(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】2つ以上のビームペアリンクを使用した制御情報の送信
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20221202BHJP
H04B 7/022 20170101ALI20221202BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221202BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04B7/022
H04W16/28
(21)【出願番号】P 2019522370
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(86)【国際出願番号】 EP2017078193
(87)【国際公開番号】W WO2018083244
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-07-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-24
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フレンヌ, マティス
(72)【発明者】
【氏名】グラント, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ティデスタフ, クラース
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】圓道 浩史
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-506667(JP,A)
【文献】特表2015-527026(JP,A)
【文献】Ericsson,Beam management principles[online],3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1609754,2016年9月30日,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609754.zip>
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Beam management - DCI monitoring[online],3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1610240,2016年9月30日,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1610240.zip>
【文献】Intel Corporation,On QCL to support UE beam management[online],3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1609525,2016年10月1日,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609525.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の送信地点(TRP)(550)と通信するユーザ機器(UE)(501)によって実施される方法であって、
前記UEが、第1の探索空間において送信された制御チャネル候補を受信するための1つまたは複数のQCLパラメータの第1のセットを使用することと、
前記UEが、第2の探索空間において送信された制御チャネル候補を受信するための1つまたは複数のQCLパラメータの第2のセットを使用することと
を含み、
前記第1の探索空間は、第1のサブフレームの制御エリアの第1の部分であり、前記第1のサブフレームは前記制御エリアから分けられているデータ領域を有し、
前記第2の探索空間は、前記第1のサブフレームの前記制御エリアの第2の部
分であり、
QCLパラメータの前記第1および第2のセットの各々における前記QCLパラメータのうちの少なくとも1つが、空間QCLパラメータである、
方法。
【請求項2】
1つまたは複数の送信地点(TRP)(550)と通信するユーザ機器(UE)(501)によって実施される方法であって、前記TRPが、第1のTXビーム、および前記第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含む第1のビームペアリンク(BPL)を使用して情報を前記UEに送信するように設定され、
前記UEが、前記第1のBPLを使用してTRPによって前記UEに送信された制御情報について第1の探索空間を探索するために、前記第1のBPLに対応する第1のパラメータを使用することと、
前記UEが、第2のBPLを使用してTRPによって前記UEに送信された制御情報について第2の探索空間を探索するために、第2のBPLに対応する第2のパラメータを使用することであって、第2のBPLが、第2のTXビーム、および前記第2のTXビームに対応する第2のRXビーム(508)を含む、ことと
を含み、
前記第1の探索空間は、第1のサブフレームの制御エリアの第1の部分であり、前記第1のサブフレームは前記制御エリアから分けられているデータ領域を有し、
前記第2の探索空間は、前記第1のサブフレームの前記制御エリアの第2の部
分である、
方法。
【請求項3】
前記UEが前記第1のBPLを使用して送信された前記制御情報を見つけることができないとき、前記UEが、制御情報について前記第2の探索空間を探索するために前記第2のBPLに対応する前記第2のパラメータを使用する、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
送信器(1305)と、受信器(1306)と、メモリ(1308)と、1つまたは複数のプロセッサ(1355)を備えるデータ処理システム(1302)とを備え、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法を実施するように設定される、ユーザ機器(UE)(501)。
【請求項5】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法を実施するように設定される、ユーザ機器(UE)(501)。
【請求項6】
ユーザ機器(UE)(501)と通信する1つまたは複数の送信地点(TRP)(550)によって実施される方法であって、
第1の探索空間および第2の探索空間を規定することであって、第1のTXビームが、前記第1の探索空間と関連付けられ、第2のTXビームが、前記第2の探索空間と関連付けられる、規定することと、
前記UEへの制御チャネル候補の送信のため、前記第1または第2の探索空間を選択することと、
前記選択された探索空間と関連付けられた前記TXビームを使用して、前記選択された探索空間に属する制御チャネルリソース内で前記制御チャネル候補を送信することと
を含み、
前記第1の探索空間は、第1のサブフレームの制御エリアの第1の部分であり、前記第1のサブフレームは前記制御エリアから分けられているデータ領域を有し、
前記第2の探索空間は、前記第1のサブフレームの前記制御エリアの第2の部
分である、
方法。
【請求項7】
前記第1のTXビームが第1のBPLに関連し、前記第2のTXビームが第2のBPLに関連する、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記選択が、前記第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたという情報に基づく、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
送信器(1405)と、受信器(1406)と、メモリ(1408)と、1つまたは複数のプロセッサ(1455)を備えるデータ処理システム(1402)とを備え、請求項
6から
8のいずれか一項に記載の方法を実施するように設定される、送信地点(TRP)(550)。
【請求項10】
請求項
6から
8のいずれか一項に記載の方法を実施するように設定される、送信地点(TRP)(550)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示されるのは、2つ以上の(すなわち、複数の)ビームペアリンク(BPL)を使用して制御情報をUEに送信するための実施形態である。
【背景技術】
【0002】
1.0 導入
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、次世代移動体通信システム(別名、5G移動体通信システム、または略して単に「5G」)の開発および設計への取り組みに着手している。5Gは、今日の4Gネットワークの進化、および「New Radio」(NR)として知られる新規の国際的に標準化された無線アクセス技術の追加を包含する。
【0003】
NRの多種多様な要件は、多くの異なるキャリア周波数にある周波数帯域が必要とされることを示唆する。例えば、低域は十分なカバレッジを達成するために必要とされ、より高い帯域(例えば、30GHz近くまたは30GHz超など、mmW)は、必要な容量に達するために必要とされる。高周波数では、伝搬特性はより困難であり、基地局(例えば、eNBまたはgNB)での高次のビーム成形は、十分なリンクバジェットに達することが必要とされる。例えば、狭ビーム送信および受信方式は、高伝搬損失を補償するためにより高い周波数で必要とされ得る。所与の通信リンクの場合、ビームは、送信地点(TRP)において適用され得(すなわち、送信(TX)ビーム)、ビームは、ユーザ機器(UE)において適用され得(すなわち、受信(RX)ビーム)、これはまとめて、「ビームペアリンク」(BPL)または略して単に「リンク」と呼ばれる。
【0004】
NRは、ビーム中心設計を有し、これは、従来のセルコンセプトが緩和され、ユーザ機器(UE)(すなわち、固定型または移動体無線通信デバイス)が、多くの場合において、接続されて、セルの代わりに狭ビーム間の「ハンドオーバ」を実施することを意味する。したがって、3GPPは、ビーム間(送信地点(TRP)内および送信地点間の両方)のモビリティを取り扱うためのコンセプトを研究することに同意している。本明細書で使用される場合、TRPは、基地局または基地局の構成要素である。高利得ビーム成形が必要とされるより高い周波数では、各ビームは、小さいエリア(すなわち、ビームのカバレッジエリア)内でのみ有用であり、カバレッジエリア外のリンクバジェットは素早く低下する。したがって、頻繁かつ高速なビーム切換方法が、高い性能を維持するために必要とされる。
【0005】
1.1 ビーム成形
ビーム成形は、アンテナアレイの複数のアンテナエレメントから、各アンテナエレメントのための信号に適用される振幅および/または位相シフトで、同じ信号を送信することを示唆する。これらの振幅/位相シフトは、アンテナ重みとして一般に示され、アンテナの各々のアンテナ重みの集積が、プリコーディングベクトルである。そのようなアンテナ重みおよびプリコーディングベクトルは、送信空間フィルタリング設定の例である。
【0006】
異なる送信空間フィルタリング設定(例えば、異なるプリコーディングベクトル)は、送信信号のビーム成形を引き起こし、重みは、信号が、アンテナアレイから見たときに特定の角度方向にコヒーレント結合するように制御され得、この場合、送信(TX)ビームはその方向に成形されると言える。したがって、いくつかの文脈において、TXビームについて言及するときには、特定の送信空間フィルタリング設定(別名、「ビーム成形重み」または「ビームパラメータ」)について言及しており、また、RXビームについて言及するときには、特定の受信空間フィルタリング設定について言及している。アレイのアンテナが2次元、すなわち平面に配置される場合、ビームは、アンテナアレイに垂直の平面に対して方位方向および高度方向の両方に向けられ得る。
