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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20221202BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20221202BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20221202BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/465
A24F40/53
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021535130
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020018379
(87)【国際公開番号】W WO2021157848
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0013739
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0095003(US,A1)
【文献】特開2019-000105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
A24F 40/465
A24F 40/53
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成基質を収容する空洞を含む本体と、
前記空洞に挿入される前記エアロゾル生成基質を加熱する加熱部と、
前記エアロゾル生成基質の前記空洞への挿入及び前記空洞からの脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部と、
前記加熱部に供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する制御部と、を含
前記制御部は、
前記空洞に挿入された前記エアロゾル生成基質に基づいて、前記加熱部に供給される電力を周期的に遮断し、
前記加熱部に供給される電力を周期的に遮断した状態で、前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を周期的に計算し、
周期的に計算された前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記加熱部に供給される電力を遮断した状態で、前記基質検知部を活性化させ、
前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算し、
既設定の上限臨界値以上の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたか否かを決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたという決定に基づいて、前記加熱部への電力供給を開始する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置
【請求項4】
前記制御部は、
周期的制御信号の電力供給時間に基づいて前記加熱部に電力を供給し、
前記周期的制御信号の電力遮断時間に基づいて前記加熱部に供給される電力を遮断し、
前記周期的制御信号の一周期において、前記電力遮断時間は、前記電力供給時間よりも短く設定される、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記電力遮断時間に前記基質検知部が出力した前記インダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
既設定の下限臨界値以下の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたか否かを決定する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたという決定に基づいて、前記加熱部に供給される電力を遮断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
エアロゾル生成基質と、
前記エアロゾル生成基質が収容される空洞を取り囲むように配置されるサセプタと、
可変磁場を発生させて前記サセプタを加熱する誘導コイルと、
前記エアロゾル生成基質の前記空洞への挿入及び前記空洞からの脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部と、
前記誘導コイルに供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する制御部と、を含むエアロゾル生成装置を含む、エアロゾル生成システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記誘導コイルに供給される電力を遮断した状態で、前記基質検知部を活性化させ、
前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算し、
既設定の上限臨界値以上の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたか否かを決定する、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたという決定に基づいて、前記誘導コイルに電力を供給する、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記空洞に挿入された前記エアロゾル生成基質に基づいて、前記誘導コイルに供給される電力を周期的に遮断し、
前記誘導コイルに供給される電力を周期的に遮断した状態で、前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を周期的に計算し、
周期的に計算された前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項12】
前記制御部は、
周期的制御信号の電力供給時間に基づいて前記誘導コイルに供給される電力を供給し、
前記周期的制御信号の電力遮断時間に基づいて前記誘導コイルに供給される電力を遮断し、
