(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】自動車ドライブライン切断アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16D 11/04 20060101AFI20221202BHJP
B60K 17/34 20060101ALI20221202BHJP
F16F 15/12 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
F16D11/04 C
B60K17/34 B
F16F15/12 S
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021096426
(22)【出願日】2021-06-09
(62)【分割の表示】P 2018506947の分割
【原出願日】2016-08-10
【審査請求日】2021-06-09
(32)【優先日】2015-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】393002852
【氏名又は名称】ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】レイチャート,ポール・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オラム,サミュエル・ジェイ
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-127852(JP,A)
【文献】実開昭57-169828(JP,U)
【文献】特開2013-092211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/04、11/10
B60K 17/34
F16F 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ドライブライン構成部品であって、
第1のクラッチ部分と、第2のクラッチ部分とを含む切断アセンブリであって、前記第1のクラッチ部分は歯の第1のセットであって複数の先端面と複数の底とを有し、各底が隣接する各先端面間にある歯の第1のセットを有し、前記第2のクラッチ部分は歯の第2のセットであって複数の底と複数の先端面とを有し、各先端面が隣接する各底間にある歯の第2のセットを有し、前記第1のクラッチ部分に支持された
第1のダンパを含む切断アセンブリを備え、
(a)前記切断アセンブリが接続状態にあるとき、前記第1のクラッチ部分の歯の底内に前記
第1のダンパの少なくとも一部があり、該
第1のダンパが前記第2のクラッチ部分の歯の先端面によって係合されるよう配置されるか、あるいは
(b)前記歯の第1のセットの内側又は外側に前記
第1のダンパが設けられ、かつ前記歯の第2のセットの内側又は外側に前記
第1のダンパに接触する付属物が設けられ、前記切断アセンブリが接続状態にあるとき、前記
第1のダンパと前記付属物とが接触するよう構成されており、
前記切断アセンブリが前記接続状態にされるとき、歯の前記第1および第2のセットとの間の完全係合が行われる前に、前記第1、第2のクラッチ部分は前記
第1のダンパの作用を受ける
よう構成され、さらに
前記切断アセンブリの接続状態および切断状態を制御するための起動構成部品と、第2のダンパをさらに備え、前記第2のダンパは、前記第1又は第2のクラッチ部分と前記起動構成部品との直接の当接を防止する位置または前記第1のクラッチ部分又は前記第2のクラッチ部分と前記起動構成部品との間の位置に設けられている、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記切断アセンブリが接続状態にあり、歯の前記第1および第2のセットがかみ合うとき、前記
第1のダンパは歯の前記第1のセットの底と歯の前記第2のセットの先端面との間に配置される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項3】
請求項2に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記切断アセンブリが前記接続状態になるとき、歯の前記第1と第2のセットとの完全係合が行われる前に、歯の前記第2のセットの少なくとも一つの歯が前記
第1のダンパと接触する、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項4】
請求項3に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記
第1のダンパは歯の前記第1のセットの個々の歯の少なくとも1つの底に配置される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項5】
請求項4に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記
第1のダンパが入る少なくとも1つの底は、前記
第1のダンパが入らない歯の前記第1のセットの個々の歯の底よりも深い、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項6】
請求項3に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記
