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特許7186819情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221202BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021055994
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022153002
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2022-02-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】井戸上 達
(72)【発明者】
【氏名】藤本 貴
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰伸
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-209405(JP,A)
【文献】特開2015-183356(JP,A)
【文献】特開2018-190215(JP,A)
【文献】特開2013-008294(JP,A)
【文献】特開2003-008764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得し、前記セルの基地局において所定時間以内に前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、当該セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局において前記ユーザ識別情報を取得する取得部と、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、
前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている許可ユーザ識別情報と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報が一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記許可ユーザが所有する車両を識別するための許可車両識別情報を記憶し、
前記ゲートを通過する車両を撮像する撮像装置から取得した撮像画像に含まれる車両の車両識別情報を読み取る読取部を備え、
前記信号送信部は、前記取得部が前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、前記読取部が読み取った前記車両識別情報と前記許可車両識別情報とが一致することを条件として、前記ゲートを開くための前記制御信号を前記ゲートに送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザに貸し出される貸出車両に乗車している前記ユーザの前記ユーザ識別情報を前記貸出車両から取得し、
複数の前記ユーザの前記ユーザ識別情報を同じ前記貸出車両から前記取得部が取得した場合に、前記複数のユーザに所定の比率で前記施設の利用料金を分担することにより、前記複数のユーザそれぞれの利用料金を決定する料金決定部を備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザが前記施設に車両を駐車するときに前記信号送信部が前記制御信号を送信した入場時刻と、前記ユーザが当該施設から退場するときに前記信号送信部が前記制御信号を送信した退場時刻とに基づいて前記施設の利用料金を決定する料金決定部を備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記施設が駐車場であり、
前記施設の利用料金を決定する料金決定部と、
前記管理装置から前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得した場合に、駐車位置の番号を示す駐車番号情報を前記ユーザに送信し、前記駐車番号情報を前記ユーザに送信した後、ユーザにより指示された駐車位置の番号を示す指示番号情報を受信する通信制御部と、を備え、
前記料金決定部は前記管理装置を介して前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得してから前記取得部が前記指示番号情報を取得するまでの時間に基づいて前記駐車場の利用料金を決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記施設が駐車場であり、
前記施設の利用料金を決定する料金決定部をさらに備え、
前記取得部は、前記管理装置を介して、前記ユーザに貸し出される貸出車両に搭載された通信機器から当該貸出車両の利用履歴を示す利用履歴情報を取得し、
前記料金決定部は、前記施設の利用料金を決定するとともに、前記利用履歴情報に基づいて、前記貸出車両の利用料金を決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得し、前記セルの基地局において所定時間以内に前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、当該セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局において前記ユーザ識別情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報に基づいて、サービスを利用するサービス利用者を識別するための利用者登録情報を特定する特定部と、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能なサービス利用者を識別する許可利用者登録情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、
前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている前記許可利用者登録情報と前記特定部が特定した前記利用者登録情報とが一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得する取得部と、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けて記憶されており、且つ、前記許可ユーザ識別情報と、前記ユーザの車両を識別するための車両識別情報とが関連付けられた所有者テーブルを記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている許可ユーザ識別情報と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報が一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、
