(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
F25D23/02 302
(21)【出願番号】P 2019134309
(22)【出願日】2019-07-22
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義康
(72)【発明者】
【氏名】高岡 光幸
(72)【発明者】
【氏名】原田 聴
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実公昭51-000221(JP,Y1)
【文献】特開2002-256779(JP,A)
【文献】実開平05-066494(JP,U)
【文献】特開2001-304750(JP,A)
【文献】実開昭52-144465(JP,U)
【文献】実開平05-066495(JP,U)
【文献】実開昭54-040096(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
F25D 23/08
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に貯蔵室を有し、前面側に開口部が設けられた断熱箱体と、
前記断熱箱体に対して前記開口部を開放する開放状態と前記開口部を閉鎖する閉鎖状態とにスライド可能に装着され、前記閉鎖状態のときに前記開口部に接触する閉鎖端部を有するスライド扉と、
前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との一方に対して固定され、弾性変形可能な樹脂製の受け部と、
前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との他方に対して固定され、前記受け部に当接して前記受け部を弾性変形させる樹脂製の当接部と、を備
え、
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の外周縁部に装着される樹脂製の枠体とを備え、
前記断熱箱体は、前記スライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する溝状の上レールを備え、
前記上レールは、前記スライド扉の上部を挟むように配される一対の対向面を備え、
前記枠体は、前記上レールに沿って配され、前記対向面に当接する突片を備え、
前記扉本体の上部に装着された前記枠体の上面には、前記スライドする方向に沿って水が流れる第1排水路が形成されている貯蔵庫。
【請求項2】
前記受け部には前記第1排水路を流れた水が落ちる第2排水路が形成されている
請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記第1排水路は、前記枠体の上面における前記突片側を切り欠いた形状とされている
請求項1または請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項4】
前後に配された複数の前記スライド扉を備え、
前記断熱箱体は、前記複数のスライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する上レールを備え、
前記上レールは、前記複数のスライド扉の上方側の空間を前後に仕切る仕切り壁を備え、
前記仕切り壁は、内部に空間が形成された断熱部を有する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項5】
内部に貯蔵室を有し、前面側に開口部が設けられた断熱箱体と、
前記断熱箱体に対して前記開口部を開放する開放状態と前記開口部を閉鎖する閉鎖状態とにスライド可能に装着され、前記閉鎖状態のときに前記開口部に接触する閉鎖端部を有するスライド扉と、
前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との一方に対して固定され、弾性変形可能な樹脂製の受け部と、
前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との他方に対して固定され、前記受け部に当接して前記受け部を弾性変形させる樹脂製の当接部と、
前後に配された複数の前記スライド扉と、を備え、
前記断熱箱体は、前記複数のスライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する上レールを備え、
前記上レールは、前記複数のスライド扉の上方側の空間を前後に仕切る仕切り壁を備え、
前記仕切り壁は、内部に空間が形成された断熱部を有する貯蔵庫。
【請求項6】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の外周縁部に装着される樹脂製の枠体とを備え、
前記断熱箱体は、前記スライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する溝状の上レールを備え、
前記上レールは、前記スライド扉の上部を挟むように配される一対の対向面を備え、
前記枠体は、前記上レールに沿って配され、前記対向面に当接する突片を備える
請求項5に記載の貯蔵庫。
【請求項7】
前記当接部は、突出する形状とされ、
前記受け部は、前記当接部の両側に弾性接触可能な一対の弾性接触片を備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項8】
前記受け部と前記当接部とのうちの少なくとも一方は、
ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、又はポリエチレン樹脂が用いられている
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項9】
前記断熱箱体は、底面部と、前記底面部から上方に突出し、前記スライド扉がスライドする方向に沿って延びる突条と、を有する下レールを備え、
前記スライド扉は、前記突条に回転可能に乗せられる複数のローラを備え、
前記突条の上面は、前記開放状態の前記スライド扉における前記複数のローラが乗る位置が前記閉鎖状態の前記スライド扉における前記複数のローラが乗る位置よりも高くされている
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項10】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の下部に装着される樹脂製の下枠部とを備え、
前記下枠部は、下方に延びて前記ローラを覆い、前記スライド扉が前記閉鎖状態となる位置で前記底面部に当接し、前記スライド扉が前記開放状態となる位置では、前記底面部に当接しないカバー部を備える
請求項9に記載の貯蔵庫。
【請求項11】
前記一対のカバー部間の間隔は、前記底面部側に向けて大きくされている
請求項10に記載の貯蔵庫。
【請求項12】
前記受け部は、硬質の樹脂からなる硬質樹脂部と、
軟質の樹脂からなる軟質樹脂部と、を備え、
前記軟質樹脂部が前記当接部と弾性接触する
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項13】
前記軟質樹脂部は、中空の中空部を備える
請求項12に記載の貯蔵庫。
【請求項14】
前記受け部は、被係止部を有する基部と、
前記被係止部に係止する係止部を有し、前記当接部に弾性接触する弾性部材と、を備える
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項15】
前記受け部は、内部に空間を有し、前記当接部に当接して弾性変形する袋状である請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項16】
