(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】光電変換素子および光電変換素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 51/44 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
H01L31/04 124
H01L31/04 112Z
H01L31/04 130
(21)【出願番号】P 2020542359
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 JP2019011596
(87)【国際公開番号】W WO2020188777
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-08-11
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発/革新的新構造太陽電池の研究開発/ペロブスカイト系革新的低製造コスト太陽電池の研究開発(超軽量太陽電池モジュール技術の開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 昌朗
(72)【発明者】
【氏名】都鳥 顕司
(72)【発明者】
【氏名】藤永 賢治
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0230891(US,A1)
【文献】国際公開第2017/159192(WO,A1)
【文献】特開2012-038853(JP,A)
【文献】特開平02-100375(JP,A)
【文献】特開2011-135027(JP,A)
【文献】特開平09-082998(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043644(WO,A1)
【文献】特開2018-056213(JP,A)
【文献】国際公開第2017/190787(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/078,51/42-51/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた第1の基板電極と、前記第1の基板電極上に配置された第1の光電変換層と、前記第1の光電変換層上に配置された第1の対向電極と、を備える第1の光電変換部と、
前記基板上に前記第1の基板電極と隣接して設けられ、かつ前記第1の基板電極と電気的に絶縁された第2の基板電極と、前記第2の基板電極上に配置された第2の光電変換層と、前記第2の光電変換層上に配置された第2の対向電極と、を備える第2の光電変換部と、
前記第2の光電変換層を表面から貫通して前記第2の基板電極の表面を前記第2の光電変換層から露出させる溝と、前記溝に設けられた前記第1の対向電極の一部からなる導電部と、前記導電部上に設けられた導電層と、を備え、前記導電部および前記導電層により前記第1の対向電極と前記第2の基板電極とを電気的に接続する接続部と、
を具備し、
前記第1の対向電極は、銀を含み、
前記導電層は、銀を含み、
前記導電層は、
前記溝の内壁面に沿って延在し、前記溝の縁において前記第1の対向電極を被覆し、且つ前記導電部と前記導電層との合計厚さは前記第1の対向電極の厚さより大き
く、
前記導電層の平均厚さは、30nm以上150nm以下である、光電変換素子。
【請求項2】
前記第1の対向電極は、光透過率が10%以上である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記第2の基板電極は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫、フッ素ドープ酸化錫、ガリウムドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウム-亜鉛酸化物、およびインジウム-ガリウム-亜鉛酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つの導電性金属酸化物を含有する、請求項1または請求項2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記導電層の幅は、前記溝の幅よりも広い、請求項1ないし
請求項3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記
第2の光電変換層は、組成式:ABX
3により表されるペロブスカイト化合物を有し、Aは1価のカチオンであり、Bは2価のカチオンであり、Xはハロゲンアニオンである、請求項1ないし
請求項4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
【請求項6】
基板と、
