(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】締め付け固定キット
(51)【国際特許分類】
G04G 17/06 20060101AFI20221202BHJP
G04G 17/02 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
G04G17/06
G04G17/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021074667
(22)【出願日】2021-04-27
【審査請求日】2021-04-27
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・バルメ
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-101989(JP,U)
【文献】特表平8-502875(JP,A)
【文献】特開2000-175403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
H02K 37/00-37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのチューブ(200)
又は少なくとも1つのパイプ(200
)を締め付け固定し、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を少なくとも1つの支持体(300)に電気的に接続するための締め付け固定デバイス(100)であって、
前記締め付け固定デバイス(100)には、少なくとも1つの入口領域(110)と、少なくとも1つの締め付け固定領域(120)と、少なくとも1つの1つの導電体(101)があり、
前記少なくとも1つの入口領域(110)は、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を入れるように構成しており、
前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)は、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に締め付け固定するように構成しており、
前記少なくとも1つの導電体(101)は、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に電気的に接続するように構成している
ことを特徴とする締め付け固定デバイス(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)は、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)にピン止め固定するように構成している
ことを特徴とする請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)は、前記少なくとも1つの入口領域(110)よりも、弾性変形できる又は弾性変形しにくい
ことを特徴とする請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)。
【請求項4】
前記締め付け固定デバイス(100)を安定化させるように構成している、又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)が前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に締め付け固定するときに
、前記締め付け固定デバイス(100
)を安定化させるように構成している
、少なくとも1つの安定化メンバー(130)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの確実化固定メンバー(140)を備え、この確実化固定メンバー(140)は、前記締め付け固定デバイス(100)を前記少なくとも1つの支持体(300)に確実化固定するように構成しており、
又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)が前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に締め付け固定するときに前記締め付け固定デバイス(100)を確実化固定するように構成している
ことを特徴とする請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの確実化固定メンバー(140)を備え、
前記少なくとも1つの安定化メンバー(130)及び/又は前記少なくとも1つの確実化固定メンバー(140)は、前記少なくとも1つの導電体(101)である
ことを特徴とする請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の締め付け固定デバイス(100)の前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)と連係するように構成している少なくとも1つの溝(220)がある
ことを特徴とするチューブ(200)
又はパイプ(200)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのチューブ(200)は、前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を安定化させるように構成している
、少なくとも1つの支持メンバー(240)
又は少なくとも1つのカラ
ーを備える
ことを特徴とする請求項7に記載のチューブ(200)
又はパイプ(200)。
【請求項9】
少なくとも1つの導電性面(310)がある支持体(300)であって、
前記導電性面(310)は、請求項1~6のいずれか一項に記載の締め付け固定デバイス(100)の前記少なくとも1つの導電体(101)を用いて、請求項7又は8に記載のチューブ(200)
又はパイプ(200
)に電気的に接続されるように構成している
ことを特徴とする支持体(300)。
【請求項10】
前記締め付け固定デバイス(100)の前記少なくとも1つの確実化固定メンバー(140)と連係するように構成している確実化固定領域(340)がある
ことを特徴とする請求項9に記載の支持体(300)。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項7に記載の締め付け固定デバイス(100)と、
少なくとも1つの請求項7に記載のチューブ(200)
又はパイプ(200)と、
少なくとも1つの請求項9に記載の支持体(300)と
を備えることを特徴とする締め付け固定キット(400)。
【請求項12】
少なくとも1つの請求項1に記載の締め付け固定デバイス(100)を用いて、少なくとも1つの請求項7に記載のチューブ(200)
又はパイプ(200
)を少なくとも1つの請求項9に記載の支持体(300)に締め付け固定して電気的に接続するための締め付け固定方法(500)であって、
