(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】ポンプ及びポンプに用いる座金
(51)【国際特許分類】
F04D 29/60 20060101AFI20221202BHJP
F16B 43/00 20060101ALI20221202BHJP
F16B 7/18 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
F04D29/60 D
F16B43/00 Z
F16B7/18 B
(21)【出願番号】P 2019080242
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000152170
【氏名又は名称】株式会社酉島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】兼森 祐治
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165497(JP,A)
【文献】特開平06-074227(JP,A)
【文献】特開昭50-066649(JP,A)
【文献】実開昭48-021075(JP,U)
【文献】特開昭51-049516(JP,A)
【文献】実開昭59-024521(JP,U)
【文献】特開2006-300226(JP,A)
【文献】特開平10-213123(JP,A)
【文献】特開平06-042516(JP,A)
【文献】実開昭64-020509(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/60
F16B 43/00
F16B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付床に形成された取付孔から下向きに突出された揚水管と、
前記揚水管の上端に接続され、前記据付床上に配管された吐出管と、
前記据付床に対して前記揚水管及び前記吐出管を取り付けるための取付機構と
を備え、
前記取付機構は、
前記取付孔を取り囲むように前記据付床上に固定され、球面凹部及び前記球面凹部を相補する球面凸部のうちの一方からなる第1摺接部と、前記第1摺接部の上面で開口された締結穴とを有する環状のベースプレートと、
前記吐出管又は前記揚水管に設けられ、前記球面凹部及び前記球面凸部のうちの他方からなる第2摺接部と、前記締結穴の直径よりも大径の遊嵌孔とを有し、前記遊嵌孔によって前記締結穴を取り囲むように前記第1摺接部上に前記第2摺接部が配置された据付プレートと、
前記遊嵌孔の上端を塞ぐように前記据付プレート上に配置された座金と、
前記座金及び前記遊嵌孔を貫通して前記締結穴に螺合され、前記ベースプレートに対して前記据付プレートを移動不可能に締結する締結部材と
を備え、
前記座金は、前記据付プレート上に配置された第1部材と、前記第1部材上に移動可能に配置された第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記遊嵌孔と連通するとともに前記締結部材が貫通され、前記第1部材が延びる方向への前記締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有し、
前記第2部材は、前記連通孔と連通するとともに前記締結部材が挿通され、前記第1部材に対する前記第2部材の姿勢の変更によって前記連通孔に対する位置を変更可能な挿通孔を有
しており、
前記第1部材は、円形状の前記第2部材を回転可能に保持する保持部を有し、
前記第2部材の外周には、前記保持部によって保持される部分に、径方向に窪むガイド溝が設けられ、
前記第1部材には、前記ガイド溝に嵌まるガイドピンが貫通して配置されている、ポンプ。
【請求項2】
前記連通孔は、前記遊嵌孔の中心から前記遊嵌孔の内周までの前記締結部材の移動を許容する直径の円形状の孔である、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記連通孔の中心は、円形状の前記第1部材の中心と間隔をあけて位置する、請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記連通孔は、前記遊嵌孔の中心から前記遊嵌孔の内周までの前記締結部材の移動を許容する長さの長溝である、請求項1に記載のポンプ。
【請求項5】
前記挿通孔は、その中心が円形状の前記第2部材の中心と間隔をあけて設けられた円形状の孔である、請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項6】
前記挿通孔は、円形状の前記第2部材の中心を通り、前記第2部材の径方向に延びる長溝である、請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項7】
前記据付プレートは、前記遊嵌孔と同心円状に設けられ、円形状の前記第1部材を回転可能に保持する保持部を有する、請求項1から
6のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項8】
