(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】画素回路、表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20221202BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221202BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221202BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221202BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/20 642D
H05B33/14 A
H01L27/32
(21)【出願番号】P 2019562386
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2018103347
(87)【国際公開番号】W WO2019114327
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】201721749337.8
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハオ シュエグアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー シンイン
(72)【発明者】
【氏名】マー ヨンダー
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/029422(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0141348(US,A1)
【文献】特開2008-040024(JP,A)
【文献】特開2010-281993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0300281(US,A1)
【文献】特表2017-505457(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243203(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09F 9/30
G09G 3/20
H01L 51/50
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路であって、
第2極が低電圧信号線に結合される発光デバイスと、
前記発光デバイスへ駆動電流を供給するように配置され、第2極が前記発光デバイスの第1極に結合される駆動薄膜トランジスタと、
前記発光デバイスの発光を制御するように配置され、第1極が高電圧信号線に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの第1極に結合される発光制御薄膜トランジスタと、
データ電圧の前記駆動薄膜トランジスタの制御極への書き込みを制御するように配置されるスイッチング薄膜トランジスタと、
前記駆動薄膜トランジスタの制御極の電位をリセットするように配置されるリセット薄膜トランジスタと、
第1極が前記駆動薄膜トランジスタの制御極に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの第2極に結合される蓄積コンデンサと、
第1極が前記高電圧信号線に結合され、第2極が前記発光デバイスの第1極に結合される輝度向上コンデンサとを含
み、
前記リセット薄膜トランジスタは、第1極が初期電圧信号線に結合され、第2極が前記スイッチング薄膜トランジスタの第2極に結合され、制御極がリセット信号線に結合され、
前記輝度向上コンデンサは、第1金属パターンと、第2金属パターンと、前記第1金属パターンと前記第2金属パターンとの間に位置する第1無機絶縁層パターンとを含み、前記第1金属パターンが前記第2金属パターン上に位置し、
前記駆動薄膜トランジスタの第2極は、接触孔を介して前記発光デバイスの第1極に結合され、前記第1金属パターンと前記接触孔との間の間隔が2μm-5μmである、画素回路。
【請求項2】
前記発光制御薄膜トランジスタの制御極は、発光制御信号線に結合される請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記スイッチング薄膜トランジスタは、第1極がデータ信号線に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの制御極に結合され、制御極が走査信号線に結合される請求項1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記駆動薄膜トランジスタの第1極は、ソース電極又はドレイン電極であり、前記発光デバイスの第1極は、陽極である請求項1に記載の画素回路。
【請求項5】
前記輝度向上コンデンサは、前記第2金属パターン下に位置する第3金属パターンと、前記第2金属パターンと前記第3金属パターンとの間に位置する第2無機絶縁層パターンとをさらに含む請求項
1に記載の画素回路。
【請求項6】
前記第2金属パターンは、薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極と同一層に位置するとともに同じ材質であり、
