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特許7186816レーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】レーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/28 20060101AFI20221202BHJP
   G06N 3/08 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
G01S13/28
G06N3/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021040541
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139947
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】仲野 剛
(72)【発明者】
【氏名】栗原 秀輔
(72)【発明者】
【氏名】島田 尚享
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06380887(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第110515045(CN,A)
【文献】特開2011-247902(JP,A)
【文献】特開2019-215325(JP,A)
【文献】特開2012-181109(JP,A)
【文献】特開平08-179037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0174475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42,
G01S 13/00-13/95,
G06N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部と、
前記アンテナ部からレーダパルスを送信し、前記アンテナ部に到来した目標からの反射波を含む電波を受信して受信信号を生成する送受信部と、
前記受信信号を処理する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
前記受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成するパルス圧縮処理部と、
前記圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する積分処理部と、
前記積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する高感度化処理部と、
前記高感度化信号から前記目標を検出する検出処理部と、
前記積分パルス信号から高S/N目標を検出し、当該高S/N目標をノイズ成分に置換して置換信号を生成する事前検出処理部と、を備え、
前記高感度化処理部は、前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、レーダ装置。
【請求項2】
前記高感度化処理部は、
前記置換信号を用いた機械学習を繰り返して学習済みモデルを生成する学習部と、
前記学習済みモデルを用いた識別処理により前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する識別部とを備える、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
アンテナ部と、
前記アンテナ部からレーダパルスを送信し、前記アンテナ部に到来した目標からの反射波を含む電波を受信して受信信号を生成する送受信部と、
前記受信信号を処理する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
前記受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成するパルス圧縮処理部と、
前記圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する積分処理部と、
前記積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する高感度化処理部と、
前記高感度化信号から前記目標を検出する検出処理部と、
前記積分パルス信号の情報を削減して削減信号を生成する削減処理部と、を備え、
前記高感度化処理部は、前記削減信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、レーダ装置。
【請求項4】
前記高感度化処理部は、
前記削減信号を用いた機械学習を繰り返して学習済みモデルを生成する学習部と、
前記学習済みモデルを用いた識別処理により前記削減信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する識別部とを備える、請求項3に記載のレーダ装置。
【請求項5】
アンテナ部と、
前記アンテナ部からレーダパルスを送信し、前記アンテナ部に到来した目標からの反射波を含む電波を受信して受信信号を生成する送受信部と、
前記受信信号を処理する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
前記受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成するパルス圧縮処理部と、
前記圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する積分処理部と、
前記積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する高感度化処理部と、
前記高感度化信号から前記目標を検出する検出処理部と、
前記積分パルス信号における前記目標の移動を補償して補償信号を生成する移動補正処理部と、を備え、
