(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】新規な化合物、それらの調製及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20221202BHJP
A61K 45/00 20060101ALN20221202BHJP
A61K 31/506 20060101ALN20221202BHJP
A61P 31/12 20060101ALN20221202BHJP
A61P 31/04 20060101ALN20221202BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20221202BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20221202BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K45/00
A61K31/506
A61P31/12
A61P31/04
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 123
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020212226
(22)【出願日】2020-12-22
(62)【分割の表示】P 2015535842の分割
【原出願日】2013-10-04
【審査請求日】2021-01-21
(32)【優先日】2012-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515090639
【氏名又は名称】インヒビカーセ セラピューティクス,インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】513190106
【氏名又は名称】スファエラ ファーマ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デオカー,ルーシケシュ,チャンドラブハン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥガー,サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】マハジャン,ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,ミルトン,ヘンリー
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-087834(JP,A)
【文献】特表2013-515766(JP,A)
【文献】特表2004-520282(JP,A)
【文献】特開2019-055952(JP,A)
【文献】特表2015-531399(JP,A)
【文献】日薬理誌,2003年,121,119-128
【文献】今日の治療薬(2003年版),株式会社南江堂,2003年02月15日,p.181
【文献】最新創薬化学下巻,株式会社テクノミック,1999年09月25日,p.271-281,290-293
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,1994年,Vol.37 No.26,p.4423-4429
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/04
A61K 45/00
A61K 31/506
A61P 31/12
A61P 31/04
A61P 43/00
A61P 35/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IV):
【化1】
{式中、
Bは式(II)の部分であり、
【化2】
[式中、
R及びR
1は、Hであり、
Yは、それぞれの出現の際に、R
2、OR
2、NH
2、NHR
2及びNR
2R
3から独立に選択され、
R
2は、C
1~C
8アルコキシ、C
6アリール、5~7員のヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、前記C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれ1~4個のC
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
6アリール若しくは5~7員のヘテロアリール置換基により置換されていてもよく、
R
3は、C
1~C
8アルコキシ、C
6アリール、5~7員のヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、前記C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれ1~4個のC
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
6アリール若しくは5~7員のヘテロアリール置換基により置換されていてもよく、又は
R
2及びR
3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって3~7員環を形成でき、ここで、前記3~7員環が、O、NR
4、S、SO及びSO
2から選択される3個以下のヘテロ原子基を含んでいてもよく、且つC
1~C
8アルコキシ、F若しくはClにより置換されていてもよく、
R
4は、それぞれの出現の際に、H又はC
1~C
8アルキルから独立に選択される]
X
1は、アニオンであり、ただしBは
【化3】
ではない}
の化合物又は医薬として許容されるそれらの塩。
【請求項2】
R及びR
1が、それぞれH及びC
1~C
8アルキルから独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R及びR
1が、両方ともHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
2及びR
3が、C
1~C
8アルキル及びアラルキルから独立に選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
R
2及びR
3が、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、3-メチルブタ-2-イル、1-フェニルエチル、ベンジル又はシクロブチルから独立に選択される、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
R
4が、それぞれの出現の際独立に、H及びC
1~C
8アルキルから選択される、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
X
1が、ハロゲン化物イオン又はスルホン酸イオンである、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
X
1が、ヨウ化物イオン又はメシレートイオンである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
X
1がヨウ化物イオンである、請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Yが、OR
2又はR
2又はNR
2R
3である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、OR
2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式(II)の部分が、
i. クロロメチルイソプロピルカルボネート;
ii. ベンジルクロロメチルカルボネート;
iv. クロロメチルイソブチルカルボネート;
v. クロロメチルメチルカルボネート;
vi. (S)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート;
vii. (R)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート;
ix. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルボネート;
x. クロロメチル2-メトキシエチルカルボネート;
xi. クロロメチルプロピルカルボネート;
xii. クロロメチルシクロブチルカルボネート;
xiii. クロロメチルシクロプロピルカルボネート;
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルボネート;
xv. クロロメチルシクロペンチルカルボネート;
xix. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルボネート;
xxi. クロロメチルエトキシメチルカルボネート;
xxv. ベンジルクロロメチルカルボネート;
xxvi. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルボネート;
xxvii. クロロメチルシクロヘキシルカルボネート;
xxviii. クロロメチルイソブチルカルボネート;
xxix. クロロメチル4-メチルシクロヘキシルカルボネート;
xxxi. クロロメチル3-メチルシクロヘキシルカルボネート;
xxxii. クロロメチルペンタン-2-イルカルボネート;
xxxiii. クロロメチルネオペンチルカルボネート;
xxxvi. クロロメチル2,2-ジエトキシエチルカルボネート;
xxxix. (S)-クロロメチル2,2,4-トリメチルシクロペンタ-3-エニルカルボネート;
xl. クロロメチル1,3-ジオキソラン-2-イルカルボネート;
xliv. クロロメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルカルボネート;
xlv. クロロメチル1-メチルシクロペンチルカルボネート;
xlvii. クロロメチル3-メチルシクロペンチルカルボネート;
xlviii. クロロメチル3,3-ジメチルシクロヘキシルカルボネート;
xlix. クロロメチル2,5-ジメチルシクロヘキシルカルボネート;
liii. クロロメチル2-イソプロポキシエチルカルボネート;
lx. 3-tert-ブチル-4-メトキシフェニルクロロメチルカルボネート;又は
lxviii. クロロメチル(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルカルボネートから塩素を外した後に残る部分である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式(II)の部分が、(S)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート又は(R)-sec-ブチルクロロメチルカルボネートから塩素を外した後に残る部分である、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
YがR
2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
式(II)の部分が、
i. クロロメチルシクロヘキサンカルボキシレート;
iii. クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
iv. クロロメチル1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
v. クロロメチルシクロペンタンカルボキシレート;
vii. クロロメチルシクロブタンカルボキシレート;
viii. クロロメチル2-エチルヘキサノエート;
x. クロロメチルシクロプロパンカルボキシレート;
xi. クロロメチルペンタノエート;
xii. クロロメチル2-メチルペンタノエート;
xiii. クロロメチル3,5,5-トリメチルヘキサノエート;
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルブタノエート;
xv. クロロメチル2-メチルブタノエート;
xvi. クロロメチルヘキサノエート;
xvii. クロロメチル2-エチルブタノエート;
xviii. クロロメチルブチレート;
xix. クロロメチル3-フェニルプロパノエート;
xx. クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxi. (R)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxii. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxiii. (1r,4r)-クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
xxiv. クロロメチル4-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート;
xxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート;
xxvii. (2R)-クロロメチル2-メチルシクロペンタンカルボキシレート;
xxviii. (R)-クロロメチル2-メチルブタノエート;
xxix. (S)-クロロメチル2-メチルブタノエート;
xxx. (S)-クロロメチル2-メトキシ-2-フェニルアセテート;
xxxi. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxxii. (S)-クロロメチル2-フェニルブタノエート;
xxxiii. (S)-クロロメチル3-フェニルブタノエート;
xli. クロロメチル2-メチルシクロプロパンカルボキシレート;
xliii. クロロメチル2-(1-メチルシクロプロピル)'アセテート;
xliv. クロロメチルプロピオネート;
xlv. クロロメチルアセテート;
xlvi. クロロメチルイソブチレート;
xlvii. クロロメチル2-イソプロピル-3-メチルブタノエート;
xlviii. クロロメチル3,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキシレート;
xlix. クロロメチル2-プロピルペンタノエート;
l. クロロメチル4-メトキシベンゾエート;
li. クロロメチル4-メチルベンゾエート;
lii. クロロメチル3-メチルベンゾエート;
lviii. クロロメチル2-フェニルブタノエート;又は
lxvi. クロロメチルニコチネート
から塩素を外した後に残る部分である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
YがNR
2R
3である、請求項10に記載の式(IV)の化合物。
【請求項17】
式(II)の部分が、
i. クロロメチルイソプロピルカルバメート;
ii. クロロメチルジイソプロピルカルバメート;
iii. クロロメチルジメチルカルバメート;
iv. クロロメチルイソブチルカルバメート;
v. クロロメチルメチルカルバメート;
vi. クロロメチルエチル(イソプロピル)カルバメート;
vii. クロロメチルイソブチル(メチル)カルバメート;
viii. (S)-クロロメチルsec-ブチルカルバメート;
ix. クロロメチルメチルカルバメート;
x. クロロメチルイソプロピル(メチル)カルバメート;
xi. クロロメチルプロピルカルバメート;
xii. クロロメチル2-メトキシエチルカルバメート;
xiii. クロロメチルメチル(プロピル)カルバメート;
xiv. クロロメチルジイソブチルカルバメート;
xv. クロロメチルtert-ブチル(イソプロピル)カルバメート;
xvi. クロロメチルジ-sec-ブチルカルバメート;
xvii. クロロメチルアジリジン-1-カルボキシレート;
xviii. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルバメート;
xix. クロロメチルシクロプロピルカルバメート;
xxi. クロロメチルシクロプロピル(メチル)カルバメート;
xxii. クロロメチルアゼチジン-1-カルボキシレート;
xxiii. クロロメチルシクロブチルカルバメート;
xxiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルバメート;
xxv. クロロメチル3-メトキシアゼチジン-1-カルボキシレート;
xxvi. クロロメチルシクロブチル(メチル)カルバメート;
xxvii. クロロメチルオキセタン-3-イルカルバメート;
xxviii. (S)-クロロメチル2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート;
xxix. クロロメチルシクロペンチルカルバメート;
xxx. クロロメチルシクロペンチル(メチル)カルバメート;
xxxi. クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルバメート;
xxxii. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxiii. (2R,6S)-クロロメチル2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxiv. (R)-クロロメチル2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxv. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルバメート;
xxxix. クロロメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xl. (3S,5R)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xli. (3R,5S)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xlii. (2S,6R)-クロロメチル2,6-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xliv. クロロメチルアゼパン-1-カルボキシレート;
xlv. クロロメチルシクロヘプチルカルバメート;
xlvii. クロロメチル(1R,2S,4S)-ビシクロ[2. 2. 1]ヘプタン-2-イルカルバメート;
xlix. クロロメチルベンジルカルバメート;
l. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルバメート;又は
lxviii. クロロメチル1H-ピロール-1-カルボキシレート;
から塩素を外した後に残る部分である、請求項16に記載の式(IV)の化合物。
【請求項18】
Bが
【表1】
(表中、R
5は、Bに連結されるイマチニブ部分の窒素原子を表す)
であり、
Xは、ヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、メシレートイオン、トシレートイオン、又は任意の他の医薬として許容されるアニオンとすることができる]
によって表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Bが、部分111である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
i. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-(4-(1-((sec-ブトキシカルボニルオキシ)メチル)-ピリジニウム-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジンヨージド;
ii. 3-(2-((2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピリジン-1-イウムモノヨージドモノメシレート
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
式(IV)の化合物を哺乳動物に0.1~100mg/kg体重の用量で投与するための、請求項1から20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
中枢神経系薬剤
、cns/呼吸刺激薬、鎮痛薬、麻薬性作動薬、麻薬性作動薬/拮抗薬、非ステロイド抗炎症/鎮痛剤、行動修飾剤、精神安定剤/鎮静剤、麻酔剤、吸入剤、麻薬、拮抗薬、抗痙攣薬