前記受け部は、前記当接部に弾性接触する複数の弾性接触片を備え、前記複数の弾性接触片は、前記スライド扉がスライドする方向に沿って並んで配されている請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項17】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の外周縁部に装着される樹脂製の枠体とを備え、
前記当接部は、前記枠体に設けられ、前記受け部は、前記断熱箱体に交換可能に設けられている請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【請求項18】
前記断熱箱体は、前記スライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する溝状の上レールと、
ヒータが固定されるヒータ固定部材と、を備え、
前記上レールの内面には、収容凹部が形成され、
前記ヒータ固定部材が前記上レールに取り付けられた状態では前記ヒータが前記収容凹部に収容される請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載された技術は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や飲料品等を、温蔵、冷蔵もしくは冷凍状態で収納可能な貯蔵庫が知られている。この種の貯蔵庫として、下記特許文献1には、板状ガラスの周縁を枠体で保持した前後2枚のスライド扉がケース本体の前面開口部に開閉可能に装着されたショーケースが記載されている。このショーケースのスライド扉における枠体には、マグネットパッキンが装着されている。マグネットパッキンがケース本体の前面開口部の磁性金属板に吸着されることで貯蔵室内が密閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、マグネットパッキンが磁性金属板に吸着されることで、貯蔵室内が密閉されて断熱される構成とされているが、マグネットや磁性金属板は熱伝導率が比較的高いため、貯蔵室内の熱がマグネットや磁性金属板を介して放熱(放冷)されることによるエネルギーロスが懸念される。
【0005】
上記事情に鑑み、本明細書では、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制しつつ、貯蔵室内の熱の外部への放散を抑制することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された貯蔵庫は、内部に貯蔵室を有し、前面側に開口部が設けられた断熱箱体と、前記断熱箱体に対して前記開口部を開放する開放状態と前記開口部を閉鎖する閉鎖状態とにスライド可能に装着され、前記閉鎖状態のときに前記開口部に接触する閉鎖端部を有するスライド扉と、前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との一方に対して固定され、弾性変形可能な樹脂製の受け部と、前記スライド扉における前記閉鎖端部と前記断熱箱体のうち前記閉鎖端部に対向する部分との他方に対して固定され、前記受け部に当接して前記受け部を弾性変形させる樹脂製の当接部と、を備える、貯蔵庫。
上記構成によれば、受け部と当接部とは共に、一般に熱伝導率の低い樹脂製であるため、貯蔵室内の熱の外部への放散が抑制され、エネルギーロスを低減することができる。また、スライド扉が断熱箱体の開口部を閉鎖した状態では、当接部が受け部に当接して受け部を弾性変形させることにより、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制することができる。よって、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制しつつ、貯蔵室内の熱の外部への放散を抑制することが可能となる。
また、受け部と当接部とは共に樹脂製であるため、金属や磁石を用いる構成と比較して部品点数を少なくして組立工数を低減することが可能になり、製造コストを低減することができる。
【0007】
本明細書に記載された技術の実施態様として以下の態様が好ましい。
前記当接部は、突出する形状とされ、前記受け部は、前記当接部の両側に弾性接触可能な一対の弾性接触片を備える。
このようにすれば、受け部の一対の弾性接触片が当接部の両側に弾性接触するため、当接部と受け部との間の隙間が少なくなり、より一層、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制することができる。
【0008】
前記受け部と前記当接部とのうちの少なくとも一方は、摺動性が高い樹脂が用いられている。
このようにすれば、受け部と当接部との摺動性が高められることで受け部と当接部との摩擦による劣化を低減することができる。これにより、受け部や当接部の耐久性を向上させることが可能になり、受け部の劣化による交換を低減することが可能になる。また、スライド扉を開閉する際における受け部と当接部との摩擦が低減されるため、スライド扉を開閉する際の操作性を向上させることが可能になる。
【0009】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の外周縁部に装着される樹脂製の枠体とを備え、前記断熱箱体は、前記スライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する溝状の上レールを備え、前記上レールは、前記スライド扉の上部を挟むように配される一対の対向面を備え、前記枠体は、前記上レールに沿って配され、前記対向面に当接する突片を備える。
このようにすれば、突片が上レールの対向面に当接することにより、上レールとスライド扉との間の隙間の空気の流通を抑制することができる。また、例えばスライド扉がスライドする際にスライド扉の位置を上下させれば、突片が結露水を集めるように上下し、対向面に付着した結露水を除去することが可能になる。
【0010】
前記扉本体の上部に装着された前記枠体の上面には、前記スライドする方向に沿って水が流れる第1排水路が形成されている。
このようにすれば、第1排水路に落ちた結露水が第1排水路を流れることにより排水することができる。
【0011】
前記受け部には前記第1排水路を流れた水が落ちる第2排水路が形成されている。
このようにすれば、第1排水路の排水を第2排水路により外部に排水することが可能になる。また、第2排水路の排水を利用して受け部の汚れを清掃することが可能になる。
【0012】
前記第1排水路は、前記枠体の上面における前記突片側を切り欠いた形状とされている。
このようにすれば、突片を伝う結露水を第1排水路に導き、排水することができる。
【0013】
前記断熱箱体は、底面部と、前記底面部から上方に突出し、前記スライド扉がスライドする方向に沿って延びる突条と、を有する下レールを備え、前記スライド扉は、前記突条に回転可能に乗せられる複数のローラを備え、前記突条の上面は、前記開放状態の前記スライド扉における前記複数のローラが乗る位置が前記閉鎖状態の前記スライド扉における前記複数のローラが乗る位置よりも高くされている。
このようにすれば、スライド扉について、閉鎖状態でリフトダウンし、開放状態でリフトアップすることができるため、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制しつつ、スライド扉の開閉作業を容易に行うことができる。
【0014】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の下部に装着される樹脂製の下枠部とを備え、前記下枠部は、下方に延びて前記ローラを覆い、前記スライド扉が前記閉鎖状態となる位置で前記底面部に当接し、前記スライド扉が前記開放状態となる位置では、前記底面部に当接しないカバー部を備える。