前記締め付け固定方法(500)は、
前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス(100)の前記少なくとも1つの入口領域(110)に入れるステップ(510)と、
前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)が前記少なくとも1つの入口領域(110)から前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)へと動くように、前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス(100)を動かすステップ(520)と、
前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの締め付け固定領域(120)に挿入するステップ(530)と、
前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に締め付け固定するステップ(540)と、及び
前記少なくとも1つのチューブ(200)
又は前記少なくとも1つのパイプ(200
)を前記少なくとも1つの支持体(300)に電気的に接続するステップ(550)
のうちの少なくとも1つのステップを備える
ことを特徴とする締め付け固定方法(500)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの支持体(300)に少なくとも1回確実化固定するステップ(5
60)を備える
ことを特徴とする請求項12に記載の締め付け固定方法(500)。
【請求項14】
前記入れるステップ(510)、前記動かすステップ(520)、前記挿入するステップ(530)、前記締め付け固定するステップ(540)、前記接続するステップ(550)及び/又は前記確実化固定するステップ(560)のうちの少なくとも1つのステップを順次的かつ/又は同時に行う
ことを特徴とする請求項
13に記載の締め付け固定方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)に関し、より詳細には、クォーツ式携行型時計に関する。
【背景技術】
【0002】
針を備える携行型時計の一部においては、電気的接触が確立されていることが必要となる。しかし、携行型時計の寿命の初期に電気的接触が確立されていても、電気的接触が劣化して結局電気的接触がなくなってしまうことがある。
【0003】
実際に、この電気的接触は、様々な部品の組み付け時、特に、モーターモジュールの組み付け時に、確立される。すなわち、まず、金属要素が支持体に入り込み、そして、センサーなどを備える電子基板が前記電気要素と組み付けられ、その後にそのアセンブリーが前記支持体に締め付け固定される。前記金属要素は、信号を通過させることができるように、メタライズ領域を用いて、前記電子基板、特に、前記電子基板の本体、に接続される。
【0004】
上述したように、組み付け時に、公差が平均よりも小さい場合には、様々な要素の公差が蓄積されることなどによって、これらの要素の締め付け固定の効果がますます弱くなって、間隙が発生したりし、また、反対に公差が平均よりも大きい場合にも、アセンブリーの部品のすべて又は一部を劣化させてしまうほど締め付け固定がきつすぎて前記電子基板が割れてしまって、同様に間隙が発生したりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも1つのチューブ、好ましくは少なくとも1つのパイプ、を締め付け固定し、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を少なくとも1つの支持体に電気的に接続するための締め付け固定デバイスを用いて上述した課題のすべて又は一部を解決することを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記締め付け固定デバイスには、少なくとも1つの入口領域と、少なくとも1つの締め付け固定領域と、少なくとも1つの1つの導電体があり、前記少なくとも1つの入口領域は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を入れるように構成しており、前記少なくとも1つの締め付け固定領域は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定するように構成しており、前記少なくとも1つの導電体は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に電気的に接続するように構成している。
【0007】
一実施形態において、前記締め付け固定デバイスは、キー(鍵)である。
【0008】
一実施形態において、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つの導電体である。
【0009】
この構成のおかげで、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の恒久的な軸方向の電気的接触を確実にすることによって、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の軸方向の間隙を最小化しつつ、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定することを可能にしている。
【0010】
一実施形態において、前記少なくとも1つの入口領域と前記少なくとも1つの締め付け固定領域どうしは、同一平面上にある。
【0011】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つの入口領域と前記少なくとも1つの締め付け固定領域とによって形成される平面に平行に前記締め付け固定デバイスを動かすことによって、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの入口領域に入れ、これを前記少なくとも1つの締め付け固定領域内にて又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域を介して、締め付け固定することが可能となる。
【0012】
一実施形態において、前記少なくとも1つの締め付け固定領域は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体にピン止め固定するように構成している。
【0013】
この構成のおかげで、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の間隙を最小化し、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の電気的接触を確実にすることを可能にする。
【0014】
一実施形態において、前記少なくとも1つの締め付け固定領域は、前記少なくとも1つの入口領域よりも、弾性変形できる又は弾性変形しにくい。