前記基板上に設けられた第1の基板電極と、前記第1の基板電極上に配置された第1の光電変換層と、前記第1の光電変換層上に配置された第1の対向電極と、を備える第1の光電変換部と、
前記基板上に前記第1の基板電極と隣接して設けられ、かつ前記第1の基板電極と電気的に絶縁された第2の基板電極と、前記第2の基板電極上に配置された第2の光電変換層と、前記第2の光電変換層上に配置された第2の対向電極と、を備える第2の光電変換部と、
前記第2の光電変換層を表面から貫通して前記第2の基板電極の表面を前記第2の光電変換層から露出させる溝と、前記溝に設けられた導電層と、を備え、前記導電層により前記第1の対向電極と前記第2の基板電極とを電気的に接続する接続部と、
を具備し、
前記第1の対向電極は、銀を含み、
前記導電層は、銀を含み、
前記導電層は、
前記溝の内壁面に沿って延在し、前記溝の縁において前記第1の対向電極を被覆し、且つ前記第1の対向電極よりも厚
く、
前記導電層の平均厚さは、30nm以上150nm以下である、光電変換素子。
【請求項7】
基板上に、第1の基板電極と、前記第1の基板電極と隣接し、かつ前記第1の基板電極と電気的に絶縁された第2の基板電極と、を形成する工程と、
前記第1の基板電極および前記第2の基板電極を覆うように、前記基板上に光電変換層を形成する工程と、
前記光電変換層をスクライブし、前記光電変換層を表面から貫通して前記第2の基板電極の表面を前記光電変換層から露出させる溝を形成する工程と、
前記溝により分割された前記光電変換層上に、前記第1の基板電極と前記第2の基板電極に対応させて第1の対向電極および第2の対向電極を形成するとともに前記溝に前記第1の対向電極の一部からなる導電部を形成する工程と、
前記溝の内壁面に沿って延在し、且つ前記溝の縁において前記第1の対向電極を被覆する導電層を前記導電部と前記導電層との合計厚さが前記第1の対向電極の厚さより大きくなるように前記導電部上に形成し、前記導電部および前記導電層により前記第1の対向電極と前記第2の基板電極とを電気的に接続する工程と、
を具備し、
前記第1の対向電極は、銀を含み、
前記導電層は、銀を含
み、
前記導電層の平均厚さは、30nm以上150nm以下である、光電変換素子の製造方法。
【請求項8】
基板上に、第1の基板電極と、前記第1の基板電極と隣接し、かつ前記第1の基板電極と電気的に絶縁された第2の基板電極と、を形成する工程と、
前記第1の基板電極および前記第2の基板電極を覆うように、前記基板上に光電変換層を形成する工程と、
前記光電変換層上に、対向電極を形成する工程と、
前記光電変換層および前記対向電極をスクライブし、前記光電変換層を表面から貫通して前記第2の基板電極の表面を前記光電変換層から露出させる溝を形成するとともに、前記第1の基板電極と前記第2の基板電極に対応させて第1の対向電極および第2の対向電極を形成する工程と、
前記溝の内壁面に沿って延在し、且つ前記溝の縁において前記第1の対向電極を被覆するように、前記第1の対向電極よりも厚い導電層を前記溝に形成し、前記導電層により前記第1の対向電極と前記第2の基板電極とを電気的に接続する工程と、
を具備し、
前記第1の対向電極は、銀を含み、
前記導電層は、銀を含
み、
前記導電層の平均厚さは、30nm以上150nm以下である、光電変換素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光電変換素子および光電変換素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペロブスカイト太陽電池は、太陽電池の活性層等の形成に安価な塗布法を適用できることから、活性層等の形成コストを大幅に低減することが可能になる。このような点から、ペロブスカイト太陽電池は、低コストで無害な次世代の太陽電池として期待されている。
【0003】
太陽電池モジュールを構成するセルは、活性層を基板電極と対向電極とで挟持した構造を有している。現在、実用レベルの基板電極は、導電性が十分でないため、セル面積を大面積化するほど発生電荷を外部に取り出す効率が低下する。基板電極の構成材料には、導電性金属酸化物、導電性高分子、炭素材料等や、さらにこれらに金属ナノワイヤ等を複合させたものが用いられる。そこで、短冊状のセルを複数並べて形成すると共に、複数のセル間を直列に接続することが一般的である。複数のセルを有する太陽電池モジュールは、例えば以下に示す方法により形成される。基板上に各セルの基板電極を形成する。複数の基板電極上に光電変換層を全面に塗布して形成する。光電変換層の一部をスクライブして基板電極を露出させる溝を形成する。スクライブ溝を有する光電変換層上に各セルに対応させて対向電極を形成する。この際、隣接するセルの対向電極をスクライブ溝内に充填することによって、隣接するセルの対向電極とスクライブ溝内に露出させた基板電極とを電気的に接続する。対向電極は、例えばマスク蒸着を用いることでモジュールごとに電気的に分離された状態で形成されるか、または、例えばスクライブによって後からモジュールごとに電気的に分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5715795号