第1のダンパは本体を有し、前記本体から径方向にわたる複数の延長部を有し、各延長部が異なる底に受容される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項7】
請求項6に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記本体は、歯の前記第1のセットの内周に隣接して配置され、前記延長部のそれぞれは、歯の前記第1のセットの異なる底内部に配置される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項8】
請求項7に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記延長部の1つを受容する前記底のそれぞれは、前記延長部を受容しない歯の前記第1のセットの底よりも深い、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項9】
請求項7に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記切断アセンブリが前記接続状態になるとき、歯の前記第1および第2のセットとの間の完全係合が行われる前に歯の前記第2のセットは前記延長部と接触する、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項10】
請求項
1に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記起動構成部品はカムアセンブリであり、前記第2のダンパは前記カムアセンブリと前記第1のクラッチ部分または前記第2のクラッチ部分との間に配置される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項11】
自動車ドライブライン構成部品であって、
第1のクラッチ部分と、第2のクラッチ部分と、ダンパとを含む切断アセンブリであって、前記ダンパは、前記第1のクラッチ部分または前記第2のクラッチ部分の外面の回りに少なくとも部分的に配置される、切断アセンブリと、
軸の回りを回転する回転カムと、この回転カムに対して軸方向に移動可能に係合するカム従動子とを備え、前記回転カムが前記第1のクラッチ部分の外面に隣接して配置される内面を有し、前記カム従動子が前記第2のクラッチ部分の外面に隣接する内面を有し、前記切断アセンブリと相互作用して、前記切断アセンブリを接続状態および切断状態にするカムアセンブリであって、前記ダンパは、
(a)前記回転カムと前記第1のクラッチ部分または
(b)前記カム従動子と前記第2のクラッチ部分
との間に配置される、
自動車ドライブライン構成部品。
【請求項12】
請求項
11に記載の自動車ドライブライン構成部品であって、前記ダンパは、第1のダンパと、第2のダンパとを含み、前記第1のダンパは、前記回転カムとの係合のため、前記第1のクラッチ部分の外面の回りに少なくとも部分的に配置され、前記第2のダンパは、前記カム従動子との係合のため、前記第2のクラッチ部分の外面の回りに少なくとも部分的に配置される、自動車ドライブライン構成部品。
【請求項13】
自動車ドライブライン構成部品であって、
第1のクラッチ部分と、第2のクラッチ部分と、第1のダンパと、第2のダンパとを含む切断アセンブリであって、前記第1のクラッチ部分は歯の第1のセットを有し、前記第2のクラッチ部分は歯の第2のセットを有し、前記第1のダンパは前記第1のクラッチ部分に配置され、前記第2のダンパは、前記第1のクラッチ部分または前記第2のクラッチ部分のいずれかの外面の回りに少なくとも部分的に配置される切断アセンブリと、
軸の回りを回転する回転カムと、この回転カムに対して軸方向に移動可能に係合するカム従動子とを備え、前記回転カムが前記第1のクラッチ部分の外面に隣接して配置される内面を有し、前記カム従動子が前記第2のクラッチ部分の外面に隣接する内面を有し、前記切断アセンブリと相互作用して、前記切断アセンブリを接続状態および切断状態にするカムアセンブリであって、前記第2のダンパは、前記回転カムと前記第1のクラッチ部分との間または前記カム従動子と前記第2のクラッチ部分との間に径方向に配置される、カムアセンブリと、
を備え、
前記切断アセンブリが前記接続状態および前記切断状態になるとき、前記第1または第2のクラッチ部分は前記第2のダンパと接触する、自動車ドライブライン構成部品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は2015年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/203,082号の権利を主張し、その全体は参照により、本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に自動車ドライブライン切断アセンブリに関し、より具体的には、自動車ドライブライン切断アセンブリの接続部分間で発生する、乗員に聞こえる騒音を最低限にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、自動車ドライブラインは、エンジンから最終的には車輪のセットにトルクを伝達する。四輪駆動(AWD)ドライブラインなどの自動車ドライブラインは、トルクを伝達するために、動力伝達装置(PTU)、ファイナルドライブユニット(FDU)、後輪駆動モジュール(RDM)、電子デフロック(EDL)、切断差動装置および別の種類の差動装置、またはこれらの構成部品の組み合わせを含むこともある。特定の自動車ドライブラインの正確な構成部品は、ドライブライン全体の構造によって異なり、付属エンジンおよびトランスミッションの構成によって異なる。