このようにすれば、スライド扉が閉鎖状態では、カバー部により空気の流通を抑制できるとともに、スライド扉が閉鎖状態から開放状態となる位置にスライドすると、スライド扉の位置が高くなってカバー部が底面部に当接しないため、スライド扉の開閉作業を容易に行うことができる。よって、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制しつつ、スライド扉の開閉作業を容易に行うことができる。
【0015】
前記一対のカバー部間の間隔は、前記底面部側に向けて大きくされている。
このようにすれば、スライド扉が閉鎖状態では、底面部に対する一対のカバー部の密着度を高めることができるため、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制することができる。
【0016】
前記受け部は、硬質の樹脂からなる硬質樹脂部と、軟質の樹脂からなる軟質樹脂部と、を備え、前記軟質樹脂部が前記当接部と弾性接触する。
このようにすれば、軟質樹脂部により受け部の形状の自由度を高めることができる。
【0017】
前記軟質樹脂部は、中空の中空部を備える。
このようにすれば、軟質樹脂部のクッション性を高めることができる。
【0018】
前記受け部は、被係止部を有する基部と、前記被係止部に係止する係止部を有し、前記当接部に弾性接触する弾性部材と、を備える。
このようにすれば、弾性部材の交換や清掃を容易に行うことができる。
【0019】
前後に配された複数の前記スライド扉を備え、前記断熱箱体は、前記複数のスライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する上レールを備え、前記上レールは、前記複数のスライド扉の上方側の空間を前後に仕切る仕切り壁を備え、前記仕切り壁は、内部に空間が形成された断熱部を有する。
【0020】
上レール内の前後の空間には、冷気と暖気とがそれぞれ流入するが、上記構成によれば、断熱部により上レール内の前後の空間の熱伝達が抑制されるため、結露を抑制することができる。また、上レール内の前方側の空間や後方側の空間が小さくなることで上レール内の空間の対流が抑制されるため、結露を抑制することができる。さらに、断熱部により上レールの強度を高めることができる。
【0021】
前記受け部は、内部に空間を有し、前記当接部に当接して弾性変形する袋状である。
このようにすれば、当接部に対して受け部を容易に面接触させて密着性を向上させることが可能になるため、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制することができる。また、スライド扉が開放状態では、受け部が弾性復元することで受け部の劣化を抑制することができ、受け部の耐久性を向上させることが可能になる。
【0022】
前記受け部は、前記当接部に弾性接触する複数の弾性接触片を備え、前記複数の弾性接触片は、前記スライド扉がスライドする方向に沿って並んで配されている。
このようにすれば、例えば、貯蔵庫内に重量物が多く収容され、断熱箱体が撓んでスライド扉が傾いた場合であっても複数の弾性接触片の少なくとも一方が当接部に弾性接触することで貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制することができる。
【0023】
前記スライド扉は、扉本体と、前記扉本体の外周縁部に装着される樹脂製の枠体とを備え、前記当接部は、前記枠体に設けられ、前記受け部は、前記断熱箱体に交換可能に設けられている。
このようにすれば、例えば、受け部をスライド扉に設ける構成と比較して、受け部が劣化した際の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることが可能になる。
【0024】
前記断熱箱体は、前記スライド扉の上部が挿通されて前記スライド扉のスライドを案内する溝状の上レールと、ヒータが固定されるヒータ固定部材と、を備え、前記上レールの内面には、収容凹部が形成され、前記ヒータ固定部材が前記上レールに取り付けられた状態では前記ヒータが前記収容凹部に収容される。
このようにすれば、上レールに取り付けられたヒータによる凹凸が少なくなり、ヒータの破損を抑制することができる。また、ヒータの後付けを容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本明細書に記載された技術によれば、貯蔵庫の外部と貯蔵室内との空気の流通を抑制しつつ、貯蔵室内の熱の外部への放散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図5】スライド扉が閉鎖状態で上レールに左側のスライド扉の上端部が挿通された状態を示す断面図
【
図6】スライド扉が閉鎖状態で上レールに右側のスライド扉の上端部が挿通された状態を示す断面図
【
図7】スライド扉が開放状態で上レールに右側のスライド扉の上端部が挿通された状態を示す断面図
【
図8】第1排水路から第2排水路への水の流れを説明する斜視図
【
図9】スライド扉が閉鎖状態で下レールの突条にローラが乗った状態を示す断面図
【
図11】スライド扉が開放状態で下レールの突条にローラが乗った状態を示す断面図
【
図13】スライド扉が閉鎖状態で閉鎖端部に固定された受け部が当接部に当接した状態を示す断面図
【
図14】実施形態2のスライド扉が閉鎖状態で下レールの突条にローラが乗った状態を示す断面図
【
図15】スライド扉が開放状態で下レールの突条にローラが乗った状態を示す断面図
【
図16】実施形態3のスライド扉が閉鎖状態で閉鎖端部に固定された受け部が当接部に当接した状態を示す断面図
【
図21】実施形態4の閉鎖端部に固定された受け部を示す断面図
【
図22】受け部の弾性接触片と基部とが分離された状態を示す断面図。
【
図23】実施形態5の閉鎖端部に固定された受け部及び受け部に当接する当接部を示す断面図
【
図24】実施形態6の閉鎖端部に固定された受け部及び受け部に当接する当接部を示す断面図
【
図25】実施形態7の閉鎖端部に固定された当接部及び当接部に当接する受け部を示す断面図
【
図26】実施形態8の閉鎖端部に固定された当接部及び当接部に当接する受け部を示す断面図
【
図27】実施形態9の上レールにヒータ固定部材が取付けられた状態を示す断面図
【
図28】上レールとヒータ固定部材とが分離された状態を示す断面図
【
図30】冷媒配管、ファンモータ配線及びサーミスタ配線の全体を結束バンドで結束した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態1>
実施形態1について、
図1~
図13を参照しつつ説明する。以下では、貯蔵庫の一例であるショーケース10について、
図2のX方向を前方、
図1のY方向を左方、Z方向を上方として説明する。
ショーケース10は、
図1,
図2に示すように、食料品や飲料品等の収納物を冷蔵状態で収納して陳列するものであり、全体的には、縦長の直方体状とされている。ショーケース10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の前面にスライド可能に配されたスライド扉60A,60Bとを備える。断熱箱体11は、外部に対して断熱性を有し、前面にスライド扉60A,60Bで閉鎖可能な開口部30を有し、開口部30の奥側に収納物を収納可能な貯蔵室13を備える。
【0028】
断熱箱体11は、共にステンレス等の熱良導性金属板が箱状に組み立てられた外箱と内箱との間に、発泡ウレタン等の発泡樹脂からなる断熱材が発泡充填された構造である。貯蔵室13は、断熱箱体11の内部の大部分を占める箱状であって、ステンレス等の金属からなり、貯蔵室13を区画する天井板29(