前記セル外へ移動した車両を識別するための車両識別情報を特定する特定部と、
前記特定部が前記車両識別情報を特定する前の所定の期間以内に、前記特定部が特定した前記車両識別情報に前記所有者テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と一致する前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得していない場合に、当該許可ユーザ識別情報に対応する前記携帯端末へ前記車両が盗難されたことを示す情報を送信する通信制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
施設に設置されたゲートを制御する情報処理装置と、基地局を管理する管理装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記管理装置は、
前記基地局のセル内の携帯端末から、前記携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受信する情報受信部と、
前記ユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを前記情報処理装置に送信する情報送信部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得し、前記セルの基地局において所定時間以内に前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、当該セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局において前記ユーザ識別情報を取得する取得部と、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、
前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている前記許可ユーザ識別情報と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報が一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、
を有する、情報処理システム。
【請求項10】
前記管理装置は、
前記セル内の前記携帯端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で前記携帯端末と通信する第2通信部と、
をさらに有し、
前記情報受信部は、前記携帯端末が前記第2通信方式で前記ユーザ識別情報を送信する機能が有効である場合に、前記第2通信方式により前記ユーザ識別情報を受信し、前記携帯端末が前記第2通信方式で前記ユーザ識別情報を送信する機能が有効になっていない場合に、前記第1通信方式により前記ユーザ識別情報を受信する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得するステップと、
前記セルの基地局において所定時間以内に前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、当該セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局において前記ユーザ識別情報を取得するステップと、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けられたテーブルを参照して、取得した前記セル識別情報に前記テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と、取得した前記ユーザ識別情報とが一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信するステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得するステップと、
前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けられたテーブルを参照して、取得した前記セル識別情報に前記テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と、取得した前記ユーザ識別情報とが一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信するステップと、
前記セル外へ移動した車両を識別するための車両識別情報を特定するステップと、
前記許可ユーザ識別情報と、前記ユーザの車両を識別するための車両識別情報とが関連付けられた所有者テーブルを参照して、前記車両識別情報を特定する前の所定の期間以内に、特定した前記車両識別情報に前記所有者テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と一致する前記ユーザ識別情報を取得していない場合に、当該許可ユーザ識別情報に対応する前記携帯端末へ前記車両が盗難されたことを示す情報を送信するステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末のユーザを認証する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設における入退場用のゲート装置を設け、ゲート装置を通過する利用者の認証を行う技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-144447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、施設における入退場用のゲート装置を通過する際にユーザの顔認証を行うことが記載されている。しかしながら、顔認証に長時間を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの認証に要する時間を短縮することができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得する取得部と、前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている許可ユーザ識別情報と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報が一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、を備える。
