(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】最大電力追従発電装置及びそれを有するシステム
(51)【国際特許分類】
G05F 1/67 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
G05F1/67 A
(21)【出願番号】P 2021552501
(86)(22)【出願日】2019-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2019084785
(87)【国際公開番号】W WO2020177204
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】201910159746.X
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521394037
【氏名又は名称】上海数明半導体有限公司
【氏名又は名称原語表記】SILLUMIN SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 628, Building 4, No. 6558, Tingwei Road, Jinshan Industrial Zone Shanghai 201500, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】呉国明
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-16336(JP,A)
【文献】特開2010-226916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0161526(US,A1)
【文献】特開2018-130011(JP,A)
【文献】特開平9-212246(JP,A)
【文献】特表2011-522312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/67
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電部品及び少なくとも1つのオプティマイザを有し、
前記オプティマイザは、チップに設けられる最大電力追従回路、駆動制御回路、第1スイッチ、及び第2スイッチを有し、
前記第1スイッチの第1端が前記発電部品の正出力端に接続され、前記第1スイッチの第2端が前記第2スイッチの第1端に接続され、前記第2スイッチの第2端が前記発電部品の負出力端に接続され、前記第1スイッチの第2端及び前記第2スイッチの第1端がさらに中間ポートに接続され、前記中間ポートを介して電力を前記チップの周辺回路に出力し、
前記中間ポートは、前段の発電装置に接続され、
前記最大電力追従回路は、電圧電流検出ユニット、乗算器、及び最大電力追従処理ユニットを有し、
前記電圧電流検出ユニットは、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集し、前記正出力端の電圧及び前記負出力端の電圧に基づいて前記発電部品の部品出力電圧を確定し、前記正出力端の電圧及び前記中間ポートの電圧に基づいて部品出力電流として前記第1スイッチの電流を確定し、
前記乗算器は、前記発電部品の部品出力電圧と前記発電部品の部品出力電流とを乗算し、前記発電部品の部品出力電力を得て、
前記最大電力追従処理ユニットは、前記部品出力電力に基づいて前記発電部品の現在最大電力を追従確定し、前記現在最大電力に基づいてデューティ比信号を確定し、前記デューティ比信号を前記駆動制御回路に送信し、
前記駆動制御回路は、それぞれ前記第1スイッチの制御端及び前記第2スイッチの制御端に接続され、前記デューティ比信号に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオンオフを制御する、
最大電力追従発電装置
であって、
前記最大電力追従処理ユニットは、さらに前記電圧電流検出ユニットに接続され、
前記電圧電流検出ユニットは、前記負出力端の電圧及び前記中間ポートの電圧に基づいて前記第2スイッチの電流を確定し、前記第1スイッチの電流と前記第2スイッチの電流とを加算し、前記中間ポートの出力電流を得て、
前記最大電力追従処理ユニットは、
前記中間ポートの出力電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングするように前記デューティ比信号の安全調整を行って、
前記中間ポートの出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングしない、又は前記第1スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングし、且つ前記第2スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングするように、前記デューティ比信号の安全調整を行い、
前記安全調整が前記現在最大電力に基づき確定したデューティ比信号と矛盾する場合に、前記安全調整が優先されることを特徴とする、最大電力追従発電装置。
【請求項2】
前記最大電力追従処理ユニットが前記現在最大電力に基づいて前記デューティ比信号を確定する時に、前記現在最大電力に基づいて現在基準電圧を確定し、前記現在基準電圧及び参考電圧信号の現在電圧を比較し、比較結果に基づいて対応するデューティ比を有する前記デューティ比信号を生成し、
前記参考電圧信号は、正弦波の電圧信号又は三角波の電圧信号であることを特徴とする、
請求項1に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項3】
前記駆動制御回路は、論理制御ユニット、第1駆動ユニット、及び第2駆動ユニットを有し、
前記論理制御ユニットは、その入力端が前記最大電力追従回路に接続され、前記デューティ比信号を受信し、前記デューティ比信号に基づいて第1駆動信号及び第2駆動信号を生成し、前記第1駆動信号を前記第1駆動ユニットに送信し、前記第2駆動信号を前記第2駆動ユニットに送信し、
前記論理制御ユニットは、それぞれ前記第1駆動ユニット及び前記第2駆動ユニットに接続され、
前記第1駆動ユニットは、その出力端が前記第1スイッチの制御端に接続され、前記第1駆動信号に基づいて前記第1スイッチのオンオフを制御し、
前記第2駆動ユニットは、その出力端が前記第2スイッチの制御端に接続され、前記第2駆動信号に基づいて前記第2スイッチのオンオフを制御することを特徴とする、
請求項1に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項4】
前記第1駆動ユニットの給電端は、給電制御スイッチを介して内部給電回路に接続され、さらにブートストラップコンデンサの一端に接続され、