前記周期的制御信号の一周期において、前記電力遮断時間は、前記電力供給時間よりも短く設定される、請求項11に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記電力遮断時間に前記基質検知部が出力した前記インダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算する、請求項12に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項14】
既設定の下限臨界値以下の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたか否かを決定する、請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置及びシステムに係り、さらに詳細には、エアロゾル生成基質の脱離をさらに正確に判断することができるエアロゾル生成装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成させる方法ではない、シガレットまたは液体保存部内のエアロゾル生成物質が加熱されることで、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増加している。
【0003】
このようなエアロゾル生成装置は、誘導センサ(inductive sensor)を通じてシガレットの存否を検知し、シガレットの存否に基づいてヒータを加熱することができる。
【0004】
しかし、シガレットを誘導加熱方式によって加熱する場合、誘導コイルで発生した可変磁場が誘導センサのノイズ成分として作用するので、シガレットの存否を正確に検知できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示が解決しようとする技術的課題は、加熱部に供給される電力を制御することで、エアロゾル生成基質の存否を正確に判断することができるエアロゾル生成装置及びシステムを提供するところにある。
【0006】
本開示の技術的課題は、前述したところに限定されず、以下の例から、さらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の技術的課題を解決するための本開示の一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質を収容する空洞、前記空洞に挿入される前記エアロゾル生成基質を加熱する加熱部、前記エアロゾル生成基質の挿入及び脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部、及び前記加熱部に供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の脱離を判断する制御部、を含んでもよい。
【0008】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の実施例によるエアロゾル生成システムは、エアロゾル生成基質及び前記エアロゾル生成基質が収容される空洞を取り囲むように配置されるサセプタ、及び可変磁場を発生させて前記サセプタを加熱する誘導コイルを含むエアロゾル生成装置を含み、前記エアロゾル生成装置は、前記エアロゾル生成基質の挿入及び脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部、及び前記誘導コイルに供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の脱離を判断する制御部をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示のエアロゾル生成装置及びシステムは、加熱部に供給される電力を周期的に遮断し、電力が遮断された状態でインダクタンスの変化を周期的に検出するので、加熱部で発生した可変磁場による誘導センサのノイズ成分を完璧に除去することができる。
【0010】
また、エアロゾル生成装置及びシステムは、誘導センサのノイズ成分が除去された状態でインダクタンスの変化量を計算するので、シガレットの脱離をさらに正確に判断することができる。
【0011】
また、エアロゾル生成装置及びシステムは、電力供給時間を電力遮断時間よりも長く設定することで、加熱部の温度が急激に下降することを防止することができる。
【0012】
また、エアロゾル生成装置及びシステムは、加熱部の温度急変を防止することで、ユーザの喫味感を阻害せずとも、正確にシガレットの脱離を判断することができる。
【0013】
また、エアロゾル生成装置及びシステムは、シガレットが脱離された場合、加熱部に供給される電力を遮断することで、エアロゾル生成装置の過熱を防止すると共に、消費電力を顕著に減少させうる。
【0014】
本開示の効果は、前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付された図面から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示によるエアロゾル生成システムを示す図面である。
図2】本開示によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
図3】本開示によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
図4】本開示によるエアロゾル生成基質の挿入有無を検知する方法及びエアロゾル生成基質が挿入された場合における、加熱部の制御方法を示すフローチャートである。
図5】本開示によるエアロゾル生成基質の脱離を検知する方法及びエアロゾル生成基質が脱離された場合、加熱部の制御方法を示すフローチャートである。
図6】1以上の実施例による電力遮断時間及び電力供給時間を説明するための図面である。
図7】1以上の実施例によるインダクタンス変化量の計算方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前記技術的課題を解決するための本開示の一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質を収容する空洞を含む本体、前記空洞に挿入される前記エアロゾル生成基質を加熱する加熱部、前記エアロゾル生成基質の前記空洞への挿入及び前記空洞からの脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部、及び前記加熱部に供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する制御部を含んでもよい。
【0017】