【0007】
1.2 参照信号、アンテナポート、および疑似コロケーション(QCL)
LTEでは、チャネル推定のために使用される参照信号(RS)は、等価にアンテナポートとして示される。したがって、UEは、関連RSを使用することによって1つのアンテナポートからチャネルを推定することができる。そのため、特定のデータまたは制御送信をアンテナポートと関連付けることができ、これは、UEが、そのアンテナポートのためのRSを使用して、関連した制御またはデータチャネルを復調するために使用されるチャネルを推定すると言うに等しい。また、データまたは制御チャネルは、そのアンテナポートを使用して送信されると言うこともできる。
【0008】
LTEでは、疑似コロケーションのコンセプトは、制御またはデータチャネルを復調するときのチャネル推定性能を改善するために導入された。このコンセプトは、UEが、チャネル推定アルゴリズムを調整するために、1つの参照信号からロングタームチャネル特性を推定することができるということに依拠する。例えば、平均チャネル遅延広がりは、1つのアンテナポートを使用して推定され得、別のアンテナポートを使用して送信されたデータチャネルを復調するときに使用され得る。これが許される場合には、第1および第2のアンテナポートが、平均チャネル遅延広がりに関して、疑似コロケーション(QCL)されると定められる。
【0009】
したがって、LTE仕様において使用される場合、2つのアンテナポートは、1つのアンテナポート上のシンボルが伝達されるチャネルの大規模チャネル特性が他のアンテナポート上のシンボルが伝達されるチャネルから推察され得る場合に、「疑似コロケーション」される。大規模チャネル特性は、好ましくは、遅延広がり、ドップラー広がり、ドップラーシフト、平均利得、および平均遅延のうちの1つまたは複数を含む。
【0010】
加えて、または代替的に、大規模チャネル特性は、各ポートの受信電力、受信タイミング(すなわち、最初の有意なチャネルタップのタイミング)、有意なチャネルタップの数、および周波数シフトのうちの1つまたは複数を含み得る。疑似コロケーションされたアンテナポートに対応するRSに基づいてチャネル推定アルゴリズム調整を実施することによって、チャネル推定の質は実質的に改善される。
【0011】
NRでは、LTEの場合のそれらのQCLパラメータ使用に加えて、チャネルの空間特性のためのQCLを導入することが同意されている。空間チャネル特性に依存する新規のQCLパラメータで既存のQCLフレームワークを補足することによって、UEは明示的に指定されない限り1つの参照信号からの測定値を別の信号の受信または処理を助けるために使用することを許可されないというルールに違反することなく、UEが異なる信号タイプにわたって空間処理を実施することを可能にし得る。
【0012】
そのような空間処理の例は、アナログ受信器ビーム成形、およびチャネル推定を改善するために空間処理利得を使用したチャネル推定である。
【0013】
ネットワーク内の2つのノード、TXノードおよびRXノード間の通信を仮定する。TXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートから参照信号(RS)の第1のセットを送信する。RXノードは、1つまたは複数の受信アンテナポートを使用して送信された参照信号を受信し、受信した送信RSの第1のセットに基づいて、チャネルの空間特性を捕捉する1つまたは複数のパラメータを決定または推定する。RXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートからの送信RSの第2のセットが第1のRSと疑似コロケーション(QCL)されるという指示を決定し、QCLは、チャネルの空間特性を捕捉する1つまたは複数のパラメータに関して付与される。TXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートから送信RSの第2のセットを送信する。RXノードは、RSの第2のセットの受信を助けるために、RSの第1のセットに基づくチャネルの空間特性を捕捉する1つまたは複数の決定されたパラメータを利用する。
【0014】
言い換えると、RXノード、典型的にはUEは、第2のRSが空間パラメータに関して第1のRSとQCLされる場合には、UEが第1の信号(例えば、測定信号、例えば、CSI-RS)を受信したときに使用したRXビーム成形と同じRXビーム成形重みを使用して、第2の信号および関連RS(制御またはデータ送信DMRS)を受信することができる。
【0015】
空間特性に関連するQCLパラメータは、UE RXビーム成形またはUE RX受信パラメータに関連する。したがって、UEが2つの異なる空間QCLパラメータを使用する場合、UEが2つの異なるRXビーム成形重み(または等価に、UE RXアンテナから信号を組み合わせる2つの異なるやり方)を使用するということを示すことができる。
【0016】
空間パラメータは、到来角、角度広がりまたは空間相関、RX側またはTX側における空間相関行列であり得る。
【0017】
UE側のビーム成形/データ受信のために使用される受信手順に係る情報は、QCLを通じてUEに(基地局から)示され得るということが、NRでは同意されている。
【0018】
1.3 制御チャネル探索空間および制御シグナリング
無線リンクを介してユーザに送信された情報は、制御情報(別名、制御メッセージ)またはユーザデータとして広く分類され得る。制御情報は、システムの正確な動作ならびにシステム内の各UEの正確な動作を促進するために使用される。制御情報は、UEからの送信電力、リソースブロック(RB)のシグナリングなどの機能を制御するためのコマンドを含み得、このリソースブロックとは、その中で情報がUEによって受信されることになる、またはUEから送信されることになるといったものである。制御情報の例としては、例えばスケジューリング情報および電力制御メッセージを伝える物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、以前のアップリンク送信に応答して送られるACK/NACKメッセージを伝える物理HARQインジケータチャネル(PHICH)、ならびにシステム情報を伝える物理ブロードキャストチャネル(PBCH)が挙げられる。また、一次および二次同期信号(PSS/SSS)は、固定ロケーションならびに時間および周波数における周期性を有する制御信号として見られ得るため、その結果として、ネットワークに最初にアクセスするUEは、それらを見つけて同期することができる。
【0019】
LTEにおけるPBCHは、PDCCH送信によってスケジューリングされないが、一次および二次同期信号(PSS/SSS)に対して固定ロケーションを有する。したがって、LTE UEは、PDCCHを読み出すことができる前に、BCH内で送信されたシステム情報を受信することができる。BCH内のペイロード(マスター情報ブロック(MIB)と呼ばれる)は、完全に利用されるわけではなく、将来の使用のために使用され得るいくつかの未指定の「予備」ビットを含むことに留意されたい。
【0020】
LTE Rel-10では、UEへのすべての制御メッセージは、セル固有RS(CRS)を使用して復調され、したがってこれらのメッセージは、セル内のすべてのUEに、それらの位置に関する知識を有することなく到達するためにセルワイドカバレッジを有する。例外は、スタンドアローンであり、復調の前にCRSの受信を必要としないPSSおよびSSSである。設定に応じて、サブフレーム内の最初の1つから4つのOFDMシンボルは、
図1に示されるように、そのような制御情報を含むために確保される。制御メッセージは、eNBによってカバーされているセル内の、1つのUEにのみ送られる必要があるメッセージのタイプのもの(UE固有制御)、およびすべてのUEまたは2つ以上に達するUEのいくつかのサブセットに送られる必要があるもの(共通制御)にカテゴリ分けされ得る。
【0021】
PDCCHタイプの制御メッセージは、CRSを使用して復調され、制御チャネルエレメント(CCE)という単位の倍数で送信され、各CCEが36個のリソースエレメント(RE)を含む。PDCCHは、制御メッセージのリンク適合を可能にするために1、2、4、または8つのCCEのアグリゲーションレベル(AL)を有し得る。さらに、各CCEは、それぞれ4つのREからなる9つのリソースエレメントグループ(REG)にマップされる。これらのREGは、CCEに対して周波数ダイバシティを提供するためにシステム帯域幅全体にわたって分散される。したがって、最大8つのCCEからなるPDCCHは、設定に応じて、最初の1つから4つのOFDMシンボルにおいては、システム帯域幅全体に及ぶ。
【0022】
LTE UEへの物理ダウンリンク共有データチャネル(PDSCH)の送信は、制御メッセージのために使用されないRBペア内(すなわち、
図1に示されるデータエリア内)のRE、またはRSを使用しており、PDSCH送信モードに応じて、復調用参照としてUE固有RSまたはCRSのいずれかを使用して送信され得る。LTEにおけるUE固有RSの使用は、受信信号エネルギーがUEにおいて増加し、結果として、チャネル推定性能が改善され、送信のデータレートが増加され得るように、マルチアンテナLTE基地局(eNB)が、複数のアンテナから送信されたデータおよび参照信号の両方のプリコーディングを使用して送信を最適化することを可能にする。
【0023】
NRの場合、UE固有RSが制御チャネル送信にも同様に使用されることが予測される。
【0024】
1.3.1 LTEにおけるPDCCH処理
チャネル符号化、スクランブル、変調、および制御情報のインターリーブの後、変調シンボルは、制御エリア内のリソースエレメントにマップされる。上で述べたように、制御チャネルエレメント(CCE)は規定されており、各CCEが36個のリソースエレメントにマップする。アグリゲーションレベルを選択することによって、PDCCHのリンク適合が得られる。全体で、サブフレーム内で送信されるべきすべてのPDCCHに利用可能なNCCE個のCCEが存在し、数NCCEは、制御シンボルの数nおよび設定されたPHICHリソースの数に応じてサブフレームによって異なる。
【0025】
NCCEはサブフレームによって異なるため、端末は、PDCCHのために使用されるCCEの位置ならびに数をやみくもに決定する必要があり、これは、計算集約的な復号タスクであり得る。したがって、端末が行う必要がある潜在的なブラインド復号の数におけるいくつかの制限が、Rel.8において導入された。例えば、CCEは番号付けされ、サイズKのCCEアグリゲーションレベルは、Kで割り切れるCCE数でのみ開始することができ、
図2を参照されたい。
【0026】
端末がブラインド復号して、有効PDCCHを探索する必要があるCCEのセットは、UE「探索空間」と呼ばれる。これは、端末がスケジューリング指定または他の制御情報について監視するべきAL上のCCEのセットであり、
図3の例を参照されたい。各サブフレーム内および各AL上において、端末は、その探索空間内のCCEから形成され得るすべてのPDCCHを復号することを試みる。CRCが一致する場合、PDCCHの内容は、端末にとって有効であると仮定され、CRCは受信情報をさらに処理する。多くの場合、2つ以上の端末が重複する探索空間を有し、ネットワークは、制御チャネルのスケジューリングのためにそれらのうちの1つを選択しなければならない。これが起きるとき、スケジューリングされない端末はブロックされることになる。UEのための探索空間は、このブロッキングの可能性を最小限にするためにサブフレームによって疑似ランダム的に変わる。
【0027】