【0007】
前記記憶部は、前記許可ユーザが所有する車両を識別するための許可車両識別情報を記憶し、前記ゲートを通過する車両を撮像する撮像装置から取得した撮像画像に含まれる車両の車両識別情報を読み取る読取部を備え、前記信号送信部は、前記取得部が前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、前記読取部が読み取った前記車両識別情報と前記許可車両識別情報とが一致することを条件として、前記ゲートを開くための前記制御信号を前記ゲートに送信してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記セルの基地局において所定時間以内に前記ユーザ識別情報を取得できない場合に、当該セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局において前記ユーザ識別情報を取得してもよい。前記取得部は、前記ユーザに貸し出される貸出車両に乗車している前記ユーザの前記ユーザ識別情報を前記貸出車両から取得し、前記情報処理装置は、複数の前記ユーザの前記ユーザ識別情報を同じ前記貸出車両から前記取得部が取得した場合に、前記複数のユーザに所定の比率で前記施設の利用料金を分担することにより、前記複数のユーザそれぞれの利用料金を決定する料金決定部を備えてもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記施設に車両を駐車するときに前記信号送信部が前記制御信号を送信した入場時刻と、前記ユーザが当該施設から退場するときに前記信号送信部が前記制御信号を送信した退場時刻とに基づいて前記施設の利用料金を決定する料金決定部を備えてもよい。
【0010】
前記施設が駐車場であり、前記施設の利用料金を決定する料金決定部と、前記管理装置から前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得した場合に、駐車位置の番号を示す駐車番号情報を前記ユーザに送信し、前記駐車番号情報を前記ユーザに送信した後、ユーザにより指示された駐車位置の番号を示す指示番号情報を受信する通信制御部と、を備え、前記料金決定部は前記管理装置を介して前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得してから前記取得部が前記指示番号情報を取得するまでの時間に基づいて前記駐車場の利用料金を決してもよい。
【0011】
前記施設が駐車場であり、前記施設の利用料金を決定する料金決定部をさらに備え、前記取得部は、前記管理装置を介して、前記ユーザに貸し出される貸出車両に搭載された通信機器から当該貸出車両の利用履歴を示す利用履歴情報を取得し、前記料金決定部は、前記施設の利用料金を決定するとともに、前記利用履歴情報に基づいて、前記貸出車両の利用料金を決定してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記許可ユーザ識別情報と、前記ユーザの車両を識別するための車両識別情報とが関連付けられた所有者テーブルを記憶し、前記情報処理装置は、前記セル外へ移動した車両を識別するための車両識別情報を特定する特定部と、前記特定部が前記車両識別情報を特定する前の所定の期間以内に、前記特定部が特定した前記車両識別情報に前記所有者テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と一致する前記ユーザ識別情報を前記取得部が取得していない場合に、当該許可ユーザ識別情報に対応する前記携帯端末へ前記車両が盗難されたことを示す情報を送信する通信制御部と、を備えてもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報に基づいて、サービスを利用するサービス利用者を識別するための利用者登録情報を特定する特定部と、前記セル識別情報と前記施設を利用可能なサービス利用者を識別する許可利用者登録情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている前記許可利用者登録情報と前記特定部が特定した前記利用者登録情報とが一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、を備えてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報処理システムは、施設に設置されたゲートを制御する情報処理装置と、基地局を管理する管理装置とを含む情報処理システムにおいて、前記管理装置は、前記基地局のセル内の携帯端末から、前記携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受信する情報受信部と、前記ユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを前記情報処理装置に送信する情報送信部と、を有し、前記情報処理装置は、前記管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得する取得部と、前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けて記憶されている記憶部と、前記取得部が取得した前記セル識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている前記許可ユーザ識別情報と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報が一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信する信号送信部と、を有する。
【0015】
前記管理装置は、前記セル内の前記携帯端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で前記携帯端末と通信する第2通信部と、をさらに有し、前記情報受信部は、前記携帯端末が前記第2通信方式で前記ユーザ識別情報を送信する機能が有効である場合に、前記第2通信方式により前記ユーザ識別情報を受信し、前記携帯端末が前記第2通信方式で前記ユーザ識別情報を送信する機能が有効になっていない場合に、前記第1通信方式により前記ユーザ識別情報を受信してもよい。
【0016】