また、前記制御部は、前記加熱部に供給される電力を遮断した状態で、前記基質検知部を活性化させ、前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算し、既設定の上限臨界値以上の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたか否かを決定しうる。
【0018】
また、前記制御部は、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたという決定に基づいて、前記加熱部への電力供給を開始することができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記空洞に挿入された前記エアロゾル生成基質に基づいて、前記加熱部に供給される電力を周期的に遮断し、前記加熱部に供給される電力を周期的に遮断した状態で、前記基質検知部が出力したインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を周期的に計算し、周期的に計算された前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断することができる。
【0020】
また、前記制御部は、周期的制御信号の電力供給時間に基づいて前記加熱部に供給される電力を供給し、周期的制御信号の電力遮断時間に基づいて前記加熱部に供給される電力を遮断し、前記周期的制御信号の一周期において、前記電力遮断時間は、前記電力供給時間よりも短く設定されうる。
【0021】
また、前記制御部は、前記電力遮断時間に前記基質検知部が出力した前記インダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算することができる。
【0022】
また、前記制御部は、既設定の下限臨界値以下の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたか否かを決定しうる。
【0023】
また、前記制御部は、前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたという決定に基づいて、前記加熱部に供給される電力を遮断することができる。
【0024】
前記技術的課題を解決するための本開示の他の実施例によるエアロゾル生成システムは、エアロゾル生成基質及び前記エアロゾル生成基質が収容される前記エアロゾル生成装置の空洞を取り囲むように配置されるサセプタ、可変磁場を発生させて前記サセプタを加熱する誘導コイル、前記エアロゾル生成基質の前記空洞への挿入及び前記空洞からの脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知する基質検知部、及び前記誘導コイルに供給される電力を遮断した状態で、前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断する制御部を含むエアロゾル生成装置を含んでもよい。
【0025】
また、前記制御部は、前記誘導コイルに供給される電力を遮断した状態で、前記基質検知部を活性化させ、前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算し、既設定の上限臨界値以上の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたか否かを決定しうる。
【0026】
また、前記制御部は、前記エアロゾル生成基質が前記空洞に挿入されたという決定に基づいて、前記誘導コイルに電力を供給することができる。
【0027】
また、前記制御部は、前記空洞に挿入された前記エアロゾル生成基質に基づいて、前記誘導コイルに供給される電力を周期的に遮断し、前記誘導コイルに供給される電力を周期的に遮断した状態で、前記基質検知部が出力するインダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を周期的に計算し、周期的に計算された前記インダクタンスの変化量に基づいて前記エアロゾル生成基質の前記空洞からの脱離を判断することができる。
【0028】
また、前記制御部は、周期的制御信号の電力供給時間に基づいて前記誘導コイルに供給される電力を供給し、前記周期的制御信号の電力遮断時間に基づいて前記誘導コイルに供給される電力を遮断し、前記周期的制御信号の一周期において、前記電力遮断時間は、前記電力供給時間よりも短く設定されうる。
【0029】
また、前記制御部は、前記電力遮断時間に前記基質検知部が出力した前記インダクタンス出力値に基づいて前記インダクタンスの変化量を計算することができる。
【0030】
また、前記制御部は、既設定の下限臨界値以下の前記インダクタンスの変化量に基づいて、前記エアロゾル生成基質が前記空洞から脱離されたか否かを決定しうる。
【0031】
実施例で使用される用語は、本開示での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に係わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0032】
ここで、使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リストを修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0033】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上方に」、「上に」、「連結される」または「結合される」と指称されるとき、それは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されたり、直接結合されたり、または別途の結合されるエレメントまたはレイヤが存在してもよい。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接に連結される」または「直接に結合される」と言及されたとき、中間に別途のエレメントが存在しないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0034】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、本明細書に記載される「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0035】
本明細書全体において、「パフ」とは、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介して空気及びまたはエアロゾルをユーザの口腔内、鼻腔内または肺に吸い込む状況を意味することができる。
【0036】