【0015】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つの締め付け固定領域は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、に力を与えることによって、前記少なくとも1つの支持体に前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を締め付け固定するように変形することができる。
【0016】
一実施形態において、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つの締め付け固定領域が前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定するときに、前記締め付け固定デバイス、好ましくは前記締め付け固定デバイス、を安定化させるように構成している少なくとも1つの安定化メンバーを備える。
【0017】
一実施形態において、前記少なくとも1つの安定化メンバーは、前記締め付け固定デバイスとともに突き出ている。
【0018】
一実施形態において、前記少なくとも1つの安定化メンバーは、前記少なくとも1つの入口領域及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域の境界を定める。
【0019】
これらの構成の1つ又は他の構成のおかげで、前記少なくとも1つの安定化メンバーは、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の間隙を安定化かつ/又は最小化し、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の電気的接触を確実にすることを可能にする。
【0020】
一実施形態において、前記締め付け固定デバイスは、少なくとも1つの確実化固定メンバーを備え、この確実化固定メンバーは、前記締め付け固定デバイスを前記少なくとも1つの支持体に確実化固定するように構成しており、好ましくは、前記少なくとも1つの締め付け固定領域が前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定するときに前記締め付け固定デバイスを確実化固定するように構成している。
【0021】
一実施形態において、前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、前記締め付け固定デバイスとともに突き出ている。
【0022】
一実施形態において、前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、キャッチである。
【0023】
一実施形態において、前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、前記少なくとも1つの入口領域及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域の前記平面に対して突き出ている。
【0024】
一実施形態において、前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、前記少なくとも1つの入口領域及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域と同一平面上にある。
【0025】
これらの構成の1つ又は他の構成のおかげで、前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、前記締め付け固定デバイスの運動を制限することによって前記締め付け固定デバイスを前記少なくとも1つの支持体に確実化固定し、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、の前記少なくとも1つの支持体に対する締め付け固定を確実にすることができる。
【0026】
一実施形態において、前記少なくとも1つの安定化メンバー及び/又は前記少なくとも1つの確実化固定メンバーは、前記少なくとも1つの導電体である。
【0027】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つの安定化メンバー及び/又は前記少なくとも1つの確実化固定メンバーによって電気的接触が行われる。
【0028】
本発明は、本発明に係る前記締め付け固定デバイスの前記少なくとも1つの締め付け固定領域と連係するように構成している少なくとも1つの溝があるチューブ、好ましくはパイプ、に関する。
【0029】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの入口領域に入れ、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定するように前記少なくとも1つの溝の部分を前記少なくとも1つの締め付け固定領域に挿入することが可能となる。
【0030】
本発明は、本発明に係る前記締め付け固定デバイスの前記少なくとも1つの導電体によって、本発明に係る前記チューブ、好ましくは前記パイプ、に電気的に接続されるように構成している少なくとも1つの導電性面を備える支持体に関する。
【0031】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つの支持体は、前記締め付け固定デバイスを用いて、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、との電気的接触を確実にする。
【0032】
一実施形態において、前記支持体には、前記締め付け固定デバイスの前記少なくとも1つの確実化固定メンバーと連係するように構成している確実化固定領域がある。
【0033】
一実施形態において、前記確実化固定領域は、ノッチによって形成される。
【0034】
これらの構成の1つ又は他の構成のおかげで、前記締め付け固定デバイスを半径方向の位置にロックすることができる。
【0035】
本発明は、
- 本発明に係る少なくとも1つの締め付け固定デバイスと、
- 本発明に係る少なくとも1つのチューブ、好ましくは少なくとも1つのパイプと、及び
- 本発明に係る少なくとも1つの支持体と
を少なくとも備える締め付け固定キットに関する。
【0036】
この構成のおかげで、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の間隙を最小化しつつ、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の電気的接触を確実にすることによって、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定することを可能にする。
【0037】
本発明は、本発明に係る締め付け固定デバイスを用いて、少なくとも1つの本発明に係るチューブ、好ましくはパイプ、を少なくとも1つの本発明に係る支持体に締め付け固定して電気的に接続するための締め付け固定方法に関する。前記締め付け固定方法は、