前記ブートストラップコンデンサのもう一端は、前記中間ポートに接続されることを特徴とする、
請求項
3に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項5】
前記オプティマイザは、内部給電回路をさらに有し、
前記内部給電回路は、前記正出力端に直接又は間接に接続され、且つ前記駆動制御回路に接続され、前記発電部品の出力電力を前記駆動制御回路に給電することを特徴とする、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項6】
基準電圧発生回路をさらに有し、
前記基準電圧発生回路は、それぞれ前記内部給電回路及び前記最大電力追従回路に接続され、前記内部給電回路の電力を利用して前記最大電力追従回路に前記デューティ比信号を確定するための基準電圧を提供することを特徴とする、
請求項
5に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項7】
前記オプティマイザは、過熱保護回路及びイネーブル制御回路をさらに有し、
前記過熱保護回路は、前記オプティマイザの温度情報を測定し、前記温度情報が設定した温度しきい値を超えた場合に、特定のイネーブル信号を前記イネーブル制御回路に送信し、
前記イネーブル制御回路は、前記駆動制御回路に接続され、前記特定のイネーブル信号を受信した場合に、前記駆動制御回路によって前記第1スイッチをオフにして、前記中間ポートと前記発電部品とを切断し、且つ前記第2スイッチをオンにすることを特徴とする、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項8】
通信回路及び通信インターフェイス部品をさらに有し、
前記通信回路は、前記通信インターフェイス部品を介して外部と通信し、前記オプティマイザの温度情報、部品出力情報、装置出力情報をA/D変換した後、前記通信インターフェイス部品を介して外部に送信し、前記通信インターフェイス部品を介して外部からの外部情報を受信してD/A変換した後、前記外部情報に基づいてしきい値情報を確定し、
前記部品出力情報は、前記発電部品の部品出力電圧、前記発電部品の部品出力電流、及び前記発電部品の部品出力電力の少なくとも1つを含み、
前記装置出力情報は、前記発電装置の装置出力電圧、前記発電装置の装置出力電流、及び前記発電装置の装置出力電力の少なくとも1つを含み、
前記しきい値情報は、温度しきい値、安全電圧範囲に対応する電圧しきい値、及び安全電流範囲に対応する電流しきい値の少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の
最大電力追従発電装置。
【請求項9】
順に接続される少なくとも2つの請求項1~
8のいずれか1項に記載の最大電力追従発電装置を有することを特徴とする、
最大電力追従の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電分野、特に最大電力追従発電装置及びそれを有するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電部品は、それぞれ独自の出力電力特性を有し、特定の電圧及び電流でのみ最大電力出力を発揮できる。1つの発電部品の出力で電力需要を満足できない場合が多いため、一般的には、設計需要を満足するように直並列で発電部品アレイを構成する。従来技術では、発電後にDC(直流電流、Direct Current)をAC(交流電流、Alternating Current)に変換する。発電部品の電流がDCであるため、実際の民用又は産業用電力網に接続する前にACに変換する必要がある。この過程は、逆変換とも称し、即ち、DCをACに変換する)。
【0003】
従来技術では、変換(即ち、DCをACに変換する)する前に最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking、以下、MPPTと称する)を利用して部品アレイの最大電力点追従を行う。部品が直列に接続される場合、各部品に流れる電流が同じであるため、電力特性の不一致になる可能性がある。例えば、部品Aが最大電力点で動作すると、部品Aの最大電力点の電流が部品Bの最大電力点の電流と一致しない可能性がある。しかしながら、直列電流が同じであるため、部品Bがその最大電力点で動作できず、電力損失を生じる。
【0004】
よって、従来技術では、1つの発電部品に1つの独立した最大電力点追従(MPPT)機能を有する電力オプティマイザを設け、且つ各発電部品の出力端を電力オプティマイザの入力端に接続する。各発電部品が電力オプティマイザに接続されると、アレイ全体から見ると、各部品が1つの独立した個体である。前記部品は、その出力電力が他の部品の影響を受けなく、現在の環境条件で最大電力値で動作することができる。このようにすると、上記部品の不一致による各部品がその最大電力点で動作できない問題を解決できる。
【0005】
従来技術では、最大電力オプティマイザは、一般的にはデジタル信号を処理するためのMCU(micro controller unit)チップを利用する。MCUチップで情報処理を行うために、MCUチップにサンプリング回路を配置する必要がある。サンプリング回路は、部品の電圧電流情報を収集してその電力を計算する。また、サンプリング回路で収集した信号がアナログ信号であるが、MCUチップがデジタル信号しか処理できないため、オプティマイザにアナログ信号増幅器及びアナログ-デジタル信号変換器等を設ける必要がある。MCUが最大電力点を計算して信号を出力し、出力信号がプリ駆動回路を介して対応する外部の出力管を駆動し、部品アレイの最大電力点を達成する。前述のように、従来のオプティマイザを設ける方法は、構成が複雑で集積度が低く、コストが高いため、普及し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、構成が複雑で集積度が低く、コストが高い等の問題を解決するための最大電力追従発電装置及びそれを有するシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面の最大電力追従発電装置は、発電部品及び少なくとも1つのオプティマイザを有する。前記オプティマイザは、チップに設けられる最大電力追従回路、駆動制御回路、第1スイッチ、及び第2スイッチを有する。前記第1スイッチの第1端が前記発電部品の正出力端に接続され、前記第1スイッチの第2端が前記第2スイッチの第1端に接続され、前記第2スイッチの第2端が前記発電部品の負出力端に接続され、前記第1スイッチの第2端及び前記第2スイッチの第1端がさらに中間ポートに接続され、前記中間ポートを介して電力を前記チップの周辺回路に出力する。前記中間ポートは、前段の発電装置に接続される。
【0008】
前記最大電力追従回路は、電圧電流検出ユニット、乗算器、及び最大電力追従処理ユニットを有する。
【0009】
