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特許7186880自動車両用ワイパーシステムの駆動アームにウインドシールドワイパーを接続するためのアダプタ
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  • 特許-自動車両用ワイパーシステムの駆動アームにウインドシールドワイパーを接続するためのアダプタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】自動車両用ワイパーシステムの駆動アームにウインドシールドワイパーを接続するためのアダプタ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20221202BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
B60S1/40 300F
F16B21/08
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021531768
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2019082501
(87)【国際公開番号】W WO2020114828
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】1872290
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、ジョマール
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、ウサ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、ムレール
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/050325(WO,A1)
【文献】実開昭59-013715(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0151718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/40
F16B 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ワイパーシステム(800)の駆動アーム(5)にウインドシールドワイパー(7)を接続するようになっているアダプタ(100)であって、前記アダプタ(100)が、前記アダプタ(100)の縦方向(Ox)で互いに連続して延在するヘッド(1)及び本体(2)を有し、前記アダプタ(100)が、少なくとも上壁(10,20)によって及び少なくとも前記上壁(10,20)から延在する2つの横方向側面(11a,11b,21a,21b)によって形成され、前記アダプタ(100)が、前記上壁(10,20)に対して垂直な垂直方向(Oz)でアダプタを前記駆動アーム(5)に対して中心付けるように構成される少なくとも1つの心出し手段(3)を有する、アダプタ(100)において、前記心出し手段(3)は、前記駆動アーム(5)と係合されるように構成されるガイド部材(9)によって前記本体(2)に沿って縦方向に連続し、前記アダプタ(100)は、前記アダプタ(100)を前記垂直方向(Oz)で楔留めするように構成される舌部(4)を備える、ことを特徴とするアダプタ(100)。
【請求項2】
前記舌部(4)は、前記本体(2)及び/又は前記ガイド部材(9)と一体的に形成される、請求項1に記載のアダプタ(100)。
【請求項3】
前記ガイド部材(9)は、前記アダプタ(100)の前記本体(2)の横方向側面(21a,21b)によって支持される、請求項1又は2に記載のアダプタ(100)。
【請求項4】
前記心出し手段(3)及び前記ガイド部材(9)は、前記ヘッド(1)と前記本体(2)との間の境界に形成される肩部(14)を越えて配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項5】
前記舌部(4)は、前記アダプタ(100)の前記本体(2)の横方向側面(21a,21b)によって支持される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項6】
前記ガイド部材(9)は、上縁面(93)と、前記上縁面(93)の反対側の下縁面(94)とを備え、前記上縁面(93)は、前記アダプタ(100)の前記上壁(10,20)と前記下縁面(94)との間に配置され、前記舌部(4)は、前記アダプタ(100)の前記上壁(10,20)と前記上縁面(93)との間で延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項7】
前記ガイド部材(9)は、前記心出し手段(3)に接合される第1の縦方向端部(91)と、前記第1の縦方向端部(91)とは反対側の端部にある自由端である第2の縦方向端部(92)とを備え、前記舌部(4)が前記第2の縦方向端部(92)に向かって収束する、請求項1から6のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項8】
前記舌部(4)が塑性変形できる、請求項1から7のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項9】