【0004】
さらに、PTU、FDU、RDM、EDL、および差動装置は切断機能および再接続機能を有していてもよい。切断機能および再接続機能においては、切断された構成部品はもはや駆動されず、構成部品間でトルクを伝達しない。本機能によって、特定の時にトルクを必要としない自動車ドライブラインの領域での駆動トルクが排除される。たとえば、オンデマンドのAWDドライブラインは、常にトルクをシャフトすべての間に伝達するとは限らない。切断機能および再接続機能は、燃料効率を高め、排出を減らし、さらに加えて性能改善を提供することが分かっている。
【発明の概要】
【0005】
一実装では、自動車ドライブライン構成部品は、第1のクラッチ部分と第2のクラッチ部分とを有する切断アセンブリを含んでいてもよい。第1のクラッチ部分は歯の第1のセットを有し、第2のクラッチ部分は歯の第2のセットを有する。切断アセンブリは、第1のクラッチ部分と第2のクラッチ部分との間に配置されるダンパを含む。切断アセンブリが接続状態になるとき、第1と第2のクラッチ部分との間の完全係合が行わる前に、第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分はダンパと接触する。
【0006】
別の実装では、自動車ドライブライン構成部品は、切断アセンブリと、カムアセンブリとを含んでいてもよい。切断アセンブリは、第1のクラッチ部分と、第2のクラッチ部分と、ダンパとを有していてもよい。ダンパは部分的に、またはそれ以上、第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分の外面の周りに配置されてもよい。カムアセンブリは、切断アセンブリの外側に配置されてもよい。カムアセンブリは、切断アセンブリを接続状態および切断状態にするために切断アセンブリと相互作用してもよい。ダンパは、カムアセンブリと第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分との間に径方向に配置されてもよい。切断アセンブリが接続状態および切断状態になるとき、ダンパおよびその配置によって、第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分とカムアセンブリとの間の直接の当接は、完全に除外されないとしても少なくとも部分的に最小限になる。
【0007】
さらに別の実装では、自動車ドライブライン構成部品は、切断アセンブリと、カムアセンブリとを含んでいてもよい。切断アセンブリは、第1のクラッチ部分と、第2のクラッチ部分と、第1のダンパと、第2のダンパとを含んでいてもよい。第1のクラッチ部分は歯の第1のセットを有し、第2のクラッチ部分は歯の第2のセットを有する。第1のダンパは、第1のクラッチ部分と第2のクラッチ部分との間に配置されてもよい。第2のダンパは部分的にまたはそれ以上、第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分の外面の回りに配置されてもよい。カムアセンブリは、切断アセンブリの外側に配置されてもよい。カムアセンブリは、切断アセンブリを接続状態および切断状態にするために切断アセンブリと相互作用してもよい。第2のダンパは、カムアセンブリと第1のクラッチ部分または第2のクラッチ部分との間に径方向に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の好ましい実装および最良の態様の詳細な説明は、添付図に関連して説明する。
【0009】
【
図1】ダンパを有する自動車ドライブライン切断アセンブリの実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の自動車ドライブライン切断アセンブリの側面図である。
【
図3】
図1の自動車ドライブライン切断アセンブリの第1のクラッチ部分およびダンパの斜視図である。
【
図4】カムアセンブリを備えた
図1の自動車ドライブライン切断アセンブリの斜視図である。
【
図5】ダンパを有する自動車ドライブライン切断アセンブリの別の実施形態の側面図である。
【
図6】
図5の自動車ドライブライン切断アセンブリの第1のクラッチ部分およびダンパの斜視図である。
【
図7】歯の第1のセットおよび歯の第2のセットの実施形態の拡大図である。
【
図8】自動車ドライブライン切断アセンブリのダンパの別の実施形態を備える第1のクラッチ部分の斜視図である。
【
図9】ダンパの別の実施形態を有する自動車ドライブライン切断アセンブリの側面図である。
【