前記電圧電流検出ユニットは、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集し、前記正出力端の電圧及び前記負出力端の電圧に基づいて前記発電部品の部品出力電圧を確定し、前記正出力端の電圧及び前記中間ポートの電圧に基づいて発電部品の出力電流として前記第1スイッチの電流を確定する。
【0010】
前記乗算器は、前記発電部品の部品出力電圧と前記部品出力電流とを乗算し、前記発電部品の部品出力電力を確定する。
【0011】
前記最大電力追従処理ユニットは、前記部品出力電力に基づいて前記部品の現在最大電力を追従確定し、前記現在最大電力に基づいてデューティ比信号を確定し、前記デューティ比信号を前記駆動制御回路に送信する。
【0012】
前記駆動制御回路は、それぞれ前記第1スイッチの制御端及び前記第2スイッチの制御端に接続され、前記デューティ比信号に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオンオフを制御することで、前記発電装置の出力電力を調整する。
【0013】
前記最大電力追従処理ユニットが前記現在最大電力に基づいて前記デューティ比信号を確定する時に、前記現在最大電力に基づいて現在基準電圧を確定し、前記現在基準電圧及び参考電圧信号の現在電圧を比較し、比較結果に基づいて対応するデューティ比を有する前記デューティ比信号を生成する。
【0014】
前記参考電圧信号は、正弦波の電圧信号又は三角波の電圧信号である。
【0015】
好ましくは、前記最大電力追従処理ユニットは、さらに前記電圧電流検出ユニットに接続される。
【0016】
前記電圧電流検出ユニットは、前記負出力端の電圧及び前記中間ポートの電圧に基づいて前記第2スイッチの電流を確定し、前記第1スイッチの電流と前記第2スイッチの電流とを加算し、前記中間ポートの出力電流を得る。
【0017】
前記最大電力追従処理ユニットは、前記中間ポートの出力電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングするように前記デューティ比信号を調整する。前記中間ポートの出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングしない、又は前記第1スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングし、且つ前記第2スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングするように、前記デューティ比信号を調整する。
【0018】
前記安全調整が前記現在最大電力に基づき確定したデューティ比信号と矛盾する場合に、前記安全調整が優先される。
【0019】
好ましくは、前記駆動制御回路は、論理制御ユニット、第1駆動ユニット、及び第2駆動ユニットを有する。
【0020】
前記論理制御ユニットは、その入力端が前記最大電力追従回路に接続され、前記デューティ比信号を受信し、前記デューティ比信号に基づいて第1駆動信号及び第2駆動信号を生成し、前記第1駆動信号を前記第1駆動ユニットに送信し、前記第2駆動信号を前記第2駆動ユニットに送信する。
【0021】
前記論理制御ユニットは、それぞれ前記第1駆動ユニット及び前記第2駆動ユニットに接続される。
【0022】
前記第1駆動ユニットは、その出力端が前記第1スイッチの制御端に接続され、前記第1駆動信号に基づいて前記第1スイッチのオンオフを制御する。
【0023】
前記第2駆動ユニットは、その出力端が前記第2スイッチの制御端に接続され、前記第2駆動信号に基づいて前記第2スイッチのオンオフを制御する。
【0024】
好ましくは、前記第1駆動ユニットの給電端は、給電制御スイッチを介して内部給電回路に接続され、さらにブートストラップコンデンサの一端に接続される。前記ブートストラップコンデンサのもう一端は、前記中間ポートに接続される。
【0025】
好ましくは、前記オプティマイザは、内部給電回路をさらに有する。前記内部給電回路は、前記正出力端に直接又は間接に接続され、且つ前記駆動制御回路に接続され、前記発電部品の出力電力を前記駆動制御回路に給電する。
【0026】
好ましくは、前記内部給電回路は、低損失レギュレータを有する。前記低損失レギュレータは、その入力端が前記正出力端に直接又は間接に接続され、その出力端が前記駆動制御回路に直接又は間接に接続される。
【0027】
好ましくは、前記装置は、基準電圧発生回路をさらに有する。前記基準電圧発生回路は、それぞれ前記内部給電回路及び前記最大電力追従回路に接続され、前記内部給電回路の電力を利用して前記最大電力追従回路に前記デューティ比信号を確定するための基準電圧を提供する。
【0028】
好ましくは、前記オプティマイザは、過熱保護回路及びイネーブル制御回路をさらに有する。
【0029】
前記過熱保護回路は、前記オプティマイザの温度情報を測定し、前記温度情報が温度しきい値を超えた場合に、特定のイネーブル信号を前記イネーブル制御回路に送信する。
【0030】
前記イネーブル制御回路は、前記駆動制御回路に接続され、前記特定のイネーブル信号を受信した場合に、前記駆動制御回路によって前記第1スイッチをオフにして、前記中間ポートと前記発電部品とを切断し、且つ前記第2スイッチをオンにする。
【0031】
好ましくは、前記装置は、通信回路及び通信インターフェイス部品をさらに有する。前記通信回路は、前記通信インターフェイス部品を介して外部と通信し、前記オプティマイザの温度情報、部品出力情報、装置出力情報の少なくとも1つを外部に送信し、前記通信インターフェイス部品を介して外部からの外部情報を受信してD/A変換した後、前記外部情報に基づいてしきい値情報を確定する。
【0032】
前記部品出力情報は、前記発電部品の部品出力電圧、前記発電部品の部品出力電流、及び前記発電部品の部品出力電力の少なくとも1つを含む。
【0033】
前記装置出力情報は、前記発電装置の装置出力電圧、前記発電装置の装置出力電流、及び前記発電装置の装置出力電力の少なくとも1つを含む。
【0034】
前記しきい値情報は、温度しきい値、安全電圧範囲に対応する電圧しきい値、及び安全電流範囲に対応する電流しきい値の少なくとも1つを含む。
【0035】
本発明の第2側面の最大電力追従の発電システムは、順に接続される少なくとも2つの前記第1側面の最大電力追従発電装置を有する。
【0036】
