(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】計時器回転調整器機構
(51)【国際特許分類】
G04B 17/04 20060101AFI20221202BHJP
G04B 21/06 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
G04B17/04
G04B21/06 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021088256
(22)【出願日】2021-05-26
【審査請求日】2021-05-26
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ツァウク
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・リエド
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/106448(WO,A1)
【文献】特開2018-66738(JP,A)
【文献】特表2016-536579(JP,A)
【文献】特表2017-515119(JP,A)
【文献】特表2017-502317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝達手段(10)を通してモータ手段(1)の作用を受ける計時器機構の回転速度を調整するための計時器回転調整器機構(100)であって、弾性戻し手段(21)の作用を受ける少なくとも1つの慣性質量(23)を含む振動子機構(20)を含むこと、前記振動子機構(20)は、連接棒クランク・ハンドル・システムを含む動き変換手段(30)により前記伝達手段(10)に間接的に接続され、前記連接棒クランク・ハンドル・システムは、前記伝達手段(10)によりクランクハンドル軸(D1)を中心にして回転する少なくとも1つのクランクハンドル(31)と、前記クランクハンドル軸(D1)に対して偏心の第1の接触ゾーンで、前記クランクハンドル軸(D1)に対して垂直な平面内で、前記クランクハンドル(31)に対して角を成して移動可能な少なくとも1つの連接棒(33)とを含むこと、ならびに前記モータ手段(1)が供給するエネルギーにより前記振動子機構(20)の維持を確実にし、かつ前記振動子機構(20)の振動数に対して、前記伝達手段(10)が含む列(4)の速度調整を確実にするために、前記連接棒(33)は、前記第1の接触ゾーンから遠く離れた第2の接触ゾーンで、前記クランクハンドル軸(D1)に対して垂直な平面内で、前記慣性質量(23)に対して角を成して移動可能であることを特徴とする計時器回転調整器機構(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの連接棒(33)は、前記第1の接触ゾーンで第1の関節部(38)により前記クランクハンドル(31)と、および前記第2の接触ゾーンで前記第1の関節部(38)から遠く離れた第2の関節部(39)により前記慣性質量(23)と、関節式に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項3】
前記連接棒クランク・ハンドル・システムは、前記クランクハンドル(31)と一体化した、前記伝達手段(10)により前記クランクハンドル軸(D1)を中心にして回転する受け歯車セット(36)を含み、前記クランクハンドル(31)は、前記第1の関節部(38)の所に、孔(35)またはそれに対応して前記クランクハンドル(31)が含むトラニオンを介して自由に枢動するクランクピン軸(D2)を画成するクランクピン(32)または孔を含み、前駆クランクピン軸(D2)から距離を置いて前記第2の関節部(39)の所にガイド(34)を含む前記連接棒(33)は、前記慣性質量(23)と一体化した追加ガイド(24)と相補的手法で協働することを特徴とする、請求項2に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの連接棒(33)は、前記少なくとも1つのクランクハンドル(31)と一体化した、または前記クランクハンドル(31)を構成する、少なくとも1つのクランクハンドル可撓性ブレード(310)に対して、前記クランクハンドル軸(D1)に対して垂直な平面内で移動可能であり、かつ前記平面内で、または前記平面の全面にわたる投影で、角を成して移動可能な少なくとも1つの連接棒可撓性ブレード(330)と一体化することを特徴とする、請求項1
~3のいずれか一項に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの連接棒可撓性ブレード(330)および前記少なくとも1つのクランクハンドル可撓性ブレード(310)を、少なくとも2つの平行な水平面上に配列することを特徴とする、請求項4に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記連接棒(33)および少なくとも1つの前記クランクハンドル(31)は、可撓性ブレードを組み入れる単一の一体形構成要素を一緒に構成することを特徴とする、請求項4または5に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項7】