図10】四輪駆動(AWD)自動車ドライブラインの概略的描写である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図をさらに詳細に参照すると、自動車ドライブライン切断アセンブリ10(以下、切断アセンブリという)の異なる実施形態は、乗員に聞こえる騒音が切断アセンブリ10の構成部品間で発生しないように設計され、および構築される。1または複数のダンパ、平坦ではない歯型、またはこれらの両方の手段を切断アセンブリ10で用いて、乗客に聞こえる騒音を除外することができる。これらの手段は切断アセンブリ10のトルク伝達効率を犠牲にせずに用いることができる。切断アセンブリ10は、動力伝達装置(PTU)、ファイナルドライブユニット(FDU)、後輪駆動モジュール(RDM)、電子デフロック(EDL)、切断差動装置、または別の種類の差動装置などの大型の自動車ドライブライン構成部品にも備えることができる。この点で、本明細書で用いる「自動車ドライブライン構成部品」という用語は広範な意味で、PTU、FDU、RDM、EDL、および差動装置、さらに類似するドライブライン構成部品を含む。
【0011】
さらに、軸方向、径方向、円周、およびこれらの文法的変形である用語は、本明細書において、一般に切断アセンブリ10およびその構成部品の円形および円筒形の形状に関して用いられる。軸方向とは一般に、円形および円筒形の形状の軸に沿った方向または軸に平行な方向を指し、径方向とは一般に、円形および円筒形の形状の半径に沿った方向または半径に平行な方向を指し、円周とは一般に、円形および円筒形の形状の円周に沿った方向または円周に平行な方向を指す。
【0012】
一般に、切断アセンブリ10は、自動車ドライブラインに付随する大型の切断システムの一部分であってもよい。自動車ドライブラインは、追加の切断機能を別の場所および別のドライブライン構成部品に含むこともある。たとえば、四輪駆動(AWD)自動車ドライブライン11の構造の一例を、
図10に示す。ドライブライン11はエンジン13およびトランスミッション15からトルク入力を受領し、前輪用差動装置17と、動力伝達装置(PTU)19と、プロペラシャフト21と、ファイナルドライブユニット23と、前輪用サイドシャフト25と、後輪用サイドシャフト27とを含む。前輪用および後輪用サイドシャフト25、27はそれぞれ前輪および後輪29、31を回転させる。本図で示す実施例では、様々なジョイント33がプロペラシャフト21およびサイドシャフト25、27に備えられる。ジョイント33は等速ジョイント、ユニバーサルジョイント、トライポッドジョイント、カルダンジョイント、または別の種類のジョイントであり得る。これらを合わせて、ドライブライン構成部品はトルクをエンジン13から車輪29、31に伝達する。さらに、ドライブライン11は別の構造を別の実施例で含んでいてもよい。ドライブライン11は、
図10に示し、本明細書に記載する構成部品より多い構成部品、少ない構成部品、および/または
図10に示し、本明細書に記載する構成部品とは異なる構成部品を含んでいてもよい。構成部品は異なる方法で配置されてもよい。実際に、正確な構造およびその構成部品は特定の車両プラットフォームによって決定され、製造業者によって設定されることが多い。さらに追加の実施例構造は、前方または後方の位置に取り付けられ、長手方向に配置されるエンジン、または前方または後方の位置に取り付けられ、横方向に配置されるエンジンを含む。
【0013】
切断アセンブリ10は、影響を与えうるものの中でも、パッケージング要件、およびトルク出力要求を備える自動車ドライブライン構成部品によって、異なる設計および構造を有することもある。
図1~3を参照すると、本実施形態では、切断アセンブリ10はドッグクラッチの種類である。切断アセンブリ10は、第1のクラッチ部分12と、第2のクラッチ部分14とを含む。どちらの部分も従来通り金属素材から成る。第1のクラッチ部分12は、切断アセンブリ10が切断および再接続動作中に軸方向に固定され続けてもよく、ドッグクラッチの実施例では、固定ドッグと呼ばれる。一方、第2のクラッチ部分14は、切断アセンブリ10の切断および再接続動作中に第1のクラッチ部分12に向かって、および離れて軸方向に移動可能である。ドッグクラッチの実施例では、第2のクラッチ部分14は摺動ドッグと呼ばれる。図中、第1および第2のクラッチ部分12、14の両方はスプライン16、18の内部セットを有し、大型の自動車ドライブライン構成部品を内部接続し、構成部品間でトルクを伝達する。
【0014】
さらに、第1および第2のクラッチ部分12、14は、第1および第2のクラッチ部分12、14の面に対向し、直面して配置される歯のセットを有する。歯20の第1のセットは第1のクラッチ部分12の円周にわたって存在し、歯22の第2のセットは第2のクラッチ部分14の円周にわたって存在する。歯20、22の第1および第2のセットは、第1のクラッチ部分12と第2のクラッチ部分14との間でトルクを伝達するために、対になり、互いにかみ合う。対になってかみ合う歯を
図2に示す。
【0015】
歯20の第1のセットは複数の個々の歯24からなり、同様に、歯22の第2のセットは複数の個々の歯26からなる。歯20の第1のセットは、起伏する頂と谷、および先端面28と底30から形成される。歯22の第2のセットは、起伏する頂と谷、および先端面32と底34から形成される。本実施形態では、歯20の第1のセットの底30の一部の深さは、他の底30よりも軸方向に深い(本明細書で意図する軸方向深さとは、クラッチ部分の本体内まで測定される)。
図3に示すように、合計で6つの底が軸方向に深い。深い底は、識別可能な場所では符号36で表す。もちろん、別の実施形態において別の数も可能である。軸方向の深さが増加することによって、以下詳細に説明するダンパ38の受容部分の容積が生成される。
【0016】