本発明の最大電力追従発電装置及びそれを有するシステムによれば、前記最大電力追従回路の入力端が前記正出力端、前記負出力端、及び前記中間ポートに直接又は間接に接続されることで、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、従来のデジタル式の最大電力点追従の問題を解決できる。発電部品の電圧電流情報を収集して、アナログ乗算器によって電力情報を得て、さらに前記電力情報に基づいてデューティ比を調整することで、A/D変換及びA/D変換に基づく演算増幅を行わずに発電部品の最大電力点追従を実現できる。そのため、周辺部品の簡素化、コスト削減、オプティマイザの回路集積化に有利であり、高い集積度を実現できる。なお、デジタル信号の最適化制御と比べて、マイクロプロセッサの計算時間が節約され、アナログループの応答速度及び処理精度を向上できる。コスト削減及び部品の発電効率向上を達成できるため、本発明は、高い利用性を有し、グリーン省エネ、技術の普及、及び大量生産に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の実施例1の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である
【
図2】本発明の実施例2の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【
図3】本発明の実施例3の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【
図4】本発明の実施例4の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【
図5】本発明の実施例5の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【
図6】本発明の1つの実施例の最大電力追従発電システムを示す回路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例を詳しく説明するが、実施例があくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0040】
本発明の明細書及び請求項に記載の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、類似の対象を区別するために用いられるが、その順番を制限するものではない。それらの用語を適切に交換し、下記図面及び実施例に開示する順番以外の形で実施してもよい。また、用語「含む」、「有する」、及びその類似の用語は、他の可能性を排除する意図、例えば、一連の工程又は要素を有するプロセス、方法、システム、製品、又は設備に対してそれらの工程又は要素を限定する意図で使われるものではない。
【0041】
以下、具体的な実施例を開示しながら本発明を詳しく説明するが、下記実施例を互いに組み合わせてもよい。同じ若しくは類似の概念、又はプロセスの説明を省略する場合もある。
図1は、本発明の実施例1の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【0042】
図1を参照しながら説明する。最大電力追従発電装置は、発電部品1及びオプティマイザ2を有する。前記オプティマイザ2は、チップに設けられる最大電力追従回路201、駆動制御回路202、第1スイッチ203、及び第2スイッチ204を有する。
【0043】
上記発電部品1は、例えば太陽光発電部品、運動エネルギー発電部品、風力発電部品等が挙げられる。
【0044】
前記第1スイッチ203の第1端が前記発電部品1の正出力端に接続され、前記第1スイッチ203の第2端が前記第2スイッチ204の第1端に接続され、前記第2スイッチ204の第2端が前記発電部品1の負出力端に接続され、前記第1スイッチ203の第2端及び前記第2スイッチ204の第1端がさらに中間ポート205に接続され、前記中間ポート205を介して電力を前記チップの周辺回路に出力する。前記中間ポート205は、前段の発電装置に接続され、具体的には前段の発電装置の負出力端に接続される。
【0045】
本実施例において、前記最大電力追従回路201の入力端が前記正出力端、前記負出力端、及び前記中間ポートに直接又は間接に接続され、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集する。前記機能は、オフチップ接続、又はチップに回路を設けることで実現できる。
【0046】
例えば、最大電力追従回路201の1つの入力端及び第1スイッチ203の第1端が電源正ポート206に接続され、前記電源正ポート206が発電部品1の正出力端に接続され、最大電力追従回路201のもう1つの入力端、第1スイッチ203の第2端、及び第2スイッチ204の第1端が中間ポート205に接続され、最大電力追従回路201のさらにもう1つの入力端及び第2スイッチ204の第2端が電源負ポート207に接続され、前記電源負ポート207が発電部品1の負出力端に接続される。他の例において、最大電力追従回路201が他のポートを介して発電部品1の正出力端及び負出力端に接続される。
【0047】
本実施例において、どんな接続方法であっても、電圧を直接収集した後、A/D変換を行わずに、電圧に基づいて電流、電力等の情報のアナログ量を計算すればよい。
【0048】
よって、本実施例において、A/D変換及びA/D変換に基づく演算増幅を省略できるため、部品の簡素化、コスト削減、オプティマイザの回路集積化に有利であり、高い集積度を実現できる。なお、デジタル信号の最適化制御と比べて、アナログループの応答速度及び処理精度を向上できる。
【0049】
第1スイッチ203及び第2スイッチ204は、任意な開閉できる両端であり、制御端を有し、制御端を制御することでオン及びオフに切り替えるる。具体的には、第1スイッチ203及び第2スイッチ204は、例えばMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)、具体的にはNMOS(N-Metal-Oxide-Semiconductor)が挙げられる。
【0050】
さらに、デュアル高電圧NMOSを利用すると、面積を節約すると共に低いスイッチインピーダンスを達成し、より高い変換効率を実現できる。
【0051】
前記駆動制御回路202は、それぞれ前記第1スイッチ203の制御端及び前記第2スイッチ204の制御端に接続され、前記デューティ比信号に基づいて前記第1スイッチ203及び前記第2スイッチ204のオンオフを制御し、前記発電装置の装置出力電力を調整する。
【0052】
中間ポート205が前記発電装置の装置出力コンデンサ3の第1端に接続され、装置出力コンデンサ3の第2端が発電部品1の負出力端に接続され、装置出力コンデンサ3の両端がそれぞれ前段の発電装置及び後段の発電装置に接続される。また、中間ポート205は、1つのインダクタンスLを介して前記装置出力コンデンサ3に接続されてもよい。前記インダクタンスL及び装置出力コンデンサ3の組み合わせによれば、LCフィルターの役目を果すことができる。
【0053】
1つの例において、中間ポート205出力が方形波信号であり、LCフィルターを通って1つの直流DC電圧を形成する。前記DC電圧は、本実施例に限定される電圧である。中間に1つのインダクタンスが設けられるため、LCフィルターを通ったDC電圧を直接に収集できない。よって、中間ポート205の方形波電圧がチップ内部の抵抗コンデンサRCフィルターを通った後、外部LCフィルターと等しいDC電圧を得る。前記DC電圧を収集した後、DC電圧が高くなりすぎないようにデューティ比を調整する。