探索空間は、共通部および端末固有部にさらに分割される。共通探索空間においては、端末のすべてまたはグループへの情報を含むPDCCHが送信される(ページング、システム情報など)。キャリアアグリゲーションが使用される場合、端末は、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)のみに存在する共通探索空間を見つける。共通探索空間は、セル内のすべての端末に対する十分なチャネルコード保護を得るためにアグリゲーションレベル4および8に制限される(これはブロードキャストチャネルであるため、リンク適合は使用することができない)。8または4のALにおけるm8およびm4の第1のPDCCH(最低CCE数を有するという意味での第1)は、それぞれ共通探索空間に属する。システム内のCCEの効率的使用のために、残りの探索空間は、各アグリゲーションレベルにおいて端末固有である。
【0028】
CCEは、このCCEに固有な36個のREにマップする36個のQPSK変調シンボルからなる。したがって、CCEを知ることは、REが自動的に知られることを意味する。ダイバシティおよび干渉ランダム化を最大限にするために、セル固有巡回シフトおよびREへのマッピングの前にインターリーブが使用され、
図4の処理ステップを参照されたい。大半の場合、端末探索空間およびアグリゲーションレベルに対するPDCCHロケーション制限に起因していくつかのCCEは空であることに留意されたい。空のCCEは、探索空間構造を維持するために任意の他のPDCCHとしてインターリーブプロセスおよびREへのマッピングに含まれる。空のCCEは、ゼロ電力にセットされ、この電力は、PDCCH送信をさらに強化するために空ではないCCEによって代わりに使用され得る。
【0029】
さらに、4アンテナTXダイバシティの使用を可能にするため、CCE内の4つの隣接するQPSKシンボルのグループが、REグループ(REG)と示される、4つの隣接するREにマップされる。したがって、CCEインターリーブは、四重(4つからなるグループ)ベースであり、マッピングプロセスは、1REGの粒度を有し、1つのCCEは、9個のREG(=36個のRE)に対応する。
【0030】
LTEでは、各PDCCHは、制御エリアについて設定されるすべてのOFDMシンボル内のREにマップされる。これは、システム帯域幅全体に及ぶ制御エリアへの、LTE内のPDCCHに属する1つのCCEのマッピングである
図1においても見られる。
【発明の概要】
【0031】
UEを狭ビームに接続することにおける1つの問題は、ビーム上で送信された信号が、例えば、物体がビーム成形信号の妨げになり、ビーム成形信号をブロックする場合には、容易に劣化され得ることである。高い侵入損失および高周波数での乏しい回折特性に起因して、ブロックする物体は、TXビームとUEとの間の接続を失うことにつながり得、その結果、制御チャネルを検出することができず、これは、通話の中断および悪いユーザ体験につながり得る。そのような状況は、「ビームペアリンク障害」(BPLF)と見なされる。
【0032】
したがって、狭ビームの動作条件およびブロックする物体の存在下においてさえもUEとの通信リンクをどのようにして維持するかが問題である。特に、そのような動作条件においてデータスケジューリング指定またはスケジューリンググラントを伝えるダウンリンク(DL)制御シグナリング(例えば、PDCCH)をどのようにして送信および受信するかが問題である。
【0033】
この問題を克服する1つのやり方は、2つ以上のビーム内でDL制御シグナリング(例えば、PDCCH)を送信する(すなわち、2つ以上の送信空間フィルタリング設定を使用してDL制御シグナリングを送信する)ことによって、ビームペアリンク障害に対するロバスト性を増大させることである。すなわち、BPLFを軽減するための1つのやり方は、UEが、第1のBPL(時に、「アクティブリンク」と呼ばれる)および第2のBPL(時に、監視対象リンクと呼ばれる)の両方を介して、第1のBPLと比較して第2のBPLではより大きいデューティサイクルで、DL制御シグナリングを受信することである。例えば、制御シグナリングは、第1のリンクにおいてはスロットごとにスケジューリングされ得、第2のリンクにおいてはN個のスロットごとにスケジューリングされ得る。このやり方では、第1のBPLがブロックされ、UEが第1のBPL上の制御シグナリング(すなわち、第1の送信空間設定を使用して送信された制御シグナリング)を復号することができない場合、UEは、第2のリンク上で送信された制御シグナリング(すなわち、第2の送信空間設定を使用して送信された制御シグナリング)を受信することができる。
【0034】
好ましくは、2つ以上のBPL上での制御シグナリングの送信は、効率的なやり方で実施される。加えて、UEは、ロバストかつ効率的なやり方でBPLを監視するように設定されなければならない。これを行う主な利点は、接続、特に高周波数でのPDCCH送信および受信が、BPLFに対してよりロバストであるということである。
【0035】
2つ以上のビーム内で制御シグナリングを送信することは、1つの実施形態においては、制御チャネル探索空間内の各制御チャネル候補を空間QCLパラメータと関連付けることによって達成され得る。言い換えると、2つの制御チャネル候補は、2つの候補が空間特性に関して異なるQCLパラメータを有する場合には、異なるUE RXビーム、したがってそれぞれ2つの異なるTXビームを用いて、受信され得る。これは、アクティブBPLおよび監視対象BPLの両方がUEへのまたはUEからのデータメッセージをスケジューリングするために使用され得ることから、ビームペアリンク障害に対するロバスト性を付与する。
【0036】
したがって、UEのための、第1のBPL(例えば、アクティブBPL)を使用して、したがって第1のTXビームを使用して(例えば、第1のプリコーディングベクトルを使用して)TRPがPDCCHをUEに送信することに加えて、TRPは、ダイバシティを達成するために、第2のBPL(例えば、監視対象BPL)を使用して、したがって第2のTXビーム(例えば、第2のプリコーディングベクトルを使用して)PDCCHをUEに送信する。いくつかの実施形態において、第1のBPLと比較して、より長いデューティサイクルが、第2のBPLを使用して送信されたPDCCHのために使用される。PDCCHを復号することを試みるときに使用するための、空間QCLパラメータとPDCCH候補との間の関係は、1つのサブフレームまたは異なるサブフレーム(または他の規定された時間期間)における探索空間内の異なるPDCCH候補では異なり得る。代替的に、PDCCHを復号することを試みるときに使用するための、PDCCH候補と使用されるTXビームしたがってRXビームとの間の関連性は、1つのサブフレームまたは異なるサブフレーム(または等価に、他の規定された時間期間)のいずれかにおける、UEのための探索空間内の異なるPDCCH候補では異なり得る。
【0037】
したがって、1つの態様において、UEと通信するためのTRPによって実施される方法が提供される。本方法は、UEと通信するための第1のビームペアリンク(BPL)を使用することであって、第1のBPLが、第1の送信空間フィルタリング設定、および第1の送信空間フィルタリング設定に対応する第1の受信空間フィルタリング設定を含む、使用することと、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することと、TRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るスロットを示すスケジューリング情報をUEに提供することであって、第2のBPLが、第2の送信空間フィルタリング設定を含む、提供することと、を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、本方法は、TRPが、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことを検出することと、第1のBPLがBPLFを受けたという検出の結果として、TRPが、第2のBPLを使用して、示されたスロット内で制御情報をUEに送信することと、をさらに含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、第2のBPLを使用して、示されたスロット内でUEに送信された制御情報は、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える。いくつかの実施形態において、UEは、第2のBPLを使用してTRPによって送信された制御情報について、示されたスロットの制御エリアを探索するように設定される。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信するステップは、N個の連続したスロットのうちのM個以下において第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することを含み、Nは1よりも大きく、MはN以下であり、示されたスロットは、N個の連続したスロットのうちの1つである。いくつかの実施形態において、スケジューリング情報は、TRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るL個のスロットを示し、Lは1以上であり、LはM未満であり、L個のスロットの各々は、N個の連続したスロットのうちの1つである。いくつかの実施形態において、M=N-1およびL=1である。いくつかの実施形態において、N個の連続したスロットのうちの1つにおいて、TRPは、第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信するが、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しない。いくつかの実施形態において、M=NおよびL=1である。
【0041】
別の態様において、UEと通信する1つまたは複数のTRPによって実施される方法が存在する。本方法は、第1の探索空間および第2の探索空間を規定することであって、第1の送信空間フィルタリング設定が、第1の探索空間と関連付けられ、第2の送信空間フィルタリング設定が、第2の探索空間と関連付けられる、規定することと、UEへの制御チャネル候補の送信のため、第1または第2の探索空間を選択することと、選択された探索空間と関連付けられた送信空間フィルタリング設定を使用して、選択された探索空間に属する制御チャネルリソース内で制御チャネル候補を送信することと、を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の送信空間フィルタリング設定は第1のBPLに関連し、第2の送信空間フィルタリング設定は第2のBPLに関連する。いくつかの実施形態において、選択は、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたという情報に基づく。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1の探索空間は制御エリアの第1の部分であり、第2の探索空間は制御エリアの第2の部分である。いくつかの実施形態において、制御エリアの第1の部分および制御エリアの第2の部分は、少なくとも部分的に時間が重複するか、または、制御エリアの第1の部分は、制御エリアの第2の部分と時間が重複しない。
【0044】
いくつかの実施形態において、第1の探索空間は第1の制御エリアであり、第2の探索空間は第2の制御エリアである。いくつかの実施形態において、第1の制御エリアおよび第2の制御エリアは、少なくとも部分的に時間が重複するか、または、第1の制御エリアは、第2の制御エリアと時間が重複しない。
【0045】
別の態様において、本開示に説明されるTRP方法のいずれかを実施するように設定されるTRPが提供される。例えば、いくつかの実施形態において、TRPは、送信器と、受信器と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムとを備え、TRPは、本開示に説明されるTRP方法のいずれかを実施するように設定される。