本明細書全体で予熱区間は、第1ヒータ及び第2ヒータの温度を増加させるための区間を意味し、喫煙区間は、第1ヒータの温度を保持させるための区間であって、ユーザの吸入が遂行される区間を意味することができる。以下において、予熱区間及び喫煙区間は、それぞれ予熱時間及び喫煙時間と同じ意味でもある。
【0037】
以下、添付図面に基づいて、本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、多様な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0038】
以下では、図面を参照して、本開示の実施例を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本開示によるエアロゾル生成システムを示す図面である。
【0040】
図面を参照すれば、エアロゾル生成システム1は、エアロゾル生成装置10及びシガレット20を含んでもよい。エアロゾル生成装置10は、シガレット20が挿入される空洞160を含み、空洞160に挿入されるシガレット20を加熱し、エアロゾルを生成することができる。シガレット20は、エアロゾル生成基質の一種として、エアロゾル生成物質を含んでもよい。
【0041】
エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140、及び基質検知部150を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図1に図示されるところに限定されない。エアロゾル生成装置10の設計によって、図1に図示されるハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0042】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、誘導コイル140が可変磁場を発生させるように電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置10内に備えられる他のハードウェア構成、例えば、各種センサ(図示せず)、ユーザインターフェース(図示せず)、メモリ(図示せず)及び制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ110は、充電が可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ110は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0043】
制御部120は、エアロゾル生成装置10の全般的な動作を制御するハードウェアである。例えば、制御部120は、バッテリ110、サセプタ130、誘導コイル140、及び基質検知部150だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれる他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0044】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行可能なプログラムが保存されるメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサが異なる形態のハードウェアとしても具現可能であるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0045】
サセプタ130は、可変磁場が印加されることにより加熱される物質を含んでもよい。例えば、サセプタ130は、金属または炭素を含んでもよい。サセプタ130は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainless steel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。また、サセプタ130は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような準金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。但し、それに制限されるものではない。
【0046】
一例において、サセプタ130は、管状または円筒状でもあり、シガレット20が挿入される空洞160を取り囲むように配置されうる。シガレット20がエアロゾル生成装置10の空洞160に挿入されれば、サセプタ130は、シガレット20を取り囲むように配置されうる。したがって、外部のサセプタ130から伝達される熱によってシガレット20内のエアロゾル生成物質の温度が増加されうる。
【0047】
誘導コイル140は、バッテリ110から電力が供給されることで可変磁場を発生させうる。誘導コイル140によって発生する可変磁場は、サセプタ130に印加され、これにより、サセプタ130が加熱されうる。制御部120の制御によって誘導コイル140に供給される電力が調整され、サセプタ130が加熱される温度が適切に保持されうる。
【0048】
基質検知部150は、シガレット20が空洞160に挿入されたか否かを検知することができる。基質検知部150は、シガレット20の挿入及び脱離によって発生するインダクタンスの変化量を検知することができる。そのために、シガレット20は、電磁気誘導体210を含んでもよい。電磁気誘導体210は、基質検知部150のインダクタンスを変化させうる。電磁気誘導体210は、渦電流(Eddy current)が誘導される伝導体及び磁束変化を発生させうる磁性体などを含んでもよい。例えば、電磁気誘導体210は、金属物質、マグネチックインク、マグネチックテープなどを含んでもよい。また、電磁気誘導体210は、アルミニウムのような金属物質でもある。但し、それに制限されるものではなく、電磁気誘導体210は、基質検知部451のインダクタンスを変化させる物質を制限なしに含んでもよい。
【0049】
基質検知部150は、検知コイル(図示せず)を含み、シガレット20の挿入及び脱離によって可変される周波数値を、インダクタンス出力値に変換して出力することができる。
【0050】
制御部120は、基質検知部150が出力するインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算し、インダクタンスの変化量に基づいてシガレット20の挿入及び脱離を判断することができる。
【0051】