前記締結部材は、前記締結穴に螺合されるスタットボルトと、前記スタットボルトに螺合され、前記ベースプレートとの間に前記座金及び前記据付プレートを挟み込むナットとを備え、
前記ナットは、前記座金に向けて球面状に突出する突出部を有する、請求項1から
7のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項9】
据付床上に配置されたベースプレートにポンプから突出した据付プレートを締結する締結部材が貫通される座金であって、
前記据付プレート上に配置された第1部材と、前記第1部材上に移動可能に配置された第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記据付プレートに形成された遊嵌孔と連通するとともに前記締結部材が貫通され、前記第1部材が延びる方向への前記締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有し、
前記第2部材は、前記連通孔と連通するとともに前記締結部材が挿通され、前記第1部材に対する前記第2部材の姿勢の変更によって前記連通孔に対する位置を変更可能な挿通孔を有し、
円形状の前記連通孔の中心は、円形状の前記第1部材の中心と間隔をあけて位置
しており、
前記第1部材は、円形状の前記第2部材を回転可能に保持する保持部を有し、
前記第2部材の外周には、前記保持部によって保持される部分に、径方向に窪むガイド溝が設けられ、
前記第1部材には、前記ガイド溝に嵌まるガイドピンが貫通して配置されている、ポンプに用いる座金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ及びポンプに用いる座金に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたポンプは、揚水管と、揚水管の上端に接続された吐出管とを備え、姿勢調整機構(取付機構)を介して据付床に取り付けられている。姿勢調整機構は、据付床に固定されたベースプレートと、揚水管又は吐出管に設けられた据付プレートとを備え、これらが有する球面座によって据付床に対するポンプの姿勢を調整可能である。据付プレートに形成した遊嵌孔を通してベースプレートの締結穴に締結部材を螺合することで、ベースプレートに対して据付プレートが移動不可能に締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のポンプでは、遊嵌孔よりも大きい座金が据付プレート上に配置され、この座金を貫通して締結部材が配置されている。傾いた据付床に対してポンプの姿勢を鉛直方向に調整すると、ベースプレートの軸線に対して据付プレートの軸線が傾斜するため、ベースプレートの締結穴の軸線と据付プレートの遊嵌孔の軸線とが一致しなくなる。よって、特許文献1のポンプでは、特に大型のポンプの場合、締結部材と一緒に移動した座金の外周部が遊嵌穴の空間上に位置し、締結部材による締結力を据付プレートに均等に加えられない虞がある。
【0005】
本発明は、据付床に対する姿勢を調整可能なポンプにおいて、据付プレートの定位置に座金を配置可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、据付床に形成された取付孔から下向きに突出された揚水管と、前記揚水管の上端に接続され、前記据付床上に配管された吐出管と、前記据付床に対して前記揚水管及び前記吐出管を取り付けるための取付機構とを備え、前記取付機構は、前記取付孔を取り囲むように前記据付床上に固定され、球面凹部及び前記球面凹部を相補する球面凸部のうちの一方からなる第1摺接部と、前記第1摺接部の上面で開口された締結穴とを有する環状のベースプレートと、前記吐出管又は前記揚水管に設けられ、前記球面凹部及び前記球面凸部のうちの他方からなる第2摺接部と、前記締結穴の直径よりも大径の遊嵌孔とを有し、前記遊嵌孔によって前記締結穴を取り囲むように前記第1摺接部上に前記第2摺接部が配置された据付プレートと、前記遊嵌孔の上端を塞ぐように前記据付プレート上に配置された座金と、前記座金及び前記遊嵌孔を貫通して前記締結穴に螺合され、前記ベースプレートに対して前記据付プレートを移動不可能に締結する締結部材とを備え、前記座金は、前記据付プレート上に配置された第1部材と、前記第1部材上に移動可能に配置された第2部材とを備え、前記第1部材は、前記遊嵌孔と連通するとともに前記締結部材が貫通され、前記第1部材が延びる方向への前記締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有し、前記第2部材は、前記連通孔と連通するとともに前記締結部材が挿通され、前記第1部材に対する前記第2部材の姿勢の変更によって前記連通孔に対する位置を変更可能な挿通孔を有しており、前記第1部材は、円形状の前記第2部材を回転可能に保持する保持部を有し、前記第2部材の外周には、前記保持部によって保持される部分に、径方向に窪むガイド溝が設けられ、前記第1部材には、前記ガイド溝に嵌まるガイドピンが貫通して配置されている、ポンプを提供する。
