(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/519 20210101AFI20221202BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20221202BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20221202BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20221202BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20221202BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20221202BHJP
H01G 11/14 20130101ALI20221202BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/298
H01M50/367
H01M50/342 101
H01G11/12
H01G11/78
H01G11/14
(21)【出願番号】P 2020211177
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 康雅
(72)【発明者】
【氏名】稲村 卓思
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 崇俊
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-134092(JP,A)
【文献】特開2020-035612(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003437(WO,A1)
【文献】特開2015-138604(JP,A)
【文献】特開2018-026203(JP,A)
【文献】国際公開第2012/131837(WO,A1)
【文献】特開2019-133888(JP,A)
【文献】特開2014-186864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/519
H01M 50/569
H01M 50/298
H01M 50/367
H01M 50/342
H01G 11/12
H01G 11/78
H01G 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子およびガス排出弁を含む複数の蓄電セルを積層方向に積層した積層体と、
前記積層方向、および前記積層方向に直交する幅方向の各々に延在する底面部を有し、前記積層体上に載置された樹脂プレートと、
前記底面部上に載置され、前記複数の蓄電セルと電気的に接続された電気回路を有するフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記電極端子と電気的に接続される接続端子とを備え、
前記樹脂プレートは、前記底面部の前記ガス排出弁と対向する位置に形成された排気口、前記底面部の前記電極端子と対向する位置に形成された開口、および、前記幅方向における前記排気口の両外側の位置にて前記底面部から突出して前記積層方向に断続的に延在する壁部を含み、
前記フレキシブルプリント基板は、本体部と、該本体部から延出しつつ曲折して、前記接続端子と接続された接続片部とを有し、
前記本体部と前記接続片部との間に第1隙間が形成されており、
前記第1隙間に、前記底面部から突出して前記積層方向に延在する第1補助壁部が設けられている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記接続片部は、前記本体部から延出しつつ折り返して、前記積層方向に直線状に延在する第1直線部と、該第1直線部に平行に延在する第2直線部とを含み、
前記第1直線部と前記第2直線部との間に第2隙間が形成されており、
前記第2隙間に、前記底面部から突出した前記積層方向に延在する第2補助壁部が設けられている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記開口の縁の一部に、前記底面部から突出して前記積層方向に延在する第3補助壁部、および、前記底面部から突出して前記幅方向に延在する第4補助壁部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記第1補助壁部は、前記底面部に直交する方向から見て、前記壁部、前記第3補助壁部および前記第4補助壁部のいずれとも交差せずに前記排気口と前記開口とを直線的に結ぶ仮想線分と、交差する位置に設けられている、請求項3に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント基板を用いた蓄電装置用の接続モジュールが従来から知られている。たとえば、国際公開第2018/066343号(特許文献1)には、折り曲げられたフレキシブルプリント基板を備えた接続モジュールが開示されている。接続モジュールは、蓄電素子群の上面中央部に設けられた排気用のダクトを囲むように、蓄電素子群の上面に載置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された接続モジュールにおいては、フレキシブルプリント基板が折り曲げられていることにより、構成が複雑になっている。接続モジュールにおいては、仮に、蓄電素子から可燃性ガスおよび火花が発生した場合、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール内より酸素濃度の高いモジュール外に出ることを抑制できることが好ましい。特許文献1に記載の接続モジュールにおいては、排気用のダクトに流入した可燃性ガスによって、排気用のダクトの内部の圧力が高くなる可能性がある。
【0005】