制御部120は、シガレット20の挿入を検知する場合、追加的な外部の入力がなくても、自動的に加熱動作が行える。例えば、制御部120は、基質検知部150を用いてシガレット20の挿入を検知すれば、バッテリ110が誘導コイル140に電力を供給するように制御することができる。誘導コイル140によって可変磁場が発生することで、サセプタ130が加熱されうる。したがって、サセプタ130内部に配置されるシガレット20が加熱され、エアロゾルが発生しうる。
【0052】
シガレット20は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット20は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット20の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒状またはカプセル状に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入される。
【0053】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0054】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成される少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10に形成される空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット20の表面に形成される少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット20の内部に流入される。
【0055】
一方、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140、及び基質検知部150以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、基質検知部150外に他のセンサ(例えば、温度検知センサ、パフ検知センサなど)及びユーザインターフェースなどをさらに含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット20が挿入される状態でも、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製されうる。
【0056】
ユーザインターフェースは、ユーザにエアロゾル生成装置10の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェースは、視覚情報を出力するディスプレイ、またはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、及びユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)を含んでもよい。また、ユーザインターフェースは、データ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0057】
実施例によって、エアロゾル生成装置10には、前記例示された多様なユーザインターフェース例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現される。また、エアロゾル生成装置10には、前記例示された多様なユーザインターフェース例示のうち、少なくとも一部が組み合わせられて具現されうる。例えば、エアロゾル生成装置10は、前面に視覚情報を出力しながらユーザ入力も受信可能なタッチスクリーンディスプレイを含んでもよい。タッチスクリーンディスプレイは、指紋センサを含み、指紋センサによってユーザ認証が行われる。
【0058】
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ110の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10とが結合された状態で誘導コイル140が加熱される。
【0059】
図2は、本開示によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【0060】
図面を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140、基質検知部150、及びメモリ170を含んでもよい。図2には、エアロゾル生成装置10の一部構成が図示されている。しかし、図2に図示される構成要素以外に他の構成要素がエアロゾル生成装置10にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。以下では、図1と重複する説明は、省略する。
【0061】
基質検知部150は、空洞160にエアロゾル生成基質20が存在するか否かを検知することができる。基質検知部150は、エアロゾル生成基質20の挿入及び脱離によって発生するインダクタンスの変化を検知することができる。エアロゾル生成基質20は、図1のシガレット20でもある。
【0062】
基質検知部150は、エアロゾル生成基質20が挿入及び脱離されることで発生するインダクタンスの変化を検知するインダクティブセンサ(inductive sensor)を含んでもよい。その場合、エアロゾル生成基質20は、インダクティブセンサによって検知される電磁気誘導体210を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成基質20に含まれる複数のラッパのうち、少なくともいずれか1枚のラッパは、アルミ箔でもある。
【0063】
基質検知部150は、エアロゾル生成基質20の挿入及び脱離によって発生するインダクタンス変化量をインターラプト信号irとして制御部120に伝送することができる。
【0064】
制御部120は、基質検知部150が出力するインターラプト信号irに基づいて、エアロゾル生成基質の挿入及び脱離を検知することができる。また、制御部120は、基質検知部150が出力するインダクタンス出力値に基づいて、エアロゾル生成基質20に含まれる金属の種類を区別し、これに基づいて、エアロゾル生成基質20の真正品及び/または種類を確認することができる。
【0065】
制御部120は、待機モード(standby mode)において加熱部310に供給される電力を遮断した状態で、基質検知部150が出力するインダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたか否かを判断することができる。
【0066】
制御部120は、待機モードでインダクタンスの変化量が既設定の上限臨界値以上である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断することができる。