【0046】
別の態様において、1つまたは複数のTRPと通信するUEによって実施される方法が提供され、TRPは、第1の送信空間フィルタリング設定、および第1の送信空間フィルタリング設定に対応する第1の受信空間フィルタリング設定を含む第1のビームペアリンク(BPL)を使用して情報をUEに送信するように設定される。本方法は、UEが、第1のBPLを使用してUEに送信された制御情報を獲得するために、第1の送信空間フィルタリング設定に対応する第1の受信空間フィルタリング設定を使用することと、UEが、TRPのうちの1つが、第2の送信空間フィルタリング設定、および第2の送信空間フィルタリング設定に対応する第2の受信空間フィルタリング設定を含む第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るスロットを示すスケジューリング情報を獲得することと、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、第1のBPLがビームペアリンク障害を受けたことをTRPが検出した際には、TRPは、第2のBPLを使用してスロット内で制御情報をUEに送信する。
【0048】
いくつかの実施形態において、スケジューリング情報を受信した結果として、UEは、UEに送信された制御情報のための示されたスロットを探索するために、第2の送信空間フィルタリング設定に対応する第2の受信空間フィルタリング設定を使用し、また、探索の結果として、UEは、UEに送信された制御情報を獲得し、獲得された制御情報は、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える。
【0049】
いくつかの実施形態において、示されたスロットは、TRPが第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しないスロットである。
【0050】
別の態様において、UEによって実施される別の方法が存在する。本方法は、UEが、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報について第1の探索空間を探索するために第1のBPLに対応する第1のパラメータを使用することと、UEが、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報について第2の探索空間を探索するために第2のBPLに対応する第2のパラメータを使用することとを含む。第1のBPLは、第1の送信空間フィルタリング設定、および第1の送信空間フィルタリング設定に対応する第1の受信空間フィルタリング設定を含む。第2のBPLは、第2の送信空間フィルタリング設定、および第2の送信空間フィルタリング設定に対応する第2の受信空間フィルタリング設定を含む。いくつかの実施形態において、UEが第1のBPLを使用して送信された制御情報を見つけることができないとき、UEは、制御情報について第2の探索空間を探索するために第2のBPLに対応する第2のパラメータを使用する。
【0051】
別の態様において、UEによって実施される別の方法が存在する。本方法は、UEが、第1の探索空間内で送信された制御チャネル候補を受信するための第1のQCLパラメータを使用することと、UEが、第2の探索空間内で送信された制御チャネル候補を受信するための第2のQCLパラメータを使用することとを含む。いくつかの実施形態において、第1の探索空間は制御エリアの第1の部分であり、第2の探索空間は制御エリアの第2の部分である。いくつかの実施形態において、制御エリアの第1の部分および制御エリアの第2の部分は、少なくとも部分的に時間が重複するか、または、制御エリアの第1の部分は、制御エリアの第2の部分と時間が重複しない。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1の探索空間は第1の制御エリアであり、第2の探索空間は第2の制御エリアである。いくつかの実施形態において、第1の制御エリアおよび第2の制御エリアは、少なくとも部分的に時間が重複するか、または、第1の制御エリアは、第2の制御エリアと時間が重複しない。
【0053】
いくつかの実施形態において、本方法は、UEが、上位層メッセージを使用して設定情報を受信することをさらに含み、設定情報は、第1および第2の探索空間を設定する。
【0054】
別の態様において、本開示に説明されるUE方法のいずれかを実施するように設定されるUEが提供される。例えば、いくつかの実施形態において、UEは、送信器と、受信器と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムとを備え、UEは、本開示に説明されるUE方法のいずれかを実施するように設定される。
【0055】
別の態様において、UEと通信するための第1のTRPおよびUEと通信するための第2のTRPを備えるシステムによって実施される方法が提供される。本方法は、第1のTRPが、UEと通信するための第1のビームペアリンク(BPL)を使用することと、第2のTRPが、UEと通信するための第2のBPLを使用することと、第1のTRPが、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することと、第2のTRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るスロットを示すスケジューリング情報をUEに提供することと、を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、本方法はまた、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことを検出することと、第1のBPLがBPLFを受けたという検出の結果として、第2のTRPが、第2のBPLを使用して、示されたスロット内で制御情報をUEに送信することとを含む。いくつかの実施形態において、第2のBPLを使用して、示されたスロット内でUEに送信された制御情報は、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える。いくつかの実施形態において、UEは、第2のBPLを使用して第2のTRPによって送信された制御情報について、示されたスロットの制御エリアを探索するように設定される。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信するステップは、N個の連続したスロットのうちのM個以下において第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することを含み、Nは1よりも大きく、MはN以下であり、示されたスロットは、N個の連続したスロットのうちの1つである。いくつかの実施形態において、スケジューリング情報は、第2のTRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るL個のスロットを示し、Lは1以上であり、LはM未満であり、L個のスロットの各々は、N個の連続したスロットのうちの1つである。いくつかの実施形態において、M=N-1およびL=1である。いくつかの実施形態において、N個の連続したスロットのうちの1つにおいて、第2のTRPは、第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信するが、第1のTRPは、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しない。いくつかの実施形態において、M=NおよびL=1である。
【0058】
別の態様において、1つまたは複数のTRPによって実施される別の方法が提供される。本方法は、TRPが、第1の探索空間内でPDCCH制御メッセージを送信するために第1の送信空間フィルタリング設定を使用することと、TRPが、第2の探索空間内でPDCCH制御メッセージを送信するために第2の送信空間フィルタリング設定を使用することと、を含む。いくつかの実施形態において、第1の探索空間は制御エリアの第1の部分であり、第2の探索空間は制御エリアの第2の部分であるか、または、第1の探索空間は第1の制御エリアであり、第2の探索空間は第2の制御エリアである。
【0059】
別の態様において、1つまたは複数のTRPによって実施される別の方法が提供される。本方法は、TRPが、スロットの1つまたは複数のシンボルの第1のセットにおいてPDCCH制御メッセージを送信するために第1の送信空間フィルタリング設定を使用することと、TRPが、スロットの1つまたは複数のシンボルの第2のセットにおいてPDCCH制御メッセージを送信するために第2の送信空間フィルタリング設定を使用することと、を含む。
【0060】
別の態様において、UEによって実施される別の方法が提供される。本方法は、UEが、第1の探索空間内でPDCCH制御メッセージを探索するために第1の受信空間フィルタリング設定を使用することと、UEが、第2の探索空間内でPDCCH制御メッセージを探索するために第2の受信空間フィルタリング設定を使用することと、を含む。いくつかの実施形態において、第1の探索空間は制御エリアの第1の部分であり、第2の探索空間は制御エリアの第2の部分であるか、または、第1の探索空間は第1の制御エリアであり、第2の探索空間は第2の制御エリアである。
【0061】
別の態様において、UEによって実施される別の方法が提供される。本方法は、UEが、1つまたは複数のシンボルの第1のセットにおいてPDCCH制御メッセージを探索するために第1の受信空間フィルタリング設定を使用することと、UEが、1つまたは複数のシンボルの第2のセットにおいてPDCCH制御メッセージを探索するために第2の受信空間フィルタリング設定を使用することと、を含む。
【0062】
別の態様において、M個のビームペアリンク上で同時にPDCCHを監視するようにUEを設定することであって、Mが1よりも大きい、ことと、異なるPDCCH OFDMシンボル内の異なるビームペアリンク上でPDCCHを監視するようにUEを設定することと、のうちの少なくとも1つを実施することを含む方法が存在する。
【0063】
本明細書内に組み込まれ、本明細書の部分を形成する添付の図面は、様々な実施形態を例証する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図2】CCEアグリゲーションを例証する図である。
【
図4】処理ステップを例証するフローチャートである。
【
図5A】TRPとUEとの間の通信のためのアクティブBPLおよび監視対象BPLの使用を例証する図である。
【
図5B】TRPとUEとの間の通信のためのアクティブBPLおよび監視対象BPLの使用を例証する図である。
【
図5C】TRPとUEとの間の通信のためのアクティブBPLおよび監視対象BPLの使用を例証する図である。
【
図6】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図7】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図8】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図9】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図10】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図11】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図12】1つの実施形態に従うプロセスを例証するフローチャートである。
【
図13】いくつかの実施形態に従うUEのブロック図である。
【