【0054】
第1スイッチ203がオフになっており且つ第2スイッチ204がオンになっている状態では、後段の発電装置及び前段の発電装置が第2スイッチ204を介して直列接続され、メインパスと発電装置の発電部品1との接続を切ることができる。同様に、第1スイッチ203がオンになっており且つ第2スイッチ204がオフになっている状態では、発電装置の発電部品1及びメインパスが接続され、装置から出力した部品の電力を利用できる。
【0055】
第2スイッチ204を入れると、他の部品の電流がそのまま前記装置の第2スイッチ204に流れるため、直接接続される部品アレイにおける他の部品の動作に影響を与えない。
本実施例において、電圧電流から得られた電力信号を利用してデューティ比を調整し、デューティ比信号に基づいて第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフを制御する。アナログ信号に基づくMPPT(Maximum Power Point Tracking)であるため、AMPPT(Analog Maximum Power Point Tracking)として理解できる。
【0056】
図2は、本発明の実施例2の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【0057】
図2参照しながら説明する。前記最大電力追従回路201は、電圧電流検出ユニット2011、乗算器2012、及び最大電力追従処理ユニット2013を有する。
【0058】
前記電圧電流検出ユニット2011は、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集し、前記正出力端の電圧及び前記負出力端の電圧に基づいて前記発電部品1の部品出力電圧(正出力端と負出力端との電位差)を確定する。
【0059】
前記電圧電流検出ユニット2011は、さらに前記正出力端の電圧及び前記中間ポート205の電圧に基づいて前記発電部品1の部品出力電流として前記第1スイッチの電流を確定する。具体的には、第1スイッチ203のインピーダンスを確定できれば、正出力端の電圧が電源正ポート206の電圧であるため、第1スイッチ203がオンになっている時に、第1スイッチ203の第1端と第2端との電圧差が前記正出力端の電圧と前記中間ポート205の電圧との電圧差であり、前記電圧差及び第1スイッチ203の抵抗から前記部品出力電流を計算できる。
【0060】
本実施例において、電気的パラメータ信号をデジタル信号に変換しなくても、アナログ量に基づいて必要な電流及び電力等を取得し、その後の非デジタル的な処理の計算に対応できる。
【0061】
前記乗算器2012は、前記発電部品の部品出力電圧と前記発電部品の部品出力電流とを乗算し、前記発電部品1の部品出力電力(例えば、1つの発電部品1の部品出力電力を表する電圧)を得る。
【0062】
乗算器2012は、非デジタル的な処理で電力情報を得ることができるため、その後の非デジタル的な処理の最大電力追従に対応できる。
【0063】
前記最大電力追従処理ユニット2013は、前記部品出力電力に基づいて前記現在最大電力を追従確定し、前記現在最大電力に基づいて前記デューティ比信号を確定し、前記デューティ比信号を前記駆動制御回路に送信する。発電部品1の部品出力電力の電圧に基づいてデューティ比信号を調整し、前記デューティ比信号に基づいて駆動回路で第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフを制御することで、発電部品が最大電力出力で動作できる。
【0064】
デューティ比信号は、任意なパルス幅変調信号である。最大電力追従回路201は、異なる現在最大電力に対して異なるデューティ比を有するデューティ比信号を出力する。また、デューティ比信号は、PWM(Pulse Width Modulation)信号、即ちパルス幅変調信号である。
【0065】
本発明において、任意な手段によって最大電力追従処理ユニット2013を実現できるが、以下、1つの具体的な実施例を説明する。
【0066】
過去出力電力を保存し、現在の部品出力電力及び前の時期の部品出力電力を比較し、部品出力電力が前の時期の出力電力より大きい場合、部品出力電力が最大出力電力に達していないことを示す。部品出力電力が前の時期の出力電力より小さい場合、部品出力電力が最大出力電力に達したことを示す。即ち、部品出力電力の少なくとも一部の過去情報に基づいて前記現在最大電力を確定できる。
【0067】
動的測定及びデューティ比信号の調整によって、部品が常に最大電力点状態で動作できる。現在最大電力に基づいてデューティ比信号を確定する工程において、具体的には、最大電力出力を満たすように、部品の過去出力電力に基づいて現在のデューティ比を調整する。例えば、第1スイッチがオンになっており、且つ第2スイッチがオフになっている時間を変更することで、最大電力点追従を実現できる。例えば、デューティ比信号を確定すれば、デューティ比信号のデューティ比を調整できる。
【0068】
具体的には、基準電圧を参考してデューティ比信号を調整できる。例えば、正弦波又は三角波の電圧及び基準電圧を比較し、比較結果に基づいてデューティ比信号を確定できる。基準電圧が異なる場合に、生成したデューティ比信号のデューティ比が異なる。具体的には、基準電圧を調整することでデューティ比信号を調整できる。
【0069】
上記正弦波及び三角波の電圧をデフォルトの参考電圧信号とすると、前記最大電力追従処理ユニットが前記現在最大電力に基づいて前記デューティ比信号を確定する時に、次のように行うことができる。
【0070】
前記現在最大電力に基づいて現在基準電圧を確定する。前記確定は、基準電圧が必要とする変化後の値を確定してよく、基準電圧をどのように変化する必要があることを確定してもよい。
【0071】
前記現在基準電圧及び参考電圧信号の現在電圧を比較し、比較結果に基づいてデューティ比に対応する前記デューティ比信号を生成する。前記参考電圧信号は、正弦波の電圧信号又は三角波の電圧信号である。
【0072】
現在最大電力に基づいて前記現在基準電圧を確定するため、対応するデューティ比信号で制御することで、部品の出力電力が前記現在最大電力に達することができる。
【0073】
本実施例において、各部品に1つのオプティマイザを設ける。それによって形成した集積回路は、マッチングしていない発電部品の最大電力点を自動追従し、各部品の電力出力を最大化することができる。
【0074】
また、前記電圧電流検出ユニット2011は、前記正出力端の電圧と前記中間ポートの電圧との電圧差、及び前記負出力端の電圧と前記中間ポートの電圧との電圧差に基づいて、対応するインピーダンスを参考して装置出力電流を計算する。また、前記中間ポートの電圧を装置出力電圧とする。
【0075】
