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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】作物収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 45/22 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
A01D45/22 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019027349
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020130038
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(73)【特許権者】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】木下 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 将人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 義貴
(72)【発明者】
【氏名】井上 大嗣
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 満
(72)【発明者】
【氏名】高橋 草太
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3008671(JP,U)
【文献】特開2009-106196(JP,A)
【文献】特開2006-067805(JP,A)
【文献】実開昭63-177119(JP,U)
【文献】特開平09-323738(JP,A)
【文献】特開2011-115068(JP,A)
【文献】特開2004-089081(JP,A)
【文献】特開平08-289641(JP,A)
【文献】特開2005-333917(JP,A)
【文献】特開2017-063677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00 - 33/14
A01D 43/00 - 43/04
A01D 43/08 - 46/30
A01D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫対象の作物の茎部分を把持して後方搬送する後方搬送装置と、
前記後方搬送装置から送り込まれた作物を、茎部分から脱落させるように処理する脱落処理装置と、
脱落処理後の被処理物を載置して一方向へ搬送する中継搬送装置と、
前記中継搬送装置の搬送終端側から受け渡された被処理物を収容する回収装置と、が走行機体上に備えられた作物収穫機であって、
前記回収装置が、前記中継搬送装置から被処理物を受け渡される回収始端箇所と、その回収始端箇所から水平方向で離れた終端位置と、にわたる長尺の収容部を備え、かつ、前記収容部の底面が前記収容部の長手方向に被処理物を搬送可能なコンベアによって構成され、
前記回収装置のうち、前記コンベアによる機体後方側への搬送方向の終端位置の開閉口部に開閉可能な蓋部材を備え、
前記蓋部材の後面側に、前記蓋部材を閉塞姿勢に維持するロック状態と、前記蓋部材の開放を可能にするロック解除状態とに切換可能なロック操作具が備えられ、
前記コンベアを駆動する電動モータと、前記電動モータを制御する制御装置と、前記中継搬送装置で搬送された被処理物を検出するセンサと、前記収容部の内部の前端側に備えられ被処理物が接触可能な満杯センサと、前記開閉口部の近くで前記蓋部材より後方に配置され前記コンベアによる被処理物を前記開閉口部側へ向けて搬送する方向への駆動および駆動停止を可能にする手動操作スイッチとを備え、
前記制御装置は、前記センサが、被処理物を検知した場合に一定時間だけ正方向に前記電動モータを作動させることで前記コンベアで被処理物を前方に搬送し、前記満杯センサが被処理物の存在を検出した場合に警報を報知し、
前記ロック操作具が前記ロック解除状態にある状況で、前記手動操作スイッチの操作によって前記コンベアが逆方向に作動することで前記開閉口部から前記処理物の排出を可能にしている作物収穫機。
【請求項2】
前記収容部は、前記コンベアとは別体で構成され、かつ前記コンベアの上面よりも上方側へ突出する縦壁部分を備え、
前記縦壁部分が、前記コンベアの被処理物搬送方向に沿って前記上面の両横外側位置に固定設置されている請求項1記載の作物収穫機。
【請求項3】
前記回収装置における前記回収始端箇所が前記中継搬送装置の搬送終端部に対向する箇所に位置し、かつ、前記中継搬送装置での被処理物搬送方向に交差する方向へ被処理物を搬送する前記回収装置での被処理物搬送方向が、前記走行機体の前後方向に沿っている請求項1又は2記載の作物収穫機。
【請求項4】