図14】いくつかの実施形態に従うTRPのブロック図である。
【
図15】TRPとUEとの間の通信のための第1および第2のBPLの使用を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
BPLFの問題を軽減するための1つのやり方は、第1の(例えば、アクティブ)BPLがBPLFを受ける(例えば、ブロックされる)場合に使用され得る第2の(例えば、監視対象(別名、バックアップ))送信(TX)ビームを使用する(例えば、数ある中でも第2のプリコーディングベクトルを使用する)ことである。したがって、少なくとも2つのTXビーム(例えば、少なくとも2つのプリコーディングベクトル)が、UEと通信するために使用される。UEがアナログビーム成形器を使用して受信(RX)ビーム成形を実施する場合、UEは、そのRXビームを一度に1つのTXビームに対して調整することしかできない。同様に、TRPがアナログビーム成形を使用する場合、一度に1つのビームしか送信することができない。したがって、所与の時間においてTXビーム(すなわち、送信空間フィルタリング設定)を正しいRXビーム(すなわち、受信空間フィルタリング設定)と整列させる必要がある。各TXビームについて、TXビームに対応する「最適な」UE RXビームが存在する(例えば、最適な受信空間フィルタリング設定であり、これは、複数の受信アンテナを介して受信される各信号のために位相および/または振幅調節パラメータを含み得、このパラメータが、信号の結合または加算の前に信号に適用される)。
【0066】
第1の送信空間フィルタリング設定(すなわち、TXビーム)、およびUEにおけるその対応する受信空間フィルタリング設定(すなわち、RXビーム)は、第1のビームペアリンク(BPL)として見られ得、これは、制御、およびおそらくはデータ送信にも使用され得る。加えて、二次TXビーム(すなわち、1つまたは複数の二次TXビーム)および対応するRXビームは、二次(例えば、監視対象)BPLとして使用され得る。
【0067】
ビーム管理は、例えば、測定を行い、測定結果をレポートするようにUEをトリガすることによってビームペアリンクを維持することを指す。第2のBPL(以後「監視対象BPL」)の目的は、1)第1のBPL(以後「アクティブBPL」)より優れた新規のBPLを発見すること、および2)アクティブBPLがBPLFを受ける場合に監視対象BPLを有することである。通信の大半はアクティブBPL(すなわち、アクティブTXビームおよびアクティブRXビーム)を使用して起こるため、二次BPLは、「バックアップ」または「監視対象」BPLとして見られ得る。
【0068】
これの例が、
図5A、
図5B、および
図5Cに例証される。
図5Aでは、制御情報(例えば、PDCCH)およびユーザデータをUEに送信するためにUE501のための1つのBPLを使用し、UEのための1つの監視対象(バックアップ)BPLをさらに使用するTRP550(例えば、基地局)が示される。
図5A、
図5B、および
図5Cは、UEと通信する単一のTRPを例証するが、他の実施形態においては、2つ以上のTRPが、TRPと通信していてもよく、TRPのうちの1つは、UEと通信するためにアクティブBPLを使用し、TRPの別のものは、UEと通信するために監視対象BPLを使用する(例えば、
図15を参照されたい)。
【0069】
アクティブBPLは、アクティブ送信(TX)ビーム502および対応するアクティブRXビーム506を含み、監視対象BPLは、監視対象TXビーム504および対応する監視対象RXビーム508を含む。UEは、アクティブTXビーム502に対応するRXビーム506を使用して探索空間内のPDCCH候補を復号している(すなわち、基地局は、そのPDCCHを、アクティブTXビームを使用してUEに送信している)。PDCCHは、制御チャネルがスケジューリング情報を伝えることを示すために全体にわたって使用される。別の用語は、NR-PDCCHであり得る。
【0070】
図5Bでは、アクティブBPLをブロックしており、それによりUEがアクティブBPLに対するBPLFを検出することを引き起こす物体590が示される(すなわち、アクティブTXビーム/アクティブRXビームペア)。UEがブロッキングに気付いていない場合にはUEは依然としてアクティブTXビーム502に対応するUE RXビーム506を監視しているため、TRPは、PDCCH送信を監視対象BPLに切り換えることができないという点で問題が生じる。さらには、TRPもブロックキング状態に気が付いていない場合がある。
【0071】
TRPとUEとの間の接続を回復するために、TRPは、
図5Cに例証されるように、監視対象BPLをUEのためのアクティブBPLとして使用することができる。しかしながら、このビーム切換を効率的に実施するためには、TRPはまず、監視対象BPLをアクティブBPLとして使用し始めるということをUEにシグナリングしなければならず、さもなければ、UEは受信中にどのUE RXビーム(すなわち、RXビーム506またはRXビーム508)を使用すべきかが分からない。これが問題であるのは、制御シグナリングのために使用されるアクティブBPLがブロックされ、劣悪なまたは存在しないチャネル品質を有するためである。ブロッキングが徐々に発生する場合には、信号が劣化し過ぎる前にこのシグナリングを実施する時間が存在し得る。
【0072】
ブロッキングがあまりに早く発生するため、結果として、TRPが「ビーム切換」(別名、「BPL切換」)をUEにシグナリングするための時間を有さないというリスクが存在し、またこの場合、UEは、現在ブロックされているTXビーム502に対応するRXビーム506を使用してPDCCHを探索し続け、失敗に終わる。ここに開示される実施形態はこの問題を克服する。
【0073】
1つの実施形態において、TRPは、アクティブBPLおよび監視対象BPLの両方を使用してPDCCH(または他の制御情報)をUEに送信し、それにより、ダイバシティを改善し、したがってロバスト性を改善する。いくつかの実施形態において、監視対象BPLがPDCCH送信および受信のために使用される時間またはリソースの割合は、例えば、RRCシグナリングなどの上位層シグナリングによって制御される。
【0074】
典型的には、PDCCHは、アクティブBPLと比較して、監視対象BPLを使用して送信されることはほとんどない。例えば、1つの実施形態において、PDCCHは、N個のサブフレームごとに(例えば、Nは、ネットワークによって設定される)、TRPが、UEのためのアクティブBPLの代わりにUEのための監視対象BPLを使用してPDCCHをUEに送信するように、アクティブBPLと監視対象BPLとの間で時間多重される。別の実施形態において、PDCCHは常に、UEのためのアクティブBPLを使用してUEに送信されるが、N個のサブフレームごとに(例えば、Nは、ネットワークによって設定される)、PDCCHはまた、UEのための監視対象BPLを使用してUEに送信される。
【0075】
UE側では、UEがUE RXビーム成形を使用する場合、対応する実施形態が適用でき、1)N個のサブフレームごとに、UEがアクティブBPLの代わりに監視対象BPLを使用してPDCCH探索空間を受信するように、PDCCH探索空間は、アクティブBPLと監視対象BPLとの間で時間多重される、ならびに2)PDCCH探索空間は常に、アクティブBPLを使用して監視されるが、N個のサブフレームごとに、PDCCHはまた、監視対象BPLを使用して監視される。
【0076】
第1の実施形態において、所与のUEのためのPDCCH送信は、アクティブBPLと監視対象BPLとの間で時間多重されるが、監視対象BPLではより長いデューティサイクルが好ましい。したがって、UEは、ネットワークがPDCCH送信のために監視対象BPLを使用しているときにはいつも、監視対象BPLに対応するRXビーム(すなわち、監視対象ビームペアリンクのRXビーム)を使用するものとする。そのため、ネットワークおよびUEは、PDCCH送信および受信のために第1または第2の(すなわち、アクティブおよび監視対象)ビームペアリンクを使用すべきときに同期される。
【0077】
例えば、PDCCHは、アクティブBPLを使用して続けて9回、および10回目に監視対象BPLを使用して送信される。
【0078】
1つの実施形態において、これは、PDCCH候補を、所与のサブフレームにおける疑似相関フレームワーク内の特定の空間相関または到来角パラメータと関連付けることによって達成され得る。したがって、PDCCH候補を受信するとき、UEはまた、そのPDCCHのためのQCLパラメータも分かるため、UEは、その受信のためにどのRXビームを使用すべきかが分かる。したがって、PDCCHは、ビーム管理プロセスを用いて、所与のアイデンティティ、またはリンク識別子(アクティブ/監視対象または[ビームペア]リンク1、リンク2など)またはRSもしくは別の信号と、空間的にQCLである。したがって、PDCCHは、代替的に、以前に送信されたCSI測定参照信号のアイデンティティまたはリソースと空間的にQCLであり得る。代替的に、PDCCHは、移動度RS、ビームRS、一次または二次同期信号(PSS、SSS)などの移動度または同期のために使用される測定信号と空間的にQCLであり得る。
【0079】
TRPは、以前の信号、RS、またはプロセスが、空間パラメータに関して、PDCCH受信のために使用される復調RSとQCLであるということをUEにシグナリングする。このシグナリングは、明示、黙示であり得る(標準規格内のルールにより得られるなど)。
【0080】
したがって、PDCCH候補は、少なくとも2つの異なる空間QCLセッティングとQCLであり、UEは、QCLセッティングに応じてその受信ビームを調節し得る。アクティブBPLは、1つの空間QCLセッティング(第1のRXビーム)を有し、監視対象BPLは、異なる空間QCLセッティング(第2のRXビーム)を有する。第1の実施形態において、TRPからの所与のUEのためのPDCCH送信は、アクティブBPLと監視対象BPLとの間で時間多重され、UEは、それに応じて空間QCLセッティングを使用するが、監視対象BPLではおそらくはより長いデューティサイクルを用いる。
【0081】
空間QCLパラメータとPDCCH候補との間の関係は、サブフレームごとであり得る。したがって、PDCCHを受信するために使用する空間QCLパラメータは、少なくとも、サブフレームなどの時間指標に依存する。
【0082】
より一般的には、所与のサブフレーム内のPDCCH探索空間候補のサブセット(またはすべて)は、より長いデューティサイクルを有する監視対象BPL内に位置する。この場合、空間QCLパラメータとPDCCH候補との間の関係は、異なる候補では異なり得る。そのため、TRPは、異なるTXビーム内でPDCCH候補を送信し得、UEは、その候補を受信し、復号することを試みるために異なるUE RXビームを使用する。どのRXビームを使用すべきかは、PDCCH候補と関連付けられた空間QCLパラメータによって得られる。
【0083】
UEは、時間スケジュールを知り、したがって、適切な時間に正しいUE RXビームでリッスンする。
図6は、実施形態に従う方法を例証する。ステップ602において、TRPは、第1および第2(例えば、アクティブおよび監視対象)BPL(ビームトラッキングプロセス)を規定し、これをUEにシグナリングする。各ビームトラッキングプロセスは、空間QCLパラメータと関連付けられ得る。代替的に、各トラッキングプロセスは、以前のCSI-RS測定の指数または移動度RX(MRS)と関連付けられるため、UEは、ネットワークがCSI-RSまたはMRS送信のために以前に使用されたものと同じビームをPDCCHに使用するということが分かる。TRPはまた、第1のBPLと第2のBPL(例えば、アクティブと監視対象)との間でPDCCH送信をどのように時間多重するかについて時間スケジュールを規定し、この情報をUEにシグナリングする(ステップ604)。ステップ606において、TRPは、この時間スケジュールに従って、第1および第2の(例えば、アクティブおよび監視対象)BPLを使用してPDCCHを送信する。そして、ステップ608において、UEは、第1および第2のBPLに対応するUE RXビームを使用してPDCCHを受信する。第2のBPLからのPDCCHは検出されるが第1のBPLからのPDCCHが検出されない場合、TRPは、第2のBPLが新規のアクティブBPLになるように切り換えなければならない。これは、例えば、監視対象BPLを使用して送信されたPDCCH信号に含まれてもよい。
