(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】車両光学検出システム
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20221202BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221202BHJP
B60S 1/48 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
B60S1/62 100
B08B3/02 F
B60S1/48 Z
B60S1/62 120B
(21)【出願番号】P 2020507068
(86)(22)【出願日】2018-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2018068068
(87)【国際公開番号】W WO2019029915
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ル-リニュ
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016006039(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0298657(US,A1)
【文献】特開2011-230672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00-1/68
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセンサ(4)と、このセンサの光沢面(21)上に洗浄剤を噴射するための噴射装置(5)とを備え、前記センサ(4)が電源・制御ネットワーク(11)に電気的に接続される、車両(1)用の光学検出システム(100)であって、前記噴射装置(5)を制御する目的で前記センサ(4)と前記噴射装置(5)とが互いに電気的に接続され
、
前記電源・制御ネットワーク(11)は前記センサ(4)に向けられ、前記センサによって回収される情報又は供給電力は、前記噴射装置(5)と前記センサ(4)との間の距離だけに短縮されたケーブルによって前記噴射装置(5)に伝送されることを特徴とする光学検出システム(100)。
【請求項2】
前記噴射装置(5)は、噴霧器(8)と、この噴霧器(8)を作動させるための作動装置(7)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光学検出システム(100)。
【請求項3】
前記作動装置(7)及び前記センサ(4)は、供給電力及び/又は制御命令を前記センサ(4)によって前記電源・制御ネットワークから前記作動装置(7)へ送信するために協働する電気接続要素(40、70)を含むことを特徴とする請求項2に記載の光学検出システム(100)。
【請求項4】
前記作動装置(7)は、その制御を確保するための制御電子モジュール(120)を含むことを特徴とする請求項3に記載の光学検出システム(100)。
【請求項5】
前記センサ(4)が電気接続端子(40)を備え、前記作動装置(7)が電気接続プラグ(70)を備え、前記作動装置(7)の前記電気接続プラグ(70)は、前記センサ(4)の前記電気接続端子(40)を介して前記電源・制御ネットワーク(11)に電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の光学検出システム(100)。
【請求項6】
前記センサ(4)の前記電気接続端子(40)は互いに電気的に接続される2つのピン(401,402)を備え、第1のピン(401)が前記電源・制御ネットワーク(11)に電気的に接続されるようになっており、第2のピン(402)は、制御・電源接続ケーブル(403)によって、前記作動装置(7)の前記電気接続プラグ(70)に接続されるようになっていることを特徴とする請求項
5に記載の光学検出システム(100)。
【請求項7】
前記センサ(4)は、前記作動装置(7)の動作を制御するように構成される制御電子モジュール(122)を含むことを特徴とする請求項4に記載の光学検出システム(100)。
【請求項8】
前記センサ(4)は、互いに別個の第1の電気接続端子(43)及び第2の電気接続端子(44)を備え、前記作動装置(7)は電気接続プラグ(70)を備え、前記センサ(4)の前記第1の電気接続端子(43)が前記電源・制御ネットワーク(11)に接続され、前記センサ(4)の前記第2の電気接続端子(44)が前記作動装置(7)の前記電気接続プラグ(70)に接続されることを特徴とする請求項7に記載の光学検出システム(100)。
【請求項9】
単一の電気接続端子(43)のみがデータの送信専用のピン(404)を含み、このピンは、一方では前記センサ(4)の前記制御電子モジュール(122)に接続され、他方では前記電源・制御ネットワーク(11)に接続されることを特徴とする請求項8に記載の光学検出システム(100)。
【請求項10】
各電気接続端子(43,44)が電力供給に専用の2つのピンを含み、そのうちの1つのピンは正の電力供給端子専用であり、1つのピンはアース専用であり、これらのピンは2つずつ電気的に接続され、前記第1の電気接続端子(43)の2つのピンは前記電源・制御ネットワーク(11)に電気的に接続されるようになっており、前記第2の電気接続端子(44)の2つのピンは電源接続ケーブル(405)によって前記作動装置(7)の前記電気接続プラグ(70)の第2及び第3のピンに電気的に接続されるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の光学検出システム(100)。