、骨格筋弛緩薬、平滑筋弛緩薬、静穏安楽死薬、心血管作用薬、変力薬、抗不整脈薬、抗コリン作用薬、血管拡張剤、ショックの治療において使用される薬剤、アルファ-アドレナリン遮断剤、ベータ-アドレナリン遮断剤、呼吸性薬物、気管支拡張剤、交感神経興奮剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、腎臓及び尿路、尿失禁/尿閉向け薬剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、コリン作用刺激剤、尿路結石症向け薬剤、胃腸薬、制吐剤、制酸剤、h2拮抗薬、胃粘膜保護薬、プロトンポンプ阻害剤、食欲刺激剤、胃腸鎮痙-抗コリン作用薬、胃腸刺激剤、緩下剤、生理的食塩水、膨張性下剤、滑剤、界面活性剤、止瀉薬、ホルモン/内分泌/生殖薬、性ホルモン、タンパク同化ステロイド、下垂体後葉ホルモン、副腎皮質ステロイド、糖質コルチコイド、抗糖尿病薬、甲状腺薬、甲状腺ホルモン、多岐にわたる内分泌/生殖薬、プロスタグランジン、抗感染薬、駆虫剤、抗コクシジウム薬、抗生物質、抗-結核薬、アミノシクリトール、セファロスポリン、マクロライド、ペニシリン、テトラサイクリン、リンコサミド、キノロン、スルホンアミド、多岐にわたる抗菌薬、抗真菌剤、抗ウイルス剤、血液改質剤、凝固剤、抗凝固剤、赤血球形成剤、抗悪性腫瘍薬/免疫抑制薬、アルキル化薬、解毒剤、骨/関節薬、皮膚科薬剤(全身性)、ビタミン及びミネラル/栄養素、全身性酸性化剤、全身性アルカリ化剤、抗癌剤、抗ウイルス剤を含む群から独立に選択される1種以上の化合物と併用投与するための、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
化合物が次の構造を有する、
【化4】
請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている、2012年10月4日に出願された米国仮出願第61/709,704号への優先権及びその利益を主張する。
【0002】
米連邦委託研究又は開発に関する記述
本発明は、契約番号1R43NS069213-01/343NS069213-01S1のもとに、米国の国立衛生研究所によって与えられた政府の支援により一部行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、改良された薬物動態特性及び薬力学特性を有する新規な化合物、並びにこれらの化合物の合成方法に関する。
【背景技術】
【0004】
イマチニブは、全ての急速に分裂する細胞を非特異的に阻害及び死滅させるよりもむしろ、特定の癌細胞の特性であるある種の酵素を特異的に阻害することによって作用する、これまでにない新たな種類の薬剤である。イマチニブは、酵素の種類であるチロシンキナーゼを阻害するという、他の標的治療のためのモデルとなった。イマチニブは、そのメシル酸塩として存在し、いくつかの経路をマルチ標的とし、c-kit、PDGF-R及びc-ABLを阻害することが見出されている。イマチニブは、DC及びPHAによって刺激されて、T細胞の増殖を阻害することのためにも知られている。イマチニブメシレートは、c-kit癌原遺伝子産物、血小板由来成長因子受容体(PDGF-R)及びアベルソン(Abelson)キナーゼ(c-ABL)のATP結合部位に優先的に結合し、その後の信号伝達を妨げる。可逆的チロシンキナーゼ阻害薬であるイマチニブは、慢性骨髄性白血病(CML)、消化管間質性腫瘍、好酸球性障害(eosinophilic disorder)、及び全身性肥満細胞症の治療において有効である。
【化1】
4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-N-(4-メチル-3-{[4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)ベンズアミド
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、イマチニブの薬物動態パラメーター及び、可能な場合、薬力学パラメーターを改良して、イマチニブの用量及び投与計画を有利に変更し、副作用を減少させることが、望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、患者に投与されたとき活性型のイマチニブをもたらす新規な化合物を含む。
【0007】
本出願は、式(I)
【化2】
{式中、
A及びBは、存在しないこと、H、又は下記式(II)の部分から独立に選択され、ただし、A及びBの少なくとも1つが式(II)の部分であり
【化3】
[式中、
R及びR
1は、それぞれ独立にH、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル(heterocyclyl)置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、C
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、又はR及びR
1は、それらが結合する原子と一緒になって3~7員環を形成し、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR
4、S、SO及びSO
2から選択される、2個以下のヘテロ原子基を含み、場合によってアルコキシ、F若しくはCl置換基1~4個により置換されており、
Yは、R
2、OR
2、NH
2、NHR
2及びNR
2R
3から選択され、
R
2は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、
R
3は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール1~4個により場合によって置換されており、又は
R
2及びR
3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって3~7員環を形成でき、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR
4、S、SO及びSO
2から選択されるヘテロ原子基3個までを含み、場合によってアルコキシ、F若しくはClにより置換されており、
R
4は、それぞれの出現について、H又はC
1~C
8アルキルから独立に選択される]、
X及びX
1は、それぞれ独立にアニオンであり、又は存在せず、ただし、Xが存在しないのはAが存在しない場合のみであり、X
1が存在しないのはBが存在しない場合のみである}
の新規な化合物又は医薬として許容されるそれらの塩を提供する。
【0008】
本出願はまた、新規な化合物の調製方法を提供する。
【0009】
本出願はまた、新規な化合物を含む組成物を提供する。
【0010】
本出願はまた、c-ABL、PDGFR及びSCFR(c-Kit)阻害のための本化合物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
したがって、本出願は、式(I)の新規な化合物又は医薬として許容されるそれらの塩、並びにこれらの化合物の作製方法を提供する。
【0012】
本発明の化合物
本出願は、式(I)
【化4】
{式中、
A及びBは、存在しないこと、H、又は下記式(II)の部分から独立に選択され、ただし、A及びBの少なくとも1つが式(II)の部分であり、
【化5】
[式中、
R及びR
1は、それぞれ独立にH、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、又はR及びR
1は、それらが結合する原子と一緒になって3~7員環を形成し、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR
4、S、SO及びSO
2から選択される、2個以下のヘテロ原子基を含み、場合によってアルコキシ、F若しくはCl置換基1~4個により置換されており、
Yは、R
2、OR
2、NH
2、NHR
2及びNR
2R
3から選択され、
R
2は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、
R
3は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール1~4個により場合によって置換されており、又は
R
2及びR
3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって3~7員環を形成でき、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR
4、S、SO及びSO
2から選択されるヘテロ原子基3個までを含み、場合によってアルコキシ、F若しくはClにより置換されており、
R
4は、それぞれの出現について、H又はC
1~C
8アルキルから独立に選択され
る]、
X及びX
1は、それぞれ独立にアニオンであり、又は存在せず、ただし、Xが存在しないのはAが存在しない場合のみであり、X
1が存在しないのはBが存在しない場合のみである}
の新規な化合物又は医薬として許容されるそれらの塩を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態において、R及びR1はそれぞれ、H及びC1~C8アルキルから独立に選択され、例えばH又はメチルなどである。R及びR1の両方が、Hであることが好ましい。
【0014】
いくつかの実施形態において、R2及びR3は、C1~C8アルキル及びアラルキルから独立に選択される。いくつかのこのような実施形態において、R2及びR3は、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、3-メチルブタ-2-イル、1-フェニルエチル、ベンジル又はシクロブチルから独立に選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、R4は、それぞれの出現の際独立に、H及びC1~C8アルキルから選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、X及びX1は、それぞれ独立に、メシレートイオン及びヨウ化物イオンなどの、ハロゲン化物イオン又はスルホン酸イオンである。
【0017】
アニオンは分子に共有結合していないので、X及びX1は、必ずしもA又はBを有する原子に接近した位置には存在していないと理解されるべきであり、両方が存在する場合、任意の所与の分子内で相互に交換できると見るべきである。
【0018】
いくつかの実施形態において、AはHであり、又Bは式(II)の部分である。
【0019】
いくつかの実施形態において、Aは式(II)の部分であり、BはHである。
【0020】
他の実施形態において、Aは式(II)の部分でありBは存在しない。
【0021】
さらに他の実施形態において、Aは存在せずBは式(II)の部分である。
【0022】
ある実施形態において、AもBも、
【化6】
ではない。
【0023】
定義
用語「アルキル」は、飽和脂肪族基のラジカルを指し、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基を含む。好ましい実施形態において、直鎖又は分岐鎖アルキルは、その主鎖において炭素原子30個以下を有し(例えば直鎖ではC1~C30、分岐鎖ではC3~C30)、20個以下がより好ましい。ある実施形態において、アルキル基は低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル及びn-ペンチルである。
【0024】
さらに、明細書、実施例及び特許請求の範囲全体にわたって使用される用語「アルキル」(又は「低級アルキル」)は、「非置換のアルキル」及び「置換されているアルキル」の両方を含むことを意図しており、その後者は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を指している。ある実施形態において、直鎖又は分岐鎖アルキルは、その主鎖において炭素原子30個以下を有する(例えば直鎖ではC1~C30、分岐鎖ではC3~C30)。好ましい実施形態において、分子鎖は、その主鎖において10個以下の炭素(C1~C10)原子を有する。他の実施形態において、分子鎖は、その主鎖において6個以下の炭素(C1~C6)原子を有する。
【0025】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族基を指し、且つ「非置換のアルケニル」及び「置換されているアルケニル」の両方を含むことを意図しており、その後者は、アルケニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルケニル部分を指している。このような置換基は、1つ以上の二重結合中に含まれる、又は含まれない1個以上の炭素上に出現できる。その上、このような置換基は、安定性が法外に高い場合を除いて、以下に検討されるアルキル基について企図された全てのものを含む。例えば、1つ以上のアルキル、カルボシクリル(carbocyclyl)、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が企図される。好ましい実施形態において、直鎖又は分岐鎖アルケニルは、その主鎖中に炭素1~12個を有し、好ましくはその主鎖中に炭素1~8個を有し、より好ましくはその主鎖中に炭素1~6個を有する。例示的なアルケニル基には、アリル、プロペニル、ブテニル、2-メチル-2-ブテニルなどが含まれる。
【0026】
本明細書において使用される用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含む脂肪族基を指し、且つ「非置換のアルキニル」及び「置換されているアルキニル」の両方を含むことを意図しており、その後者は、アルキニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキニル部分を指している。このような置換基は、1つ以上の三重結合中に含まれる、又は含まれない1個以上の炭素上に出現できる。その上、このような置換基は、安定性が法外に高い場合を除いて、上記において検討したアルキル基について企図された全てのものを含む。例えば、1つ以上のアルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が企図される。好ましい実施形態においてアルキニルは、その主鎖中に炭素1~12個を有し、好ましくはその主鎖中に炭素1~8個を有し、より好ましくはその主鎖中に炭素1~6個を有する。例示的なアルキニル基には、プロピニル、ブチニル、3-メチルペンタ-1-イニルなどが含まれる。
【0027】
用語アルコキシは、酸素に単結合したアルキル基を指す。
【0028】
本明細書において使用される用語「アラルキル」は、1つ以上のアリール基により置換されているアルキル基を指す。
【0029】
本明細書において使用される用語「アリール」には、それぞれの環原子が炭素である、置換されている又は非置換の単環芳香族基が含まれる。この環は、5~7員環であること、より好ましくは6員環であることが好ましい。アリール基には、フェニル、フェノール、アニリン、ナフチル、ビフェニル、アントラセニルなどが含まれる。
【0030】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、飽和脂肪族環の基を指す。好ましい実施形態において、シクロアルキルは、それらの環構造中に炭素3~10個を有し、より好ましくは環構造中に炭素5~7個を有する。適切なシクロアルキルには、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル及びシクロプロピルが含まれる。
【0031】
用語「シクロアルキル」及び「シクロアルケニル」は、炭素原子3~12個の環式炭化水素基を指す。
【0032】
本明細書において使用される用語「ハロゲン」、「ハロゲン化物」及び「ハロ」はハロゲンを意味し、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
【0033】
用語「不飽和環」には、部分的に不飽和、及び芳香族の環が含まれる。
【0034】
用語「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」、「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクロ(heterocyclo)」及び「複素環式(heterocyclic)」は、置換されている又は非置換の非芳香族環構造、好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環であって、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1~2個のヘテロ原子を含む置換されている又は非置換の非芳香族環構造を指す。複素環式基は、環又は環系の任意のヘテロ原子又は炭素原子において結合できる。例示的な単環複素環式基には、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソラン及びテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、トリアゾリル、トリアジニル、などが含まれる。例示的な二環複素環式基には、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラ-ヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えばフロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル又はフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4-ジヒドロ-4-オキソ-キナゾリニルなど)、テトラヒドロキノリニルなどが含まれる。例示的な三環複素環式基には、カルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナント
ロリジニル、キサンテニルなどが含まれる。
【0035】
本明細書において使用される用語「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S又はNR4、この場合R4はH又は低級アルキルなどである)を含む、飽和又は不飽和炭素原子鎖を指す。
【0036】
用語「ヘテロアリール」には、置換されている又は非置換の芳香族単環構造、好ましくは5~7員環、より好ましくは5~6員環であって、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N又はS)、好ましくは1~4個又は1~3個のヘテロ原子、より好ましくは1~2個のヘテロ原子を含む置換されている又は非置換の芳香族単環構造が含まれる。ヘテロアリール環中に2個以上のヘテロ原子が存在する場合、それらは同一又は異なることができる。用語「ヘテロアリール」には、2個以上の炭素が2つの隣接環に共通である、2つ以上のシクロ環(cyclic ring)を有する多環式環系であって、環の少なくとも1つがヘテロ芳香族であり、例えば他方のシクロ環をシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルとすることができる多環式環系も含まれる。好ましい多環式環系は、両方の環が芳香族性である2つのシクロ環を有する。例示的なヘテロアリール基にはピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、ピリダジニル、トリアゾリル、トリアジニル、などが含まれる。
【0037】
本文脈における用語「アルキレン」には、それぞれ直鎖及び分岐両方の、飽和及び不飽和(すなわち二重結合1つを含む)2価アルキレン基及び1価アルキル基が含まれる。
【0038】
本文脈における用語「アルカノール」には、同様に、アルカノール基について、直鎖及び分岐、飽和及び不飽和アルキル成分が含まれ、ここで、ヒドロキシル基は、アルキル部分上の任意の位置に置くことができる。用語「シクロアルカノール」には非置換の又は置換されている(例えばメチル又はエチル)環式アルコールが含まれる。
【0039】
用語「アルコキシ」は、本明細書において定義される場合、酸素原子に直接結合されるアルキル基を意味することを意図している。いくつかの実施形態は、炭素1~5個であり、いくつかの実施形態は、炭素1~4個であり、いくつかの実施形態は、炭素1~3個であり、いくつかの実施形態は、炭素1~2個である。例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、5-イソブトキシ、sec-ブトキシなどが含まれる。
【0040】
本明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄である。