前記高感度化処理部は、前記補償信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、レーダ装置。
【請求項6】
前記高感度化処理部は、
前記補償信号を用いた機械学習を繰り返して学習済みモデルを生成する学習部と、
前記学習済みモデルを用いた識別処理により前記補償信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する識別部とを備える、請求項5に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記機械学習は、畳み込みニューラルネットワークに学習データを繰り返し与えて前記学習済みモデルを生成する深層学習である、請求項2、4、または6のいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項8】
送信されたレーダパルスの目標からの反射波を含む電波の受信信号を処理する信号処理装置において、
前記受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成するパルス圧縮処理部と、
前記圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する積分処理部と、
前記積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する高感度化処理部と、
前記高感度化信号から前記目標を検出する検出処理部と、
前記積分パルス信号から高S/N目標を検出し、当該高S/N目標をノイズ成分に置換して置換信号を生成する事前検出処理部と、を備え、
前記高感度化処理部は、前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、信号処理装置。
【請求項9】
前記高感度化処理部は、
前記置換信号を用いた機械学習を繰り返して学習済みモデルを生成する学習部と、
前記学習済みモデルを用いた識別処理により前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する識別部とを備える、請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項10】
送信されたレーダパルスの目標からの反射波を含む電波の受信信号をコンピュータにより処理する信号処理方法において、
前記コンピュータが、前記受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成し、
前記コンピュータが、前記圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成し、
前記コンピュータが、前記積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成し、
前記コンピュータが、前記高感度化信号から前記目標を検出し、
前記コンピュータが、前記積分パルス信号から高S/N目標を検出し、当該高S/N目標をノイズ成分に置換して置換信号を生成し、
前記コンピュータが、前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、信号処理方法。
【請求項11】
前記コンピュータが前記置換信号を用いた機械学習を繰り返して学習済みモデルを生成し、
前記コンピュータが、前記学習済みモデルを用いた識別処理により前記置換信号のノイズを低減して前記高感度化信号を生成する、請求項10に記載の信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば航空機に搭載され、飛来する目標を検出するためのレーダ装置が知られている。この種のレーダ装置では、例えば、機械学習を適用したパターン識別器を用いてクラッタを抑圧することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-015079号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】D Gusland, S Rolfsjord, B Torvik , "Deep temporal detection-A machine learning approach to multiple-dwell target detection," 2020 IEEE International Radar Conference (RADAR), April 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目標が遠方に存在する場合や、RCSが小さい場合には受信信号のS/N(Signal to Noise ratio)が小さくなる。レーダのアンテナの開口面積を大きくしたり、送信電力を大きくすることはS/Nを大きくするために有効であるが、ハードウェアの規模が増大する。またコヒーレント積分等に用いるパルス数を増やすことでS/Nを大きくできるが、更新レートが大きくなることや、検出エリアを限定する等になる場合がある。まして高速移動目標の場合には、検出性能が大きく低下する。そのため従来手法とは異なる機械学習を用いた信号処理手法によりレーダのアンテナのハードウェア規模を増大することなく、高速移動目標の検出性能を向上することが必要である。しかし、様々な速度の移動目標に対応するためには、様々な速度に対応可能なパターン識別器を学習させる必要があり、機械学習の規模が大きくなる。
【0006】