図4)や底板等の壁面を有する。貯蔵室13の内部には、複数の棚柱に差し渡される形で支持された棚88が、上下方向に複数個並ぶように設けられている。
【0029】
断熱箱体11の下方側は、
図1に示すように、圧縮機17Aや空冷式の凝縮器17B等の冷凍装置17が収容される機械室15とされ、機械室15の下面の四隅には、床面に載置される複数の脚部16を備えている。また、機械室15内には、電装箱19等が設置されている。断熱箱体11の上方側は、
図4に示すように、冷却器21が収容された冷却器室20が配されている。冷却器21と冷凍装置17とは、上下に延びる冷凍配管28により循環接続されることで、周知の冷凍回路が構成される。冷却器室20と貯蔵室13の間には、エアダクト23や庫内ファン24が配されている。
【0030】
冷却運転は、冷凍装置17(圧縮機17A)と庫内ファン24が駆動されることで行われ、貯蔵室13内の空気が吸込口25から冷却器室20内に吸い込まれ、冷却器21を通過する間に熱交換により冷気が生成される。この冷気が吹出口26から貯蔵室13内に吹き出されることができることで循環流を生じて貯蔵室13内が冷却される。
【0031】
また適宜行われる除霜運転の際に、冷却器21等からの除霜水は、エアダクト23(ドレンパン)で受けられたのち、排水管、ドレンホース等を通って蒸発皿に貯留され、蒸発皿に配した加熱手段等により強制的に蒸発される。
【0032】
図1に示すように、断熱箱体11における前方に開口する開口部30は、スライド扉60A,60Bの上側に配されて左右方向に延びる上レール32と、スライド扉60A,60Bの下側に配されて左右方向に延びる下レール42と、スライド扉60A,60Bの左方側に配されて上下方向に延び、スライド扉60A,60Bの左方向の移動を留める左留め枠47Aと、スライド扉60A,60Bの右方側に配されて上下方向に延び、スライド扉60A,60Bの右方向の移動を留める右留め枠47Bとを備え、これらが矩形枠状に連なっている。
【0033】
上レール32及び下レール42は、合成樹脂製とされ、断熱箱体11の左右方向の全長に亘って延びている。上レール32は、
図5,
図6に示すように、平板状の天板部33と、天板部33の前端部及び後端部のそれぞれから下方に延びる平板状の隔壁34と、天板部33における前後方向の中間部から下方に延び、前後の隔壁34間を仕切る板状の仕切り壁37と、を備える。
【0034】
天板部33、前後の隔壁34及び仕切り壁37は、上レール32の左右方向の全長に亘って延びている。前方側の隔壁34の後面(仕切り壁37側の面)は、複数のリブ35が突出している。複数のリブ35は、上下方向に間隔を空けて配され、隔壁34における左右方向の全長に亘って水平に延びている。
【0035】
仕切り壁37の上下方向の長さは隔壁34よりも短くされることで、仕切り壁37の下端部の位置が隔壁34よりも高くなっている。仕切り壁37の上部には、内部に空間S1を有する断熱部38が設けられている。断熱部38は、仕切り壁37における左右方向の全長にわたって延びており、天板部33と一対の傾斜壁39との間に逆三角形状の空間S1を形成している。仕切り壁37の下端部には、厚み寸法が大きくされた厚肉部40が仕切り壁37の全長に亘って形成されている。厚肉部40の前後の端部は、円弧状に丸みを帯びている。厚肉部40は、スライド扉60A,60Bの後述する突片69が当接可能とされている。隔壁34と仕切り壁37との間の間隔は厚肉部40とリブ35との突出寸法分だけ狭くされ、スライド扉60A,60Bの上端部における前後方向の移動範囲が小さくされている。上レール32の天板部33と、スライド扉60A,60Bの上端部との間には、隙間S2が形成されている。この隙間S2の範囲でスライド扉60A,60Bの上下方向の移動が可能とされている。
【0036】
下レール42は、
図10に示すように、平板状の底面部43と、底面部43から上方に起立する複数(本実施形態では3つ)の板状の起立壁44と、隣り合う起立壁44間の中間部に配され、底面部43から上方に突出する突条45と、を備える。底面部43、起立壁44及び突条45は、下レール42の左右方向の全長に亘って延びている。複数の起立壁44は、共に同じ高さ寸法とされ、下レール42の左右方向の全長に亘って所定の高さで延びている。隣り合う起立壁44間の寸法は、スライド扉60A,60Bの厚み寸法よりも大きくされている。突条45は、起立壁44よりも高さ寸法が小さく、下レール42の左右方向の全長に亘って延びている。
図9,
図11に示すように、突条45の上面の位置(突条45の底面部43からの突出寸法)は、スライド扉60A,60Bが開放状態のときにローラ85が乗る部分(
図11)は、所定の高さの平坦部45Bとされているが、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態のときにローラ85が乗る部分(
図9)は、高さが低くされた低突部45Aとされている。低突部45Aは、一対のローラ85のそれぞれに対応する位置に設けられている。平坦部45Bと低突部45Aとの間は、傾斜状に高さ寸法が変化する傾斜面45Cが形成されている。
【0037】
右留め枠47B及び左留め枠47Aは、共に合成樹脂製で、
図13(
図13では、右留め枠47Bを示し、左留め枠47Aは省略)に示すように、上下方向に延びる平板状の側面部48と、側面部48から内方に突出する複数(本実施形態では3つ)の仕切り板49と、複数の仕切り板49の間で側面部48から内方に突出する当接部51と、を備える。
【0038】
側面部48、仕切り板49及び当接部51は、右留め枠47B(及び左留め枠47A)における上下方向の全長に亘って延びている。隣り合う仕切り板49間は、スライド扉60A,60Bの閉鎖端部62が挿通される挿通溝50とされ、この挿通溝50は、平坦な溝底50Aと、溝底50Aから起立する溝壁50Bとを有する。挿通溝50の一対の溝壁50B間は、スライド扉60A,60Bの厚み寸法よりも大きい間隔を有する。
【0039】
当接部51は、スライド扉60A,60Bがスライドして閉鎖状態となったときにスライド扉60A,60Bの閉鎖端部62に当接するものであり、挿通溝50の溝底50Aから平板状に突出している。右留め枠47Bは、前方側(一方側)の挿通溝50の溝底50Aから当接部51が突出し、左留め枠47Aは、後方側(他方側)の挿通溝50の溝底50Aから当接部51が突出している。左留め枠47A及び右留め枠47Bのうち、少なくとも当接部51(または左留め枠47A及び右留め枠47Bの全部)については、低摩擦係数・低摩耗性の樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、フッ素樹脂(PTFE)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂を用いることができる。
【0040】
一対のスライド扉60A,60Bは、
図1,
図2に示すように、長方形の板状であって、断熱箱体11の前面側における上レール32と下レール42との間に引き違い形式で配される。左側のスライド扉60Aは、左留め枠47Aに当接する位置まで移動すると閉鎖状態となり、右側のスライド扉60Bは、右留め枠47Bに当接する位置まで移動すると閉鎖状態となる。
【0041】
各スライド扉60A,60Bは、共に、
図9に示すように、透明な扉本体61と、扉本体61の外周縁部に装着される枠体63と、枠体63の下部に固定される戸車84と、を備える。扉本体61は、ガラスやアクリル系樹脂等から形成された長方形状の透明板であって、利用者が透明な扉本体61から貯蔵室13内の状態を視認可能とされている。
【0042】
枠体63は、扉本体61に応じた長方形の枠状であって、内周には、
図5,
図13に示すように、扉本体61の外周縁部が嵌め入れられて固定される嵌入溝63Aと、枠体63の固定用のネジ31,83の軸部が挿通されるネジ穴63B,63Dとが設けられている。枠体63は、