なお、乗算器2012は、部品出力電流及び部品電圧に基づいて部品出力電力(例えば、1つの部品出力電力を表する電圧)を計算する。
【0076】
1つの実施例において、
図2に示すように、前記最大電力追従処理ユニット2013は、さらに前記電圧電流検出ユニット2011に接続される。
【0077】
前記電圧電流検出ユニット2011は、前記負出力端の電圧及び前記中間ポート205の電圧に基づいて前記第2スイッチ204の電流を確定し、前記第1スイッチ203の電流と前記第2スイッチ204の電流とを加算し、前記中間ポート205の出力電流を得る。
【0078】
前記最大電力追従処理ユニット2013は、前記中間ポート205の出力電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの電圧が対応する安全電圧範囲とマッチングするように前記デューティ比信号の安全調整を行う。前記中間ポート205の出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングしない、又は前記第1スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングしない場合に、前記中間ポートの出力電流が対応する第1安全電流範囲とマッチングし、且つ前記第2スイッチの電流が対応する第2安全電流範囲とマッチングするように、前記デューティ比信号の安全調整を行う。
【0079】
安全電圧範囲及び安全電流範囲に基づいてデューティ比信号を調整する時に、最大電力のデューティ比信号を優先とする。即ち、前記安全調整が前記現在最大電力に基づき確定したデューティ比信号と矛盾する場合に、前記安全調整が優先される。
【0080】
安全電圧範囲は、例えば特定の電圧しきい値以下の範囲である。前記電圧しきい値を超えると、前記安全電圧範囲とマッチングしないと見做すことができる。言い換えると、電圧しきい値の判断は、安全電圧範囲とマッチングするかどうかの判断と見做すことができる。同じように、第1安全電流範囲及び第2安全電流範囲は、例えば特定の電流しきい値以下の範囲である。対応する電流しきい値を超えると、対応する安全電流範囲とマッチングしないと見做すことができる。言い換えると、電流しきい値の判断は、安全電流範囲とマッチングするかどうかの判断と見做すことができる。
【0081】
また、上記マッチングは、直接マッチング及び間接マッチングを含む。例えば、中間ポートの電圧又は対応するDC電圧と安全電圧範囲とのマッチングは、直接マッチングに属する。中間ポートの電圧又は対応するDC電圧の平均値の統計値と安全電圧範囲とのマッチングは、間接マッチングに属する。また、中間ポートの電圧又は対応するDC電圧に関連する他の電圧と対応する安全電圧範囲とのマッチングは、間接マッチングに属する。同じように、過電流の判断は、直接マッチング及び間接マッチングを含む。
【0082】
上記実施例によれば、過電圧及び過電流の保護を実現できる。また、出力電圧又は電流を特定の設定値に安定に制御できるため、発電システム全体が安定に動作できる。過電圧保護は、装置出力電圧、即ち中間ポート205に対する保護であり、その保護が2つの部分がある。その1つ目は、発電部品出力電流の保護、即ち第1スイッチの電流保護である。その2つ目は、装置出力電流の保護、即ち中間ポート205の電流保護である。前記電流は、第1スイッチと第2スイッチ電流との合計値であり、中間ポート205を介して外部インダクタンスに流れた後、負荷に出力する。そのため、前記電流の過電流保護も必要となる。
【0083】
最大電力追従処理ユニット2013は、それぞれ異なるプログラムによって最大電力追従を行って、デューティ比信号の出力機能及び過電圧過電流の保護機能を実現してもよい。また、異なる回路構造によって最大電力追従を行って、デューティ比信号の出力機能及び過電圧過電流の保護機能を実現してもよい。なお、ソフトウェアと回路構造との第1組み合わせによって最大電力追従を行って、デューティ比信号の出力機能を実現し、さらにソフトウェアと回路構造との第2組み合わせによって過電圧過電流の保護を実現してもよい。
本発明において、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって上記機能を実現できる。
【0084】
具体的には、AMPPTアルゴリズムによって、入力した現在電力信号に基づいてデューティ比信号を定期的に調整できる。デューティ比信号を論理制御ユニットに入力し、第1スイッチ及び第2スイッチのオフ/オン時間を制御することで、装置出力電力を調整する。AMPPTアルゴリズムによって、入力した現在電力信号及び過去電力信号を比較し、デューティ比信号を常に調整し、最終的に動的に部品出力電力を最大値に維持できる。
【0085】
また、本実施例の前記オプティマイザは、メインパスの電流とマッチングするように出力電流を自動的に調整する。すると、発電能力の弱い部品が負荷から電源に変換され、装置全体の変換効率を向上できる。装置の発電能力を最大化するために、チップのAMPPTアルゴリズムによって各部品を最大電力点状態で動作させ、発電効率向上を達成できる。そのため、最大電力点の不一致を考慮する必要がない。たとえ一部の部品が影響を受けたとしても、前記チップによって影響されていない部分の電力を変換できる。
【0086】
1つの実施例において、
図2に示すように、前記駆動制御回路202は、論理制御ユニット2023、第1駆動ユニット2021、及び第2駆動ユニット2022を有する。駆動ユニットは、駆動ランクである。
【0087】
前記論理制御ユニット2023は、その入力端が前記最大電力追従回路201に接続され、前記デューティ比信号を受信し、前記デューティ比信号に基づいて第1駆動信号及び第2駆動信号を生成し、前記第1駆動信号を前記第1駆動ユニット2021に送信し、前記第2駆動信号を前記第2駆動ユニット2022に送信する。
【0088】
前記論理制御ユニット2023は、それぞれ前記第1駆動ユニット2021及び前記第2駆動ユニット2022に接続される。前記第1駆動ユニット2021の出力端が前記第1スイッチ203の制御端に接続され、前記第2駆動ユニット2022の出力端が前記第2スイッチ204の制御端に接続される。
【0089】
前記第1駆動ユニット2021は、前記第1駆動信号に基づいて前記第1スイッチ203のオンオフを制御する。前記第2駆動ユニット2022は、前記第2駆動信号に基づいて前記第2スイッチ204のオンオフを制御する。
【0090】
論理制御ユニット2023は、第1駆動ユニット2021と第2駆動ユニット2022との共有を防止する。
【0091】
第1駆動ユニット2021及び第2駆動ユニット2022は、スイッチ制御を実現できる任意な部品、又はそれらの部品の組み合わせである。
【0092】
図3は、本発明の実施例3の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【0093】