- 前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの締め付け固定デバイスの前記少なくとも1つの入口領域に入れるステップと、
- 前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、が前記少なくとも1つの入口領域から前記少なくとも1つの締め付け固定領域へと動くように、前記少なくとも1つの締め付け固定デバイスを動かすステップと、
- 前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの締め付け固定領域に挿入するステップと、
- 前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定するステップと、及び
- 前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に電気的に接続するステップ
のうちの少なくとも1つのステップを備える。
【0038】
この構成のおかげで、前記締め付け固定方法は、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の軸方向の間隙を最小にしつつ、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、と前記少なくとも1つの支持体の間の恒久的な軸方向の電気的接触を確実にすることによって、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を前記少なくとも1つの支持体に締め付け固定することを可能にしている。
【0039】
一実施形態において、前記締め付け固定方法は、前記少なくとも1つの支持体に少なくとも1回確実化固定するステップを備える。
【0040】
この構成のおかげで、前記少なくとも1つの支持体は確実化固定される。
【0041】
一実施形態において、前記入れるステップ、前記動かすステップ、前記挿入するステップ、前記締め付け固定するステップ、前記接続するステップ及び/又は前記確実化固定するステップの少なくとも1つのステップを順次的かつ/又は同時に行う。
【0042】
この構成のおかげで、前記締め付け固定デバイスは、前記少なくとも1つのチューブ、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ、を少なくとも1つの支持体に容易に締め付け固定する。
【0043】
以下、例として与えられる添付の図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】一実施形態に係る少なくとも1つの締め付け固定デバイス100を示している。
【
図2】一実施形態に係る、少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を示している。
【
図3】一実施形態に係る少なくとも1つの支持体300を示している。
【
図4A】
図4A~4Cは、一実施形態に係る前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100を用いて、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定し電気的に接続するための締め付け固定方法500を示している。
【
図4B】
図4A~4Cは、一実施形態に係る前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100を用いて、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定し電気的に接続するための締め付け固定方法500を示している。
【
図4C】
図4A~4Cは、一実施形態に係る前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100を用いて、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定し電気的に接続するための締め付け固定方法500を示している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
針を備える携行型時計の一部においては、その携行型時計の適切な動作のために、十分な電気的接触ないし電気的接続が必要となる。組み付け時又は出願人の基準に基づく非常に厳しい品質管理を行っているときに、何らかの欠陥が見つかることがあるが、このような欠陥がまれに製品の完成後に発生することがあり、製品の寿命を短くしてしまうおそれがある。
【0046】
このような電気的接触は、様々な部品の組み付け時、特に、モーターモジュールなどの組み付け時に確立される。
【0047】
このために、出願人は、少なくとも1つのチューブ200、好ましくは少なくとも1つのパイプ200、を締め付け固定し、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を電子基板300又は電子モジュール300の形態であることができる少なくとも1つの支持体300に電気的に接続するための締め付け固定デバイス100を提案する。
【0048】
本発明の一態様において、出願人は、これらの様々なコンポーネント、例えば、前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、及び前記少なくとも1つの支持体300、をグループ化して、これによって、前記締め付け固定デバイス100が、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の間隙を最小化しつつ、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の電気的接触を確実にすることによって、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定することができるようにするような締め付け固定キット400を提案する。
【0049】
図3に示している支持体300には、前記締め付け固定デバイス100の前記少なくとも1つの導電体101によって、前記チューブ200、好ましくは前記パイプ200、に電気的に接続されるように構成している少なくとも1つの導電性面310がある。
【0050】
前記締め付け固定デバイス100は、
図1に示している一実施形態において、キー100であることができ、このキー100には、少なくとも1つの入口領域110と、少なくとも1つの締め付け固定領域120と、及び少なくとも1つの導電体101がある。
【0051】