前記ガイド部材(9)の前記下縁面(94)は、前記下縁面(94)と20°~60°の角度(α)を成す挿入面取り(95)によって連続している、請求項6に記載のアダプタ(100)。
【請求項10】
前記心出し手段(3)が半ディスクであり、その中心(D)が前記肩部(14)を含む平面を通過することを特徴とする、請求項4又は請求項4と組み合わせた請求項から9のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアダプタ(100)と、ウインドシールドワイパー(7)に固定され得るコネクタ(8)とを備える接続装置(900)であって、前記アダプタ(100)と前記コネクタ(8)とが回転接続のための手段によって接続されることを特徴とする、接続装置(900)。
【請求項12】
請求項11に記載の接続装置(900)を備えるウインドシールドワイパー(7)。
【請求項13】
ウインドシールドワイパー(7)と、駆動アーム(5)と、請求項1から10のいずれか一項に記載のアダプタ(100)又は請求項11に記載の接続装置(900)とを備え、前記アダプタ(100)が前記駆動アーム(5)のヨーク(500)と協働する、ワイパーシステム(800)において、前記心出し手段(3)は、前記ヨーク(500)の側壁(51)に配置される開口部(52)内に配置され、前記舌部(4)は、前記開口部(52)内へと延在して、前記アダプタ(100)を前記ヨーク(500)に対して垂直方向(Oz)で楔留めすることを特徴とするワイパーシステム(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両の光沢面を拭き取る及び/又は洗浄する分野に関し、より詳細には、ウインドシールドワイパーとその駆動アームとの間の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両用ワイパーは、拭き取りによって、ドライバーの周囲の視界を妨げ得る液体及び汚れを除去するように設計される。これらのワイパーは、一般に、車両の光沢面上にわたって角度のある前後の動きをもたらす少なくとも1つの駆動アームと、弾性材料から形成されるブレードラバーが設けられる少なくとも1つのウインドシールドワイパーとを備える。このブレードラバーは、この光沢面に対して擦ることにより、そこから水及び汚れの一部を拭き取り、それらをドライバーの視界から排除する。
【0003】
ウインドシールドワイパー(例えば、ブレードラバーを幾つかの別個の領域で保持する関節ブラケット、又は、ブレードラバーをその全長に沿って保持する金属ブレード)の形態に関係なく、ウインドシールドワイパーは、一般に少なくとも1つのコネクタ及びアダプタを備える接続アセンブリによって拭き取りシステムの駆動アームに取り付けられる。コネクタはウインドシールドワイパーに固定され、また、アダプタは、一方の部分がコネクタと協働し、他方の部分が駆動アームの端部又はヨークとともに嵌合されるように構成される部品である。したがって、コネクタ及びアダプタは、ウインドシールドワイパーを駆動アームに締結するように協働する。
【0004】
自動車両をレトロフィットするための部品及び付属品の販売に関する市場では、幾つかのタイプの駆動アームに適合可能な、それ自体のコネクタを備えて販売される全く同じウインドシールドワイパーを提供することが知られている。したがって、可能な限り多くのタイプのアームヨーク及び可能な限り多くのタイプのウインドシールドワイパーコネクタを用いて使用可能なアダプタを設計することが適切であり、それは、これらの2つの要素間のインタフェースを形成するのがアダプタだからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、自動車両のワイパーシステム用の特定のタイプの駆動アームのヨークにウインドシールドワイパーを接続できるようにする解決策を提供することであり、前記ヨークは、その縦方向に対して垂直に、逆U字形の断面を有し、その垂直脚部がこのヨークの2つの側壁によって形成され、その横方向脚部がこのヨークの上壁によって形成される。したがって、このヨークの上壁及び側壁は、互いの間で、本発明に係るアダプタを受けるための容積を画定する。
【0006】
本発明がより具体的に適用される特定のヨークは、この側壁の自由前端縁部を発端としてヨークの側壁のうちの一方にそれぞれ縦方向で配置される2つの開口部も有し、この自由前端部は、本発明のアダプタがこのヨーク内に導入される端部を形成する。これらの開口部は、アダプタと駆動アームとの間の接続に有利に関与されてもよい。しかしながら、駆動アーム及び特にそのヨークを製造するための機械的制約は、これらの開口部の寸法公差があまり正確ではなく、ワイパーシステム用の予備部品及び付属品のアフターセール市場で一般的に入手可能なアダプタがそのような接続を常に確実に確保できないことを意味する。場合によっては、これらの公差偏差に起因してアダプタをヨークに装着することができない。
【0007】