【0007】
このポンプでは、締結部材によるベースプレートと据付プレートの締結を解除し、第1摺接部を有するベースプレートに対して第2摺接部を有する据付プレートを移動させることで、据付床に対する揚水管及び吐出管の姿勢を調整できる。また、締結部材によってベースプレートと据付プレートを締結することで、据付床に対するポンプの姿勢が維持される。
【0008】
座金は、締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有する第1部材と、第1部材に対する姿勢変更によって連通孔に対する挿通孔の位置を変更可能な第2部材とを備える。よって、遊嵌孔に対する第1部材の姿勢を調整し、第1部材に対する第2部材の姿勢を調整することで、締結穴の軸線上に挿通孔を配置し、挿通孔及び連通孔を通して締結部材を締結穴に螺合できる。その結果、たとえ大型のポンプであっても、遊嵌孔を覆うように第1部材を確実に配置できるため、座金を介して締結部材による締結力を据付プレートに均等に加えることができる。そのため、締結部材によってベースプレートに対して据付プレートを確実に締結でき、据付床にポンプを確実に取り付けることができる。
【0009】
前記連通孔は、前記遊嵌孔の中心から前記遊嵌孔の内周までの前記締結部材の移動を許容する直径の円形状の孔である。この場合、前記連通孔の中心は、円形状の前記第1部材の中心と間隔をあけて位置する。又は、前記連通孔は、前記遊嵌孔の中心から前記遊嵌孔の内周までの前記締結部材の移動を許容する長さの長溝である。
【0010】
前記挿通孔は、その中心が円形状の前記第2部材の中心と間隔をあけて設けられた円形状の孔である。又は、前記挿通孔は、円形状の前記第2部材の中心を通り、前記第2部材の径方向に延びる長溝である。
【0011】
前記据付プレートは、前記遊嵌孔と同心円状に設けられ、円形状の前記第1部材を回転可能に保持する保持部を有する。
【0012】
この態様によれば、第1部材と第2部材の姿勢を調整することで、第1部材の中心を遊嵌孔の軸線上に確実に配置できる。よって、締結部材による締結力を据付プレートに確実に加えることができる。
【0013】
前記締結部材は、前記締結穴に螺合されるスタットボルトと、前記スタットボルトに螺合され、前記ベースプレートとの間に前記座金及び前記据付プレートを挟み込むナットとを備え、前記ナットは、前記座金に向けて球面状に突出する突出部を有する。据付床に対するポンプの姿勢を調整すると、ベースプレートの軸線に対して据付プレートの軸線が傾斜するため、座金を含む遊嵌孔の軸線に対して締結穴(つまり締結部材)の軸線も傾斜する。この場合、締結部材による座金の押圧が局部的になるため、座金を押圧する力に偏りが生じる虞がある。しかし、この態様によれば、締結部材が球面状の突出部を有するナットを備えているため、座金に対して締結部材が傾斜していても、座金を偏りなく押圧し、据付プレートをベースプレートに締結できる。
【0014】
本発明の第2態様は、据付床上に配置されたベースプレートにポンプから突出した据付プレートを締結する締結部材が貫通される座金であって、前記据付プレート上に配置された第1部材と、前記第1部材上に移動可能に配置された第2部材とを備え、前記第1部材は、前記据付プレートに形成された遊嵌孔と連通するとともに前記締結部材が貫通され、前記第1部材が延びる方向への前記締結部材の相対的な移動を許容する連通孔を有し、前記第2部材は、前記連通孔と連通するとともに前記締結部材が挿通され、前記第1部材に対する前記第2部材の姿勢の変更によって前記連通孔に対する位置を変更可能な挿通孔を有し、円形状の前記連通孔の中心は、円形状の前記第1部材の中心と間隔をあけて位置しており、前記第1部材は、円形状の前記第2部材を回転可能に保持する保持部を有し、前記第2部材の外周には、前記保持部によって保持される部分に、径方向に窪むガイド溝が設けられ、前記第1部材には、前記ガイド溝に嵌まるガイドピンが貫通して配置されている、ポンプに用いる座金を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、据付床に対するポンプの姿勢を調整可能なポンプにおいて、据付プレートの定位置に座金を配置できる。よって、座金を介して締結部材による締結力を据付プレートに均等に加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1C】
図1Bの状態からポンプの姿勢を調整した状態を示す断面図。
【
図7A】据付プレートに対する座金本体の姿勢を変更した状態の平面図。
【
図7B】据付プレートに対する座金本体の姿勢を変更した他の状態の平面図。
【
図7C】据付プレートに対する座金本体の姿勢を変更した他の状態の平面図。
【
図8A】座金本体に対する回転体の姿勢を変更した状態の平面図。
【
図8B】座金本体に対する回転体の姿勢を変更した他の状態の平面図。
【