前記コンベアは、前記センサが被処理物を検出する毎に、被処理物を、正方向に所定量だけ間欠送りするように、被処理物搬送方向での作動タイミングを設定されている請求項1~3のいずれか一項記載の作物収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫された作物のうち、回収対象の被処理物が収容される回収装置を走行機体上に備えた作物収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作物収穫機としては、圃場の作物を抜き取って後方上方へ搬送し、後方の処理装置で茎部分から作物を分離させ、走行機体の横一側部に備えた回収部で回収するようにした構造のものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-22224号公報(段落「0042」、図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、引き抜かれて後方搬送された地下茎作物を、切断装置で葉茎部から切り離して落下させ、その地下茎作物を横一側方へ搬送し、走行機体の横一側部に備えた載置板上の受け部貯留コンテナに回収する構造のものが示されている。この構造のものでは、載置板上に置いた受け部貯留コンテナに地下茎作物を回収し、そのコンテナが満杯になると、満杯コンテナの位置を前方へずらし、別に用意して空のコンテナに次の地下茎作物を受け入れるようにして回収作業が行われる。
このため、載置板上での、個々の受け部貯留コンテナに地下茎作物を回収する作業、満杯コンテナを前へ移動させて空コンテナに交換する作業、載置板上から多くの受け部貯留コンテナを降ろす作業などが必要である。したがって、各作業の都度、機体走行を止めて作業を行う必要があって、作物収穫機の稼働時間のロスを招く傾向がある。また、作業者に多大な作業時間や労力を要するという問題点がある。
【0005】
本発明は、作物の回収作業の手間や作物収穫機の稼働時間のロスを少なくして、効率の良い作物回収が行われ易い作物収穫機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における作物収穫機の特徴は、収穫対象の作物の茎部分を把持して後方搬送する後方搬送装置と、前記後方搬送装置から送り込まれた作物を、茎部分から脱落させるように処理する脱落処理装置と、脱落処理後の被処理物を載置して一方向へ搬送する中継搬送装置と、前記中継搬送装置の搬送終端側から受け渡された被処理物を収容する回収装置と、が走行機体上に備えられた作物収穫機であって、前記回収装置が、前記中継搬送装置から被処理物を受け渡される回収始端箇所と、その回収始端箇所から水平方向で離れた終端位置と、にわたる長尺の収容部を備え、かつ、前記収容部の底面が前記収容部の長手方向に被処理物を搬送可能なコンベアによって構成され、前記回収装置のうち、前記コンベアによる機体後方側への搬送方向の終端位置の開閉口部に開閉可能な蓋部材を備え、前記蓋部材の後面側に、前記蓋部材を閉塞姿勢に維持するロック状態と、前記蓋部材の開放を可能にするロック解除状態とに切換可能なロック操作具が備えられ、前記コンベアを駆動する電動モータと、前記電動モータを制御する制御装置と、前記中継搬送装置で搬送された被処理物を検出するセンサと、前記収容部の内部の前端側に備えられ被処理物が接触可能な満杯センサと、前記開閉口部の近くで前記蓋部材より後方に配置され前記コンベアによる被処理物を前記開閉口部側へ向けて搬送する方向への駆動および駆動停止を可能にする手動操作スイッチとを備え、前記制御装置は、前記センサが、被処理物を検知した場合に一定時間だけ正方向に前記電動モータを作動させることで前記コンベアで被処理物を前方に搬送し、前記満杯センサが被処理物の存在を検出した場合に警報を報知し、前記ロック操作具が前記ロック解除状態にある状況で、前記手動操作スイッチの操作によって前記コンベアが逆方向に作動することで前記開閉口部から前記処理物の排出を可能にしている点にある。
【0007】
本発明によれば、中継搬送装置の搬送終端側から受け渡された被処理物を収容する回収装置が、中継搬送装置から被処理物を受け渡される回収始端箇所と、その回収始端箇所から水平方向で離れた終端位置と、にわたる長尺の収容部を備えており、その収容部の底面が収容部の長手方向に被処理物を搬送可能なコンベアによって構成されている。したがって、中継搬送装置の搬送終端側から受け渡された被処理物が、被処理物を受け渡される回収始端箇所に留まらず、その回収始端箇所から水平方向で離れた終端位置に向けて搬送されることになる。
このため、回収始端箇所で次々とコンテナを交換しながら被処理物を回収する作業が不要となり、また、回収始端箇所でのコンテナ交換の都度、収穫作業機を停止させておく必要もない。
これによって、収穫作業機の稼働効率を向上し得るとともに、走行機体上でコンテナを交換しながら被処理物を回収する作業が不要となり、作物回収の作業時間や労力を節減し得る点でも有利である。そのうえ、コンテナ交換の都度、被処理物がこぼれ落ちるというような、作物ロスを少なくし易い点でも有用である。
【0008】