図3参照しながら説明する。前記オプティマイザ2は、内部給電回路208をさらに有する。前記内部給電回路208は、前記正出力端に直接又は間接に接続され、且つ前記駆動制御回路202に接続され、前記発電部品1の出力電力を前記駆動制御回路202に給電する。具体的には、内部給電回路208は、電源正ポート206を介して前記正出力端に接続される。
【0094】
本実施例において、発電部品1の給電を利用して内部給電を実現できる。
【0095】
本実施例において、前記装置は、基準電圧発生回路209をさらに有する。前記基準電圧発生回路209は、それぞれ前記内部給電回路208及び前記最大電力追従回路201に接続され、前記内部給電回路208の電力を利用して前記最大電力追従回路201に前記デューティ比信号を確定するための基準電圧を提供する。
【0096】
最大電力追従回路201の最大電力追従処理ユニットは、デューティ比信号の需要を満足するように入力した基準電圧を調整する。
【0097】
1つの実施例において、前記オプティマイザ2は、過熱保護回路210及びイネーブル制御回路211をさらに有する。
【0098】
前記イネーブル制御回路211は、前記駆動制御回路202に接続され、特定のイネーブル信号を受信した場合に、前記第1スイッチ203をオフにして且つ前記第2スイッチ204をオンにするように前記駆動制御回路202によって制御する。その場合、他の部品の電流が第2スイッチ204に流れるため、システムの正常動作に影響を与えない。イネーブル制御回路211は、イネーブルポート212を介して前記特定のイネーブル信号及び正常動作のイネーブル信号を受信する。
【0099】
また、イネーブル制御回路211は、もう1つの正常動作のイネーブル信号を受信した場合に、前記駆動制御回路202の正常動作を駆動し、即ち、チップの正常動作を維持する。具体的には、前記特定のイネーブル信号が低電気レベルであり、前記正常動作のイネーブル信号が高電気レベルである。
【0100】
また、特定のイネーブル信号の受信及び処理としては、部品の電圧が低くて正常に出力できない時に、第2スイッチ204をオンにして、他の部品の電流が直接に前記第2スイッチ204に流れることで、部品アレイ全体の正常動作に影響を与えない。
【0101】
1つの実施例において、温度が高すぎる時に前記特定のイネーブル信号の受信及び処理をトリガーすることで、チップ損傷又は他の不良な影響を回避できる。前記過熱保護回路210は、前記オプティマイザの温度情報を測定し、前記温度情報が温度しきい値を超えた場合に、前記特定のイネーブル信号を前記イネーブル制御回路211に送信する。
【0102】
温度情報は、任意な温度測定部品でチップの特定位置を測定して得られた温度であってもよく、チップ各箇所の温度を統計した温度であってもよい。本発明において、温度測定及び温度比較を実現できる任意な回路構造を利用できる。
【0103】
また、過熱保護回路210は、内部給電回路208から給電されてもよく、電力供給できる他のポートから直接に給電されてもよい。
【0104】
図4は、本発明の実施例4の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【0105】
図4を参照しながら説明する。前記装置は、通信回路214及び通信インターフェイス部品215をさらに有する。前記通信回路214は、前記通信インターフェイス部品215を介して外部と通信し、前記オプティマイザの温度情報、部品出力情報、装置出力情報、部品過電流識別情報、装置過電流識別情報、装置過電圧識別情報の少なくとも1つを外部に送信する。
【0106】
前記部品出力情報は、前記発電部品の部品出力電圧、前記発電部品の部品出力電流、及び前記発電部品の部品出力電力の少なくとも1つを含む。
【0107】
前記装置出力情報は、前記発電装置の装置出力電圧、前記発電装置の装置出力電流、及び前記発電装置の装置出力電力の少なくとも1つを含む。
【0108】
部品過電流識別情報は、部品出力電流過電流の発生を示し、例えば、前記のような第1スイッチの電流が第2安全電流範囲とマッチングしない状況が挙げられる。装置過電流識別情報は、装置出力電流過電流の発生を示し、例えば、前記のような中間ポートの出力電流が第1安全電流範囲とマッチングしない状況が挙げられる。装置過電圧識別情報は、装置出力電圧過電圧の発生を示し、例えば、前記のような中間ポートの出力電圧が安全電圧範囲とマッチングしない状況が挙げられる。
【0109】
通信回路214は、外部と双方向通信するため、外部に情報を送信するだけでなく、外部からの情報を受信できる。例えば、前記通信回路214を介して上記電圧しきい値、電流しきい値、温度しきい値等の外部情報を受信できる。
【0110】
1つの実施例において、通信回路は、前記通信インターフェイス部品を介して外部からの外部情報をD/A変換した後、前記外部情報に基づいてしきい値情報を確定する。例えば、最大電力追従処理ユニットは、外部情報を識別してしきい値を確定する。前記しきい値情報は、温度しきい値、安全電圧範囲に対応する電圧しきい値、及び安全電流範囲に対応する電流しきい値の少なくとも1つを含む。
【0111】
通信回路214は、D/A変換ユニット2143をさらに有する。D/A変換ユニット2143は、外部情報の信号をD/A変換し、変換した外部情報を対応する回路に伝送する。例えば、温度しきい値確定用の外部情報を過熱保護回路210に伝送し、電圧しきい値確定用の外部情報及び電流しきい値確定用の外部情報を最大電力追従回路201(具体的には、最大電力追従処理ユニット2013)に伝送する。D/A変換ユニット2143は、過熱保護回路210及び最大電力追従回路201の少なくとも1つに接続される。
【0112】
1つの実施例において、上記外部に伝送すべき情報を取得するために、前記装置は、情報収集回路213をさらに有する。前記情報収集回路213は、それぞれ電圧電流検出ユニット2011及び乗算器2012に接続される。
【0113】
情報収集回路は、情報又は電気信号を受信、伝送できる任意な回路構造である。
【0114】
具体的には、通信回路214は、A/D変換ユニット2141及び通信制御ユニット2142をさらに有する。情報を送信する前に、A/D変換ユニット2141によって前記オプティマイザの温度情報、部品出力情報、装置出力情報の少なくとも1つのアナログ信号をデジタル信号に変換する。
通信制御ユニット2142によれば、情報伝送の管理を実現できる。
【0115】
上記実施例の通信方法によれば、監視及び通信を実現し、オプティマイザを正常動作させると共に、関連情報のリアルタイムのフィードバック及び調整を行うことができる。
【0116】
図5は、本発明の実施例5の最大電力追従発電装置を示す回路模式図である。
【0117】
図5を参照しながら説明する。本実施例は、
図1~
図4の実施例の具体的な実施例である。