図8C】座金本体に対する回転体の姿勢を変更した他の状態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1Aから
図1Cは、本発明の実施形態に係る立軸ポンプ10を示す。この立軸ポンプ10は、吸水槽1の上方を覆うポンプ床(据付床)2に取り付けられ、吸水槽1に流入した雨水等の液体を下流側へ排出する。立軸ポンプ10は、ポンプケーシング12、回転軸18、及び羽根車21を備え、取付機構25を介してポンプ床2に配置されている。
図1Aに示すように初期状態では水平なポンプ床2が何らかの原因で
図1Bに示すように傾いた場合(傾斜角α)、ポンプ床2に対するポンプケーシング12の傾き(姿勢)を、
図1Cに示すように取付機構25によって調整可能としている。
【0019】
図1Aに示すように、ポンプケーシング12は、揚水管13と、揚水管13の上端に接続された吐出管14とを備え、ポンプ床2に形成された取付孔2aに上方から差し込むことで、ポンプ床2に取り付けられている。揚水管13は、取付孔2aから鉛直方向下向きに突出する直管である。吐出管14は、概ね90度屈曲された曲がり管であり、ポンプ床2から上方へ突出している。吐出管14には、下流側の吐出槽に配管された送水管(図示せず)が機械的に接続される。
【0020】
吐出管14の下端側には、揚水管13を含むポンプケーシング12をポンプ床2に固定するためのフランジ部15が一体に設けられている。フランジ部15は、吐出管14の外周から揚水管13の軸線Aに対して直交方向に突出しており、取付孔2aの内径よりも大きい外径を有する。なお、フランジ部15は揚水管13の上部に設けてもよい。吐出管14の上部には、駆動モータ(図示せず)を取り付けるためのモータ台16が設けられている。モータ台16の上端は、貫通孔3aを貫通してモータ床3の上方に突出している。
【0021】
回転軸18は、吐出管14を貫通して軸線Aに沿って揚水管13内に配置されている。回転軸18の上端は、吐出管14から外部へ突出し、駆動モータに機械的に接続されている。吐出管14における回転軸18が貫通する部分は、軸封装置19によって液密にシールされている。
【0022】
羽根車21は、回転軸18の下端に取り付けられ、揚水管13の内側下部に配置されている。駆動モータによって回転軸18が回転されることで、羽根車21は、回転軸18と一体に回転し、ポンプケーシング12内を通して吸水槽1内の液体を下流側へ排出する。
【0023】
図1Aを併せて
図2A及び
図2Bを参照すると、取付機構25は、ベースプレート27、据付プレート30、及び締結部材33を備える。また、取付機構25は、ベースプレート27に対して据付プレート30を横(水平)方向に移動させるための横移動部材35と、ベースプレート27に対して据付プレート30を縦(垂直)方向に移動させる縦移動部材37(
図3参照)とを備える。
【0024】
図3を併せて参照すると、ベースプレート27は、取付孔2aを取り囲むようにポンプ床2の上面に固定された円環状の部材である。ベースプレート27の内径は、揚水管13及び吐出管14の外径よりも大きく、ベースプレート27の外径は、取付孔2aの内径及びフランジ部15の外径よりも大きい。ベースプレート27の上面には、所定曲率で下向きに窪む球面凹部からなる第1摺接部27aが設けられている。第1摺接部27aの上面には、ベースプレート27の軸線を中心とする同心円状の凹溝27bが設けられている。この凹溝27bには、ベースプレート27の上面(第1摺接部27a)と据付プレート30の下面(第2摺接部30a)との間をシールするためのシール部材28が配置されている。
【0025】
据付プレート30は、吐出管14のフランジ部15の下部に取り付けられた円環状の部材である。据付プレート30の内径は、揚水管13及び吐出管14の外径よりも大きい。据付プレート30の外径は、取付孔2aの内径よりも大きく、ベースプレート27の外径よりも小さい。据付プレート30の下面には、第1摺接部27aと同一曲率で下向きに突出し、第1摺接部27a(球面凹部)を相補する球面凸部からなる第2摺接部30aが設けられている。第1摺接部27a上に配置される第2摺接部30aの表面には、第1摺接部27aの表面とは硬度と摩擦係数が異なる表面層31が形成されている。表面層31は、例えばハードクロムメッキ又はフッ素樹脂コーティングによって形成されている。
【0026】
なお、第1摺接部27aを上向きに突出する球面凸部によって構成し、第2摺接部30aを上向きに窪む球面凹部によって構成してもよい。表面層31は、第2摺接部30aの表面とは硬度と摩擦係数が異なるように、第1摺接部27aの表面に設けてもよい。
【0027】
締結部材33は、据付プレート30を貫通し、ベースプレート27に対して据付プレート30を移動不可能に締結する。この締結部材33による締結構造については後で詳述する。
【0028】