一部の事例では、ドッグクラッチは接続中に、自動車に乗っている乗員に聞こえるクリック音または金属音様の騒音を発生しえることが分かっている。ドッグクラッチが前の座席の乗員の下部に配置されているとき、道路からの騒音が小さいとき、およびドッグクラッチがハイブリッドパワートレインにあるとき、ドッグクラッチの騒音は特によく聞こえる。この騒音は望ましくなく、特に高級相手先商標製品製造業者には望ましくない。さらに、クリック音様の騒音は、一例では、歯の衝突条件と呼ばれる条件の結果として起こりえることが分かっている。直面するドッグクラッチの歯の先端面が、先端面と底が意図するように対になってかみ合う代わりに、対面して当接し、当接状態を一定の期間維持するとき、歯の衝突条件が生じる。対面して当接することによって、面と底のかみ合いが妨害される。ドッグクラッチでは、自動車が減速して停止するような場合など、自動車の速度が低速のときに歯の衝突条件が起こりえる。ドッグクラッチは同時に動作を減速して停止することができるが、接続中であった場合に、歯の衝突条件を起こしえる。自動車が再度動き出すとき、ドッグクラッチの付随動作によって、歯の衝突条件および対面して当接する状態が解除される。次に、歯は移動して、意図する先端と底が対になってかみ合う。この突然の解除、再配置および金属と金属との衝突が、クリック音様の騒音が発生する原因となることが多いことが分かっている。
【0017】
これらの欠点を解決するために、ダンパ38は第1のクラッチ部分12と第2のクラッチ部分14との間に配置され、金属間のぶつかり合いおよびクリック音様の騒音を減少させる。これらの騒音はクラッチ部分の配置が異なれば、歯20、22の第1および第2のセットが完全に係合するとき発生しえる(完全係合の例を
図2の側面図に示す)。ダンパ38は、考えられる影響のうちとりわけ、第1および第2のクラッチ部分の設計および構造、求める減衰の度合いによって、異なる設計および構造を有することもできる。
図1~3の実施形態では、ダンパ38は、クラッチ部分12、14よりも可撓性のある素材からなっていてもよい。素材の例として、ゴム素材、ポリマ素材、または類似した素材が含まれる。ウレタンは実施形態の別の例である。ダンパ38はクラッチ部分12、14とは別の構成部品として個別に製造されてもよく、クラッチ部分上にオーバーモールドされてもよく、または別の技術で製造されてもよい。ダンパ38は一部品構造、および環状本体40と、本体40から径方向にわたる複数のタブ状の延長部42を有していてもよい。本実施形態では全部で6つの延長部42があり、6つの深い底36に対応する。延長部42は、底36を補完する大きさと形状である。別の実施形態において、延長部および対応する深い底の数が上記と異なることも可能である。
【0018】
ダンパ38は、図の第1のクラッチ部分12に固定され、第1のクラッチ部分12に支持されてもよいが、別の実施形態では、第2のクラッチ部分14に固定され、第2のクラッチ部分12に支持されてもよい。固定は、ダンパ38が個別の構成部品として製造される場合は圧入によって行われてもよく、オーバーモールドで製造される場合は、オーバーモールドによって行われてもよい。または別の方法で固定してもよい。個別の構成部品の例では、
図3から最もよく分かるように、各延長部42は対になる底36内に配置され、本体40は、歯20の第1のセットによって画定される内周の回りに配置される。この位置によって、ダンパ38は、切断および再接続動作および切断アセンブリ10の内部係合を鑑賞しない場所に位置する。ある意味で、ダンパ38は、
図3に示すように、第1のクラッチ部分12内部内に位置し、構成部品とはほとんど、または全く係合しない。構成部品と係合すると、ダンパ38に消耗および断裂が起こり得る。
【0019】
一度設定されると、延長部42は、深い底36によって生成される大きな容積を示す。第2のクラッチ部分14によって圧縮されない場合は、各延長部42の外向きの表面44は、軸方向の深さが浅い底30の外向きの表面46よりもわずかに高い場所に位置する。つまり、表面44までの軸方向の深さは、底30の表面46までの軸方向の深さよりも少ない。このように、以下に記載する通り、歯22の第2のセットは、歯22が底30と接触する前であり、歯20の第1のセットが底34と接触する前に、ダンパの延長部42と接触する。つまり、歯20、22の第1と第2のセットとの間で完全係合が行われ、トルクが第1および第2のクラッチ部分12と14との間で伝達される前に、歯22の第2のセットは、ダンパの延長部42と接触する。
【0020】
設定および使用時に、切断アセンブリ10は、接続状態(
図2に図示)と切断状態(
図1に図示)との間を移動する。状態間の移動は異なる起動手法で実行してもよい。これらの起動手法には、電気起動、油圧起動、電磁起動、および空気圧起動などが含まれる。さらに、別の種類の起動および技術も可能である。手法によっては、起動は、シフトフォーク、ボールカム機構、ピストン、または別の品目および機構などの異なる構成部品を含むこともある。
図4の起動技術例は、回転カム50およびカム従動子52を含むカムアセンブリ48を表す。回転カム50およびカム従動子52は補完的かつ相互作用する突起および凹部構造を有する。突起および凹部構造は、協働して、回転カム50の回転動作をカム従動子52の線形往復運動に変換する。
【0021】