上記構成において、前記収容部は、前記コンベアとは別体で構成され、かつ前記コンベアの上面よりも上方側へ突出する縦壁部分を備え、前記縦壁部分が、前記コンベアの被処理物搬送方向に沿って前記上面の両横外側位置に固定設置されていると好適である。
【0009】
本構成によれば、コンベアの上面よりも上方側へ突出する縦壁部分が、被処理物搬送方向に沿ってコンベアの上面の両横外側位置に固定設置されているので、コンベアの上面に多くの被処理物を載置した状態で被処理物を搬送することができる。
これによって、コンベア上面よりも上方側へ突出する縦壁部分を備えていない場合よりも、収容部全体の容積を増大し、収穫作業機の連続稼働時間を長くすることができる。
【0010】
上記構成において、前記回収装置における前記回収始端箇所が前記中継搬送装置の搬送終端部に対向する箇所に位置し、かつ、前記中継搬送装置での被処理物搬送方向に交差する方向へ被処理物を搬送する前記回収装置での被処理物搬送方向が、前記走行機体の前後方向に沿っていると好適である。
【0011】
本構成によれば、中継搬送装置の存在箇所を含めて、回収装置の被処理物搬送方向の長さを極力長く確保し易く、回収装置の容積を大きく確保し易い。
【0012】
上記構成において、前記コンベアは、前記センサが被処理物を検出する毎に、被処理物を、正方向に所定量だけ間欠送りするように、被処理物搬送方向での作動タイミングを設定されていると好適である。
【0013】
本構成によれば、回収装置の回収始端箇所に大量の被処理物が堆積することを避け易く、回収装置から被処理物がこぼれ落ちる可能性を低減し易い。
【0014】
上記構成において、前記回収装置には、前記コンベアの被処理物搬送方向での一端側に、被処理物を取り出し可能な開閉口部が備えられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、被処理物搬送方向での一端側に、被処理物を取り出し可能な開閉口部が備えられているので、コンベアでの搬送作用を利用して開閉口部から被処理物を取り出し易い。
【0016】
上記構成において、前記コンベアは、前記回収始端箇所から前記水平方向で離れた終端位置に向かう正方向と、逆方向と、に被処理物の搬送方向を変更可能に構成されていると好適である。
【0017】
本構成によれば、被処理物を取り出し可能な開閉口部が、被処理物搬送方向で回収始端箇所近くの一端側にのみ設けられていても、コンベアを逆方向に駆動することで、水平方向で離れた終端位置に運ばれていた被処理物を、逆方向の回収始端箇所側へ戻すように搬送し、一端側の開閉口部から取り出すことができる。
【0018】
上記構成において、前記回収装置における開閉口部には、被処理物の取り出しを規制する閉塞姿勢と、被処理物の取り出しを許容する開放姿勢と、に姿勢切換可能な蓋部材が、上端部を揺動支点にして下端側が揺動開閉可能であるように設けられ、前記コンベアによる被処理物を開閉口部側へ向けて搬送する方向への駆動、及び駆動停止を操作可能な操作スイッチが前記開閉口部の近くに設けられていると好適である。
【0019】
本構成によれば、被処理物を取り出す際に、開閉口部の蓋部材を開け閉めする操作と、コンベアの作動及び停止を行う操作とを、蓋部材の開閉操作を行いながら同時的に行えるので、開閉口部からの被処理物の取り出し状況を確認しながら、より簡便に蓋部材を開け閉めし易い。
また、蓋部材が、上端部を揺動支点にして下端側が揺動開閉可能であるように設けられているので、コンベアの駆動によって被処理物を開閉口部側へ向けて搬送すると、その被処理物の押圧作用によって蓋部材の下端側が開放され、被処理物を開閉口部から排出させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】作物収穫機を示す左側面図である。
図2】作物収穫機を示す平面図である。
図3】作物収穫機を示す右側面図である。
図4】作物収穫機を示す後面図である。
図5】回収装置の回収始端箇所を示す平面図である。
図6】後面視での回収装置の開閉口部を示す後面図である。
図7】側面視での回収装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作物収穫機において、走行機体1の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
【0022】
〔全体構成〕
図1乃至図4は、莢付き作物としての枝豆を収穫する作物収穫機を例示したものである。
この作物収穫機は、機体フレーム10の下方に左右一対のクローラ式の走行装置11を備え、機体フレーム10上における右側前部に操縦部12を備えて走行機体1を構成している。
走行機体1には、圃場の作物を収穫する収穫部1Aと、収穫された作物(被処理物に相当する)の莢部分を茎部分から分離させるように脱莢処理する脱莢部1Bと、脱莢処理された被処理物を選別する選別部1Cと、被処理物から選別された莢部分を収容する回収部1Dと、が備えられている。
【0023】
本発明の作物収穫機が収穫対象とするのは、枝豆、インゲン豆、サヤエンドウ等の、莢付き状態で収穫される莢付き作物である。この実施形態でいう莢付き作物とは、茎部分(主茎)に葉部(本葉)や莢部分(莢)がついた状態の全体を指し、莢部分とは、莢に実が内包されている状態のものを指す。