【請求項11】
ケーシング(12)が前記センサ(4)及び前記噴射装置(5)を収容することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の光学検出システム(100)。
【請求項12】
複数のセンサ(4)と、洗浄剤を噴射するための関連する
噴射装置(5)とを備え、前記センサ(4)は、互いに独立して、データバスに電気的に接続されて、前記電源・制御ネットワーク(11)を形成することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の光学検出システム(100)。
【請求項13】
前記洗浄剤が循環できるようにし得る液圧分配バス(3)を備え、前記噴射装置(5)は互いに独立に前記液圧分配バス(3)に接続されることを特徴とする請求項12に記載の光学検出システム(100)。
【請求項14】
前記電源・制御ネットワーク(11)及び前記液圧分配バス(3)は、前記噴射装置(5)に分配するための単一の電気・液圧バス(17)を形成することを特徴とする請求項13に記載の光学検出システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両に装備される光学検出システムの分野に関する。本発明は、より詳細には、そのような車両の光沢面を洗浄するためのシステムを備えた光学検出システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
光沢面を洗浄するための洗浄剤を噴射する噴射装置とそれぞれ関連付けられる1つ以上のセンサを含む光学検出システムが知られており、これらのセンサは、車両の前端に及び/又は後端に及び/又はバックミラー上に配置され得る。
【0003】
これらの光学検出システムは、この車両の運転及び/又は操縦支援装置によりトリガーされる自動制御器によって作動され得る。そのような光学検出システムと関連付けられる光沢面が、例えば、そのセンサを保護するためのガラスに対応する。
【0004】
これらの光学検出システム構成では、各センサが主電子ユニットとデータを交換するために電子データバスに電気的に接続される。センサがビデオカメラである場合、そのようなデータ交換はビデオ信号となり得る。また、検出システムの噴射装置は、それをこの主電子ユニット又は別の電子ユニットによって制御できるようにするべく第2の電子データバスに接続される。そのような構成は、光学検出システムの様々な構成要素を電気的に接続するために幾つかの電子バスを課す。
【0005】
更に、多数のセンサを主電子ユニットに電気的に接続できるようにするためには、多数の電子バスを含む光学検出システムを設ける必要があることが理解され得る。これらの電子バスのそれぞれは、光学検出システムの全体のコストを大幅に圧迫するコストをもたらす。
【0006】
更に、これらの光学検出システムの噴射装置に洗浄剤を供給するために、そのような構成は、ポンプによって供給される洗浄剤を車両の光学検出システムのそれぞれに方向付けるための主電磁弁を介して、これらの噴射装置のそれぞれに接続されるポンプを含むことができる。したがって、この構成において、光学検出システムの噴射装置は、ポンプによって互いに別々に供給される。
【0007】
車両の光学検出システムが同じポンプにより供給される多数の噴射装置を含む場合には、対応する噴射装置をポンプに対して直接に又は主電磁弁を介して液圧的に接続するためのパイプを設ける必要がある。このとき、光学検出システムは、ポンプに対して直接に又は複数のパイプを介して主電磁弁により接続される複数の噴射装置を備える。これらの各パイプは、光学検出デバイスの全体のコストを大きく決定付けるコストももたらす。
【0008】
更に、車両用の光学検出システムのこれらの構成は、関連するパイプをポンプから対応する噴射装置に導くことができるようにする及び関連する電子制御を主電子ユニットからセンサ及び/又は噴射装置に導くための複雑な液圧回路及び電気回路を車両に設けることを課す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前述の欠点のうちの少なくとも1つを改善すること、及び、車両に装備して車両へのその設置を簡素化しつつその全体のコストを削減できるようにする光学検出システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その趣旨で、本発明の対象は、少なくとも1つのセンサと、このセンサの光沢面に洗浄剤を噴射するための噴射装置とを備える車両用の光学検出システムであり、センサは電源・制御ネットワークに電気的に接続される。本発明によれば、センサ及び噴射装置は、噴射装置を制御する目的で互いに電気的に接続される。
【0011】
以下の意味は次の通りである。
-「洗浄剤」は、光沢面を洗浄する目的で光沢面上に噴射され得る液体又は気体生成物であり、そのような生成物は、本発明においては同等に水、ウインドシールドウォッシャー又は空気であり得る、
-「光沢面」は、車両に装備されている光学検出システムの光学表面となり得る透明な表面であり、特に、光沢面がガラス又はプレキシガラスタイプの透明プラスチックから形成されることが想定し得る、