【文献】特許第6030176号
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、隣接する光電変換部間を電気的に分離させた光電変換素子とその製造方法を提供することにある。
【0006】
実施形態の光電変換素子は、基板と、基板上に設けられた第1の基板電極と、第1の基板電極上に配置された第1の光電変換層と、第1の光電変換層上に配置された第1の対向電極と、を備える第1の光電変換部と、基板上に第1の基板電極と隣接して設けられ、かつ第1の基板電極と電気的に絶縁された第2の基板電極と、第2の基板電極上に配置された第2の光電変換層と、第2の光電変換層上に配置された第2の対向電極と、を備える第2の光電変換部と、第2の光電変換層を表面から貫通して第2の基板電極の表面を第2の光電変換層から露出させる溝と、溝に設けられた第1の対向電極の一部からなる導電部と、導電部上に設けられた導電層と、を備え、導電部および導電層により第1の対向電極と第2の基板電極とを電気的に接続する接続部と、を具備する。第1の対向電極は、銀を含む。導電層は、銀を含む。導電層は、溝の内壁面に沿って延在し、溝の縁において第1の対向電極を被覆し、且つ導電部と導電層との合計厚さは第1の対向電極の厚さより大きい。導電層の平均厚さは、30nm以上150nm以下である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】光電変換素子の構造例を示す断面模式図である。
【
図2】光電変換層および接続部の構造例を示す断面模式図である。
【
図3】光電変換素子の製造方法例を説明するための断面図である。
【
図4】光電変換素子の製造方法例を説明するための平面図である。
【
図5】接続部の他の構造例を示す断面模式図である。
【
図6】光電変換素子の他の製造方法例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の光電変換素子およびその製造方法について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。説明中の上下等の方向を示す用語は、特に明記が無い場合には後述する基板の光電変換部の形成面を上とした場合の相対的な方向を示し、重力加速度方向を基準とした現実の方向とは異なる場合がある。
【0009】
図1は光電変換素子の構造例を示す断面模式図である。
図1に示す光電変換素子1は、支持基板として機能する基板2と、基板2上に配置された複数の光電変換部3(3A、3B、3C)とを具備する。光電変換部3は、それぞれ基板2上に順に設けられた、基板電極4(4A、4B、4C)、光電変換層5(5A、5B、5C)、および対向電極6(6A、6B、6C)を備えている。さらに、光電変換素子1は、基板電極4の表面を露出させる分割溝11(11A、11B)と、分割溝11に設けられた導電層7(7A、7B)と、を備え、2つの光電変換部3を電気的に接続する接続部13(13A、13B)と、を具備する。
【0010】
本実施形態では基板2に透明な基板を用い、基板2上に透明な基板電極4を形成することにより、基板2側で光の入出射を行う形態を例に説明するが、逆の形態でも構わない。すなわち、不透明な基板2上に光電変換層5を形成し、その上に基板電極4を形成する形態である。
【0011】
基板2は、光透過性と絶縁性とを有する材料により構成される。基板2の構成材料には、無アルカリガラス、石英ガラス、サファイア等の無機材料や、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー等の有機材料が用いられる。基板は、例えば無機材料や有機材料からなるリジッドな基板であってもよいし、また有機材料や極薄の無機材料からなるフレキシブルな基板であってもよい。
【0012】
実施形態の光電変換素子1が太陽電池である場合には、基板2および基板電極4を介して光電変換層5に光が照射される。光電変換素子1が発光素子である場合には、光電変換層5で発生した光が基板2および基板電極4を介して出射される。光電変換素子1が太陽電池である場合には、光電変換層5に照射された光により電荷分離が生じ、電子とそれと対になる正孔とが生成される。光電変換層5で生成された電子と正孔のうち、例えば電子は基板電極4で捕集され、正孔は対向電極6で捕集される。基板電極4と対向電極6の機能は、反対であってもよい。以下、これら各部について説明する。
【0013】