【0041】
用語「置換されている」は、主鎖の1個以上の炭素上で水素を置き換えている置換基を有する部分を指している。「置換」又は「により置換されている」は、このような置換が、置換されている原子及び置換基の許容される原子価に一致しており、この置換が安定な化合物をもたらす、例えば、この化合物が転位、環化、脱離によるなどの変換を自発的に受けないとの暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。本明細書において使用される用語「置換されている」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことを企図している。広い態様において、許容される置換基には、有機化合物の非環式及び環式、分岐及び非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族置換基が含まれる。許容される置換基は、適切な有機化合物について1つ以上とし、且つ同一又は異なることができる。本発明の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、及び/又は、これらのヘテロ原子の原子価を満足させる、本明細書において記述される有機化合物の任意の許容される置換基を有することができる。
【0042】
本明細書において使用される用語「腫瘍性疾患」とは、癌などの高度増殖性疾患を指す。
【0043】
本明細書において使用される用語「併用投与(conjoint administration)」とは、単一の治療計画の一部として、該当する対象への2種以上の薬剤の投与を意味する。投与は、同時又は順次のいずれかとすることができる。すなわち、治療される対象中で投与される薬剤が共存する限りにおいて、一方の薬剤を投与し、続いて、第2の薬剤(及び/又は第3の薬剤など)を遅れて投与することができ、或いは、少なくとも1種の薬剤が、他の薬剤と同一の標的組織に作用する機会を有しており、その間前記標的組織がまだ前記他の薬剤の影響下にあるであろう。ある実施形態において、投与される薬剤は、単一の医薬組成物に含まれ、一緒に投与することができる。ある実施形態において、これらの薬剤は、別個の経路を通ることを含んで、同時に投与される。ある実施形態において、1種以上の薬剤は連続的に投与される一方、他の薬剤は所定の間隔でのみ投与される(単回での大投与量、又はより少ない投与量での週2回など)。
【0044】
本発明は、その範囲内に、塩及び異性体を含む。本発明の化合物は、いくつかの場合、塩を形成でき、これらの塩も本発明の範囲内にある。本明細書において用いられる用語「塩(salt(s))」は、無機及び/又は有機酸及び塩基により形成される酸性及び/又は塩基性塩を表す。双性イオン(分子内塩(internal salt又はinner salt))が、本明細書において使用される用語「塩」内に含まれる(例えば、R置換基が、カルボキシル基などの酸部分を含む場合、形成され得る)。やはり本明細書に含まれるものは、アルキルアンモニウム塩などの第四級アンモニウム塩である。医薬として許容される(すなわち無毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましいものである。もっとも、例えば、単離又は精製ステップには他の塩が有用であり、調製の際用いることができる。化合物の塩は、例えば、ある化合物を、当量などのある量の酸若しくは塩基と、その塩が沈殿するものなどの媒質内で、反応させるステップ、又は水性媒質内で反応させ続いて凍結乾燥するステップによって形成できる。
【0045】
例示的な酸付加塩には、酢酸塩(酢酸又はトリハロ酢酸、例えばトリフルオロ酢酸により形成されるものなど)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパルギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩(pectinates)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(硫酸により形成されるものなど)、スルホン酸塩(本明細書において言及されるものなど)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などが含まれる。
【0046】
例示的な塩基性塩(例えば、置換基が、カルボキシル基などの酸性部分を含む場合に形成される)には、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、有機塩基(例えば、有機アミン)例えばベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン、N-メチル-D-グルカミン、N-メチル-D-グルカミド、t-ブチルアミンなどによる塩、及びアルギニン、リシンなどのアミノ酸による塩が含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル)、ジアルキル硫酸塩(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジル及びフェネチル)などの薬剤によって四級化できる。
【0047】
本発明の化合物の溶媒和物も、本明細書において企図される。式Iの化合物の溶媒和物は、水和物、又は他の医薬として許容される溶媒和物であることが好ましい。
【0048】
本化合物の全ての立体異性体、例えば、鏡像異性体及びジアステレオマー型を含む、本化合物のR置換基上の不斉炭素により存在できるものなどは、本発明の範囲内において企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体と実質的に分離でき、或いは、例えば、ラセミ体として、又は全ての他の、若しくは選択された他の、立体異性体と混合できる。本発明のキラル中心は、S又はR配置を有することができる。
【0049】
本明細書において使用される用語「治療する」又は「治療」は、対象の状態を改善又は安定化させる形で、症状、臨床的徴候及び状態の根底にある病変を回復させ、軽減し、又は抑止するステップを含む。本明細書において使用され、当技術分野でよく理解される用語「治療」とは、臨床的結果を含む、有益な又は所望の結果を得るためのアプローチである。有益な又は所望の臨床的結果とは、検出できようと、検出できなかろうと、1つ以上の症状又は状態の軽減又は寛解、疾患の範囲の縮小、安定化した(すなわち悪化しない)疾患の状態、疾患の広がりの抑止、疾患の進行の遅延又は緩化、疾患状態の寛解又は緩和、及び緩解の傾向(一部か又は全体か)を含むことができるが、これらに限定されない。「治療」は、治療を受けない場合に想定される生存と比較して、生存を延長するステップを意味することもできる。
【0050】
本出願は、その範囲内で、適切な対イオンの選択の効果も考えている。本発明の化合物の対イオンは、前記pH範囲内におけるイオン化可能な薬剤についての解離定数を選定するステップによって選択できる。任意の化合物についてのイオン化及び非イオン化薬剤濃度を推算する(Henderson-Hasselbach式などの十分確立した式を使用して)ことによって、薬剤の溶解性及びしたがって吸収性を変化させることができる。
【0051】
式IIの化合物は、3種類に、すなわち、I型(Y=OR2である)、II型(Y=R2である)及びIII型(Y=NR2R3である)に分類することができ、ここにR2及びR3は、上記において定義した通りである。
【0052】
I型、II型及びIII型試薬の非限定的なリストが、以下に提示される:
I型試薬
i. クロロメチルイソプロピルカルボネート
ii. ベンジルクロロメチルカルボネート
iii. クロロメチルモルホリノメチルカルボネート
iv. クロロメチルイソブチルカルボネート
v. クロロメチルメチルカルボネート
vi. (S)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート
vii. (R)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート
viii. クロロメチル((3S,5R)-3,5-ジメチルモルホリノ)メチルカルボネート
ix. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルボネート
x. クロロメチル2-メトキシエチルカルボネート
xi. クロロメチルプロピルカルボネート
xii. クロロメチルシクロブチルカルボネート
xiii. クロロメチルシクロプロピルカルボネート
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルボネート
xv. クロロメチルシクロペンチルカルボネート
xvi. クロロメチルオキセタン-3-イルカルボネート
xvii. (S)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルボネート
xviii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカルボネート
xix. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルボネート
xx. (R)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルボネート
xxi. クロロメチルエトキシメチルカルボネート
xxii. クロロメチルオキセパン-4-イルカルボネート
xxiii. (1R,2S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルクロロメチルカルボネート
xxiv. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカルボネート
xxv. ベンジルクロロメチルカルボネート
xxvi. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルボネート
xxvii. クロロメチルシクロヘキシルカルボネート
xxviii. クロロメチルイソブチルカルボネート
xxix. クロロメチル4-メチルシクロヘキシルカルボネート
xxx. クロロメチル2-(メチルチオ)エチルカルボネート
xxxi. クロロメチル3-メチルシクロヘキシルカルボネート
xxxii. クロロメチルペンタン-2-イルカルボネート
xxxiii. クロロメチルネオペンチルカルボネート
xxxiv. メチル1-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)シクロプロパンカルボキシレートxxxv. クロロメチルシクロプロピルメチルカルボネート
xxxvi. クロロメチル2,2-ジエトキシエチルカルボネート
xxxvii. クロロメチルシクロペンチルメチルカルボネート
xxxviii. メチル2-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパノエート
xxxix. (S)-クロロメチル2,2,4-トリメチルシクロペンタ-3-エニルカルボネート
xl. クロロメチル1,3-ジオキソラン-2-イルカルボネート
xli. クロロメチル(2,6-ジメチルシクロヘキシル)メチルカルボネート
xlii. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチルカルボネート
xliii. クロロメチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチルカルボネート
xliv. クロロメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルカルボネート
xlv. クロロメチル1-メチルシクロペンチルカルボネート
xlvi. クロロメチル1-シクロペンチルエチルカルボネート
xlvii. クロロメチル3-メチルシクロペンチルカルボネート
xlviii. クロロメチル3,3-ジメチルシクロヘキシルカルボネート
xlix. クロロメチル2,5-ジメチルシクロヘキシルカルボネート
l. クロロメチル1-(4-メチルシクロヘキシル)エチルカルボネート
li. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカルボネート
lii. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカルボネート
liii. クロロメチル2-イソプロポキシエチルカルボネート
liv. (炭酸クロロメチル)5-((3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタン酸無水物
lv. 4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-2-ヒドロキシ-4-オキソブタン酸
lvi. クロロメチル4-ホルミル-2-メトキシフェニルカルボネート
lvii. クロロメチル3-オキソブタン-2-イルカルボネート
lviii. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート
lix. (R)-2-アミノ-3-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパン酸
lx. 3-tert-ブチル-4-メトキシフェニルクロロメチルカルボネート
lxi. (R)-2-アミノ-3-(4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)フェニル)プロパン酸
lxii. (R)-2-アミノ-4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-4-オキソブタン酸
lxiii. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカルボネート
lxiv. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート
lxv. クロロメチル2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルカルボネート
lxvi. クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルカルボネート
lxvii. 4-アリル-2-メトキシフェニルクロロメチルカルボネート
lxviii. クロロメチル(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルカルボネートlxix. プロピル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート
lxx. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカルボネート
II型試薬
i. クロロメチルシクロヘキサンカルボキシレート
ii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセテート
iii. クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート
iv. クロロメチル1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート
v. クロロメチルシクロペンタンカルボキシレート
vi. クロロメチル1-(トリフルオロメチル)シクロペンタンカルボキシレート
vii. クロロメチルシクロブタンカルボキシレート
viii. クロロメチル2-エチルヘキサノエート
ix. クロロメチル3-シクロペンチルプロパノエート
x. クロロメチルシクロプロパンカルボキシレート
xi. クロロメチルペンタノエート
xii. クロロメチル2-メチルペンタノエート
xiii. クロロメチル3,5,5-トリメチルヘキサノエート
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルブタノエート
xv. クロロメチル2-メチルブタノエート
xvi. クロロメチルヘキサノエート
xvii. クロロメチル2-エチルブタノエート
xviii. クロロメチルブチレート
xix. クロロメチル3-フェニルプロパノエート
xx. クロロメチル2-フェニルプロパノエート
xxi. (R)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート
xxii. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート
xxiii. (1r,4r)-クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート
xxiv. クロロメチル4-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート
xxv. クロロメチル4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボキシレート
xxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート
xxvii. (2R)-クロロメチル2-メチルシクロペンタンカルボキシレート
xxviii. (R)-クロロメチル2-メチルブタノエート
xxix. (S)-クロロメチル2-メチルブタノエート
xxx. (S)-クロロメチル2-メトキシ-2-フェニルアセテート
xxxi. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート
xxxii. (S)-クロロメチル2-フェニルブタノエート
xxxiii. (S)-クロロメチル3-フェニルブタノエート
xxxiv. ビス(クロロメチル)2,2-ジメチルマロネート
xxxv. ビス(クロロメチル)オキサレート
xxxvi. クロロメチル2-シクロプロピルアセテート
xxxvii. クロロメチル2-シクロブチルアセテート
xxxviii. クロロメチル2-シクロペンチルアセテート
xxxix. クロロメチル2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセテート
xl. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセテート
xli. クロロメチル2-メチルシクロプロパンカルボキシレート
xlii. クロロメチル2-(1-メチルシクロブチル)アセテート
xliii. クロロメチル2-(1-メチルシクロプロピル)'アセテート
xliv. クロロメチルプロピオネート
xlv. クロロメチルアセテート
xlvi. クロロメチルイソブチレート
xlvii. クロロメチル2-イソプロピル-3-メチルブタノエート
xlviii. クロロメチル3,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキシレート
xlix. クロロメチル2-プロピルペンタノエート
l. クロロメチル4-メトキシベンゾエート
li. クロロメチル4-メチルベンゾエート
lii. クロロメチル3-メチルベンゾエート
liii. クロロメチル2,2,2-トリフルオロアセテート
liv. クロロメチル5,5-ジメチル-3-オキソヘキサノエート
lv. ビス(クロロメチル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキシレート
lvi. クロロメチル1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン-1-カルボキシレート
lvii. クロロメチル2-シクロペンテニルアセテート
lviii. クロロメチル2-フェニルブタノエート
lix. クロロメチル2,2-ジフルオロアセテート
lx. クロロメチル4-フルオロベンゾエート
lxi. クロロメチル3-シクロヘキシルプロパノエート
lxii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセテート
lxiii. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパノエート
lxiv. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート
lxv. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)プロパノエート
lxvi. クロロメチルニコチネート
III型試薬
i. クロロメチルイソプロピルカルバメート