-「センサ」は、車両の運転及び/又は操縦支援装置が動作できるようにするために必要なビデオカメラ又はレーザースキャナとなり得る取得装置であり、このセンサと関連付けられる光沢面は、最良の可能な画像を取得するために汚れがないようにしなければならない、
-「電源・制御ネットワーク」は、センサ及び/又は噴射装置により処理され得る1つ以上の制御命令を伝送するように構成される電気ネットワーク、及び、センサと噴射装置が動作するために必要な電源であり、この電源・制御ネットワークは、本発明の文脈から逸脱することなく、一方では電流を伝送可能であり、他方では制御命令を伝送可能であるケーブルと一体を成すことができ、或いは、2つの別個の電気チャネル、すなわち、電源ネットワーク及び別個の制御ネットワークとして形成され得る。
【0012】
本発明に係る光学検出システムにより、そのような光学検出システムを車両に設置する全体のコストを実質的に削減することが可能である。実際に、既知の光学検出システムの構成とは異なり、センサ及び洗浄剤を噴射するための関連する装置は、互いに独立して電源・制御ネットワークに接続されないが、ネットワークの一部はこれらの2つの要素に対して共通にされる。言い換えると、ネットワークはセンサに向けられ、センサによって回収される情報又は供給電力は、洗浄剤を噴射するための装置とセンサとの間の距離だけに短縮されたケーブルによって噴射装置に伝送される。本発明に係る光学検出システムは、噴射装置が可能な限りセンサの近くに配置されるため、なお一層魅力的であることが理解される。
【0013】
このように、本発明によれば、車両に装備される光学検出システムの電気回路の配置及び組立作業が大幅に簡素化されることが重要である。オペレータは、センサを現場で電源・制御ネットワークに接続するだけで済み、噴射装置は事前にセンサに接続されており、本発明によれば、噴射装置が電源・制御ネットワークに接続される必要がないことが理解される。
【0014】
更に、電気ケーブルは、例えば乗員室を画定する壁に沿って又は壁を貫通してクリップにより車両の構造要素に定期的に締結され、また、センサに対する噴射装置の直接的な接続が、特にこれらの2つの要素が互いに近接して配置されるときに、これらのクリップの数を減らすことができるようにし、したがって、車両に光学検出システムを設置するために設けられるべき部品のコスト及びシステムの設置に必要な時間を減らすことができるようにすることが理解される。
【0015】
本発明の特徴によれば、噴射装置は、噴霧器と、この噴霧器を作動させるための作動装置とを備える。特に、作動装置は電磁弁となり得る。他のタイプの作動装置を実装することができるが、それらが適切な電子制御命令を受信することにより噴霧器の動作に影響を与え得る場合に限ることが理解される。
【0016】
洗浄のための自動制御命令が電源・制御ネットワークを介して制御電子モジュールにより受信される場合、制御電子モジュールは、液圧分配ネットワークから噴霧器への洗浄剤の通過を許可して、及び、必要に応じて噴霧器の移動を許可して、噴霧器と関連する光沢面上へ洗浄剤を噴射するべく、作動装置を制御するための命令を送信及び/又は生成する。
【0017】
噴霧器は、固定タイプ又は伸縮タイプを成すことができる。言い換えると、噴射装置は、洗浄剤を噴射するためのノズルが洗浄作業中及び洗浄作業間で固定位置を維持するように、又は、これらの噴射ノズルが光沢面と対向する洗浄位置と引き込み位置とをとりやすい伸縮体に組み付けられるように構成される。
【0018】
単独で又は組み合わせて解釈される本発明の異なる特徴によれば、以下が想定され得る。
-作動装置及びセンサは、供給電力及び/又は制御命令をセンサによって電源・制御ネットワークから作動装置へ送信するために協働する電気接続要素を含む;
-作動装置は、その制御を確保するための制御電子モジュールを含む;
-センサが電気接続端子を備え、作動装置が電気接続プラグを備え、作動装置の電気接続プラグは、センサの電気接続端子を介して電源・制御ネットワークに電気的に接続される;
-センサの電気接続端子は互いに電気的に接続される2つのピンを備え、第1のピンが電源・制御ネットワークに電気的に接続されるようになっており、第2のピンは、接続ケーブルによって、作動装置の電気接続プラグに接続されるようになっており、接続ケーブルは、車両での組み立て時にセンサと関連する噴射装置との間で既に接続されていることが理解され、これにより、車両での要素の組み立てが簡単になり、接続ケーブルは、電源・制御ネットワークから直接にセンサにより既に受信されたものにしたがって制御及び供給電力を送信するように構成され、
-センサは、作動装置の動作をもたらすように構成される制御電子モジュールを含む;
-センサは、互いに別個の第1の電気接続端子及び第2の電気接続端子を備え、作動装置は電気接続プラグを備え、センサの第1の電気接続端子が電源・制御ネットワークに接続され、センサの第2の電気接続端子が作動装置の電気接続プラグに接続される;
-第1の電気接続端子のみがデータの送信専用のピンを含み、このピンは、一方ではセンサの制御電子モジュールに接続され、他方では電源・制御ネットワークに接続される;
