(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-01
(45)【発行日】2022-12-09
(54)【発明の名称】障害物検知装置、駐車支援装置、衝突回避装置及び障害物検知方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/526 20060101AFI20221202BHJP
G01S 7/41 20060101ALI20221202BHJP
G01S 7/486 20200101ALI20221202BHJP
【FI】
G01S7/526 J
G01S7/41
G01S7/486
(21)【出願番号】P 2022522170
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2020019116
(87)【国際公開番号】W WO2021229722
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩章
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 裕
(72)【発明者】
【氏名】辻田 亘
(72)【発明者】
【氏名】山下 元気
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/091783(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/103464(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/195753(WO,A1)
【文献】特開2019-138672(JP,A)
【文献】特開平11-072557(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059713(US,A1)
【文献】特開2011-196699(JP,A)
【文献】特開2014-058247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/64,
G01S 13/00-13/95,
G01S 15/00-15/96,
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた測距センサを用いて移動中の前記車両
の左右又は前後領域に存在する長尺状の障害物を検知することにより、前記障害物に対応する情報を取得する障害物検知部と、
前記情報に含まれる複数個の測距値の各々が複数個の距離区間のうちのいずれに含まれるものであるかを表す度数分布に対応するマップを生成するマップ生成部と、
前記マップにおける複数個の度数群のうちの第1閾値を超える度数を含む度数群を抽出することにより、前記マップにおける
障害物に対応する度数群であるピーク形状を抽出するピーク形状抽出部と、
前記ピーク形状に基づき前記障害物の高さを判別する判別部と、
を備え、
前記判別部は、前記ピーク形状の幅を幅閾値と比較することにより、前記障害物が走行障害物であるか路上障害物であるかを判別する障害物検知装置。
【請求項2】
車両に設けられた測距センサを用いて移動中の前記車両
の左右又は前後領域に存在する長尺状の障害物を検知することにより、前記障害物に対応する情報を取得する障害物検知部と、
前記情報に含まれる複数個の測距値による度数分布に対応するマップを生成するマップ生成部と、
前記マップにおける複数個の度数群のうちの第1閾値を超える度数を含む度数群を抽出することにより、前記マップにおける
障害物に対応する度数群であるピーク形状を抽出するピーク形状抽出部と、
前記ピーク形状に基づき前記障害物の高さを判別する判別部と、
を備え、
前記判別部は、
前記複数個の測距値に対応する探査波の送信回数に第2割合を乗ずることにより、前記第1閾値よりも大きい第2閾値を設定し、前記ピーク形状の高さを前記第2閾値と比較することにより、
前記車両のバンパに接触し得る高さを有する障害物であるかを判別
する障害物検知装置。
【請求項3】
前記判別部は、前記ピーク形状の中心部に対する前記ピーク形状における最大の度数を有するビンの位置の偏位量に基づき、前記障害物が植込み障害物であるか否かを判別することを特徴とする
請求項1又は請求項2記載の障害物検知装置。
【請求項4】
前記障害物検知部は、走行中の前記車両に対する左方領域又は右方領域にお
いて、前記車両の移動方向に対して斜めに存在する前記長尺状の障害物を検知するものであり、
前記複数個の測距値に対応する複数個の反射点の配列方向が前記車両の移動方向に対して平行になるように前記複数個の測距値を補正する補正部を備えることを特徴とする
請求項1又は請求項2記載の障害物検知装置。
【請求項5】
前記障害物検知部は、走行中の前記車両に対する前方領域又は後方領域における前記障害物を検知するものであり、
前記車両の移動量に応じて前記複数個の測距値を補正する補正部を備えることを特徴とする
請求項1又は請求項2記載の障害物検知装置。
【請求項6】
前記ピーク形状抽出部は、前記複数個の測距値に対応する探査波の送信回数に第1割合を乗ずることにより前記第1閾値を設定することを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の障害物検知装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記ピーク形状における第3閾値を超える度数を有するビンを抽出して、当該抽出されたビンの個数に基づき前記ピーク形状の幅を算出することを特徴とする請求項
1記載の障害物検知装置。
【請求項8】
前記判別部は、前記ピーク形状における最大の度数を有するビンを抽出して、当該抽出されたビンにおける度数に第3割合を乗ずることにより前記第3閾値を設定することを特徴とする請求項
7記載の障害物検知装置。
【請求項9】
請求項1
又は請求項2記載の障害物検知装置と、
前記障害物検知部による検知結果及び前記判別部による判別結果に基づく駐車支援制御を実行する駐車支援制御部と、
を備える駐車支援装置。
【請求項10】
請求項
5記載の障害物検知装置と、
前記障害物検知部による検知結果及び前記判別部による判別結果に基づく衝突回避制御を実行する衝突回避制御部と、
を備える衝突回避装置。
【請求項11】
障害物検知部が、車両に設けられた測距センサを用いて移動中の前記車両
の左右又は前後領域に存在する長尺状の障害物を検知することにより、前記障害物に対応する情報を取得するステップと、
マップ生成部が、前記情報に含まれる複数個の測距値の各々が複数個の距離区間のうちのいずれに含まれるものであるかを表す度数分布に対応するマップを生成するステップと、
ピーク形状抽出部が、前記マップにおける複数個の度数群のうちの第1閾値を超える度数を含む度数群を抽出することにより、前記マップにおける
障害物に対応する度数群であるピーク形状を抽出するステップと、
判別部が、前記ピーク形状に基づき前記障害物の高さを判別するステップと、
判別部が、前記ピーク形状の幅を幅閾値と比較することにより、前記障害物が走行障害物であるか路上障害物であるかを判別するステップと、
を備える障害物検知方法。
【請求項12】
障害物検知部が、車両に設けられた測距センサを用いて移動中の前記車両
の左右又は前後領域に存在する長尺状の障害物を検知することにより、前記障害物に対応する情報を取得するステップと、
マップ生成部が、前記情報に含まれる複数個の測距値の各々が複数個の距離区間のうちのいずれに含まれるものであるかを表す度数分布に対応するマップを生成するステップと、
ピーク形状抽出部が、前記マップにおける複数個の度数群のうちの第1閾値を超える度数を含む度数群を抽出することにより、前記マップにおける
障害物に対応する度数群であるピーク形状を抽出するステップと、
判別部が、前記ピーク形状に基づき前記障害物の高さを判別するステップと、
判別部が、前記複数個の測距値に対応する探査波の送信回数に第2割合を乗ずることにより、前記第1閾値よりも大きい第2閾値を設定し、前記ピーク形状の高さを前記第2閾値と比較することにより、前記車両のバンパに接触し得る高さを有する障害物であるかを判別するステップと、
を備える障害物検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、障害物検知装置、駐車支援装置、衝突回避装置及び障害物検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、車両に対する前方の領域を「前方領域」という。また、車両に対する後方の領域を「後方領域」という。また、車両に対する左方の領域を「左方領域」という。また、車両に対する右方の領域を「右方領域」という。また、左方領域又は右方領域を総称して「側方領域」ということがある。また、前方領域、後方領域、左方領域又は右方領域を総称して「周囲領域」ということがある。
【0003】
従来、車載用のToF(Time оf Flight)方式の測距センサが開発されている。具体的には、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ及びレーザレーダが開発されている。以下、ToF方式の測距センサによる送信及び受信の対象となる波(例えば超音波、ミリ波又はレーザ光)を総称して「探査波」ということがある。
【0004】
従来、車両に設けられたToF方式の測距センサを用いて、周囲領域における障害物を検知する技術が開発されている。また、当該検知された障害物の高さを判別する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術は、不検知率又は残差平均値に基づき障害物の高さを判別するものである(例えば、特許文献1の要約参照。)。ここで、不検知率又は残差平均値は、以下のような要因により変動するものである。特許文献1記載の技術においては、かかる変動により、障害物の高さの判別精度が低下する問題があった。
【0007】
すなわち、測距センサにより受信される探査波は、検知対象である障害物により反射された探査波に加えて、路面により反射された探査波を含むことがある。これにより、不検知率が低下するとともに、残差平均値が上昇する。特に、路面の表面が粗い場合(例えば路面がアスファルトにより構成されている場合)、又は路面が濡れている場合(例えば降雨による水たまりが発生している場合)、路面により反射された探査波が測距センサにより受信されやすくなる。これにより、不検知率が更に低下するとともに、残差平均値が更に上昇する。以下、かかる路面により反射された探査波に対応する成分を「路面ノイズ」ということがある。
