形態では、制御装置5は、距離測定機器3の前向きに設けられた距離センサが測定した距離DSが距離FLよりも短いか長いかで、荷役を開始したか荷役を完了したかを判定する。これに限らず、荷役装置2に感圧手袋を含み、感圧手袋の感圧値に基づいて、荷役を開始したか荷役を完了したかを判定してもよい。この場合、荷役装置2の使用者が装着した感圧手袋は圧力を感知する感圧センサを有し、感圧値を制御装置5に送信する。荷役装置2の使用者は感圧手袋を装着して、荷役装置2のフォークFに製品を積載して荷役を開始する。制御装置5は、感圧手袋の感圧値が閾値を超えた時、荷役を開始したと判定する。荷役装置2の使用者は、荷役装置2のフォークFから製品を下ろして荷役を完了する。制御装置5は、荷役を開始したと判定した後に、感圧手袋の感圧値が閾値を超えた時、荷役を完了したと判定する。あるいは、荷役の開始、荷役の完了を示す情報を荷役装置2の使用者が制御装置5に入力してもよい。
【0059】
上記の実施の形態では、荷役装置2はフォークリフトであるが、感圧手袋が荷役装置2であってもよい。この場合、感圧手袋は、圧力を感知する感圧センサと、制御装置5と、高さz1を測定する距離センサを有する距離測定機器3と、座標方位取得機器4とを備える。制御装置5は、感圧手袋の感圧値が閾値を超えた時、荷役を開始したと判定する。感圧値が閾値を超えた後に、感圧手袋の感圧値が閾値よりも小さくなった時、荷役を完了したと判定する。この場合、補正情報は、使用者が感圧手袋を装着して製品を持った時および置いた時の感圧手袋の距離測定機器3および座標方位取得機器4の位置に対する製品の位置からあらかじめ算出された、補正値CX、補正値CY、補正値CZを示す。
【0060】
上記の実施の形態では、距離測定機器3の下向きに設けられた距離センサによって高さz1を取得し、座標方位取得機器4の受信機によって現在地P1の二次元座標(x1,y1)を取得したが、これに限らない。距離測定機器3は、例えば、TOF(Time of Flight)カメラを使用し、荷役を完了した製品および荷役を開始する製品の三次元座標(x3,y3,z3)または三次元座標(r,θ,φ)を取得してもよい。この場合、制御装置5は、三次元位置情報、平面位置情報および方位情報をロケーション管理装置1に送信する。
【0061】
記憶部13が記憶する補正情報が示す補正値CXは、座標方位取得機器4の受信機のX軸上の位置から距離測定機器3のTOFカメラのX軸上の位置までの距離の値である。補正値CYは、座標方位取得機器4の受信機のY軸上の位置から距離測定機器3のTOFカメラのY軸上の位置までの距離の値である。補正値CZは、距離測定機器3のTOFカメラから床面までの距離の値である。ロケーション管理装置1の位置情報作成部11は、荷役装置2から三次元位置情報、平面位置情報および方位情報を受信すると、三次元位置情報が示すTOFカメラに対する相対的な製品の位置を示す三次元座標を、平面位置情報が示す現在地P1の二次元座標(x1,y1)、方位情報が示す方位DR、および、記憶部13が記憶する補正情報に基づいて、製品の位置を示す三次元座標に補正し、位置情報を作成する。
【0062】
上記の実施の形態では、位置情報が示す座標は三次元座標であるが、これに限らない。物品を平置きで保管する場合には、位置情報が示す座標は二次元座標であってもよい。この場合、距離測定機器3の下向きに設けられた距離センサはなくてもよい。
【0063】
上記の実施の形態では、製品の所在地を管理するロケーション管理システム100について説明したが、これに限らない。ロケーション管理システム100は、物品の所在地を管理するシステムであればよい。
【0064】
上記の実施の形態および変形例は、組みあわせてもよい。
【0065】
ロケーション管理装置1のハードウェア構成について図13を用いて説明する。図13に示すように、ロケーション管理装置1は、一時記憶部101、記憶部102、計算部103、操作部104、入出力部105および表示部106を備える。一時記憶部101、記憶部102、操作部104、入出力部105および表示部106はいずれもBUSを介して計算部103に接続されている。
【0066】
計算部103は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。計算部103は、記憶部102に記憶されている制御プログラムに従って、ロケーション管理装置1の位置情報作成部11、製品位置情報作成部12、製品位置情報更新部14、エラー判定部15、情報出力部16、および、荷役装置割当部17の各処理を実行する。
【0067】
一時記憶部101は、例えばRAM(Random-Access Memory)である。一時記憶部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムをロードし、計算部103の作業領域として用いられる。
【0068】
記憶部102は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD-RAM(Digital Versatile Disc - Random Access Memory)、DVD-RW(Digital Versatile Disc - ReWritable)などの不揮発性メモリである。記憶部102は、ロケーション管理装置1の処理を計算部103に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、計算部103の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを計算部103に供給し、計算部103から供給されたデータを記憶する。記憶部13は、記憶部102に構成される。
【0069】
操作部104は、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置と、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置をBUSに接続するインターフェース装置である。例えば、ロケーション管理装置1に直接情報を入力する構成の場合、操作部104を介して、入力された在庫情報が計算部103に供給される。
【0070】
入出力部105は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインターフェースまたはLAN(Local Area Network)インターフェースである。入出力部105は、位置情報作成部11、エラー判定部15、情報出力部16および荷役装置割当部17として機能する。
【0071】
表示部106は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置である。例えば、ロケーション管理装置1に直接情報を入力する構成の場合、表示部106は、操作画面を表示する。
【0072】
図1に示すロケーション管理装置1の位置情報作成部11、製品位置情報作成部12、記憶部13、製品位置情報更新部14、エラー判定部15、情報出力部16、および、荷役装置割当部17の処理は、制御プログラムが、一時記憶部101、計算部103、記憶部102、操作部104、入出力部105および表示部106などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0073】
その他、前記のハードウェア構成およびフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0074】
計算部103、一時記憶部101、記憶部102、操作部104、入出力部105、表示部106などのロケーション管理装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するロケーション管理装置1を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることでロケーション管理装置1を構成してもよい。
【0075】
また、ロケーション管理装置1の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体、記憶装置などに格納してもよい。
【0076】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して提供することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを提供してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できる構成してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 ロケーション管理装置、2,21~2n 荷役装置、3 距離測定機器、4 座標方位取得機器、5 制御装置、6 生産管理システム、11 位置情報作成部、12 製品位置情報作成部、13 記憶部、14 製品位置情報更新部、15 エラー判定部、16 情報出力部、17 荷役装置割当部、100 ロケーション管理システム、101 一時記憶部、102 記憶部、103 計算部、104 操作部、105 入出力部、106 表示部、a,b,c 製品、CX,CY,CZ 補正値、DS,FL 距離、DR 方位、F フォーク、P1 現在地、Pa,Pb,Pc 所在地、Pm 地点、x1,y1 二次元座標、z1 高さ。
図1
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