-各電気接続端子が電力供給に専用の2つのピンを含み、そのうちの1つのピンは正の電力供給端子専用であり、1つのピンはアース専用であり、これらのピンは2つずつ電気的に接続され、第1の電気接続端子の2つのピンは電源・制御ネットワークに電気的に接続されるようになっており、第2の電気接続端子の2つのピンは作動装置の電気接続プラグの第2及び第3のピンに電気的に接続されるようになっている。したがって、センサと関連付けられる制御電子モジュールは、電源・制御ネットワークに関する制御情報を回収した後、この情報を処理してそこから洗浄装置の動作モードを推定し、特に噴射装置に給電するのに適した瞬間を決定するように構成されることが理解される。そして、同時に、接続端子及びプラグは、電源・制御ネットワークから噴射装置に直接に電力を伝送するように構成される。
【0019】
本発明の特徴によれば、制御電子モジュールは、噴射装置の作動装置に取り付けられるか又はセンサに配置されるかどうかにかかわらず、電源・制御ネットワークを通過する制御命令のセットを解析し、このセット内で噴射装置に対応する1つ又は複数の制御命令を検索するように構成される。
【0020】
本発明の特徴によれば、ケーシングがセンサ及び噴射装置を収容する。
【0021】
本発明の特徴によれば、光学検出システムは、複数のセンサと、洗浄剤を噴射するための関連する装置とを備え、センサは、互いに独立して、データバスに電気的に接続されて、電源・制御ネットワークを形成する。
【0022】
本発明の特徴によれば、光学検出システムは、洗浄剤が循環できるようにし得る液圧分配バスを備え、噴射装置は互いに独立に液圧分配バスに接続される。「液圧分配バス」とは、洗浄剤の通過を可能にするパイプを意味する。
【0023】
このとき、そのような光学検出システムの車両への設置の全体的なコストを更に削減することがより一層可能になる。実際に、既知の洗浄システムの構成とは異なり、車両に装備された複数の噴射装置も液圧的に供給するためにたった1つの液圧分配バスが使用される。これらの噴射装置はそれぞれ、この同じ液圧分配バスに対して該液圧分配バスに沿って液圧的に接続され、それにより、噴射装置のそれぞれに液圧分配バスによって互いに独立に洗浄剤を供給することができる。
【0024】
本発明の1つの実施形態によれば、液圧分配バスが開放した液圧回路を形成する。言い換えると、液圧分配バスを循環する洗浄剤は、この液圧分配バスに接続される噴射装置の全てが作動されるときに、ポンプの出口に接続される液圧分配バスの第1の端部と第1の端部の反対側の閉じられた液圧分配バスの第2の端部との間で実質的に異なる圧力にある。
【0025】
液圧分配バスが閉じた液圧回路を形成することが想定し得る。言い換えると、洗浄剤は、閉ループ内で循環し、したがって、この液圧分配バスに接続される噴射装置の全てが作動されるときに、液圧分配バスの入口及び出口においてほぼ一定の圧力を有する。
【0026】
本発明の特徴によれば、光学検出システムは、液圧分配バスに洗浄剤を供給することができるポンプを備える。特に、ポンプは、洗浄剤をこの洗浄剤を貯留するためのタンクから引き出すことによって液圧分配バスに供給することができる。液圧分配バスが閉じられた液圧回路を形成するときには、液圧分配バスの第1の端部がポンプの出口に接続され、第1の端部とは反対側の液圧分配バスの第2の端部がポンプの入口に接続される。
【0027】
本発明の1つの特徴によれば、液圧分配バスは、壁の両側に配置されて液圧コネクタによって互いに接続される少なくとも2つの部分を備える。この実施形態により、車両に沿って延びて主分配ラインを本発明に従って形成する液圧分配バスの2つの部分を液圧的に接続することができ、これらの2つの部分は車両の壁によって分離される。液圧コネクタは、この壁に形成される開口に設置され得る。そのような壁は、金属又はプラスチックであってもよく、噴射装置に供給するために車両を通過する液圧分配バスの分配経路上の壁に対応する。
【0028】
互いに接続されるようになっている液圧分配バスのそれぞれの部分の一端部は、それを液圧コネクタに接続するための液圧接続ポートを支持し得る。
【0029】
この液圧分配バスに関して、少なくとも2つの噴射装置は、特に、液圧分配バスの同じ部分に接続され得る、又は、液圧分配バスの異なる部分にそれぞれ接続され得る。特に、液圧分配バスの各部分が少なくとも2つの噴射装置に供給するように分配装置が配置されることが想定され得る。
【0030】
本発明の特徴によれば、噴射装置の少なくとも1つは、液圧分配バスに対する接続のための液圧構成要素を備える。言い換えると、各噴射装置は、液圧接続構成要素によって液圧分配バスに接続される。また、補足的に、噴射装置のうちの少なくとも1つは、液圧分配バス上に機械的に保持のための構成要素を備える。
【0031】
これらの液圧接続構成要素は、液圧分配バスを穿孔するために設けられるシリンジにより形成され得る。
【0032】
本発明の特徴によれば、各噴射装置の液圧接続構成要素及び機械的保持構成要素は、単一の組立作業で液圧分配バスに液圧的及び機械的に有利に接続され得る作動装置によって支持され得る。
【0033】
特定の態様では、各噴射装置の液圧接続構成要素及び機械的保持構成要素がケーシングによって支持され得る。予め噴射装置とセンサとを備えたケーシングは、その後、液圧分配バスに液圧的及び機械的に接続され得る。このとき、ケーシングは、液圧分配バスと対応する噴射装置との間の液圧的及び機械的な接続インタフェースを形成する。
【0034】
本発明の特徴によれば、電源・制御ネットワーク及び液圧分配バスは、噴射装置に分配するための単一の電気・液圧バスを形成する。光学検出システムは、この電気・液圧分配バスに互いに別々に接続される。言い換えると、電源・制御ネットワークは液圧分配バスと共同で形成される。