ii. クロロメチルジイソプロピルカルバメート
iii. クロロメチルジメチルカルバメート
iv. クロロメチルイソブチルカルバメート
v. クロロメチルメチルカルバメート
vi. クロロメチルエチル(イソプロピル)カルバメート
vii. クロロメチルイソブチル(メチル)カルバメート
viii. (S)-クロロメチルsec-ブチルカルバメート
ix. クロロメチルメチルカルバメート
x. クロロメチルイソプロピル(メチル)カルバメート
xi. クロロメチルプロピルカルバメート
xii. クロロメチル2-メトキシエチルカルバメート
xiii. クロロメチルメチル(プロピル)カルバメート
xiv. クロロメチルジイソブチルカルバメート
xv. クロロメチルtert-ブチル(イソプロピル)カルバメート
xvi. クロロメチルジ-sec-ブチルカルバメート
xvii. クロロメチルアジリジン-1-カルボキシレート
xviii. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルバメート
xix. クロロメチルシクロプロピルカルバメート
xx. クロロメチルシクロプロピルメチル(プロピル)カルバメート
xxi. クロロメチルシクロプロピル(メチル)カルバメート
xxii. クロロメチルアゼチジン-1-カルボキシレート
xxiii. クロロメチルシクロブチルカルバメート
xxiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルバメート
xxv. クロロメチル3-メトキシアゼチジン-1-カルボキシレート
xxvi. クロロメチルシクロブチル(メチル)カルバメート
xxvii. クロロメチルオキセタン-3-イルカルバメート
xxviii. (S)-クロロメチル2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
xxix. クロロメチルシクロペンチルカルバメート
xxx. クロロメチルシクロペンチル(メチル)カルバメート
xxxi. クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルバメート
xxxii. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート
xxxiii. (2R,6S)-クロロメチル2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート
xxxiv. (R)-クロロメチル2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
xxxv. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート
xxxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルバメート
xxxvii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカルバメート
xxxviii. クロロメチルシクロヘキシルメチル(メチル)カルバメート
xxxix. クロロメチルモルホリン-4-カルボキシレート
xl. (3S,5R)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート
xli. (3R,5S)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート
xlii. (2S,6R)-クロロメチル2,6-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート
xliii. クロロメチル4-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
xliv. クロロメチルアゼパン-1-カルボキシレート
xlv. クロロメチルシクロヘプチルカルバメート
xlvi. クロロメチルオキセパン-4-イルカルバメート
xlvii. クロロメチル(1R,2S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルカルバメート
xlviii. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカルバメート
xlix. クロロメチルベンジルカルバメート
l. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルバメート
li. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタノエート
lii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-フェニルプロパノエート
liii. (S)-ジエチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタンジオエート
liv. エチル((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)プロパノエート
lv. エチル2-アミノ-6-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ヘキサノエート
lvi. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-メチルペンタノエート
lvii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルペンタノエート
lviii. (S)-ジメチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)スクシネート
lix. (S)-エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-グアニジノペンタノエート
lx. (S)-エチル4-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-オキソブタノエートlxi. (S)-エチル2-アミノ-5-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタノエート
lxii. (S)-エチル5-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-オキソペンタノエート
lxiii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-(メチルチオ)ブタノエート
lxiv. 1-クロロメチル3-メチル2-メチル-5,6-ジヒドロピリジン-1,3(2H)-ジカルボキシレート
lxv. (S)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカルボネート
lxvi. (R)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカルボネート
lxvii. (S)-(1-ベンジルピロリジン-2-イル)メチルクロロメチルカルボネート
lxviii. クロロメチル1H-ピロール-1-カルボキシレート
lxix. クロロメチル2-ニコチノイルヒドラジンカルボキシレート
lxx. (6S)-3-クロロ-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxi. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-3-ビニル-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxii. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-(メトキシメチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxiii. (6R,7R)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メトキシ-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxiv. クロロメチル3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
lxxv. クロロメチル3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
lxxvi. クロロメチル3-フェニル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
lxxvii. クロロメチル3-(4ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
lxxviii. クロロメチル2-シアノ-1H-ピロール-1-カルボキシレート
lxxix. クロロメチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート
lxxx. 1-クロロメチル3-エチル2-オキソピペリジン-1,3-ジカルボキシレート
lxxxi. クロロメチル2,2,6,6-テトラメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート
lxxxii. クロロメチル2-オキソピペリジン-1-カルボキシレート
【0053】
本発明の新規な化合物には、式(III)及び式(IV)の化合物
【化7】
【化8】
[式中、A又はBは、
【表1】
(表中、R
5は、A又はBに結合されるイマチニブ部分の窒素原子を表す)
であり、
Xは、医薬として許容される塩をもたらすヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、メシレートイオン、トシレートイオン、又は任意の他の医薬として許容されるアニオンとすることができる]
が含まれる。
【0054】
生成される化合物は、単一の立体異性体(例えば、存在する全ての立体異性体の合計量に対して少なくとも純度95%まで富化されている)、ラセミ体、又は任意の比率における鏡像異性体若しくはジアステレオマーの混合物として存在できる。
【0055】
本明細書における新規な化合物は、以下の化合物のいずれかとすることができる:
【化9】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド、
【化10】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピリジン-1-イウム-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムジヨージド
【化11】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化12】
1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化13】
1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート
【化14】
1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムp-トリルスルホネート
【化15】
1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((3-メチルブタノイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化16】
1-((イソプロピルカルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化17】
(R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((1-フェニルエトキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化18】
(R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((1-フェニルエチルカルバモイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化19】
(R)-1-((sec-ブトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化20】
1-(イソブチリルオキシメチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化21】
1-((ベンジルオキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化22】
(R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((1-フェニルエトキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化23】
1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((3-メチルブタン-2-イルオキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化24】
1-((ベンジル(メチル)カルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化25】
(S)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((1-フェニルエチルカルバモイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化26】
1-((エトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化27】
1-((シクロブトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(3-メチル-4-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化28】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート
【化29】
1-((2,2-ジメチルブタノイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化30】
1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((tert-ペンチルオキシカルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化31】
(R)-1-((sec-ブチルカルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化32】
1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド
【化33】
4-(4-((3-((4-(1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)ピリジン-1-イウム-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メチルフェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-メチルピペラジン-1-イウムモノヨージドモノメシレート
【化34】
3-(2-((2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピリジン-1-イウムモノヨージドモノメシレート
表1:
【表2】
【0056】
A. 本発明の化合物の合成
本発明はまた、本発明の化合物の合成方法に関する。
【0057】
本発明の化合物の合成は、以下に列挙する通りであることができる:
スキームA:本発明の化合物の合成のための一般的スキーム
ステップ1:
【化35】
イマチニブ(1001)は、DCMなどの溶媒中において室温から還流温度までの温度範囲で適切なハロメチル試薬(I又はII又はIII型)[1a]と反応し、続いて過剰の溶媒を蒸発させると、最終生成物[1]をもたらし、この最終生成物は所望のレベルまで、結晶化又はエーテルなどの溶媒による洗浄のいずれかによりさらに精製することができる。
【0058】
ステップ2:- 対イオン交換のための一般的スキーム
【化36】
[2]などの第四級塩は、ステップ1において上述した方法によって、適切なハロメチルホルミル試薬例えばヨードメチルホルミルなど(I型又はII型又はIII型)により調製できる。化合物[2]は、適切な金属塩例えば銀メシレートなどにより、アセトニトリルなどの適切な溶媒中において周囲温度から還流温度までの所望の温度範囲で処理でき、それによりヨウ化銀の沈殿及び所望の生成物[3]の形成をもたらす。不溶性ハロゲン化銀を濾去して、適度に純粋な所望の生成物[3]を得ることができる。
スキームB:
【化37】
イマチニブメシレート(mesyalte)である1-メチル-4(4-((4-メチル-3-((4- (ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホン酸塩[1026]は、アセトニトリルなどの乾燥溶媒中において室温から還流温度までの温度範囲で適切なハロメチル試薬(I又はII又はIII型)[1a]と反応し、続いて過剰の溶媒を蒸発させて、最終生成物[4]をもたらし、この最終生成物は、所望される場合、さらに、結晶化によって、又はエーテルなどの溶媒により洗浄するステップによって、そのいずれかにより精製することができる。
【0059】
上記の方法は、対イオンとして塩化物、臭化物又はヨウ化物などの任意のハロゲン化物を有する全ての型の第四級塩についてアニオン交換を行うのに適用できる。使用できる銀塩の非限定的リストには、酢酸銀、銀メシレート、銀トシレート、シュウ酸銀、酒石酸銀、銀トリフレートなどが含まれる。
【0060】
式IIの化合物は、3種類、すなわちY=OR2であるI型、Y=R2であるII型及びY=NR2R3であるIII型に分類することができ、以下の一般的スキームによって合成できる。
【0061】
式IIの調製のための一般的方法
式IIの化合物(I、II、III型)は、それぞれの酸、アミン及びアルコールから直接調製できる。活性化を有する又は有しない酸は、ルイス酸の存在において対応するアルデヒドと反応でき、II型試薬をもたらすことができる。アルコールは、塩基の存在においてハロメチルハロホルメートと反応して、I型試薬をもたらすことができる。同様に、アミン(第一級又は第二級)は、塩基の存在により又は塩基が存在せずにハロメチルハロアセテートと反応して、III型試薬をもたらすことができる。
【0062】
II型試薬の一般的合成方法
スキームC:
【化38】
塩化亜鉛(乾燥)などのルイス酸、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド、及び酸塩化物[5]は、無水条件下において、適正な温度、典型的には-10℃~60℃の間で、24時間までの範囲にある時間の間、反応することができる。反応混合物は、ジクロロメタンなどの溶媒により希釈し、Na
2HCO
3の溶液などの水性希釈塩基により洗浄できる。標準的な後処理及び精製により、所望の試薬[6]がもたらされる。
スキーム2
【化39】
酸のセシウム塩などの所望の酸の金属塩[4]を、適正な温度、典型的には0℃~RTの間で16時間、必要な場合加熱し、乾燥THF中のブロモヨードメタンにより処理できる。反応混合物は、酢酸エチルなどの溶媒により希釈し、Na
2HCO
3の水溶液などの水性希釈塩基により洗浄できる。標準的な後処理及び精製により、所望の試薬[7]がもたらされる。
スキームE
【化40】
室温でジクロロメタンなどの溶媒中の酸[4]の激しく撹拌される溶液に、水中の重炭酸ナトリウム及び重硫酸テトラブチルアンモニウムなどの塩基を添加し、続いてジクロロメタンなどの溶媒中のクロロメチルクロロサルフェートの溶液を滴加した。反応が完結した後、有機層を5%Na
2CO
3水溶液で洗浄した。標準的な後処理及び精製により、所望の試薬[6]がもたらされる。
【0063】
III型試薬の一般的合成方法
スキームF
【化41】
対応する第一級又は第二級アミンは、0℃でヘキサン又はDCMなどの溶媒中の置換されている又は非置換のクロロメチルクロロホルメート[8]と反応され得る。反応混合物は濾過でき、濾液は1.0N HClで洗浄できる。有機物を蒸発させて、所望の試薬[9]を得ることができる。必要な場合、沈殿又は結晶化又は分取カラム精製などの有機化学実験室で実用される任意の一般的精製方法を使用して、さらなる精製を達成することができる。