【0008】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、路面ノイズによる障害物の高さの判別精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る障害物検知装置は、車両に設けられた測距センサを用いて移動中の前記車両の左右又は前後領域に存在する長尺状の障害物を検知することにより、前記障害物に対応する情報を取得する障害物検知部と、前記情報に含まれる複数個の測距値の各々が複数個の距離区間のうちのいずれに含まれるものであるかを表す度数分布に対応するマップを生成するマップ生成部と、前記マップにおける複数個の度数群のうちの第1閾値を超える度数を含む度数群を抽出することにより、前記マップにおける障害物に対応する度数群であるピーク形状を抽出するピーク形状抽出部と、前記ピーク形状に基づき前記障害物の高さを判別する判別部と、を備え、前記判別部は、前記ピーク形状の幅を幅閾値と比較することにより、前記障害物が走行障害物であるか路上障害物であるかを判別する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、上記のように構成したので、路面ノイズによる障害物の高さの判別精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る障害物検知装置における判別部の要部を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の要部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】障害物に対応する複数個の反射点及び路面ノイズに対応する複数個の反射点の例を示す説明図である。
【
図10】マップの例及び第1閾値の例を示す説明図である。
【
図11】路上障害物に対応するピーク形状の例及び第2閾値の例を示す説明図である。
【
図12】走行障害物に対応するピーク形状の例及び第2閾値の例を示す説明図である。
【
図13】路上障害物に対応するピーク形状の例及び第3閾値の例を示す説明図である。
【
図14】走行障害物に対応するピーク形状の例及び第3閾値の例を示す説明図である。
【
図15】実施の形態2に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
【
図16】実施の形態2に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図17】実施の形態2に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図18】障害物に対応する複数個の反射点の配列方向が車両の移動方向に対して非平行である状態の例を示す説明図である。
【
図19】実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避システムの要部を示すブロック図である。
【
図20】実施の形態3に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。
【
図21】実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避装置の要部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図22】実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図23】実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図24】実施の形態3に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図25】実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避装置の動作を示すフローチャートである。
【
図27】実施の形態4に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
【
図28】実施の形態4に係る障害物検知装置における判別部の要部を示すブロック図である。
【
図29】実施の形態4に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図30】実施の形態4に係る障害物検知装置を含む駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図31】植込み障害物に対応するピーク形状の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この開示をより詳細に説明するために、この開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。
図3は、実施の形態1に係る障害物検知装置における判別部の要部を示すブロック図である。
図1~
図3を参照して、実施の形態1に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムについて説明する。
【0014】
図1に示す如く、車両1は、駐車支援システム2を有している。駐車支援システム2は、測距センサ3、第1センサ類4、第2センサ類5及び駐車支援装置6を含むものである。駐車支援装置6は、障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14及び駐車支援制御部21を含むものである。障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13及び判別部14により、障害物検知装置7の要部が構成されている。
【0015】
測距センサ3は、1個の測距センサ又は複数個の測距センサにより構成されている。個々の測距センサは、ToF方式の測距センサにより構成されている。具体的には、例えば、個々の測距センサは、超音波センサ、ミリ波レーダ又はレーザレーダにより構成されている。以下、測距センサ3が1個の測距センサにより構成されており、かつ、当該1個の測距センサが超音波センサにより構成されている場合の例を中心に説明する。
【0016】
測距センサ3は、車両1の左側部に設けられている。または、測距センサ3は、車両1の右側部に設けられている。または、測距センサ3は、車両1の左側部及び車両1の右側部の各々に設けられている。または、測距センサ3は、車両1の前端部に設けられている。または、測距センサ3は、車両1の後端部に設けられている。または、測距センサ3は、車両1の前端部及び車両1の後端部の各々に設けられている。
【0017】
以下、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態4において、測距センサ3が車両1の左側部又は車両1の右側部に設けられている場合の例を中心に説明する。より具体的には、測距センサ3が車両1の左側部に設けられている場合の例を中心に説明する。また、実施の形態3において、測距センサ3が車両1の前端部又は車両1の後端部に設けられている場合の例を中心に説明する。より具体的には、測距センサ3が車両1の前端部に設けられている場合の例を中心に説明する。
【0018】
第1センサ類4は、車両1の速度Vmの検出に用いられるものである。第1センサ類4は、1種類のセンサ又は複数種類のセンサを含むものである。具体的には、例えば、第1センサ類4は、車輪速センサ及びシフトポジションセンサを含むものである。
【0019】
第2センサ類5は、車両1の位置の検出に用いられるものである。ここで、車両1の位置は、車両1の向きを含むものである。第2センサ類5は、1種類のセンサ又は複数種類のセンサを含むものである。具体的には、例えば、第2センサ類5は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ヨーレートセンサ及びジャイロセンサを含むものである。
【0020】
障害物検知部11は、測距センサ3を用いて、移動中の車両1に対する周囲領域(例えば左方領域LA)における障害物Oを検知するものである。これにより、障害物検知部11は、障害物Oに関する情報(以下「障害物検知情報」ということがある。)を取得するものである。
【0021】
すなわち、
図2に示す如く、障害物検知部11は、速度判断部31、送信信号出力部32、受信信号取得部33、距離演算部34及び位置演算部35を含むものである。
【0022】
速度判断部31は、第1センサ類4を用いて、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動中であるか否かを判断するものである。所定速度Vthは、例えば、30キロメートル毎時に設定されている。
【0023】
送信信号出力部32は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動しているとき、所定の電気信号(以下「送信信号」という。)を所定の時間間隔にて測距センサ3に出力するものである。これにより、測距センサ3は、探査波を周囲領域(例えば左方領域LA)に所定の時間間隔にて送信する。
【0024】
測距センサ3により送信された探査波は、周囲領域(例えば左方領域LA)における障害物Oに照射される。当該照射された探査波は、障害物Oにより反射される。当該反射された探査波(以下「反射波」ということがある。)は、測距センサ3により受信される。測距センサ3は、当該受信された反射波に対応する電気信号(以下「受信信号」という。)を出力する。
【0025】
受信信号取得部33は、測距センサ3により出力された受信信号を取得するものである。距離演算部34は、受信信号取得部33により取得された受信信号を用いて、ToFによる距離値dを演算するものである。
【0026】
すなわち、距離演算部34は、測距センサ3が探査波を送信した時刻及び測距センサ3が対応する反射波を受信した時刻に基づき、かかる探査波の往復伝搬時間Tpを演算する。ここで、空気中の探査波の伝搬速度Vpを示す情報が予め用意されている。距離演算部34は、往復伝搬時間Tp及び伝搬速度Vpに基づき、以下の式(1)により距離値dを演算する。
【0027】
d=(Tp×Vp)/2 (1)
【0028】
このようにして、ToFによる距離値dが演算される。すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動しているとき、探査波が複数回送信される。これにより、複数個の距離値dが順次演算される。
【0029】
位置演算部35は、距離演算部34により演算された距離値dを取得するものである。位置演算部35は、当該取得された距離値dに対応する探査波が障害物Oにより反射された地点(以下「反射点」という。)RPの位置(以下「反射位置」という。)Prを演算するものである。具体的には、例えば、位置演算部35は、以下のようにして反射位置Prを演算する。
【0030】