前記第3金属パターンは、薄膜トランジスタのゲート電極と同一層に位置するとともに同じ材質である請求項
5に記載の画素回路。
【請求項7】
表示パネルであって、
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の画素回路を備え、前記画素回路は、赤色サブ画素回路、緑色サブ画素回路及び青色サブ画素回路を含む表示パネル。
【請求項8】
前記赤色サブ画素回路の輝度向上コンデンサ、前記緑色サブ画素回路の輝度向上コンデンサ及び前記青色サブ画素回路の輝度向上コンデンサのうち、いずれか2つの輝度向上コンデンサの間の電気容量の差が5%未満である請求項
7に記載の表示パネル。
【請求項9】
表示装置であって、
請求項
7又は請求項
8に記載の表示パネルを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年12月14日に中国特許庁に提出した、出願番号が201721749337.8、発明の名称が「表示装置」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、具体的には、画素回路、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの有機電界発光表示素子(OLED)は、表示装置の表示画面に応用されており、液晶表示画面(LCD)に比べて、OLED表示画面は、高輝度、広色域、高コントラスト、軽量化、薄型化などの多数の利点を有するが、市場において応用されているOLED表示画面では、画素駆動回路構造及び画素配列構造には多数の問題が存在することにより、表示品質が不十分である。
【発明の概要】
【0004】
第1態様によれば、本開示の実施例は、画素回路を提供し、当該画素回路は、
第2極が低電圧信号線に結合される発光デバイスと、
前記発光デバイスへ駆動電流を供給するように配置され、第2極が前記発光デバイスの第1極に結合される駆動薄膜トランジスタと、
前記発光デバイスの発光を制御するように配置され、第1極が高電圧信号線に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの第1極に結合される発光制御薄膜トランジスタと、
データ電圧の前記駆動薄膜トランジスタの制御極への書き込みを制御するように配置されるスイッチング薄膜トランジスタと、
前記駆動薄膜トランジスタの制御極の電位をリセットするように配置されるリセット薄膜トランジスタと、
第1極が前記駆動薄膜トランジスタの制御極に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの第2極に結合される蓄積コンデンサと、を含む。
【0005】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記発光制御薄膜トランジスタの制御極は、発光制御信号線に結合されるようにしてもよい。
【0006】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記スイッチング薄膜トランジスタは、第1極がデータ信号線に結合され、第2極が前記駆動薄膜トランジスタの制御極に結合され、制御極が走査信号線に結合されるようにしてもよい。
【0007】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記リセット薄膜トランジスタは、第1極が初期電圧信号線に結合され、第2極が前記スイッチング薄膜トランジスタの第2極に結合され、制御極がリセット信号線に結合されるようにしてもよい。
【0008】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記駆動薄膜トランジスタは、第1極は、ソース電極又はドレイン電極であり、前記発光デバイスの第1極は、陽極であるようにしてもよい。
【0009】
本開示の実施例による上記画素回路において、第1極が前記高電圧信号線に結合され、第2極が前記発光デバイスの第1極に結合される輝度向上コンデンサをさらに含むようにしてもよい。
【0010】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記輝度向上コンデンサは、第1金属パターンと、第2金属パターンと、前記第1金属パターンと前記第2金属パターンとの間に位置する絶縁層とを含み、前記第1金属パターンが前記第2金属パターン上に位置するようにしてもよい。
【0011】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記輝度向上コンデンサは、前記第2金属パターン下に位置する第3金属パターンと、前記第2金属パターンと前記第3金属パターンとの間に位置する絶縁層とをさらに含むようにしてもよい。
【0012】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記第2金属パターンは、薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極と同一層に位置するとともに同じ材質であり、
前記第3金属パターンは、薄膜トランジスタのゲート電極と同一層に位置するとともに同じ材質であるようにしてもよい。
【0013】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記駆動薄膜トランジスタの第2極は、接触孔を介して前記発光デバイスの第1極に結合され、前記第1金属パターンと前記接触孔との間の間隔が2μm-5μmであるようにしてもよい。
【0014】