図5に示す実施例において、PV+ポートは、前記正出力端に接続される電源正ポート206である。PV-ポートは、前記負出力端に接続される電源負ポート207である。ENポートは、上記イネーブルポート212である。SWポートは、上記中間ポートである。電圧電流検出ユニット2011の左側は、それぞれマークされたポートに接続される。
【0118】
MOS NM1は、上記第1スイッチ203である。MOS NM2は、上記第2スイッチ204である。コンデンサCoutは、上記装置出力コンデンサである。
【0119】
Vinは、発電部品1からオプティマイザ2に入力する電圧であり、即ち発電部品1の部品出力電圧である。Iinは、発電部品1の部品出力電流である。Pinは、発電部品1の部品出力電力、即ち部品出力電力である。Voutは、上記装置出力電圧である。Ioutは、上記装置出力電流である。Poutは、上記装置出力電力である。
【0120】
1つの実施例において、最大電力追従処理ユニット2013は、オシレーター2014に接続される。オシレーター2014は、最大電力追従処理ユニット2013にクロック信号を提供する。
【0121】
1つの実施例において、
図5に示すように、前記内部給電回路208は、低損失レギュレータ2081を有する。前記低損失レギュレータ2081の入力端は、前記正出力端に直接又は間接に接続され、例えばPV+ポートに接続される。前記低損失レギュレータ2081の出力端は、前記駆動制御回路202に直接又は間接に接続され、具体的には第1駆動ユニット2021に接続される。
【0122】
具体的には、前記第1駆動ユニット2021の給電端は、給電制御スイッチKを介して内部給電回路208に接続され、具体的には低損失レギュレータ2081に接続される。前記第1駆動ユニット2021の給電端は、ブートストラップコンデンサC2の一端に接続される。前記ブートストラップコンデンサC2のもう一端は、前記中間ポート、即ちSWポートに接続される。具体的には、低損失レギュレータ2081は、さらにAVDDポート及びコンデンサCAVDDを介して接地される。
【0123】
低損失レギュレータ2081によって5V又は3.3Vの電圧を生成して内部回路作業用電力として提供する。図に示すように、給電制御スイッチは、第1駆動ユニット2021に間接に給電してもよく、第2駆動ユニット2022に給電してもよい(例えば、第2駆動ユニット2022の給電端に直接に接続される)。
【0124】
図5に示す実施例において、チップのVCCポートは、抵抗Rを介して正出力端に接続される。チップのVCC端は、コンデンサC
VCCを介して接地される。さらに、RC(resistor capacitor)を利用してチップの給電端VCCをフィルタリングすることができる。また、発電部品1の正出力端と負出力端との間にさらに部品出力コンデンサ、即コンデンサC
inが接続される。
【0125】
図5に示す実施例において、通信インターフェイス部品215は、SDA(serial data line)インターフェイス及びSCL(serial clock line)インターフェイスを有する。通信制御ユニット2142は、SDAインターフェイス及びSCLインターフェイスを介して通信モジュール4に接続される。前記通信モジュール4は、例えばI2C通信モジュール(例えば、I2バス通信プロトコルに基づく通信回路、回線等)である。
【0126】
本実施例のオプティマイザ集積AMPPTアルゴリズムは、部品の電力追従だけでなく、周辺回路の簡素化、低コスト、高集積度、高追従精度、高追従速度等の利点を有する。前記オプティマイザによれば、発電部品の不一致による電力損失を解決できる。
【0127】
発電部品が太陽光発電部品である場合に、本実施例のオプティマイザは、太陽光発電部品の一部が遮光される時のホットスポット及び電力損失を解決できる。オプティマイザを太陽光発電部品パネルの背面に設けることで、パネルの正面の発電に影響を与えない。
【0128】
オプティマイザ及びそのチップ数は、太陽光発電部品と同じであってもよく、異なってもよい。例えば、1つの太陽光発電部品は、少なくとも2つのオプティマイザ及びそのチップに対応する。即ち、オプティマイザ数が1である場合に、1つのオプティマイザ及びそのチップを対応する1つの太陽光発電部品のパネルの背面に設けてもよい。オプティマイザ数が複数である場合に、複数のオプティマイザ及びそのチップを対応する1つの太陽光発電部品のパネルの背面に設けてもよい。具体的には、1つのパネルの背面の各エリアに複数のAMPPTアルゴリズム機能を有するチップを設けることで、パネル内部の不一致の問題を解決し、パネルの発電効率を向上できる。その原理は、複数のパネルが直列に接続される状況を参照できる。
【0129】
図6は、本発明の1つの実施例の最大電力追従の発電システムを示す回路模式図である。
【0130】
図6を参照しながら説明する。本実施例は、順に接続される少なくとも2つの上記最大電力追従発電装置を有する最大電力追従の発電システムを提供する。
【0131】
以上をまとめると、本発明の最大電力追従発電装置及びそれを有するシステムによれば、前記最大電力追従回路の入力端が前記正出力端、前記負出力端、及び前記中間ポートに直接又は間接に接続されることで、前記正出力端の電圧、前記負出力端の電圧、及び前記中間ポートの電圧を収集できる。
【0132】
本発明によれば、従来のデジタル式の最大電力点追従の問題を解決できる。発電部品の電圧電流情報を収集し、アナログ乗算器によって電力情報を得て、さらに前記電力情報に基づいてデューティ比を調整することで、A/D変換及びA/D変換に基づく演算増幅を行わずに発電部品の最大電力点追従を実現できる。そのため、周辺部品の簡素化、コスト削減、オプティマイザの回路集積化に有利であり、高い集積度を実現できる。なお、デジタル信号の最適化制御と比べて、マイクロプロセッサの計算時間が節約され、アナログループの応答速度及び処理精度を向上できる。コスト削減及び部品の発電効率向上を達成できるため、本発明は、高い利用性を有し、グリーン省エネ、技術の普及、及び大量生産に有利である。
【0133】
本発明を説明するために上記実施例を開示したが、本発明は、それらに限定されない。当業者が上記実施例に基づいてなされた均等的な変更は、いずれも本発明に含む。
【符号の説明】
【0134】
1 発電部品
2 オプティマイザ
201 最大電力追従回路
2011 電圧電流検出ユニット
2012 乗算器
2013 最大電力追従処理ユニット
2014 オシレーター
202 駆動制御回路
2021 第1駆動ユニット
2022 第2駆動ユニット
2023 論理制御ユニット
203 第1スイッチ
204 第2スイッチ
205 中間ポート
206 電源正ポート
207 電源負ポート
208 内部給電回路
2081 低損失レギュレータ
209 基準電圧発生回路
210 過熱保護回路
211 イネーブル制御回路
212 イネーブルポート
213 情報収集回路
214 通信回路
2141 A/D変換ユニット
2142 通信制御ユニット
2143 D/A変換ユニット
215 通信インターフェイス部品
3 装置出力コンデンサ
4 通信モジュール