【0024】
枝豆を収穫対象とした作物収穫機において、収穫部1Aによる収穫時点では、茎部分に葉部や根部がついたままで抜き取られ、後方搬送される。つまり、この収穫時点では、作物全体が被処理物として収穫される。
脱莢部1Bでは、茎部分を把持された状態の作物から莢部分が、もぎ取られるように脱莢処理されるが、このとき、多くの葉部や茎の一部も同時的に茎部分から分離されて脱落する。この脱莢処理時点では、作物のうち、脱莢部1Bに送り込まれた部位が被処理物として処理される。脱莢処理後の茎部分や根部等の排稈部分は、機体後部から機外へ排出される。
選別部1Cでは、脱莢処理されて茎部分から分離した莢部分や葉部が選別対象の被処理物となる。そして、選別部1Cで葉部等の大部分の夾雑物が除去された後の被処理物が回収部1Dに送り込まれる。
【0025】
走行機体1の機体フレーム10における右前部には、エンジン13を備える原動部が設けられ、この原動部の上側を覆う状態に前記操縦部12の運転座席12aが設置されている。そして、運転座席12aの前方下方には操縦部ステップ12bが備えられ、その操縦部ステップ12bの前部に操向操作用の操作具等を備えた操縦塔12cが設けられている。
【0026】
〔収穫部〕
収穫部1Aについて説明する。
図1及び図2に示すように、収穫部1Aには、収穫対象の莢付き作物を把持して茎ごと後方搬送する後方搬送装置2が備えられている。
この後方搬送装置2は、圃場の作物の茎部分を挟持した状態で抜き取って後方上方へ搬送する長尺の挟持搬送装置20と、挟持搬送装置20の搬送終端部で、作物の上部を横倒し姿勢に姿勢変更して、後続の脱莢装置3へ受け渡す横倒し供給装置24と、を備えている。これらの挟持搬送装置20と横倒し供給装置24が走行機体1の機体左側部に配置されている。
【0027】
挟持搬送装置20は、搬送始端部が地面近くに位置し、搬送終端側ほど機体後方側で高レベルに位置する後上り傾斜姿勢の左右一対の無端回動ベルト21,21を備えている。その無端回動ベルト21,21は、駆動プーリ20A、中継プーリ20B、及び従動プーリ20Cに巻回されて駆動され、左右の無端回動ベルト21,21の間に莢付き作物の茎部分を挟持するように構成されている。
【0028】
左右一対の無端回動ベルト21,21は、中継プーリ20Bを境にして、前方側に位置する前回動ベルト21a,21aと、後方側に位置する後回動ベルト21b,21bと、の組み合わせで構成されている。
中継プーリ20Bは、同一軸上で一体回転する上下二段のプーリ部分20Ba,20Bbを備えている。中継プーリ20Bのうち、上段側のプーリ部分20Baと、従動プーリ20Cと、にわたって前回動ベルト21a,21aが巻回されている。中継プーリ20Bのうち、下段側のプーリ部分20Bbと、駆動プーリ20Aと、にわたって後回動ベルト21b,21bが巻回されている。
【0029】
したがって、左右一対の無端回動ベルト21,21によって圃場の作物の茎部分を挟持し、抜き取って後方上方へ搬送する際に、作物の茎部分が搬送途中で持ち替えられることになる。つまり、中継プーリ20Bよりも前側で前回動ベルト21a,21aに挟持されていた作物の茎部分よりも、中継プーリ20Bよりも後側では、後回動ベルト21b,21bよって下方側を挟持して搬送することになる。
このように無端回動ベルト21,21を、上段側の前回動ベルト21a,21aと、下段側の後回動ベルト21b,21bと、の組み合わせで構成すると、次の点で有利である。つまり、圃場に植立している作物を引き抜き際に、最初から作物の根元近くを挟持しようとすれば、無端回動ベルト21,21の先端が圃場の泥中に突入し易くなって、破損や故障の要因になる虞がある。これに比べて、圃場に植立している作物を引き抜き際には作物の根元よりも少し上側を挟持した状態で引き抜くようにすれば、破損や故障の要因になる虞は少ない。そして、その後に、挟持箇所を作物の根元寄りに持ち替えれば、作物のほぼ全体を脱莢装置3内へ挿入すれば、根元近くにも存在する作物の莢部分をロスの少ない状態で脱莢処理し易い。
【0030】
中継プーリ20Bの上段側のプーリ部分20Baと、従動プーリ20Cと、にわたって巻回された前回動ベルト21a,21aのうち、作物搬送経路r1に対面する部位の背面側に、前回動ベルト21a,21aが、作物搬送経路r1から離反する側へ移動することを抑制するための複数個のガイド輪体21cが備えられている。
また、中継プーリ20Bの下段側のプーリ部分20Bbと、駆動プーリ20Aと、にわたって巻回された後回動ベルト21b,21bのうち、作物搬送経路r1に対面する部位の背面側に、後回動ベルト21b,21bが、作物搬送経路r1から離反する側へ移動することを抑制するための複数個のガイド輪体21dが備えられている。
【0031】
横倒し供給装置24は、無端回動チェーン25aと起伏爪25bを備えた掻き込み回転体25と、莢付き作物の横倒れ方向を案内するガイド板26a、26bと、を備えている。