第2態様によれば、本開示の実施例は、上記画素回路を備える表示パネルをさらに提供し、前記画素回路は、赤色サブ画素回路、緑色サブ画素回路及び青色サブ画素回路を含む。
【0015】
本開示の実施例による上記画素回路において、前記赤色サブ画素回路の輝度向上コンデンサ、前記緑色サブ画素回路の輝度向上コンデンサ及び前記青色サブ画素回路の輝度向上コンデンサのうち、いずれか2つの輝度向上コンデンサの間の電気容量の差が5%未満であるようにしてもよい。
【0016】
第3態様によれば、本開示の実施例は、上記表示パネルを備える表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施例による画素回路の構造模式図である。
【
図2】本開示の実施例による画素回路の作動シーケンス図である。
【
図3】本開示の実施例による画素回路における輝度向上コンデンサの構造模式図である。
【
図4】本開示の実施例による画素回路における輝度向上コンデンサの別の構造模式図である。
【
図5】本開示の実施例の表示パネルにおける画素回路配列の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の技術案を明瞭かつ完全に説明するが、明らかなように、説明する実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。説明する本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到しうるほかのすべての実施例は、本開示の特許範囲に属する。
【0019】
別段定義しない限り、本開示に使用されている技術用語又は科学用語は、本開示の当業者が理解できる一般的な意味である。本開示に使用されている「第1」、「第2」及び類似した単語は、順番、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するために過ぎない。「含む」又は「備える」などの類似した単語は、この単語の前に記載の素子又は物品が該単語の後に挙げられた素子又は物品及びこれらの等同物を含むが、ほかの素子又は物品を排除しないことを意味する。「接続」又は「繋がる」などの類似した単語は、物理的又は機械的接続に制限されず、直接又は間接を問わず電気的に接続される場合を含む。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係のみを示し、説明する対象の絶対位置が変わると、この相対位置関係もそれに応じて変化する。
【0020】
本開示では、有機発光トランジスタ(Organic light emitting transistor)は、単にOLEDと呼ばれる。それに対応して、駆動薄膜トランジスタは、単にTFT01、発光制御薄膜トランジスタは、TFT02、リセット薄膜トランジスタは、TFT03、スイッチング薄膜トランジスタは、TFT04、蓄積コンデンサは、C05、輝度向上コンデンサは、C06、発光デバイスは、D07、第1コンデンサは、C1、第2コンデンサは、C2と呼ばれる。さらに、本開示では、ソース電極とドレイン電極は、相対的にいうものであり、互いに交換してもよい。たとえば、ソース電極をドレイン電極に変換する場合、ドレイン電極は、ソース電極となる。
【0021】
本開示の実施例は、画素回路を提供し、
図1に示すように、
第2極072が低電圧信号線ELVSSに結合される発光デバイスD07と、
発光デバイスD07へ駆動電流を供給するように配置され、第2極012が発光デバイスD07の第1極071に結合される駆動薄膜トランジスタTFT01と、
発光デバイスの発光を制御するように配置され、第1極021が高電圧信号線ELVDDに結合され、第2極022が駆動薄膜トランジスタTFT01の第1極011に結合される発光制御薄膜トランジスタTFT02と、
データ電圧の駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013への書き込みを制御するように配置されるスイッチング薄膜トランジスタTFT04と、
駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013の電位をリセットするように配置されるリセット薄膜トランジスタTFT03と、
第1極051が駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013に結合され、第2極052が駆動薄膜トランジスタTFT01の第2極012に結合される蓄積コンデンサC05と、を含む。
【0022】
具体的には、本発明の実施例による上記画素回路において、リセット薄膜トランジスタTFT03は、データ電圧信号を書き込む前に、駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013をリセットし、それによって、駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013の電位を安定化させ、画素回路の信頼性を効果的に向上させる。
【0023】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図1に示すように、発光制御薄膜トランジスタTFT02の制御極023は、発光制御信号線EMに結合されるようにしてもよい。