本技術の目的は、簡易な構成で、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール外に出ることを抑制することができる、蓄電モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る蓄電モジュールは、積層体と、樹脂プレートと、フレキシブルプリント基板と、接続端子とを備える。積層体においては、電極端子およびガス排出弁を含む複数の蓄電セルが積層方向に積層されている。樹脂プレートは、上記積層方向、および上記積層方向に直交する幅方向の各々に延在する底面部を有し、積層体上に載置されている。フレキシブルプリント基板は、上記底面部上に載置され、複数の蓄電セルと電気的に接続された電気回路を有する。接続端子は、フレキシブルプリント基板に設けられ、電極端子と電気的に接続される。樹脂プレートは、排気口、開口および壁部を含む。排気口は、上記底面部のガス排出弁と対向する位置に形成されている。上記開口は、上記底面部の電極端子と対向する位置に形成されている。壁部は、上記幅方向における排気口の両外側の位置にて上記底面部から突出して上記積層方向に断続的に延在する。フレキシブルプリント基板は、本体部と、接続片部とを有する。接続片部は、本体部から延出しつつ曲折して、接続端子と接続されている。本体部と接続片部との間に第1隙間が形成されている。第1隙間に、上記底面部から突出して上記積層方向に延在する第1補助壁部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、蓄電モジュールにおいて、簡易な構成で、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール外に出ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示す組電池における電池セルおよびエンドプレートを示す図である。
【
図3】
図1に示す組電池における電池セルを示す図である。
【
図4】組電池上に配線モジュールを設けた状態を示す斜視図である。
【
図5】組電池上に載置される配線モジュールの模式的な上面図である。
【
図6】フレキシブルプリント基板の接続片部および接続端子の周囲を拡大して示す部分上面図である。
【
図7】変形例に係るフレキシブルプリント基板の接続片部および接続端子の周囲を拡大して示す部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0013】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電モジュール」は、電池セルないし電池モジュールに限定されず、キャパシタセルないしキャパシタモジュールを含み得る。
【0014】
図1は、組電池1の基本的構成を示す図である。
図2は、組電池1に含まれる電池セル100とエンドプレート200とを示す図である。
【0015】
図1,
図2に示すように、「蓄電モジュール」の一例としての組電池1は、電池セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300とを備える。
【0016】
複数の電池セル100は、Y軸方向(配列方向)に並ぶように設けられる。これにより、電池セル100の積層体が形成される。複数の電池セル100の間には、図示しないセパレータが介装されている。2つのエンドプレート200に挟持された複数の電池セル100は、エンドプレート200によって押圧され、2つのエンドプレート200の間で拘束されている。
【0017】
エンドプレート200は、Y軸方向において組電池1の両端に配置されている。エンドプレート200は、組電池1を収納するケースなどの基台に固定される。エンドプレート200のX軸方向(幅方向)の両端には、段差部210が形成される。
【0018】
拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに接続する。拘束部材300は、2つのエンドプレート200に各々形成された段差部210に取り付けられる。
【0019】
複数の電池セル100およびエンドプレート200の積層体に対してY軸方向の圧縮力を作用させた状態で拘束部材300をエンドプレート200に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、2つのエンドプレート200を接続する拘束部材300に引張力が働く。その反作用として、拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに近づける方向に押圧する。
【0020】
拘束部材300は、第1部材310と、第2部材320とを含む。第1部材310と第2部材320とは、たとえば突き合わせ溶接により互いに結合される。第2部材320が折り返されて形成された先端面が、Y軸方向からエンドプレート200の段差部210に当接する。
【0021】
図3は、組電池1における電池セル100を示す図である。
図3に示すように、電池セル100は、電極端子110と、筐体120と、ガス排出弁130とを含む。
【0022】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを含む。電極端子110は、筐体120上に形成されている。筐体120は、略直方体形状に形成されている。筐体120には、図示しない電極体および電解液が収容されている。ガス排出弁130は、筐体120上において、正極端子111と負極端子112との中間の位置に形成されている。ガス排出弁130は、筐体120内の圧力が閾値以上となった際に破断する。これにより、筐体120内の可燃性ガスが筐体120外に排出される。
【0023】
図4は、組電池1上に配線モジュールを設けた状態を示す斜視図である。
図4に示すように、組電池1上にプレート部材400が載置され、プレート部材400上にフレキシブルプリント基板500が設けられる。フレキシブルプリント基板500はコネクタ600を介して外部機器と電気的に接続可能である。プレート部材400上には、フレキシブルプリント基板500を覆うようにカバー部材700が設けられる。
【0024】
図5は、組電池1上に載置される配線モジュールの模式的な上面図である。
図5に示すように、配線モジュールは、プレート部材400、フレキシブルプリント基板500、およびコネクタ600を含む。
【0025】
プレート部材400(バスバープレート)は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂プレートである。プレート部材400は、X軸方向およびY軸方向の各々に延在する底面部400Aと、底面部400AからZ軸方向に立ち上がるように形成された側面部400Bとを有する。プレート部材400は、壁部410と、排気口420と、開口430とを含む。
【0026】
壁部410は、プレート部材400の底面部400AからZ軸方向に立ち上がるように形成される。壁部410は、X軸方向(幅方向)における排気口420の両外側の位置にて底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に断続的に延在する。具体的には、壁部410は、X軸方向の中心側に形成された第1壁部411と、X軸方向の外側に第1壁部411と平行に設けられた第2壁部412とを含む。第1壁部411および第2壁部412は、各々、Y軸方向に断続的に延びるように形成される。