図2,
図4に示すように、扉本体61の上端部に装着される上枠部64と、扉本体61の下端部に装着される下枠部71と、扉本体61の左端部に装着される左枠部75A,87Aと、扉本体61の右端部に装着される右枠部75B,87Bと、を備える。
【0043】
上枠部64は、
図5に示すように、扉本体61の上端に対して左右方向の全長に亘って所定の厚みで重ねられる上枠本体65と、扉本体61の上端に対して上枠本体65よりも小さい厚み寸法で左右方向の全長に亘って重ねられる切欠部66と、を備える。上枠本体65と切欠部66との間は、段差状の段差部67が形成されている。切欠部66の角部(端縁)は、斜め上方に延びる突片69が形成されている。突片69は、切欠部66における仕切り壁37側の角部に設けられている。突片69は、上枠部64における左右方向の全長に亘って設けられており、先端側の厚み寸法が小さくなる先細の形状とされている。スライド扉60A,60Bの上端部が上レール32の隔壁34と仕切り壁37との間に挿通された状態では、突片69の先端部が仕切り壁37における上枠部64に対向する対向面37A(または隔壁34の対向面34A)に当接して弾性変形可能とされている。突片69と段差部67との間の切欠部66は、左右方向に水が流れる第1排水路68とされている。
【0044】
下枠部71は、
図10に示すように、扉本体61に固定される下枠本体72と、下枠本体72の前後の端部から下方に延びる一対のカバー部73と、を備える。下枠本体72は、戸車84が嵌め入れられて固定される固定溝72Aが形成されている。一対のカバー部73は、戸車84の両側に配され、下枠部71における左右方向の全長に亘って設けられている。各カバー部73は、先端側(下端側)の厚さ寸法が小さくされて撓み変形可能とされている。一対のカバー部73は、スライド扉60Bを閉鎖状態とした際には、各カバー部73の先端が下レール42の底面部43の上面に当接し、スライド扉60Bを開放状態とした際には、
図12に示すように、突条45によりスライド扉60Bが上方に移動するため、各カバー部73の先端部が下レール42の底面部43に当接しない。
【0045】
左側のスライド扉60Aの左枠部75A(閉鎖端部)及び右側のスライド扉60Bの右枠部75B(閉鎖端部)は、
図13に示すように、スライド扉60Bを閉鎖状態とした際に当接部51を受ける受け部80と、上枠部64(及び下枠部71)に対して締結部材としてのネジ83で締結するための締結部63Cと、を備える。締結部63Cは、ネジ83の軸部が挿通されるネジ穴63Bを有し、上枠部64(及び下枠部71)の図示しないネジ穴に挿通したネジ83の軸部をネジ穴63Bにネジ留めすることにより、上枠部64、下枠部71、左枠部75A及び右枠部75Bを相対的に位置決めして扉本体61に固定することができる。
【0046】
受け部80は、溝状の溝部76と、一対の弾性接触片81とを備える。溝部76は、左枠部75A及び右枠部75Bの上下方向の全長に亘って延びており、平坦な溝底部77と、溝底部77における前後の端部から起立する一対の溝壁部78とを有する。溝部76の内部は、上枠部64をから落ちた水滴が流れる第2排水路79とされている。一対の弾性接触片81は、一対の溝壁部78の先端部から内方に突出している。各弾性接触片81は、先端側の厚み寸法が小さくなる形状であって、弾性変形してない自然状態の一対の弾性接触片81Aは、一対の弾性接触片81A間の寸法が当接部51の前後方向の厚みよりも小さくされている。左枠部75A及び右枠部75Bの材質は、少なくとも当接部51と接触する一対の弾性接触片81(または左枠部75A及び右枠部75Bの全部)については、硬質で摺動性が高い樹脂を用いることが好ましい。硬質で摺動性が高い樹脂は、低摩擦係数・低摩耗性の樹脂とすることができ、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、フッ素樹脂(PTFE)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂を用いることができる。
【0047】
一方のスライド扉60Aを閉鎖状態とした際には、左枠部75Aが断熱箱体11の左留め枠47Aに当接し、他方のスライド扉60Bを閉鎖状態とした際には、右枠部75Bが断熱箱体11の右留め枠47Bに当接する。このとき、当接部51は、一対の弾性接触片81を弾性変形させつつ、一対の弾性接触片81の内側に進入し、一対の弾性接触片81と当接部51とが上下方向の全長に亘って密着した状態となる。
【0048】
スライド扉60A,60Bの前面には、利用者の手が掛けられる取手部82が設けられている。スライド扉60A,60Bが閉鎖状態では、両スライド扉60A,60Bの中央部側は、互いに前後に重なっている。
なお、閉鎖状態とはならない左側のスライド扉60Aの右枠部87B(
図2)及び右側のスライド扉60Bの左枠部87A(
図2)は、合成樹脂製であり、所定の範囲でスライド移動可能とされているが、当接部51に当接しないため、受け部80は設けられていない。
【0049】
図10に示すように、戸車84は、スライド扉60A,60Bの下端部に設けられており、ローラ85と、ローラ85を回転自在な状態で軸支する軸支部86とを備えている。ローラ85が下レール42の突条45に乗せられることにより、各スライド扉60A,60Bは、左右方向にスライド移動可能とされている。
【0050】
次に、結露水の排水について説明する。
冷却運転が行われることによって貯蔵室13内が冷却されるが、このとき外気温と庫内温度との差や外湿度等の条件により、上レール32の内部における仕切り壁37の前方の空間と、仕切り壁37の後方の空間との間に温度差が生じるため、
図7に示すように、仕切り壁37の前後の対向面37Aに結露D1が生じる。スライド扉60A,60Bについて、開放状態と閉鎖状態との間でスライドすると、突条45の上面形状によりスライド扉60A,60Bが上下に移動し、突片69が上下することで結露D1を対向面37Aから除去する。除去された結露D1の水滴は、対向面37Aに当接する突片69の上面を伝って上枠部64の第1排水路68に落ち、第1排水路68を流れ、第1排水路68における左右方向の端部側に移動する。第1排水路68の端部に移動した水は、第1排水路68に連なる上枠部64の平坦面から右枠部75Bまたは左枠部75Aの第2排水路79に流れる(
図8の一点鎖線の経路)。そして、結露D1は、第2排水路79を伝って下方に流れた後、排水または加熱蒸発される。
【0051】
本実施形態の作用、効果について説明する。
ショーケース10(貯蔵庫)は、内部に貯蔵室13を有し、前面側に開口部30が設けられた断熱箱体11と、断熱箱体11に対して開口部30を開放する開放状態と開口部30を閉鎖する閉鎖状態とにスライド可能に装着され、閉鎖状態のときに開口部30(の左留め枠47A又は右留め枠47B)に接触する閉鎖端部62を有するスライド扉60A,60Bと、スライド扉60A,60Bにおける閉鎖端部62(と断熱箱体11のうち閉鎖端部62に対向する部分との一方)に対して固定され、弾性変形可能な樹脂製の受け部80と、断熱箱体11(スライド扉60A,60Bにおける閉鎖端部62と断熱箱体11のうち閉鎖端部62に対向する部分との他方)に対して固定され、受け部80に当接して受け部80を弾性変形させる樹脂製の当接部51と、を備える。
【0052】
本実施形態によれば、受け部80と当接部51とは共に、一般に熱伝導率の低い樹脂製であるため、貯蔵室13内の熱について、受け部80と当接部51とによって熱伝達されることによる外部への放散が抑制され、エネルギーロスを低減することができる。また、スライド扉60A,60Bが断熱箱体11の開口部30を閉鎖した状態では、当接部51が受け部80に当接して受け部80を弾性変形させることにより、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制することができる。よって、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制しつつ、貯蔵室13内の熱の外部への放散を抑制することが可能となる。