【0084】
第2の実施形態において、所与のUEのためのPDCCHは、第1のBPLを使用して正常に(例えば、サブフレームごとに)送信され、加えて、PDCCHは、第2のBPLを使用してN個のサブフレームごとに送信される(2つのリンクからのPDCCHは、UEが適切なリンクに対応するUE RXビームに切り換えることが可能であるように、同じサブフレームまたはスロット内でスケジューリングされるときには異なるOFDMシンボル上で送信され得る)。
【0085】
したがって、例えば、アクティブBPLのPDCCHが第1のOFDMシンボル上でスケジューリングされ、監視対象BPLのPDCCHが第2のOFDMシンボル上でスケジューリングされる場合、UEは、第1のOFDMシンボル内のPDCCH候補を復号することを試みるときには第1のRXビームを使用し、第2のOFDMシンボル内のPDCCH候補を復号することを試みるときには第2のRXビームを使用する。違う言い方をすると、UEは、第1のOFDMシンボル内のPDCCH候補を復号することを試みるときには第1の空間QCLパラメータを使用し、第2のOFDMシンボル内のPDCCH候補を復号することを試みるときには第2の空間QCLパラメータを使用する。UEは常に、アクティブBPLからのPDCCH候補を復号しようとし、1つの代替的な実施形態においては、この復号に成功した場合、UEは、監視対象BPLからのPDCCH候補を復号しようとしない。
【0086】
アクティブBPLがブロックされ、その結果、対応するPDCCHをUEによって復号することができない場合、UEは、PDCCHが監視対象BPLを使用して送信されるまで待機し、うまくいけばこのやり方でPDCCHを復号することができる。1つの実施形態において、監視対象BPLからのPDCCHは、アクティブBPLを監視対象BPLに直接的に切り換えるコマンドを含む。この場合、UEは、監視対象BPLと関連付けられた探索空間候補を直接的に、すなわち、監視対象BPLに対応するUE RXビームを使用して、監視し始めるものとする。
【0087】
上に説明されるように、同じサブフレーム内にあるアクティブBPLおよび監視対象BPLからのPDCCHは、同じスロットまたはサブフレーム内の異なるOFDMシンボル上でスケジューリングされなければならない。2つのPDCCHを含むOFDMシンボルは、連続的であるか、それらの間に時間分を有するかのいずれかであり得る。2つのPDCCH間に時間分を有することの1つの利益は、UEがこの時、監視対象BPLからのPDCCHが受信される前にアクティブBPLからのPDCCHが正確に復号されるかどうかを評価するための時間を有することである。したがって、アクティブBPLに対応するPDCCHが正確に復号される場合、UEは、監視対象BPLのPDCCHを含むOFDMシンボルのために監視対象BPLに対応するUE RXビーム(すなわち、監視対象ビームペアリンクのRXビーム)を変更する必要がない。このやり方では、いくつかの場合においては(TRPにおけるアンテナ実装形態、UEにおけるアンテナ実装形態、シナリオなどに応じて)このOFDMシンボル内のアクティブBPLのためのデータをスケジューリングすることも可能である。
【0088】
監視対象BPL(例えば、第2の空間QCLパラメータ)を使用して送信されたPDCCHは、サブフレームごとに、またはアクティブBPL(第1の空間QCLパラメータ)を使用したPDCCHと比較してより長いデューティサイクルで送信され得る。いくつかの実施形態において、監視対象BPLを使用して送信されるPDCCHのないサブフレームでは、第1のOFDMシンボルのみがPDCCHに使用され(しかし、他の実施形態においては、2つ以上のOFDMシンボルがPDCCHに使用され得る)、データは、代わりにその第2のOFDMシンボルのためにスケジューリングされ得る(データシンボルの始まりは、DCIメッセージ内で示され得るため)。
【0089】
1つの実施形態において、監視対象BPLにおけるPDCCH送信のためのデューティサイクルは、環境に応じて(例えば、ブロッキングがどれくらい一般的であるか)RRCシグナリングなど、TRPからUEへの上位層シグナリングを使用して設定可能であり、UE固有であるか、ブロードキャストされるかのいずれかであり得る。完全に無効にすることも可能でなければならない。
【0090】
図7は、TRP(第1のカバレッジエリアを有し得る)によって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス700を例証するフローチャートである。
【0091】
プロセス700は、TRPが第1のBPLをUEのためのアクティブBPLとして使用するステップ702で開始し得、第1のBPLは、第1のTXビーム、および第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含む(第1のBPLは、第1のカバレッジエリア内に第2のカバレッジエリアを有し得る)。
【0092】
ステップ704において、TRPは、監視対象BPLとしてUEのための第2のBPLを使用し、第2のBPLは、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む(第2のBPLは、第1のカバレッジエリア内にあり、かつ第1のBPLの第2のカバレッジエリアとは異なる、第3のカバレッジエリアを有し得る)。
【0093】
ステップ706において、第1のBPLはアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLは監視対象BPLとして使用されている中、TRPは、第1のBPLを使用して(すなわち、第1のTXビームを使用して)制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信する。
【0094】
ステップ708において、TRPは、TRPが第2のBPLを使用して(すなわち、第2のTXビームを使用して)制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示すスケジューリング情報をUEに提供する。
【0095】
いくつかの実施形態において、プロセス700は、TRPが、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことを検出することと、第1のBPLがBPLFを受けたという検出の結果として、TRPが、第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内で制御情報をUEに送信することと、をさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内でUEに送信された制御情報は、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える。いくつかの実施形態において、UEは、第2のBPLを使用してTRPによって送信された制御情報について、示されたサブフレームの制御エリアを探索するように設定される。
【0097】
いくつかの実施形態において、第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信するステップは、N個の連続したサブフレームのうちのM個以下において第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することを含み、Nは1よりも大きく、MはN以下であり(いくつかの実施形態において、M=N)、示されたサブフレームは、N個の連続したサブフレームのうちの1つである。
【0098】
いくつかの実施形態において、スケジューリング情報は、TRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るL個のサブフレーム(いくつかの実施形態において、L=1)を示し、Lは1以上であり、LはM未満であり、L個のサブフレームの各々は、N個の連続したサブフレームのうちの1つである。いくつかの実施形態において、M=N-1およびL=1である。いくつかの実施形態において、N個の連続したサブフレームのうちの1つにおいて、TRPは、第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信するが、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しない。
【0099】
図8は、ユーザ機器(UE)と通信する1つまたは複数の送信地点(TRP)によって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス800を例証するフローチャートであり、UEは、制御チャネルメッセージ候補(例えば、PDCCH)の制御チャネル探索空間を監視している。
【0100】
プロセス800は、UEのための制御チャネル探索空間のためのリソースを2つの部分、第1の部分および第2の部分に分割することからなるステップ802で開始し得、第1の部分は第1のQCLパラメータと関連付けられ、第2の部分は第2のQCLパラメータと関連付けられる。ステップ804において、UEへの制御チャネル候補の送信のため、第1または第2の部分を選択することが選択される。ステップ806において、制御チャネル候補は、選択された部分と関連付けられたQCLパラメータを使用して、選択された部分に属する制御チャネルリソース内で送信される。いくつかの実施形態において、第1のQCLパラメータはアクティブBPLに関連し、第2のQCLパラメータは監視対象BPLに関連し、選択は、アクティブBPLがBPLFを受けた(例えば、アクティブBPLが低いもしくはゼロの受信品質を有する)という情報に基づく。
【0101】
図9は、1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するUEによって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス900を例証するフローチャートであり、TRPは、第1のTXビーム、および第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含む第1のBPLを使用して情報をUEに送信するように設定される(第1のBPLは、第1のカバレッジエリア内に第2のカバレッジエリアを有し得る)。
【0102】
プロセス900は、UEが、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)を獲得するために、第1のTXビームに対応する第1のRXビームを使用するステップ902において開始し得る。ステップ904において、UEは、TRPが、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む第2のBPL(第2のBPLは、第1のカバレッジエリア内にあるが、第1のBPLの第2のカバレッジエリアとは異なる、第3のカバレッジエリアを有し得る)を使用して、制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示すスケジューリング情報を獲得する。ステップ906において、UEは、スケジューリング情報を受信した結果として、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報のための示されたサブフレームを探索するために、第2のTXビームに対応する第2のRXビームを使用する。いくつかの実施形態において、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことをTRPが検出した際には、TRPは、第2のBPLを使用してサブフレーム内で制御情報をUEに送信する。いくつかの実施形態において、探索の結果として、UEは、第2のBPLを使用してUEに送信された制御情報を獲得し、獲得された制御情報は、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える。いくつかの実施形態において、示されたサブフレームは、TRPが第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しないサブフレームである。