前記慣性質量(23)は、固定構造物(40)に対して振動子軸(D4)を中心にして振動するように配列され、前記慣性質量(23)は、前記振動子機構(20)の弾性戻し手段を構成し、かつ前記振動子軸(D4)に向けて前記少なくとも1つの前記慣性質量(23)を戻す傾向がある少なくとも1つの振動子可撓性ブレード(22)により固定構造物(40)に締結されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの振動子可撓性ブレード(22)は
単一であることを特徴とする、請求項7に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの振動子可撓性ブレード(22)は、曲がる線材および/またはねじれる線材から構成されることを特徴とする、請求項7または8に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項10】
前記慣性質量(23)は、固定構造物(40)に対して振動子軸(D4)を中心にして振動するように配列され、互いに平行な少なくとも1つの1組の弾性ブレードにより固定構造物(40)に対して浮遊しており、前記少なくとも1つの1組の弾性ブレードは、前記振動子機構(20)の弾性戻し手段を構成し、前記振動子軸(D4)に向けて前記少なくとも1つの慣性質量(23)を戻す傾向があることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項11】
前記慣性質量(23)は、固定構造物(40)に対して振動子軸(D4)を中心にして振動するように配列され、前記慣性質量(23)は、前記振動子機構(20)の弾性戻し手段を構成し、かつ前記振動子軸(D4)に向けて前記少なくとも1つの前記慣性質量(23)を戻す傾向があるばねにより固定構造物(40)に対して浮遊していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項12】
前記ガイド(34)は孔であり、かつ前記追加ガイド(24)は、前記慣性質量(23)と一体化した球継手(25)の球面である、または前記ガイド(34)は円環面であり、かつ前記追加ガイド(24)は、前記慣性質量(23)と一体化したトラニオン(250)の円筒面であることを特徴とする、請求項3
および請求項3を直接的または間接的に引用する請求項
4~11のいずれか一項に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項13】
前記慣性質量(23)は、直線状に、または課された経路に沿って単一自由度に従って振動するように配列され、前記回転調整器機構(100)が含む固定構造物に締結された弾性戻し手段(21)の作用を両側で受けることを特徴とする、請求項1または2に記載の計時器回転調整器機構(100)。
【請求項14】
時間基準を構成する少なくとも1つの主振動子(900)を含み、請求項1~13のいずれか一項に記載の少なくとも1つの回転調整器機構(100)を含む計時器(1000)であって、前記振動子機構(20)は、前記主振動子(900)と別個のものであることを特徴とする計時器(1000)。
【請求項15】
前記回転調整器機構(100)は、時打ち機構である前記計時器機構の回転速度を調整するように配列されることを特徴とする、請求項14に記載の計時器(1000)。
【請求項16】
前記回転調整器機構(100)は、日付駆動機構である前記計時器機構の回転速度を調整するように配列されることを特徴とする、請求項14に記載の計時器(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝達手段を通してモータ手段の作用を受ける計時器機構の回転速度を調整するための計時器回転調整器機構に関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つのそのような回転調整器機構を含む計時器、詳細にはウオッチに関する。
【0003】
本発明は、計時器機構速度調整の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
マイクロ工学は、ウオッチまたは携帯用ではない時計の時間基準向けの、一般に滑り棒または滑り面により駆動される新しいタイプの回転共振子の出現を促進してきた。それにもかかわらず、ウオッチの時間記録器で振動子を使用するためにいくつかの要件を、すなわち、
-位置に対する感度、
-製造公差に対する感度、
-エネルギー消費低減、
-直交軸に従う2つの振動子の整相に対する感度、
-駆動滑り棒の摩擦に対する感度
を満たさなければならず、それにより、振動子の使用は依然として非常に慎重を要するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
滑り棒接続を使用することは、時間基準に関係があろうと厄介な問題となる動作に関係する補助的な機能に関係があろうと、時計用途に好ましくないことを理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来技術が提案する滑り棒の代わりに連接棒を使用することを提案する。本発明はまた、ウオッチの時間記録器よりも要求が厳しくない機能に、すなわち時打ち機構、日付後退、またはppmのオーダーの精度を必要とする周波数調整なしにウオッチで調整しなければならない他の動きなどの補助的機構の調整に、そのような調整システムの使用を制限することを提案する。
【0007】
これは、簡単で完全に機械的な機構を提案することを意味する。