ダンパ38は、突然の金属間の当接およびクリック音様の騒音を防ぐ。突然の金属間の当接およびクリック音様の騒音はダンパ38がなければ起こりえる。第2のクラッチ部分14の歯22の第2のセットはそれぞれ底30で受容され、直面しない先端面32が外向きの表面46と金属間の当接をする前に、ダンパの延長部42と直面する先端面32は外向きの表面44と接触する。同時に、先端面28が底34の外向きの表面と金属間の当接をする前に、ダンパの延長部42と直面する先端面32は表面44と接触する。延長部42は摺動動作および第2のクラッチ部分14の付勢によってたわみ、それによって圧縮される。歯20、22の第1および第2のセットは、延長部42の圧縮を受けて表面と底が対になって完全にかみ合う。延長部42は力を吸収する。この力は延長部42がない場合、歯20、22の第1および第2のセットの金属間の当接間で、直ちにおよび直接伝わる。したがって、クリック音様の騒音は最小限になるか、または完全に排除される。前述のように、これらの動作はまた、切断アセンブリ10が意図通り操作され、歯の衝突条件を起こさない場合にも発生する。
【0022】
図5および6は、切断アセンブリ110と共に用いることができるダンパの別の実施形態138を表す。この実施形態は、ある点では、
図1~4のダンパの実施形態に類似し、類似点は
図5~6の説明では繰り返さない。実際に、
図1~4および
図5~6の実施形態で類似する構成部品は類似する符号を有し、
図5~6の符号は
図1~4の類似する構成部品の符号に100を足したものである。
【0023】
図5および6の実施形態では、ダンパ138は、第1のクラッチ部分112の歯120の第1のセットの底130すべてに対し、1つのタブ状の伸長142を有する。底130は
図1~4の実施形態のように異なる深さを有する必要はない。その代わりに、底130のすべては前述のように軸方向の深さが深くてもよく、延長部142の受容部を収容する。
図1~4の実施形態と比較すると、延長部142は、延長部42が吸収する力よりも多くの力を吸収してもよく、クリック音様の騒音を大幅に縮小する。
【0024】
図7は切断アセンブリ210の別の実施形態を表す。本実施形態はある点では
図1~4の切断アセンブリの実施形態に類似し、類似点は
図7の説明では繰り返さない。実際に、
図1~4および
図7の実施形態で類似する構成部品は類似する符号を有し、
図7の符号は
図1~4の類似する構成部品の符号に200を足したものである。
【0025】
図7の実施形態では、第1のクラッチ部分212の歯220の第1のセットおよび第2のクラッチ部分214の歯222の第2のセットは、歯の衝突条件の発生を妨げるか、または完全に防ぐように設計され、構築される。歯220、222の第1および第2のセットの個々の歯224、226は平坦ではない歯型を有し、その代わりに、
図7の側面図に拡大して図示するように、とがったまたは丸めた切断面を有するように設計される。歯224、226のそれぞれは、第1および第2のクラッチ部分212、214の円形および円筒形の形状の径方向面に対して並行ではない配向の少なくとも1つの表面を有していてもよい。ある具体的な例では、歯220の第1のセットの先端面228は、末端229に向かって互いに収束する一対の一般に平面を有していてもよい。平面は、径方向面に対して約55度の角度(55°)で設定されてもよい。末端229はわずかに丸められてもよい。歯222の第2のセットの先端面232は、末端233に向かって互いに収束する一対の一般に平面を有していてもよい。平面は、径方向面に対して約45度の角度(45°)で設定されてもよい。末端233はわずかに丸められてもよい。もちろん、別の表面を別の角度で持つ別の例も別の実施形態では可能である。さらに、歯220のすべてが、または歯222のすべてが、平坦ではない歯型を有する必要はない。たとえば、歯220の一部のみが平坦ではない歯型を持ちえるか、歯222の一部のみが平坦ではない歯型をもちえるか、またはその組み合わせもありえる。
【0026】
先端面228、232の設計によって、互いに支えあいやすく、平坦かつ平行な、対面して直面する表面がないため、歯の衝突条件の発生を妨げるか、または完全に防ぐ。その代わりに、平行ではなく、先端面228、232に対して角度がついた表面によって、カムと従動子様の相互作用が得られ、当接の際に互いに摺動する。したがって、平行ではなく、角度がついた表面は互いを超えて容易に移動できる。先端面228、232は、
図7に関連して前述したように、
図1~4および5~6の実施形態で用いることができるが、用いなくてもよい。さらに、
図1~4および5~6の実施形態は平坦な歯型を持つ歯を持ちえる。
【0027】
図8は、前述の実施形態の切断アセンブリと共に用いることができる、さらに別のダンパの実施形態338を表す。
図8の実施形態は、ある点では切断アセンブリの前述の実施形態に類似し、類似点は
図8の説明では繰り返さない。実際に、図前述の実施形態で類似する構成部品は類似する符号を有し、
図8の符号は類似する先行構成部品の符号に300を足したものである。
【0028】
図8の実施形態では、ダンパ338には前述の実施形態のタブ状の延長部がなく、一部品構造となる環状本体340のみを有する。内部から外側まで、本体340は径方向に最も内側の端部341と、径方向に最も外側の端部343とを有する。タブ状の延長部がないため、深い底は、前述したように、本実施形態では設ける必要はないが、その代わりに歯320の第1のセットのすべての底330は、一般的にそうであるように、タブ状の延長部を受容するための修正を用いずに形成されてもよい。前述のように、ダンパ338は、第1のクラッチ部分312または第2のクラッチ部分に固定され、支えられる(