基板電極4は、例えば光透過性と導電性とを有する材料により構成される。基板電極4の構成材料には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)等の導電性金属酸化物、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の導電性高分子、グラフェン等の炭素材料が用いられる。銀ナノワイヤ、金ナノワイヤ、カーボンナノチューブ等のナノ導電材料を前述の材料に混入させて用いることもできる。さらに基板電極4は、光透過性を維持し得る範囲内で、上述の材料からなる層と金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、インジウム、アルミニウム等の金属やそれら金属を含む合金からなる金属層との積層膜であってもよい。基板電極4は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長(CVD)法、ゾルゲル法、メッキ法、塗布法等により形成される。
【0014】
基板電極4の厚さは、特に制限されないが、10nm以上1μm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上300nm以下である。基板電極4の膜厚が薄すぎると、シート抵抗が高くなる。基板電極4の膜厚が厚すぎると、光透過率が低下すると共に、可撓性が低くなることで応力によりひび割れ等が生じやすくなる。基板電極4は、高い光透過率と低いシート抵抗との双方が得られるように、膜厚を選択することが好ましい。基板電極4のシート抵抗に特段の制限はないが、通常1000Ω/□以下であり、500Ω/□以下が好ましく、より好ましくは200Ω/□以下である。太陽電池や発光素子のような電流駆動タイプの素子の場合、50Ω/□以下がさらに好ましい。
【0015】
光電変換層5は、少なくともどちらか一方が基板電極である一対の対向電極の間に配置されており、基板電極4と光電変換層5との間に配置された第1中間層(第1バッファ層)と、光電変換層5と対向電極6との間に配置された第2中間層(第2バッファ層)とを有している。中間層は必要に応じて配置されるものであり、場合によってはそれぞれの中間層の両方または一方を除いてもよい。素子を構成する各層は、光電変換素子を適用する装置(太陽電池、発光素子、光センサ等)に応じて適宜選択される。以下では光電変換素子を太陽電池として用いる場合について主として述べるが、実施形態の光電変換素子は発光素子や光センサ等に適用することも可能である。
【0016】
光電変換層5は、例えばペロブスカイト化合物を有する活性層を備える。ペロブスカイト化合物は、組成式:ABX3により表され、Aは1価のカチオンであり、Bは2価のカチオンであり、Xはハロゲンアニオンである。Aは、例えばメチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、およびセシウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つのカチオンである。Bは、例えば鉛イオン、ゲルマニウムイオン、および錫イオンからなる群から選ばれる少なくとも一つのカチオンである。Xは、例えばヨウ素、臭素、および塩素からなる群より選ばれる少なくとも一つのハロゲンである。
【0017】
ペロブスカイト化合物を有する活性層は、例えば2STEP法を用いて形成されることが好ましい。2STEP法は、第1のステップとしてBX2化合物層を形成し、第2のステップとしてBX2化合物層の上にAX化合物を供給し、反応させることによりペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する方法である。これに限定されず、真空蒸着する方法や、溶液を塗布して加熱・乾燥させる方法を用いて活性層を形成してもよい。
【0018】
対向電極6は、導電性を有し、場合によっては光透過性を有する材料により構成される。対向電極6の構成材料としては、例えば白金、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、タングステン、チタン、ジルコニウム、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、サマリウム、テルビウム等の金属、それらを含む合金、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)のような導電性金属酸化物、PEDOT/PSS等の導電性高分子、グラフェン等の炭素材料が用いられる。銀ナノワイヤ、金ナノワイヤ、カーボンナノチューブ等のナノ導電材料を前述の材料に混入させて用いることもできる。対向電極6は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法、メッキ法、塗布法等により形成される。
【0019】