【0067】
制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断した場合、加熱部310への電力供給を開始することができる。この際、加熱部310は、サセプタ130及び誘導コイル140を含む構成でもある。
【0068】
制御部120は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation: PWM)方式を通じて加熱部310に供給される電力を制御することができる。このために、制御部120は、パルス幅変調モジュールを含んでもよい。
【0069】
制御部120は、加熱部310への電力供給を開始した状態で、加熱部310に供給される電力を周期的に遮断することができる。これは、誘導コイル140によって発生する基質検知部150のノイズ成分を除去するためである。
【0070】
制御部120は、加熱部310への電力供給を開始した場合、既設定の電力遮断時間に出力されたインダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20の脱離を判断することができる。制御部120は、既設定の遮断時間に出力されたインダクタンスの変化量が既設定の下限臨界値以下である場合、エアロゾル生成基質が空洞160から脱離されたと判断することができる。
【0071】
制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断した場合、加熱部310に供給される電力を遮断することができる。
【0072】
メモリ170は、エアロゾル生成装置10内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ170は、制御部120で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリは、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現される。
【0073】
メモリ170には、エアロゾル生成基質20の存否を判断するためのインダクタンス変化量の上限臨界値及び下限臨界値が保存されうる。また、メモリ170には、エアロゾル生成装置10の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0074】
図3は、本開示によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0075】
図面を参照すれば、エアロゾル生成装置10の動作方法は、図1及び図2に図示されるエアロゾル生成装置10で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、図1及び図2のエアロゾル生成装置10について前述した内容は、図3のエアロゾル生成装置の動作方法にも適用されることが分かる。
【0076】
S310段階において、制御部120は、加熱部310に供給される電力を遮断した状態で、インダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたか否かを判断することができる。
【0077】
制御部120は、加熱部310に供給される電力を遮断した状態で、インダクタンスの変化量が既設定の上限臨界値以上である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断することができる。
【0078】
制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されていないと判断する場合、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されるまで待機することができる。
【0079】
S310段階は、待機モード(standby mode)で行われる。待機モードは、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入される前にエアロゾル生成基質20の挿入を検知するための構成(例えば、基質検知部など)を除いた残り構成の電力を遮断する全てのモードを意味するものであって、本開示の待機モードは、その名称に制限されない。例えば、待機モードは、節電モード(power saving mode)、スリープモード(sleep mode)などと同一モードを意味してもよい。
【0080】
S320段階において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断した場合、加熱部310への電力供給を開始することができる。
【0081】
制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断した場合、追加的な外部の入力がなくても、自動的に誘導コイル140に電力を供給することができる。制御部120は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation: PWM)方式を通じて誘導コイル140に供給される電力を制御することができる。エアロゾル生成基質20の挿入有無を検知する方法及びエアロゾル生成基質20が挿入された場合、加熱部310の制御方法は、図4でさらに詳細に説明する。
【0082】
一方、基質検知部150は、検知コイルを含むので、誘導コイル140に電力が供給される場合、誘導コイル140によって発生した可変磁場が検知コイルに影響を及ぼすことができる。すなわち、誘導コイル140に電力が供給される場合、誘導コイル140によって発生した可変磁場が検知コイルにまで誘導電流を誘導することで、基質検知部150のインダクタンス出力値を変化させうる。誘導コイル140によって誘導された誘導電流は、基質検知部150のノイズ成分として作用するので、そのようなノイズ成分を除去せず、インダクタンスの変化量を計算する場合、エアロゾル生成基質20の脱離を正確に判断することができない。
【0083】
本開示のエアロゾル生成装置10は、誘導コイル140による基質検知部150のノイズ成分を除去するために、加熱部310への電力供給を周期的に遮断し、既設定の電力遮断時間の間に基質検知部150が出力したインダクタンス出力値に基づいて、エアロゾル生成基質20の脱離を検知することができる。
【0084】
具体的に、S330段階において、制御部120は、加熱部310への電力供給を開始した状態で、加熱部310に供給される電力を周期的に遮断することができる。
【0085】