そこで、目的は、ノイズを低減し、移動する目標の検出性能を向上させたレーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、レーダ装置は、アンテナ部と、送受信部と、信号処理部とを具備する。送受信部は、アンテナ部からレーダパルスを送信し、アンテナ部に到来した電波を受信して受信信号を生成する。信号処理部は、受信信号を処理する。信号処理部は、パルス圧縮処理部と、積分処理部と、高感度化処理部と、検出処理部とを備える。パルス圧縮処理部は、受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成する。積分処理部は、圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する。高感度化処理部は、積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。検出処理部は、高感度化信号から目標を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係わるレーダ装置の一例を示す機能ブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係わる高感度化処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、実施形態に係わる信号処理部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、積分処理、および高感度化処理について説明するための図である。
図6図6は、第2の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図7図7は、第3の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図8図8は、第4の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図9図9は、第5の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図10図10は、受信パルスデータの次元数削減処理について説明するための図である。
図11図11は、第6の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図12図12は、第7の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図13図13は、方位ごとの目標の移動軌跡の一例を示す図である。
図14図14は、目標検出結果の一例を示す図である。
図15図15は、移動補正処理について説明するための図である。
図16図16は、積分処理、移動量補正処理、高感度化処理、および、目標検出処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係わるレーダ装置の一例を示す機能ブロック図である。実施形態ではパルスレーダを想定する。図1に示されるように、レーダ装置1は、アンテナ部10、送受信部11、および、信号処理部12を備える。また、レーダ装置1は、信号処理部12の出力を視覚的に表示し、監視員(ユーザ)に提示するための表示部13を備えても良い。
【0010】
アンテナ部10は、例えば、規則的に配列される複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナ(array antenna)である。アンテナ部10は、空間に電波(レーダ波)を送信し、目標からの反射波(受信信号)を含む電波を受信する。
【0011】
送受信部11は、レーダパルスを生成してアンテナ部10に送る。また、送受信部11は、アンテナ部10に到来した電波を捕捉し、増幅、アナログ/ディジタル(A/D)変換等の処理を施して受信信号を生成する。生成された受信信号(受信データ)は、信号処理部12に送られる。
【0012】
信号処理部12は、受信信号を処理してクラッタ抑圧、レーダビデオの生成、目標検出などの信号処理を行う。検出された目標は表示部13に送られ、ディスプレイ等に視覚的に表示される。信号処理部12は、例えば、メモリおよびプロセッサを具備するコンピュータであり、送受信部11から出力される受信信号(レーダ受信信号:受信データ)を処理する。
次に、上記構成を基礎として複数の実施形態を説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図2は、第1の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。信号処理部12は、パルス圧縮処理部121、積分処理部122、高感度化処理部123、および、検出処理部124を備える。
パルス圧縮処理部121は、送受信部11からの受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成する。
積分処理部122は、パルス圧縮処理部121からの圧縮パルス信号をパルス積分して、積分パルス信号を生成する。積分処理方式は、コヒーレント積分が代表的であるが、ノンコヒーレント積分を適用することも可能である。
【0014】
高感度化処理部123は、積分処理部122からの積分パルス信号のノイズを低減して(デノイズ)高感度化信号を生成する。
【0015】
検出処理部124は、高感度化処理部123からの高感度化信号から目標を検出する。
【0016】
図3は、高感度化処理部123の一例を示す機能ブロック図である。高感度化処理部123は、例えばハードウェアとしての実体を持つコンピュータであり、プロセッサ21と、記憶部24とを備える。さらに、高感度化処理部123は、ROM22、RAM23、および通信部25を備える。
【0017】
ROM22は、不揮発性のメモリであり、プログラムメモリとして機能する。ROM22は、プロセッサ21が実行するプログラムや制御データなどを記憶する。
RAM23は、一時的にデータを保持するワーキングメモリとして機能する。RAM23は、プログラムがロードされたり、プロセッサ21が処理中のデータを保持したりする。RAM23は、データなどを一時的に保持するバッファメモリとしても機能する。
記憶部24は、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリである。記憶部24は、プロセッサ21により実行されるプログラム24a、プロセッサ21に利用されるデータ24b、および、学習済みモデル24cを記憶する。
【0018】