【0064】
上記において例示したように、R及びR1は、それぞれ独立にH、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され、ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR4、S、SO及びSO2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルが、C1~C8アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、又はR及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって3~7員環を形成し、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR4、S、SO及びSO2から選択される、2個以下のヘテロ原子基を含み、場合によってアルコキシ、F若しくはCl置換基1~4個により置換されており、
Yは、R2、OR2、NH2、NHR2及びNR2R3から選択され、
R2は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され、ここで、前記C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR4、S、SO及びSO2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルが、それぞれC1~C8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されており、
R3は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され、ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR4、S、SO及びSO2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルが、それぞれC1~C8アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール1~4個により場合によって置換されており、又は
R2及びR3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって3~7員環を形成でき、ここで、3~7員環が、場合によってO、NR4、S、SO及びSO2から選択されるヘテロ原子基3個までを含み、場合によってアルコキシ、F若しくはClにより置換されている。
【0065】
I型試薬の一般的合成方法
スキームG
【化42】
ヘキサンなどの溶媒中のクロロメチルクロロホルメート[10]の溶液に、ピリジンのヘキサン中の溶液を、氷冷下で滴加できる。この反応混合物に、対応するアルコールを同一温度で添加できる。反応混合物は、24時間までの範囲にある時間の間、撹拌できる。標準的な後処理及び精製により、所望の対応するカーボネート試薬[11]がもたらされる。
【0066】
上記において例示したように、R
2は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルから選択され、ここで、前記C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって炭素原子3個までが、O、NR
4、S、SO及びSO
2から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられ(すなわち、それによりヘテロアルキル又はヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、C
1~C
8アルキル及びC
3~C
7シクロアルキルが、それぞれC
1~C
8アルキル、アルコキシ、アリール又はヘテロアリール置換基1~4個により場合によって置換されている。
スキームH:ハロゲン化物交換のための一般的合成スキーム
【化43】
試薬[6]は、臭化リチウム又は臭化ナトリウムなどの臭化物の適切な試薬により、典型的には40~80℃の範囲にある適正な温度で、24時間までの範囲にある時間の間、処理し、続いて標準的な後処理及び精製を行う場合、所望のブロモ試薬[7]をもたらす。
スキームI
【化44】
試薬[6]は、ヨウ化ナトリウムなどの試薬により、典型的には室温~60℃の範囲にある適正な温度で、24時間までの範囲にある時間の間、処理し、続いて標準的な後処理及び精製を行う場合、所望のヨード試薬[12]をもたらす。
スキームJ
【化45】
試薬[6]は、メタンスルホン酸の銀塩により、典型的には室温から60~90℃の範囲にある適正な温度で、24時間までの範囲にある時間の間、処理し、続いて標準的な後処理及び精製を行う場合、所望の((メチルスルホニル)オキシ)試薬[14]をもたらす。
スキームK
【化46】
試薬[6]は、p-メチルベンゼンスルホン酸の銀塩により、典型的には室温から60~90℃の範囲にある適正な温度で、24時間までの範囲にある時間の間、処理し、続いて標準的な後処理及び精製を行う場合、所望の((メチルスルホニル)オキシ)試薬[14]をもたらす。
【0067】
B. 本発明の化合物の組成物
本発明は、活性成分として式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を、医薬として許容される添加剤/賦形剤/補助剤/媒体(vehicle)と一緒に含む医薬組成物をさらに提供する。この組成物は、経口投与、経鼻投与、頬側投与、舌下投与、静脈内投与、経粘膜投与、非経口投与、吸入、噴霧、経皮投与、皮下投与、くも膜下腔内投与、局所投与又は直腸投与を含む、様々な形で投与でき、当技術分野で知られている方法により製剤できる。
【0068】
哺乳動物向けに有効な剤形は、活性化合物約0.1~100mg/kg体重とすることができ、これを単回用量として、又は個別用量の形態で、例えば1日1~4回など投与することができる。
【0069】
この哺乳動物は、成人のヒトとすることができる。
【0070】
本発明の化合物は、場合によって1種以上のさらなる薬剤と一緒に投与できる。例示的なさらなる薬剤には、中枢神経系薬剤、例えばcns/呼吸刺激薬、鎮痛薬、麻薬性作動薬、麻薬性作動薬/拮抗薬、非ステロイド抗炎症/鎮痛剤、行動修飾剤、精神安定剤/鎮静剤、麻酔剤、吸入剤、麻薬、拮抗薬、抗痙攣薬、筋弛緩薬、骨格筋弛緩薬、静穏安楽死薬(smooth euthanasia agent)、心血管作用薬、変力薬、抗不整脈薬、抗コリン作用薬、血管拡張剤、ショックの治療において使用される薬剤、アルファ-アドレナリン遮断剤、ベータ-アドレナリン遮断剤、呼吸性薬物、気管支拡張剤、交感神経興奮剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、尿失禁/尿閉用の腎尿路作用薬、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、コリン作用刺激剤、尿路結石症向け薬剤、胃腸薬、制吐剤、制酸剤、h2拮抗薬、胃粘膜保護薬、プロトンポンプ阻害剤、食欲刺激剤、gi鎮痙-抗コリン作用薬、胃腸刺激剤、緩下剤、生理的食塩水、膨張性下剤(bulk producing),滑剤、界面活性剤、止瀉薬、ホルモン/内分泌/生殖薬、性ホルモン、タンパク同化ステロイド、下垂体後葉ホルモン、副腎皮質ステロイド、糖質コルチコイド、抗糖尿病薬、甲状腺薬、甲状腺ホルモン、多岐にわたる内分泌/生殖薬、プロスタグランジン、抗感染薬、駆虫剤、抗コクシジウム薬、抗生物質、抗-結核薬、アミノシクリトール、セファロスポリン、マクロライド、ペニシリン、テトラサイクリン、リンコサミド、キノロン、スルホンアミド、多岐にわたる抗菌薬、抗真菌剤、抗ウイルス剤、血液改質剤、凝固剤、抗凝固剤、赤血球形成剤、抗悪性腫瘍薬/免疫抑制薬、アルキル化薬、解毒剤、骨/関節薬、皮膚科薬剤(全身性)、ビタミン及びミネラル/栄養素、全身性酸性化剤、全身性アルカリ化剤、抗癌剤、抗ウイルス剤などを含む群から独立に選択される、1種以上の化合物が含まれる。
【0071】
C. 使用の方法
本発明はさらに、疾患の症状を予防及び/若しくは治療する、且つ/又は寛解させる方法であって、治療として有効な量の、式(I)の化合物若しくはその医薬として許容される塩、又は式(I)の化合物を活性成分として含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0072】
本発明の化合物は、c-ABL1阻害剤として有用であり、ヒトを含む哺乳動物においてc-ABL1の量の変化を要する全ての障害において有用である。本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物においてPGDFR阻害剤として作用することもできる。本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物において、c-Kitとしても知られる幹細胞因子受容体 (SCFR)阻害剤として作用することもできる。
【0073】
本発明の化合物は、腫瘍性疾患に罹患しているヒトを含む哺乳動物を、腫瘍に対して有効な用量により治療するのに使用することができる。
【0074】
イマチニブメシレート(Gleevec)は、ウイルスのライフサイクルに不可欠な宿主タンパク質を無力化すること(Nature Medicine、2005、11巻、7、731~739頁)、及び免疫記憶の獲得を妨げないこと(Journal of Virology、2011、85巻、1、21~31頁)によって、ポックスウイルス感染に対して有効であることが示されている。
【0075】
同様に、ウイルスそれ自体よりもむしろ、宿主遺伝子産物を標的とすることによって、イマチニブメシレートの短期間投与は、エボラウイルス(Ebola virus)感染の治療において有用とすることができる(Science Translational Medicine、2012、4巻、123、1~10頁)。
【0076】
その上、Ablファミリーキナーゼは、ウイルス結合に要するガングリオシドを調整することによって、ポリオーマウイルス感染への細胞の感受性を調節することが示されている(Journal of Virology、2010、84巻、9、4243~4251頁)。したがって、Ablキナーゼ阻害剤、例えばイマチニブメシレートは、ヒトポリオーマウイルスの治療薬として有用であることが立証できる。
【0077】
本出願は、本明細書において記述される新規な化合物を使用する、対象における細菌感染又はウイルス感染の予防又は治療方法を提供する。
【0078】
ある実施形態において、細菌感染は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、クラミジア・トロコマチス(Chlamydia trochomatis)、大腸菌(Escherichia coli)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、又は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に起因する。
【0079】
ある実施形態において、結核菌は、MDR-結核又はXDR-結核の原因となる。
【0080】
ある実施形態において、ウイルス感染は、ワクシニアウイルス(Vaccinia virus)、痘瘡ウイルス(variola virus)、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、疱疹ウイルス(Herpes virus)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス(immunodeficiency virus)、JCウイルス、BKウイルス、シミアンウイルス40(Simian virus 40)(SV40)、サル痘ウイルス(Monkeypox virus)、エボラウイルス、マルブルクウイルス(Marburg virus)、ブニアウイルス(Bunyavirus)、アレナウイルス(Arenavirus)、アルファウイルス(Alphavirus)、例えばベネズエラウマ脳炎(Venezualan equine encephalitis)(VEE)、ウエスターンウマ脳炎(Western equine encephalitis)(WEE)、フラウイルス(Flavirus)、西ナイルウイルス(West Nile virus)又はSARSコロナウイルス(Coronovirus)に起因する。
【0081】
いくつかの実施形態において、本出願において記述される化合物は、イマチニブメシレートを基準にして、望ましい安全性及び毒性プロフィルを改良/維持している。
【0082】
いくつかの実施形態において、本出願において記述される化合物は、生理食塩水中において、且つ/又は生物学的に有用なpH範囲においてイマチニブメシレートよりも可溶性である。
【0083】
いくつかの実施形態において、本出願において記述される化合物は、イマチニブメシレートを基準にして、変換の速度を改良し、それにより投与量及び/又は投与計画における変化をもたらすことができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、本出願において記述される化合物は、ある治療的に重要な場所で分解し、それにより特異性及び選択性を可能とし、且つ/又は標的を目指した薬物送達を可能にするようなものとすることができる。
【0085】
本明細書において引用された全ての米国特許及び他の出版物は、それぞれそれらの全体が、特に、本明細書に参照により組み込まれている。
【0086】
前述の記述から、当業者は、現発明の本質的特性を容易に確認することができ、その精神及び範囲から逸脱せずに、本発明の種々の変更及び/又は修正を行って、種々の使用及び状態に適応させることができる。それに応じて、これらの変更及び/又は修正は、適正、公正であり、以下の特許請求範囲の全範囲内で等価であることが意図される。
【0087】
[実施例]
[実施例1]
例示的III型試薬合成のための合成手順
【化47】
ステップ(A):
DCM(yml)中のクロロメチルクロロホルメート[10](1.0g、7.75ミリモル、1.0当量)の溶液に、DCM中のイソプロピルアミン(0.95g、19.30ミリモル、2.5当量)の溶液を0℃で滴加した。添加すると反応混合物中に白色固体が析出した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いでRTで1時間撹拌した。反応はTLCによって監視した。反応液は、反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、続いて2N HCl溶液で洗浄し、再び飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、最後に水で洗浄するステップによって後処理した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥し、且つ減圧下で蒸発させて、クロロメチルイソプロピルカルバメート[15]を無色油としてもたらした(0.50g、44%)。
1H NMR [CDCl
3, 300 MHz]: δ 5.73 (s, 2 H), 4.73 (s, -NH), 3.78 - 3.91 (m, 1 H), 1.17 - 1.19 (d, 6 H)
【0088】
ステップ(B):
ヨウ化ナトリウム(0.6g、3.99ミリモル、3.0当量)を、アセトン中のクロロメチルイソプロピルカルバメート[15](0.2g、1.33ミリモル、1.0当量)の溶液に添加した。得られた混合物は、RTで一晩撹拌した。反応はTLCによって監視した。反応液は、沈殿した固体を濾去し、且つアセトン層を真空下で蒸発させるステップによって後処理した。得られた固体をDCM中に溶解し、濾過して残渣状固体を除いた。こうして得られたDCM層を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得て、これを、シリカゲルカラムクロマトグラフフィー(2%MeOH:DCM、100~200メッシュ)を使用して精製して、純ヨードメチルイソプロピルカルバメート[16]を無色の粘着性材料としてもたらした(0.12g、37%)。1H NMR [CDCl3, 300 MHz]: δ 5.96 (s, 2 H), 4.65 (s, -NH), 3.80 - 3.91 (m, 1 H), 1.17 - 1.19 (d, 6 H).
【0089】
[実施例2]
【化48】
クロロメチルモルホリン-4-カルボキシレート[17](0.3g、1.67ミリモル、1.0当量)及び臭化ナトリウム(0.86g、8.3ミリモル、5.0当量)をアセトン(10ml)中に取った。反応液を60℃で24時間還流した。反応進行をTLC/
1H NMRで監視した。反応液を濾去し、濾液を減圧下で蒸発乾固して、淡褐色ゲルであるブロモメチルモルホリン-4-カルボキシレート[18]をもたらした(0.30g、80%)。
1H NMR (CDCl3): δ ppm 5.92 (s, 2H), 3.72 (t, 4H), 3.54 δ(t, 4H)s
【0090】
[実施例3]
【化49】
手順:
クロロメチルモルホリン-4-カルボキシレート[19](0.3g、1.67ミリモル、1.0当量)及び臭化リチウム(0.72g、8.3ミリモル、5.0当量)をアセトニトリル(10ml)中に取った。反応液を90℃で30時間還流した。反応進行をTLC/
1H NMRで監視した。反応液を濾去し、濾液を減圧下で蒸発乾固して、淡褐色ゲルであるブロモメチルモルホリン-4-カルボキシレート[20]をもたらした(0.30g、80%)。
1H NMR (CDCl3): δ ppm 5.92 (s, 2H), 3.72 (t, 4H), 3.54 (t, 4H)
【0091】
上記において開示した合成手順を使用し、本明細書において種々の置換されている又は非置換のアルコール、フェノール、アミン及び酸により、他のメチルホルミル試薬を合成して、種々の構造体を得た。
【0092】
[実施例4]
I型試薬の合成のための典型的な合成手順の例
【化50】
手順:
ステップ(A):
ヘキサン中のクロロメチルクロロホルメート[10](7.75ミリモル、1当量)の溶液に、ヘキサン中のピリジン(19.3ミリモル、2.5当量)の溶液を、氷冷下で滴加した。添加完了の後、白色固体沈殿を形成した。同一温度でヘキサン中においてt-ブタノール(11.62ミリモル、1.5当量)を添加した。t-ブタノールの添加後、反応混合物は透明溶液となった。得られた反応混合物は、氷冷下で2時間撹拌し、次いで室温(RT)で1時間撹拌した。反応完結はTLCによって監視し、これにより、出発材料と比較して1箇所の非極性点が示された。反応液は、反応混合物をヘキサンで希釈し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、続いて2N HCl溶液で洗浄し、続いて飽和NaHCO
3溶液で第2の洗浄を行い、最後に水で洗浄するステップによって後処理した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥し、且つ減圧下で蒸発させて、試薬tert-ブチル(クロロメチル)カーボネート[21]を無色の粘着性液体としてもたらした(0.900g、70%)。
1H NMR: [CDCl
3, 300 MHz]:- δ 5.774 (s, 2 H), 1.518 (s, 9 H).
【0093】
ステップ(B):
アセトン中に溶解したtert-ブチル(クロロメチル)カーボネート[21](9.87ミリモル、1当量)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(29.61ミリモル、3当量)を添加した。得られた反応混合物は、RTで一晩撹拌した。TLCにより、出発材料の消費及び出発材料と比較し1箇所の新たな非極性点が示された。反応液は、どんな沈殿した固体も濾去し、且つアセトン層を蒸発させるステップによって後処理した。得られた固体をDCM中に溶解した。この溶液を再び濾過して、DCM中に溶解しないどんな固体も除去した。得られたDCM層を蒸発させた。粗生成物は、100~200メッシュサイズシリカ及び溶媒系として1%MeOH-DCMを使用することにより、カラムクロマトグラフフィーを経過して、生成物tert-ブチル(ヨードメチル)カーボネート[22]を無色液体としてもたらした(136mg、30%)。
1H NMR [CDCl3, 300 MHz]: δ 5.90 (s, 2 H), 1.518 (s, 9 H).