また、受け部80と当接部51とは共に樹脂製であるため、金属や磁石を用いる構成と比較して部品点数を少なくして組立工数を低減することが可能になり、製造コストを低減することができる。
【0053】
また、当接部51は、突出する形状とされ、受け部80は、当接部51の両側に弾性接触可能な一対の弾性接触片81を備える。
このようにすれば、受け部80の一対の弾性接触片81が当接部51の両側に弾性接触するため、当接部51と受け部80との間の隙間が少なくなり、より一層、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制することができる。
【0054】
また、受け部80と当接部51とのうちの少なくとも一方は、硬質で摺動性が高い樹脂が用いられている。
このようにすれば、受け部80と当接部51との摺動性が高められることで受け部80と当接部51との摩擦による劣化を低減することができ、受け部80や当接部51の耐久性を向上させることが可能になり、受け部80の劣化による交換を低減することが可能になる。また、スライド扉60A,60Bを開閉する際における受け部80と当接部51との摩擦が低減されるため、スライド扉60A,60Bを開閉する際の操作性を向上させることが可能になる。
【0055】
また、スライド扉60A,60Bは、扉本体61と、扉本体61の外周縁部に装着される樹脂製の枠体63とを備え、断熱箱体11は、スライド扉60A,60Bの上部が挿通されてスライド扉60A,60Bのスライドを案内する溝状の上レール32を備え、上レール32は、スライド扉60A,60Bの上部を挟むように配される一対の対向面34A,37Aを備え、枠体63は、上レール32に沿って配され、対向面37Aに当接する突片69を備える。
このようにすれば、突片69が上レール32の対向面37Aに当接することにより、上レール32とスライド扉60A,60Bとの間の隙間の空気の流通を抑制することができる。また、例えばスライド扉60A,60Bがスライドする際にスライド扉60A,60Bの位置を上下させれば、突片69が結露水を集めるように上下し、対向面37Aに付着した結露水を除去することが可能になる。
【0056】
また、扉本体61の上部に装着された枠体63の上面には、スライドする方向に沿って水が流れる第1排水路68が形成されている。
このようにすれば、第1排水路68に落ちた結露水が第1排水路68を流れることにより排水することができる。
【0057】
また、受け部80には第1排水路68を流れた水が落ちる第2排水路79が形成されている。
このようにすれば、第1排水路68の排水を第2排水路79により外部に排水することが可能になる。また、第2排水路79の排水を利用して受け部80の汚れを清掃することが可能になる。
【0058】
また、第1排水路68は、枠体63の上面における突片69側を切り欠いた形状とされている。
このようにすれば、突片69を伝う結露水を第1排水路68に導き、排水することができる。
【0059】
また、断熱箱体11は、底面部43と、底面部43から上方に突出し、スライド扉60A,60Bがスライドする方向に沿って延びる突条45と、を有する下レール42を備え、スライド扉60A,60Bは、突条45に回転可能に乗せられる複数のローラ85を備え、突条45の上面は、開放状態のスライド扉60A,60Bにおける複数のローラ85が乗る位置が閉鎖状態のスライド扉60A,60Bにおける複数のローラ85が乗る位置よりも高くされている。
このようにすれば、スライド扉60A,60Bについて、閉鎖状態でリフトダウンし、開放状態でリフトアップすることができるため、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制しつつ、スライド扉60A,60Bの開閉作業を容易に行うことができる。
【0060】
また、スライド扉60A,60Bは、扉本体61と、扉本体61の下部に装着される樹脂製の下枠部71とを備え、下枠部71は、下方に延びてローラ85を覆い、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態となる位置で底面部43に当接し、スライド扉60A,60Bが開放状態となる位置では、底面部43に当接しないカバー部73を備える。
このようにすれば、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態では、カバー部73により空気の流通を抑制できるとともに、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態から開放状態となる位置にスライドすると、スライド扉60A,60Bの位置が高くなってカバー部73が底面部43に当接しないため、スライド扉60A,60Bの開閉作業を容易に行うことができる。よって、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制しつつ、スライド扉60A,60Bの開閉作業を容易に行うことができる。
【0061】
また、前後に配された複数のスライド扉60A,60Bを備え、断熱箱体11は、複数のスライド扉60A,60Bの上部が挿通されてスライド扉60A,60Bのスライドを案内する上レール32を備え、上レール32は、複数のスライド扉60A,60Bの上方側の空間を前後に仕切る仕切り壁37を備え、仕切り壁37は、内部に空間S1が形成された断熱部38を有する。
上レール32内の前後の空間には、冷気と暖気とがそれぞれ流入するが、本実施形態によれば、断熱部38により上レール32内の前後の空間の熱伝達が抑制されるため、結露を抑制することができる。また、上レール32内の前方側の空間や後方側の空間が小さくなることで上レール32内の空間の対流が抑制されるため、結露を抑制することができる。さらに、断熱部38により上レール32の強度を高めることができる。
【0062】
<実施形態2>
実施形態2について、
図14,
図15を参照しつつ説明する。実施形態1では下枠部71のカバー部73は、直線状に延びていたが、実施形態2は、下枠部90のカバー部91の形状を曲げたものである。他の構成は、実施形態1と同一であるため、以下では実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
図14に示すように、下枠部90の下方に延びるカバー部91には、先端側が屈曲された曲げ部92が設けられている。曲げ部92の先端側は、カバー部91の基端側よりも厚み寸法が小さくされた一対の薄肉部93とされ、下端側に向けて一対の薄肉部93間の間隔が大きくされている。スライド扉60A,60Bが閉鎖状態にあると、一対の薄肉部93の先端部は、下レール42の底面に当接した状態となる。一方、スライド扉60A,60Bが開放状態にあると、
図15に示すように、ローラ85の位置における突条45の突出寸法が高くなることで、スライド扉60A,60Bが上方側に移動するため、一対の薄肉部93の先端部は、下レール42から離れた状態となる。
【0064】
本実施形態によれば、一対のカバー部91間の間隔は、底面部43側に向けて大きくされている。
このようにすれば、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態では、底面部43に対する一対のカバー部91の密着度を高めることができるため、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制することができる。