対向電極6の平均厚さは、通常の太陽電池であれば、対向電極6が低抵抗である方が好ましいため、厚い方が好ましいが、対向電極6を薄くすることにより、対向電極6の光透過率を高めることができるため、透明な太陽電池を作製する場合には、薄く形成する必要がある。例えば、銀電極を対向電極として用いる場合には、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。ITOのように、もともと光透過性の高い透明電極を対向電極として用いる場合には、この限りではない。対向電極6の光透過率は、例えば10%以上であることが好ましい。光透過率は、例えば紫外可視分光高度計を用いて測定される。
【0020】
対向電極6のシート抵抗は、1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは50Ω/□以下である。
【0021】
図2は、光電変換層5および接続部13の構造例を示す断面模式図である。光電変換層5は、活性層51と、基板電極4と活性層51との間に配置された中間層52と、活性層51と対向電極6との間に配置された中間層53と、を有する。
【0022】
活性層51としては、例えば上記ペロブスカイト化合物を含む活性層を用いることができる。活性層51の厚さは特に限定されないが、10nm以上1000nm以下が好ましい。中間層52および中間層53は必要に応じて配置され、場合によってはそれらの両方または一方を除いてもよい。
【0023】
光電変換層5で生じた電子と正孔のうち、電子を基板電極4で捕集する場合、中間層52は電子を選択的にかつ効率的に輸送することが可能な材料で構成される。電子輸送層として機能する中間層52の構成材料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ガリウム等の無機材料、ポリエチレンイミンやその誘導体等の有機材料、前述したフラーレン誘導体等の炭素材料が挙げられ、特に限定されない。
【0024】
正孔を基板電極4で捕集する場合、中間層52は正孔を選択的にかつ効率的に輸送することが可能な材料で構成される。正孔輸送層として機能する中間層52の構成材料としては、酸化ニッケル、酸化銅、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化モリブデン等の無機材料、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミンポリピロール、ポリアニリン、もしくはそれらの誘導体等の有機材料が挙げられ、特に限定されるものではない。
【0025】
光電変換層5で生じた電子と正孔のうち、正孔を対向電極6で捕集する場合、中間層53は、正孔を選択的にかつ効率的に輸送することが可能な材料で構成される。正孔輸送層として機能する中間層53の構成材料は、中間層52の構成材料と同様である。電子を対向電極6で捕集する場合、中間層53は、電子を選択的にかつ効率的に輸送することが可能な材料で構成される。電子輸送層として機能する中間層53の構成材料は、中間層52の構成材料と同様である。
【0026】
中間層52、中間層53は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、ゾルゲル法、メッキ法、塗布法等により形成される。厚さは、それぞれ1nm以上200nm以下が好ましい。
【0027】
光電変換素子の性能を鑑みると対向電極6の抵抗は低いほど好ましいが、抵抗を低くするために対向電極6を薄くすると次のような問題が発生する。光電変換層5を分割する方法として、刃物を用いたメカニカルスクライブやレーザーアブレーションを利用したレーザースクライブなどが用いられるが、いずれの手法においても、基板電極4を露出させるために基板電極4を露出させる第一のスクライブの際、スクライブの衝撃により、
図2に示すように、分割溝11の縁の部分、すなわち光電変換部3の端部に膜の隆起(バリ12)が発生し、光電変換部3の上面の平坦性は、端部のバリ12によって著しく損なわれる場合がある。なお、必ずしもバリ12を有していなくてもよい。
【0028】
対向電極6を真空プロセスにより形成する場合、光電変換部3の端部から分割溝11を経由して基板電極4までの間を、真空プロセスによって形成された対向電極6によって電気的な導通を形成する。しかしながら、対向電極6を薄くすると、バリ12と、光電変換部3上面と基板電極4との高低差により、導電部の段切れや、対向電極6が薄くなることが電気的なボトルネックになって光電変換素子としての特性の低下、または歩留まりの低下が生じる可能性がある。
【0029】
一般的な光電変換素子では、十分な厚さ、電気伝導率を有する対向電極6を形成することから、分割溝11の縁にバリ12が形成されても、対向電極6と基板電極4との間の電気的な接続が損なわれることがないが、光透過率が高い光電変換素子を形成するために、例えば対向電極6として薄膜金属電極などを用いる場合、対向電極6と基板電極4との電気的な接続を確保するためにバリ12の存在が無視できなくなる。以上のように、対向電極6を薄膜化または低抵抗化することによる対向電極6と基板電極4の接続抵抗の高抵抗化を抑制する必要がある。