【0035】
この特定の実施形態により、車両内の光学検出システムの組み立てを簡素化することができる。したがって、光学検出システムは、分配バスの共通部分から液圧的及び電気的に接続され得る。
【0036】
電気・液圧分配バスが特に可撓性を有することができる。言い換えると、電気・液圧分配バスが弾性材料で形成され得る。
【0037】
本発明の特徴によれば、電気・液圧分配バスは、管の中心に洗浄剤が内側で循環しやすい中央チャネルを有するとともに管の周囲に電源・制御ストランドのそれぞれが内側で循環しやすいパイプを有する押出管を含む。
【0038】
本発明の他の特徴によれば、電気・液圧分配バスは、洗浄剤が内側で循環しやすく且つ電源・制御ネットワークも内側で延びるチューブを含み、このチューブは、特に非常に寒い状況で噴射されるべき洗浄剤の温度を上げるための抵抗線として機能することができる。一例として、電源・制御ネットワークは、その中央で液圧分配バスを通過できる。このとき、液圧分配バスがその中央で電源・制御ネットワークを収容するように環状であることが分かる。言い換えると、液圧分配バスと電源・制御ネットワークとが互いに対して同軸である。
【0039】
本発明の1つの特徴によれば、電気・液圧分配バスは、液圧・電気コネクタによって互いに接続される少なくとも2つの部分を備える。この特定の実施形態により、車両の壁、例えば乗員室とエンジン室とを画定する壁によって分離される分配バスの2つの部分を電気的及び液圧的に接続することができる。電気・液圧コネクタは、この壁に形成される開口に組み付けられ得る。
【0040】
好適には、互いに接続されるようになっている電気・液圧分配バスのそれぞれの部分の一端部は、該部分を電気・液圧コネクタに接続するように電気・液圧ポートを支持する。
【0041】
本発明の他の特徴によれば、少なくとも1つの第1の噴射装置が、道路シーンの自動解析、すなわち、車両の電子機器による解析のために使用されるセンサの光学面を洗浄して、特にこの車両の運転者及び/又は操縦支援装置を制御するようになっており、また、少なくとも1つの第2の噴射装置が、乗員室の光沢面又は車両の運転者による直接的な解析のためだけに使用されるセンサの光学面を洗浄するようになっていることが想定され得る。この場合、液圧分配バスは、少なくとも1つの第2の噴射装置がこの液圧分配バスに供給するポンプの出口から少なくとも1つの第1の噴射装置よりも更に離れるべく各噴射装置に共通の液圧分配バス上に位置されるように配置されることが有益である。
【0042】
実際には、特に、全ての噴射装置に共通の液圧分配バスが開回路である場合、ポンプから最も離れたこの開回路の端部で循環する洗浄剤がポンプ出口で循環する洗浄剤の圧力よりも低い圧力を有し得ることが分かる。ここで、車両の車載電子機器によって検出される道路シーンの不正確な解析を避けるためには、運転者支援システムと関連付けられる光学検出システムに欠点がないことが重要であり、一方、運転者が道路シーンの検出画像を自身で解析する場合、運転者は、判断において誤りを犯すことなく、部分的に汚染された画像を解析できるより良い準備ができている。このとき、好適には、圧力がより低い液圧分配バスの部分に第2の噴射装置を配置させることができ、最適でない洗浄動作の潜在的なリスクが殆ど影響を及ぼさない。更に、第1及び第2の噴射装置に関してこのように洗浄剤の液圧供給に優先順位を付けることによって、すなわち、それらの噴射装置をそれらに洗浄剤がポンプ出口で多かれ少なかれ迅速に到達するように配置させることによって、不必要な洗浄作用が光学検出システムから来る情報の自動処理に不可欠な動作の起動又は有効性を損なわないようにすることができる。
【0043】
本発明の他の特徴、詳細、及び、利点は、図面に関連して例示として以下で与えられる説明を読むとより明確に分かってくる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明に係る光学検出システムを装備した自動車両の概略図を示し、光学検出システムは、電力及び制御命令並びに洗浄剤を同じ車両に組み付けられた光学検出システムの噴射装置にそれぞれ分配するために互いに結合されて車両を通り抜ける電源・制御ネットワーク及び液圧分配バスを備える。
【
図2】例えば
図1に示されるように、電源・制御ネットワークの2つの部分と液圧分配バスの2つの部分とを接続するように構成される液圧・電気コネクタを収容する車両の構造壁の概略図を示す。
【
図3】本発明の第1の実施形態の概略図を示し、光学検出システムが、一方では、液圧分配バスに液圧的に接続され、他方では、電源・制御ネットワークに電気的に接続され、光学検出システムは、センサに取り付けられる制御電子モジュールと、噴射装置に取り付けられる制御電子モジュールとを含む。
【
図4】本発明の第2の実施形態の概略図を示し、光学検出システムが、一方では、液圧分配バスに液圧的に接続され、他方では、電源・制御ネットワークに電気的に接続され、光学検出システムは、センサに取り付けられる単一の制御電子モジュールを含む。
【
図5】一方では液圧分配バスに対して、他方では互いに別個の2つの領域内の電源・制御ネットワークに対して連続的に接続される2つの光学検出システムの概略図を示し、光学検出システムはここでは