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはMPU(Micro Processing Unit)などの演算デバイスである。プロセッサ21は、ROM22または記憶部24に記憶されたプログラムやデータをRAM23に読み込み、実行することで実施形態に係わる処理機能を実現する。
【0019】
通信部25は、積分処理部122に接続され、データ化された積分パルス信号を取得する。また、通信部25は検出処理部124に接続され、データ化された高感度化信号を検出処理部124に出力する。
【0020】
ところで、プロセッサ21は、実施形態に係わる処理機能として学習部21a、および識別部21bを備える。これらは、プログラム24aに記述された命令をプロセッサ21が実行することで実現される、処理機能である。
【0021】
学習部21aは、積分処理部122からの積分パルス信号を用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデルを生成する。生成された学習済みモデルは、記憶部に学習済みモデル24cとして記憶される。
【0022】
例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)に学習データを繰り返し与えて、学習済みモデルを生成することができる。この種の機械学習は、深層学習と称して知られる。すなわち第1の実施形態では、学習部21aは、積分パルス信号を学習データとして用いた教師あり機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21bは、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、積分処理部122からの積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0023】
なお、高感度化処理部123を、ソフトウェアとして実装することも可能である。この場合、高感度化処理部123は、メモリに展開されてプロセッサにより実行されるプログラム(プロセス)として理解され得る。次に、上記構成における作用を説明する。
【0024】
図4は、信号処理部12の処理手順の一例を示すフローチャートである。図4において、信号処理部12は、送受信部11からのレーダ受信信号をパルス圧縮して圧縮パルス信号を生成する(ステップS1)。次に信号処理部12は、圧縮パルス信号をパルス積分して積分パルス信号を生成する(ステップS2)。
【0025】
次に、信号処理部12は、積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する(ステップS3)。さらに、信号処理部12は、高感度化信号から目標を検出する(ステップS4)。
【0026】
図5は、図4の手順における積分処理、および高感度化処理について説明するための図である。図5において、時系列で受信される受信パルスデータが複数の単位にまとめられ、単位ごとに積分処理I(・)が実施される。例えば、式(1)の左辺が時刻Tにおける積分処理結果X(T)を示す。式(1)の左辺のI(・)の括弧内は、積分処理の対象となる一組のパルスデータを示す。一組のパルスデータは、時刻Tのパルスデータを含む、M個のパルスデータである。
【0027】
【数1】
【0028】
同様に、過去の受信パルスデータの組に対しても積分処理が行われる。式(2)は、過去N回にわたる積分処理の結果を示す。
【0029】
【数2】
【0030】
過去N回にわたる積分処理の結果は、高感度化処理部123に渡され、ノイズ低減処理D(・)を施される。これにより、式(3)に示されるように、XI(T)のノイズ低減された結果Y(T)が得られる。
【0031】
【数3】
【0032】
ただし、式(3)においてTSk(k=1,2,…,N)は、TSkだけ前の積分結果を表す。
【0033】
以上述べたように、第1の実施形態によれば、積分処理によりS/Nを向上させた受信パルスデータに対して高感度化処理を実施するようにした。これにより、積分処理後の結果に対してさらなるS/Nの向上を図ることができる。高感度化された信号を用いて目標の特徴を捉えることにより、既存の技術に比べて少ないパルスヒット数で目標を検出することが可能になる。
【0034】
既存の技術では、受信信号のS/Nが低い場合、積分処理だけでは十分な強度の信号を得ることができず、検出処理における閾値より低くなり、検出が困難になっていた。閾値を低くすると、ノイズを目標と検出する、誤検出が発生する。この対策として積分処理のパルスヒット数を増やすと、1つの方位あたりのデータ取得に要する時間が増加するため、捜索範囲全体の更新レート低下につながる。これは高速移動目標を検出してトラッキングするときに問題となる。さらに、S/Nの向上としてアンテナの開口面積や送信電力を大きくすることも考えられるが、アンテナが大きくなることで搭載容易性が損なわれる。
【0035】
これに対し第1の実施形態によれば、レーダ反射断面積(RCS)が同じ目標を検出する場合、既存の技術に比べてハードウェアの規模を小さくしても、同様の検出精度を維持することができる。
【0036】
さらに第1の実施形態では、積分後の受信信号(積分パルス信号)を用いた機械学習により、高感度化処理を実施した。つまり、積分処理後の低S/N目標を含むデータを学習データとし、対応する正解データとして、これと同じ目標のみのデータを用いて学習を実施する。これにより、高感度化処理部123の学習済みモデル24cは、低S/N目標のデータを、ノイズのないデータに近づけるように学習される。この学習済みモデル24cを使用することで、積分処理後の低S/N目標データは、ノイズの低減されたものになる。このように、積分処理後のデータに対して機械学習による高感度化処理を実施することにより、積分処理のみでは検出が困難であった目標の検出が可能となる。また、学習は、目標らしさが目標の位置は大きくなり、ノイズの領域は小さくなるように学習しても良い。
【0037】
通常、コヒーレント積分に用いるパルス数は、想定目標のうち最小のRCS目標に合わせて設定する。すると、そのほかのRCS目標に対しては、積分回数が過剰になる。そこで、例えばコヒーレント積分処理による検出対象を中RCSとして積分回数を抑制し、低RCS目標は本提案手法で検出することが考えられる。これにより積分回数の増加によるビームスケジュールのリソース不足を低減する効果も期待できる。