この横倒し供給装置24は、掻き込み回転体25の前部が挟持搬送装置20の終端部と前後方向で重複し、掻き込み回転体25の後部が後述するフィードチェーン27の前端部と前後方向で重複するように設けられている。つまり、莢付き作物に対する横倒し供給装置24による横倒し作用が、挟持搬送装置20による後方搬送作用が終了する前から作用し、横倒し供給装置24による横倒し作用の終了前に、フィードチェーン27による後方搬送が開始されているように、横倒し供給装置24の配設位置を設定してある。
また、図1,2に示すように、挟持搬送装置20の終端部とフィードチェーン27の前端部も前後方向で重複する位置関係にあり、挟持搬送装置20による莢付き作物の挟持搬送領域と、フィードチェーン27による搬送領域とが部分的に重複するように、挟持搬送装置20とフィードチェーン27が配設されている。
【0032】
掻き込み回転体25と、挟持搬送装置20の終端部と、フィードチェーン27の前端部と、の上下方向での位置関係は、掻き込み回転体25の無端回動チェーン25aが最も高く、フィードチェーン27の前端部が最も低く、その中間に挟まれる状態で挟持搬送装置20の終端部が位置するように配置されている。
また、左右方向では、図2に示すように、挟持搬送装置20の左右一対の無端回動ベルト21,21の挟持搬送面によって構成される引き抜き搬送経路r1の延長線が、平面視でフィードチェーン27の左横外側に位置している。そして、掻き込み回転体25の無端回動チェーン25aが、引き抜き搬送経路r1の左横外側から、フィードチェーン27の位置を越えて、右横側方へ向けて莢付き作物の杆身を横倒しするように設けられている。
【0033】
図2において、挟持搬送装置20の無端回動ベルト21,21のうち、左側の無端回動ベルト21は時計回りに回転し、右側の無端回動ベルト21は反時計回りに回転する。掻き込み回転体25の無端回動チェーン25aは時計回りに回転している。フィードチェーン27は、図1において時計回りに回転している。図1における符合28は、フィードチェーン27の上面との間で被処理物を挟持搬送する挟厄ガイドである。
【0034】
〔脱莢部〕
脱莢部1Bについて説明する。
図1乃至図4に示されるように、脱莢部1Bには、莢付き作物の茎部分から莢部分を脱落させるように脱莢処理する脱莢装置3(脱落処理装置に相当する)が備えられている。
脱莢装置3は、上下一対の前部回転軸体30,30と、上下一対の後部回転軸体31,31と、を備えている。
【0035】
前側に位置する上下の前部回転軸体30,30のそれぞれは、反時計回りと、時計回りに回転駆動される。図示はしないが各前部回転軸体30,30は、丸筒状の胴部の外周面上に板状の突起部材が突出した断面形状に形成され、被処理物を掻き込むように回転駆動される。
後側に位置する上下の後部回転軸体31,31のそれぞれは、反時計回りと、時計回りに回転駆動される。各後部回転軸体31,31は、図示はしないが外周面上に幅広の板状の突起部材が突出した断面形状に形成され、被処理物を掻き込むように回転駆動される。
【0036】
上記の前部回転軸体30,30と後部回転軸体31,31は、フィードチェーン27の挟持搬送面27aを挟んで、その上側と下側とに振り分けて配設されている。
したがって、フィードチェーン27に根部側を挟持された莢付き作物の上部が、上側の前部回転軸体30と下側の前部回転軸体30の間、及び上側の後部回転軸体31と下側の後部回転軸体31の間を通過する際に、前部回転軸体30,30と後部回転軸体31,31によって叩かれ、かつ、しごかれる。このように、フィードチェーン27に挟持されて引っ張られる茎部分が、上下の前部回転軸体30,30、及び後部回転軸体31,31の間を通過する際にも受けるしごきも加えられることによって、茎部分から莢部分が効率良くもぎ取られる。このようにして脱莢処理が行われる。
【0037】
茎部分から脱落した莢部分や葉部を含む被処理物は、受け止めコンベア32上に落下し、後方へ送られて選別処理される。莢部分を除去した茎部分は、フィードチェーン27に挟持されたまま後方へ搬送され、機体後端部から機外へ落下放出される。フィードチェーン27は、上面側が挟持搬送面27aであり、上面側に対向する挟扼ガイド28との間に茎部分を挟持し得るものである。
【0038】
〔選別部〕
選別部1Cについて説明する。
選別部1Cには、脱莢処理後の被処理物を選別する選別装置4が備えられている。
選別装置4には、風選処理を行う一次選別部4Aと、ふるい分け選別を行う二次選別部4Bと、が備えられている。
一次選別部4Aには、選別風を発生する唐箕40と、後方側へ被処理物を搬送する選別コンベア41とが備えられている。
二次選別部4Bには、風選処理後の被処理物を回収部1D側へ搬送する横搬送コンベア42(中継搬送装置に相当する)が備えられている。
【0039】
一次選別部4Aでは、唐箕40が脱莢装置3の受け止めコンベア32の下側に配設されている。そして、受け止めコンベア32の終端と、選別コンベア41の始端との間では、受け止めコンベア32の終端よりもやや低い位置に始端を位置させて選別コンベア41が配設されている。選別コンベア41の始端と受け止めコンベア32の終端との間には、唐箕40による送風状態で、比重の小さい塵埃や面積の大きい葉部等が浮遊して選別コンベア41側へ受け渡され、比較的比重の大きい莢部分が落下するように、風選処理に適した間隔が設けられている。