本発明の第3の態様の情報処理方法は、コンピュータが実行する、施設のゲートをセル内に含む基地局を管理する管理装置から、前記セル内の携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記セルを識別するためのセル識別情報とを取得するステップと、前記セル識別情報と前記施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とが関連付けられたテーブルを参照して、取得した前記セル識別情報に前記テーブルにおいて関連付けられた前記許可ユーザ識別情報と、取得した前記ユーザ識別情報とが一致する場合に、前記ゲートを制御するための制御信号を前記ゲートに送信するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの認証に要する時間を短縮するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の情報処理システムの概要について説明するための図である。
図2】管理装置の構成を示す。
図3】情報処理装置の構成を示す。
図4】取得部によるユーザ識別情報の取得方法の例を示す。
図5】ユーザが施設の利用を許可されているか否かを信号送信部が判定する例を示す。
図6】変形例のゲートの例を示す。
図7】情報処理装置によるゲートの制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概要について説明するための図である。情報処理システムSは、携帯端末100と、基地局200と、管理装置300と、情報処理装置400を備える。
【0020】
携帯端末100は、例えば、駐車場等の施設を利用するユーザが所有するスマートフォンである。携帯端末100は、基地局200を介して、管理装置300及び情報処理装置400と通信する。基地局200は、例えば、5Gのフェムトセル基地局である。基地局200は、マクロセル基地局に比べて狭いセルを有する。基地局200は、複数のセルを備えてもよい。基地局200は、ネットワークを介して、携帯端末100、管理装置300及び情報処理装置400と接続されている。基地局200は、施設に設置されたゲート500をセル内に含む。図1の例では、ゲート500は、施設の出入り口に設置される。
【0021】
管理装置300は、例えば、5Gコアネットワークの少なくとも一部を構成する制御装置である。管理装置300は、基地局200を管理する。管理装置300は、基地局200を介して、基地局200のセル内の携帯端末100と通信する。情報処理装置400は、管理装置300及びゲート500と通信する。情報処理装置400は、施設に設置されたゲート500を制御する。情報処理装置400は、基地局200のセルを識別するためのセル識別情報と、施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とを関連付けた許可ユーザテーブルを記憶部に記憶している。セル識別情報は、例えば基地局200を識別するための情報を含んでもよい。基地局200が複数のセルを有する場合、セル識別情報は、基地局200を識別するための情報と、基地局200が有する複数のセルそれぞれを識別するための情報とを含んでもよい。
【0022】
以下、図1中の処理の流れを説明する。携帯端末100は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を基地局200へ送信する(図1中の(1))。管理装置300は、基地局200を介して、基地局200のセル内の携帯端末100からユーザ識別情報を受信する(図1中の(1)及び(2))。このとき、管理装置300は、基地局200のセルを識別するためのセル識別情報をユーザ識別情報とともに基地局200から受信する。情報処理装置400は、ユーザ識別情報及びセル識別情報を管理装置300から取得する(図1中の(3))。情報処理装置400は、ユーザ識別情報及びセル識別情報に基づいてユーザを認証し、ユーザが施設を利用可能であることを認証できた場合に、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500へ送信する(図1中の(4))。
【0023】
情報処理装置400は、ユーザを認証するために、許可ユーザテーブルを記憶部から読み出す。情報処理装置400は、許可ユーザテーブルにおいて、管理装置300から取得したセル識別情報に関連付けて記憶されている一以上の許可ユーザ識別情報を特定する。情報処理装置400は、特定した一以上の許可ユーザ識別情報に、管理装置300から取得したユーザ識別情報が含まれているか否かを判定する。
【0024】
情報処理装置400は、管理装置300から取得したユーザ識別情報が、一以上の許可ユーザ識別情報のいずれかと一致する場合に、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500に送信する。このようにして、情報処理装置400は、携帯端末100から取得したユーザ識別情報を用いてユーザが施設の利用を許可されているか否かを判定する。情報処理システムSが以上のように構成されていることで、ユーザがパスワードを装置に入力したり、顔認証用の顔画像を撮影するカメラの前でユーザが静止したりすることなく、ユーザが施設を利用できるか否かが認証される。このため、情報処理装置400は、ユーザが施設の利用を許可されているか否かをパスワード認証又は顔認証により判定する場合に比べて、認証に要する時間を短縮することができる。
【0025】
[管理装置300の構成]
図2は、管理装置300の構成を示す。管理装置300は、通信部1、記憶部2及び制御部3を備える。通信部1は、ネットワークを介して、基地局200及び情報処理装置400と通信するためのインターフェースである。通信部1は、第1通信部11、第2通信部12及び第3通信部13を備える。第1通信部11は、基地局200を介して、基地局200のセル内の携帯端末100と通信する。このとき、携帯端末100と基地局200との間の通信は、第1通信方式で行われる。例えば、第1通信部11は、LTEに対応する第1通信方式により携帯端末100と通信する。
【0026】
第2通信部12は、基地局200を介して、携帯端末100と通信する。このとき、携帯端末100と基地局200との間の通信は、第1通信方式とは異なる第2通信方式で行われる。例えば、第2通信部12は、携帯端末100のビーコン機能を利用して、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)又はBLE(Bluetooth Low Energy)に対応する第2通信方式により携帯端末100と通信する。第3通信部13は、ネットワークを介して、情報処理装置400と通信する。