【0030】
これに対し、
図2に示す接続部13は、分割溝11と、分割溝11に設けられた対向電極6の一部からなる導電部6aと、分割溝11に設けられた導電層7と、を有する。接続部13は、導電部6aおよび導電層7により光電変換部3の一つの対向電極6と光電変換部3の他の一つの基板電極4とを電気的に接続する。
【0031】
導電層7は、導電部6aの上に設けられ、分割溝11の内壁面に沿って延在し、分割溝11の縁において、対向電極6の一つを被覆する。なお、導電層7は、光電変換層5の一つの光電変換層5の他の一つに隣接する端部を被覆してもよい。
【0032】
導電層7は、例えば対向電極6に適用可能な材料を用いることができる。導電部6aと導電層7との合計厚さは、対向電極6の厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、接続部13における対向電極6と基板電極4との接続抵抗を低くすることができる。導電層7の平均厚さは、例えば30nm以上1000nm以下が好ましい。
【0033】
導電層7のシート抵抗は、1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは50Ω/□以下である。導電層7は、光透過率が10%未満であってもよい。例えば光透過率10%以上の対向電極6と、光透過率10%未満の導電層7を形成することにより、光透過率の違いから対向電極6と導電層7を判別することができる。
【0034】
次に、実施形態の光電変換素子の製造方法例として光電変換素子1の製造方法例について説明する。
図3Aないし
図3Dは光電変換素子1の製造方法例を説明するための模式図である。光電変換素子1の製造方法例では、
図3Aに示すように、基板2上に複数の光電変換部3A、3B、3Cに応じた基板電極4A、4B、4Cを形成する。基板電極4Bは、基板電極4Aに隣接し、かつ基板電極4Aと分離された状態、すなわち電気的に絶縁された状態で形成される。基板電極4Cも同様であり、基板電極4Bに隣接し、かつ基板電極4Bと分離された状態、すなわち電気的に絶縁された状態で形成される。これら基板電極4A、4B、4Cを覆うように、基板2上に光電変換層5Xを形成する。光電変換層5Xは、基板電極4A、4B、4Cを全て覆うように全面に形成される。
【0035】
次に、
図3Bに示すように、光電変換層5Xを各光電変換部3A、3B、3Cに対応させて複数に分割するように、光電変換層5Xを切削して分割溝11A、11Bを形成する。光電変換層5Xを分割する分割溝11A、11Bは、例えばメカニカルスクライブやレーザスクライブ等のスクライブ法により形成される。光電変換層5Xをスクライブ溝(分割溝)11A、11Bで複数に分割することにより、複数の光電変換部3A、3B、3Cに応じた光電変換層5A、5B、5Cが形成される。分割溝11A、11Bは、光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bと、隣接する光電変換部3B、3Cの基板電極4B、4Cとの電気的な接続部13A、13Bの形成領域となる。従って、分割溝11A、11Bは基板電極4B、4Cの表面が露出するように形成される。
【0036】
次に、
図3Cに示すように、光電変換層5A、5B、5C上にそれぞれ複数の光電変換部3A、3B、3Cに応じた対向電極6A、6B、6Cを形成する。光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bを形成するにあたって、隣接する光電変換部3B、3Cとの間に設けられた分割溝11A、11B内に、対向電極6A、6Bの一部(導電部6a)を埋め込む。このようにして、光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bと、隣接する光電変換部3B、3Cの基板電極4B、4Cとを、分割溝11A、11B内に充填された導電部6aにより電気的に接続する。なお、分割溝11A、11B内に、中間層53の一部が埋め込まれていてもよい。対向電極6Aと6Bの分割はマスク成膜によって分割してもよいし、一度、大きく成膜した後に、メカニカルスクライブやレーザースクライブなどを用いて、分割してもよい。
【0037】
次に、
図3Dに示すように、隣接する光電変換部3B、3Cとの間に設けられた分割溝11A、11B内に、導電層7A、7Bを形成する。このようにして、光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bと、隣接する光電変換部3B、3Cの基板電極4B、4Cとを、分割溝11A、11B内に充填された導電部6aおよび導電層7A、7Bにより電気的に接続する。なお、分割溝11A、11B内に、中間層53の一部が埋め込まれていてもよい。
【0038】