【0103】
図10は、1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するUEによって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス1000を例証するフローチャートであり、TRPは、第1のBPLを使用して情報をUEに送信するように設定される。プロセス1000は、UEが、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)のためのサブフレームの制御エリアを探索するために、第1のBPLに対応する第1のパラメータを使用するステップ1002において開始し得る。ステップ1004において、UEが、第1のBPLを使用してUEに送信された制御情報を見つけることができないとき、UEは、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)のためのサブフレームの制御エリアを探索するために、第2のBPLに対応する第2のパラメータを使用する。
【0104】
図11は、1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するUEによって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス1100を例証するフローチャートであり、UEは、制御チャネルメッセージ候補(例えば、PDCCH)の制御チャネル探索空間を監視しており、制御チャネルメッセージ候補の制御チャネル探索空間は、少なくとも2つの部分、第1の部分および第2の部分に分割される。プロセス1100は、UEが第1の探索空間部分の制御チャネル候補を受信するときに第1のQCLパラメータを使用するステップ1102において開始し得る。ステップ1104において、UEは、第2の探索空間部分の制御チャネル候補を受信するときに第2のQCLパラメータを使用する。いくつかの実施形態において、2つの部分の探索空間候補は、1つのサブフレーム内の2つの異なるOFDMシンボル内で受信される。いくつかの実施形態において、2つの部分の探索空間候補は、2つの異なるサブフレーム内で受信される。いくつかの実施形態において、プロセス1100は、UEが上位層メッセージ(例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージなど、層3メッセージ)を使用して設定情報を受信することをさらに含み、設定情報は、探索空間の分割を設定する。
【0105】
図12は、UE501と通信するための第1の送信地点(TRP)(例えば、示されるようにTRP550)およびUEと通信するための第2のTRP1502を備えるシステム1500(
図15を参照されたい)によって実施される、いくつかの実施形態に従う、プロセス1200を例証するフローチャートである。プロセス1200は、第1のTRPが第1のビームペアリンク(BPL)(BPL#1と示される)をUEのためのアクティブBPLとして使用するステップ1202において開始し得る。ステップ1204において、第2のTRPは、第2のBPL(BPL#2と示される)をUEのための監視対象BPLとして使用する。ステップ1206において、第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のTRPは、第1のBPLを使用して(すなわち、第1のBPLのTRP TXビームを使用して)制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信する。ステップ1208において、スケジューリング情報がUEに提供され、このスケジューリング情報は、第2のTRP1502が第2のBPLを使用して(すなわち、第2のBPLのTRP TXビームを使用して)制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示す。
【0106】
図13は、いくつかの実施形態に従うUE501のブロック図である。
図13に示されるように、UEは、1つまたは複数のプロセッサ1355(例えば、汎用マイクロプロセッサ、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および同様のものなどの1つまたは複数の他のプロセッサ)を含み得るデータ処理システム(DPS)1302と、無線アクセスネットワーク(RAN)ノード(例えば、TRP)との無線通信における使用のためのアンテナ1322に結合される無線送信器1305および無線受信器1306と、1つもしくは複数の不揮発性ストレージデバイスおよび/または1つもしくは複数の揮発性ストレージデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含み得るローカルストレージユニット(別名、「データストレージシステム」)1312とを備え得る。UEが汎用マイクロプロセッサを含む実施形態においては、コンピュータプログラム製品(CPP)1341が提供され得る。CPP1341は、コンピュータ可読命令(CRI)1344を含むコンピュータプログラム(CP)1343を格納するコンピュータ可読媒体(CRM)1342を含む。CRM1342は、限定されるものではないが、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、DVD)、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリなど)、および同様のものなど、非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。いくつかの実施形態において、コンピュータプログラム1343のCRI1344は、データ処理システム1302によって実行されるとき、CRIが、上に説明されるステップ(例えば、フローチャートを参照して上に説明されるステップ)をUEに実施させるように設定される。他の実施形態において、UEは、コードの必要性なしに本明細書に説明されるステップを実施するように設定され得る。すなわち、例えば、データ処理システム1302は、単に1つまたは複数のASICからなり得る。したがって、本明細書に説明される実施形態の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に実装され得る。
【0107】
図14は、いくつかの実施形態に従うTRP550のブロック図である。
図14に示されるように、TRPは、1つまたは複数のプロセッサ1455(例えば、汎用マイクロプロセッサ、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および同様のものなどの1つまたは複数の他のプロセッサ)を含み得るデータ処理システム(DPS)1402と、UEとの無線通信における使用のためのアンテナ1422に結合される無線送信器1405および無線受信器1406と、1つもしくは複数の不揮発性ストレージデバイスおよび/または1つもしくは複数の揮発性ストレージデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含み得るローカルストレージユニット(別名、「データストレージシステム」)1412とを備え得る。TRPが汎用マイクロプロセッサを含む実施形態においては、コンピュータプログラム製品(CPP)1441が提供され得る。CPP1441は、コンピュータ可読命令(CRI)1444を含むコンピュータプログラム(CP)1443を格納するコンピュータ可読媒体(CRM)1442を含む。CRM1442は、限定されるものではないが、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、DVD)、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリなど)、および同様のものなど、非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。いくつかの実施形態において、コンピュータプログラム1443のCRI1444は、データ処理システム1402によって実行されるとき、CRIが、上に説明されるステップ(例えば、フローチャートを参照して上に説明されるステップ)をTRPに実施させるように設定される。他の実施形態において、TRPは、コードの必要性なしに本明細書に説明されるステップを実施するように設定され得る。すなわち、例えば、データ処理システム1402は、単に1つまたは複数のASICからなり得る。したがって、本明細書に説明される実施形態の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に実装され得る。
【0108】
追加の実施形態
TRP実施形態
1.ユーザ機器(UE)と通信するための送信地点(TRP)によって実施される方法であって、第1のビームペアリンク(BPL)をUEのためのアクティブBPLとして使用することであって、第1のBPLが、第1のTXビーム、および第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含む、ことと、第2のBPLをUEのための監視対象BPLとして使用することであって、第2のBPLが、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む、ことと、第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のBPLを使用して制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信することと、TRPが第2のBPLを使用して制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示すスケジューリング情報をUEに提供することと、を含む、方法。
【0109】
2.TRPが、第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことを検出することと、第1のBPLがBPLFを受けたという検出の結果として、TRPが、第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内で制御情報をUEに送信することと、をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0110】
3.第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内でUEに送信された制御情報が、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える、実施形態2に記載の方法。
【0111】
4.UEが、第2のBPLを使用してTRPによって送信された制御情報について、示されたサブフレームの制御エリアを探索するように設定される、実施形態3に記載の方法。
【0112】