例えば、制御部120は、1900msごとに100msずつ加熱部310に供給される電力を遮断することができるが、それに制限されない。
【0086】
S340段階において、制御部120は、加熱部310に供給される電力を遮断した状態でインダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたか否かを判断することができる。
【0087】
制御部120は、既設定の電力遮断時間に出力されたインダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20の脱離を判断することができる。例えば、制御部120が1900msごとに100msずつ誘導コイル140に供給される電力を遮断する場合、100msの間のインダクタンス変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20の脱離を判断することができる。
【0088】
制御部120は、既設定の電力遮断時間に出力されたインダクタンスの変化量が下限臨界値以下である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断することができる。
【0089】
本開示のエアロゾル生成装置10は、誘導コイル140に供給される電力を遮断した状態で基質検知部150のインダクタンス変化量を計算するので、誘導コイル140によって発生する基質検知部150のノイズ成分を完璧に除去することができ、よって、エアロゾル生成基質20の脱離を正確に判断することができる。
【0090】
S350段階において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断した場合、加熱部310に供給される電力を遮断することができる。
【0091】
制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断した場合、追加的な外部の入力がなくても、自動的に誘導コイル140に供給される電力を遮断することができる。エアロゾル生成基質20の脱離を検知する方法及びエアロゾル生成基質20が脱離された場合、加熱部310の制御方法は、図5に基づいてさらに詳細に説明する。
【0092】
図4は、本開示によるエアロゾル生成基質の挿入有無を検知する方法及びエアロゾル生成基質が挿入された場合、加熱部の制御方法を示すフローチャートである。
【0093】
図4を参照すれば、S410段階において、制御部120は、加熱部310に供給される電力を遮断した状態で、基質検知部150を活性化させうる。
【0094】
制御部120は、待機モード(standby mode)において加熱部310に供給される電力を遮断し、基質検知部150に電力を供給することができる。制御部120は、基質検知部150を活性化させた状態で、基質検知部150のインダクタンス出力値を周期的に収集することができる。インダクタンス出力値の収集周期は、消費電力、インダクタンス可変量などに基づいて適切に設定されうる。例えば、制御部120は、100ms秒間隔で基質検知部451のインダクタンス出力値を収集することができるが、それに制限されない。
【0095】
S420段階において、制御部120は、基質検知部150が出力するインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算することができる。
【0096】
エアロゾル生成基質20は、電磁気誘導体210を含むので、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入された場合、基質検知部150に含まれた検知コイルのインダクタンスが増加されうる。
【0097】
基質検知部150は、インダクタンス値をインターラプト信号irとして制御部120に出力することができる。制御部120は、インターラプト信号irに基づいてインダクタンスの増加量を計算することができる。
【0098】
S430段階で、制御部120は、インダクタンスの変化量と上限臨界値とを比較することができる。
【0099】
上限臨界値は、基質検知部150の自己インダクタンス(self inductance)、基質検知部150の検知コイルとエアロゾル生成基質20との間の相互インダクタンス(mutual inductance)を考慮して設定されうる。例えば、上限臨界値は、+0.32mHでもあるが、それに制限されない。
【0100】
S440段階において、制御部120は、インダクタンスの変化量が既設定の上限臨界値以上である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断することができる。
【0101】
または、制御部120は、インダクタンスの変化量が既設定の上限臨界値未満である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されていないと判断し、待機モードを保持し続けることができる。すなわち、制御部120は、基質検知部150に電力を供給した状態で、基質検知部150のインダクタンス出力値を周期的に収集し、収集されたインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算することができる。
【0102】
S450段階において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断した場合、加熱部310への電力供給を開始することができる。
【0103】
一実施例において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入されたと判断された場合、エアロゾル生成基質20を加熱するためのトリガー信号(trigger signal)を誘導コイル140に出力することができる。トリガー信号は、PWM方式を通じて変調された信号でもある。すなわち、エアロゾル生成基質20が空洞に挿入された場合、加熱部310は、追加的な外部の入力がなくても、自動的に加熱されうる。本開示のエアロゾル生成装置10は、エアロゾル生成基質20を認識して自動的に加熱部310を加熱するので、ユーザ便宜性が増大される。
【0104】
図5は、本開示によるエアロゾル生成基質の脱離を検知する方法、及びエアロゾル生成基質が脱離された場合、加熱部の制御方法を示すフローチャートであり、図6は、図5で説明した方法が適用されうる電力遮断時間及び電力供給時間を説明するための図面であり、図7は、図5で説明した方法に適用しうるインダクタンス変化量の計算方法を説明するための図面である。
【0105】