【0027】
第1壁部411および第2壁部412は、電池セル100の筐体120から排出されて排気口420を通過した可燃性ガスを電池パック外に排出する通路を確保しつつ、プレート部材400内で発生した火花を直接外部に出さない防護壁の役割を果たし得る。
【0028】
排気口420は、底面部400Aのガス排出弁130と対向する位置に形成されている。開口430は、底面部400Aの電極端子110と対向する位置に形成されている。
【0029】
フレキシブルプリント基板500は、プレート部材400の底面部400A上に載置されている。フレキシブルプリント基板500は、絶縁性を有するベースフィルムと、導電性金属箔とからなる基材上に電気回路が形成された基板である。ベースフィルムは、たとえばポリイミド等により構成される。導電性金属箔は、たとえば銅箔等により構成される。フレキシブルプリント基板500は、柔軟性を有し、変形した場合にもその電気的特性を維持する特性を有する。
【0030】
フレキシブルプリント基板500には、電極端子110と電気的に接続される接続端子530が設けられている。接続端子530は、複数の電池セル100の電極端子110を連結するバスバー100Aに接合される。これにより、フレキシブルプリント基板500に設けられた電気回路と組電池1とが電気的に接続される。
【0031】
コネクタ600は、フレキシブルプリント基板500に固定される。コネクタ600を介して、フレキシブルプリント基板500内の電気回路用と外部の電気機器とを電気的に接続し得る。
【0032】
図6は、フレキシブルプリント基板の接続片部および接続端子の周囲を拡大して示す部分上面図である。
図5および
図6に示すように、フレキシブルプリント基板500は、本体部510と、接続片部520とを含む。
【0033】
接続片部520は、本体部510から延出しつつ曲折している。本実施の形態においては、本体部510から延出しつつ折り返して略U字状の形状を有している。接続片部520は、本体部510のX軸方向における端縁から延出している。ただし、接続片部520は、本体部510のY軸方向における端縁から延出していてもよい。
【0034】
接続片部520は、Y軸方向に直線状に延在する第1直線部521と、第1直線部521に平行に延在する第2直線部522とを含む。第1直線部521は、第2直線部522より本体部側に位置している。第1直線部521と第2直線部522とは、半円弧部523によって互いに接続されている。本実施の形態においては、第2直線部522は第1直線部521より長いが、第1直線部521が第2直線部522より長くてもよい。
【0035】
本体部510と接続片部520との間に第1隙間550が形成されている。第1直線部521は、本体部510との間に第1隙間550を挟みつつ本体部510と平行に延在している。第1直線部521と第2直線部522との間に第2隙間560が形成されている。
【0036】
接続片部520の先端に、接続端子530が接続されている。具体的には、第2直線部522の先端に、接続端子530が接続されている。接続片部520により、接続端子530の変位(X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向)を吸収することができる。
【0037】
第1隙間550に、底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に延在する第1補助壁部450が設けられている。すなわち、プレート部材400は、底面部400A上に立設され、第1隙間550においてY軸方向(積層方向)に延在する第1補助壁部450をさらに含む。第1補助壁部450のX軸方向の厚みの寸法は、接続片部520が接続端子530の変位を吸収可能な程度に、第1隙間550のX軸方向の幅の寸法より小さい。
【0038】
第2隙間560に、底面部400Aから突出したY軸方向(積層方向)に延在する第2補助壁部460が設けられている。すなわち、プレート部材400は、底面部400A上に立設され、第2隙間560においてY軸方向(積層方向)に延在する第2補助壁部460をさらに含む。第2補助壁部460のX軸方向の厚みの寸法は、接続片部520が接続端子530の変位を吸収可能な程度に、第2隙間560のX軸方向の幅の寸法より小さい。なお、第2補助壁部460は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0039】
開口430の縁の一部に、底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に延在する第3補助壁部470、および、底面部400Aから突出してX軸方向(幅方向)に延在する第4補助壁部480が設けられている。すなわち、プレート部材400は、底面部400A上に立設され、開口430の縁に沿いつつY軸方向(積層方向)に延在する第3補助壁部470、および、底面部400A上に立設され、開口430の縁からX軸方向(幅方向)に延在する第4補助壁部480をさらに含む。第3補助壁部470は、開口430の縁において接続端子530が変位する範囲以外の部分に設けられている。
【0040】
図6に示すように、第4補助壁部480は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410および第3補助壁部470のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L1と、交差する位置に設けられている。
【0041】
第1補助壁部450は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410、第3補助壁部470および第4補助壁部480のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L2と、交差する位置に設けられている。
【0042】
同様に、第2補助壁部460は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410、第3補助壁部470および第4補助壁部480のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L2と、交差する位置に設けられている。
【0043】
本実施の形態においては、接続片部520は折り返すように形成されていたが、曲折していればよい。ここで、接続片部が折り返さずに曲折している変形例について説明する。
【0044】
図7は、変形例に係るフレキシブルプリント基板の接続片部および接続端子の周囲を拡大して示す部分上面図である。