【0065】
<実施形態3>
実施形態3について、
図16~
図20を参照しつつ説明する。実施形態3は、スライド扉60A,60Bの受け部95について、硬度の異なる複数の部材で構成したものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
図16に示すように、スライド扉60A,60Bの右枠部75B(及び左枠部75A)の受け部95は、溝部76を有する硬質樹脂部95Bと、当接部51に当接する一対の弾性接触片81を有する軟質樹脂部95Aと、を有する。受け部95の硬質樹脂部95Bと軟質樹脂部95Aは、例えば二色成形により一体的に形成することができるが、これに限られず、硬質樹脂部95Bと軟質樹脂部95Aとを溶着や接着等により結合するようにしてもよい。硬質樹脂としては、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等を用いることができる。軟質樹脂としては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、硬度の低いPVC(ポリ塩化ビニル)等を用いることができる。
【0067】
ここで、変形例として、
図17に示すように、軟質樹脂部95Aにおける硬質樹脂部95B側の端部(軟質樹脂部95Aにおける右留め枠47Bや左留め枠47Aの側面部48に当接する端部)には、内部に長方形状の空間が形成された中空部96が設けられているようにしてもよい。中空部96は、例えば軟質樹脂部95Aにおける上下方向の全長に亘って設けられている。また、変形例として、
図18に示すように、中空部96の内部に、前後方向に延びる薄肉のシート状の樹脂からなる連結部96Aを設けて弾力性を高めるようにしてもよい。また、変形例として、
図19に示すように、左右方向に延びる湾曲した樹脂からなる連結部96Bを設けて中空部96内を連結するようにしてもよい。また、変形例として、
図20に示すように、中空部96の内部に前後方向に延びる2つの円弧状の樹脂が対称に連結された形状の連結部96Cを設けてもよい。
【0068】
本実施形態によれば、受け部95は、硬質の樹脂からなる硬質樹脂部95Bと、軟質の樹脂からなる軟質樹脂部95Aと、を備え、軟質樹脂部95Aが当接部51と弾性接触する。
このようにすれば、軟質樹脂部95Aにより受け部95の形状の自由度を高めることができる。
【0069】
また、軟質樹脂部95Aは、中空の中空部96を備える。
このようにすれば、軟質樹脂部95Aのクッション性を高めることができる。
【0070】
<実施形態4>
次に、実施形態4について、
図21,
図22を参照しつつ説明する。実施形態4は、当接部に当接する一対の弾性接触片を交換可能としたものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
スライド扉60A,60Bの右枠部75B(及び左枠部75A)の受け部97は、
図21に示すように、合成樹脂製の基部98と、合成樹脂製で弾性変形可能な一対の弾性部材99と、を備える。
図22に示すように、基部98は、受け部97の上下方向における全長に亘って延びる溝状であって、溝壁の先端部に一対の被係止部98Aが窪み形成されている。弾性部材99は、受け部97の上下方向における全長に亘って延びており、弾性変形可能な帯状の弾性接触片99Bと、弾性接触片99Bに連なり、被係止部98Aに係止される係止部99Aを有する。係止部99Aは、外径が大きくされており、被係止部98Aに嵌め入れられた状態で弾性部材99の離脱が規制される。
【0072】
本実施形態によれば、受け部97は、基部98と、被係止部98Aに係止する係止部99Aを有し、当接部51に弾性接触する弾性部材99と、を備える。
このようにすれば、弾性部材99の交換や清掃を容易に行うことができる。
【0073】
<実施形態5>
次に、実施形態5について、
図23を参照しつつ説明する。実施形態5は、受け部100の形状を袋状としたものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図23に示すように、右枠部75B(及び左枠部75A)は、スライド扉60A,60Bを閉鎖状態としたときに、当接部51に当接する受け部100を備える。受け部100は、例えば、軟質の樹脂からなり、溝部76と、弾性変形可能な袋状の袋部101とを備える。袋部101は、内部に空間を有し、薄肉の樹脂からなる球状の外形を有する。袋部101の内部は、薄肉の樹脂により連結されて弾性反発力が高められている。
【0075】
本実施形態によれば、受け部100は、内部に空間を有し、当接部51に当接して弾性変形する袋状である。
このようにすれば、当接部51に対して受け部100を容易に面接触させて密着性を向上させることが可能になるため、ショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制することができる。また、スライド扉60A,60Bが開放状態では、受け部100が弾性復元することで受け部100の劣化を抑制することができ、受け部100の耐久性を向上させることが可能になる。
【0076】
<実施形態6>
次に、実施形態6について、
図24を参照しつつ説明する。実施形態6の受け部105は、複数の弾性接触片106,107を左右方向に並べたものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図24に示すように、溝部76の各溝壁部78の先端部には、一対の弾性接触片106,107が左右方向に並んで配されている。溝壁部78からの弾性接触片106,107の突出寸法は、外方側(当接部51側)の弾性接触片107が短くされている。弾性変形していない自然状態の一対の弾性接触片107Aは、互いに向かい合う方向に延びており、スライド扉60A,60Bを閉鎖状態としたときに弾性接触片106,107が当接部51に当接して弾性変形する。
【0077】
本実施形態によれば、受け部105は、スライド扉60A,60Bがスライドする方向に沿って並んで配された複数の弾性接触片106,107を備え、複数の弾性接触片106,107は、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態であるときに、当接部51の両側に弾性接触する。
このようにすれば、例えば、ショーケース(ショーケース)内に重量物が多く収容され、断熱箱体11が撓んでスライド扉60A,60Bが傾いた場合であっても複数の弾性接触片106,107の少なくとも一方が当接部51に弾性接触することでショーケース10の外部と貯蔵室13内との空気の流通を抑制することができる。
【0078】
<実施形態7>
次に、実施形態7について、
図25,
図26を参照しつつ説明する。上記実施形態では、断熱箱体11に当接部51を設け、スライド扉60A,60Bに受け部を設けたが、実施形態7は、上記実施形態とは反対に、断熱箱体11に受け部110を設け、スライド扉60A,60Bに当接部115を設けたものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
図25に示すように、スライド扉60A,60Bは、扉本体61と、扉本体61の外周縁部に装着される樹脂製の枠体63とを備え、枠体63の右枠部75B(及び左枠部75A)には、板状に突出する当接部115が設けられている。当接部115は、右枠部75B(及び左枠部75A)における上下方向の全長に亘って設けられている。受け部110は、断熱箱体11に対して図示しない係合部等により着脱可能に組み付けられて構成され、溝部111と、溝部111に連なり、弾性変形可能な一対の弾性接触片112とを備える。溝部111は、溝底部111Aと一対の溝壁部111Bとを有する。一対の弾性接触片112は、一対の溝壁部111Bの先端部から内方に突出している。各弾性接触片112は、先端側の厚み寸法が小さくなる形状であって、弾性変形してない自然状態の一対の弾性接触片112A間の寸法は、当接部115の厚み(前後方向の寸法)よりも小さくされている。左枠部75A及び右枠部75Bの材質は、少なくとも当接部115と接触する一対の弾性接触片112については、硬質で摺動性が高い樹脂を用いることが好ましい。