すなわち、位置演算部35は、第2センサ類5を用いて、測距センサ3が探査波を送信した時刻又は測距センサ3が対応する反射波を受信した時刻(以下総称して「対象時刻」という。)における車両1の位置を検出する。ここで、車両1における測距センサ3の設置位置及び設置方向を示す情報が予め用意されている。位置演算部35は、かかる情報を用いて、当該検出された位置に基づき、個々の対象時刻における測距センサ3の位置(以下「センサ位置」という。)Psを演算するとともに、個々の対象時刻における測距センサ3の向き(以下「センサ向き」という。)Dsを演算する。
【0031】
次いで、位置演算部35は、個々のセンサ位置Ps、対応するセンサ向きDs及び対応する距離値dを用いて、以下のようなベクトルVを演算する。すなわち、個々のベクトルVは、対応するセンサ位置Psに対応する始点を有するものである。また、個々のベクトルVは、対応するセンサ向きDsに対応する向きを有するものである。また、個々のベクトルVは、対応する距離値dに対応する大きさを有するものである。
【0032】
位置演算部35は、個々のベクトルVの終点が反射点RPに対応するものであると擬制する。これにより、個々のベクトルVに対応する反射位置Prが演算される。
【0033】
このようにして、反射位置Prが演算される。換言すれば、反射点RPが検知される。すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vrにて走行しているとき、複数個の反射点RPに対応する複数個の反射位置Prが順次演算される。
【0034】
障害物検知部11は、個々の反射点RPに対応する反射位置Prを示す情報(以下「反射位置情報」という。)を生成する。また、障害物検知部11は、個々の反射点RPに対応する測距値Dを示す情報(以下「測距値情報」という。)を生成する。測距値Dには、例えば、距離演算部34により演算された距離値dが用いられる。障害物検知部11は、当該生成された反射位置情報及び当該生成された測距値情報を含む情報(すなわち障害物検知情報)をマップ生成部12に出力する。
【0035】
マップ生成部12は、障害物検知部11により出力された障害物検知情報を取得するものである。当該取得された障害物検知情報に含まれる測距値情報は、複数個の測距値Dを示すものである。マップ生成部12は、かかる複数個の測距値Dによる度数分布に対応するマップMを生成するものである。
【0036】
すなわち、マップ生成部12は、かかる複数個の測距値Dの各々が複数個の距離区間(以下「ビン」という。)のうちのいずれのビンに含まれるものであるかを判断する、マップ生成部12は、かかる判断の結果に基づき、個々のビンに含まれる測距値Dの個数をカウントする。これにより、度数分布に対応するマップMが生成される。
【0037】
ここで、測距センサ3が探査波を送信したとき、当該送信された探査波が路面に照射されることがある。当該照射された探査波は、路面により反射される。当該反射された探査波(すなわち反射波)は、測距センサ3により受信される。
【0038】
このため、受信信号取得部33により取得される受信信号は、障害物Oによる反射波に対応する成分に加えて、路面による反射波に対応する成分(すなわち路面ノイズ)を含み得るものである。また、距離演算部34により演算される距離値dは、障害物Oに対応する距離値dに加えて、路面ノイズに対応する距離値dを含み得るものである。また、位置演算部35により演算される反射位置Prは、障害物Oに対応する反射位置Prに加えて、路面ノイズに対応する反射位置Prを含み得るものである。
【0039】
これにより、マップ生成部12により生成されるマップMは、障害物Oに対応する度数群FGに加えて、路面ノイズに対応する度数群FGを含み得るものである。以下、マップMにおける複数個の度数群FGのうちの障害物Oに対応する度数群FGを「ピーク形状」ということがある。また、ピーク形状に「PS」の符号を用いることがある。
【0040】
ピーク形状抽出部13は、マップMにおけるピーク形状PSを抽出するものである。具体的には、例えば、ピーク形状抽出部13は、以下のようにしてピーク形状PSを抽出する。
【0041】
まず、ピーク形状抽出部13は、マップMに対するピーク分離処理を実行する。これにより、マップMにおける個々の度数群FGが抽出される。ここで、ピーク抽出処理には、公知の種々の技術を用いることができる。例えば、ピーク形状抽出部13は、マップMにおける度数Fが連続して所定値を超える範囲を1個の度数群FGとして抽出するものであっても良い。また、例えば、k近傍法等のクラスタリング手法がピーク分離処理に用いられるものであっても良い。
【0042】
次いで、ピーク形状抽出部13は、当該抽出された複数個の度数群FGのうちの所定の閾値(以下「第1閾値」という。)Fth1を超える度数Fを含む度数群FGを抽出する。これにより、ピーク形状PSが抽出される。
【0043】
図3に示す如く、判別部14は、高さ判別部41を含むものである。高さ判別部41は、ピーク形状抽出部13により抽出されたピーク形状PSに基づき、障害物Oの高さを判別するものである。具体的には、例えば、高さ判別部41は、以下のようにして、障害物Oの高さが2段階の高さのうちのいずれであるかを判別する。
【0044】
以下、車両1の移動により車両1のバンパに接触し得る程度に大きい高さを有する障害物を「走行障害物」という。換言すれば、走行障害物は、車両1のドアの開閉により車両1のドアに接触し得る程度に大きい高さを有するものである。走行障害物は、例えば、壁又は駐車中の他車両(以下「駐車車両」という。)を含むものである。また、車両1の移動により車両1のバンパに接触し得ない程度に小さい高さを有する障害物を「路上障害物」という。換言すれば、路上障害物は、車両1のドアの開閉により車両1のドアに接触し得ない程度に小さい高さを有するものである。路上障害物は、例えば、縁石又は段差を含むものである。
【0045】
高さ判別部41は、ピーク形状PSにおける複数個の度数Fのうちの最大値を所定の閾値(以下「第2閾値」という。)Fth2と比較する。換言すれば、高さ判別部41は、ピーク形状PSの高さを第2閾値Fth2と比較する。第2閾値Fth2は、第1閾値Fth1よりも大きい値に設定されている。
【0046】
ピーク形状PSの高さが第2閾値Fth2を超えている場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが走行障害物であると判別する。他方、ピーク形状PSの高さが第2閾値Fth2以下である場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが路上障害物であると判別する。
【0047】
このようにして、障害物検知装置7の要部が構成されている。
【0048】
障害物検知装置7は、障害物検知部11による検知結果を示す信号(すなわち障害物検知情報を示す信号)を障害物検知装置7外に出力する。また、障害物検知装置7は、判別部14による判別結果を示す信号(すなわち高さ判別部41による判別結果を示す信号)を障害物検知装置7外に出力する。以下、障害物検知装置7により出力される信号を総称して「結果信号」ということがある。
【0049】
駐車支援制御部21は、障害物検知装置7により出力された結果信号を取得するものである。駐車支援制御部21は、当該取得された結果信号を用いて、周囲領域(例えば左方領域LA)における車両1の駐車が可能なスペース(以下「駐車スペース」という。)を検知するものである。駐車スペースの検知には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0050】
駐車支援制御部21は、車両1を操作することにより、当該検知された駐車スペースに車両1を駐車させる制御を実行するものである。すなわち、駐車支援制御部21は、いわゆる「自動駐車」を実現するための制御を実行するものである。自動駐車を実現するための制御には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0051】
または、駐車支援制御部21は、出力装置(不図示)を用いて、当該検知された駐車スペースを車両1の運転者に通知する制御を実行するものである。出力装置は、例えば、ディスプレイ及びスピーカを含むものである。車両1の運転者は、かかる通知に応じて、いわゆる「手動駐車」により車両1を駐車スペースに駐車させる。かかる通知には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0052】
このようにして、駐車支援装置6の要部が構成されている。
【0053】
以下、障害物検知部11により実行される処理を総称して「障害物検知処理」ということがある。また、マップ生成部12により実行される処理を総称して「マップ生成処理」ということがある。また、ピーク形状抽出部13により実行される処理を総称して「ピーク形状抽出処理」ということがある。また、判別部14により実行される処理を総称して「判別処理」ということがある。また、駐車支援制御部21により実行される処理及び制御を総称して「駐車支援制御」ということがある。
【0054】
以下、障害物検知装置7により実行される処理を総称して「障害物検知処理等」ということがある。すなわち、かかる障害物検知処理等は、障害物検知処理、マップ生成処理、ピーク形状抽出処理及び判別処理を含むものである。
【0055】
以下、障害物検知部11が有する機能を総称して「障害物検知機能」ということがある。また、マップ生成部12が有する機能を総称して「マップ生成機能」ということがある。また、ピーク形状抽出部13が有する機能を総称して「ピーク形状抽出機能」ということがある。また、判別部14が有する機能を総称して「判別機能」ということがある。また、駐車支援制御部21が有する機能を総称して「駐車支援機能」ということがある。
【0056】
以下、障害物検知機能に「F1」の符号を用いることがある。また、マップ生成機能に「F2」の符号を用いることがある。また、ピーク形状抽出機能に「F3」の符号を用いることがある。また、判別機能に「F4」の符号を用いることがある。また、駐車支援機能に「F11」の符号を用いることがある。
【0057】
次に、
図4~
図6を参照して、駐車支援装置6の要部のハードウェア構成について説明する。
【0058】
図4に示す如く、駐車支援装置6は、プロセッサ51及びメモリ52を有している。メモリ52には、複数個の機能(障害物検知機能、マップ生成機能、ピーク形状抽出機能、判別機能及び駐車支援機能を含む。)F1~F4,F11に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、複数個の機能F1~F4,F11が実現される。
【0059】
または、
図5に示す如く、駐車支援装置6は、処理回路53を有している。処理回路53は、複数個の機能F1~F4,F11に対応する処理を実行する。これにより、複数個の機能F1~F4,F11が実現される。
【0060】
または、
図6に示す如く、駐車支援装置6は、プロセッサ51、メモリ52及び処理回路53を有している。メモリ52には、複数個の機能F1~F4,F11のうちの一部の機能に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、かかる一部の機能が実現される。また、処理回路53は、複数個の機能F1~F4,F11のうちの残余の機能に対応する処理を実行する。これにより、かかる残余の機能が実現される。