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載の、伝達手段を通してモータ手段の作用を受ける計時器機構の回転速度を調整するための計時器回転調整器機構に関する。
【0009】
本発明はまた、少なくとも1つのそのような回転調整器機構を含む計時器、詳細にはウオッチに関する。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】軸受けで誘導される受け歯車セットを含み、受け歯車セットに香箱のエネルギーを伝達する列と協働する、本発明による回転調整器機構を概略的に、かつ部分的に断面図で示し、この受け歯車セットは、クランクハンドルと一体化して回転し、クランクハンドルは、この回転調整器機構を受け入れる計時器の時間基準の慣性質量以外の、振動子機構が含む慣性質量の隆起部とそれ自体関節式に連結した連接棒と関節式に連結し、この振動子機構は、この図では、単一可撓性ブレードから構成される弾性戻し手段を含む。
【
図2】慣性質量と連接棒の間の関節部に関する別の変形形態の詳細を、
図1に類似する手法で示す。
【
図3】
図1の回転調整器機構を概略的に上面図で示す詳細であり、連接棒クランクハンドル組立体を3つの異なる状態A、B、Cの相対的角度位置に従って状態Aで示す。
【
図4】
図1の回転調整器機構を概略的に上面図で示す詳細であり、連接棒クランクハンドル組立体を3つの異なる状態A、B、Cの相対的角度位置に従って状態Bで示す。
【
図5】
図1の回転調整器機構を概略的に上面図で示す詳細であり、連接棒クランクハンドル組立体を3つの異なる状態A、B、Cの相対的角度位置に従って状態Cで示す。
【
図6】別の変形形態の詳細を
図3に類似する手法で示し、連接棒とクランクハンドルの間の関節部は、可撓性ブレード間の接続と置換されている。
【
図7】回転振動子を含む別の変形形態の詳細を
図3に類似する手法で示し、慣性質量は、ばねにより浮遊している。
【
図8】回転振動子を含む別の変形形態の詳細を
図3に類似する手法で示し、慣性質量は、可撓性ブレードにより浮遊している。
【
図9】別の変形形態を
図1に類似する手法で示し、慣性質量は線形振動を有する。
【
図10】時間基準を構成する主振動子と、本発明による回転調整器機構の中に一体化された別の時計機能用の振動子機構とを含む計時器、詳細にはウオッチを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、伝達手段10を通してモータ手段1の作用を受ける計時器機構の回転速度を調整するための計時器回転調整器機構100に関する。
【0013】
本発明によれば、この回転調整器機構100は、連接棒クランク・ハンドル・システムを含む動き変換手段30により伝達手段10に間接的に接続された振動子機構20を含む。
【0014】
この振動子機構20は慣習的に、弾性戻し手段21の作用を受ける少なくとも1つの慣性質量23を含む。
【0015】
連接棒クランク・ハンドル・システムは、伝達手段10によりクランクハンドル軸D1を中心にして回転する少なくとも1つのクランクハンドル31を含む。
【0016】
連接棒クランク・ハンドル・システムはまた、クランクハンドル軸D1に対して偏心の第1の接触ゾーン38で、クランクハンドル軸D1に対して垂直な平面内で、このクランクハンドル31に対して角を成して移動可能な少なくとも1つの連接棒33を含む。この少なくとも1つの連接棒33は、モータ手段1が供給するエネルギーにより振動子機構20の維持を確実にし、かつ振動子機構20の振動数に対して、伝達手段10が含む列4の速度調整を確実にするために、第1の接触ゾーン38から遠く離れた第2の接触ゾーン39で、クランクハンドル軸D1に対して垂直な平面内で、慣性質量23に対して角を成して移動可能である。
【0017】
より詳細には、
図1~
図5で見ることができる、関節式に連結した変形形態では、少なくとも1つの連接棒33は、第1の接触ゾーン38を画成する第1の関節部でクランクハンドル31と関節式に連結し、さらにまた第2の接触ゾーン39を画成する第2の関節部で慣性質量23と関節式に連結する。
【0018】
より詳細には、連接棒クランク・ハンドル・システムは、クランクハンドル31と一体化した、伝達手段10によりクランクハンドル軸D1を中心にして回転する受け歯車セット36を含む。クランクハンドル31は、第1の関節部に、孔35、またはそれに対応してクランクハンドル31が含むトラニオンを介して自由に枢動するクランクピン軸D2を画成するクランクピン32または孔を含み、クランクピン軸D2から遠く離れて第2の関節部の所にガイド34を含む連接棒33は、慣性質量23と一体化した追加ガイド24と相補的手法で協働する。
【0019】
一変形形態では、
図6で理解することができるように、少なくとも1つの連接棒33は、少なくとも1つの連接棒可撓性ブレード330と一体化し、少なくとも1つの連接棒可撓性ブレード330は、クランクハンドル軸D1に対して垂直な平面内で移動可能であり、この平面内で、またはこの平面の全面にわたる投影で、少なくとも1つのクランクハンドル31と一体化した、またはこのクランクハンドル31を構成する、少なくとも1つのクランクハンドル可撓性ブレード310に対して角度を成して移動可能である。
【0020】
より詳細には、少なくとも1つの連接棒可撓性ブレード330および少なくとも1つのクランクハンドル可撓性ブレード310を、少なくとも2つの平行な水平面上に配列する。
【0021】