図8には不図示)。固定は、ダンパ338が個別の構成部品として製造される場合は圧入によって行われてもよく、オーバーモールドで製造される場合は、オーバーモールドによって行われてもよい。または別の方法で固定してもよい。個別の構成部品の例では、本体340は、歯20の第1のセットによって画定される内周に配置される。本体340は細長い突起345に対して座位する。細長い突起345は、歯320の第1のセットとスプライン316との間の遷移としてある程度形成される。細長い突起345は、径方向にスプライン316と歯320の第1のセットとの間にわたる平面によって画定される。
【0029】
図8の実施形態では、歯の第2のセットが前述の実施形態に記載するダンパのタブ状の延長部と接触する代わりに、
図8の実施形態の第2のクラッチ部分は、歯の第1および第2のセットが互いに接触する前に、ダンパの本体340と接触する付属物を有していてもよい。このように突然の歯の金属間の当接およびクリック音様の騒音を防ぐことができる。突然の歯の金属間の当接およびクリック音様の騒音は、このような構成でなければ発生しえる。付属物は不図示であるが、第2のクラッチ部分から軸方向に第1のクラッチ部分312に向かって延在する円筒形の構造でありえる。第2のクラッチ部分からの延在は、第1のクラッチ部分312の径方向内側からであってもよい。第1のクラッチ部分312の径方向内側は、付属物が位置揃えされ、動作があると本体340と接触して、接続状態になる。付属物は本体340と接触するため、および本明細書に記載する性能を最大限に求めるために違う方法で設計および構築されてもよい。本体340は、摺動動作および第2のクラッチ部分の付勢によってたわみ、付属物によって圧縮される。歯の第1および第2のセットは、本体340の圧縮を受けて表面と底が対になってかみ合う。本体340は、力を吸収するように機能する。この力はこの構成でない場合、歯の第1と第2のセットの金属間の当接間で、直ちにおよび直接伝わる。したがって、クリック音様の騒音は最小限になるか、または完全に排除される。
【0030】
図9は、前述の実施形態の切断アセンブリと共に用いることができるダンパの別の実施形態を表す。
図9では、第1のダンパ437および第2のダンパ439が提供される。
図9の実施形態は、ある点では、前述の実施形態に類似し、類似点は
図9の説明では繰り返さない。実際に、前述の実施形態および
図9の実施形態で類似する構成部品は、類似する符号を有し、
図9の符号は前述の図の類似する構成部品の符号に400を足したものである。
【0031】
第1および第2のダンパ437、439を用いると、切断アセンブリの構成部品間で、乗員に聞こえる別の騒音が発生することを防ぐ。クリック音または金属音の騒音は、接続および/または切断状態に起動されると、カムアセンブリ48(
図4)と、第1のクラッチ部分412および第2のクラッチ部分414との間の金属間の衝突によって起こることもあることが分かっている。具体的には、回転カム50の内面51(
図4)は、第1のクラッチ部分412の外面453(
図9)に衝突することもあり、同様に、カム従動子52の内面55(
図4)は第2のクラッチ部分414の外面457(
図9)に衝突することもある。設定と使用時に、内面51および外面453は、円周が延在する少なくとも一部に沿って径方向の隙間にわたって互いに直面し、対向する。同様に、内面55および外面457は円周が延在する少なくとも一部に沿って径方向の隙間にわたって互いに直面し、対向する。
【0032】
使用時には、第1のダンパ437は径方向に回転カム50と第1のクラッチ部分412との間に配置され、挟持される。具体的には、内面51と外面453との直面部分の径方向隙間に配置され、挟持される。第1のダンパ437は、別の可能性のある影響の中でも、第1および第2のクラッチ部分の設計および構造およびカムアセンブリ、および求める減衰度に応じて、異なる設計および構造を有していてもよい。
図9の実施形態では、第1のダンパ437は、クラッチ部分および回転カムの素材よりも可撓性のある素材からなっていてもよい。例として、ゴム素材、ポリマ素材、または類似した素材が含まれる。ウレタンは実施形態の別の例である。第1のダンパ437は第1のクラッチ部分とは別の構成部品として個別に製造されてもよく、第1のクラッチ部分上にオーバーモールドされてもよく、または別の技術で製造されてもよい。
図9の実施例に図示するように、第1のダンパ437は、前述の実施形態で前述したように、タブ状の延長部42から広がり、したがってダンパ38の単一の延長部であってもよく、ダンパ38と共に製造されえる。第1のダンパ437はまた、ダンパ38とは別の構成部品であってもよく、タブ状の延長部42の追加でなくてもよい。第1のダンパ437は一部品構造であってもよく、環状本体461を有していてもよい。径方向に最も内側の端部463と、径方向に最も外側の端部465とを有していてもよい。環状本体461は、
図9に図示したように、帯状の設計および構造を有し、この構造は第1のクラッチ部分412の外面453の回りの円周に継続した膜として機能してもよい。第1のダンパ437は、図の第1のクラッチ部分412に固定され、第1のクラッチ部分412に支持されてもよいが、回転カム50に固定され、回転カム50に支持されてもよい。固定は、第1のダンパ437が個別の構成部品として製造される場合は圧入によって行われてもよく、オーバーモールドで製造される場合は、オーバーモールドによって行われてもよい。または別の方法で固定してもよい。