【0040】
二次選別部4Bでは、一次選別部4Aでの風選処理時に、比較的比重が大きくて落下する莢部分等を受け止められるように、横搬送コンベア42が、選別コンベア41の始端と受け止めコンベア32の終端との間に設けられた風選処理に適した間隔の下方に配設されている。
この横搬送コンベア42は、図2及び図4に示すように、風選処理後の被処理物を回収部1D側へ搬送するものである。そのため、走行機体1の左側寄り位置に配設されている一次選別部4Aから、右側端部近くの回収部1Dへ向けて左右方向に長く延設されている。
【0041】
図4に示すように、横搬送コンベア42は、搬送始端側よりも搬送終端側が高くなる上り傾斜の搬送面42aが備えられている。この横搬送コンベア42の上り傾斜は、一次選別部4Aでの風選処理時に落下した被処理物が搬送面42a上の左側端部に多く堆積した場合に、その堆積物を均平化し易くするためのものである。
つまり、堆積物が単なる水平面上を移動する場合よりも、上り傾斜面上を移動する方が、重力のかかり具合が僅かながらも搬送後方側寄りに作用した状態で搬送されるので、堆積物の山が崩れ易く、機体振動等も有効に作用して、搬送途中で堆積物を均しながら搬送し得る。
【0042】
横搬送コンベア42の終端部には、回収部1D側へ向かう前下がり姿勢で案内しながら滑落させるための傾斜面を備えたシュート部材43が設けられている。このシュート部材43の傾斜面部分の横側方位置には、傾斜面上に所定量以上の被処理物が存在することを検出するセンサ44が設けられている。
このセンサ44は、横搬送コンベア42から回収装置5へ被処理物が供給される際に、回収装置5側に所定量以上の被処理物が溜まっているか否かを判別するためのものである。すなわち、回収装置5側に所定量以上の被処理物が溜まっていない状態では、横搬送コンベア42から供給される被処理物がシュート部材43の傾斜面部分で停滞することなく流れ落ちるので、シュート部材43の傾斜面上に所定量以上の被処理物が存在することは検出されない。回収装置5側に所定量以上の被処理物が溜まると、被処理物がシュート部材43の傾斜面部分で停滞し、傾斜面上に所定量以上の被処理物が存在する状態を検出する。
【0043】
〔回収部〕
回収部1Dについて説明する。
回収部1Dは、機体フレーム10の右側部において、走行機体1の前後方向に沿って設けられた回収装置5によって構成されている。
回収装置5は、横搬送コンベア42から被処理物を受け渡される回収始端箇所A1と、その回収始端箇所A1から水平方向で離れた終端位置A2と、にわたる長尺の収容部50を備えている。そして、この収容部50は、底面50aが収容部50の長手方向に被処理物を搬送可能なベルトコンベア51(コンベアに相当する)によって構成されている。
【0044】
収容部50は、ベルトコンベア51とは別体で構成され、ベルトコンベア51の上面よりも上方側へ突出する縦壁部分50bを備えて、後述する蓋部材52とともに、平面視で前後方向に長い矩形箱状に形成されている。
縦壁部分50bは、ベルトコンベア51の被処理物搬送方向に沿って、ベルトコンベア51の両横外側位置と、ベルトコンベア51による被処理物搬送方向の前端部と、で機体フレーム10の右横側部に備えた回収部支持台14に固定設置されている。
ベルトコンベア51による被処理物搬送方向において、被処理物搬送方向の前端部とは反対側である後端部に相当する箇所の収容部50には、被処理物を取り出し可能な開閉口部50dが備えられている。この実施形態においては、被処理物搬送方向の前端部とは、横搬送コンベア42から被処理物を受け渡される回収始端箇所A1から水平方向で離れた終端位置A2であり、被処理物搬送方向の前端部とは反対側である後端部とは、横搬送コンベア42から被処理物を受け渡される回収始端箇所A1である。
そして、左右の縦壁部分50bの後端部に相当する箇所では、前記開閉口部50dを後方側から覆う蓋部材52が備えられている。
【0045】
蓋部材52は、図7に示すように、左右の縦壁部分50bの後端部に対して、上端部が支軸52aに支持されて、下端側が揺動開閉可能であるように取り付けられている。
蓋部材52の後面には、ロック操作具53が設けてある。このロック操作具53は、ノブハンドル53aと一体回転する操作体53bの上下に、左右一対のロックピン53c,53cを押し引き操作可能に連携し、各ロックピン53c,53cが、左右の縦壁部分50bに備えた係合孔50cに対して抜き差し可能に構成されている。
したがって、後方からみてノブハンドル53aを時計回りに回転させると、各ロックピン53c,53cが、左右の縦壁部分50bに備えた係合孔50cに係入してロック状態となり、逆回転させると、各ロックピン53c,53cが、左右の係合孔50cから外れてロック解除状態となり、蓋部材52の開閉を行うことができる。
【0046】
開閉口部50dの近くで、機体外方側の縦壁部分50bの外側位置に、ベルトコンベア51を正逆に手動で駆動操作するための手動操作スイッチ54(操作スイッチに相当する)が設けられている。