図3に示される第1の実施形態の光学検出システムと一致する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、本発明に係る光学検出システム100を装備した自動車両1を示し、光学検出システム100は、車両1の少なくとも1つの光沢面21を洗浄できるようにする。そのような光沢面は、例えば、車両1に装備された光学センサ4の光学面21となり得る。
【0046】
したがって、光学検出システム100は、光学センサ4と、このセンサ4の光沢面21の洗浄と関連付けられるように車両1に配置される洗浄剤を噴射するための噴射装置5とを備え、また、光学検出システムは、光学検出システムに対する、より詳細には洗浄剤を噴射するための装置に対する電流の供給及び制御命令の送信を可能にし得る電源・制御ネットワーク11を更に含む。図示の例において、車両には、特に単一の光沢面の洗浄に専用のものとなるように配置される複数の噴射装置が装備されるが、本発明の文脈から逸脱することなく、幾つかの噴射装置が同じ光沢面の洗浄に専用のものとなり得ること、及び、車両が単一のセンサと関連する噴射装置とを装備できることが理解され、これらの変形が、噴射装置の動作を制御することを目的とするデータを送信するために1つ又は複数のセンサが電源・制御ネットワーク11に接続される限り及び1つのセンサが関連する洗浄装置に接続される限り、本発明の枠組み内に留まることが理解される。
【0047】
より詳細には、本発明によれば、噴射装置5のそれぞれは、センサ4によって電源・制御ネットワーク11に電気的に接続される。
【0048】
図5は光学検出システム100を示し、該システムでは、以下で説明するようにケーシング12内に配置されるセンサ及び噴射装置によってそれぞれ形成される2つのアセンブリが、同じ電源・制御ネットワーク11に対して及び共通の液圧分配バス3に対して、互いに独立に、液圧分配バスの別々の連続した領域90,92(
図3に見える)内で接続される。この非限定的な実施形態では、単一の電源・制御ネットワークが、この車両1に配置された検出システム100の全てのセンサ及び噴射装置の電力の供給及び制御を確保することが理解され得る。
【0049】
光学検出システム100は、ポンプ60と、洗浄剤を貯留するためのタンクとを更に備える。ポンプ60は、貯留タンク内の洗浄剤を回収して洗浄剤を主液圧パイプに連続的に供給するように構成される。特に、ポンプ60の出口61は、液圧分配バス3の第1の端部30に接続される。この結果、液圧分配バス3は、この第1の端部30から第2の端部31まで車両に沿って延びる。図示の例において、第1の端部30とは反対側の液圧分配バス3の第2の端部31は、液圧分配バス3が開放した液圧回路を形成するように閉じられる。勿論、液圧分配バスは、閉じられた液圧回路を形成するように構成可能であり、また、これに関連して、液圧分配バスの第2の端部31は貯留タンクに接続され得る。
【0050】
本発明によれば、電源・制御ネットワーク11は、センサ及び噴射装置によって形成される各アセンブリに電流及び制御命令を分配するために車両内に配置され、また、アセンブリを簡素化し、コストを削減するために、電源・制御ネットワーク11は、好適には、
図2に特に見られるように、液圧分配バス3に沿って延びる。
【0051】
ここでの液圧分配バス3及び電源・制御ネットワーク11はそれぞれ、車両の前部に配置される第1の部分32と、乗員室内に配置される第2の部分33とを有し、各部分は、車両のこの部分に存在する全ての噴射装置に分配するために車両の対応する部分に巻き込んでいる。単一のポンプが液圧分配バスに設けられるため、液圧連続性がここではこれらの2つの部分32,33間で達成されることが理解される。
【0052】
図2は、バス及びネットワーク3、11が車両1の1つ以上の壁80を通過させられたときにこれらの部分32、33間で連続性を確保する手段を示し、これにより、好適には、車両1内でのバス及びネットワークの経路付けが最適化され、したがって、バス及びネットワークを実装するのに必要な長さが減少される。この場合、部分32、33は、液圧・電気コネクタ19を介して互いに対を成して接続される。より詳細には、バス及びネットワーク3、11の第1の部分32及び第2の部分33はそれぞれ、それらの反対側の端部で、それらをコネクタ19に接続するための液圧・電気ポートを支持する。2つの噴射装置5が、それぞれが異なる部分32、33を有する液圧分配バス3及び電源・制御ネットワーク11の同じ部分32、33に接続されることが想定され得る。
【0053】
電源・制御ネットワーク11及び液圧分配バス3は、特に液圧分配バス3を収容する中央パイプの外周パイプ内に配置され得る電源・制御ネットワークと共に、噴射装置5を分配するための単一の電気・液圧バス17を形成するように構成可能であり、アセンブリは例えば押出パイプによって形成される。
【0054】
ここで、
図3~
図5を参照して、光学検出システム100のセンサ4及び噴射装置5、並びに、これらの噴射装置のうちの少なくとも2つに共通の電源・制御ネットワーク11とのそれらの協働について、それらがこの
図3に概略的に示されているように、更に詳しく説明する。以下では、光学検出システムの標準化を簡素化するために噴射装置が全て同じ形状を有することが想定されるが、必要であれば、本発明の文脈から逸脱することなく、既に説明したことに従っている限り、噴射装置の形状及びサイズを調整することも明らかに可能であり、各噴射装置は、その噴射装置が光沢面を洗浄しなければならないセンサによって電源・制御ネットワークに接続される。
【0055】