【0094】
[実施例5]
例示的II型試薬のための合成手順
【化51】
ステップ(A):
塩化亜鉛などの適正なルイス酸(触媒量-0.50g)を、不活性雰囲気下で、乾燥した2首丸底フラスコ内で融解させた。RTで、塩化iso-ブチリル[23](46.72ミリモル、1当量)及びパラホルムアルデヒド(47.0ミリモル、10当量)を、調製したルイス酸に添加する。反応混合物を一晩60℃に加熱した。反応はTLCによって監視した。DCMの添加により反応を停止し、飽和NaHCO
3で、次いでブラインで洗浄した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥し、且つ減圧下で蒸発させて、生成物クロロメチルイソブチレート[24]を無色油(2.0g、31%)としてもたらした。
1H NMR [CDCl
3, 300 MHz]: δ 5.71 - 5.76 (d, 2 H), 2.54-2.64 (m, 1 H), 1.17 - 1.21 (d, 6 H)
【0095】
ステップ(B):
ヨウ化ナトリウム(43.9ミリモル、3当量)を、アセトン中のクロロメチルイソブチレート[24](14.6ミリモル、1当量)の溶液に添加した。得られた反応混合物は、RTで一晩撹拌した。反応完結はTLCによって監視した。反応液は、沈殿した固体を濾去し、且つ減圧下で過剰のアセトンを蒸発させるステップによって後処理した。固体が得られ、DCMで洗浄する一方、ブフナー漏斗を使用し吸引下で濾過した。得られたDCM層を蒸発させて、粗生成物をもたらし、これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュ)及び、溶離液としてDCMを使用して、さらに精製した。生成物ヨードメチルイソブチレート[25](1.6g、収率50%)が、褐色液体として得られた。
1H NMR [CDCl3, 300 MHz]: δ 6.21 (s, 2 H), 2.54-2.64 (m, 1 H), 1.17 - 1.21 (d, 6 H).
【0096】
[実施例6]
((メチルスルホニル)オキシ)メチル3-メチルブタノエートの合成:-
【化52】
手順:
メタンスルホン酸の銀塩[0.34g、1.6ミリモル、0.5当量)をアセトニトリル(8ml)中に取り、それにクロロメチル3-メチルブタノエート[26](0.5g、3.3ミリモル、1.0当量)を添加した。得られた溶液を、30~80℃の範囲にあり好ましくは60℃である温度60℃に、1~10時間、好ましくは5時間である5時間加熱した。反応の進行はTLCによって監視した。完結した後、反応液を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて、無色油を生じた。粗化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフフィー(10%EtOAc: CyHex、100~200メッシュ)によって精製し、これが、無色油として[27]((メチルスルホニル)オキシ)メチル3-メチルブタノエート[0.25g、40%]をもたらした。
【0097】
[実施例6a]
((メチルスルホニル)オキシ)メチル3-メチルブタノエートの合成:-
【化53】
手順:
パラ-トルエンスルホン酸の銀塩[0.3g、1.0ミリモル、0.5当量]をアセトニトリル(8ml)中に取り、それにクロロメチル3-メチルブタノエート[26](0.48g、3.0ミリモル、1.0当量)を添加した。得られた溶液を30~80℃の範囲にあり好ましくは60℃である温度60℃に、1~10時間、好ましくは5時間である5時間加熱した。反応の進行はTLCによって監視した。完結した後、反応液は濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて、無色油を生じた。粗化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフフィー(10%EtOAc: CyHex、100~200メッシュ)によって精製し、これが、無色油として[28]((メチルスルホニル)オキシ)メチル3-メチルブタノエート[0.26g、35%]をもたらした。
【0098】
改質形態のイマチニブの合成
[実施例6b]
【化54】
イマチニブ、N-(4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド[1001](0.100g、0.2ミリモル、1.0当量)を、RTで25ml二首丸底フラスコ内のジクロロメタン(10ml)中に溶解し、ピバル酸ヨードメチル[29](0.049g、0.2ミリモル、1.0当量)を添加した。3~4時間撹拌後、生成した沈殿を濾過し、DCMで洗浄して、生成物1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1002]を黄色固体(0.04g、27%)としてもたらした。
m/z: 608
1H NMR [DMSO, 300 MHz]: δ ppm 1.24 (s, 9 H), 2.20 (s, 3 H), 2.7 (m, 4 H), 3.10 (s, 3 H), 3.07 (s, 3 H), 3.48 (br s, 4 H), 3.71 (s, 2 H), 5.39 (s, 2 H), 7.19 (d, 1 H), 7.42 - 7.54 (m, 5 H), 7.9 (d, 2 H), 8.06 (d, 1 H), 8.45 - 8.52 (m, 2 H), 8.60 (dd, 1 H), 9.0 (s, 1 H), 9.27 (d, 1 H), 10.18 (s, 1 H)
【0099】
[実施例7]
【化55】
イマチニブ[1001](0.10g、0.2ミリモル、1.0当量)を、RTで撹拌しながら25ml二首丸底フラスコ内のDCM(10ml)中に溶解し、ピバル酸ヨードメチル[29](0.185g、0.77ミリモル、3.8当量)を添加した。48時間撹拌後、生成した沈殿を真空下で濾過し、DCMで洗浄して、生成物1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピリジン-1-イウム-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム二ヨウ化物[1003]を黄色固体(0.05g、25%)としてもたらした。m/z: 361
【0100】
[実施例8]
【化56】
イマチニブ、N-(4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド[1001](0.100g、0.2ミリモル、1.0当量)を、RTで25ml二首丸底フラスコ内のジクロロメタン(10ml)中に溶解し、ジクロロメタン(5ml)中のカルバミン酸ヨードメチル[30](0.055g、0.2ミリモル、1.0当量)を添加した。3~4時間撹拌後、生成した沈殿を濾過し、DCMで洗浄して、生成物1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1004]を黄色固体(0.060g、50%)としてもたらした。m/z: 637
【0101】
[実施例9]
【化57】
イマチニブ、N-(4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド[1001](0.100g、0.2ミリモル、1.0当量)を、RTで25ml二首丸底フラスコ内のジクロロメタン(10ml)中に溶解し、ジクロロメタン(5ml)中のヨードメチルイソプロピルカーボネート[31](0.047g、0.2ミリモル、1.0当量)を添加した。3~4時間撹拌後、生成した沈殿を濾過し、DCMで洗浄して、生成物1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1005]を黄色固体(0.035g、40%)としてもたらした。m/z: 610
【0102】
[実施例10]
【化58】
25ml二首丸底フラスコ内のアセトニトリル(10ml)中のイマチニブ、N-(4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド[1001](0.100g、0.2ミリモル、1.0当量)の懸濁液に、RTで((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチルメタンスルホネート[32](0.043g、0.2ミリモル、1.0当量)を添加した。得られた懸濁液を80℃で24時間加熱した。反応の進行を、TLCによって監視した。次いで、それを室温まで冷却し、蒸発乾固させた。得られた残渣をジクロロメタン(1ml)に再溶解し、n-ペンタンの添加によって再沈殿させ、沈殿を濾過し、乾燥して、粗生成物1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1006]を黄色固体(0.034g、27%)としてもたらした。キャラクタリゼーションを、質量分析によって行った。m/z: 610
【0103】
[実施例11a]
【化59】
ACN(2ml)中の(1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウム)ヨウ化物[1005](0.0163g、0027ミリモル、1.0当量)の撹拌される溶液に、RTでメタンスルホン酸銀(I)(0.0054g、0.027ミリモル、1.0当量)を添加した。反応混合物をRTで2時間撹拌した。反応液を濾過して、ヨウ化銀を除いた。濾液を真空下で濃縮し、これを乾エーテル(2×5ml)と共に摩砕し、エーテルを傾瀉により除去し、生成物を真空下で乾燥して、淡黄色の固体1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホン酸塩[1006](0.012g、66%)をもたらした。m/z: 610
【0104】
[実施例11b]
【化60】
イマチニブ[1001](0.100g、0.2ミリモル、1.0当量)を、RTで25ml二首RBF内のジクロロメタン(10ml)中に溶解し、続いて、ヨードメチル3-メチルブタノエート[200](0.049g、0.2ミリモル、1.0当量)を添加した。反応混合物を4~5時間撹拌し、こうして生成した黄色沈殿を濾過し、DCMで洗浄して、生成物1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((3-メチルブタノイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1008]を黄色固体(0.080g、55%)としてもたらした。m/z: 608
【0105】
[実施例12]
【化61】
イマチニブメシレートである1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホン酸塩[1026](0.100g、0.169ミリモル、1.0当量)を、還流コンデンサーを取付けフレーム乾燥した2首RBフラスコ内の乾アセトニトリル(6ml)中に取った。この懸濁液に、ヨードメチルイソプロピルカーボネート[31](0.041g、0.169ミリモル、1当量)を添加し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。反応進行の間、懸濁液は淡黄色透明溶液に変わった。反応の進行は、TLC及び
1H NMRによって監視した。16時間後、溶媒を蒸発させて乾固し、得られた粗反応塊をジエチルエーテル(10ml×2)で洗浄して、生成物11-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-3-(2-((2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピリジン-1-イウムモノヨウ化物モノメタンスルホン酸塩[1031]を褐色ゲル(0.105g、74%)としてもたらした。m/z: 611
【0106】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((3-メチルブタノイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1008]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ヨードメチル3-メチルブタノエート[200]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化62】
1-(((イソプロピルカルバモイル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1009]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ヨードメチルイソプロピルカルバメート[16]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化63】
(R)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((((1-フェニルエトキシ)カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1010]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、(R)-ヨードメチル(1-フェニルエチル)カーボネート[204]及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化64】
(R)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((((1-フェニルエチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1011]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、(R)-ヨードメチル(1-フェニルエチル)カルバメート[206]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化65】
(R)-1-(((sec-ブトキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1012]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、(R)-sec-ブチル(ヨードメチル)カーボネート[208]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化66】
1-(イソブチリルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1013]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ヨードメチルイソブチレート[25]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化67】
1-((((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1014]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ベンジル(ヨードメチル)カーボネート[212]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化68】
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((((3-メチルブタン-2-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1016]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ヨードメチル(3-メチルブタン-2-イル)カーボネート[215]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化69】
1-(((ベンジル(メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1017]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、ヨードメチルベンジル(メチル)カルバメート[217]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化70】
(S)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((((1-フェニルエチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1018]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、(S)-ヨードメチル(1-フェニルエチル)カルバメート[219]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化71】
1-(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1019]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、エチル(ヨードメチル)カーボネート[221]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化72】
1-(((シクロブトキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((3-メチル-4-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物[1020]を、([1001]を使用して[1002]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、シクロブチル(ヨードメチル)カーボネート[223]、及び溶媒としてDCMを使用して合成した。
【化73】
(R)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((((1-フェニルエトキシ)カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホン酸塩[1035]を、([1005]を使用して[1006]を合成するのに使用されるのと同様の手順)、メタンスルホン酸銀、及び溶媒としてACNを使用して合成した。
【0107】
[実施例13]
1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムトリフルオロメタンスルホン酸塩[10737.06]
【化74】
ステップ1:
イマチニブ、N-(4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド[1001](0.5g、1.0モル、1.0当量)を、室温で100ml二首丸底フラスコ内の乾ジクロロメタン(40ml)中に溶解し、それにDCM 10ml中に溶解したヨードメチル2-フェニルアセテート[1002](0.28g、1.0モル、1.0当量)を滴加した。3~4時間撹拌した後、黄色沈殿が生成した。この沈殿を濾過し、過剰のDCM(ジクロロメタン)で洗浄して、生成物1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物(10737.01)を黄色固体[0.5g、64%]としてもたらした。m/z:- 643
【0108】
ステップ2:
CAN(アセトニトリル)(10ml)中の1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨウ化物(10737.01)(0.08g、0.1モル、1.0当量)の撹拌される溶液に、RTでトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(0.026g、0.1ミリモル、1.0当量)を添加した。反応混合物をRTで30分間撹拌した。反応液を濾過して、ヨウ化銀沈殿を除去した。濾液を真空下で濃縮し、これを乾エーテル(2×5ml)と一緒に磨砕した。傾瀉によってエーテルを除去し、得られた生成物を真空下で乾燥して、1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムトリフルオロメタンスルホン酸塩[10737.06]を、淡黄色固体[0.045g、50%]としてもたらした。m/z: 643
【0109】
10737.02、10737.04、10737.07、10737.08の合成は、上記の実施例13、ステップ2において記述した手順を使用することによって、且つ対応する銀塩(硝酸銀又は銀トシレート又はテトラフルオロホウ酸銀又は銀メシレートなど)及び出発材料として10737.01を使用することによって達成された。
【0110】
11124.01、11124.02及び11124.03の合成は、実施例13において記述した手順を使用し、ヨードメチル2-フェニルアセテート[1002]の代わりにヨードメチル2-フェニルプロパノエートを使用することによって、達成された。
【0111】
[実施例14]
VEEウイルスに対するイマチニブの抗ウイルス効力
第一次抗ウイルス選別を行って、ニュートラルレッドアッセイによりEC50及び細胞毒性を測定して、治療指数を規定した。第二次アッセイにより、阻害剤、及びウイルス産生低下のより正確な濃度を使用して、EC90を測定する。ウイルスアッセイのため、指定された時間(≧3日)における最大細胞死をもたらす低レベルのウイルス接種物、典型的には50~100 CCID
50を使用した。
表1:
【表3】
【0112】
[実施例15]
ポリオーマウイルスに対するイマチニブの抗ウイルス効力
TaqMan汎用PCRマスターミックス(PE Biosystems)、組織可溶化液5μL、それぞれ前進及び逆進プライマー300ナノモル/L、試料(probe)200ナノモル/L、dNTP 300μモル/L、マグネシウム5ミリモル/L及びTaq Goldポリメラーゼ1.25Uを含有する反応体積50μLにおけるPCR増幅を計画した。熱サイクル実施は、95℃で12分間の初期変性ステップにより開始し、続いて95℃で15秒間(変性)及び60℃で1分間(再アニーリング及び伸長)のサイクルを45サイクルを行った。
表2:
【表4】
【0113】
本発明の化合物の薬物動態特性
本発明の化合物を、それらの薬物動態特性についてイマチニブのそれと比較した。これらの化合物のデータは、表3に提示される。
【0114】
PKプロトコル