【0024】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図1に示すように、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、第1極041がデータ信号線Dataに結合され、第2極042が駆動薄膜トランジスタTFT01の制御極013に結合され、制御極043が走査信号線Gateに結合されるようにしてもよい。
【0025】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図1に示すように、リセット薄膜トランジスタTFT03は、第1極031が初期電圧信号線Viniに結合され、第2極032がスイッチング薄膜トランジスタTFT04の第2極042に結合され、制御極033がリセット信号線Resetに結合されるようにしてもよい。
【0026】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図1に示すように、駆動薄膜トランジスタTFT01の第1極011は、ソース電極又はドレイン電極であり、それに対応して、第2極012は、ドレイン電極又はソース電極であり、発光デバイスD07の第1極071は、陽極であり、それに対応して、発光デバイスD07の第2極072は、陰極であるようにしてもよい。
【0027】
本開示の実施例では、駆動薄膜トランジスタTFT01、発光制御薄膜トランジスタTFT02、リセット薄膜トランジスタTFT03、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、N型薄膜トランジスタ又はP型薄膜トランジスタであってもよく、駆動薄膜トランジスタTFT01、発光制御薄膜トランジスタTFT02、リセット薄膜トランジスタTFT03、スイッチング薄膜トランジスタTFT04がN型薄膜トランジスタである場合、リセット信号線Reset、走査信号線Gate、発光制御信号線EMが高電圧信号を入力すると、駆動薄膜トランジスタTFT01、発光制御薄膜トランジスタTFT02、リセット薄膜トランジスタTFT03、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オンになり、駆動薄膜トランジスタTFT01、発光制御薄膜トランジスタTFT02、リセット薄膜トランジスタTFT03、スイッチング薄膜トランジスタTFT04がP型薄膜トランジスタである場合、リセット信号線Reset、走査信号線Gate、発光制御信号線EMが低電圧信号を入力すると、駆動薄膜トランジスタTFT01、発光制御薄膜トランジスタTFT02、リセット薄膜トランジスタTFT03、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オンになる。
【0028】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図1に示すように、第1極061が高電圧信号線ELVDDに結合され、第2極062が発光デバイスD07の第1極071に結合される輝度向上コンデンサC06をさらに含むようにしてもよい。
【0029】
具体的には、本開示の実施例による上記画素回路において、輝度向上コンデンサC06を増設することにより、発光デバイスD07の発光輝度及び表示パネルの表示均一性を効果的に向上できる。
【0030】
以下、
図2に示した作動シーケンス図を参照しながら、画素回路におけるすべての薄膜トランジスタがN型薄膜トランジスタである場合を例に挙げて、本開示の実施例による上記画素回路の作動原理について詳細に説明する。作動原理は、具体的には、以下のとおりである。
【0031】
(1)T1期間では、リセット信号線Resetは、ハイレベル電圧信号を入力し、リセット薄膜トランジスタTFT03は、オンになり、ノードAの電位が初期電圧信号線Viniの電位にリセットし、ノードAのリセットの作動は完了する。この期間では、発光制御信号線EM及び走査信号線Gateは、ローレベル電圧信号を入力し、発光制御薄膜トランジスタTFT02及びスイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オフ状態にある。
【0032】
(2)T2期間では、リセット信号線Resetは、ローレベル電圧信号を入力し、リセット薄膜トランジスタTFT03は、オフ状態にある。発光制御信号線EM及び走査信号線Gateは、ハイレベル電圧信号を入力し、発光制御薄膜トランジスタTFT02及びスイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オンになり、ノードAがデータ信号線Dataから入力された基準電位Vrefを書き込み、駆動薄膜トランジスタTFT01がオフ状態にあるため、ノードBの電圧が最終的にVref-Vthに変わり、ここで、Vthが駆動薄膜トランジスタTFT01のしきい値電圧であり、しきい値電圧の書き込み作動は完了する。
【0033】
(3)T3期間では、リセット信号線Resetは、ローレベル電圧信号の入力を保持し、リセット薄膜トランジスタTFT03は、オフ状態を保持する。発光制御信号線EMは、ローレベル電圧信号を入力し、発光制御薄膜トランジスタTFT02は、オフ状態にある。走査信号線Gateは、ハイレベル電圧信号を保持し、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オンを保持し、ノードAがデータ信号線Dataから入力されたデータ電位Vdataを書き込む。
【0034】
蓄積コンデンサC05のみがある場合、蓄積コンデンサC05によるカップリング作用及び発光デバイスD07のコンデンサCOLEDの分圧作用により、ノードBの電位がVref-Vthから最終的にC05*(Vdata-Vref)/(C05+COLED)+Vref-Vthに変わり、データ信号の書き込み作動は完了する。