前記締め付け固定デバイス100は、締め付け固定方法500にしたがって、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定することができる。この締め付け固定方法500においては、いくつかのステップを順次的かつ/又は同時に行うことができる。ユーザーのニーズに応じて、ユーザーは、フレーム999上の前記少なくとも1つの支持体300に前記締め付け固定デバイス100を載せることを選択することができる。前記フレーム999には、穴があり、この穴の中に、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは少なくとも1つのパイプ200、が配置されて、これが前記フレーム999を通過して前記少なくとも1つの支持体300に至る。この支持体300にも開口が形成されている。好ましくは、ほとんどの実施形態において、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは少なくとも1つのパイプ200は、カラーの形態であることができる少なくとも1つの支持メンバー240を備え、これは、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、に大きな安定性を与えるように構成している。
【0052】
このために、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200は、
図4Aに示しているように、前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100の前記少なくとも1つの入口領域110に入る(510)。
【0053】
それが入った(510)後、
図4Bに示しているように、前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100は、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、が前記少なくとも1つの入口領域110から前記少なくとも1つの締め付け固定領域120へと通過するように動く(520)。
【0054】
実際に、一実施形態において、前記少なくとも1つの入口領域110と前記少なくとも1つの締め付け固定領域120どうしは同一平面上にあり、これによって、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの入口領域110に入れ(510)、前記少なくとも1つの入口領域110と前記少なくとも1つの締め付け固定領域120によって形成される前記平面に平行に前記少なくとも1つの締め付け固定デバイス100を前記少なくとも1つの締め付け固定領域120内に動かす(520)ことが可能となる。
【0055】
前記少なくとも1つの締め付け固定領域120に、前記少なくとも1つのチューブ200が挿入され(530)、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200が挿入される(530)。前記少なくとも1つの締め付け固定領域120は、少なくとも1つの保持メンバー121によって全体的又は部分的に境界を定めることができ、この保持メンバー121は、
図2に示している少なくとも1つの溝220に挿入され、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を保持するように構成している。
図1に示している実施形態において、前記少なくとも1つの締め付け固定領域120及び前記少なくとも1つの保持メンバー121は、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の挿入(530)を良好にすることを可能にするように、「U字」又は「C字」の形である。
【0056】
前記少なくとも1つの溝220は、前述したように、前記締め付け固定デバイス100の前記少なくとも1つの締め付け固定領域120と連係するように、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、に形成される。このようにして、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの入口領域110に入れ(510)、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの締め付け固定領域120に挿入すること(530)、より正確には、前記少なくとも1つの溝220、好ましくは凹部220の形態であるもの、の部分を前記少なくとも1つの締め付け固定領域120に挿入すること(530)が可能となる。
【0057】
このような前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の挿入(530)は、前記少なくとも1つの締め付け固定領域120の弾性変形によって促進することができる。実際に、前記少なくとも1つの締め付け固定領域120は、前記少なくとも1つの入口領域110を変形させるように又はこれよりも弾性変形しにくいようにすることができ、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、に力を与えることによって、前記少なくとも1つの支持体300に前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を締め付け固定(540)することができる。
【0058】
このようにして、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の前記少なくとも1つの支持体300に対する締め付け固定(540)が行われ、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の軸方向の間隙が最小化され、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の恒久的な軸方向の電気的接触を確実にすることによって、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の前記少なくとも1つの支持体300に対する電気的接続(550)が確立される。
【0059】
また、この電気的接触は、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300にピン止め固定するように構成している前記少なくとも1つの締め付け固定領域120によって可能にすることができ、これによって、一方においては、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の間隙を最小化することが可能になり、他方においては、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、と前記少なくとも1つの支持体300の間の電気的接触を促進させることが可能になる。
【0060】
前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に確実化固定(560)するために、前記締め付け固定デバイス100は、少なくとも1つの確実化固定メンバー140を備え、この確実化固定メンバー140は、前記少なくとも1つの締め付け固定領域120が前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定するときに、前記締め付け固定デバイス100を前記少なくとも1つの支持体300、好ましくは前記締め付け固定デバイス100、に確実化固定するように構成している。