【0061】
プロセッサ51は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
【0062】
メモリ52は、1個以上の不揮発性メモリにより構成されている。または、メモリ52は、1個以上の不揮発性メモリ及び1個以上の揮発性メモリにより構成されている。すなわち、メモリ52は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、個々の揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いたものである。また、個々の不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを用いたものである。
【0063】
処理回路53は、1個以上のデジタル回路により構成されている。または、処理回路53は、1個以上のデジタル回路及び1個以上のアナログ回路により構成されている。すなわち、処理回路53は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
【0064】
ここで、プロセッサ51が複数個のプロセッサにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4,F11と複数個のプロセッサとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のプロセッサの各々は、複数個の機能F1~F4,F11のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを読み出して実行するものであっても良い。プロセッサ51は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。
【0065】
また、メモリ52が複数個のメモリにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4,F11と複数個のメモリとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のメモリの各々は、複数個の機能F1~F4,F11のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。メモリ52は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。
【0066】
また、処理回路53が複数個の処理回路により構成されているとき、複数個の機能F1~F4,F11と複数個の処理回路との対応関係は任意である。すなわち、複数個の処理回路の各々は、複数個の機能F1~F4,F11のうちの対応する1個以上の機能に対応する処理を実行するものであっても良い。処理回路53は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0067】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、障害物検知装置7の動作について説明する。すなわち、
図7に示す処理は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動しているときに実行される。
【0068】
まず、障害物検知部11が障害物検知処理を実行する(ステップST1)。次いで、マップ生成部12がマップ生成処理を実行する(ステップST2)。次いで、ピーク形状抽出部13がピーク形状抽出処理を実行する(ステップST3)。次いで、判別部14が判別処理を実行する(ステップST4)。
【0069】
次に、
図8に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置6の動作について説明する。
【0070】
まず、障害物検知装置7が障害物検知処理等を実行する(ステップST11)。これにより、
図7に示すステップST1~ST4の処理が実行される。次いで、駐車支援制御部21が駐車支援制御を実行する(ステップST21)。
【0071】
次に、
図9及び
図10を参照して、マップMの具体例及びピーク形状PSの具体例について説明する。また、ピーク形状抽出部13による抽出の具体例について説明する。
【0072】
図9に示す如く、左方領域LAに障害物Oが存在している。障害物Oは、例えば、壁又は縁石である。すなわち、障害物Oは、長尺状の形状を有している。これに対して、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動する。図中、Dmは、車両1の移動方向を示している。
【0073】
図中、X軸は、車両1の前後方向(すなわち車両1の移動方向Dm)に沿う仮想的な軸を示している。また、Y軸は、車両1の左右方向(すなわち車両1の移動方向Dmに対する直行方向)に沿う仮想的な軸を示している。
【0074】
車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動しているとき、位置演算部35により、障害物Oに対応する複数個の反射点RP_1が検知される。これに加えて、路面ノイズに対応する複数個の反射点RP_2,RP_3が検知されたものとする。なお、
図9においては、複数個の反射点RP_1のうちの1個の反射点RP_1にのみ「RP_1」の符号を付している。
【0075】
この場合、マップ生成部12により、
図10に示すマップMが生成される。
図10に示す如く、マップMは、障害物Oに対応する度数群FG_1を含むものである。すなわち、マップMは、複数個の反射点RP_1に対応する度数群FG_1を含むものである。度数群FG_1は、互いに隣接する3個のビンにそれぞれ属する3個の度数F_1を含むものである。
【0076】
また、マップMは、路面ノイズに対応する度数群FG_2を含むものである。すなわちマップMは、複数個の反射点RP_2,RP_3のうちの1個の反射点RP_2に対応する度数群FG_2を含むものである。度数群FG_2は、1個のビンに属する1個の度数F_2を含むものである。
【0077】
また、マップMは、路面ノイズに対応する度数群FG_3を含むものである。すなわち、マップMは、複数個の反射点RP_2,RP_3のうちの1個の反射点RP_3に対応する度数群FG_3を含むものである。度数群FG_3は、1個のビンに属する1個の度数F_3を含むものである。
【0078】
ピーク形状抽出部13は、マップMに対するピーク分離処理を実行する。これにより、マップMにおける個々の度数群FG_1,FG_2,FG_3が抽出される。
【0079】
次いで、ピーク形状抽出部13は、個々の度数群FG_1,FG_2,FG_3に第1閾値Fth1を超える度数Fが含まれるか否かを判断する。換言すれば、ピーク形状抽出部13は、マップMにおける個々の度数群FG_1,FG_2,FG_3の高さを第1閾値Fth1と比較する。
【0080】
図10に示す例において、度数群FG_1には、第1閾値Fth1を超える度数F_1が含まれている。他方、度数群FG_2には、第1閾値Fth1を超える度数F_2が含まれていない。また、度数群FG_3には、第1閾値Fth1を超える度数F_3が含まれていない。
【0081】
次いで、ピーク形状抽出部13は、3個の度数群FG_1,FG_2,FG_3のうちの第1閾値Fth1を超える度数F_1を含む度数群FG_1を抽出する。これにより、ピーク形状PSが抽出される。
【0082】
通常、路面による反射波が測距センサ3により受信される頻度は、障害物Oによる反射波が測距センサ3により受信される頻度に比して低い。したがって、障害物Oに対応する測距値Dと路面ノイズに対応する測距値Dとの差分値が十分に大きい場合(すなわち障害物Oに対応する度数群FGと路面ノイズに対応する度数群FGとが分離可能である場合)、障害物Oに対応する度数群FGの高さは、路面ノイズに対応する度数群FGの高さに比して大きくなる。換言すれば、路面ノイズに対応する度数群FGの高さは、障害物Oに対応する度数群FGの高さに比して小さくなる。
【0083】
このため、第1閾値Fth1以上の高さを有する度数群FGを抽出することにより、障害物Oに対応する度数群FGを抽出することができる。すなわち、ピーク形状PSを抽出することができる。換言すれば、第1閾値Fth1は、障害物Oに対応する度数群FGと路面ノイズに対応する度数群FGとを識別可能な値に設定されている。
【0084】
これにより、路面ノイズに対応する度数群FGを判別処理の対象から除外することができる。この結果、路面ノイズにより判別部14による判別精度が低下するのを回避することができる。特に、高さ判別部41による障害物Oの高さの判別精度が低下するのを回避することができる。
【0085】
次に、
図11及び
図12を参照して、高さ判別部41による高さの判別方法の具体例について説明する。
【0086】
通常、車両1における測距センサ3の設置高さは、路面に対する数十センチメートル程度の高さに設定されている。このため、小さい高さを有する障害物O(例えば縁石)については、測距センサ3が探査波を送信したとき、当該送信された探査波が照射されないことがある。この結果、小さい高さを有する障害物Oについては、測距センサ3により反射波が受信されないことがある。したがって、路上障害物に対応するピーク形状PSの高さ(すなわち路上障害物に対応するピーク形状PSにおける度数Fの最大値)は、走行障害物に対応するピーク形状PSの高さ(すなわち走行障害物に対応するピーク形状PSにおける度数Fの最大値)に比して小さくなる。
【0087】
そこで、高さ判別部41は、上記のとおり、ピーク形状PSの高さを第2閾値Fth2と比較することにより、対応する障害物Oが走行障害物であるか路上障害物であるかを判別するのである。
【0088】
例えば、
図11に示す例においては、ピーク形状PSの高さが第2閾値Fth2以下である。この場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが路上障害物であると判別する。他方、
図12に示す例においては、ピーク形状PSの高さが第2閾値Fth2を超えている。この場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが走行障害物であると判別する。
【0089】
次に、
図13及び
図14を参照して、高さ判別部41による高さの判別方法の変形例について説明する。
【0090】
障害物Oが走行障害物である場合は、障害物Oが路上障害物である場合に比して、障害物Oにおける探査波を反射する部位の面積が大きい。このため、障害物Oが走行障害物である場合は、障害物Oが路上障害物である場合に比して、対応する探査波の往復伝搬経路(以下「パス」という。)の総数が多く、パス間の経路長の差も大きい。