手動操作スイッチ54は、中立復帰式で、かつ一方向と、それとは反対の方向と、に択一的に操作可能なタンブラー操作式に構成されたものである。この手動操作スイッチ54を一方向に操作している間だけ、被処理物を回収始端箇所A1から水平方向で離れた終端位置A2に向かう正方向に搬送する状態にベルトコンベア51が駆動される。手動操作スイッチ54を前記一方向とは反対方向に操作している間だけ、終端位置A2から回収始端箇所A1へ向かう逆方向へ被処理物を搬送する状態にベルトコンベア51が駆動される。いずれにも操作されていないときには、ベルトコンベア51は停止している。
【0047】
ベルトコンベア51の駆動は、回収始端箇所A1の近くで、ベルトコンベア51の下方側において、回収部支持台14に取り付けられた電動モータ55を駆動源としている。
電動モータ55の回転動力が、駆動スプロケット55a、伝動チェーン55b、従動スプロケット55cを介してベルトコンベア51のベルト駆動軸56に入力される。ベルト駆動軸56の、前記従動スプロケット55cとは反対側の端部にコンベア駆動回転体56aが一体回転可能に設けられている。このコンベア駆動回転体56aと、終端位置A2近くに備えたベルト従動軸57に備えた従動回転体57aと、にわたって伝動ベルト58が掛張され、ベルトコンベア51が回転駆動される(図6図3参照)。
【0048】
収容部50において、回収始端箇所A1から水平方向で離れた終端位置A2で、ベルトコンベア51による被処理物搬送方向の前端部に存在する縦壁部分50bには、満杯センサ59が設けられている。
この満杯センサ59は、収容部50内に収容された被処理物との接触圧で、被処理物が収容部50のほぼ全体にわたって満杯状態であることを検出するためのものであり、回収始端箇所A1側からベルトコンベア51で順次送られてきた被処理物が終端位置A2に到達し、縦壁部分50bに当接したことを検知する。これによって、収容部50の全体が満杯状態であることを検出する。
【0049】
〔回収作業形態〕
回収装置5における回収作業は次のようにして行われる。
すなわち、収穫作業中に、回収始端箇所A1で所定量以上の被処理物が堆積すると、横搬送コンベア42の終端部におけるシュート部材43に備えたセンサ44が、シュート部材43の傾斜面上に所定量以上の被処理物が存在することを検出して、回収始端箇所A1に所定量以上の被処理物が堆積したと認識する。
【0050】
そのセンサ44による検出信号が、電動モータ55の制御装置(図示せず)に伝えられ、制御装置が電動モータ55を、予め定めた一定時間だけ正方向(回収始端箇所A1から終端位置A2へ向かう方向)へ作動させる。
すると、ベルトコンベア51が被処理物を載置したままで正方向へ所定量だけ移動する。これに伴ってシュート部材43の傾斜面上に滞留していた被処理物が流れ落ちる。その結果、シュート部材43に備えたセンサ44は被処理物が不存在であることを検出し、横搬送コンベア42から収容部50への被処理物供給が再開される。
【0051】
再び横搬送コンベア42の終端部におけるシュート部材43に備えたセンサ44が、シュート部材43の傾斜面上に所定量以上の被処理物が存在することを検出すると、回収始端箇所A1から所定量移動した箇所において収容部50に所定量以上の被処理物が堆積したと認識する。
これにともなって、制御装置が電動モータ55を、予め定めた一定時間だけ正方向(回収始端箇所A1から終端位置A2へ向かう方向)へ作動させる。
【0052】
このような動作を何度か繰り返すうちに、回収始端箇所A1から水平方向で離れた終端位置A2で縦壁部分50bに設けられた満杯センサ59が、被処理物の存在を検出する。
これによって、収容部50の全体が満杯状態であることを検出し、制御装置は、操縦部12に備えた警報装置(図示せず)を介して、警報音、音声、もしくは警報ランプ、あるいは、その両方などで運転者に警報を報知する。
【0053】
〔回収部からの取り出し作業〕
回収部1Dにおいて回収装置5から被処理物を取り出すには、次のようにして行う。
(1);運転者は警報装置による満杯情報を認識すると、走行機体1を適所で停止させる。
(2);回収装置5の収容部50に備えた開閉口部50dが存在する回収始端箇所A1近くの圃場に、収容部50に収容されている被処理物を収容可能な個数のコンテナを用意する。
(3);図7に示すように、コンテナ6を開閉口部50dの出口下方にセットし、蓋部材52のロック操作具53を操作し、ロックを解除する。
(4);蓋部材52を開放操作しつつ、手動操作スイッチ54を、ベルトコンベア51が逆回転する側に操作し、ベルトコンベア51上の被処理物を、終端位置A2側から回収始端箇所A1側へ向かう逆方向へ移送する。これに伴って開閉口部50dから排出される被処理物をコンテナ6に収容する。
(5);一つのコンテナ6が満杯になると手動操作スイッチ54によるベルトコンベア51の逆回転を止め、次のコンテナ6をセットする。
(6);上記(4),(5)を繰り返して、収容部50に収容されている被処理物の全部が取り出されたことを確認して、取り出し作業を終了する。
【0054】