横移動部材35は、ベースプレート27に対して据付プレート30を水平(径)方向に移動させるためのジャッキボルトである。ベースプレート27における第1摺接部27aの外周に設けられた環状枠27cには、横移動部材35を螺合するボルト孔27dが設けられている。ボルト孔27dは、周方向に間隔をあけて環状枠27cに複数設けられ、それぞれに横移動部材35が螺合されている。全ての横移動部材35を外向きに緩めた状態で、所定の横移動部材35をボルト孔27dに締め付けることで、据付プレート30の外周面を押圧し、ベースプレート27に対して据付プレート30を水平方向に移動できる。
【0029】
図3に示すように、縦移動部材37は、ベースプレート27に対して据付プレート30を垂直(縦)方向の上向きに移動させるためのジャッキボルトである。据付プレート30における第2摺接部30aの外周部には、据付プレート30の軸線に沿って縦移動部材37を螺合させるボルト孔30bが設けられている。ボルト孔30bは、周方向に間隔をあけて据付プレート30に複数設けられ、それぞれに縦移動部材37が螺合されている。縦移動部材37を下向きに締め付けることで、ベースプレート27の上面を押圧し、ベースプレート27に対して据付プレート30を垂直上向きに移動(離反)できる。
【0030】
締結部材33によるベースプレート27と据付プレート30の締結を解除し、横移動部材35を操作することで、第1摺接部27a上で第2摺接部30aを移動(摺動)できる。球面状の摺接部27a,30aによる据付プレート30の回転によって、ベースプレート27に対する据付プレート30の姿勢(角度)を調整することで、ポンプ床2に対するポンプケーシング12の姿勢を調整できる。また、必要に応じて縦移動部材37を操作することで、横移動部材35の操作による調整作業性を向上できる。
【0031】
よって、例えば地震等によって
図1Bに示すようにポンプ床2が左下がりに傾いた場合、
図1Cに示すように、ポンプケーシング12を左向き(時計回り)に揺動させ、ポンプケーシング12の軸線Aを基準線Lと一致させることができる。このようにポンプ床2に対するポンプケーシング12の姿勢を調整し、ポンプケーシング12を鉛直に配置することで、羽根車21をポンプケーシング12に干渉させることなく、ポンプ10を運転できる。
【0032】
なお、
図1Bに示すように、ポンプ床2が傾く場合にはモータ床3も傾くことが多い。このモータ床3の傾斜角βは、ポンプ床2の傾斜角αとは異なることが多い。駆動モータの振動によるモータ床3への影響の抑制しつつ、傾きの有無に拘わらずモータ床3上にモータ台16(駆動モータ)を支持するために、これらの間には支持部材39が配置されている。
【0033】
支持部材39は、モータ台16から横向きに突出した支持プレート16aとモータ床3との間に配置されている。支持プレート16aは、モータ床3から上方に突出したモータ台16の上端に設けられており、その外径は貫通孔3aの直径よりも大きい。
【0034】
支持部材39には、弾塑性体からなる防振ゴムが用いられている。この防振ゴムは、定められた荷重未満の負荷が加わると弾性的に変形し、定められた荷重以上の負荷が加わると塑性的に変形する特性を有する。つまり、駆動モータの振動(定められた荷重未満の負荷)によって弾性的に伸縮する一方、地震等によって定められた荷重以上の負荷が加わると塑性変形する防振ゴムが、支持部材39として用いられている。
【0035】
ここで、ベースプレート27の軸線は、ポンプ床2に対して直交方向に延びるため、その角度はポンプ床2の傾きに依存する。つまり、
図1Aに示すようにポンプ床2が水平な場合、ベースプレート27の軸線は鉛直方向に延びる基準線Lと一致する。しかし、
図1Bに示すようにポンプ床2が傾斜角αで傾いた場合、ベースプレート27の軸線は、傾斜角αに対して直交方向に延びるため、基準線Lに対して交差した状態になる。
【0036】
一方、据付プレート30の軸線は、揚水管13の軸線Aと一致する。ポンプ床2が水平な状態で揚水管13の軸線Aが基準線Lと一致するように、ベースプレート27と据付プレート30には、締結部材33による締結構造が設けられている。しかし、
図1Cに示すように、傾斜したポンプ床2に対してポンプケーシング12の姿勢を調整した場合、ベースプレート27の軸線と据付プレート30の軸線とは一致しなくなる。そして、据付プレート30に対して締結部材33が貫通する位置及び角度も変わる。そこで、本実施形態では、締結部材33による締結構造を以下のようにしている。
【0037】
(締結構造の概要)
図2A、
図2B、及び
図3に示すように、締結構造は、ベースプレート27に設けられた締結穴41と、据付プレート30に設けられた遊嵌孔42と、据付プレート30上に配置された座金45とを備える。そして、締結部材33は、座金45及び遊嵌孔42を貫通して締結穴41に螺合されている。そのうち、締結穴41及び締結部材33の軸線の角度は、ポンプ床2の傾きに依存する。また、座金45(連通孔46aと挿通孔47a)及び遊嵌孔42の軸線の角度は、ポンプケーシング12の傾きに依存する。
【0038】
締結穴41は、第1摺接部27aの上面で開口され、下端が塞がれたボルト穴である。この締結穴41は、ベースプレート27の軸線を中心として、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では8個)設けられている。締結穴41の軸線A1は、ベースプレート27の軸線に沿って延びている。