【0091】
したがって、障害物Oが走行障害物である場合は、障害物Oが路上障害物である場合に比して、対応する複数個の測距値Dにおけるばらつきが大きくなる。このため、対応するピーク形状PSの幅Wも大きくなる。
【0092】
そこで、高さ判別部41は、ピーク形状PSの幅Wを所定の閾値(以下「幅閾値」という。)Wthと比較することにより、対応する障害物Oが走行障害物であるか路面障害物であるかを判別するものであっても良い。すなわち、ピーク形状PSの幅Wが幅閾値Wthを超えている場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが走行障害物であると判別する。他方、ピーク形状PSの幅Wが幅閾値Wth以下である場合、高さ判別部41は、対応する障害物Oが路上障害物であると判別する。
【0093】
このとき、高さ判別部41は、以下のようにしてピーク形状PSの幅Wを算出するものであっても良い。
【0094】
すなわち、高さ判別部41は、ピーク形状PSにおける所定の閾値(以下「第3閾値」という。)Fth3を超える度数Fを有するビンを抽出する。高さ判別部41は、当該抽出されたビンの個数nに基づき幅Wを算出する。換言すれば、高さ判別部41は、当該抽出されたビンの個数nに対応する値を幅Wに用いる。
【0095】
例えば、
図13に示す例において、ピーク形状PSは、3個のビンにそれぞれ属する3個の度数Fを含むものである。そして、当該3個の度数Fのうちの1個の度数Fが第3閾値Fth3を超えている。この場合、高さ判別部41は、n=1であることに基づき、W=1であると算出する。ここで、Wth=2に設定されている場合、幅Wが幅閾値Wth以下である。これにより、高さ判別部41は、対応する障害物Oが路上障害物であると判別する。
【0096】
また、例えば、
図14に示す例において、ピーク形状PSは、5個のビンにそれぞれ属する5個の度数Fを含むものである。そして、当該5個の度数Fのうちの3個の度数Fが第3閾値Fth3を超えている。この場合、高さ判別部41は、n=3であることに基づき、W=3であると算出する。ここで、Wth=2に設定されている場合、幅Wが幅閾値Wthよりも大きい。これにより、高さ判別部41は、対応する障害物Oが路上障害物であると判別する。
【0097】
なお、幅Wの算出方法は、かかる算出方法に限定されるものではない。幅Wの算出には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0098】
次に、ピーク形状抽出部13の変形例について説明する。
【0099】
ピーク形状抽出部13は、以下のようにして第1閾値Fth1を設定するものであっても良い。ピーク形状抽出部13は、所定の第1閾値Fth1を用いるのに代えて、当該設定された第1閾値Fth1を用いるものであっても良い。
【0100】
上記のとおり、障害物検知情報に含まれる測距値情報は、複数個の測距値Dを示すものである。ピーク形状抽出部13は、かかる複数個の測距値Dに対応する探査波の送信回数(すなわち個数)Nを示す情報を障害物検知部11から取得する。以下、かかる情報を「波数情報」という。
【0101】
ピーク形状抽出部13は、当該取得された波数情報が示す送信回数Nに所定の割合(以下「第1割合」という。)R1を乗ずることにより第1閾値Fth1を設定する。換言すれば、ピーク形状抽出部13は、送信回数Nに第1割合R1を乗じてなる値を第1閾値Fth1に用いる。
【0102】
送信回数Nは、車両1の速度Vm及び障害物Oの長さなどに応じて異なり得るものである。これにより、マップMの生成に用いられる測距値Dの総数も、車両1の速度Vm及び障害物Oの長さなどに応じて異なり得るものである。このため、マップMにおける個々の度数群FGの高さも、車両1の速度Vm及び障害物Oの長さなどに応じて異なり得るものである。
【0103】
これに対して、送信回数Nに応じた第1閾値Fth1を設定することにより、車両1の速度Vm及び障害物Oの長さなどにかかわらず、第1閾値Fth1を適切な値に設定することができる。この結果、ピーク形状PSを正確に抽出することができる。
【0104】
次に、高さ判別部41の変形例について説明する。
【0105】
高さ判別部41は、以下のようにして第2閾値Fth2を設定するものであっても良い。高さ判別部41は、所定の第2閾値Fth2を用いるのに代えて、当該設定された第2閾値Fth2を用いるものであっても良い。
【0106】
すなわち、高さ判別部41は、波数情報を障害物検知部11から取得する。高さ判別部41は、当該取得された波数情報が示す送信回数Nに所定の割合(以下「第2割合」という。)R2を乗ずることにより第2閾値Fth2を設定する。換言すれば、高さ判別部41は、送信回数Nに第2割合R2を乗じてなる値を第2閾値Fth2に用いる。
【0107】
送信回数Nに応じた第2閾値Fth2を設定することにより、車両1の速度Vm及び障害物Oの長さなどにかかわらず、第2閾値Fth2を適切な値に設定することができる。この結果、障害物Oが走行障害物であるか路面障害物であるかを正確に判別することができる。
【0108】
次に、高さ判別部41の他の変形例について説明する。
【0109】
高さ判別部41は、以下のようにして第3閾値Fth3を設定するものであっても良い。高さ判別部41は、所定の第3閾値Fth3を用いるのに代えて、当該設定された第3閾値Fth3を用いるものであっても良い。
【0110】
すなわち、高さ判別部41は、ピーク形状PSにおける最大の度数Fを有するビンを抽出する。高さ判別部41は、当該抽出されたビンにおける度数Fに所定の割合(以下「第3割合」という。)R3を乗することにより第3閾値Fth3を設定する。
【0111】
例えば、第3割合R3が0.1に設定されているものとする。この場合において、ピーク形状PSにおける度数Fの最大値が10であるとき、高さ判別部41は、第3閾値Fth3を1に設定する(10×0.1=1)。また、この場合において、ピーク形状PSにおける度数Fの最大値が20であるとき、高さ判別部41は、第3閾値Fth3を2に設定する(20×0.1=2)。
【0112】
ピーク形状PSにおける度数Fの合計値は、路面の状態(例えば水たまりの有無)及び障害物Oの形状(例えば壁の傾き)などに応じて異なり得るものである。
【0113】
これに対して、ピーク形状PSにおける度数Fの最大値に応じた第3閾値Fth3を設定することにより、路面の状態及び障害物Oの形状などにかかわらず、第3閾値Fth3を適切な値に設定することができる。この結果、障害物Oが走行障害物であるか路面障害物であるかを正確に判別することができる。
【0114】
以上のように、実施の形態1に係る障害物検知装置7は、車両1に設けられた測距センサ3を用いて移動中の車両1に対する周囲領域における障害物Oを検知することにより、障害物Oに対応する情報(障害物検知情報)を取得する障害物検知部11と、情報(障害物検知情報)に含まれる複数個の測距値Dによる度数分布に対応するマップMを生成するマップ生成部12と、マップMにおける複数個の度数群FGのうちの第1閾値Fth1を超える度数Fを含む度数群FGを抽出することにより、マップMにおけるピーク形状PSを抽出するピーク形状抽出部13と、ピーク形状PSに基づき障害物Oの高さを判別する判別部14と、を備える。これにより、路面ノイズに対応する度数群FGが判別処理に用いられるのを回避することができる。この結果、路面ノイズによる障害物Oの高さの判別精度の低下を抑制することができる。したがって、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。
【0115】
また、判別部14は、ピーク形状PSの高さを第1閾値Fth1よりも大きい第2閾値Fth2と比較することにより、障害物Oが走行障害物であるか路上障害物であるかを判別する。これにより、障害物Oが走行障害物であるか路上障害物であるかを精度良く判別することができる。
【0116】
また、判別部14は、ピーク形状PSの幅Wを幅閾値Wthと比較することにより、障害物Oが走行障害物であるか路上障害物であるかを判別する。これにより、障害物Oが走行障害物であるか路上障害物であるかを精度良く判別することができる。
【0117】
また、ピーク形状抽出部13は、複数個の測距値Dに対応する探査波の送信回数Nに第1割合R1を乗ずることにより第1閾値Fth1を設定する。これにより、第1閾値Fth1を適切な値に設定することができる。この結果、ピーク形状PSを正確に抽出することができる。
【0118】
また、判別部14は、複数個の測距値Dに対応する探査波の送信回数Nに第2割合R2を乗ずることにより第2閾値Fth2を設定する。これにより、第2閾値Fth2を適切な値に設定することができる。この結果、障害物Oの高さを正確に判別することができる。
【0119】
また、判別部14は、ピーク形状PSにおける第3閾値Fth3を超える度数Fを有するビンを抽出して、当該抽出されたビンの個数nに基づきピーク形状PSの幅Wを算出する。これにより、ピーク形状PSの幅Wを算出することができる。
【0120】
また、判別部14は、ピーク形状PSにおける最大の度数Fを有するビンを抽出して、当該抽出されたビンにおける度数Fに第3割合R3を乗ずることにより第3閾値Fth3を設定する。これにより、第3閾値Fth3を適切な値に設定することができる。この結果、障害物Oの高さを正確に判別することができる。
【0121】
また、実施の形態1に係る駐車支援装置6は、障害物検知装置7と、障害物検知部11による検知結果及び判別部14による判別結果に基づく駐車支援制御を実行する駐車支援制御部21と、を備える。上記のとおり、障害物検知装置7は、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。かかる判別の結果を用いることにより、駐車スペースを精度良く検知することができる。
【0122】
また、実施の形態1に係る障害物検知方法は、障害物検知部11が、車両1に設けられた測距センサ3を用いて移動中の車両1に対する周囲領域における障害物Oを検知することにより、障害物Oに対応する情報(障害物検知情報)を取得するステップST1と、マップ生成部12が、情報(障害物検知情報)に含まれる複数個の測距値Dによる度数分布に対応するマップMを生成するステップST2と、ピーク形状抽出部13が、マップMにおける複数個の度数群FGのうちの第1閾値Fth1を超える度数Fを含む度数群FGを抽出することにより、マップMにおけるピーク形状PSを抽出するステップST3と、判別部14が、ピーク形状PSに基づき障害物Oの高さを判別するステップST4と、を備える。これにより、路面ノイズに対応する度数群FGが判別処理に用いられるのを回避することができる。この結果、路面ノイズによる障害物Oの高さの判別精度の低下を抑制することができる。したがって、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。
【0123】
実施の形態2.