一晩絶食後の1群当り3匹のメスSprague Dawley(SD)ラットに、蒸留水(5ml/kg)中のイマチニブ及びその改質薬剤を、用量レベル3mg/kgで経口投与(胃管栄養法による)した。血液を、順次0.16時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間に放血することによってヘパリン添加管内に収集した。血液試料は、4℃において10,000rpmで10分間遠心分離して血漿を得て、これらの血漿を別々の標識付き管に吸引し-80℃で保存した。血漿から薬剤を抽出するため、薬剤抽出溶媒としてアセトニトリル中のVerapamil 400ng/mlを使用した。抽出溶媒を血漿に添加し、振蕩機で10分間渦運動及び振蕩し、4℃において10000rpmで10分間遠心分離した。上澄み液を分析のため保持した。アセトニトリル及び血漿の較正曲線を作成し、血漿からのイマチニブ回収百分率を決定した。それぞれの試料中のイマチニブレベルの定量分析は、多重反応モニタリングを使用した液体クロマトグラフィー直列型質量分析(API3200 LC-MS/MS)によって行った。Graph Pad PRISM 5.04版を使用してC
max、T
max、AUC及びt
1/2を計算した。
表3:化合物についてのPKパラメーター
3 mpk、蒸留水(ラット、三重反復試験)
【表5】
【0115】
MTS細胞生存度アッセイ(K562細胞株)
本発明の化合物を、それらのMTS細胞生存度アッセイについて試験した。それらの結果が、表4に提示される:
K562細胞は、第一ヒト継代骨髄性白血病株として確立されているものであった。
K562細胞は、赤白血病型のものであり、この株は53才女性CML患者から由来している。これらの細胞は、非粘着性及び円形であり、bcr:abl融合遺伝子について陽性である。
K562細胞株は、10%牛胎児血清によりRPMI 1640において維持されている。K562細胞の細胞2500個/ウェルを、96ウェル組織培養プレート内で培養した。細胞は、順次希釈した化合物(20μM~0.002μM最終濃度)により48時間インキュベートした。Promegaから得られたMTS(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)をウェルに添加し、プレートを5%CO2内において37℃で4時間インキュベートした。細胞によってMTS化合物が生体還元されて、着色したホルマザン産物となり、このものは培養媒質中に可溶である。490nm吸光度の量によって測定されたホルマザン産物の量は、培養液中の生存細胞数に正比例する。吸光度は、490nmで読み取った(Spectramaxマイクロプレートリーダー)。阻害百分率を計算し、阻害剤の濃度に対してプロットし、データを、Graph pad prism 5を使用して非線形回帰曲線フィット(4パラメーター-可変傾斜を有するS字形投与量応答曲線)に適合させた。
表4: K562細胞株における本発明の化合物の活性
【表6】
本発明の実施形態として、例えば以下を挙げることができる。
(1) 式(I)
【化75】
{式中、
A及びBは、不存在、H、又は下記式(II)の部分から独立に選択され、ただし、A及びBの少なくとも1つが、式(II)の部分であり、
【化76】
[式中、
R及びR
1
は、それぞれ独立にH、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルから選択され、ここで、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルのそれぞれにおいて、3個以下の炭素原子が、O、NR
4
、S、SO及びSO
2
から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられていてもよく(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、前記C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルが、1~4個のC
1
~C
8
アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリール置換基により置換されていてもよく;又はR及びR
1
は、それらが結合する原子と一緒になって3~7員環を形成し、ここで、前記3~7員環が、O、NR
4
、S、SO及びSO
2
から選択される2個以下のヘテロ原子基を含んでいてもよく、且つ1~4個のアルコキシ、F若しくはCl置換基により置換されていてもよく、
Yは、それぞれの出現の際に、R
2
、OR
2
、NH
2
、NHR
2
及びNR
2
R
3
から独立に選択され、
R
2
は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルから選択され、ここで、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルのそれぞれにおいて、3個以下の炭素原子が、O、NR
4
、S、SO及びSO
2
から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられていてもよく(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、前記C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルが、それぞれ1~4個のC
1
~C
8
アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール置換基により置換されていてもよく、
R
3
は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルから選択され、ここで、C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルのそれぞれにおいて、3個以下の炭素原子が、O、NR
4
、S、SO及びSO
2
から独立に選択されるヘテロ原子基によって置き換えられていてもよく(すなわち、それによりヘテロアルキル若しくはヘテロシクリル置換基を形成し)、ここで、前記C
1
~C
8
アルキル及びC
3
~C
7
シクロアルキルが、それぞれ1~4個のC
1
~C
8
アルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリール置換基により置換されていてもよく、又は
R
2
及びR
3
は、それらが結合する窒素原子と一緒になって3~7員環を形成でき、ここで、前記3~7員環が、O、NR
4
、S、SO及びSO
2
から選択される3個以下のヘテロ原子基を含んでいてもよく、且つアルコキシ、F若しくはClにより置換されていてもよく、
R
4
は、それぞれの出現の際に、H又はC
1
~C
8
アルキルから独立に選択される]
X及びX
1
は、それぞれ独立にアニオンであり、又は存在せず、ただし、Xが存在しないのはAが存在しない場合のみであり、X
1
が存在しないのはBが存在しない場合のみである}
の化合物又は医薬として許容されるそれらの塩。
(2) R及びR
1
が、それぞれH及びC
1
~C
8
アルキルから独立に選択される、(1)に記載の化合物。
(3) R及びR
1
が、両方ともHである、(2)に記載の化合物。
(4) R
2
及びR
3
が、C
1
~C
8
アルキル及びアラルキルから独立に選択される、(1)から(3)のいずれかに記載の化合物。
(5) R
2
及びR
3
が、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、3-メチルブタ-2-イル、1-フェニルエチル、ベンジル又はシクロブチルから独立に選択される、(1)から(4)のいずれかに記載の化合物。
(6) R
4
が、それぞれの出現の際独立に、H及びC
1
~C
8
アルキルから選択される、(1)から(5)のいずれかに記載の化合物。
(7) X及びX
1
が、それぞれ独立に、ハロゲン化物イオン又はスルホン酸イオンである、(1)から(6)のいずれかに記載の化合物。
(8) X及びX
1
が、それぞれ独立にヨウ化物イオン又はメシレートイオンである、(1)から(7)のいずれかに記載の化合物。
(9) Xがメシレートイオンであり、X
1
がヨウ化物イオンである、(1)から(8)のいずれかに記載の化合物。
(10) A及びBが、それぞれ独立にH、又は式(II)の部分である、(1)から(9)のいずれかに記載の化合物。
(11) AがHであり、Bが式(II)の部分である、(8)に記載の化合物。
(12) Aが式(II)の部分であり、BがHである、(8)に記載の化合物。
(13) Aが式(II)の部分であり、Bが存在しない、(1)から(7)のいずれかに記載の化合物。(14) Aが存在せず、Bが式(II)の部分である、(1)から(7)のいずれかに記載の化合物。
(15) Yが、それぞれの出現の際独立に、OR
2
又はR2又はNR
2
R
3
である、(1)から(14)のいずれかに記載の化合物。
(16) Y=OR
2
である、(15)に記載の化合物。
(17) Yが、
i. クロロメチルイソプロピルカルボネート;
ii. ベンジルクロロメチルカルボネート;
iii. クロロメチルモルホリノメチルカルボネート;
iv. クロロメチルイソブチルカルボネート;
v. クロロメチルメチルカルボネート;
vi. (S)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート;
vii. (R)-sec-ブチルクロロメチルカルボネート;
viii. クロロメチル((3S,5R)-3,5-ジメチルモルホリノ)メチルカルボネート;
ix. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルボネート;
x. クロロメチル2-メトキシエチルカルボネート;
xi. クロロメチルプロピルカルボネート;
xii. クロロメチルシクロブチルカルボネート;
xiii. クロロメチルシクロプロピルカルボネート;
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルボネート;
xv. クロロメチルシクロペンチルカルボネート;
xvi. クロロメチルオキセタン-3-イルカルボネート;
xvii. (S)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルボネート;
xviii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカルボネート;
xix. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルボネート;
xx. (R)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルボネート;
xxi. クロロメチルエトキシメチルカルボネート;
xxii. クロロメチルオキセパン-4-イルカルボネート;
xxiii. (1R,2S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルクロロメチルカルボネート;
xxiv. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカルボネート;
xxv. ベンジルクロロメチルカルボネート;
xxvi. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルボネート;
xxvii. クロロメチルシクロヘキシルカルボネート;
xxviii. クロロメチルイソブチルカルボネート;
xxix. クロロメチル4-メチルシクロヘキシルカルボネート;
xxx. クロロメチル2-(メチルチオ)エチルカルボネート;
xxxi. クロロメチル3-メチルシクロヘキシルカルボネート;
xxxii. クロロメチルペンタン-2-イルカルボネート;
xxxiii. クロロメチルネオペンチルカルボネート;
xxxiv. メチル1-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)シクロプロパンカルボキシレート;xxxv. クロロメチルシクロプロピルメチルカルボネート;
xxxvi. クロロメチル2,2-ジエトキシエチルカルボネート;
xxxvii. クロロメチルシクロペンチルメチルカルボネート;
xxxviii. メチル2-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパノエート;
xxxix. (S)-クロロメチル2,2,4-トリメチルシクロペンタ-3-エニルカルボネート;
xl. クロロメチル1,3-ジオキソラン-2-イルカルボネート;
xli. クロロメチル(2,6-ジメチルシクロヘキシル)メチルカルボネート;
xlii. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチルカルボネート;
xliii. クロロメチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチルカルボネート;
xliv. クロロメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルカルボネート;
xlv. クロロメチル1-メチルシクロペンチルカルボネート;
xlvi. クロロメチル1-シクロペンチルエチルカルボネート;
xlvii. クロロメチル3-メチルシクロペンチルカルボネート;
xlviii. クロロメチル3,3-ジメチルシクロヘキシルカルボネート;
xlix. クロロメチル2,5-ジメチルシクロヘキシルカルボネート;
l. クロロメチル1-(4-メチルシクロヘキシル)エチルカルボネート;
li. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカルボネート;
lii. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカルボネート;
liii. クロロメチル2-イソプロポキシエチルカルボネート;
liv. (炭酸クロロメチル)5-((3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタン酸無水物;
lv. 4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-2-ヒドロキシ-4-オキソブタン酸;
lvi. クロロメチル4-ホルミル-2-メトキシフェニルカルボネート;
lvii. クロロメチル3-オキソブタン-2-イルカルボネート;
lviii. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート;
lix. (R)-2-アミノ-3-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパン酸;
lx. 3-tert-ブチル-4-メトキシフェニルクロロメチルカルボネート;
lxi. (R)-2-アミノ-3-(4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)フェニル)プロパン酸;
lxii. (R)-2-アミノ-4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-4-オキソブタン酸;
lxiii. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカルボネート;
lxiv. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート;
lxv. クロロメチル2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルカルボネート;
lxvi. クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルカルボネート;
lxvii. 4-アリル-2-メトキシフェニルクロロメチルカルボネート;
lxviii. クロロメチル(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルカルボネート;
lxix. プロピル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾエート;又は
lxx. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカルボネート
から塩素を外した後に残るであろう部分である、(16)に記載の化合物。
(18) Y=R
2
である、(15)に記載の化合物。
(19) Yが、
i. クロロメチルシクロヘキサンカルボキシレート;
ii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセテート;
iii. クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
iv. クロロメチル1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
v. クロロメチルシクロペンタンカルボキシレート;
vi. クロロメチル1-(トリフルオロメチル)シクロペンタンカルボキシレート;
vii. クロロメチルシクロブタンカルボキシレート;
viii. クロロメチル2-エチルヘキサノエート;
ix. クロロメチル3-シクロペンチルプロパノエート;
x. クロロメチルシクロプロパンカルボキシレート;
xi. クロロメチルペンタノエート;
xii. クロロメチル2-メチルペンタノエート;
xiii. クロロメチル3,5,5-トリメチルヘキサノエート;
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルブタノエート;
xv. クロロメチル2-メチルブタノエート;
xvi. クロロメチルヘキサノエート;
xvii. クロロメチル2-エチルブタノエート;
xviii. クロロメチルブチレート;
xix. クロロメチル3-フェニルプロパノエート;
xx. クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxi. (R)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxii. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxiii. (1r,4r)-クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシレート;
xxiv. クロロメチル4-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート;
xxv. クロロメチル4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボキシレート;
xxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキサンカルボキシレート;
xxvii. (2R)-クロロメチル2-メチルシクロペンタンカルボキシレート;
xxviii. (R)-クロロメチル2-メチルブタノエート;
xxix. (S)-クロロメチル2-メチルブタノエート;
xxx. (S)-クロロメチル2-メトキシ-2-フェニルアセテート;
xxxi. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノエート;
xxxii. (S)-クロロメチル2-フェニルブタノエート;
xxxiii. (S)-クロロメチル3-フェニルブタノエート;
xxxiv. ビス(クロロメチル)2,2-ジメチルマロネート;
xxxv. ビス(クロロメチル)オキサレート;
xxxvi. クロロメチル2-シクロプロピルアセテート;
xxxvii. クロロメチル2-シクロブチルアセテート;
xxxviii. クロロメチル2-シクロペンチルアセテート;
xxxix. クロロメチル2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセテート;
xl. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセテート;
xli. クロロメチル2-メチルシクロプロパンカルボキシレート;
xlii. クロロメチル2-(1-メチルシクロブチル)アセテート;
xliii. クロロメチル2-(1-メチルシクロプロピル)'アセテート;
xliv. クロロメチルプロピオネート;
xlv. クロロメチルアセテート;
xlvi. クロロメチルイソブチレート;
xlvii. クロロメチル2-イソプロピル-3-メチルブタノエート;
xlviii. クロロメチル3,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキシレート;
xlix. クロロメチル2-プロピルペンタノエート;
l. クロロメチル4-メトキシベンゾエート;
li. クロロメチル4-メチルベンゾエート;
lii. クロロメチル3-メチルベンゾエート;
liii. クロロメチル2,2,2-トリフルオロアセテート;
liv. クロロメチル5,5-ジメチル-3-オキソヘキサノエート;
lv. ビス(クロロメチル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキシレート;
lvi. クロロメチル1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン-1-カルボキシレート;
lvii. クロロメチル2-シクロペンテニルアセテート;
lviii. クロロメチル2-フェニルブタノエート;
lix. クロロメチル2,2-ジフルオロアセテート;
lx. クロロメチル4-フルオロベンゾエート;
lxi. クロロメチル3-シクロヘキシルプロパノエート;
lxii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセテート;
lxiii. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパノエート;
lxiv. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート;
lxv. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)プロパノエート;及び
lxvi. クロロメチルニコチネート
から塩素を外した後に残るであろう部分である、(18)に記載の化合物。
(20) Y=NR
2
R
3
である、(15)に記載の式(I)の化合物。
(21) Yが、
i. クロロメチルイソプロピルカルバメート;
ii. クロロメチルジイソプロピルカルバメート;
iii. クロロメチルジメチルカルバメート;
iv. クロロメチルイソブチルカルバメート;
v. クロロメチルメチルカルバメート;
vi. クロロメチルエチル(イソプロピル)カルバメート;