本発明の目的は、特に開口部の寸法公差にかかわらず、ヨークにアダプタを装着するとともにアダプタを駆動アームと心出しして楔留めするためにこれらの開口部を効果的に使用できるようにするアダプタを提供することであり、そのような心出し及び楔留めは垂直方向で行なわれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両用ワイパーシステムの駆動アームにウインドシールドワイパーを接続するようになっているアダプタであって、アダプタが、該アダプタの縦方向で互いに連続して延在するヘッド及び本体を有し、アダプタが、少なくとも上壁によって及び少なくとも上壁から延在する2つの横方向側面によって形成され、アダプタが、上壁に対して垂直な垂直方向でアダプタを駆動アームに対して中心付けるように構成される少なくとも1つの心出し手段を有する、アダプタにおいて、心出し手段が、駆動アームと係合されるように構成されるガイド部材によって本体に沿って縦方向に連続し、アダプタが、該アダプタを垂直方向で楔留めするように構成される舌部を備える、ことを特徴とするアダプタに関する。ガイド部材は、アダプタをワイパーシステムに取り付けることをより容易にする。駆動アームに対するアダプタの位置が心出し手段によって確保され、また、アダプタと駆動アームとの間の協働が舌部によってより確実にされる。
【0009】
慣例により、本明細書全体を通して、「縦」という用語は、本発明に係るアダプタのヘッド及び本体が互いに連続して延在する方向に適用され、「横」という用語は、縦方向に対して略垂直であるとともに本発明に係るアダプタの横方向側面を互いに接合する方向に適用され、「垂直」という用語は、縦方向及び横方向の両方に対して垂直な方向、すなわち、アダプタの上壁に対して垂直な方向を示す。
【0010】
1つの特徴によれば、アダプタは、ウインドシールドワイパーに固定されるコネクタに対する回転接続のための手段を備え、上壁及び横方向側面は、コネクタが延在できるアダプタの内部容積を画定する。
【0011】
したがって、前述の異なる方向に関連して、本発明に係るアダプタのヘッド及び本体はそれぞれ、垂直横断面において、その形状が実質的に逆U字形の部分を有する。この逆U字形は、上壁と、上壁に対して垂直又は略垂直に延在する2つの横方向側面、すなわち、このヘッド及び/又はこの本体の2つの垂直又は略垂直な横方向側面とによって形成される。本発明に係るアダプタの上壁及び横方向側面は、共同してアダプタの内部容積を画定する。アダプタの内部容積は、ウインドシールドワイパーに固定されるコネクタを受け入れるように構成される。したがって、内部容積は、上壁並びに/又は一方及び/若しくは他方の横方向側面と一体に形成される回転接続のための手段を受け入れる。
【0012】
本発明に係るアダプタは、駆動アームと協働するようになっている心出し手段を有する。この協働は、特に、先に規定されたタイプのヨークの側壁のうちの少なくとも一方に配置される開口部のうちの少なくとも1つを用いて行なわれる。この心出しは、アダプタの上壁が通過する平面に対して垂直な方向、すなわち、先に規定された垂直方向で実現される。
【0013】
好適には、心出し手段は、アダプタの横方向側面のうちの1つに配置される。特に、心出し手段は、ヘッドを本体の横方向側面へと連続させる、アダプタの横方向側面のうちの1つに配置される。
【0014】
本発明に係るアダプタは、特にアダプタの係合位置から実装位置まで、ヨーク内へのアダプタの挿入経路を制御するようになっているガイド部材を有する。アダプタが実装位置にあるとき、ガイド部材は、ヨークの側壁のうちの一方の厚さに係合される。
【0015】
本発明に係るアダプタは舌部を有する。舌部は、アダプタが駆動アームと係合されるときにアダプタを垂直方向で楔留めするように構成される。舌部は、実装位置において、ヨークの側壁のうちの一方に当接する。アダプタを垂直方向で楔留めするために、舌部は、アダプタの横方向側面のうちの一方に位置される。
【0016】
1つの典型的な実施形態では、アダプタは成形によって得られる一体構造である。したがって、アダプタの様々な部分は、アダプタを損傷させることなく分解することができない。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、舌部は、本体及び/又はガイド部材と一体的に形成される。より好ましくは、舌部は、ガイド部材と一体に形成されるだけであり、それが隣接して延在する横方向側面から距離を隔てて位置され、これは、その塑性変形能力、したがって、ヨーク内へのアダプタの装着性を高める効果を有する。舌部は、ガイド部材を介して、アダプタの本体及び/又はアダプタのヘッドに取り付けられてもよい。「~と一体的に形成される」という表現は、舌部が、本体及び/又はガイド部材とともに、本体及び/又はガイド部材の連続部であることを意味する。言い換えると、舌部は、本体及び/又はガイド部材によってもたらされる。したがって、舌部は、舌部及び本体及び/又はガイド部材の完全性を損なうことなく、本体及び/又はガイド部材から分離することができない。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、ガイド部材がアダプタの本体の横方向側面によって支持される。言い換えると、ガイド部材は、この本体の横方向側面と一体に形成される。ガイド部材及び本体は、一方又は他方を損傷させずに分離することができない。
【0019】
本発明の1つの態様によれば、心出し手段及びガイド部材は、アダプタのヘッドと本体との間の境界に形成される肩部を越えて配置される。ヘッドと本体との間の界面において、肩部は、アダプタの本体とヘッドとの間の境界である。肩部は、アダプタのヘッドと本体とが合流する領域を形成する。心出し手段は、肩部から突出する。好適には、本発明に係るアダプタの本体とヘッドとの間の界面が肩部を形成し、その寸法は、アダプタが挿入される駆動アームのヨークの側壁の厚さに実質的に等しくなるように規定される。本発明の1つの実施形態によれば、この肩部は、アダプタのヘッド及び本体のそれぞれの上壁間、並びに、にヘッド及び本体の側壁間で延在し、それにより、このヘッドとこの本体との間の界面に外周縁を形成する。