【0027】
記憶部2は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部2は、制御部3が実行するプログラムを記憶している。制御部3は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部3は、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することにより、情報受信部31及び情報送信部32として機能する。
【0028】
情報受信部31は、第1通信部11又は第2通信部12を介して、基地局200のセル内の携帯端末100から、携帯端末100のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受信する。ユーザ識別情報は、例えば、携帯電話事業者により割り当てられたユーザに固有のユーザID、携帯端末100の携帯電話番号又は電子メールアドレスである。情報送信部32は、携帯端末100が第2通信方式でユーザ識別情報を送信する機能が有効である場合に、第2通信部12を介して、第2通信方式によりユーザ識別情報を受信する。情報受信部31は、携帯端末100が第2通信方式でユーザ識別情報を送信する機能が有効になっていない場合に、第1通信部11を介して、第1通信方式によりユーザ識別情報を受信する。情報受信部31は、携帯端末100を含むセルを識別するセル識別情報をユーザ識別情報とともに基地局200から受信する。情報受信部31は、受信したユーザ識別情報及びセル識別情報を情報送信部32へ出力する。
【0029】
情報送信部32は、第3通信部13を介して、情報処理装置400と通信する。情報送信部32は、情報受信部31が受信したユーザ識別情報と、基地局を識別するためのセル識別情報とを情報処理装置400へ送信する。
【0030】
[情報処理装置400の構成]
図3は、情報処理装置400の構成を示す。情報処理装置400は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。制御部43は、取得部431、読取部432、信号送信部433、料金決定部434、通信制御部435及び特定部436を備える。
【0031】
通信部41は、管理装置300及びゲート500と通信するためのインターフェースである。通信部41は、施設の利用料金を決済するための決済装置(不図示)と通信する。記憶部42は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶している。記憶部42は、セルを識別するためのセル識別情報と、施設を利用可能な許可ユーザの許可ユーザ識別情報とを関連付けた許可ユーザテーブルを記憶している。記憶部42は、セル識別情報に関連付けて、許可ユーザが所有する車両を識別するための許可車両識別情報を記憶していてもよい。
【0032】
制御部43は、例えばCPUである。制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部431、読取部432、信号送信部433、料金決定部434及び通信制御部435、特定部436として機能する。
【0033】
取得部431は、通信部41を介して、施設のゲート500をセル内に含む基地局200を管理する管理装置300と通信する。取得部431は、セル内の携帯端末100のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、この基地局200のセルを識別するためのセル識別情報とを管理装置300から取得する。本明細書の例では、取得部431は、管理装置300のNEF(Network Exposure Function)-API(Application Programming Interface)機能を利用して、基地局200のセル内に携帯端末100のユーザが進入すると管理装置300から通知を取得するように管理装置300に予め登録する。この登録により、取得部431は、基地局200のセル内に携帯端末100のユーザが進入した場合に、ユーザ識別情報とセル識別情報とを管理装置300から取得する。
【0034】
取得部431は、ユーザに貸し出される貸出車両にユーザが乗車している場合には、基地局200のセル内においてこの貸出車両と通信する。取得部431は、貸出車両に乗車しているユーザのユーザ識別情報を貸出車両から取得する。例えば、取得部431は、貸出車両に搭載されている通信機器からユーザ識別情報を取得する。取得部431は、管理装置300を介して、ユーザに貸し出される貸出車両に搭載された通信機器から、貸出車両の利用履歴を示す利用履歴情報を取得する。取得部431は、複数のユーザが同じ貸出車両に乗車している場合には、複数のユーザの識別情報をそれぞれ貸出車両の通信機器から取得する。
【0035】
取得部431は、基地局200において所定時間以内にユーザ識別情報を取得できない場合に、セルの少なくとも一部を含む他のセルの基地局においてユーザ識別情報を取得する。所定時間は、例えば、ユーザ識別情報を数回送信するのに要する時間である。他のセルの基地局は、例えば、マクロセル基地局である。図4は、取得部431によるユーザ識別情報の取得方法の例を示す。図4の例では、携帯端末100のユーザ(図4中の車両)は、基地局200のセルA内に所在し、且つ、他の基地局600のセルBにも所在するものとする。セルBは、セルAの少なくとも一部を含む。
【0036】
取得部431は、基地局200を介して、携帯端末100にユーザ識別情報を要求する。取得部431は、基地局200において携帯端末100にユーザ識別情報を要求してから所定時間以内にユーザ識別情報を取得できない場合に、他の基地局600を介して、ユーザ識別情報を携帯端末100から取得する。取得部431は、セルA及びセルBのうち、比較的狭いセルAから優先的にユーザ識別情報を取得することにより、ユーザの位置を精度よく特定することができる。取得部431は、複数のセルを利用してユーザ識別情報を取得することにより、セルA内のユーザを把握できなくなることを抑制することができる。
【0037】
読取部432は、ゲート500を通過する車両を撮像する撮像装置(不図示)と通信部41を介して通信する。読取部432は、撮像装置から撮像画像を取得する。読取部432は、取得した撮像画像に含まれる車両の車両識別情報を読み取る。車両識別情報は、例えば、自動車登録番号である。読取部432は、読み取った車両識別情報を信号送信部433へ出力する。
【0038】
[ゲートの制御]