【0061】
図1に示している前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140は、キャッチの形態であって前記締め付け固定デバイス100とともに突き出ていることができ、好ましくは、前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140は、前記少なくとも1つの入口領域110の平面及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域120の平面に対して突き出ており、また、前記少なくとも1つの支持体300に形成されたノッチ340の形態であることができ前記締め付け固定デバイス100を半径方向の位置にロックすることができるような確実化固定領域340と連係することができる。実際に、前記少なくとも1つの入口領域110が変形することができ又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域120よりも弾性変形できるようにすることができることを考えると、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、が前記少なくとも1つの締め付け固定領域120内にて締め付け固定された後に、前記少なくとも1つの入口領域110は、前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140が前記確実化固定領域340と連係することを可能にするように弾性変形する。
【0062】
一実施形態(図示せず)において、前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140は、前記少なくとも1つの入口領域110及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域120と同一平面上にあることができる。
【0063】
実施形態に依存せずに、前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140は、前記締め付け固定デバイス100の運動を制限することによって、前記締め付け固定デバイス100を前記少なくとも1つの支持体300に確実化固定し、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の前記少なくとも1つの支持体300に対する締め付け固定を確実にすることを可能にする。
【0064】
別の態様において、前記締め付け固定デバイス100は、少なくとも1つの安定化メンバー130を備えることができ、この安定化メンバー130は、前記締め付け固定デバイス100とともに突き出ていることができ、かつ/又は前記少なくとも1つの入口領域110及び/又は前記少なくとも1つの締め付け固定領域120の境界を形成することができる。好ましくは、前記少なくとも1つの安定化メンバー130は、前記少なくとも1つの入口領域110と前記少なくとも1つの締め付け固定領域120の間を接続し、前記締め付け固定デバイス100の弾性変形を可能にし、好ましくは、前記少なくとも1つの入口領域110が前記少なくとも1つの締め付け固定領域120よりも弾性変形するようにして、前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140が前記確実化固定領域340と連係することができるようにすることを可能にする。
【0065】
前記少なくとも1つの安定化メンバー130は、長手方向、横方向及び/又は垂直方向に延在している枝の形態であることができ、前記締め付け固定デバイス100を安定化させて、好ましくは、前記少なくとも1つの締め付け固定領域120が前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を前記少なくとも1つの支持体300に締め付け固定するときに、前記締め付け固定デバイス100を安定化させるように構成している。実際に、前記少なくとも1つの安定化メンバー130は、少なくとも1つの戻しメンバー130であることができ、ばねの態様で前記少なくとも1つの支持体300の前記締め付け固定デバイス100を介して前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、を押すように、前記少なくとも1つの支持体300の方へと曲がっていることができる。前記少なくとも1つの支持メンバー240は、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、に沿って配置され、前記少なくとも1つの溝220から離れており、前記締め付け固定デバイス100とともに前記フレーム999及び/又は前記少なくとも1つの支持体300を挟む。前記少なくとも1つの安定化メンバー130のばね効果は、前記締め付け固定デバイス100を用いた前記フレーム999及び/又は前記少なくとも1つの支持体300に対する前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、のピン止め固定を確実にするピン止め固定力を発生させる。このピン止め固定は、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、の垂直性を確実にすることができる。これによって、前記少なくとも1つのチューブ200、好ましくは前記少なくとも1つのパイプ200、に接触して回転する車の適切な動作を確実にすることが可能になる(
図4C参照)。
【0066】
また、
図1に示している一実施形態において、前記少なくとも1つの安定化メンバー130と前記少なくとも1つの確実化固定メンバー140は、組み合わさることができ、また、前記少なくとも1つの導電体101であることができる。
【0067】
このように、本発明のおかげで、前記締め付け固定デバイス100は、垂直方向の従属性が向上し、また、その形状のおかげで電気的接触が確実になる。また、前記少なくとも1つの支持体300には、ノッチが形成されており、これによって、前記チューブのまわりを回転するように前記締め付け固定デバイス100の向きを向かせ、また、前記締め付け固定デバイス100を半径方向の位置にロックする。このようにして、前記締め付け固定デバイス100によって電気的接触が多く被覆されるようにでき、また、少なく被覆されるようにでき、前記締め付け固定キット400が取り付けられた後も電気的接触の容量的な環境を繰り返すことができる。
【符号の説明】
【0068】
100 締め付け固定デバイス
101 導電体
110 入口領域
120 締め付け固定領域
130 安定化メンバー
140 確実化固定メンバー
200 チューブ、パイプ
220 溝
240 支持メンバー
300 支持体
310 導電性面
340 確実化固定領域
400 締め付け固定キット