図3に示される第1の実施形態では、同じアセンブリの噴射装置及びセンサがそれぞれ制御電子モジュールを含み、それらのうち、噴射装置5内に配置される第1の電子モジュール120及びセンサ4内に配置される第2の制御電子モジュール122を特定することができる。
【0056】
より詳細には、第2の電子モジュール122は、センサ4の動作、例えば、トリガー時間及び検出の持続時間を制御するとともに、車両に搭載される主電子ユニット200とのデータ交換をパラメータ化するように構成される。そして、第1の電子モジュール120は、噴射装置5の動作を制御する、例えば、関連する光沢面21上、及び必要に応じて、洗浄すべきこの光沢面の特定の領域上へ洗浄剤を噴射するトリガー時間及び持続時間を制御するように構成される。
【0057】
噴射装置5は、噴霧器8及び作動装置7を備える。以下において、作動装置は電磁弁7によって表わされるが、本発明を限定するものではなく、噴霧器の動作の実施を可能にする任意のアクチュエータを等しく使用できる。電磁弁7が給電されて作動されると、すなわち、電磁弁がこの意味で第1の電子制御ユニット120により制御命令を受信すると、電磁弁は、液圧分配バス3内で循環する洗浄剤の噴霧器8への通過を許可する。その後、洗浄剤は、噴霧器8によって、噴射装置5と関連付けられるセンサ4の光沢面21上に噴射される。洗浄剤を噴射する前の噴霧器8の位置は、第1の制御電子モジュール120により生成される移動命令によって調整され得る。
【0058】
噴射装置5は、装置を液圧分配バス3に結合するための液圧結合構成要素9を備える。液圧結合構成要素9は、一方では液圧分配バス3を穿孔できるとともに、他方ではこの液圧分配バスから噴霧器8への洗浄剤の通過を確保できる形状を有する。その趣旨で、結合構成要素は、シリンジの管状で先細りの形状を有することができる。液圧分配バス3に液圧結合構成要素9を組み付ける際には、樹脂を使用して、液圧結合構成要素9と液圧分配バス3との間の接触領域を取り囲み、それにより、この接触領域のシールを確保することができる。
【0059】
また、噴射装置5は、液圧分配バス3に対して締結できるようにする機械的保持構成要素10も備える。図示の例において、機械的保持構成要素10は、液圧分配バス3の形成に寄与する主液圧パイプを少なくとも部分的に取り囲むクランプの形状を成す。例えば、分配バスを画定するパイプの寸法よりもかなり小さい寸法の首部をその当所の位置で画定する弾性変形を伴う保持構成要素を想定することができ、このとき、オペレータは、結合構成要素を強制的に変形させて液圧分配バスを把持できるようにしなければならず、また、結合構成要素の跳ね返りがバス上の所定の位置に保つようにする。
【0060】
本発明によれば、また、噴射装置が液圧分配バス上で液圧的に結合される方法にかかわらず、共通であろうとなかろうと、第1の実施形態に係る
図3に又は第2の実施形態に係る
図4に一例として示されるセンサと噴射装置とから形成されるアセンブリに関して明らかなように、各噴射装置5は、関連するセンサ4により、同じ電源・制御ネットワーク上で、付近の噴射装置の電気的接続とは無関係に、電源・制御ネットワーク11に接続される。噴射装置とセンサとによって形成されるアセンブリは、電源・制御ネットワークに沿って離間される互いに別個の接続領域内で電気的に接続される。
【0061】
電源・制御ネットワーク11は、車両に搭載された主電子ユニット200に電気的に接続されるとともに、特に制御情報及び命令を規定してこれらをこれらの命令により対象となる噴射装置に送信するためにエンコードするように構成される。ここでは、任意のタイプの通信ネットワークを実装でき、また、例えば、ネットワークは、電力線ブロードバンド(BPL)タイプの通信プロトコルによって或いはLIN又はCANタイプの通信プロトコルによって動作する。
【0062】
図3~
図5に概略的に示されるように、噴射装置5と関連するセンサ4とによって形成されるアセンブリは、ケーシング12内に収容され得る。前述のように、液圧結合構成要素又は機械的保持構成要素が電磁弁の代わりにケーシングによって支持され得ることに留意すべきである。
【0063】
センサ4は、車両1の運転及び/又は操縦支援装置が動作できるようにするのに必要なビデオカメラ又はレーザースキャナであってもよい。噴射装置5がそのような光学センサ4と関連付けられる場合、光学センサは、電源・制御ネットワーク11とは別個の、ここに図示されない電気接続ケーブルを介して、この車両1に装備された主電子ユニット200と通信できる。一例として、光学センサ4がカメラである場合、この電気接続ケーブルは、ビデオ信号を主電子ユニット200に送信できるようにする。
【0064】
前述のように、噴射装置は、関連するセンサによって電源・制御ネットワークに電気的に接続される。より詳細には、
図3は、第1の実施形態に係るそのような特定の接続の実施を例示する。
【0065】
この第1の実施形態では、センサ4が電気接続端子40を備え、また、電磁弁7が電気接続プラグ70を備え、電磁弁7の電気接続プラグ70は、センサ4の電気接続端子40を介して電源・制御ネットワークに電気的に接続される。
【0066】
センサ4の電気接続端子40は、互いに電気的に接続される2つのピン401、402を備え、第1のピン401は電源・制御ネットワーク11に電気的に接続され、第2のピン402は、制御・電源接続ケーブル403によって作動装置7の電気接続プラグ70に接続される。
【0067】