図7に示すように、変形例においては、接続片部520Aは、本体部510から延出しつつ折り返さずに曲折している。本体部510と接続片部520Aとの間に第1隙間550が形成されている。
【0045】
具体的には、接続片部520Aは、Y軸方向に直線状に延在する第1直線部521を含む。第1直線部521は、本体部510との間に第1隙間550を挟みつつ本体部510と平行に延在している。第1直線部521の先端に、接続端子530が接続されている。
【0046】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、プレート部材400は、排気口420、開口430および壁部410を含む。排気口420は、底面部400Aのガス排出弁130と対向する位置に形成されている。開口430は、底面部400Aの電極端子110と対向する位置に形成されている。壁部410は、X軸方向(幅方向)における排気口420の両外側の位置にて底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に断続的に延在する。フレキシブルプリント基板500は、本体部510と、本体部510から延出しつつ曲折して、接続端子530と接続された接続片部520とを有する。本体部510と接続片部520との間に第1隙間550が形成されている。第1隙間550に、底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に延在する第1補助壁部450が設けられている。
【0047】
壁部410が断続的に延在していることにより、電池セル100の筐体120から排出されて排気口420を通過した可燃性ガスが壁部410で囲まれた空間内からプレート部材400内の壁部410の外側に拡散するため、モジュール内の可燃性ガス圧力を低くすることができる。また、本体部510と接続片部520との間の第1隙間550に第1補助壁部450が設けられていることにより、火花が開口430に直接到達して外部に出ることを抑制することができる。本実施の形態においては、フレキシブルプリント基板500を折り曲げる必要がなく、第1隙間550に第1補助壁部450を設ける簡易な構成で、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール外に出ることを抑制することができる。
【0048】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、接続片部520は、本体部510から延出しつつ折り返して、Y軸方向(積層方向)に直線状に延在する第1直線部521と、第1直線部521に平行に延在する第2直線部522とを含む。第1直線部521と第2直線部522との間に第2隙間560が形成されている。第2隙間560に、底面部400Aから突出したY軸方向(積層方向)に延在する第2補助壁部460が設けられている。これにより、第2隙間560に第2補助壁部460を設ける簡易な構成で、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール外に出ることを抑制することができる。
【0049】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、開口430の縁の一部に、底面部400Aから突出してY軸方向(積層方向)に延在する第3補助壁部470、および、底面部400Aから突出してX軸方向(幅方向)に延在する第4補助壁部480が設けられている。これにより、火花が開口430に直接到達して外部に出ることを第3補助壁部470および第4補助壁部480の各々によって抑制することができる。
【0050】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、第4補助壁部480は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410および第3補助壁部470のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L1と、交差する位置に設けられている。これにより、火花が開口430に直接到達して外部に出ることを第4補助壁部480によって効果的に抑制することができる。
【0051】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、第1補助壁部450は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410、第3補助壁部470および第4補助壁部480のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L2と、交差する位置に設けられている。これにより、火花が開口430に直接到達して外部に出ることを第1補助壁部450によって効果的に抑制することができる。
【0052】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、第2補助壁部460は、底面部400Aに直交する方向(Z軸方向)から見て、壁部410、第3補助壁部470および第4補助壁部480のいずれとも交差せずに排気口420と開口430とを直線的に結ぶ仮想線分L2と、交差する位置に設けられている。これにより、火花が開口430に直接到達して外部に出ることを第2補助壁部460によって効果的に抑制することができる。
【0053】
変形例に係る蓄電モジュールにおいても、フレキシブルプリント基板500を折り曲げる必要がなく、第1隙間550に第1補助壁部450を設ける簡易な構成で、モジュール内の可燃性ガス圧力を低く維持しつつ火花がモジュール外に出ることを抑制することができる。
【0054】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 組電池、100 電池セル、100A バスバー、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 筐体、130 ガス排出弁、200 エンドプレート、210 段差部、300 拘束部材、310 第1部材、320 第2部材、400 プレート部材、400A 底面部、400B 側面部、410 壁部、411 第1壁部、412 第2壁部、420 排気口、430 開口、450 第1補助壁部、460 第2補助壁部、470 第3補助壁部、480 第4補助壁部、500 フレキシブルプリント基板、510 本体部、520,520A 接続片部、521 第1直線部、522 第2直線部、523 半円弧部、530 接続端子、550 第1隙間、560 第2隙間、600 コネクタ、700 カバー部材、L1,L2 仮想線分。