図4は、光電変換素子1の製造方法例を説明するための平面図である。
図4に示すように、導電層7Aは矩形状に形成してもよい。導電層7の幅は、分割溝11の幅よりも広いことが好ましく。例えば分割溝11の幅よりも100μm以上広いことが好ましい。
【0039】
導電部6aは、必ずしも分割溝11A、11B内に形成されなくてもよい。
図5は、接続部13の他の構造例を示す断面模式図である。なお、
図1および
図2と同様の部分については、上記説明を適宜援用することができる。
図5に示すように導電部6aを形成しない場合、対向電極6の厚さよりも厚い導電層7が分割溝11の縁において、対向電極6を被覆する。導電層7は、さらに基板電極4および対向電極6に接する。これにより、基板電極4と対向電極6とを電気的に接続する。
【0040】
図5に示す接続部13を含む光電変換素子の他の製造方法例について説明する。
図6Aないし
図6Dは光電変換素子1の製造方法例を説明するための模式図である。なお、
図3を参照する光電変換素子の製造方法例の説明と同様の部分については上記説明を適宜援用することができる。
【0041】
光電変換素子1の他の製造方法例では、
図6Aに示すように、基板2上に複数の光電変換部3A、3B、3Cに応じた基板電極4A、4B、4Cを形成する。基板電極4Bは、基板電極4Aに隣接し、かつ基板電極4Aと分離された状態、すなわち電気的に絶縁された状態で形成される。基板電極4Cも同様であり、基板電極4Bに隣接し、かつ基板電極4Bと分離された状態、すなわち電気的に絶縁された状態で形成される。これら基板電極4A、4B、4Cを覆うように、基板2上に光電変換層5Xを形成する。光電変換層5Xは、基板電極4A、4B、4Cを全て覆うように全面に形成される。
【0042】
次に、
図6Bに示すように、光電変換層5X上に対向電極6Xを形成する。対向電極6Xの形成方法については、
図3を参照する光電変換素子の製造方法例と同様である。
【0043】
次に、
図6Cに示すように、光電変換層5Xおよび対向電極6Xを各光電変換部3A、3B、3Cに対応させて複数に分割するように、光電変換層5Xおよび対向電極6Xを切削して分割溝11A、11Bを形成する。分割溝11A、11Bは、例えばメカニカルスクライブやレーザスクライブ等のスクライブ法により形成される。光電変換層5Xおよび対向電極6Xをスクライブ溝(分割溝)11A、11Bで複数に分割することにより、複数の光電変換部3A、3B、3Cに応じた光電変換層5A、5B、5C、および対向電極6A、6B、6Cが形成される。分割溝11A、11Bは、光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bと、隣接する光電変換部3B、3Cの基板電極4B、4Cとの電気的な接続部13の形成領域となる。従って、分割溝11A、11Bは基板電極4B、4Cの表面が露出するように形成される。
【0044】
次に、
図6Dに示すように、隣接する光電変換部3A、3B、3Cとの間に設けられた分割溝11A、11B内に、導電層7A、7Bを形成する。このようにして、光電変換部3A、3Bの対向電極6A、6Bと、隣接する光電変換部3B、3Cの基板電極4B、4Cとを、分割溝11A、11B内に設けられた導電層7A、7Bにより電気的に接続する。
【0045】
以上のように、導電部6aを形成せずに導電層7A、Bが分割溝11の縁において対向電極6を被覆する構造を形成することができる。これにより、接続部13における対向電極6と基板電極4との接続抵抗を低くすることができる。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
ガラス基板上に、基板電極として厚さが150nmのITO層を複数形成した。ITO層は、光電変換部の設置数に対応させて8個形成した。すなわち、8直列のモジュールに対応するように形成した。次に、8個のITO層の左側のエッジ部分にMoとAuの積層構造を有する導電層を形成した。Mo層はITO層とAu層との間の密着層として用いた。導電層の幅は約0.5mm、厚さは350nm(Mo層50nm、Au層300nm)とした。導電層は真空成膜法により成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることによって、ITO層のエッジ部分のみに形成されるようにした。次に、基板側中間層としてPEDOT/PSSを形成した。PEDOT・PSSは、ヘレウス(Heraeus)社製のClevios AI4083を用いた。膜厚は約50nmとした。
【0047】
次に、活性層としてペロブスカイト層を成膜した。ペロブスカイト層の成膜方法として2STEP法を用いた。1STEP目の塗布液としてPbI2をジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルスルホキシド(DMSO)の1:1の混合溶媒に溶かしたものを用いた。2STEP目の塗布液としてCH3NH3I(MAI)をイソプロピルアルコール(IPA)に溶かしたものを用いた。2STEPを終えた後、120℃で5分の加熱処理を行い、活性層を成膜した。膜厚は約350nmとした。