5.第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信するステップが、N個の連続したサブフレームのうちのM個以下において第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することを含み、Nは1よりも大きく、MはN以下であり、示されたサブフレームは、N個の連続したサブフレームのうちの1つである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
6.スケジューリング情報が、TRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るL個のサブフレームを示し、Lは1以上であり、LはM未満であり、L個のサブフレームの各々は、N個の連続したサブフレームのうちの1つである、実施形態5に記載の方法。
【0114】
7.M=N-1およびL=1である、実施形態6に記載の方法。
【0115】
8.N個の連続したサブフレームのうちの1つにおいて、TRPが、第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信するが、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しない、実施形態7に記載の方法。
【0116】
9.M=NおよびL=1である、実施形態6に記載の方法。
【0117】
10.ユーザ機器(UE)と通信する1つまたは複数の送信地点(TRP)によって実施される方法であって、UEが制御チャネルメッセージ候補(PDCCH)の制御チャネル探索空間を監視しており、UEのための制御チャネル探索空間のためのリソースを2つの部分、第1の部分および第2の部分に分割することであって、第1の部分が第1のQCLパラメータと関連付けられ、第2の部分が第2のQCLパラメータと関連付けられる、分割することと、UEへの制御チャネル候補の送信のため、第1または第2の部分を選択することと、選択された部分と関連付けられたQCLパラメータを使用して、選択された部分に属する制御チャネルリソース内で制御チャネル候補を送信することと、を含む、方法。
【0118】
11.第1のQCLパラメータがアクティブBPLに関連し、第2のQCLパラメータが監視対象BPLに関連する、実施形態10に記載の方法。
【0119】
12.選択が、アクティブBPLがBPLFを受けた(例えば、アクティブBPLが低いまたはゼロの受信品質を有する)という情報に基づく、実施形態11に記載の方法。
【0120】
13.送信器と、受信器と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムとを備えるTRPであって、実施形態1から12のいずれか1つの方法を実施するように設定される、TRP。
【0121】
UE側の実施形態
14.1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、TRPが、第1の送信(TX)ビーム、および第1のTXビームに対応する第1の受信(RX)ビームを含む第1のビームペアリンク(BPL)を使用して情報をUEに送信するように設定され、UEが、第1のBPLを使用してUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)を獲得するために第1のTXビームに対応する第1のRXビームを使用することと、UEが、TRPのうちの1つが第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む第2のBPLを使用して制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示すスケジューリング情報を獲得することと、スケジューリング情報を受信した結果として、UEが、第2のBPLを使用してUEに送信された制御情報のための示されたサブフレームを探索するために、第2のTXビームに対応する第2のRXビームを使用することと、を含む、方法。
【0122】
15.第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことをTRPが検出した際には、TRPが、第2のBPLを使用してサブフレーム内で制御情報をUEに送信する、実施形態14に記載の方法。
【0123】
16.探索の結果として、UEが、第2のBPLを使用してUEに送信された制御情報を獲得し、獲得された制御情報が、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える、実施形態14または12に記載の方法。
【0124】
17.示されたサブフレームが、TRPが第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しないサブフレームである、実施形態14から13のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
18.1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、TRPが、第1の送信(TX)ビーム、および第1のTXビームに対応する第1の受信(RX)ビームを含む第1のビームペアリンク(BPL)を使用して情報をUEに送信するように設定され、UEが、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)のためのサブフレームの制御エリアを探索するために、第1のBPLに対応する第1のパラメータを使用することと、UEが第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報を見つけることができないときに、UEが、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された制御情報(例えば、PDCCH)のためのサブフレームの制御エリアを探索するために、第2のBPLに対応する第2のパラメータを使用することであって、第2のBPLが、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む、ことと、を含む、方法。
【0126】
19.1つまたは複数の送信地点(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、UEが、制御チャネルメッセージ候補(PDCCH)の制御チャネル探索空間を監視しており、制御チャネルメッセージ候補の制御チャネル探索空間が、少なくとも2つの部分、第1の部分および第2の部分に分割され、UEが、第1の探索空間部分の制御チャネル候補を受信するときに第1のQCLパラメータを使用することと、UEが、第2の探索空間部分の制御チャネル候補を受信するときに第2のQCLパラメータを使用することと、を含む、方法。
【0127】
20.2つの部分の探索空間候補が、1つのサブフレーム内の2つの異なるOFDMシンボル内で受信される、実施形態19に記載の方法。
【0128】
21.2つの部分の探索空間候補が、2つの異なるサブフレーム内で受信される、実施形態19に記載の方法。
【0129】
22.UEが、上位層メッセージ(例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージなど、層3メッセージ)を使用して設定情報を受信することをさらに含み、設定情報が、探索空間の分割を設定する、実施形態19から21のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
システム実施形態
23.ユーザ機器(UE)と通信するための第1の送信地点(TRP)およびUEと通信するための第2のTRPを備えるシステムによって実施される方法であって、第1のTRPが、第1のビームペアリンク(BPL)をUEのためのアクティブBPLとして使用することと、第2のTRPが、第2のBPLをUEのための監視対象BPLとして使用することと、第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のTRPが、第1のBPLを使用して制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信することと、第2のTRPが第2のBPLを使用して制御情報(例えば、PDCCH)をUEに送信し得るサブフレームを示すスケジューリング情報をUEに提供することと、を含む、方法。
【0131】
24.第1のBPLがビームペアリンク障害(BPLF)を受けたことを検出することと、第1のBPLがBPLFを受けたという検出の結果として、第2のTRPが、第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内で制御情報をUEに送信することと、をさらに含む、実施形態23に記載の方法。
【0132】
25.第2のBPLを使用して、示されたサブフレーム内でUEに送信された制御情報が、第2のBPLが現在UEのためのアクティブBPLであることをUEに伝える、実施形態24に記載の方法。
【0133】
26.UEが、第2のBPLを使用して第2のTRPによって送信された制御情報について、示されたサブフレームの制御エリアを探索するように設定される、実施形態25に記載の方法。
【0134】
27.第1のBPLがアクティブBPLとして使用されており、第2のBPLが監視対象BPLとして使用されている中、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信するステップが、N個の連続したサブフレームのうちのM個以下において第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信することを含み、Nは1よりも大きく、MはN以下であり、示されたサブフレームは、N個の連続したサブフレームのうちの1つである、実施形態23から26のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
28.スケジューリング情報が、第2のTRPが第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信し得るL個のサブフレームを示し、Lは1以上であり、LはM未満であり、L個のサブフレームの各々は、N個の連続したサブフレームのうちの1つである、実施形態27に記載の方法。
【0136】
29.M=N-1およびL=1である、実施形態28に記載の方法。
【0137】
30.N個の連続したサブフレームのうちの1つにおいて、第2のTRPが、第2のBPLを使用して制御情報をUEに送信するが、第1のTRPが、第1のBPLを使用して制御情報をUEに送信しない、実施形態29に記載の方法。
【0138】
31.M=NおよびL=1である、実施形態28に記載の方法。
【0139】
32.送信器と、受信器と、メモリと、14つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムとを備えるUEであって、TRPが、実施形態14から22のいずれか1つの方法を実施するように設定される、UE。
【0140】
本開示の様々な実施形態が本明細書(付属書を含む)に説明されるが、それらは例として提示されているにすぎず、制限ではないことが理解されるべきである。したがって、本開示の幅および範囲は、上に説明される例示的な実施形態によって制限されるべきではない。さらに、上に説明される要素の、それらのすべての潜在的な変形形態における、任意の組み合わせは、本明細書に別途示されるか、文脈により別途明白に否定されない限り、本開示により包含される。
【0141】
加えて、上に説明される、および図面に例証されるプロセスは、一連のステップとして示されるが、これは例証の目的のためだけに行われたものである。したがって、いくつかのステップが追加され得ること、いくつかのステップが省略され得ること、ステップの順序が並べ替えられ得ること、およびいくつかのステップが並行して実施され得ることが企図される。