【0020】
本発明の1つの有利な特徴によれば、心出し手段は、肩部を発端として配置され、ガイド部材によって連続している。心出し手段及びガイド部材は、本発明に係るアダプタの本体の方向で、この肩部を越えて縦方向に延在する。
【0021】
有利には、この心出し手段の横方向寸法、すなわち、本発明に係るアダプタの本体を越えて横方向に延在するその厚さは、ヘッドの横方向側面と本体の横方向側面との間の界面を形成する肩部の横方向寸法と同一又は実質的に同一である。したがって、この心出し手段は、それが延在するヘッドの横方向側面から突出する部分を構成しない。
【0022】
有利には、ガイド部材の横方向寸法、すなわち、本発明に係るアダプタの本体を越えて横方向に延びるその厚さは、心出し手段の横方向寸法よりも小さい。
【0023】
本発明の1つの態様によれば、舌部は、アダプタの本体の横方向側面によって支持される。舌部は、アダプタの本体における横方向側面と一体に形成される。
【0024】
本発明の1つの態様によれば、ガイド部材は、上縁面と、上縁面の反対側の下縁面とを備え、上縁面は、アダプタの上壁と下縁面との間に配置され、舌部は、アダプタの上壁と上縁面との間で延在する。したがって、舌部は、本体の上壁によって及びガイド部材の下縁面によって画定される空間内で延在する。
【0025】
本発明の1つの態様によれば、ガイド部材は、心出し手段に接合される第1の縦方向端部と、第1の縦方向端部とは反対側の端部にある自由端である第2の縦方向端部とを備え、舌部は第2の縦方向端部に向けて収束する。舌部は、アダプタをヨーク内へ挿入することをより容易にするように方向付けられた傾斜面の形態を成す。
【0026】
本発明の1つの態様によれば、舌部が塑性変形できる。舌部の塑性変形は、アダプタを駆動アームと楔留めするのに役立つ。アダプタがヨーク内へ挿入される前に、舌部は無傷である。ガイド部材がヨークの開口部に係合されると、アダプタをヨーク内へ挿入する最中に、開口部と舌部との間の協働が舌部を変形させる。実装位置において、舌部は、変形したままであり、開口部内で静止している。
【0027】
本発明の1つの態様によれば、ガイド部材の下縁面は、下縁面と20°~60°の角度を成す挿入面取りによって連続している。面取りは、ヨークの開口部にガイド部材を係合させることをより容易にするとともに、アダプタが駆動アームのヨーク内に挿入されている間にアダプタが回転できるようにする。挿入面取りと下縁面との間の角度は、主に挿入面取りに沿って延びる直線と、主に下縁面に沿って延びる直線との間で測定される。角度は、ガイド部材の第2の末端で測定される。角度は、それが20°~60°である場合、ガイド部材をヨークの開口部に係合させることをより容易にする。
【0028】
本発明の1つの態様によれば、心出し手段は、その中心が肩部を含む平面を通過する半ディスクである。心出し手段は、その縦方向で湾曲形状を有し、その湾曲形状の頂部はガイド部材に向けられる。
【0029】
したがって、本発明の1つの実施形態によれば、この心出し手段は、例えばそれを支持するアダプタのヘッドの横方向側面で中心付けられるディスク部の形態を成す。したがって、そのようなディスク部は、ヘッドにおけるアダプタの横方向側面を画定する外面と位置合わせされる面によって画定される。
【0030】
本発明の1つの態様によれば、本体の各横方向側面がガイド部材を支持する。横方向側面ごとに1つのガイド部材がある。したがって、アダプタには2つのガイド部材が設けられる。
【0031】
本発明の1つの態様によれば、本体の各横方向側面が舌部を支持する。横方向側面ごとに1つの舌部がある。したがって、アダプタには2つの舌部が設けられ、これはヨーク内でアダプタの位置を釣り合わせるのに役立つ。
【0032】
また、本発明は、前述のようなアダプタと、ウインドシールドワイパーに固定され得るコネクタとを備える接続装置にも関し、この場合、アダプタ及びコネクタは、回転接続のための手段によって接続される。接続装置ではワイパーシステムのコネクタがアダプタと協働する。ワイパーシステムのコネクタは、ウインドシールドワイパーに固定されるようになっている。
【0033】
本発明に係るアダプタは、その本体の領域内に、それをワイパーシステムのコネクタに回転可能に接続するための手段を有する。1つの典型的な実施形態によれば、回転接続のためのこの手段は、アダプタの上壁と平行で且つアダプタの横方向側面に対して略垂直な実質的に横方向の回転軸を中心とする少なくとも1つの円筒トラニオンから構成される。回転接続のためのこの手段は、2つの同軸の円筒トラニオンを備えてもよい。
【0034】
好適には、この実質的に円筒形のトラニオンは、本発明に係るアダプタの本体の少なくとも1つの横方向側面から、このアダプタのヘッドと本体との間の界面に近い、アダプタの上壁及び横方向側面によって画定される前記アダプタの内部容積の一部内で延在する。このトラニオンは、有利には、本発明に係るアダプタに対するそのようなウインドシールドワイパーの接続中に、ウインドシールドワイパーに関連するコネクタと協働するようになっている。より具体的には、このトラニオンは、そのようなコネクタに設けられる受け入れオリフィスに係合するようになっている。
【0035】