また、変形例として、
図26に示すように、左右方向に並んだ複数の弾性接触片112,113を備え、弾性変形してない自然状態の一対の弾性接触片112A間及び一対の弾性接触片113A間の寸法を当接部115の厚み(前後方向の寸法)よりも小さくし、スライド扉60A,60Bが閉鎖状態であるときに、複数の弾性接触片112,113が当接部115の両側に弾性接触するようにしてもよい。
【0080】
本実施形態によれば、スライド扉60A,60Bは、扉本体61と、扉本体61の外周縁部に装着される樹脂製の枠体63とを備え、当接部115は、枠体63に設けられ、受け部110は、断熱箱体11に交換可能に設けられている。
このようにすれば、例えば、受け部をスライド扉60A,60Bに設ける構成と比較して、受け部が劣化した際の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることが可能になる。
【0081】
<実施形態8>
次に、実施形態8について、
図27,
図28を参照しつつ説明する。実施形態8は、ヒータ120を固定するヒータ固定部材121を上レール125に取り付けたものである。他の構成は、上記実施形態と同一であるため、以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
図28に示すように、上レール125の天板部125Aの下面には、ヒータ120を収容可能な収容凹部126が設けられている。収容凹部126は、天板部125Aにおける左右方向の全長に亘って延びている。上レール125の仕切り壁125B(または隔壁34)には、係止凸部127が設けられている。
【0083】
ヒータ固定部材121は、金属製の板状であって、上レール125の内面に嵌め合わされるU字状とされており、ヒータ120がアルミ箔テープ等の固定部材122で固定される固定板121Aと、固定板121Aの前後の端縁から下方に延びる一対の延出部123,124とを備える。固定板121Aは、上レール125における左右方向の全長に亘って延びている。一方の延出部123は、他方の延出部124よりも延出長さが短くされている。他方の延出部124は、先端部に折り返し部124Aを有する。
図27に示すように、ヒータ固定部材121の一方の延出部123の下端は、係止凸部127に係止する。他方の延出部124の折り返し部124Aは、隔壁34の下端に嵌合する。他方の延出部124の上部の外面には、延出部124と隔壁34の窪み34Bとの間の隙間を埋めるスペーサ部124Bが設けられている。
【0084】
本実施形態によれば、断熱箱体11は、スライド扉60A,60Bの上部が挿通されてスライド扉60A,60Bのスライドを案内する溝状の上レール125と、ヒータ120が固定されるヒータ固定部材121と、を備え、上レール125の内面には、収容凹部126が形成され、ヒータ固定部材121が上レール125に取り付けられた状態ではヒータ120が収容凹部126に収容される。
このようにすれば、上レール125に取り付けられたヒータ120による凹凸が少なくなり、ヒータ120の破損を抑制することができる。また、ヒータ120の後付けを容易に行うことが可能になる。
【0085】
<関連技術>
関連技術について
図29~
図33を参照しつつ説明する。以下では上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図29に示すように、複数の冷凍配管28、ファンモータ配線131、庫内サーミスタ配線135、除霜サーミスタ配線136は、機械室15から庫内前方中央を通り、エアダクト23内まで天井板29を伝っている。複数の冷凍配管28は、断熱ホース137により一括して包囲されている。ファンモータ配線131は、キャブタイヤケーブルが用いられており、複数の被覆電線132,133が絶縁チューブ134で覆われることで、二重の絶縁層により絶縁されている。
【0086】
天井板29の下には、断熱ホース137内に冷凍配管28が配されている。天井板29と断熱ホース137とファンモータ配線131(キャブタイヤケーブル)との間にできた隙間にサーミスタ配線135,136が配されている。天井板29とファンモータ配線131と断熱ホース137とは、
図30に示すように、内側にサーミスタ配線135,136が配された状態で結束バンド138により結束される。
【0087】
変形例として、
図31に示すように、天井板29と断熱ホース137と複数のファンモータ配線131との間に形成された隙間にサーミスタ配線135,136を通すようにしてもよい。これにより、サーミスタ配線135,136の位置が保持されるため、二重絶縁チューブを使う必要がなくなる。また、天井板29と断熱ホース137(冷凍配管28)と複数のファンモータ配線131との間の隙間にファンモータ配線131を通すことができる。
【0088】
変形例として、
図32に示すように、天井板29の下面にサーミスタ配線135,136が通る半円弧状の凹部139を設けてもよい。例えば凹部139にサーミスタ配線135,136を通した状態で、冷凍配管28が挿通された断熱ホース137と結束バンド138の結束等により、サーミスタ配線135,136を天井板29側に押さえ気味に配置するようにすることができる。また、変形例として、
図33に示すように、天井板29の下面にサーミスタ配線135,136が通る三角形状の凹部140を設けるようしてもよい。
【0089】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)弾性接触片81の数については上記実施形態に限られない。例えば、一つの弾性接触片81が当接部51に当接するように構成してもよい。
【0090】
(2)左留め枠47A、右留め枠47B,左枠部75A及び右枠部75Bは、全体が樹脂製としたが、これに限られない。例えば、当接部及び受け部を樹脂製とし、他の部分を金属製としてもよい。
(3)スライド扉60A,60Bとしては、1枚のスライド扉のみを備える構成や、引き違い形式の3枚以上のスライド扉を備える構成としてもよい。
(4)ショーケース10としては、庫内が0℃未満に保持される冷凍ショーケースであってもよい。また逆に、庫内が高温に保持される温蔵ショーケースであってもよい。また、ショーケースに限られず、例えば内部が視認できない貯蔵庫としてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10:ショーケース(貯蔵庫),11:断熱箱体,13:貯蔵室,30:開口部,31,83:ネジ,32,125:上レール,34A,37A:対向面,37:仕切り壁,38:断熱部,42:下レール,47A:左留め枠,47B:右留め枠,48:側面部,49:仕切り板,51,115:当接部,60A,60B:スライド扉,61:扉本体,62:閉鎖端部,63:枠体,68:第1排水路,69:突片,73,91:カバー部,75A,87A:左枠部,75B,87B:右枠部,76,111:溝部,79:第2排水路,80,95,97,100,105,110:受け部,81(81A),99B,106,107(107A),112(112A),113(113A):弾性接触片,85:ローラ,71,90:下枠部,92:曲げ部,95A:軟質樹脂部,95B:硬質樹脂部,96:中空部,98:基部,98A:被係止部,99:弾性部材,99A:係止部,101:袋部,120:ヒータ,121:ヒータ固定部材,D1:結露,S1:空間