【0039】
遊嵌孔42は、据付プレート30の軸線(揚水管13の軸線A)に沿って第2摺接部30aを貫通するように設けられた円形状の孔である。遊嵌孔42は、締結穴41と対応するように、据付プレート30の軸線を中心として周方向に間隔をあけて複数設けられている。
図2Aに示すように、ベースプレート27の軸線と据付プレート30の軸線を一致させた状態で、遊嵌孔42の軸線A2は締結穴41の軸線A1と一致する。つまり、据付プレート30の軸線を中心として遊嵌孔42を形成する周方向及び径方向の位置は、ベースプレート27の軸線を中心として締結穴41を形成する周方向及び径方向の位置と同一である。遊嵌孔42の直径は、締結穴41の直径よりも大きく、内部に締結部材33を貫通させた状態で、据付プレート30の外周部が環状枠27cに当接するまで、据付プレート30の移動を許容する寸法に設定されている。
【0040】
座金45は、複数の遊嵌孔42の上端をそれぞれ塞ぐように複数用いられる。
図4A、
図4B及び
図5に示すように、個々の座金45は、据付プレート30上に移動可能に配置された座金本体(第1部材)46と、座金本体46上に移動可能に配置された回転体(第2部材)47とを備える。
【0041】
座金本体46は、所定の厚みを有し、遊嵌孔42の直径よりも大径の円板状である。座金本体46には、遊嵌孔42に連通する連通孔46aと、回転体47を回転可能に保持する保持部46bとが設けられている。
【0042】
連通孔46aは、締結部材33が貫通される円形状の孔である。座金本体46が延びる方向(つまり軸線Aと直交する方向)への締結部材33の相対的な移動を許容するように、連通孔46aの直径は締結部材33の直径よりも大きく形成されている。
図6及び
図7Aから
図7Cに示すように、遊嵌孔42に対する連通孔46aの位置は、据付プレート30に対する座金本体46の姿勢(回転角度位置)によって変更可能である。
【0043】
具体的には、
図2A及び
図6に示すように、遊嵌孔42の軸線A2上に座金本体46の中心点O
1を配置した状態で、連通孔46aは次のように形成されている。連通孔46aの中心点O
2は、座金本体46の中心点O
1(遊嵌孔42の中心)と間隔D1をあけて位置する。この間隔D1は、遊嵌孔42の半径r1の半分未満に設定されている。連通孔46aの半径r2は、遊嵌孔42の半径r1よりも小さく、遊嵌孔42の半径r1の半分よりも大きい。より具体的には、連通孔46aの半径r2は、平面視で遊嵌孔42の内周面に内接する寸法に設定されている。
【0044】
図4A及び
図5に示すように、保持部46bは、円形状に形成された凹部からなり、その円形状の底面に連通孔46aが同心円状に設けられている。保持部46bの直径は連通孔46aの直径よりも大きい。保持部46bの軸方向の深さは、回転体47の軸方向の厚みと同一にしているが、回転体47の軸方向の厚みよりも浅くしてもよいし、回転体47の軸方向の厚みよりも深くしてもよい。
【0045】
回転体47は、保持部46bの直径と概ね同一直径の円板状で、保持部46b内に回転可能に配置されている。回転体47には、連通孔46aに連通し、締結部材33が挿通される挿通孔47aが設けられている。
【0046】
挿通孔47aは、回転体47の軸方向に貫通する円形状の孔である。挿通孔47aの直径は、締結部材33の直径よりも大きく、挿通孔47aの軸線に対して定められた角度で傾斜した締結部材33を挿通可能な大きさに設定されている。座金本体46の中心点O
1から挿通孔47aが最も離れて位置する回転体47の姿勢(
図6参照)において、挿通孔47aは遊嵌孔42内に位置する。
図6及び
図8Aから
図8Cに示すように、連通孔46aに対する挿通孔47aの位置は、座金本体46に対する回転体47の姿勢(回転角度位置)によって変更可能である。
【0047】
具体的には、
図6に示すように、挿通孔47aの中心点O
3は、回転体47の中心(つまり連通孔46aの中心点O
2)と間隔D2をあけて位置する。この間隔D2は、前述した間隔D1と同一に設定されている。これにより、保持部46b内での回転体47の回転によって、挿通孔47a(つまり締結部材33)は、座金本体46の中心点O
1(つまり遊嵌孔42の軸線A2)に位置することが可能である(
図7B参照)。
【0048】
このように構成された座金45は、据付プレート30に対する座金本体46の自転と、座金本体46に対する回転体47の自転とを、個別に行うことが可能である。これらの自転によって、遊嵌孔42に対する連通孔46aの位置と、連通孔46aに対する挿通孔47aの位置とを調整できる。その結果、遊嵌孔42内の所定位置に挿通孔47a(つまり締結部材33)を配置できる。
【0049】
具体的には、
図6及び
図7Aから
図7Cに示すように、遊嵌孔42の軸線A2を中心として座金本体46が自転することにより、遊嵌孔42内において連通孔46a(回転体47)が軸線A2(中心点O