図15は、実施の形態2に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
図15を参照して、実施の形態2に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムについて説明する。なお、
図15において、
図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
【0124】
図15に示す如く、駐車支援システム2aは、測距センサ3、第1センサ類4、第2センサ類5及び駐車支援装置6aを含むものである。駐車支援装置6aは、障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14、補正部15及び駐車支援制御部21を含むものである。障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14及び補正部15により、障害物検知装置7aの要部が構成されている。
【0125】
実施の形態1にて説明したとおり、障害物検知情報に含まれる測距値情報は、複数個の測距値Dを含むものである。かかる複数個の測距値Dは、複数個の反射点RPに対応するものである。補正部15は、かかる複数個の反射点RPの配列方向Daが車両1の移動方向Dmに対して非平行である場合、配列方向Daが移動方向Dmに対して平行又は略平行になるように、かかる複数個の測距値Dを補正するものである。以下、平行又は略平行を総称して単に「平行」という。
【0126】
マップ生成部12は、補正部15による補正後の測距値D’をマップMの生成に用いるようになっている。
【0127】
すなわち、通常、車両1から見て駐車スペースに対する奥側に長尺状の障害物O(例えば壁又は縁石)が存在するとき、車両1は、障害物Oの長手方向に沿う方向に移動する。これにより、障害物Oに対応する複数個の反射点RPは、車両1の移動方向Dmに対して平行な方向に配列される(例えば、
図9参照。)
【0128】
しかしながら、このとき、車両1の進路によっては、車両1が障害物Oの長手方向に対する斜めの方向に移動することもあり得る(例えば、後述する
図18参照。)。これにより、車両1が所定速度Vth以下の速度Vmにて移動しているとき、障害物Oに対応する測距値Dが時間的に変動する。換言すれば、障害物Oに対応する複数個の測距値Dが互いに異なる値となる。この結果、障害物Oに対応する度数群FGに歪みが生ずる。すなわち、ピーク形状PSに歪みが生ずる。
【0129】
これに対して、補正部15による補正後の測距値D’をマップMの生成に用いることにより、かかる歪みの発生を抑制することができる。
【0130】
このようにして、障害物検知装置7aの要部が構成されている。
【0131】
以下、補正部15により実行される処理を総称して「補正処理」ということがある。また、補正部15が有する機能を総称して「補正機能」ということがある。また、かかる補正機能に「F5」の符号を用いることがある。
【0132】
以下、障害物検知装置7aにより実行される処理を総称して「障害物検知処理等」ということがある。すなわち、かかる障害物検知処理等は、障害物検知処理、補正処理、マップ生成処理、ピーク形状抽出処理及び判別処理を含むものである。
【0133】
駐車支援装置6aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて
図4~
図6を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0134】
すなわち、駐車支援装置6aは、複数個の機能(障害物検知機能、補正機能、マップ生成機能、ピーク形状抽出機能、判別機能及び駐車支援機能を含む。)F1~F5,F11を有している。複数個の機能F1~F5,F11の各々は、プロセッサ51及びメモリ52により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路53により実現されるものであっても良い。
【0135】
ここで、プロセッサ51は、複数個の機能F1~F5,F11の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ52は、複数個の機能F1~F5,F11の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路53は、複数個の機能F1~F5,F11の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0136】
次に、
図16に示すフローチャートを参照して、障害物検知装置7aの動作について説明する。なお、
図16において、
図7に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0137】
まず、ステップST1の処理が実行される。次いで、補正部15が補正処理を実行する(ステップST5)。次いで、ステップST2~ST4の処理が実行される。ただし、ステップST2において、マップ生成部12は、補正部15による補正後の測距値D’を用いる。
【0138】
次に、
図17に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置6aの動作について説明する。なお、
図17において、
図8に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0139】
まず、障害物検知装置7aが障害物検知処理等を実行する(ステップST11a)。これにより、
図16に示すステップST1,ST5,ST2~ST4の処理が実行される。次いで、ステップST21の処理が実行される。
【0140】
次に、
図18を参照して、補正部15による測距値Dの補正方法の具体例について説明する。
【0141】
まず、補正部15は、X軸に対して平行な直線SL_refを設定する。すなわち、補正部15は、車両1の移動方向Dmに対して平行な直線SL_refを設定する。また、補正部15は、配列方向Daに沿う直線SLを検出する。次いで、補正部15は、直線SL_refに対する直線SLの角度θを算出する。
【0142】
次いで、補正部15は、当該算出された角度θに応じた回転角度(-θ)にて直線SLが回転することにより直線SLが直線SL_refに対して平行になるように、個々の反射点RPに対応する測距値Dを増加又は減少させる。このとき、かかる回転の中心点は任意である。これにより、配列方向Daが移動方向Dmに対して平行になるように、個々の反射点RPに対応する測距値Dが補正される。
【0143】
なお、直線SLの設定には、公知の種々の技術を用いることができる。例えば、補正部15は、Hough変換を用いた直線検出を実行することにより直線SLを検出するものであっても良い。または、例えば、補正部15は、RANSAC(Random Sample Consensus)アルゴリズムを用いた直線検出を実行することに直線SLを検出するものであっても良い。これにより、路面ノイズに対応する反射点RP_2,RP_3が存在する場合であっても、直線SLを精度良く検出することができる。
【0144】
なお、障害物検知装置7aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。
【0145】
以上のように、実施の形態2に係る障害物検知装置7aは、複数個の測距値Dに対応する複数個の反射点RPの配列方向Daが車両1の移動方向Dmに対して平行になるように複数個の測距値Dを補正する補正部15を備える。これにより、障害物検知部11が左方領域LA又は右方領域における障害物Oを検知するものである場合において、配列方向Daが移動方向Dmに対して非平行であるとき、ピーク形状PSに歪みが生ずるのを抑制することができる。
【0146】
実施の形態3.