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、回収装置5のコンベアとして、ベルトコンベア51を採用した構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、対象作物の種類などに応じて、スラットコンベアやメッシュコンベアを採用するなど、適宜のものを採用可能である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0055】
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、ベルトコンベア51として、回収始端箇所A1から終端位置A2へ向かう正方向と、終端位置A2から回収始端箇所A1へ向かう逆方向と、の正逆両方向へ移送可能な構造のものを採用したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、回収始端箇所A1から終端位置A2へ向かう正方向のみへ向けて被処理物を搬送するものであってもよい。この場合、終端位置A2側に開閉口部50dを設ける必要がある。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0056】
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、回収装置5の回収始端箇所A1での被処理物量を検出する手段として、接触式のセンサ44を採用した構造を示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、センサを重量検知式や、非接触式の赤外線センサを採用するなど、適宜の構成を採用することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0057】
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、収容部50に被処理物が満杯になったことを検出する手段として、接触式の満杯センサ59を採用した構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、終端位置A2の近くで被処理物の重量を検知する重量検知式であったり、終端位置A2に達したことを検出する赤外線センサであったりしてもよい。
あるいは、満杯センサ59を用いずに、回収始端箇所A1で被処理物が所定量堆積してから、ベルトコンベア51の送り量や回数等から割り出した満杯予測位置で警報装置を作動させるようにしても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0058】
〔別実施形態の5〕
上記の実施形態では、収容部50を走行機体1の前後方向に沿わせた構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。例えば、走行機体の横方向に沿わせるなどしてもよいが、できるだけ、被処理物の送り方向長さを長く確保できるように配設するのがのぞましい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0059】
〔別実施形態の6〕
上記の実施形態では、開閉口部50dを後方側から覆う蓋部材52の揺動開閉操作と、ベルトコンベア51を正逆に手動で駆動操作するための手動操作スイッチ54の操作とを、別々に行う構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、蓋部材52の揺動開閉操作を、手動操作スイッチ54の操作のように、蓋部材52の揺動開放操作でベルトコンベア51を逆送させ、蓋部材52の閉止操作でベルトコンベア51の作動を停止させるようにするなど、連係作動させるようにしてもよい。
また、蓋部材52に手動操作スイッチ54を取り付けて、蓋部材52の揺動開閉操作を行いながら、空いている指で手動操作スイッチ54を操作できるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0060】
〔別実施形態の7〕
上記の実施形態では、機体フレーム10の横外側部に回収部支持台14を設けた構造のものを例示したが、この回収部支持台14を脱着可能に構成したり、折り畳み可能に構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、枝豆を処理対象とするものに限らず、インゲン豆やサヤエンドウ等の、莢付き状態で収穫される各種の莢付き作物、あるいは根菜類などを処理対象とする作物収穫機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 走行機体
1D 回収部
2 後方搬送装置
3 脱落処理装置
5 収容部
42 中継搬送装置
50 収容部
50a 底面
50b 縦壁部分
50d 開閉口部
51 コンベア
52 蓋部材
54 操作スイッチ
A1 回収始端箇所
A2 終端位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7