1)を中心として公転する。連通孔46aは、回転体47が特定の姿勢の場合には遊嵌孔42内の一部にしか連通しないが、回転体47の自転によって遊嵌孔42内の全領域に順次連通可能である。なお、座金本体46の中心点O
1から挿通孔47aが最も離れて位置する回転体47の姿勢の場合、挿通孔47aは、遊嵌孔42の内周面に沿って公転する(回転軌跡T1)。
【0050】
図6及び
図8Aから
図8Cに示すように、中心点O
2を中心として回転体47が自転することにより、連通孔46a内において挿通孔47aが中心点O
2を中心として公転する(回転軌跡T2)。これにより、挿通孔47aは、連通孔46a内において中心点O
1と中心点O
3の間の所定位置に移動できる。
【0051】
つまり、座金本体46の自転によって遊嵌孔42の周方向における挿通孔47aの配置領域が調整され、回転体47の自転によって遊嵌孔42の径方向における挿通孔47aの位置が調整される。これにより、遊嵌孔42内における締結穴41の上方に挿通孔47aを配置し、貫通させた締結部材33を締結穴41に螺合できる。
【0052】
例えば、
図1Aに示すように、ポンプ床2が水平な場合、基準線Lに一致させたベースプレート27の軸線と据付プレート30の軸線を一致させることで、基準線Lとポンプケーシング12の軸線Aとが一致する。この場合、
図2Aに示すように、締結穴41の軸線A1と遊嵌孔42の軸線A2も一致する。そのため、
図9Aに示すように、座金本体46に対する回転体47の姿勢は、挿通孔47aが座金本体46の中心点O
1に位置するように、全て調整される。
【0053】
前述のように、ポンプ床2が左下がりに傾いた場合(
図1B参照)、ポンプケーシング12の軸線Aを基準線Lと一致させるには、ポンプ床2に対してポンプケーシング12を左向きに揺動させる必要がある。この場合、ポンプケーシング12と一緒に据付プレート30がベースプレート27に対して左向きに移動するため、
図2Bに示すように、締結穴41の軸線A1と遊嵌孔42の軸線A2とが離れて位置する。
【0054】
この際、座金45の挿通孔47a(締結部材33)は、前述のように遊嵌孔42内の希望位置に配置可能である。よって、
図9Bに示すように、遊嵌孔42に対する座金本体46の姿勢と、座金本体46に対する回転体47の姿勢とを調整することで、締結穴41の軸線A1上に挿通孔47aを配置しつつ、遊嵌孔42の軸線A2上に座金本体46の中心点O
1を一致させることができる。
【0055】
ベースプレート27に対する据付プレート30の位置調整は、座金45及び締結部材33を取り外した状態で行ってもよいが、締結穴41に対する締結部材33の締め付けを緩めた状態で行ってもよい。
【0056】
以上のように、本実施形態の座金45は、締結部材33の相対的な移動を許容する連通孔46aを有する座金本体46と、座金本体46に対する姿勢変更によって連通孔46aに対する挿通孔47aの位置を変更可能な回転体47とを備える。よって、遊嵌孔42に対する座金本体46の姿勢を調整し、座金本体46に対する回転体47の姿勢を調整することで、締結穴41の軸線A1上に挿通孔47aを配置し、挿通孔47aを通して締結部材33を締結穴41に螺合できる。
【0057】
その結果、たとえ大型のポンプ10であっても、遊嵌孔42を覆うように座金本体46を確実に配置できるため、座金45を介して締結部材33による締結力を据付プレート30に均等に加えることができる。そのため、締結部材33によってベースプレート27に対して据付プレート30を確実に締結でき、ポンプ床2にポンプ10を確実に取り付けることができる。
【0058】
図2Bに示すように、調整によってベースプレート27の軸線に対して据付プレート30の軸線が傾斜すると、座金45を含む遊嵌孔42の軸線A2に対して締結部材33の軸線も傾斜する。この場合、締結部材33による座金45の押圧が局部的になるため、座金45を押圧する力に偏りが生じる虞がある。そこで、本実施形態では、締結部材33を以下のように構成している。
【0059】
図4A及び
図4Bに示すように、締結部材33は、締結穴41に螺合されるスタットボルト50と、スタットボルト50に螺合されるナット51とを備える。また、本実施形態の締結部材33は、スタットボルト50が挿通され、座金45とナット51との間に配置される座金52を備える。
【0060】
スタットボルト50は、頭部を具備しないネジ軸のみからなる。
【0061】
ナット51は、軸方向の一端にフランジ部51a及び突出部51bを備える球面座金付きナットである。フランジ部51aは、ナット51の軸線と直交する方向に突出している。突出部51bは、フランジ部51aから所定曲率の球面状に突出する球面凸部である。ナット51は、突出部51bが座金45側に位置するように座金52を介して回転体47上に配置され、座金45及び据付プレート30をベースプレート27との間に挟み込む。
【0062】
座金52は、回転体47に当接する平坦な第1面52aと、突出部51bに当接する湾曲した第2面52bとを備える。第2面52bは、突出部51bと同一曲率で下向きに窪み、突出部51b(球面凸部)を相補する球面凹部である。なお、座金52を配置することなく、回転体47の上面(挿通孔47aの周囲)に球面凹部からなる第2面52bを形成してもよい。