vii. クロロメチルイソブチル(メチル)カルバメート;
viii. (S)-クロロメチルsec-ブチルカルバメート;
ix. クロロメチルメチルカルバメート;
x. クロロメチルイソプロピル(メチル)カルバメート;
xi. クロロメチルプロピルカルバメート;
xii. クロロメチル2-メトキシエチルカルバメート;
xiii. クロロメチルメチル(プロピル)カルバメート;
xiv. クロロメチルジイソブチルカルバメート;
xv. クロロメチルtert-ブチル(イソプロピル)カルバメート;
xvi. クロロメチルジ-sec-ブチルカルバメート;
xvii. クロロメチルアジリジン-1-カルボキシレート;
xviii. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルバメート;
xix. クロロメチルシクロプロピルカルバメート;
xx. クロロメチルシクロプロピルメチル(プロピル)カルバメート;
xxi. クロロメチルシクロプロピル(メチル)カルバメート;
xxii. クロロメチルアゼチジン-1-カルボキシレート;
xxiii. クロロメチルシクロブチルカルバメート;
xxiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルバメート;
xxv. クロロメチル3-メトキシアゼチジン-1-カルボキシレート;
xxvi. クロロメチルシクロブチル(メチル)カルバメート;
xxvii. クロロメチルオキセタン-3-イルカルバメート;
xxviii. (S)-クロロメチル2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート;
xxix. クロロメチルシクロペンチルカルバメート;
xxx. クロロメチルシクロペンチル(メチル)カルバメート;
xxxi. クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルバメート;
xxxii. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxiii. (2R,6S)-クロロメチル2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxiv. (R)-クロロメチル2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxv. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシレート;
xxxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルバメート;
xxxvii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカルバメート;
xxxviii. クロロメチルシクロヘキシルメチル(メチル)カルバメート;
xxxix. クロロメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xl. (3S,5R)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xli. (3R,5S)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xlii. (2S,6R)-クロロメチル2,6-ジメチルモルホリン-4-カルボキシレート;
xliii. クロロメチル4-メチルピペラジン-1-カルボキシレート;
xliv. クロロメチルアゼパン-1-カルボキシレート;
xlv. クロロメチルシクロヘプチルカルバメート;
xlvi. クロロメチルオキセパン-4-イルカルバメート;
xlvii. クロロメチル(1R,2S,4S)-ビシクロ[2. 2. 1]ヘプタン-2-イルカルバメート;
xlviii. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカルバメート;
xlix. クロロメチルベンジルカルバメート;
l. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルバメート;
li. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタノエート;
lii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-フェニルプロパノエート;
liii. (S)-ジエチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタンジオエート;
liv. エチル((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)プロパノエート;
lv. エチル2-アミノ-6-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ヘキサノエート;
lvi. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-メチルペンタノエート;
lvii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルペンタノエート;
lviii. (S)-ジメチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)スクシネート;
lix. (S)-エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-グアニジノペンタノエート;lx. (S)-エチル4-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-オキソブタノエート;lxi. (S)-エチル2-アミノ-5-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタノエート;
lxii. (S)-エチル5-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-オキソペンタノエート;
lxiii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-(メチルチオ)ブタノエート;
lxiv. 1-クロロメチル3-メチル2-メチル-5,6-ジヒドロピリジン-1,3(2H)-ジカルボキシレート;
lxv. (S)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカルボネート;
lxvi. (R)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカルボネート;
lxvii. (S)-(1-ベンジルピロリジン-2-イル)メチルクロロメチルカルボネート;
lxviii. クロロメチル1H-ピロール-1-カルボキシレート;
lxix. クロロメチル2-ニコチノイルヒドラジンカルボキシレート;
lxx. (6S)-3-クロロ-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸;
lxxi. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-3-ビニル-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸;
lxxii. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-(メトキシメチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸;
lxxiii. (6R,7R)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メトキシ-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸;
lxxiv. クロロメチル3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート;
lxxv. クロロメチル3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート;
lxxvi. クロロメチル3-フェニル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート;
lxxvii. クロロメチル3-(4ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート;
lxxviii. クロロメチル2-シアノ-1H-ピロール-1-カルボキシレート;
lxxix. クロロメチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート;
lxxx. 1-クロロメチル3-エチル2-オキソピペリジン-1,3-ジカルボキシレート;
lxxxi. クロロメチル2,2,6,6-テトラメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート;又は
lxxxii. クロロメチル2-オキソピペリジン-1-カルボキシレート
から塩素を外した後に残るであろう部分である、(20)に記載の式(I)の化合物。
(22) 式(III)又は式(IV):
【化77】
【化78】
[式中、A又はBは、
【表7】
(表中、R
5
は、A又はBに連結されるイマチニブ部分の窒素原子を表す)
であり、
Xは、ヨウ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、メシレートイオン、トシレートイオン、又は任意の他の医薬として許容されるアニオンとすることができる]
によって表される、(1)に記載の化合物。
(23) i. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
ii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピリジン-1-イウム-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムジヨージド;
iii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
iv. 1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
v. 1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート;
vi. 1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムp-トリルスルホネート;
vii. 1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((3-メチルブタノイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
viii. 1-((イソプロピルカルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
ix. (R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((1-フェニルエトキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
x. (R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((1-フェニルエチルカルバモイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xi. (R)-1-((sec-ブトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xii. 1-(イソブチリルオキシメチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xiii. 1-((ベンジルオキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xiv. (R)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((1-フェニルエトキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xv. 1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-(((3-メチルブタン-2-イルオキシ)カルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xvi. 1-((ベンジル(メチル)カルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xvii. (S)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((1-フェニルエチルカルバモイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xviii. 1-((エトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xix. 1-((シクロブトキシカルボニルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(3-メチル-4-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xx. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート;
xxi. 1-((2,2-ジメチルブタノイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xxii. 1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((tert-ペンチルオキシカルボニルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xxiii. (R)-1-((sec-ブチルカルバモイルオキシ)メチル)-1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xxiv. 1-メチル-4-(4-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)フェニルカルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xxv. 4-(4-((3-((4-(1-(((イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)ピリジン-1-イウム-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メチルフェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-メチルピペラジン-1-イウムモノヨージドモノメシレート;
xxvi. 3-(2-((2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1-(((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)メチル)ピリジン-1-イウムモノヨージドモノメシレート;
xxvii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート;
xxviii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムテトラフルオロボレート;
xxix. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムトリフルオロメタンスルホネート;
xxx. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムニトレート;
xxxi. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-((2-フェニルアセトキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムp-トルエンスルホネート;
xxxii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((2-フェニルプロパノイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド;
xxxiii. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((2-フェニルプロパノイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムテトラフルオロボレート;及び
xxxiv. 1-メチル-4-(4-((4-メチル-3-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)ベンジル)-1-(((2-フェニルプロパノイル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムメタンスルホネート
から選択される、(1)に記載の化合物。
(24) AもBも、
【化79】
ではない、(1)から(23)のいずれかに記載の化合物。
(25) (1)から(24)のいずれかに記載の化合物を含む組成物。
(26) 1種以上の医薬として許容される賦形剤をさらに含む、(25)に記載の化合物を含む組成物。
(27) 式(I)の化合物を哺乳動物に0.1~100mg/kg体重の用量で投与するための、(1)から(26)のいずれかに記載の化合物又は組成物。
(28) 中枢神経系薬剤、例えばcns/呼吸刺激薬、鎮痛薬、麻薬性作動薬、麻薬性作動薬/拮抗薬、非ステロイド抗炎症/鎮痛剤、行動修飾剤、精神安定剤/鎮静剤、麻酔剤、吸入剤、麻薬、拮抗薬、抗痙攣薬、筋弛緩薬、骨格筋弛緩薬、静穏安楽死薬、心血管作用薬、変力薬、抗不整脈薬、抗コリン作用薬、血管拡張剤、ショックの治療において使用される薬剤、アルファ-アドレナリン遮断剤、ベータ-アドレナリン遮断剤、呼吸性薬物、気管支拡張剤、交感神経興奮剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、腎臓及び尿路、尿失禁/尿閉向け薬剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、コリン作用刺激剤、尿路結石症向け薬剤、胃腸薬、制吐剤、制酸剤、h2拮抗薬、胃粘膜保護薬、プロトンポンプ阻害剤、食欲刺激剤、胃腸鎮痙-抗コリン作用薬、胃腸刺激剤、緩下剤、生理的食塩水、膨張性下剤、滑剤、界面活性剤、止瀉薬、ホルモン/内分泌/生殖薬、性ホルモン、タンパク同化ステロイド、下垂体後葉ホルモン、副腎皮質ステロイド、糖質コルチコイド、抗糖尿病薬、甲状腺薬、甲状腺ホルモン、多岐にわたる内分泌/生殖薬、プロスタグランジン、抗感染薬、駆虫剤、抗コクシジウム薬、抗生物質、抗-結核薬、アミノシクリトール、セファロスポリン、マクロライド、ペニシリン、テトラサイクリン、リンコサミド、キノロン、スルホンアミド、多岐にわたる抗菌薬、抗真菌剤、抗ウイルス剤、血液改質剤、凝固剤、抗凝固剤、赤血球形成剤、抗悪性腫瘍薬/免疫抑制薬、アルキル化薬、解毒剤、骨/関節薬、皮膚科薬剤(全身性)、ビタミン及びミネラル/栄養素、全身性酸性化剤、全身性アルカリ化剤、抗癌剤、抗ウイルス剤を含む群から独立に選択される1種以上の化合物と併用投与するための、(1)に記載の化合物。
(29) ヒトを含む哺乳動物のc-ABLを変化させるための、(1)から(27)のいずれかに記載の化合物又は組成物の使用。
(30) PGDFRを阻害するための、(1)から(27)のいずれかに記載の化合物又は組成物の使用。
(31) SCFRを阻害するための、(1)から(27)のいずれかに記載の化合物又は組成物の使用。
(32) ヒトなどの腫瘍性疾患に罹患している哺乳動物の治療方法であって、このような哺乳動物に有効な量の(1)から(27)のいずれかに記載の化合物又は組成物を投与するステップを含む方法。
(33) 対象における細菌感染又はウイルス感染の予防又は治療方法であって、前記対象に(1)から(27)のいずれかに記載の化合物又は組成物を投与するステップを含む方法。
(34) 前記細菌感染が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、クラミジア・トロコマチス(Chlamydia trochomatis)、大腸菌(Escherichia coli)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、又は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に起因する、(33)に記載の方法。
(35) 前記ウイルス感染が、ワクシニアウイルス(Vaccinia virus)、痘瘡ウイルス(variola virus)、ポリオーマウイルス(polyoma virus)、ポックスウイルス(Pox virus)、疱疹ウイルス(Herpes virus)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)、JCウイルス(JC virus)、BKウイルス(BK virus)、シミアンウイルス40(Simian virus 40)(SV40)、サル痘ウイルス(Monkeypox virus)、エボラウイルス(Ebola virus)、マルブルクウイルス(Marburg virus)、ブニアウイルス(Bunyavirus)、アレナウイルス(Arenavirus)、アルファウイルス(Alphavirus)、例えばベネズエラウマ脳炎(Venezualan equine encephalitis)(VEE)、ウエスターンウマ脳炎(Western equine encephalitis)(WEE)、フラウイルス(Flavirus)、西ナイルウイルス(West Nile virus)、又はSARSコロナウイルス(SARS Coronavirus)に起因する、(33)に記載の方法。
(36) 前記化合物又は組成物が、経口投与、経鼻投与、頬側投与、舌下投与、静脈内投与、経粘膜投与、直腸投与、局所投与、経皮投与、皮下投与、吸入、又はくも膜下腔内投与によって投与される、(32)から(35)のいずれかに記載の方法。