図19は、実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避システムの要部を示すブロック図である。
図20は、実施の形態3に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。
図19及び
図20を参照して、実施の形態3に係る障害物検知装置を含む衝突回避システムについて説明する。
【0147】
なお、
図19において、
図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、
図20において、
図2に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
【0148】
図19に示す如く、車両1は、衝突回避システム8を有している。衝突回避システム8は、測距センサ3、第2センサ類5及び衝突回避装置9を含むものである。衝突回避装置9は、障害物検知部11a、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14、補正部15a及び衝突回避制御部61を含むものである。障害物検知部11a、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14及び補正部15aにより、障害物検知装置7bの要部が構成されている。
図20に示す如く、障害物検知部11aは、送信信号出力部32、受信信号取得部33、距離演算部34及び位置演算部35を含むものである。
【0149】
衝突回避システム8において、測距センサ3は、車両1の前端部又は車両1の後端部に設けられている。以下、実施の形態3において、測距センサ3が車両1の前端部に設けられている場合の例を中心に説明する。
【0150】
衝突回避システム8において、障害物検知部11aは、車両1が移動しているとき、周囲領域(例えば前方領域FA)における障害物Oを検知するものである。すなわち、衝突回避システム8において、障害物検知処理は、車両1が移動しているとき、速度Vmによらずに実行され得るものである。
【0151】
これにより、障害物Oに対応する複数個の反射点RPが検知される。このとき、車両1が移動していることにより、かかる複数個の反射点RPに対応する複数個の測距値Dは、互いに異なる値となる。換言すれば、車両1が移動していることにより、障害物Oに対応する測距値Dが時間的に変動する。これにより、マップMが正確に生成されない問題が生ずる。
【0152】
そこで、障害物検知装置7bにおいては、補正部15aが設けられている。補正部15aは、車両1の移動量ΔDに応じた補正量にて個々の測距値Dを補正するものである。具体的には、例えば、補正部15aは、以下のようにして個々の測距値Dを補正する。
【0153】
すなわち、補正部15aは、測距値情報が示す複数個の測距値Dのうちの1個目の測距値Dに対応する探査波が送信された時刻における車両1の位置(以下「第1車両位置」ということがある。)を示す情報を障害物検知部11aから取得する。また、補正部15aは、かかる複数個の測距値Dのうちの2個目以降の個々の測距値Dに対応する探査波が送信された時刻における車両1の位置(以下「第2車両位置」ということがある。)を示す情報を障害物検知部11aから取得する。
【0154】
補正部15aは、かかる2個目以降の個々の測距値Dについて、第1車両位置から対応する第2車両位置までの距離を演算することにより、移動量ΔDを演算する。補正部15aは、かかる2個目以降の個々の測距値Dに対応する移動量ΔDを加算することにより、補正後の測距値D”を演算する。
【0155】
マップ生成部12は、補正部15aによる補正後の測距値D”をマップMの生成に用いるようになっている。これにより、マップMを正確に生成することができる。
【0156】
このようにして、障害物検知装置7bの要部が構成されている。
【0157】
障害物検知装置7bは、障害物検知部11aによる検知結果を示す信号(すなわち障害物検知情報を示す信号)を障害物検知装置7b外に出力する。また、障害物検知装置7bは、判別部14による判別結果を示す信号(すなわち高さ判別部41による判別結果を示す信号)を障害物検知装置7b外に出力する。すなわち、障害物検知装置7bは、結果信号を障害物検知装置7b外に出力する。
【0158】
衝突回避制御部61は、障害物検知装置7bにより出力された結果信号を取得するものである。衝突回避制御部61は、当該取得された結果信号を用いて、車両1が障害物Oに衝突する確率を演算するものである。かかる確率の演算には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの処理についての詳細な説明は省略する。
【0159】
衝突回避制御部61は、当該演算された確率が高い場合、車両1を停止させる制御を実行するものである。すなわち、衝突回避制御部61は、いわゆる「自動ブレーキ」又は「衝突被害軽減ブレーキ」を実現するための制御を実行するものである。かかる制御には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0160】
このようにして、衝突回避装置9の要部が構成されている。
【0161】
以下、障害物検知部11aにより実行される処理を総称して「障害物検知処理」ということがある。また、障害物検知部11aが有する機能を総称して「障害物検知機能」ということがある。また、かかる障害物検知機能に「F1a」の符号を用いることがある。
【0162】
以下、補正部15aにより実行される処理を総称して「補正処理」ということがある。また、補正部15aが有する機能を総称して「補正機能」ということがある。また、かかる補正機能に「F5a」の符号を用いることがある。
【0163】
以下、障害物検知装置7bにより実行される処理を総称して「障害物検知処理等」ということがある。すなわち、かかる障害物検知処理等は、障害物検知処理、補正処理、マップ生成処理、ピーク形状抽出処理及び判別処理を含むものである。
【0164】
以下、衝突回避制御部61により実行される処理及び制御を総称して「衝突回避制御」ということがある。また、衝突回避制御部61が有する機能を総称して「衝突回避機能」ということがある。また、かかる衝突回避機能に「F21」の符号を用いることがある。
【0165】
衝突回避装置9の要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて
図4~
図6を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0166】
すなわち、衝突回避装置9は、複数個の機能(障害物検知機能、補正機能、マップ生成機能、ピーク形状抽出機能、判別機能及び衝突回避機能を含む。)F1a,F2~F4,F5a,F21を有している。複数個の機能F1a,F2~F4,F5a,F21の各々は、プロセッサ71及びメモリ72により実現されるものであっても良く、又は処理回路73により実現されるものであっても良い(
図21、
図22又は
図23参照)。
【0167】
ここで、プロセッサ71は、複数個の機能F1a,F2~F4,F5a,F21の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ72は、複数個の機能F1a,F2~F4,F5a,F21の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路73は、複数個の機能F1a,F2~F4,F5a,F21の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0168】
次に、
図24に示すフローチャートを参照して、障害物検知装置7bの動作について説明する。なお、
図24において、
図7に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0169】
まず、障害物検知部11aが障害物検知処理を実行する(ステップST1a)。次いで、補正部15aが補正処理を実行する(ステップST5a)。次いで、ステップST2~ST4の処理が実行される。ただし、ステップST2において、マップ生成部12は、補正部15aによる補正後の測距値D”を用いる。
【0170】
次に、
図25に示すフローチャートを参照して、衝突回避装置9の動作について説明する。
【0171】
まず、障害物検知装置7bが障害物検知処理等を実行する(ステップST11b)。これにより、
図24に示すステップST1a,ST5a,ST2~ST4の処理が実行される。次いで、衝突回避制御部61が衝突回避制御を実行する(ステップST31)。
【0172】
次に、
図26を参照して、補正部15aによる補正の具体例について説明する。
【0173】
図26に示す如く、障害物Oに対応する3個の反射点RP_1,RP_2,RP_3が検知されたものとする。また、3個の反射点RP_1,RP_2,RP_3にそれぞれ対応する3個の測距値D_1,D_2,D_3が測距値情報に含まれるものとする。
【0174】
図中、P_1は、第1の反射点RP_1に対応する探査波が送信された時刻における車両1の位置を示している。また、P_2は、第2の反射点RP_2に対応する探査波が送信された時刻における車両1の位置を示している。また、P_3は、第3の反射点RP_3に対応する探査波が送信された時刻における車両1の位置を示している。
【0175】
ここで、
図26に示す如く、位置P_1から位置P_2までの距離(すなわち第2の測距値D_2に対応する移動量ΔD_2)について、以下の式(2)が成立する。また、
図26に示す如く、位置P_1から位置P_3までの距離(すなわち第3の測距値D_3に対応する移動量ΔD_3)について、以下の式(3)が成立する。
【0176】
D_1≒D_2+ΔD_2 (2)
D_1≒D_3+ΔD_3 (3)
【0177】
そこで、補正部15aは、第2の測距値D_2に対応する移動量ΔD_2を加算することにより、補正後の測距値D”_2を演算する(D”_2=D_2+ΔD_2)。これにより、補正後の測距値D”_2は、第1の測距値D_1と同等の値となる(D”_2≒D_1)。また、補正部15aは、第3の測距値D_3に対応する移動量ΔD_3を加算することにより、補正後の測距値D”_3を演算する(D”_3=D_3+ΔD_3)。これにより、補正後の測距値D”_3は、第1の測距値D_1と同等の値となる(D”_3≒D_1)。
【0178】
マップ生成部12は、これらの測距値D_1,D”_2,D”_3を用いてマップMを生成する。
【0179】
なお、障害物検知装置7bは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。
【0180】
以上のように、実施の形態3に係る障害物検知装置7bは、車両1の移動量ΔDに応じて複数個の測距値Dを補正する補正部15aを備える。これにより、障害物検知部11aが前方領域FA又は後方領域における障害物Oを検知するものであるとき、マップ生成部12が正確にマップMを生成することができる。
【0181】
また、実施の形態3に係る衝突回避装置9は、障害物検知装置7bと、障害物検知部11aによる検知結果及び判別部14による判別結果に基づく衝突回避制御を実行する衝突回避制御部61と、を備える。実施の形態1にて説明したとおり、障害物検知装置7bは、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。かかる判別の結果を用いることにより、車両1が障害物Oに衝突する確率を正確に演算することができる。
【0182】
実施の形態4.