【0063】
基準線Lに対して軸線A1が傾斜した締結穴41に螺合したスタットボルト50は、位置調整した据付プレート30の遊嵌孔42の軸線A2に対して傾斜する。頭部を一体に備える汎用ボルト、又は突出部51bを具備しない汎用ナットを用いた場合、頭部又はナットが回転体47の上面に対して傾斜し、これらの当接部分が局部的になるため、座金45を押圧する力に偏りが生じる。これに対して本実施形態では、突出部51bが第2面52bに面接触するため、スタットボルト50が傾斜していても、第1面52aが面接触した回転体47に偏りなく締結力を加えることができる。よって、ベースプレート27に対して据付プレート30を移動不可能に締結できる。
【0064】
なお、本発明のポンプ10及び座金45は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0065】
例えば、座金45は、
図10から
図13に示す変形例のようにしてもよい。
【0066】
具体的には、
図10に示すように、座金本体46の連通孔46aは、遊嵌孔42の中心(中心点O
1)から遊嵌孔42の内周までの締結部材33の移動を許容する長さの長溝としてもよい。連通孔46aの溝幅は、スタットボルト50を挿通可能な寸法である。連通孔46aの一端は座金本体46の中心に位置し、連通孔46aの他端は遊嵌孔42の内周面近傍に位置する。
【0067】
図11に示すように、回転体47の挿通孔47aは、回転体47の中心(中心点O
2)を通り、回転体47の径方向に延びる長溝としてもよい。挿通孔47aの溝幅は、スタットボルト50を挿通可能な寸法である。なお、
図11の変形例では、座金本体46の連通孔46aも長溝によって構成しているが、連通孔46aは
図5に示すように円形状の孔によって構成してもよい。
【0068】
図12に示すように、連通孔46a及び挿通孔47aを長溝によって構成する場合、連通孔46aと挿通孔47aは、遊嵌孔42の径方向の対向部分にかけて径方向に延びる長さに設けてもよい。
【0069】
図13に示すように、座金本体46に保持部46bを設けずに、回転体47を座金本体46の上面に直接配置してもよい。
【0070】
座金本体46に保持部46bを設ける場合、
図14に示すように、回転体47の外周に中心に向けて径方向に窪むガイド溝47bを設けるとともに、座金本体46の外周にガイド溝47bに嵌まるガイドピン48を貫通させて配置してもよい。
【0071】
図14に示すように、据付プレート30には、座金本体46を回転可能に保持する保持部43を設けてもよい。具体的には、保持部43は、円形状に形成された凹部からなり、その円形状の底面に遊嵌孔42が同心円状に設けられている。保持部43の内径は遊嵌孔42の内径よりも大きい。保持部43の軸方向の深さは、座金本体46の軸方向の厚みよりも浅くしているが、座金本体46の軸方向の厚みと同一にしてもよいし、座金本体46の軸方向の厚みよりも深くしてもよい。
【0072】
図15に示すように、座金本体46の上面及び回転体47の上面には、これらの回転角度位置の方向を示す印(矢印)46c,47cを設けてもよい。このようにすれば、作業者は、印46c,47cを見ることで、座金本体46と回転体47が変位(回転)した量、方向、及び位置を判断できる。よって、複数の座金45を調整する際の作業性を向上できる。
【0073】
ポンプ10及びポンプ設備は、ポンプ床2とモータ床3を備える二床式に限られず、ポンプ床2のみを備える一床式であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…吸水槽
2…ポンプ床(据付床)
2a…取付孔
3…モータ床
3a…貫通孔
10…立軸ポンプ
12…ポンプケーシング
13…揚水管
14…吐出管
15…フランジ部
16…モータ台
16a…支持プレート
18…回転軸
19…軸封装置
21…羽根車
25…取付機構
27…ベースプレート
27a…第1摺接部
27b…凹溝
27c…環状枠
27d…ボルト孔
28…シール部材
30…据付プレート
30a…第2摺接部
30b…ボルト孔
31…表面層
33…締結部材
35…横移動部材
37…縦移動部材
39…支持部材
41…締結穴
42…遊嵌孔
43…保持部
45…座金
46…座金本体(第1部材)
46a…連通孔
46b…保持部
46c…印
47…回転体(第2部材)
47a…挿通孔
47b…ガイド溝
47c…印
48…ガイドピン
50…スタットボルト
51…ナット
51a…フランジ部
51b…突出部
52…座金
52a…第1面
52b…第2面
L…基準線
A…揚水管の軸線
A1…締結穴の軸線
A2…遊嵌孔の軸線
O1…座金本体の中心点
O2…連通孔(回転体)の中心点
O3…挿通孔の中心点
r1…遊嵌孔の半径
r2…連通孔の半径
D1…中心点O1,O2の間隔
D2…中心点O2,O3の間隔
T1…中心点O1を中心とした挿通孔の回転軌跡
T2…中心点O2を中心とした挿通孔の回転軌跡