1つの変形実施形態によれば、回転接続のための手段は、アダプタの本体の各横方向側面に配置される円形又は正方形の断面を有する円筒形の少なくとも2つの開口から構成される。これらの開口は、本発明に係るアダプタに対するそのようなウインドシールドワイパーの接続中にウインドシールドワイパーに関連するコネクタと協働する。より具体的には、これらの開口はそれぞれ、コネクタと一体的に形成されたトラニオン又はコネクタに取り付けられたシャフトと係合するようになっている。
【0036】
更に他の実施形態によれば、回転接続のための手段は、アダプタの一方の横方向側面に設けられた単一のトラニオンと、アダプタの他方の横方向側面に設けられた単一の開口とを備える。
【0037】
また、本発明は、前述のような接続装置を備えるウインドシールドワイパーに関する。ウインドシールドワイパーは、接続装置のコネクタと協働する。アセンブリは、接続装置のアダプタと駆動アームのヨークとの間の協働によって駆動アームに接続されるようになっている。このウインドシールドワイパーは、本発明の第1の態様の主題であるアダプタがコネクタに装着される又はウインドシールドワイパーを含むパッケージ内に配置されるときにこの接続装置を備えることが理解される。
【0038】
最後に、本発明は、ウインドシールドワイパー、前述したような駆動アーム及びアダプタ又は前述したような接続装置を備え、アダプタが駆動アームのヨークと協働する、ワイパーシステムであって、心出し手段がヨークの側壁に配置される開口部内に配置され、舌部が開口部内へ延在してアダプタをヨークに対して垂直方向で楔留めすることを特徴とするワイパーシステムを網羅する。
【0039】
そのヨークが前述のタイプである駆動アームと本発明に係るアダプタが組み付けられてしまうと、このアダプタの本体がこのヨークの受け入れ容積内に係合される。ヨークの受け入れ容積は、ヨークの上壁と、ヨークの上壁から延在する2つの側壁とによって画定される。アダプタの本体が受け入れ容積内に係合されると、アダプタの上壁は、本体の位置において、この受け入れ容積内で、ヨークの上壁に当接するようになり、また、ヨークの側壁は、有利には、縦方向及び横方向のガイド手段並びにこの受け入れ容積内でアダプタを横方向で固定するための手段の両方として作用する。この目的のため、本発明に係る特にアダプタの本体の外形寸法は、この案内及びこの固定を可能にするように有利に規定され、言い換えると、本発明に係るアダプタの本体の外形寸法は、有利には、このアダプタが協働するようになっている駆動要素のヨークの上壁及び側壁によって画定される受け入れ容積内へのアダプタの容易であるが緊密な挿入、すなわち、過度の遊びのない挿入を可能にするように規定される。
【0040】
有利には、本発明に係るアダプタの本体がヨークの受け入れ容積内に受けられるときにこの心出し手段がこのヨークの対応する側壁に配置される開口部の開放端開口をこのヨークの自由縁で少なくとも部分的に閉じるように、心出し手段の寸法及びそれを支持する横方向側面上のその形態が規定される。
【0041】
有利には、舌部の寸法及びそれを支持する横方向側面上のその形態は、本発明に係るアダプタの本体がヨークの受け入れ容積内に受けられるときに舌部が対象の開口部の縁面に当接するように規定される。非常に有利には、舌部は、このベアリング効果を高めるために、本発明に係るアダプタの本体がヨークの受け入れ容積内に受けられるときに変形される。
【0042】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の明細書本文及び図面から更に明確に分かるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】自動車両用のワイパーシステムを形成するウインドシールドワイパーと組み付けられる駆動アームの斜視図である。
図2】ウインドシールドワイパーの駆動アームヨークの端部の側面図であり、本発明に係るアダプタが前記ヨークと協働できる。
図3】本発明に係るアダプタの斜視図である。
図4】本発明に係るアダプタをウインドシールドワイパーの駆動アームのヨークに組み込むシーケンスを示す連続する図のセットのうちの1つに対応する。
図5】本発明に係るアダプタをウインドシールドワイパーの駆動アームのヨークに組み込むシーケンスを示す連続する図のセットのうちの1つに対応する。
図6】本発明に係るアダプタをウインドシールドワイパーの駆動アームのヨークに組み込むシーケンスを示す連続する図のセットのうちの1つに対応する。
図7】本発明に係るアダプタをウインドシールドワイパーの駆動アームのヨークに組み込むシーケンスを示す連続する図のセットのうちの1つに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
まず最初に、図は、本発明の実施のために本発明を詳細に示すが、当然ながら、必要に応じて本発明をより良く規定するために使用されてもよいことに留意すべきである。全ての図において、類似している及び/又は同じ機能を果たす要素が同じ参照符号によって示されることにも留意すべきである。
【0045】
更に、先に規定された向き及び方向に関連して、縦方向は、図の全体にわたって、軸Oxによって示され、横方向は軸Oyによって示され、垂直方向は軸Ozによって示される。これらの様々な軸は、様々な図に示される正規直交基準系Oxyzを共に規定する。この基準系において、「前」の向きは軸Oxの正の方向によって規定され、「後」の向きはこの同じ軸の負の方向によって規定され、「上端」又は「上側」という用語は軸Ozの正の方向によって表わされ、「下端」又は「下側」という用語はこの同じ軸Ozの負の方向によって表わされる。
【0046】