【0038】
これらのことから第1の実施形態によれば、ノイズを低減し、目標の検出性能を向上させたレーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法を提供することが可能になる。ひいては、ハードウェア規模を低減し、航空機等の搭載に有利なレーダ装置を実現することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図6に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、積分処理部122と高感度化処理部123との間に、CFAR処理部125を備える。
【0040】
CFAR処理部125は、積分処理部122からの積分パルス信号をCFAR(一定誤警報率:Constant False Alarm Rate)処理して、信号強度の変動を平滑化した平滑化信号を生成する。
【0041】
例えばクラッタを抑圧するためのCFAR処理が知られている。クラッタによる信号は広範囲に受信される特性がある。そこで、クラッタによる信号強度の変動を低減するためにCFAR処理を実施して平滑化信号を得て、これを高感度化処理部123に入力するようにする。ここで、CFARには、例えばCA-CFARや、GO-CFARを用いてもよい。
【0042】
すなわち第2の実施形態では、学習部21a(図3)は、平滑化信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、CFAR処理部125からの平滑化信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0043】
機械学習による処理では、学習時に想定していない特徴を持つデータが与えられると、どのような結果が出力されるかを予測することが難しい。この場合、後段の処理に悪影響をもたらす処理結果が出力される可能性もある。このため、入力されるデータの特徴を、可能な限り、事前に限定可能な範囲とすることが望ましい。
【0044】
そこで第2の実施形態では、CFAR処理により受信信号のダイナミックレンジを一定の範囲内に収めることで、学習処理および識別処理の安定動作を促すようにした。これにより、学習時の学習データ作成の信号強度パターン数の削減も期待できる。
【0045】
これらのことから第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0046】
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図7に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、積分処理部122と高感度化処理部123との間に、検出処理部126を備える。
【0047】
検出処理部126は、積分処理部122からの積分パルス信号から高S/N目標を検出し、当該高S/N目標をノイズ成分に置換して置換信号を生成する、事前検出処理部である。
【0048】
すなわち第3の実施形態では、学習部21a(図3)は、置換信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、検出処理部126からの置換信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0049】
第3の実施形態では、高感度化処理の前に、例えば閾値判定により事前に高S/N目標を検出し、ノイズ成分で置き換える処理を実施するようにした。ここで、置き換えられるノイズ成分は、例えば、受信信号のノイズレベルに合わせた疑似乱数としてもよい。また、ノイズで置き換える範囲を、検出範囲に対して余裕を見た範囲に設定してもよい。
【0050】
レーダの受信データでは、信号強度が大きい場合がある。小さな信号を検出しようとする際に、大きな信号まで学習することで、全体の性能の低下を招く恐れがある。そこで、第3の実施形態では、受信強度の大きな信号を、積分処理後の後に、例えば閾値判定により検出する。そして、検出された、信号強度の大きい部分を、例えば乱数による疑似ノイズで置き換えるようにした。これにより、機械学習処理に入力される信号の上限を定めることが可能となり、処理の安定動作が期待できる。また、学習時の学習データ作成の信号強度パターン数の削減を期待できる。
【0051】
機械学習を用いる場合、想定していない高S/Nの信号が入力された場合、想定外の結果が出力され、後段の処理に悪影響を与える可能性がある。そこで、事前に高S/N目標を検出し、ノイズで置き換えることで、影響を小さくできる。
【0052】
これらのことから第3の実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。さらに、機械学習の効率を高める効果を得ることもできる。
【0053】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図8に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、積分処理部122と高感度化処理部123との間に、領域分割処理部127を備える。
【0054】
領域分割処理部127は、目標検出処理の対象とする領域を限定し、当該領域に係わる信号を、積分処理部122からの積分パルス信号から抽出して抽出信号を生成する。
すなわち第4の実施形態では、学習部21a(図3)は、抽出信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、領域分割処理部127からの抽出信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0055】
例えば、遠距離の目標からの受信信号はS/Nが低下するので、領域分割処理部127は、遠距離部分のみを抽出する処理を実施する。処理を実施する方位や仰角が予め決まっている場合は、方位や仰角で領域を抽出してもよい。処理範囲の限定には、処理範囲を抽出する処理のほか、処理対象の位置情報を用いてもよい。