前述したように、電磁弁7は、それに特有であるとともにそれを制御するように構成される制御電子モジュールを含む。
【0068】
このとき、センサ4の電気接続端子40が、一方では、電源・制御ネットワーク11を介してセンサ4と主電子ユニット200との間でデータを交換するために使用され、他方では、電源・制御ネットワーク11に従って供給電力とデータ及びコマンドとの両方を渡すように構成される接続ケーブルによって、このネットワーク11を噴射装置5の電磁弁7へと経路付けるために使用されることが理解され得る。
【0069】
センサ及び電磁弁7のそれぞれの制御電子モジュールは、電源・制御ネットワーク11によって送信されるデータを連続的に解析するようにプログラムされる。制御電子モジュールの1つが主電子ユニット200によって発せられて電源・制御ネットワーク11を介して送信されるそれ専用の命令、例えば電磁弁7を開くための制御命令を特定する場合、制御電子モジュールは、センサ又はそれに関連する電磁弁を作動させる。
【0070】
図4に示される第2の実施形態は、センサ4と噴射装置5とによって形成されるアセンブリが1つの制御電子モジュールのみを含むという点で、より詳細にはセンサのみが制御電子モジュール122を含むという点で先行する実施形態とは異なる。
【0071】
前述のように、センサ内に配置される電子モジュール122は、このセンサ4の動作、例えばトリガー時間及び検出の持続時間を制御するとともに、車両に搭載された主電子ユニット200とのデータ交換をパラメータ化するように構成され、また、データ交換は、ここでは、電源・制御ネットワークからくる制御命令に従って噴射装置の動作条件を決定するように相補的にパラメータ化される。すなわち、一例として、センサ4に取り付けられる電子モジュールは、噴射装置の電力供給を許可又は遮断して関連する光沢面21上に洗浄剤を噴射するトリガー時間及び持続時間を制御すべき時期を決定するように構成される。
【0072】
この場合、センサ4は、互いに別個の第1の電気接続端子43及び第2の電気接続端子44を備え、一方、先行するものによれば、作動装置7は電気接続プラグ70を備える。
【0073】
センサの第1の電気接続端子は電源・制御ネットワーク11に接続され、また、センサの第2の電気接続端子は作動装置の電気接続プラグに接続される。
【0074】
この第2の実施形態では、第1の電気接続端子43のみがデータの送信専用のピン404を含む。第1の電気接続端子43のこのピン404は、一方では電源・制御ネットワーク11に対して、他方では制御電子モジュール122に対して電気的に接続される。
【0075】
並行して、各電気接続端子43、44は電力供給専用の2つのピンを含み、それらのうち、1つのピンは正の電源端子専用であり、1つのピンはアース専用であり、これらの端子は、2つずつ、すなわち、正の電源専用のピン同士及びアース専用のピン同士が電気的に接続される。第1の電気接続端子43の2つのピンは電源・制御ネットワーク11に電気的に接続されるようになっており、また、第2の電気接続端子44の2つのピンは、電源接続ケーブル405によって、作動装置7の電気接続プラグ70の第2及び第3のピンに電気的に接続されるようになっており、この第2の実施形態では、センサと噴射装置との間で供給電力のみが循環する。
【0076】
図5は、2つの別個の結合領域90、92で液圧分配バス3と協働するこれらの液圧結合構成要素及びこれらの機械的保持構成要素を含む2つの噴射装置を示し、また、図は、同時に、ここでは主電子ユニット200から給電されるネットワークとして構成される電源・制御ネットワーク11に対する関連するセンサによるこれらの2つの噴射装置の電気的接続を例示する。
【0077】
液圧分配バスに沿って及び電源・制御ネットワークに沿って連続的に配置される噴射装置のこの配置は、このバス又は電源・制御ネットワークに接続されなければならない関連するセンサによって各噴射装置をバス又は電源・制御ネットワークに電気的に接続する本発明に係る特定の配置を補完するものとして寄与し、車両の至る所に配置される幾つかのセンサを有する検出装置を車両に装備するために設けられるべき電気ケーブルの量を大幅に削減できるようにすると理解される。
【0078】
先行するものを読むと、本発明に係る光学検出システムは、それがこの光学検出システムを構成する様々な要素、特にセンサ及びその関連する洗浄装置を最小コストで接続するように構成される電気ネットワークを含むという点で有利であることが理解される。この洗浄装置は、好適には、この洗浄装置と電源・制御ネットワークとの間の媒介として作用するセンサに電気的に接続される。全ての適用事例において、本発明に係る光学検出システムは、センサ及び関連する噴射装置の近接の結果として電気接続ケーブルの長さを短縮できるようにし、また、特定の場合、このシステムは、制御電子機器をセンサに集中させることができるようにし、このとき、光学センサの制御電子機器によって捕捉される噴射装置を制御する命令に従って1つの供給電力のみが噴射装置に送られる又は送られない。
【0079】
当然のことながら、本発明の特徴、実施形態の変形は、それらが互いに対して非互換的又は排他的でない限り、多様な組み合わせに従って互いに関連付けられ得る。特に、特徴のこの選択が技術的利点を与えるのに十分である又は従来技術に対して本発明を差別化するのに十分である場合には、他の記載された特徴から分離される態様でその後に記載される特徴の1つの選択のみを含む発明の変形を想像することができる。