【0035】
輝度向上コンデンサがある場合、蓄積コンデンサC05によるカップリング作用、及び輝度向上コンデンサと発光デバイスD07のコンデンサCOLEDの分圧作用により、ノードBの電位がVref-Vthから最終的にC05*(Vdata-Vref)/(C06+C05+COLED)+Vref-Vthに変わり、データ信号の書き込み作動は完了する。
【0036】
(4)T4期間では、リセット信号線Resetは、ローレベル電圧信号の入力を保持し、リセット薄膜トランジスタTFT03は、オフ状態を保持する。走査信号線Gateは、ローレベル電圧信号を入力し、スイッチング薄膜トランジスタTFT04は、オフ状態にある。発光制御信号線EMは、ハイレベル電圧信号を入力し、発光制御薄膜トランジスタTFT02は、オンになる。このとき、駆動薄膜トランジスタTFT01を流れる電流は、Ids=1/2k(Vgs-Vth)2=1/2K(VA-VB-Vth)2であり、ここで、k=μCoxW/Lであり、μは、イオン移動度であり、Wは、トレンチの幅であり、Coxは、薄膜酸化物コンデンサであり、Lは、トレンチの長さである。
【0037】
蓄積コンデンサC05のみがある場合、
【0038】
【0039】
輝度向上コンデンサC06がある場合、
【0040】
【0041】
上記2つの式を比較して分かるように、輝度向上コンデンサC06がある場合、駆動薄膜トランジスタTFT01を流れる電流が大きく、したがって、発光デバイスD07の発光輝度が向上できる。
【0042】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図3に示すように、輝度向上コンデンサ構造C06は、第1金属パターン104と、第2金属パターン106と、第1金属パターン104と第2金属パターン106との間に位置する第1無機絶縁層パターン105とを含み、且つ、第1金属パターン104が第2金属パターン106上に位置するようにしてもよい。第1金属パターン104と第2金属パターン106から第1コンデンサC1を構成して輝度向上コンデンサ構造C06とする。
【0043】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図3に示すように、第2金属パターン106は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極107と同一層に位置するとともに同じ材質であり、即ち、同じパターニングプロセスにより形成されるようにしてもよい。
【0044】
具体的には、
図3に示した構造を例に挙げると、その製造プロセスは、以下のとおりである。
【0045】
第1ステップ、ほかの膜層が形成されたガラス基板又はプラスチック基板上に第2金属層を堆積し、露光、エッチング、現像によりソース電極又はドレイン電極のパターン107及び輝度向上コンデンサC06の第2金属パターン106を形成し、第2金属層には、一般に、アルミニウム、モリブデン、チタンなどの金属材料又は上記3種類の材料のうちのいずれか2種の材料の合金材料が使用される。
【0046】
第2ステップ、第2金属層上に第1無機絶縁層を堆積し、第1ステップと類似したプロセスによって第1無機絶縁層内に第1無機層接触孔と第1無機絶縁層パターン105を形成し、第1無機絶縁層には、一般に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素などの非金属材料が使用される。
【0047】
第3ステップ、第1無機絶縁層上に第1金属層を堆積し、上記とほぼ同じプロセスによって輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104を形成する。
【0048】
第4ステップ、堆積、露光、現像プロセスにより有機層接触孔を製造し、接触孔110は、第1無機層接触孔と有機層接触孔を含み、有機層接触孔が第1無機層接触孔上に位置する。
【0049】
第5ステップ、堆積、露光、エッチング、現像プロセスにより陽極層パターン102を製造する。
【0050】
第6ステップ、堆積、露光、現像プロセスにより画素画定層パターン101を製造する。
【0051】
具体的には、本発明の実施例による上記画素回路において、
図3に示すように、駆動薄膜トランジスタTFT01の第2極(即ち、ソース電極又はドレイン電極)は、接触孔110を介して発光デバイスD07の第1極(即陽極102)に結合され、輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と接触孔110との間の間隔が2μm-5μmであってもよい。
【0052】
本開示の実施例による上記画素回路において、
図4に示すように、輝度向上コンデンサの構造C06は、第2金属パターン
106下に位置する第3金属パターン109と、第2金属パターン106と第3金属パターン109との間に位置する第2無機絶縁層パターン108とをさらに含んでなるようにしてもよい。第1金属パターン104と第2金属パターン106は、第1コンデンサC1を構成し、第3金属パターン109と第2金属パターン106は、第2コンデンサC1を構成し、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2は、並列接続されて輝度向上コンデンサ構造C06を構成し、それにより、輝度向上コンデンサ構造C06の電気容量値を増加させて、さらに表示輝度を高める。
【0053】