信号送信部433は、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500に送信する。本明細書の例では、制御信号は、ゲート500を開くためのものである。信号送信部433は、記憶部42に記憶されている許可ユーザテーブルを参照して、ユーザが施設の利用を許可されているか否か判定する。
【0039】
信号送信部433は、取得部431が取得したセル識別情報に許可ユーザテーブルにおいて関連付けられて記憶部42に記憶されている許可ユーザ識別情報を特定する。信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致する場合に、ユーザが施設の利用を許可されていると判定し、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500に送信する。一方、信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致しない場合に、ユーザが施設の利用を許可されていないと判定し、制御信号をゲート500に送信しない。
【0040】
図5は、許可ユーザテーブルの例を示す。図5の最上段の例では、許可ユーザ識別情報「080-XXXX-XXXX」と、セル識別情報「A」とが関連付けられて記憶されている。取得部431は、ユーザ識別情報「080―XXXX-XXXX」と、セル識別情報「A」とを取得したものとする。このとき、信号送信部433は、セル識別情報「A」に許可ユーザテーブルにおいて関連付けられたユーザAの許可ユーザ識別情報「080-XXXX-XXXX」及びユーザBの許可ユーザ識別情報「070-YYYY-YYYY」を特定する。
【0041】
信号送信部433は、特定した2つの許可ユーザ識別情報のいずれかと、取得部431が取得したユーザ識別情報とが一致するか否かを判定する。信号送信部433は、取得部431が取得したユーザ識別情報「080―XXXX-XXXX」と、ユーザAの許可ユーザ識別情報「080-XXXX-XXXX」とが一致すると判定し、ゲート500を開くための制御信号をゲート500へ送信する。
【0042】
ユーザが携帯端末100を所持していない場合には、取得部431は、このユーザのユーザ識別情報を取得することができない。このとき、信号送信部433は、ユーザ識別情報の代わりに、ユーザが乗車している車両を識別するための車両識別情報を用いて、制御信号をゲート500へ送信するか否かを判定する。
【0043】
より詳しくは、信号送信部433は、取得部431がユーザ識別情報を取得できない場合に、記憶部42に記憶されている複数の許可車両識別情報を読み出す。許可車両識別情報は、施設の利用を許可されているユーザが所有する車両の車両識別情報である。信号送信部433は、読取部432が読み取った車両識別情報と、記憶部42から読み出した許可車両識別情報とが一致するか否かを判定する。信号送信部433は、読取部432が読み取った車両識別情報と、記憶部42から読み出した複数の許可車両識別情報のいずれかとが一致する場合に、ゲート500を開くための制御情報をゲート500に送信する。一方、信号送信部433は、読取部432が読み取った車両識別情報と、記憶部42から読み出した複数の許可車両識別情報とがいずれも一致しない場合に、制御情報をゲート500に送信しない。
【0044】
[料金の決定]
料金決定部434は、ユーザが施設を利用する利用料金を決定する。例えば、料金決定部434は、施設が駐車場である場合には、施設としての駐車場の利用料金を決定する。ゲート500は、ユーザが施設に車両を駐車するときと、ユーザが施設から退場するときとにそれぞれ信号送信部433により制御されるものとする。料金決定部434は、ユーザが施設に車両を駐車するときに信号送信部433が制御信号をゲート500へ送信した入場時刻を記憶部42に記憶させておく。料金決定部434は、記憶部42が記憶しているユーザの入場時刻と、ユーザが施設から退場するときに信号送信部433が制御信号をゲート500へ送信した退場時刻とに基づいて施設の利用料金を決定する。
【0045】
料金決定部434は、施設としての駐車場の利用料金を決定する例に限定されない。例えば、料金決定部は、EV(Electric Vehicle)充電ステーションの利用料金を決定してもよい。料金決定部434は、駐車場の利用料金を決定する場合と同様に、ユーザの入場時刻及び退場時刻に基づいて、施設としてのEV充電ステーションの利用料金を決定してもよい。
【0046】
料金決定部434は、ユーザが貸出車両に乗車している場合には、施設の利用料金とともに、貸出車両の利用料金を決定してもよい。例えば、料金決定部434は、取得部431が貸出車両に搭載された通信機器から取得した利用履歴情報に基づいて、貸出車両の利用料金を決定する。例えば、料金決定部434は、利用履歴情報に基づいて、ユーザが貸出車両を利用した貸出時間を特定する。料金決定部434は、特定した貸出時間に基づいて、貸出車両の利用料金を決定する。
【0047】
料金決定部434は、取得部431が複数のユーザのユーザ識別情報を同じ貸出車両から取得した場合には、取得した複数のユーザ識別情報に対応する複数のユーザに所定の比率で施設の利用料金を分担することにより、複数のユーザそれぞれの利用料金を決定する。所定の比率は、複数のユーザにより予め指定される。料金決定部434は、決定した施設の利用料金と、貸出車両の利用料金とを示す情報を通信制御部435へ出力する。
【0048】
通信制御部435は、通信部41を介して、携帯端末100と、施設の利用料金を決済するための決済装置(不図示)と通信する。通信制御部435は、料金決定部434が決定したユーザの施設の利用料金を示す情報を携帯端末100へ送信する。例えば、通信制御部435は、料金決定部434が決定したユーザの施設の利用料金を示す電子メールを携帯端末100へ送信する。通信制御部435は、料金決定部434がユーザの貸出車両の利用料金を示す情報を決定した場合には、貸出車両の利用料金を示す情報を携帯端末100へ送信する。
【0049】
通信制御部435は、料金決定部434が決定したユーザの施設の利用料金を決済することを要求する要求情報を決済装置へ送信する。通信制御部435は、料金決定部434がユーザの貸出車両の利用料金を示す情報を決定した場合には、ユーザの貸出車両の利用料金を決済することを要求する要求情報を決済装置へ送信する。
【0050】
<車両が属するグループを示す情報に基づいてゲート500を制御する変形例>