図5を参照すれば、図5のS510段階において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入された場合、加熱部310に供給される電力を周期的に遮断することができる。
【0106】
制御部120は、周期的制御信号に基づいて加熱部310に供給される電力を供給及び遮断することができる。
【0107】
図6は、周期的制御信号を例示する図面である。
【0108】
図6において、周期的制御信号の一周期Tcにおいて、制御信号がオン(on)になる場合、加熱部310に電力が供給され、制御信号がオフ(off)になる場合、加熱部310に供給される電力が遮断される。すなわち、制御部120は、周期的制御信号に基づいて加熱部310に供給される電力を供給及び遮断することができる。例えば、制御部120は、1900msごとに100msずつ加熱部310に供給される電力を遮断することができる。加熱部310に供給される電力が遮断される場合、基質検知部150のインダクタンス出力値から誘導コイル140によるノイズ成分が完璧に除去されうる。
【0109】
一方、周期的制御信号の一周期Tcにおいて電力遮断時間Toffは、電力供給時間Tonよりも短く設定されうる。例えば、電力供給時間Tonは、電力遮断時間Toffの19倍以上に設定されうる。これにより、本開示のエアロゾル生成装置10は、加熱部310の温度急降下を防止することで、喫味感が低下することを防止することができる。
【0110】
また、図5のS520段階において、制御部120は、加熱部310に供給される電力を遮断した状態で、基質検知部150が出力するインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を周期的に計算することができる。
【0111】
制御部120は、電力遮断時間Toffに基質検知部150が出力するインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算することができる。例えば、周期的制御信号の一周期Tcで電力供給時間Tonが1900msであり、電力遮断時間Toffが100msである場合、制御部120は、100msの間のインダクタンスの変化量を計算することができる。
【0112】
制御部120は、毎周期Tcの電力遮断時間Toffの間に基質検知部150が出力したインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算することができる。
【0113】
図7は、エアロゾル生成基質20の挿入状態及び脱離状態を示す状態グラフ720と、各周期の電力遮断時間Toffの間に制御部120が計算したインダクタンスの変化量グラフ710を例示する図面である。
【0114】
図7において、エアロゾル生成基質20の挿入状態をハイ(high)状態に図示し、エアロゾル生成基質20の脱離状態をロウ(low)状態に図示する。
【0115】
前述したように、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160に挿入された場合、加熱部310に供給される電力を周期的に遮断し、電力遮断時間Toffの間のインダクタンス変化量を計算することができる。これにより、インダクタンスの変化量は、図7に示されたように、周期的に導出されうる。
【0116】
制御部120は、周期的に計算されたインダクタンスの変化量に基づいて、エアロゾル生成基質20の脱離を判断することができる。
【0117】
一方、エアロゾル生成基質20は、電磁気誘導体210を含むので、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離された場合、基質検知部150に含まれた検知コイルのインダクタンスが減少しうる。
【0118】
基質検知部150は、インダクタンス値をインターラプト信号irとして制御部120に出力することができる。制御部120は、インターラプト信号irに基づいてインダクタンスの減少量を計算することができる。
【0119】
また、図5のS530段階において、制御部120は、インダクタンスの変化量と下限臨界値とを比較することができる。
【0120】
下限臨界値は、基質検知部150の自己インダクタンス(self inductance)、基質検知部150の検知コイルとエアロゾル生成基質20との間の相互インダクタンス(mutual inductance)を考慮して設定されうる。例えば、下限臨界値は、-0.32mHでもあるが、それに制限されない。
【0121】
一方、下限臨界値の絶対値は、図4の上限臨界値の絶対値と同一でもる。下限臨界値(すなわち、th2)の絶対値を上限臨界値(すなわち、th1)の絶対値と同一に設定する場合、エアロゾル生成基質20の挿入及び脱離をさらに正確に判断することができる。
【0122】
S540段階において、制御部120は、インダクタンスの変化量が既設定の下限臨界値以下である場合、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断することができる。
【0123】
または、制御部120は、インダクタンスの変化量が既設定の下限臨界値よりも大きい場合、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されていないと判断し、インダクタンスの変化量を周期的に計算することができる。
【0124】
S550段階において、制御部120は、エアロゾル生成基質20が空洞160から脱離されたと判断した場合、加熱部310に供給される電力を遮断することができる。
【0125】
言い換えれば、エアロゾル生成基質2が空洞160から脱離された場合、加熱部310は、追加的な外部の入力がなくても、自動的に加熱中止されうる。本開示のエアロゾル生成装置10は、エアロゾル生成基質20の脱離を認識して自動的に加熱部310の加熱を中止するので、機器過熱が防止され、消費電力が顕著に減少する効果がある。
【0126】
前述した方法は、コンピュータで実行可能なプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、前述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体に多くの手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的記録媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0127】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本開示の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7