より詳細には、少なくとも1つの連接棒33および少なくとも1つのクランクハンドル31は、可撓性ブレードを組み入れる単一の一体形構成要素を一緒に構成する。そのような配列は、枢動をなくすことにより摩擦をさらに低減可能にする。
【0022】
より詳細には、慣性質量23は、固定構造物40に対して振動子軸D4を中心にして振動するように配列され、慣性質量23は、振動子機構20の弾性戻し手段21を構成し、かつ振動子軸D4に向けて各慣性質量23を戻す傾向がある少なくとも1つの可撓性ブレード22により固定構造物40に締結される。
【0023】
慣性質量23の遠位端は、XY平面内で実質的に平坦に動くように配列される。振動子軸D4は、クランクハンドル軸D1と平行であり、より詳細には、振動子軸D4およびクランクハンドル軸D1は合併する。
【0024】
この振動子機構20は、より詳細には、線材または曲がる丸棒が支持する慣性質量23として構築される。慣性質量23の回転は、90°だけ位相がずれた、X軸に沿って正弦曲線を描く、交替する線材の曲がりと、Y軸に沿って正弦曲線を描く、交替する曲がりに分解されてよいことが理解される。
【0025】
より詳細には、この可撓性ブレード22は固有のものである。
【0026】
より詳細には、少なくとも1つの可撓性ブレード22は、曲がる線材および/またはねじれる線材から構成される。
【0027】
例示しない他の変形形態では、振動子機構20は、互いに配列された、もしくは互い束にして配列された、または互いに平行に配列されたなどの複数の可撓性ブレードまたは可撓性線材を含む。
【0028】
一変形形態では、
図8で理解することができるように、慣性質量23は、固定構造物40に対して振動子軸D4を中心にして振動するように配列され、中間支持物41を用いて、互いに平行な少なくとも1つの1組の弾性ブレード211により固定構造物40に対して浮遊しており、この少なくとも1つの1組の弾性ブレードは、振動子機構20の弾性戻し手段21を構成し、振動子軸D4に向けて少なくとも1つの慣性質量23を戻す傾向がある。
【0029】
別の変形形態では、
図7で理解することができるように、慣性質量23は、固定構造物40に対して振動子軸D4を中心にして振動するように配列され、慣性質量23は、振動子機構20の弾性戻し手段21を構成し、かつ振動子軸D4に向けて少なくとも1つの慣性質量23を戻す傾向があるばね212により固定構造物40に対して浮遊している。
【0030】
より詳細には、ガイド34は孔であり、かつ追加ガイド24は、慣性質量23と一体化した球継手25の球面である、またはガイド34は円環面であり、かつ追加ガイド24は、慣性質量23と一体化したトラニオン250の円筒面である。
【0031】
(90°だけ異なる)可能性のある2つの軸の位相シフトが軸の一方の振動を低減しないことがないように駆動システムを配列しなければならない。
【0032】
さらに別の変形形態では、
図9で理解することができるように、慣性質量23は、図のように、または課された経路に沿って単一自由度に従って、直線状に振動するように配列され、回転調整器機構100が含む固定構造物に締結された弾性戻し手段21の作用を両側で受ける。
【0033】
従来技術の滑り棒機構では、散逸するエネルギーに関係する振幅差に、およびXおよびYでの2つの振動の、可能性のある位相シフトに起因して、駆動軸の動きは、機能に有害な摩擦を発生させる。
【0034】
したがって、本発明は、半径条件の自由度を最小まで満たし、かつ2つの枢動に摩擦を制限する連接棒クランクハンドル対と従来技術から公知の滑り棒を置換する。
【0035】
図3~
図5は、連接棒33およびクランクハンドル31に関係があるさまざまな位置を示す。
A(
図3):最小振幅位置、≠90°である場合、位相シフトがないことを保証する。
B(
図4):中間振幅位置。
C(
図5):大振幅位置。
【0036】
連接棒の角度は、動力伝達経路上で、振幅に依存する角度オフセットを発生することが欠陥として留意される。10ppmを保証しなければならない時間基準にとって有害な場合があるこの欠陥は、時打ち機構調整などのような機構調整のために依然として完全に許容できる。
【0037】
この場合、エネルギー入力は、当業者に公知の手法で仕上げ列4および孔2により確実になる。
【0038】
本発明はまた、時間基準を構成する少なくとも1つの主振動子900を含み、かつ少なくとも1つのそのような回転調整機構100を含む計時器1000に関する。本発明によれば、各振動子機構20は、この主振動子900とは別個のものである。
【0039】
より詳細には、そのような回転調整器機構100は、時打ち機構である計時器機構の回転速度を調整するように配列される。
【0040】
より詳細には、そのような回転調整器機構100は、日付駆動機構である計時器機構の回転速度を調整するように構成される。
【符号の説明】
【0041】
1 モータ手段
2 孔
4 列、仕上げ列
10 伝達手段
20 振動子機構
21 弾性戻し手段
22 可撓性ブレード
23 慣性質量
24 追加ガイド
25 球継手
30 動き変換手段
31 クランクハンドル
32 クランクピン
33 連接棒
34 ガイド
35 孔
36 受け歯車セット
38 第1の接触ゾーン
39 第2の接触ゾーン
40 固定構造物
41 中間支持物
100 計時器回転調整器機構
211 弾性ブレード
212 ばね
250 トラニオン
310 クランクハンドル可撓性ブレード
330 連接棒可撓性ブレード
900 主振動子
1000 計時器
D1 クランクハンドル軸
D2 クランクピン軸
D4 振動子軸