第1の実施形態では、信号送信部433は、取得部431がユーザ識別情報を取得できない場合に、車両を識別する車両識別情報を用いて、制御信号をゲート500へ送信するか否かを判定する例について説明した。信号送信部433は、車両識別情報の代わりに、車両が属するグループを識別する車両グループ識別情報を用いて、制御信号をゲート500へ送信するか否かを判定してもよい。車両グループ識別情報は、例えば、車両を管理する事業者を識別する番号である。記憶部42には、施設の利用が許可されている車両のグループを識別する複数の許可車両グループ識別情報が記憶されている。
【0051】
取得部431は、車両に搭載された通信機器から、車両グループ識別情報を取得する。このとき、取得部431は、車両を含むセルを識別するセル識別情報を車両グループ識別情報とともに取得する。
【0052】
信号送信部433は、取得部431がユーザ識別情報を取得できない場合に、記憶部42に記憶されている複数の許可車両グループ識別情報を記憶部42から読み出す。信号送信部433は、取得部431が取得した車両識別情報と、記憶部42から読み出した複数の許可車両グループ識別情報のいずれかとが一致するか否かを判定する。信号送信部433は、取得部431が取得した車両グループ識別情報と、記憶部42から読み出した複数の許可車両グループ識別情報のいずれかとが一致する場合に、制御情報をゲート500へ送信する。一方、信号送信部433は、取得部431が取得した車両識別情報と、記憶部42から読み出した複数の許可グループ車両識別情報とがいずれも一致しない場合に、制御情報をゲート500に送信しない。
【0053】
<ユーザが乗車中であるか否かを判定する変形例>
信号送信部433は、施設が駐車場である場合には、車両に人が乗車していることを条件として、制御情報をゲート500へ送信してもよい。取得部431は、基地局200のセル内を撮像する撮像装置(不図示)が生成した撮像画像を取得する。信号送信部433は、取得した撮像画像を解析することにより、撮像画像において車両に人が乗車しているか否かを判定する。
【0054】
信号送信部433は、記憶部42に記憶されている許可ユーザテーブルを参照して、取得部431が取得したセル識別情報に関連付けられた許可ユーザ識別情報を特定する。信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致し、かつ、取得部431が取得した撮像画像において車両に人が乗車していると判定した場合に、制御信号をゲート500に送信する。一方、信号送信部433は、撮像画像に車両が含まれていないと判定した場合、又は、撮像画像において車両に人が乗車していないと判定した場合には、制御信号をゲート500に送信しない。このようにして、信号送信部433は、施設の周辺にユーザが乗車していない車両が駐車中である場合に、ゲート500を誤って開くことを抑制することができる。
【0055】
<車両の盗難を通知する変形例>
通信制御部435は、車両の盗難を検知して、盗難された車両を所有するユーザの携帯端末100へ通知してもよい。本変形例において記憶部42には、施設の利用可能なユーザを識別する許可ユーザ識別情報と、ユーザの車両を識別するための車両識別情報とが関連付けられた所有者テーブルが記憶されている。
【0056】
特定部436は、セル外へ移動した車両の車両識別情報を特定する。特定部436は、記憶部42に記憶されている所有者テーブルを参照して、特定した車両識別情報に対応する許可ユーザ識別情報を特定する。より詳しくは、特定部436は、通信部41を介して、施設の周辺に設置された無線機器が車両から受信した車両識別情報を取得することにより、セル外へ移動した車両の車両識別情報を特定する。また、特定部436は、施設の周辺に設置された撮像装置が撮像した車両の撮像画像を取得してもよい。特定部436は、取得した撮像画像に含まれる車両の車両識別情報を読み取ることにより、セル外へ移動した車両の車両識別情報を特定してもよい。
【0057】
特定部436は、記憶部42に記憶されている所有者テーブルを記憶部42から読み出す。特定部436は、特定した車両識別情報と所有者テーブルにおいて関連付けられて記憶部42に記憶されている許可ユーザ識別情報を特定する。
【0058】
通信制御部435は、特定部436が車両識別情報を特定する前の所定の期間以内に、特定部436が特定した許可ユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報を取得部431が取得したか否かを判定する。所定の期間は、施設内に駐車中の車両がセル外に移動するのに要する時間として想定される最長の時間である。
【0059】
通信制御部435は、特定部436が特定した許可ユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報を取得部431が取得していないと判定した場合に、この許可ユーザ識別情報に対応する携帯端末へ車両が盗難されたことを示す情報を送信する。一方、通信制御部435は、特定部436が特定したユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報を、取得部431が取得したと判定した場合に、車両が盗難されたことを示す情報を送信しない。このようにして、特定部436は、ゲート500を通過せずにセル外へ移動した車両を特定することにより、車両が盗難されたことを把握し、車両のユーザに車両が盗難されたことを通知することができる。
【0060】
<サービスを利用するための情報に基づいて、ゲートを制御する変形例>
信号送信部433は、ユーザ識別情報の代わりに、サービスを利用するサービス利用者を識別するための利用者登録情報に基づいて、サービス利用者が施設の利用を許可されているか否かを判定してもよい。本変形例において記憶部42には、セル識別情報と、施設を利用可能なサービス利用者を識別する許可利用者登録情報とを関連付けた登録ユーザテーブルが記憶されている。
【0061】
特定部436は、取得部431が取得したユーザ識別情報に基づいて、サービスを利用するサービス利用者を識別するための利用者登録情報を特定する。例えば、利用者登録情報は、駐車場のサービス利用者の登録番号である。
【0062】
信号送信部433は、登録ユーザテーブルを記憶部42から読み出す。信号送信部433は、取得部431が取得したセル識別情報と登録ユーザテーブルにおいて関連付けられて記憶部42に記憶されている許可利用者登録情報を特定する。信号送信部433は、特定した許可利用者登録情報と、特定部436が特定した利用者登録情報とが一致するか否かを判定する。信号送信部433は、特定した許可利用者登録情報と、特定部436が特定した利用者登録情報とが一致すると判定した場合に、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500に送信する。一方、信号送信部433は、特定した許可利用者登録情報と、特定部436が特定した利用者登録情報とが一致しないと判定した場合に、ゲート500を制御するための制御信号をゲート500に送信しない。