図1は、本発明に係るアダプタ100を組み込む自動車両用のワイパーシステム800を示す。このワイパーシステム800は、拭き取られるべき表面上にわたって角度のある前後の動きをもたらす駆動アーム5と、この場合にはそれ自体が弾性材料から形成されるブレードラバー71を支持するバーテブラ70で構成されるウインドシールドワイパー7とを備える。駆動アーム5の角度のある前後の動きの最中、ウインドシールドワイパー7及びそのブレードラバー71は、所望の拭き取り/洗浄動作を実行するべく光沢面上にわたって角度のある動きで駆動される。ウインドシールドワイパー7は接続装置900によって駆動アーム5に取り付けられ、接続装置900は、ワイパーシステム800が組み付けられてしまった時点では見えない回転接続のための手段によって互いに接続されるコネクタ8及びアダプタ100を備える。コネクタ8はウインドシールドワイパー7に固定され、アダプタ100は、このコネクタ8とヨーク500としても知られる駆動アーム5の端子部分との間のインタフェースを実現する。コネクタ8及びアダプタ100は、ウインドシールドワイパー7を駆動アーム5に締結するために協働し、また、これらの2つの要素間には関節接続部が存在する。
【0047】
本発明の主題は、特定のタイプの駆動アーム5のヨーク500と協働できる特定のタイプのアダプタ100であり、特に駆動アーム5がこの特定のタイプのヨーク500を有する「ワイパー」アセンブリのための交換、すなわち、レトロフィットのウインドシールドワイパーを提供することである。
【0048】
図2に側面図で概略的に且つ部分的に示されるヨーク500は上壁50を有し、上壁50からは、2つの側壁51がこの上壁50に対して略垂直に延在する。したがって、ヨーク500は、その形状が略逆U字形である少なくとも一つの断面を有し、その基部が上壁50によって形成され、その脚部が側壁51によって形成される。このヨーク500の上壁50及び側壁51は、図4図7に同様に示される受け入れ容積54を共同して画定する。
【0049】
図2及び図4図7に示されるように、ヨーク500は、その側壁51のうちの少なくとも一方に配置される開口部52を有する。有利には、開口部52がヨーク500の側壁51のそれぞれに配置される。したがって、ヨーク500は2つの開口部52を備える。
【0050】
各開口部52は、駆動アーム5の方向で、ヨーク500の上壁50と略平行な方向に延在し、駆動アーム5のこのヨーク500が端子部分を構成する。開口部52は、対応する側壁51の自由縁部510から延在し、前記自由縁部510は、ワイパーシステム800におけるアダプタ100がヨーク内に受け入れられた時点で当接するヨークの端部を構成する。
【0051】
したがって、各開口部52は、開放端開口520を通じて側壁51の自由縁部510で開放する。開放端開口520は、開口部52の縁部521a、521bによって画定される。製造を容易にするために、各開口部52の端壁521は、この開口部52が配置される側壁51内で、湾曲されることが有利である。端壁は、対応する開口部52内に中心付けられる略半円形状を有する。端壁521は、上側境界523aと下側境界523bとによって各縁部521a、521bに接続され、上側境界523aは、ヨーク500の上壁50と下側境界523bとの間に位置される。
【0052】
図3は、ウインドシールドワイパー7を車両用のワイパーシステム800の駆動アーム5に接続するようになっている本発明に係るアダプタ100を示す。
【0053】
アダプタ100は、アダプタ100の縦方向Oxで互いに連続して延在するヘッド1及び本体2を有する。先に規定された方向及び向きに関連して、ヘッド1は、本発明に係るアダプタ100の前方に向けて延在し、また、本体2は、この同じアダプタ100の後方に向けて延在する。
【0054】
本発明の1つの実施形態によれば、アダプタ100は、金型内でポリマー材料を射出成形することによって製造され、一体部品を成して一体形成される。アダプタは、アダプタ100の完全性を損なわずにそれを形成する部品を分離できないという点で一体部品を成す。
【0055】
アダプタ100は、少なくとも上壁10、20によって及び少なくとも上壁10、20から延在する2つの横方向側面11a、11b、21a、21bによって形成される。図3で与えられる例において、アダプタ100は、上壁10,20と、第1の横方向側面11a,21aと、第2の横方向側面11b,21bとによって形成される。アダプタ100の上壁10、20は、ヘッド1において、ヘッド1の上壁10と呼ばれる第1の部分と、本体2の上壁20と呼ばれる第2の部分とを備える。アダプタ100の第1の横方向側面11a、21aは、ヘッド1において、ヘッド1の第1の横方向側面11aと呼ばれる第1の部分と、本体2の第1の横方向側面21bと呼ばれる第2の部分とを備える。アダプタ100の第2の横方向側面11b、21bは、ヘッド1において、ヘッド1の第2の横方向側面11bと呼ばれる第1の部分と、本体2の第2の横方向側面21bと呼ばれる第2の部分とを備える。
【0056】
縦方向Oxで測定されるアダプタ100の縦寸法は、方向Oyで測定されるアダプタの横方向よりも大きい。アダプタ100は、縦方向Oxの寸法でその最も大きい寸法を有する。
【0057】
ヘッド1は、上壁10、第1の横方向側面11a、及び、第2の横方向側面11bによって形成され、第1の横方向側面11a及び第2の横方向側面11bは、略垂直であるとともに、それぞれが上壁10の縦側面から上壁に対して略垂直に延在する。
【0058】