【0056】
以上述べたように、第4の実施形態によれば、処理範囲を制限することで、処理量を削減することが期待できる。これにより、メモリ容量の削減や処理時間の短縮化が期待できる。
【0057】
これらのことから第4の実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0058】
[第5の実施形態]
図9は、第5の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図9に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、積分処理部122と高感度化処理部123との間に、次元数削減処理部128を備える。
【0059】
次元数削減処理部128は、積分処理部122からの積分パルス信号の次元数を削減して次元数削減信号を生成する。
【0060】
すなわち第5の実施形態では、学習部21a(図3)は、次元数削減信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、次元数削減処理部128からの次元数削減信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0061】
図10は、受信パルスデータの次元数削減処理について説明するための図である。図10(a)に示されるように、異なる方位(セル)に5通りの積分パルスデータが得られたとする。例えば、任意の範囲のセルで、最大値選択または平均処理を実施することで、次元数削減処理部128は、データの次元数を削減する。例えば、範囲3で最大値を選択すると、図10(b)に示されるような結果が得られる。対象の範囲をスライドして処理した結果を結合してもよい。
【0062】
なお、次元数削減処理として、各積分パルスデータがプロットされる軸の数が削減されてもよい。例えば、積分パルスデータがさらに仰角の情報を有しているときに、この仰角の情報が削減されてもよい。また、例えば、方位、仰角等のデータのうちで仰角のデータを削減するようにしてもよい。
【0063】
データの次元数を削減することで、処理量を削減することが期待できる。これにより、メモリ容量の削減や処理時間の短縮化が期待できる。
これらのことから第5の実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。さらに、必要なリソースの削減を促すこともできる。
【0064】
[第6の実施形態]
図11は、第6の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図11に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、パルス圧縮処理部121と積分処理部122との間に、移動補正処理部129を備える。
【0065】
移動補正処理部129は、パルス圧縮処理部121からの圧縮パルス信号における目標の移動を補償して、補償信号を生成する。そして積分処理部122は、補償信号をパルス積分して積分パルス信号を生成し、高感度化処理部123に入力する。
【0066】
すなわち第6の実施形態では、学習部21a(図3)は、移動補正された積分パルス信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、積分処理部122からの、移動補正された積分パルス信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0067】
目標が移動している場合、積分処理で信号が積みあがらない可能性がある。そこで第6の実施形態では、目標の移動を補償することで、積分処理によるS/Nの向上を効率化できるようにする。数式を用いて説明する。
【0068】
式(4)に示されるように、受信信号X(T)に対して移動補償処理器により移動補償処理R(・)を実施する。式(4)の左辺X(T)が、積分処理部122に入力される補償信号を示す。
【0069】
【数4】
【0070】
移動補償処理において、必要な量だけレンジセルをずらしてもよい。また、例えば、パルス圧縮処理部121において帯域を制限し、距離分解能を低減した処理を実施してもよい。この場合、パルス圧縮処理部121において移動補償処理を実施することとなる。
【0071】
積分処理部122は、式(5)に示される、移動補償を施した過去M個のデータに対して積分処理I(・)を実施する。
【0072】
【数5】
【0073】
目標が移動していると、積分処理後の各データにおける目標の位置が異なるので、積分処理後の各データ間で積分処理を実施しても目標の信号が積みあがらないことが懸念される。そこで第6の実施形態では、また、積分処理間の目標の移動を考慮し、積分処理間での移動を打ち消すように目標の移動量を補正した補償信号を生成するようにした。これにより積分処理によるS/Nの向上を効果的に行うことができる。
【0074】
また、補償信号を学習データとしてモデルに与えることで、積分処理間の目標の移動を考慮した学習済みモデルを作成することができる。これにより、積分処理間で目標が異なる位置に存在しても高感度化処理が可能となる。
【0075】
以上述べたように、第6の実施形態によれば、目標の移動を考慮した機械学習を実施できるようにし、これにより、積分処理後の目標位置の変化による弊害を除去できる。つまり、通常のビデオ積分では移動の補正処理が必要となり、処理量が増加する恐れがある。これに対し実施形態では、学習時に、データ間における目標位置のずれを考慮したデータを用いることで、目標が移動している場合でも有効な処理が期待できる。
【0076】
これらのことから第6の実施形態によれば、ノイズを低減し、移動する目標の検出性能を向上させたレーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法を提供することが可能になる。
【0077】
[第7の実施形態]