【0033】
第1のダンパ437は、金属間の衝突およびクリック音様の騒音を防ぐ。金属間の衝突およびクリック音様の騒音は、ダンパ437がなければ回転カム50と第1のクラッチ部分412との間で起こりえる。カムアセンブリ48が起動されると、回転カム50の内面51は、内面51が第1のクラッチ部分412の外面453と金属間の当接をする前に、第1のダンパ437の外面467と接触する。本体461は回転カム50の付勢によってたわみ、付属物によって圧縮されてもよい。本体461は、力を吸収するように機能する。この力はこの構成でない場合、回転カム50と第1のクラッチ部分412の金属間の当接間で、直ちにおよび直接伝わる。したがって、クリック音様の騒音は最小限になるか、または完全に排除される。
【0034】
使用時には、第2のダンパ439は、径方向にカム従動子52と第2のクラッチ部分414との間に配置され、挟持される。具体的には、内内面55と外面457との直面部分の径方向隙間に配置され、挟持される。第2のダンパ439は、別の可能性のある影響の中でも、第1および第2のクラッチ部分の設計および構造およびカムアセンブリ、および求める減衰度に応じて、異なる設計および構造を有していてもよい。
図9の実施形態では、第2のダンパ439は、クラッチ部分および回転カムの素材よりも可撓性のある素材からなっていてもよい。例として、ゴム素材、ポリマ素材、または類似した素材が含まれる。ウレタンは実施形態の別の例である。第2のダンパ439は第2のクラッチ部分およびカム従動子とは別の構成部品として個別に製造されてもよく、第2のクラッチ部分上にオーバーモールドされてもよく、または別の技術で製造されてもよい。第2のダンパ439は一部品構造であってもよく、径方向に最も内側の端部473と、径方向に最も外側の端部475とを有する環状本体471を有していてもよい。環状本体471は、
図9に図示したように、帯状の設計および構造を有し、この構造は第2のクラッチ部分414の外面457の回りの円周に継続した膜として機能してもよい。第2のダンパ439は、図の第2のクラッチ部分414に固定され、第2のクラッチ部分414に支持されてもよいが、カム従動子52に固定され、カム従動子52に支持されてもよい。固定は、第2のダンパ439が個別の構成部品として製造される場合は圧入によって行われてもよく、オーバーモールドで製造される場合は、オーバーモールドによって行われてもよい。または別の方法で固定してもよい。
【0035】
第2のダンパ439は、金属間の衝突およびクリック音様の騒音を防ぐ。金属間の衝突およびクリック音様の騒音は、第2のダンパ439がなければカム従動子52と第2のクラッチ部分414との間で起こりえる。カムアセンブリ48が起動されると、カム従動子52の内面55は、内面55が第2のクラッチ部分414の外面457と金属間の当接をする前に、第2のダンパ439の外面477と接触する。本体471はカム従動子52の付勢によってたわみ、それによって圧縮されてもよい。本体471は、力を吸収するように機能する。この力はこの構成でない場合、カム従動子52と第2のクラッチ部分414の金属間の当接で、直ちにおよび直接伝わる。したがって、クリック音様の騒音は最小限になるか、または完全に排除される。
【0036】
異なる実施形態では、第1のダンパ437は、第2のダンパ439とは独立して、または、第2のダンパ439を用いずに使用され得る。また、第1のダンパ437は、前述の実施形態のダンパ38、138、338とは独立して、または平坦ではない歯型とは独立して、使用されえる。さらに、これらの様々なダンパおよび/または平坦ではない歯型は、異なる実施形態において互いに組み合わせて使用され得る。同様に、異なる実施形態では、第2のダンパ439は第1のダンパ437とは独立して、または、第1のダンパ437を用いずに使用され得る。また、第2のダンパ439は、前述の実施形態のダンパ38、138、338とは独立して、または平坦ではない歯型とは独立して、使用され得る。さらに、これらの様々なダンパおよび/または平坦ではない歯型は、異なる実施形態において互いに組み合わせて使用され得る。さらに、第1および第2のダンパ437、439を使用して、例示するカムアセンブリ48とは別の起動手法を用いることによって生じる、乗員に聞こえる騒音を減少させ得る。
【0037】
前述の記載は例示的なものであり、限定的ではないことを理解されたい。例として提示した以外の多くの実施形態および適用が、本明細書を読んで、当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、請求項が付与する同等物の全範囲とともに、添付請求項を参照して決定される。将来の開発は本明細書に記載する技術で起こり、開示したアセンブリおよび方法は将来の実施形態に統合されるであろうことが期待され、意図される。全体として、本発明は修正可能であり、変形は以下の請求項によってのみ限定される。
【0038】
本請求項で用いるすべての用語は、明白に反対の記述がない限り、最大に合理的な構造および当業者が理解するその本来の意味を与えることを意図する。具体的には、「1つ」「その」「前記」などの単数形は、明白に反対の限定を請求項が記載しない限り、1または複数の意図する要素を指すものと読むべきである。