本体2は、上壁20、第1の横方向側面21a、及び、第2の横方向側面21bによって形成され、第1の横方向側面21a及び第2の横方向側面21bは、略垂直であるとともに、それぞれが上壁20の縦側面から上壁に対して略垂直に延在する。
【0059】
ヘッド1の第1の横方向側面11a及び本体2の第1の横方向側面21aは図3では露出される、一方、ヘッド1及び本体2のそれぞれの第2の横方向側面11b、21bは図3の視野角に起因して大きく隠される。ヘッド1及び本体2はそれぞれ、先に規定された基準系の平面Oyzに平行な垂直横断面において、逆U字形の断面を有し、その横方向脚部が上壁10、20のそれぞれによって形成され、その垂直脚部が本発明に係るアダプタ100のこれらの2つの部分の横方向側面11a、11b及び21a、21bのそれぞれによって形成される。
【0060】
したがって、本発明に係るアダプタ100のヘッド1及び本体2のそれぞれの上壁10、20は、このヘッド1及びこの本体2のそれぞれの横方向側面11a、11b及び21a、21bとともに、図3で示唆されるこのアダプタ100の内部容積101を画定する。コネクタ8は、この内部容積101内で延びることができる。アダプタ100は、ウインドシールドワイパー7に固定されるコネクタ8に対する回転接続のための手段を備える。回転接続のためのこの手段は、内部容積101内に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0061】
アダプタ100は、アダプタ100を駆動アーム5に対して垂直方向Ozで中心付けるように構成される少なくとも1つの心出し手段3を有する。心出し手段3は、駆動アーム5と係合されるように構成されるガイド部材9によって本体2に沿って縦方向に連続している。ガイド部材9は、アダプタ100のヘッド1においてアダプタ100の横方向側面11aによって支持される。この典型的な実施形態において、心出し手段3は、中心Dを有する半ディスクの形態をとる。心出し手段3及びガイド部材9は、アダプタ100のヘッド1を継続させる。これらはいずれも、本体2の第1の横方向側面21aと一体に形成される。
【0062】
ヘッド1の各横方向側面11a、11bは、単一のガイド部材9及び単一の心出し手段3を支持する。図3では、視野角に起因してこれらのうちの1つのみが見える。
【0063】
ガイド部材9は、第1の縦方向端部91と、第1の縦方向端部91の反対側の端部にある第2の縦方向端部92とを備える。したがって、ガイド部材9は、縦方向Oxで細長い全体形状を有する。第1の縦方向端部91は心出し手段3に接合される。第2の縦方向端部92は自由端である。
【0064】
ガイド部材9は、上縁面93と、上縁面93とは反対側の下縁面94とを備える。上縁面93は、アダプタ100の上壁10、20と下縁面94との間に配置される。
【0065】
アダプタ100は、アダプタ100を垂直方向Ozで楔留めするように構成される舌部4を備える。ヘッド1の各横方向側面11a、11bは単一の舌部4を支持する。図3では、視野角に起因してこれらのうちの1つのみが見える。
【0066】
舌部4は、アダプタ100の上壁10、20と下縁面93との間で延在する。舌部4は、ガイド部材9を挿入し易くするべく第2の縦方向端部92に向けて収束する。
【0067】
この例示的な実施形態において、舌部4は、本体2及びガイド部材9と一体に形成される。舌部4は、ヘッド1においてアダプタ11の横方向側面100aによって支持される。
【0068】
心出し手段3及びガイド部材9は、ヘッド1と本体2との界面に形成される肩部14を越えて配置される。肩部14は、ヘッド1から延びて本体2に向けて戻る、先に規定された正規直交基準系の垂直横断面Oyzと略平行である。したがって、肩部14は、本発明のこの実施形態によれば、本発明に係るアダプタ100のヘッド1と本体2との間の界面の全周にわたって延在する。特定の態様では、心出し手段3の中心Dが肩部14を含む平面を通過する。
【0069】
心出し手段3で測定された横方向寸法は、ガイド部材9で測定された横方向寸法よりも僅かに大きい。ヘッド1の横方向寸法Oyは、舌部4におけるよりも心出し手段3で僅かに大きく、これらは同じ方向に測定される。ガイド部材9の横方向寸法Oy及び舌部4の横方向寸法Oyは同一である。言い換えると、心出し手段3とガイド部材9との間には、ヘッド1から延びて本体2に向けて戻る、先に規定された正規直交基準系の垂直横断面Oyzと略平行な横方向不連続部15がある。
【0070】
ガイド部材9の下縁面94は、挿入面取り95によって連続している。挿入面取り95は、下縁面94と20°~60°の角度αを成す。挿入面取り95に沿って延びる直線950及び下縁面94に沿って延びる直線940は、挿入面取り95が成す角度αを測定できるようにする。
【0071】
また、図3は、駆動アームのヨークにおいて、縦方向で、すなわち、方向Oxでアダプタ100を固定するようになっているロック装置40の存在も例示する。ロック装置40は、本発明に係るアダプタ100のこのアダプタ100のヘッド1とは反対側の端部にある後側縦方向端部の近傍に配置される突出部41の一般的な形態を成す。この突出部41は、可撓性タブ42の端部に設けられるとともに、有利には本発明に係るアダプタ100の本体2の上壁20と略平行な遠位壁46と、前記遠位壁46から本発明に係るアダプタ100の本体2の前記上壁20の方向に延在する一組の側壁47とによって形成される。したがって、ロック手段40は、可撓性タブ42の屈曲によって引き込み可能である。
【0072】