【0048】
次に、対向電極側中間層Aとして、[60]PCBM([6,6]-フェニルC61酪酸メチルエステル)を成膜した。[60]PCBMインクの溶媒としてモノクロロベンゼンを用いた。[60]PCBMインクを塗布した後、自然乾燥させた。膜厚は約50nmとした。
【0049】
次に、セグメント間を直列接続するために、光電変換層に対してスクライブを行い、基板電極上にスルーホールを設けた。
【0050】
次に、対向電極側中間層BとしてBCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)を約20nmの厚さで真空蒸着することにより成膜した。次に、対向電極としてAgを約150nmの厚さで真空蒸着することにより成膜した。
【0051】
その後、スクライブした溝部に対して、スクライブ溝の幅よりも100μm程度大きくなるように、Agを150nmの厚さでさらに蒸着して導電層を形成した。
【0052】
その後、対向電極および光電変換層に対してスクライブを行い、セル同士を分離した。以上の工程によって、直列構造を有する光電変換モジュールを形成した。その結果、IV特性のフィルファクタ(FF)が向上し、耐久性試験時のコンタクト部の変質も低減し、直列抵抗Rsの上昇も抑制できた。
【0053】
(実施例2)
ガラス基板上に、基板電極として厚さが150nmのITO層を複数形成した。ITO層は、光電変換部の設置数に対応させて8個形成した。すなわち、8直列のモジュールに対応するように形成した。次に、8個のITO層の左側のエッジ部分にMoとAuの積層構造を有する導電層を形成した。Mo層はITO層とAu層との間の密着層として用いた。導電層の幅は約0.5mm、厚さは350nm(Mo層50nm、Au層300nm)とした。導電層は真空成膜法により成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることによって、ITO層のエッジ部分のみに形成されるようにした。次に、基板側中間層としてPEDOT/PSSを形成した。PEDOT・PSSは、ヘレウス(Heraeus)社製のClevios AI4083を用いた。膜厚は約50nmとした。
【0054】
次に、活性層としてペロブスカイト層を成膜した。ペロブスカイト層の成膜方法として2STEP法を用いた。1STEP目の塗布液としてPbI2をジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルスルホキシド(DMSO)の1:1の混合溶媒に溶かしたものを用いた。2STEP目の塗布液としてCH3NH3I(MAI)をイソプロピルアルコール(IPA)に溶かしたものを用いた。2STEPを終えた後、120℃で5分の加熱処理を行い、活性層を成膜した。膜厚は約350nmとした。
【0055】
次に、対向電極側中間層Aとして、AZOを塗布形成し、その後、ITOをスパッタリングにより形成した。
【0056】
次に、セグメント間を直列接続するために、光電変換層に対してスクライブを行い、基板電極上にスルーホールを設けた。
【0057】
次に、対向電極側中間層BとしてBCPを約20nmの厚さで真空蒸着することにより成膜した。次に、対向電極としてAgを約150nmの厚さで真空蒸着することにより成膜した。
【0058】
その後、スクライブした溝部に対して、スクライブ溝の幅よりも100μm程度大きくなるように、Agを150nmの厚さでさらに蒸着して導電層を形成した。
【0059】
その後、対向電極および光電変換層に対してスクライブを行い、セル同士を分離した。以上の工程によって、直列構造を有する太陽電池モジュールを形成した。その結果、IV特性のFFが向上し、耐久性試験時のコンタクト部の変質も低減し、直列抵抗Rsの上昇も抑制できた。
【0060】
(実施例3)
実施例1と同様に、ガラス基板上に、ITO基板電極、基板側中間層、CH3NH3PbI3(MAPbI)、対向電極側中間層A、Bを塗布成膜し、セグメント間を直列接続するために、光電変換層に対してスクライブを行い、基板電極にスルーホールを設け、その後、対向電極として30nmのITOをスパッタリングにて形成し、スルーホールを通して、対向電極と基板電極を電気的に接続した。その後、スクライブした溝部に対して、スクライブ溝の幅よりも100μm程度大きくなるように、Agを150nmの厚さでさらに蒸着して導電層を形成した。その後、対向電極および光電変換層に対してスクライブを行い、セル同士を電気的に分離した。形態として半透明状であり、直列抵抗が改善した光電変換モジュールを実現できた。
【0061】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。