本開示の実施例による上記画素回路において、第3金属パターン109は、薄膜トランジスタのゲート電極と同一層に位置するとともに同じ材質であり、即ち、同じパターニングプロセスにより形成されるようにしてもよい。
【0054】
具体的には、
図4に示した構造を例に挙げると、その製造プロセスは、以下のとおりである。
【0055】
第1ステップ、ほかの膜層が形成されたガラス又はプラスチック基板上に第3金属層を堆積し、露光、エッチング、現像により輝度向上コンデンサC06の第3金属パターン109及びゲート電極パターンを形成し、第3金属層には、一般に、アルミニウム、モリブデン、チタンなどの金属材料又は上記3種類の材料のうちのいずれか2種の材料の合金材料が使用される。
【0056】
第2ステップ、第3金属層上に第2無機絶縁層を堆積し、第1ステップと類似したプロセスによって輝度向上コンデンサC06の第2無機絶縁層パターン108を形成し、第2無機絶縁層には、一般に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素などの非金属材料が使用される。
【0057】
第3ステップ、第2無機絶縁層上に第2金属層を堆積し、露光、エッチング、現像によりソース電極又はドレイン電極パターン107及び輝度向上コンデンサC06の第2金属パターン106を形成し、第2金属層には、一般に、アルミニウム、モリブデン、チタンなどの金属材料又は上記3種類の材料のいずれか2種の材料の合金材料が使用される。
【0058】
第4ステップ、第2金属層上に第1無機絶縁層を堆積し、第1ステップとほぼ同じプロセスによって第1無機絶縁層内に第1無機層接触孔と第1無機絶縁層パターン105を形成し、第1無機絶縁層には、一般に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素などの非金属材料が使用される。
【0059】
第5ステップ、第1無機絶縁層上に第1金属層を堆積し、上記とほぼ同じプロセスによって輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104を形成する。
【0060】
第6ステップ、堆積、露光、現像により有機絶縁層接触孔を製造し、接触孔110は、第1無機層接触孔と有機層接触孔を含み、有機層接触孔が第1無機層接触孔上に位置する。
【0061】
第7ステップ、堆積、露光、エッチング、現像により陽極層パターン102を製造する。
【0062】
第8ステップ、堆積、露光、現像により画素画定層101を製造する。
【0063】
具体的には、本発明の実施例による上記画素回路において、
図4に示すように、駆動薄膜トランジスタTFT01の第2極(即ち、ソース電極又はドレイン電極)は、接触孔110を介して発光デバイスD07の第1極(即ち陽極102)に結合され、輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と接触孔110との間の間隔が2μm-5μmであってもよい。
【0064】
同じ発明構造に基づいて、本開示の実施例は、本開示の実施例による上記画素回路を備える表示パネルをさらに提供し、
図5に示すように、画素回路は、青色サブ画素回路201、赤色サブ画素回路202及び緑色サブ画素回路203を含む。
【0065】
具体的には、本開示の実施例による上記表示パネルでは、3種類のサブ画素回路における駆動薄膜トランジスタTFT01の第2極(即ち、ソース電極又はドレイン電極)が発光デバイスD07の第1極(即陽極102)に結合される接触孔110は、異なる位置に位置し、接触孔110の中心の接続線が同一の仮想線にない。
【0066】
具体的には、本開示の実施例による上記表示パネルにおいて、3種類のサブ画素回路の輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と第2金属パターン106の重なり面積がほぼ同じである。さらに、輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と第2金属パターン106が比較的大きな重なり面積を有するとともに、輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と接触孔110が重なって第1金属パターン104と駆動薄膜トランジスタTFT01のドレイン電極107の短路を引き起こすことを回避するために、赤色サブ画素回路202、緑色サブ画素回路203、青色サブ画素回路201の輝度向上コンデンサC06の第1金属パターン104と第2金属パターン106の重なり部分の形状が異なることが要求される。
【0067】
本開示の実施例による上記表示パネルにおいて、均一な表示輝度を有するために、赤色サブ画素回路202、緑色サブ画素回路203、青色サブ画素回路201の輝度向上コンデンサC06の電気容量の差が5%未満であるようにしてもよい。
【0068】
同じ発明構造に基づいて、本発明の実施例は、本発明の実施例による上記表示パネルを備える表示装置をさらに提供し、該表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。該表示装置の実施については上記表示パネルの実施例を参照すればよく、重複説明を省略する。
【0069】
上記本開示の実施例の番号は、説明するために過ぎず、実施例が良いか悪いかを示すものではない。
【0070】
以上は、本開示の好適実施例に過ぎず、本開示を制限するものではなく、本開示の主旨及び原則から逸脱せずに行われるすべての修正、同等置換、改良などは、本開示の特許範囲に含まれる。