本発明の1つの実施形態によれば、この突出部41は、略平行六面体形状を有し、したがって、その遠位壁46からアダプタ100の本体2の方向に延在する4つの側壁47を有する。有利には、本発明に係るアダプタ100を固定するための第1の手段を形成する突出部の遠位壁46は、前記アダプタ100のヘッド1の上壁10及び横方向側面11a、11bと本体2の上壁20及び横方向側面21a、21bとによって画定される内部容積101の外側で延在する。
【0073】
図4図7は、本発明に係るアダプタ100が図2に示される前述したタイプのヨーク500とどのように協働するかを示す。組み立てプロセスが図4図6に記載される。図7には、本発明に係るアダプタ100が、ヨーク500と組み付けられて、言い換えると、ウインドシールドワイパーの実装位置で示される。
【0074】
本発明に係るアダプタ100と前述のタイプのヨーク500との組み立て中、アダプタ100の本体2がヨーク500の受け入れ容積54内へ挿入される。組み立てプロセス中、突出部41は、受け入れ容積54内にあり、ヨーク500の上壁50と当接させられ得る。突出部41は、アダプタ100を方向Oxで固定するべくそれがヨーク500の上壁50に設けられる口部55と一致するときにのみ視認可能である。
【0075】
図4は、ガイド部材9を開口部52に係合させるステップを示す。
【0076】
ヨーク500内でのアダプタ100の係合は、ガイド部材9によって案内される。ガイド部材9は、挿入面取り95が開口部52の下側境界523bと完全に接触できるようにする挿入角度で開口部52の開放端開口520内に挿入されて開口部52内で摺動する。この動きと並行して、本体2の上壁20は、この受け入れ容積54内で、ヨーク500の上壁50と当接するようになり、また、舌部4は、上側境界523a側で開口部52の開放端開口520の縁部521aと当接することによって変形する。
【0077】
図5は、挿入面取り95が開口部52内に完全に挿入されたときの組み立てプロセス中のステップを示す。挿入面取り95は、開口部52の下側境界523bと完全に接触している。舌部4が縁部521aと当接し、それにより、舌部が屈曲する。舌部4に及ぼされる力に起因して、アダプタ100がヨーク500内でその進行を継続するべく、アダプタ100は、ガイド部材9の下縁面94が開口部52の下側境界523bと完全に接触して位置されるように、矢印123によって示される回転動作を行なわなければならない。
【0078】
図6では、矢印123によって示される回転動作がより進んだ段階にある。アダプタ100のヘッド1の上壁10は、ヨーク500の上壁50と接触している。舌部4の塑性変形が増大され、舌部4が開口部52の上側境界523aに押し付けられる。面取りは、もはや下側境界523bと接触していない。矢印123によって示される回転運動の結果として、このように下側境界523bと一時的に接触するとともに舌部4の変形に必要な下側境界523bの側でのアダプタの支持を確保するのは、下縁面94である。
【0079】
図7は、アダプタの実装位置、すなわち、このウインドシールドワイパーの通常使用のためにウインドシールドワイパーが駆動アームとロックされる位置に対応する。図7に示されるように、ヨーク500内のアダプタ100の進行は、心出し手段3が開口部52の入口を画定する縁部521a、521bに当接するようになると終了される。この相互作用の結果として、肩部14とヨーク500との間に空間18が存在し得るが、これは本発明にとって絶対に必要ではない。塑性変形を受けた舌部4は、ヨーク500に対してアダプタ100を楔留めするために、上側境界523aに当接するように開口部52内で延在する。この塑性変形にもかかわらず、舌部4は、本体2の横方向側面21aに横方向で接合されたままである。上側境界523aとガイド部材の上縁面との間に空間があってもよく、及び/又は、下側境界523bとガイド部材9の下縁面94との間に空間があってもよい。
【0080】
突出部41は、ヨーク500の上壁50に設けられる口部55と一致するときに受け入れ容積54から延出する。
【0081】
したがって、アダプタ100が舌部4によって楔留めされ、舌部4は、心出し手段3と下側境界523bの連続部に位置される開口部52の縁部521bとの間の接触を確立するように、アダプタ100を方向Ozに押す。それも突出部41によって方向Oxで楔留めされる。
【0082】
図7は、アダプタ100のヘッド1の上壁10がヨーク500の上壁50と同一平面上にある又は実質的に同一平面上にあるという事実を示す。これに対し、アダプタの本体2の上壁20は、その遠位壁46がヨーク500の上壁50の上方に突出する突出部41は別として、受け入れ容積54内に収容される。
【0083】
以上を読めば分かるように、本発明は、ウインドシールドワイパーを車両用ワイパーシステムの駆動アームに接続するようになっているアダプタを提供し、前記アダプタは、特に簡単且つ効果的な態様で、駆動アームのヨークに対するその心出し及び固定を確保するように構成される。特定のタイプのヨークと相互作用するようになっているこのアダプタは、接続の信頼性を向上させ、また、アダプタ及び/又はヨークの製造公差にもかかわらず、ヨーク内へのアダプタの装着がより容易になる。
【0084】
しかしながら、本発明は、本明細書中に記載されて例示される手段及び形態に限定されず、全ての同等の手段又は形態及びそのような手段の任意の技術的に機能的な組み合わせにも及ぶ。特に、アダプタが最終的にこの文書に記載されたものと同じ機能を果たすならば、アダプタの形状は、本発明に悪影響を及ぼすことなく改変されてもよい。
図1
図2
図3
図4-5】
図6
図7