図27は、実施の形態4に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムの要部を示すブロック図である。
図28は、実施の形態4に係る障害物検知装置における判別部の要部を示すブロック図である。
図27及び
図28を参照して、実施の形態4に係る障害物検知装置を含む駐車支援システムについて説明する。
【0183】
なお、
図27において、
図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、
図28において、
図3に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
【0184】
図27に示す如く、駐車支援システム2bは、測距センサ3、第1センサ類4、第2センサ類5及び駐車支援装置6bを含むものである。駐車支援装置6bは、障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13、判別部14a及び駐車支援制御部21を含むものである。障害物検知部11、マップ生成部12、ピーク形状抽出部13及び判別部14aにより、障害物検知装置7cの要部が構成されている。
図28に示す如く、判別部14aは、高さ判別部41及び植込み判別部42を含むものである。
【0185】
通常、植込み、生垣又は花壇などにおいては、ある程度の密度にて植物が植えられている。以下、植込み、生垣又は花壇などを総称して「植込み等」という。また、走行障害物のうちの植込み等を「植込み障害物」という。
【0186】
植込み判別部42は、高さ判別部41により障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、障害物Oが植込み障害物であるか否かを判別するものである。具体的には、例えば、植込み判別部42は、以下のようにして障害物Oが植込み障害物であるか否かを判別する。
【0187】
すなわち、植込み判別部42は、ピーク形状PSにおける最大の度数Fを有するビンを抽出する。植込み判別部42は、ピーク形状PSの中心部に対する当該抽出されたビンの位置の偏位量αを演算する。植込み判別部42は、当該演算された偏位量αに基づき、障害物Oが植込み障害物であるか否かを判別する。
【0188】
このようにして、障害物検知装置7cの要部が構成されている。
【0189】
障害物検知装置7cは、障害物検知部11による検知結果を示す信号(すなわち障害物検知情報を示す信号)を障害物検知装置7c外に出力する。また、障害物検知装置7cは、判別部14aによる判別結果を示す信号(すなわち高さ判別部41による判別結果及び植込み判別部42による判別結果を示す信号)を障害物検知装置7c外に出力する。
【0190】
すなわち、障害物検知装置7cは、結果信号を出力する。当該出力された結果信号は、駐車支援制御部21による駐車支援制御に用いられる。
【0191】
以下、判別部14aにより実行される処理を総称して「判別処理」ということがある。また、判別部14aが有する機能を総称して「判別機能」ということがある。また、かかる判別機能に「F4a」の符号を用いることがある。
【0192】
以下、障害物検知装置7cにより実行される処理を総称して「障害物検知処理等」ということがある。すなわち、かかる障害物検知処理等は、障害物検知処理、マップ生成処理、ピーク形状抽出処理及び判別処理を含むものである。
【0193】
駐車支援装置6bの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて
図4~
図6を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0194】
すなわち、駐車支援装置6bは、複数個の機能(障害物検知機能、マップ生成機能、ピーク形状抽出機能、判別機能及び駐車支援機能を含む。)F1~F3,F4a,F11を有している。複数個の機能F1~F3,F4a,F11の各々は、プロセッサ51及びメモリ52により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路53により実現されるものであっても良い。
【0195】
ここで、プロセッサ51は、複数個の機能F1~F3,F4a,F11の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ52は、複数個の機能F1~F3,F4a,F11の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。処理回路53は、複数個の機能F1~F3,F4a,F11の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0196】
次に、
図29に示すフローチャートを参照して、障害物検知装置7cの動作について説明する。なお、
図29において、
図7に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0197】
まず、ステップST1~ST3の処理が実行される。次いで、判別部14aが判別処理を実行する(ステップST4a)。
【0198】
次に、
図30に示すフローチャートを参照して、駐車支援装置6bの動作について説明する。なお、
図30において、
図8に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0199】
まず、障害物検知装置7cが障害物検知処理等を実行する(ステップST11c)。これにより、
図29に示すステップST1~ST3,ST4aの処理が実行される。次いで、ステップST21の処理が実行される。
【0200】
次に、
図31を参照して、植込み判別部42による判別方法の具体例について説明する。
【0201】
通常、植込み等の表面形状は、壁の表面形状に比して複雑であり、かつ、縁石の表面形状に比して複雑である。このため、障害物Oが植込み等である場合は、障害物Oが壁又は縁石である場合に比して、対応する複数個の測距値Dにおけるばらつきが大きくなる。特に、植込み等における植物の密度が一様である場合、探査波が植込み等の内部を一定距離進んだ後に反射される確率は、当該反射される位置によらずに概ね一定となる。
【0202】
このため、障害物Oが植込み等である場合におけるピーク形状PSは、二項分布に従うものとなる。これにより、かかるピーク形状PSは、左右非対称な形状を有するものとなる。
図31は、かかるピーク形状PSの例を示している。なお、
図31においては、ピーク形状PSにおける複数個の度数Fのうちの1個の度数Fにのみ「F」の符号を付している。
【0203】
植込み判別部42は、ピーク形状PSの全体の幅W_Aを演算する。植込み判別部42は、ピーク形状PSにおける最大の度数Fを有するビンを抽出する。植込み判別部42は、ピーク形状PSにおける当該抽出されたビンに対する左側の部位の幅W_Lを演算する。また、植込み判別部42は、ピーク形状PSにおける当該抽出されたビンに対する右側の部位の幅W_Rを演算する。
【0204】
植込み判別部42は、幅W_Aに対する幅W_Lの比R_Lを演算する(R_L=W_L/W_A)。また、植込み判別部42は、幅W_Aに対する幅W_Rの比R_Rを演算する(R_R=W_R/W_A)。これらの比R_L,R_Rは、偏位量αに対応するものである。
【0205】
比R_Lが所定の閾値Rth以下である場合、又は比R_Rが閾値Rth以下である場合、植込み判別部42は、障害物Oが植込み障害物であると判別する。他方、比R_Lが閾値Rthよりも大きく、かつ、比R_Rが閾値Rthよりも大きい場合、植込み判別部42は、障害物Oが植込み障害物でないと判別する。なお、閾値Rthは、0よりも大きい値に設定されており、かつ、1よりも小さい値に設定されている。
【0206】
なお、障害物検知装置7cは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。また、障害物検知装置7cは、実施の形態2に係る障害物検知装置7aにおける補正部15と同様の補正部を有するものであっても良い。
【0207】
以上のように、実施の形態4に係る障害物検知装置7cにおいて、判別部14aは、ピーク形状PSの中心部に対するピーク形状PSにおける最大の度数Fを有するビンの位置の偏位量αに基づき、障害物Oが植込み障害物であるか否かを判別する。これにより、障害物Oが植込み障害物であるか否かを判別することができる。この結果、例えば、かかる判別の結果を駐車支援制御に用いることができる。
【0208】
なお、本願開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本開示に係る障害物検知装置及び障害物検知方法は、例えば、駐車支援装置又は衝突回避装置に用いることができる。本開示に係る駐車支援装置及び衝突回避装置は、車両に用いることができる。
【符号の説明】
【0210】
1 車両、2,2a,2b 駐車支援システム、3 測距センサ、4 第1センサ類、5 第2センサ類、6,6a,6b 駐車支援装置、7,7a,7b,7c 障害物検知装置、8 衝突回避システム、9 衝突回避装置、11,11a 障害物検知部、12 マップ生成部、13 ピーク形状抽出部、14,14a 判別部、15,15a 補正部、21 駐車支援制御部、31 速度判断部、32 送信信号出力部、33 受信信号取得部、34 距離演算部、35 位置演算部、41 高さ判別部、42 植込み判別部、51 プロセッサ、52 メモリ、53 処理回路、61 衝突回避制御部、71 プロセッサ、72 メモリ、73 処理回路。