図12は、第7の実施形態に係わる信号処理部の一例を示す機能ブロック図である。図12に示される信号処理部12は、図2の構成に加えて、積分処理部122と高感度化処理部123との間に、移動補正処理部129を備える。
【0078】
移動補正処理部129は、積分処理部122からの積分パルス信号における目標の移動を補償して、補償信号を生成する。そして、高感度化処理部123は、移動補正処理部129からの補償信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。
【0079】
すなわち第7の実施形態では、学習部21a(図3)は、補償信号を学習データとして用いた機械学習を繰り返して、学習済みモデル24cを生成する。
識別部21b(図3)は、学習済みモデル24cを用いた識別処理により、移動補正処理部129からの補償信号のノイズを低減して高感度化信号を生成する。図13図15を参照して、第7の実施形態における移動補正処理について説明する。
【0080】
図13は、方位ごとの目標の移動軌跡の一例を示す図である。図13において、パルス圧縮前の受信データ30は、複数の方位ごとのデータを含む。符号32は、各方位における距離および時間でプロットした目標の移動軌跡を示す。目標の移動速度は、移動軌跡32の傾きとして表される。なお、例えば海上を監視する場合、シークラッタ31が混在する場合もある。
【0081】
図14は、目標検出結果の一例を示す図である。図14に示されるように、目標はシークラッタ31とともに観測される。時間-距離のデータでは、シークラッタ31は振幅や信号の空間方向の幅が小さく短い線となる。一方、目標は、シークラッタ31に比べて振幅及び空間方向の幅が大きいので、連続性の高い軌跡32を描く。
【0082】
図15は、移動補正処理について説明するための図である。目標の軌跡32の傾きは、中間速度においては中間、高速度域においては大きくなり、低速度領域においては小さくなる。そこで第7の実施形態では、パルス積分後の積分パルス信号を空間的、時間的に変換し、共通の基準速度に補償して補償信号を生成する。そして、この補償信号を高感度化処理部123に与えて学習させることで高感度処理を行うようにした。
【0083】
図16は、積分処理、移動量補正処理、高感度化処理、および、目標検出処理について説明するための図である。図16において、時系列で受信される受信パルスデータ(IQデータ)がCPI(Coherent Processing Interval)ごとの単位にまとめられ、各CPI内でコヒーレント積分処理が実施される。これにより得られた積分パルス信号(コヒーレント積分後データ)は、速度A、速度B、…で補正され、統一的な基準速度の補償信号(速度補正後コヒーレント積分後データ)が生成される。そして、各補償信号に対して高感度化処理部123によるノイズ低減処理(デノイズ)が施されて、高感度化信号(ノイズ低減後データ)が生成される。この高感度化信号は検出処理部124に与えられ、目標が検出される。ここで、CFAR処理も併用して目標検出処理を実施しても良い。
【0084】
なお、高感度処理部123が実際に用いられるときには、目標の速度は既知ではない。この場合、移動補正処理部129は、速度の補正値を変化させながら、補償信号を逐次に生成する。そして、移動補償処理部129は、最も高いS/Nの補償信号が得られたときの速度の補正値に基づいて目標の速度を決めてよい。目標の速度が決められた後は、移動補償処理部129は、その速度に従って補正を実施する。
【0085】
以上述べたように、第7の実施形態によれば、1スキャン毎のコヒーレント積分処理後のデータに対して、あらかじめ目標の移動速度を考慮して、ある一定の速度以内の目標移動になるように移動量を補正する。また、補正後の複数スキャンデータを用いて、深層学習したノイズ除去畳み込みニューラルネットワークによりノイズ低減処理を行い低S/N時の目標を検出するようにした。
【0086】
複数スキャンデータを用いることで、スキャン間の目標とノイズの特性の差異を学習することができる。このため、ビデオ積分の処理よりもノイズ低減を期待でき、低S/N時の目標を検出することが可能となる。
【0087】
既存の技術では、対象の目標の速度の範囲が小さいならともかく、目標の移動速度の範囲が大きくなると学習データが大規模になる。またノイズ除去畳み込みニューラルネットワークの規模が大きくなり、計算量が肥大化する。また、機械学習が、目標の移動を考慮したデータに基づく保証が無いので、目標の移動速度が大きくなると性能低減が見込まれる。
【0088】
これに対し第7の実施形態では、目標の移動量を補正することで、深層学習による畳み込みニューラルネットワークの規模を低減し、計算機の処理量を低減することができる。従って第7の実施形態によれば、ノイズを低減し、移動する目標の検出性能を向上させたレーダ装置、信号処理装置、および信号処理方法を提供することが可能になる。さらに、学習済みモデルの肥大化を防止し、ハードウェアリソースを削減して、航空機搭載の用途に特に有利なレーダ装置を実現することができる。
【0089】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではない。例えば、第6、第7の実施形態の移動補正処理においては、距離方向の移動だけに限らず、角度方向の移動、あるいはその双方を考慮した補正を行うことができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1…レーダ装置、10…アンテナ部、11…送受信部、12…信号処理部、13…表示部、21…プロセッサ、21a…学習部、21b…識別部、22…ROM、23…RAM、24…記憶部、24a…プログラム、24b…データ、24c…学習済みモデル、25…通信部、30…受信データ、31…シークラッタ、32…目標の移動軌跡、121…パルス圧縮処理部、122…積分処理部、123…高感度化処理部、124…検出処理部、125…CFAR処理部、126…検出処理部、127…領域分割処理部、128…次元数削減処理部、129…移動補正処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16