【0063】
<駐車位置ごとにゲート500が設けられる変形例>
ゲート500は、施設の出入り口に設けられる例に限定されない。例えば、ゲート500は、車両の駐車位置ごとに設けられてもよい。図6は、本変形例のゲート500の例を示す。図6の例では、ゲート500は、駐車中の車両を車止めするためのロック板であるものとする。
【0064】
本変形例では、駐車場の駐車位置をセルAに含む基地局200が、車両の駐車位置ごとに設けられている。取得部431は、ユーザが車両を駐車位置に駐車する際に、ユーザのユーザ識別情報と、セル識別情報とを、基地局200を介して取得する。このとき、ゲート500は、駐車された車両を検知して車両を車止めするものとする。
【0065】
情報処理装置400の通信制御部435は、管理装置300からユーザ識別情報を取得部431が取得した場合に、駐車位置の番号を示す駐車番号情報をユーザの携帯端末100に送信する。取得部431は、このユーザは一時的に施設を利用可能な許可ユーザであるものとして扱い、このユーザのユーザ識別情報を許可ユーザ識別情報として登録する。このとき、取得部431は、取得したセル識別情報と、取得した許可ユーザ識別情報とを関連付けた許可ユーザテーブルを記憶部42に記憶させる。
【0066】
情報処理装置400の通信制御部435は、駐車番号情報をユーザの携帯端末100へ送信した後、ユーザにより指示された番号を示す指示番号情報を携帯端末100から受信する。より詳しくは、ユーザの携帯端末100は、ユーザが駐車場の利用料金を精算する際に、精算対象の駐車位置の番号を指示するユーザの操作を受け付け、受け付けた駐車位置の番号を示す指示番号情報と、ユーザ識別情報とを、基地局200を介して情報処理装置400へ送信する。
【0067】
取得部431は、通信部41を介して、指示番号情報と、駐車位置をセルに含む基地局200のセル識別情報と、ユーザ識別情報とを携帯端末100から取得する。料金決定部434は、ユーザが車両を駐車する際にユーザ識別情報を取得部431が管理装置300から取得してから、指示番号情報を携帯端末100から取得するまでの時間に基づいて、駐車場の利用料金を決定する。料金決定部434は、施設の利用料金として、四輪自動車が駐車する駐車場の利用料金を決定する例に限定されず、自転車又はバイクが駐車する駐車場の利用料金を決定してもよい。
【0068】
信号送信部433は、取得部431が指示番号情報とともに取得したセル識別情報に許可ユーザテーブルにおいて関連付けられて記憶部42に記憶されている許可ユーザ識別情報を特定する。信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致する場合に、ゲート500を開くための制御信号をゲート500に送信する。
【0069】
<セル内の人を検知する変形例>
信号送信部433は、基地局200のセルと少なくとも一部が一致する検知位置に所在する人を検知する外部装置の検知結果に基づいて、ゲート500を開くための制御信号をゲート500へ送信してもよい。外部装置は、例えば、赤外線センサである。信号送信部433は、検知位置に所在する人を検知する外部装置の検知結果を取得する。信号送信部433は、外部装置の検知結果に基づいて、検知位置に人が所在するか否かを特定する。
【0070】
信号送信部433は、取得部431が取得したセル識別情報に対応する許可利用者登録情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報とが一致し、且つ、検知位置に人が所在する場合に、制御信号をゲート500に送信する。一方、信号送信部433は、取得部431が取得したセル識別情報に対応する許可利用者登録情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報とが一致しない場合、又は、検知位置に人が所在しない場合に、制御信号をゲート500に送信しない。
【0071】
<ゲートの制御の処理手順>
図7は、情報処理装置400によるゲート500の制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、携帯端末100のユーザが基地局200のセル内に進入したときに開始される。
【0072】
まず、取得部431は、基地局200を管理する管理装置300から、セル内の携帯端末100のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、このセルを識別するためのセル識別情報とを取得する(S101)。信号送信部433は、取得部431が取得したセル識別情報と許可ユーザテーブルにおいて関連付けられて記憶部42に記憶されている許可ユーザ識別情報を特定する。信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致するか否かを判定する(S102)。
【0073】
信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致する場合に(S102のYES)、ゲート500を開くための制御信号をゲート500に送信し(S103)、処理を終了する。一方、信号送信部433は、特定した許可ユーザ識別情報と、取得部431が取得したユーザ識別情報が一致しない場合に(S102のNO)、ゲート500を開くための制御信号を送信することなく、処理を終了する。
【0074】
[本発明による効果]
本実施形態の情報処理装置400によれば、信号送信部433は、携帯端末100から取得したユーザ識別情報を用いてユーザが施設の利用を許可されているか否かを判定する。このため、信号送信部433は、ユーザが施設の利用を許可されているか否かをパスワード認証又は顔認証により判定する場合に比べて、判定に要する時間を短縮することができる。なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 通信部
2 記憶部
3 制御部
11 第1通信部
12 第2通信部
13 第3通信部
31 情報受信部
32 情報送信部
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
100 携帯端末
200 基地局
300 管理装置
400 情報処理装置
431 取得部
432 読取部
433 信号送信部
434 料金決定部
435 通信制御部
436 特定部
500 ゲート
600 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7